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空き家

実家の残置物の処分はどこまで?売り方3つの分かれ目

公開 更新

執筆
株式会社リアテクス リアテクス編集部
監修
株式会社リアテクス 執行役員 鶴野 博之(宅地建物取引士(東京)第257503号)
実家の残置物の処分はどこまで?売り方3つの分かれ目

「親から相続した実家に家財が丸ごと残っていて、片付けてから売るべきか、このまま手放せるのかが分からない」。残置物は片付けてから売っても残したまま売ってもよく、手元に多く残るのがどちらかは、家財の量・実家までの距離・築年数・売る時期・相続登記の済み具合で決まります。

残置物は片付けないまま実家ごと買い取り、撤去と処分の費用は土地と建物の値から差し引いた内訳でお出しします。他人の預かり物の返し先がつかない家と、中身の分からない薬品が残る家は、行き先が決まるまで金額をお出ししません。この家が買い取れるかどうかだけ、先に聞く(無料)

目次(12章)

片付けが済んでいない実家も、残置物ごと処分の相談ができます

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相続した実家に残った家財は、相続人が片付けてから売ることも、残したまま買主に引き取ってもらうこともできます。どちらを選んでも売却そのものはできます。分かれるのは手元に残る金額と、売り終わるまでにかかる手間と月数です。それを左右するのは家財の量、実家までの距離、建物の築年数、売りたい時期、相続登記が済んでいるかどうかの5つです。ただし、相続を放棄するかどうかを決めていない間は、家財に手を付けない方がよいです。エアコンやテレビなど家電の4品目には捨て方の決まりがあります。片付けの順番だけは最初に押さえておく必要があります。

実家の残置物の処分はどこまで?売り方3つの分かれ目の要点を、定義・この記事でわかること・よくある質問の順に短くまとめた動画です。

実家の残置物は誰が処分する?相続した人と放棄した人の違い

相続した実家の残置物を処分するのは、その家と家財を相続する人で、相続を放棄した人は民法第940条の保存の範囲で手元の物を守る立場にとどまります。誰が手を付けてよいかは、相続するか放棄するかを決めたかどうかと、遺産の分け方が相続人の間で決まっているかどうかで分かれます。

相続した実家に残った家財が、残置物と呼ばれるとき

残置物という言葉は、法律で細かく定められた用語ではありません。売買や賃貸の現場では、建物を引き渡すときに中や敷地に残されている家具・家電・衣類・食器・布団・庭の植木鉢や物置の中身などを指して使われています。親が亡くなった実家では、家の中に残った物はそのまま親の遺産です。相続が始まった時点で、相続人が引き継ぎ(民法第896条)、相続人が複数いれば遺産を分けるまでは全員の共有になります(民法第898条)。

つまり、きょうだいのうち一人が「どうせ古い物だから」と思って全部を捨ててしまうことがあります。ほかの相続人から見れば、自分の分も含めて勝手に処分されたことになります。あとで形見や金目の物を巡る言い争いの火種になります。家具や衣類のように値がつかない物がほとんどでも、相続人全員で「残す物」「捨てる物」「誰が持ち帰る物」を決めます。その結果を書面か連絡の記録に残しておくと、片付けの途中で手が止まることが減ります。

車やバイク、農機具のように登録や名義があるものは、捨てる前に名義の手続きが要るので、ほかの家財とは分けて扱うことになります。

相続した人と放棄した人の立場の違い

観点相続すると決めた人相続を放棄した人
家財の処分遺産として売ったり捨てたりしてよい処分できず手元の物を守る立場にとどまる
迷っている間の処分遺産の分け方が決まるまでは全員の共有価値ある物を処分すると相続とみなされる
根拠となる法律民法第896条・第898条民法第940条・第921条

残置物を処分してよいのは、相続すると決めた相続人

家財を売ったり捨てたりしてよいのは、相続すると決めた相続人です。放棄するかどうかを迷っている間に価値のある物を処分すると、相続を受け入れたものとみなされることがあります(民法第921条)。相続を放棄するかどうかは、相続の開始を知った時から3か月以内に決めるのが原則で(民法第915条第1項)、その間に家財を売ってしまうと放棄の道が閉じるおそれがあるからです。

腐る食品を捨てる、割れた窓をふさぐといった、家を傷ませないための作業は保存の範囲に入ると考えられていますが、家具を売る、形見分けとして価値のある物を配るといった行為がどこまで許されるかは個別に判断されます。親に借金があるかもしれない、放棄も考えているという段階なら、家財に手を付ける前に司法書士か弁護士に、どこまでなら触ってよいかを確かめてから動く方が安全です。

相続放棄した人に残る、実家の残置物の保存の務め

相続を放棄した人でも、放棄の時にその財産を現に占有していれば務めが残ります。ほかの相続人か相続財産清算人に引き渡すまでの間、自分の物と同じ程度の注意で保存しなければならないと民法第940条第1項が定めています(民法(e-Gov法令検索))。この決まりは2023年4月1日施行の改正で「現に占有している」場合に絞られました。そのため、遠方に住み、実家にほとんど出入りしていなかった相続人が放棄した場合と、親と同居していた相続人が放棄した場合とでは、負う務めの重さが変わります。

保存の務めは家財を捨てる義務ではありません。むしろ勝手に処分しないで守っておく務めなので、放棄した人が実家の残置物を片付けて売るという道は基本的にありません。相続人が全員放棄した場合は、家庭裁判所に相続財産清算人を選んでもらい、そこへ引き渡すまで保存を続けることになり、選任の申立てには費用の予納が求められます。管理の務めがどこで終わるかの詳しい条件は、「相続放棄しても実家の管理義務は消えない」の記事で確かめてから、放棄するかどうかを決めてください。

家財の種類と扱いの違い

家財の種類扱いの違い
家具・家電・衣類など遺産を分けるまでは相続人全員の共有
車・バイク・農機具など登録や名義があるため分けて手続きする

賃貸の残置物とは、実家の処分の決まりが違う

アパートの部屋に前の入居者の家財が残っている場合、その物は入居者か入居者の相続人の持ち物なので、大家さんが自分の判断で捨てることはできず、相続人の同意を取るか、法的な手続きを経て片付けることになります。単身の高齢者に部屋を貸すときに残置物の扱いを前もって決めておけるよう、国土交通省と法務省が契約の条項のひな形を出しているのも、持ち主でない人が残置物を処分する難しさがあるからです。

これに対して相続した実家は、相続人自身が家財の持ち主になるので、相続すると決めて相続人の間で分け方がまとまれば、自分たちの判断で処分できます。ただし、実家を誰かに貸していて、その借主が家財を残したまま出ていったときは、実家であってもアパートと同じく借主の物として扱うことになる点は分けて考えてください。

残置物のある実家を放置すると何が起きる?空家法第13条の勧告まで

家族が実家の居間で、押し入れを開けて中の様子を確認している

家財を残したまま実家を放置すると、傷みと近所への迷惑が進み、市町村から空家法第13条の勧告を受けると固定資産税の特例が外れます。どこまで進むかは、人が通って窓を開けているか、家財の中に食品や燃えやすい物が残っているかで分かれます。

田舎の実家を放置するリスクは、残った家財から始まる

人が住まなくなった家で最初に傷みを呼ぶのは、建物そのものより中に残った家財です。台所の乾物や米びつはネズミや虫を呼びます。押し入れの布団や衣類は湿気を吸ってカビの温床になり、締め切った部屋の空気がそれを家全体に広げていきます。田舎の実家は隣の家との距離があるぶん異変に気づく人が少なくなります。郵便受けにたまった郵便物や伸びた庭木が空き家であることを外に知らせてしまい、侵入やごみの投げ込みを招くこともあります。

古新聞や段ボール、灯油の缶、使いかけのスプレー缶が残っている家では、火が出たときの燃え広がり方が早くなります。屋根瓦や外壁の一部が落ちて通行人や隣の家に当たれば、損害を償う責任を問われることがあります。民法第717条では、まず建物を占有している人が責任を負い、その人が必要な注意をしていたときは所有者が負います。空き家では持ち主が占有者を兼ねていることが多いので、持ち主に責任が及びやすくなります。放置した空き家で持ち主が負う責任の範囲と、賠償に備える方法は「空き家の放置で責任と賠償を負う条件」の記事にあります。片付けをしばらく先に延ばすなら、その間の備えと合わせて読んでおくと判断がしやすくなります。

月に一度でも誰かが通って窓を開け、水を流し、食品と燃えやすい物だけでも先に出しておけば、傷みの進み方はかなり違ってきます。

親の名義のまま続いている火災保険は、住む人がいなくなると契約の条件から外れることがあります。相続したことと空き家になったことを保険会社に伝え、そのままで補償されるかを確かめておいてください。家財を残したまま片付けを先に延ばす家ほど、火事や雨漏りが起きたときに保険が出ないと負担が重くなります。

勧告を受けると、実家の土地の固定資産税の特例が外れる

市町村長は、放っておけば特定空家等になるおそれのある管理不全空家等の所有者に指導し、それでも改善されず特定空家等になるおそれが大きいときは勧告できると、空家等対策の推進に関する特別措置法第13条が定めています(空家等対策の推進に関する特別措置法(e-Gov法令検索))。倒壊や著しく衛生上有害なおそれがある特定空家等については、同法第22条で助言・指導から勧告、命令、代執行までの手順が定められています。ごみや家財が散乱して周りに害を及ぼしている状態も、判断の材料になります。

住宅が建っている土地は固定資産税の課税標準が軽くなる特例を受けていますが、地方税法第349条の3の2は、勧告を受けた管理不全空家等と特定空家等の敷地をこの特例から外すと定めています。特例を外すかどうかは、固定資産税の賦課期日である1月1日の時点で勧告を受けているかで決まります。その日を基準とする年度の課税から外れます。年の途中で勧告を受けた場合は、次の1月1日を基準とする年度から税額が上がります。税額がどこまで上がるかと、勧告に至るまでの流れは「空き家の固定資産税が6倍になる条件」の記事で、地方税法の同じ条文に沿って確かめられます。

指導の段階で連絡が来たなら、家財の片付けや売却の予定を市町村の担当課に伝え、いつまでに何をするかを話しておくと、勧告に進む前に手を打つ時間が取れることがあります。

実家を放置してから勧告を受けるまで

  1. 1

    家財から傷みが始まる

    台所の食品や押し入れの布団から、ネズミやカビが発生する

  2. 2

    外観の悪化と危険の発生

    庭木が伸び、屋根瓦や外壁が落ちて損害賠償の責任を問われる

  3. 3

    市町村長からの指導

    管理不全空家等として、市町村長から改善の指導を受ける

  4. 4

    空家法第13条の勧告

    改善されず勧告を受けると、土地の固定資産税の特例が外れる

「残置物のある実家を放置すると何が起きる?空家法第13条の勧告まで」について、そのまま聞けます。

実家の残置物は片付けて売る?残して売る?道が分かれる条件

自分で片付けて売るか、業者に頼んで片付けてから売るか、残置物ありのまま買取に出すかは、家財の量・実家までの距離・築年数・売る時期・相続登記の済み具合で分かれます。なかでも相続登記は2024年4月1日から申請が義務になり、相続で取得したと知った日から3年以内という期限があるので、片付けの段取りより先に日付で確かめることになります。

1. 残置物の量で、片付けにかかる日数と人手が決まる

家財の量は部屋の数より物の詰まり方で決まります。同じ広さの家でも、親が長く一人で暮らし物を捨てずに来た家と、施設に入る前に身の回りを減らしていた家とでは、運び出す量がまるで違ってきます。押し入れと物置、納屋と天井裏まで開けてみると、見えている部屋の倍の量が出てくることも珍しくありません。量の見当は家じゅうの収納を一度開けてからでないと立ちません。

量が多いほど、自分たちだけで片付ける場合は通う回数と運ぶ車の手配が増えます。業者に頼む場合は作業の人数と車両の台数が増えて費用に跳ね返ります。どちらにしても、量が多い家ほど「残したまま売る」道との差が開きやすいので、最初に押し入れまで開けて写真を撮っておくと、三つの道を比べる材料がそろいます。

実家までの距離による片付け方の違い

観点日帰りで通える距離泊まりがけになる距離
片付けの担い手相続人が自分たちで少しずつ進められる交通費や宿泊費が重なり業者に頼む道へ
自治体のごみ収集収集日や粗大ごみの予約に合わせやすい現地にいる日に合わせて出すことが難しい
業者に頼む場合作業前後の立会いがしやすい鍵の受け渡しと立会いの方法を決める

2. 実家までの距離で、片付けの担い手が決まる

実家までの距離は、片付けを誰が担うかをほぼ決めてしまう条件です。日帰りで何度も通える相続人がいれば自分たちで少しずつ進められますが、泊まりがけでしか行けない距離なら、一回ごとの交通費と宿泊費、仕事を休む日数が積み上がっていきます。田舎の実家ほど、ごみの収集日が週に限られていたり、粗大ごみの予約が先まで埋まっていたりして、現地にいる日に合わせて出すことが難しくなります。

遠方の相続人が業者に頼む場合も、鍵の受け渡しと作業前後の立会いをどうするかは決めておく必要があります。それができないなら、鍵を預けて現地の確認を任せられる相手を選ぶことになります。距離の条件は、自分で片付ける道の費用を見えないところで押し上げるので、交通費と日数を金額に直して比べてください。

3. 建物の築年数で、片付けた実家の売れ方が変わる

建物が比較的新しく、そのまま住める家であれば、家財を出して部屋が広く見えるようにすると内覧した買主の受け止め方が変わり、片付けの手間が価格に戻ってきやすくなります。反対に、築年数が古く、買主が建て替えを前提に土地として見る家では、家財を出しても建物は取り壊されるので、片付けにかけた費用がそのまま価格に上乗せされるとは限りません。

どちらに当たるかは、雨漏りや床の傷み、水回りが使えるかどうかと、周りで古家付きの土地がどう売られているかを見れば見当がつき、古家として扱われる家ほど「残したまま売る」道の不利が小さくなります。

家財の量と処分の手間の変わり方

家財の量自分で片付ける業者に頼む残したまま売る
少ない通う回数や車の手配が少なく済む作業人数や車両が少なく費用が抑えられる他の道と手間の差が小さい
多い通う回数と運ぶ車の手配が増える作業人数と車両が増え費用に跳ね返る他の道と手間の差が開きやすい

4. 売る時期で、残置物の処分と売却の順番が入れ替わる

売りたい時期に余裕があるなら、片付けを先に済ませてから売り出し、仲介で買主を探す道を選べます。ただし、固定資産税の支払いや相続した空き家の特例の期限のように、先に日付が決まっているものがあると、順番を入れ替えることになります。片付けを終えてから売り出し、買主が見つかってから契約と引き渡しへ進むと、全体で何か月かかるかは買主しだいで読めません。

期限が近いのに家財が多い場合は、片付けの完了を待たずに残置物ごと引き取る買主に売り、処分は買主の側で進めてもらう方が、日付に間に合わせやすくなります。特例の期限の数え方は、「実家を売って受け取るまでの段取りと、残置物の処分費用・税金の並べ方」の中の「売却にかかる費用と税金を、残置物の処分費用と同じ紙に並べる」で確かめてください。

5. 相続登記が済んでいるかで、実家を売り出せる日が変わる

親の名義のままでは実家を売ることはできません。売買の前に相続人の名義へ移す相続登記が要るので、登記が済んでいない家では、片付けと並行して戸籍を集め、遺産の分け方を決め、司法書士に申請を頼む日数が先に入ります。相続登記の申請は2024年4月1日から義務になりました。相続で実家を取得したと知った日から3年以内に申請することになっています。2024年4月1日より前に相続を知っていた場合も対象で、その期限は2027年3月31日です(法務省(相続登記の申請義務化))。

自分の期限を知るには、親が亡くなった日と、実家を相続したと知った日を書き出し、どちらの決まりに当たるかを見ます。片付けに時間がかかりそうな家ほど、登記の手続きを先に始めておく方が売り出す日を早く置けます。

6. 実家の残置物の処分先を振り分ける診断

ここまでの5つの条件を、自分の実家に当てはめて振り分けるための診断です。当てはまる□がいちばん多い道から考え始め、二つの道で数が並んだときは、売る時期と相続登記の行を優先して見てください。

自分で片付けて売る道に寄る印

  • □ 家財が少なく、押し入れや物置を開けても車で数回運べば済みそうだ
  • □ 実家まで日帰りで通える相続人がいて、週末に何度も行ける
  • □ 建物がまだ住める状態で、片付ければ内覧した人の印象が変わりそうだ
  • □ 売る時期に急ぐ理由がなく、片付けに数か月かけてもよい
  • □ 相続登記は済んでいるか、手続きが進んでいる

業者に頼んで片付けてから売る道に寄る印

  • □ 家財が多く、自分たちだけで運び出すのは難しい
  • □ 実家が遠く、泊まりがけでないと行けない
  • □ 建物は使える状態で、片付けてから仲介で売り出したい
  • □ 売る時期に多少の余裕があり、片付けの費用を先に出せる
  • □ 相続登記は済んでいるか、片付けと同じ時期に終わりそうだ

残置物ありのまま買取に出す道に寄る印

  • □ 家財が多く、仏壇や大型の家具、農機具など運び出しにくい物もある
  • □ 実家が遠く、片付けのために通う時間も費用も取れない
  • □ 築年数が古く、買主が建物を壊して土地として使う見込みが高い
  • □ 固定資産税の支払いや特例の期限があり、売る時期を早めたい
  • □ 相続登記がまだで、登記と売却の日程を一緒に組みたい

実家の残置物を自分で処分する道は、誰に向く?

自分で処分する道が向くのは、実家に何度も通える相続人がいて、家電4品目や大型の家具を運び出す人手と車を用意できる場合です。手元に残る額が増えるかどうかは、通う交通費と日数を払っても、業者に頼む費用より安く済むかどうかで分かれます。

1. 実家の近くに住み、何度も通える相続人がいる

自分たちで片付ける最大の利点は、残す物と捨てる物を自分の目で一つずつ確かめながら進められることです。写真や手紙、親の趣味の道具のように、業者に任せると一緒に出てしまいそうな物を手元に残しやすくなります。そのぶん時間はかかり、近くに住む相続人が週末ごとに通っても、家財の多い家では数か月がかりになることがあるので、その間の光熱費や固定資産税も含めて見ておく必要があります。

一人に作業が偏ると、通っている相続人の負担だけが重くなります。遺産を分ける話し合いのときに「自分ばかりが片付けた」という不満として出てくることがあります。誰が何日通い、交通費や処分の費用を誰がいくら出したかを記録しておけば、売った代金を分けるときに精算の材料として使えます。

自分で片付ける際に積み上がる費用

  • 通う回数分の交通費

    実家へ日帰りや週末ごとに通うための交通費。

  • ごみの処分費

    自治体の収集や持ち込みにかかる処分の費用。

  • 期間中の固定資産税

    片付けに数か月かかる間に発生する固定資産税。

  • 期間中の光熱費

    片付け作業の間に実家で使う電気や水道の費用。

2. 自治体の粗大ごみと持ち込みで処分できる残置物、できない残置物

家の中から出たごみは、実家のある市町村の分別と収集の決まりで出すことになります。可燃・不燃・資源ごみの区分や粗大ごみの予約の仕方、処理施設へ自分で持ち込めるかどうかは、市町村ごとに違います。持ち込みに事前の申し込みを求めたり、その市町村の住民であることや、ごみがその住所から出たことの確認を求めたりするところもあるので、行く前に実家のある市町村の案内で確かめてください。

市町村が集めない物もあります。エアコン・テレビ・冷蔵庫と冷凍庫・洗濯機と衣類乾燥機の家電4品目は家電リサイクル法の決まりで出し、パソコンや消火器、農薬や塗料、タイヤやピアノなども、多くの市町村が通常の収集では扱いません。こうした物の出し方は、「実家の家電4品目と粗大ごみはどう処分する?法律で決まった出し方」で品目ごとに確かめられます。

まだ使える家具や家電、着物や食器は、買い取りの店に売れば処分の費用を減らせますが、値がつくかどうかは物の状態で変わり、値がつかなかった物は結局ごみとして出すことになります。

3. 実家の残置物を処分しきれなかったときの切り替え方

自分で始めた片付けが途中で止まることはよくあります。細かい物は出せても、たんすや食器棚、仏壇、物置の中身だけが最後に残るという形になりがちです。そうなったときは、残った分だけを業者に頼む道と、残ったままの状態で買取に出す道のどちらにも切り替えられるので、最初の計画にこだわって何か月も止めておく必要はありません。

切り替えるときは、どの部屋の何が残っているかを写真に撮り、運び出しの難しい物を書き出しておくと、業者の見積りも買取の提示も現地を見る前に話が進みやすくなります。自分で減らした分は、業者の作業量か買取の差し引きのどちらかに反映されるので、途中までの手間が無駄になるわけではありません。

片付け業者に実家の残置物処分を頼むと、費用は何で決まる?

業者に頼む費用は、家財の量・搬出の条件・分別の手間で決まり、運ぶごみは廃棄物処理法第7条第1項の許可を持つ者でなければ業として集められません。相続人が遠方に住む実家ほど業者に頼む意味は大きく、費用の差は見積りの書き方を読めるかどうかで分かれます。

1. 遠方の実家で、相続人が通えないときに向く

業者に頼む道がいちばん生きるのは、相続人が遠くに住み、片付けのために何度も通うことができない場合です。作業そのものは数日で終わることが多く、相続人は鍵の受け渡しと残す物の指示だけに関わればよくなります。立会いができないときは、作業の前後を写真で送ってもらう、見つかった通帳や現金、権利証のような書類は捨てずに取り分けて送ってもらう、という約束を見積りの段階で書面にしておくと安心です。

ただし、何を残すかを相続人が決めていないまま業者に任せると、写真や手紙、親が大事にしていた物までまとめて運び出されることがあります。業者を呼ぶ前に、残す物をどう抜き出すかを「実家の残置物の処分は、残す物を抜き出すところから始める」の手順で済ませておく方が確かです。

処分費用の見積りを左右する3つの条件

  • 家財の量

    部屋の広さではなく、収納の中身を含む物の詰まり方。

  • 搬出の条件

    階段の有無や道の幅、駐車場所による人手と時間。

  • 分別の手間

    仏壇や家電4品目など、別の経路で出す物の多さ。

2. 処分費用の見積りは、量・搬出・分別の3つで変わる

片付け業者の費用を左右するものは、次の3つに集まります。

  • 家財の量:部屋の広さよりも物の詰まり方で決まり、押し入れ・物置・納屋・天井裏の中身まで含めて見積もるかどうかで金額が変わる
  • 搬出の条件:階段の有無や家の前の道の幅、作業の車を停められる場所があるかで、運び出しの人数と時間が変わる
  • 分別の手間:仏壇や家電4品目、農薬・塗料のような扱いに決まりのある物が多いほど、別の経路で出す費用と手間が増える

同じ家でも、見積りに含まれる範囲が業者ごとに違えば金額は比べられないので、どの部屋のどこまでを運び出すのか、家電のリサイクル料金や車両の台数、追加の費用がかかる条件は何かを、見積書の行で確かめてください。値のつく家具や家電を業者が買い取って費用から差し引く形もあり、その場合は買い取った物と金額が見積書に書かれているかを見ると、何が相殺されたのかが分かります。

見積りに来てもらう前に、残す物を抜き出し、相続人の間でどこまで片付けるかを決めておくと、現地で範囲が増えたり減ったりして金額が動くことを避けられます。

遠方の相続人が業者に頼む際の手順

  1. 1

    残す物の抜き出しと指示

    業者を呼ぶ前に、手元に残す物や書類を自分で抜き出しておく

  2. 2

    見積りと書面での約束

    写真での報告や重要書類の取り分けを見積り時に書面で約束する

  3. 3

    鍵の受け渡しと作業

    遠方で立会いができない場合、鍵を預けて作業を任せる

  4. 4

    写真での報告と確認

    作業前後の写真を送ってもらい、片付けの完了を確かめる

3. 実家の残置物を運ぶ業者が、一般廃棄物の許可を持っているかを確かめる

家庭から出るごみは一般廃棄物で、その収集や運搬を仕事として行うには、その区域を管轄する市町村長の許可が要ると廃棄物処理法第7条第1項が定めています(廃棄物の処理及び清掃に関する法律(e-Gov法令検索))。片付けを請け負う会社の中には、中古品を買い取るための古物商の許可や、事業所のごみを扱う産業廃棄物の許可だけを持っているところもありますが、どちらも家庭のごみを集めて運ぶための許可とは別のものです。

自社で許可を持たない業者が、実家のある市町村の許可を持つ業者と組んで運ぶ形もあります。見積りのときに「ごみを運ぶのは誰で、どこの市町村の許可か」を聞き、書面で答えてもらってください。許可の無い業者に任せたごみが山や空き地に捨てられると、その跡から実家の郵便物や書類が見つかり、依頼した相続人が事情を聞かれることにもなりかねません。

4. 片付け業者との見積りと契約で、追加の請求を防ぐ

片付けの費用をめぐる行き違いは、作業の当日や終わった後に、見積りに無かった料金を求められる形で起きやすくなります。電話や写真だけで出た金額は、現地で押し入れや物置を開けた後に変わりやすいので、見積りは現地を見てもらってから書面で受け取り、次の点を作業の前に確かめてください。

  • 見積書の金額から増えるのはどんなときで、そのときは作業を止めて相続人に確かめてから進めるか
  • 作業の日を変えたり取りやめたりしたときにかかる費用
  • 残す物が出されていないかを、作業の後に相続人がいつどう確かめるか
  • 支払いは作業が終わって確かめた後か、前金か

遺品整理をうたう業者と不用品の回収をうたう業者とでは、作業に含める範囲が違います。遺品整理の業者は仕分けや貴重品の探し出し、供養の手配まで受けることがあり、不用品の回収は運び出しだけのこともあります。どちらの名前の業者でも、見積書に仕分けと探し物が入っているかで比べてください。車で回ったり、ちらしで「無料で回収」とうたったりする業者に頼むときも、ごみを運ぶ許可は上の項と同じ順で確かめます。

5. 処分費用を相続人の誰が出すかと、市町村の補助を先に確かめる

片付けの費用は、相続人の一人が立て替えたまま、遺産を分ける話し合いや売った代金の分け方の中で清算されずに残りがちです。業者に払う前に、相続人の誰がいくら出すのか、親の預金から払うのか、売った代金から精算するのかを決め、領収書は全部取っておいてください。親の預金から払うときは、ほかの相続人の了解を取ってから引き出す方が、使い道を巡る疑いを残しません。

市町村の中には、空き家バンクへの登録や空き家の改修とあわせて、家財の片付けにかかる費用の一部を補助しているところがあります。補助の有無と条件、申し込みの時期は市町村ごとに違い、作業の前に申し込むことを条件にしている場合もあるので、業者と契約する前に実家のある市町村の空き家の担当課に聞いてください。

残置物ありのまま実家を買取に出すと、価格から何が引かれる?

残したまま買取に出すと、撤去と処分にかかる費用と手間を買主が引き受け、その分が建物と土地の値から差し引かれた額が提示額になります。差し引かれる額が手元の負担より軽いかどうかは、築年数が古く建物を壊す前提の家か、売る時期が決まっている家かで分かれます。

当社の場合、物件の情報がそろえば金額のご提示までは目安30分で、残置物の量は現地で見たうえで差し引きに入れています。

1. 築年数が古く解体が前提になる実家は、残置物ごと出しやすい

買主が建物を取り壊して土地として使う見込みの家では、家財を出しても建物と一緒に片付けられます。売主が先に片付けた手間は価格にほとんど戻らず、残したまま売る道との差が小さくなります。買主の側から見ると、家財の撤去と建物の解体を同じ時期にまとめて手配できるため、売主が別々に業者を頼むより手間が少なく済み、その分を価格の計算に入れやすくなります。

解体費は建物の大きさだけで決まらず、前の道の幅や隣の家との間隔、古い建材の扱いで上下するので、残置物の撤去費と解体費を合わせていくらが差し引かれるのかは、「空き家の解体費用はいくらかかるか」の記事で解体費の決まり方を見てから、提示額の内訳と突き合わせてください。

反対に、まだ住める建物で、内覧で印象が変わる家では、残したまま売ると建物の値まで低く見積もられることがあるので、片付けてから売る道と金額で比べる意味が大きくなります。

古い家の買取価格から引かれる費用の内訳

  • 元の不動産評価額2,000万円
  • 建物を壊す費用マイナス200万円
  • 家財を処分する費用マイナス30万円

2. 売る時期が決まっている実家は、処分を待たずに日程を組める

残置物ごと買い取る買主に売る場合、片付けの完了を待たずに契約と引き渡しの日を決められるので、固定資産税の支払いや相続した空き家の特例の期限など、先に日付が決まっている事情がある家では、その日から逆算して日程を置けます。仲介で売る場合は、片付けを終えてから売り出し、買主が見つかって初めて契約になります。片付けの期間と買主を探す期間が重なり、どこで日付が確定するかを売主が決められません。

時期を優先するほど、差し引かれた額を受け入れることになる点は変わらないので、期限に間に合わせることと、待てば戻る金額とを並べ、どちらを取るかを決めることになります。

3. 残置物ありで売るときは、契約書に家財の扱いを書いてもらう

家財を残したまま引き渡すときは、残った物を誰が処分し、売主がいつその物の持ち主でなくなるのかを、売買契約書の条項で決めておきます。口頭で「そのままで構いません」と言われただけだと、引き渡しの後に撤去の費用を求められたり、売主が後で持ち帰りたかった物が処分されていたりして、話が食い違います。

契約書では、次の行を確かめてください。

  • 残置物を売主が手放し、買主の負担で処分すると書かれているか
  • 撤去の費用が売買代金の中で差し引かれているのか、別に払うのか
  • 引き渡しの後に通帳や権利証、現金のような物が見つかったとき、売主へ知らせて返すかどうか
  • 引き渡しの日までに売主が持ち出してよい物と、その期限

仲介で売るときも、買主の了解が取れれば家財を残したまま引き渡せます。その場合も同じ行を契約書に入れておかないと、引き渡しの後の撤去を巡って揉めることになります。

4. 田舎の実家を相続後に処分する方法は、売却のほかにもある

田舎の実家の処分方法は売るだけではなく、相続後に選べる道として、賃貸に出す、市町村の空き家バンクに登録する、市町村や近所の人に譲る、相続土地国庫帰属制度を使う、といった形もあります。ただし、どれも残置物との相性が違い、賃貸や空き家バンクでは家財を出して使える状態に整えることを求められることが多く、相続土地国庫帰属制度は建物が建ったままの土地では申請できないので、家財の片付けに加えて解体の費用が先に要ります。

市町村が寄付を受け付けるのは、公共の用途に使える土地などに限られることが多く、残置物のある古家付きの土地をそのまま受け取ってもらえる場面は多くありません。相続そのものをしない相続放棄は、相続の開始を知ってから原則3か月という期限の中で決める道で、家財に手を付けると選べなくなるおそれがある点は、「残置物を処分してよいのは、相続すると決めた相続人」で確かめた決まりのとおりです。

それぞれの道の費用と条件の比べ方は、「田舎の実家を処分する方法」の記事で確かめ、残置物の量と合わせて選んでください。

仲介と買取での売却日程の違い

観点仲介で売る場合残置物ごと買取に出す場合
売り出しの条件片付けを終えてから売り出す片付けの完了を待たずに進められる
日程の組み方買主が見つかるまでの期間が読めない期限から逆算して引き渡しの日程を置ける
処分の手配売主が片付けを手配する買主が撤去と処分を引き受ける

5. 実家を売る前にやってはいけない解体と不法投棄

売る前に避けたいことは、相続人の間の取り決めと法律の決まりの両方にかかわります。相続を放棄するかどうかを決めていない間に家財を売ったり捨てたりすること、相続人の一人だけで家財や家を処分してしまうこと、そして業者の見積りも買主の意向も聞かないまま建物を解体してしまうことです。

先に解体すると、建物の取り壊し費用を売主が全部負担したうえで、住宅用地の特例が外れて翌年度からの固定資産税が上がることになり、買主が自分で解体したほうが安く済む土地では、その差がそのまま売主の損になります。特例の外れ方は「勧告を受けると、実家の土地の固定資産税の特例が外れる」で見た条文の話とは別に、建物が無くなると住宅用地でなくなるという理由で起きる点にも気をつけてください。

庭で家財を燃やすことや、空き地や山にまとめて捨てることは、廃棄物処理法で原則として禁じられていて、自分の持ち物だから構わないという理屈は通りません。

「残置物ありのまま実家を買取に出すと、価格から何が引かれる?」について、そのまま聞けます。

実家の残置物の処分は、残す物を抜き出すところから始める

処分の作業は、権利証や通帳など売却と相続の手続きに使う物と、仏壇や写真など気持ちの整理が要る物を先に抜き出してから始めます。抜き出す物を先に決めておくかどうかで、業者に任せた後や買取で引き渡した後に探し物が出るかどうかが分かれます。

1. 権利証・通帳・遺言書など、処分しない書類を残置物から抜き出す

最初に探すのは、売却と相続の手続きに直接使う書類と、お金にかかわる物で、次のようなものは家財と一緒に運び出される前に取り分けておきます。

  • 土地と建物の登記識別情報または権利証
  • 固定資産税の納税通知書と課税明細書
  • 預金通帳、キャッシュカード、印鑑、貴金属
  • 保険証券、年金や借入の書類、賃貸や売買の契約書
  • 電気・水道・ガスの請求書や使用を止めたときの書類
  • 遺言書や、遺言書の保管を示す書類
  • 家と物置、車の鍵

公共料金の書類は、相続した空き家の特例を使うときに、市区町村で確認の書類をもらう際に、家が使われていなかったことの裏付けとして求められることがあるので、まとめて残しておいてください。

自筆の遺言書が見つかったら、その場で開けずに家庭裁判所で検認の手続きを受けることになり、封がしてある遺言書は家庭裁判所で相続人の立会いのもと開封すると民法第1004条が定めています(民法(e-Gov法令検索))。法務局の遺言書の保管制度を使っていた遺言書は検認が要らないので、保管証のような書類があれば一緒に取り分けてください。

片付け全体の段取りを、親の家の名義や手続きの順番と合わせて組みたいときは、「実家じまいの手順」の記事で、片付けから売却までの進め方を見てから、抜き出す物の範囲を決めると漏れが減ります。

先に抜き出す書類と使う手続き

使う手続き・目的先に抜き出す書類・物
売却や相続の基本手続き権利証・納税通知書・通帳・印鑑など
空き家の特例の裏付け電気・水道・ガスの請求書など
遺産の分け方の確認遺言書(自筆は家庭裁判所で検認)
実家や車の管理家・物置・車の鍵

2. 仏壇・位牌・写真など、実家の残置物で行き先を決める物

仏壇や位牌、遺影、人形、写真のアルバムは、ごみとして出すことに抵抗を感じる相続人が多く、誰が引き取るか、供養してから手放すかを相続人の間で決めないまま業者に任せると、あとで気持ちの行き違いが残ります。仏壇を手放す前に寺に頼んで供養をしてもらう家もあり、その要否や進め方は宗派や家の考え方で違うので、菩提寺がある家はまず寺に相談するのが順当です。

写真やアルバムは量がかさむので、残したいものだけを選んで撮り直し、画像として相続人で分ける形にすると、原本を手放しても手元に残せます。形見として分けたい着物や時計、親の趣味の道具は、相続人が集まれる日を決めて一度に分け、誰が何を持ち帰ったかを書き留めておくと、遺産の分け方の話し合いでの食い違いを防げます。

行き先が決まった物には付せんや札を付け、残す物と運び出す物を部屋ごとに分けておけば、業者に頼む場合も、買取で残置物ごと引き渡す場合も、取り違えが起きにくくなります。

実家の家電4品目と粗大ごみはどう処分する?法律で決まった出し方

エアコン・テレビ・冷蔵庫と冷凍庫・洗濯機と衣類乾燥機の4品目は、家電リサイクル法の決まりで、粗大ごみではなく販売店や指定引取場所を通して出します。どの経路で出すかは、買い替える予定があるか、買った店が分かるか、どちらも無いかで分かれます。

1. 実家の家電4品目は、家電リサイクル法の3つの経路で処分する

家電リサイクル法の対象になるエアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機は、次の3つの経路のどれかで出すことになっています(環境省「家電リサイクル法」)。

  1. 同じ種類の家電を買い替えるときに、新しく買う店に古い物を引き取ってもらう
  2. その家電を買った店が分かっていれば、その店に引き取ってもらう
  3. どちらにも当たらなければ、実家のある市区町村が案内する方法で出す

相続した実家の家電は、どこで買ったか分からないことが多いので、3つ目の経路になることがほとんどです。市区町村の案内に従うほか、郵便局で家電リサイクル券を求めて料金を払い、指定引取場所へ自分で運ぶ方法も、この3つ目に含まれます。

どの経路でも、出す人がリサイクル料金と、店や業者に運んでもらうときの収集運搬の料金を負担し、リサイクル料金は品目と大きさ、メーカーで違います。冷蔵庫は中の食品を出して電源を切っておき、エアコンは取り外しの工事が要るので、引き取りの日より前に工事の手配をしてください。

粗大ごみで出せない残置物

  • パソコン

    メーカーの回収や市町村の小型家電回収箱で出す。

  • 消火器・農薬・塗料

    多くの市町村が通常の収集では扱わない。

  • タイヤ・ピアノ

    通常の粗大ごみ収集では扱われないことが多い。

  • 家電4品目

    家電リサイクル法の決まりで販売店などを通して出す。

2. パソコン・消火器・農薬など、粗大ごみで出せない残置物の処分

パソコンは家電4品目には入らず、作ったメーカーが回収する別の仕組みで出すことになり、市区町村が小型家電の回収箱を置いている場合もあるので、実家のある市町村の案内で確かめてください。どちらの場合も、中に親の写真や連絡先、金融機関の情報が残っていることがあるので、出す前に必要なものを写し、中身を消してから手放します。

消火器は消火器のリサイクルの仕組みで、販売店や指定の窓口に引き取ってもらうことができ、農薬や塗料、灯油、薬品の類は、市町村の通常の収集では扱わないことが多く、買った店や専門の処理業者に引き取ってもらうことになります。プロパンガスの容器はガス会社の持ち物であることが多いので、捨てずにガス会社へ連絡し、引き取ってもらってください。

物置や納屋から中身の分からない缶や瓶が大量に出てきたときは、自分で混ぜたり流したりせず、そのまま置いて写真に撮り、市町村か処理業者に見てもらう方が安全です。

家電4品目を処分する3つの経路

  1. 1

    新しく買い替える場合

    同じ種類の家電を新しく買う店に、古い物を引き取ってもらう

  2. 2

    買った店が分かる場合

    以前その家電を買った店に連絡し、引き取りを依頼する

  3. 3

    どちらでもない場合

    市区町村の案内に従うか、郵便局で券を買い指定引取場所へ運ぶ

実家を売って受け取るまでの段取りと、残置物の処分費用・税金の並べ方

アパートの室内で、家族がごみを片付けている

実家売却の一連の流れは、相続登記と残置物の処分と売買契約を、お金を受け取りたい日から逆算して並べると組めます。どの順に並べるかは、売り方が仲介か買取か、相続した空き家の特例を使うかどうかで分かれます。

1. 実家売却の一連の流れを、相続登記と片付けの日数から逆算する

相続した実家を売るまでの流れは、相続人を確かめて遺産の分け方を決め、相続登記をし、残す物を抜き出して家財を処分し、売買の契約を結んで引き渡し、翌年に確定申告をする、という順番が基本になります。このうち相続登記と家財の処分は並行して進められ、登記は司法書士、処分は相続人か業者が担うので、どちらが長くかかるかで全体の日程が決まります。

仲介で売る場合は、家財を出して内覧できる状態にしてから売り出すのが一般的で、買主が見つかるまでの期間が読めないため、片付けの日数に買主を探す期間がそのまま足されます。残置物ごと買い取る買主に売る場合は、家財の処分を買主の側に移せるので、相続登記が終わる日を待って契約と引き渡しを置けばよく、日程の読みにくいところが一つ減ります。

受け取りたい日が決まっているなら、その日から登記の申請と書類集めの日数を差し引き、残った日数で片付けまで終わらせられるかを見れば、売り方をどちらにするかの判断がつきます。

実家を売って代金を受け取るまでの段取り

  1. 相続発生後

    遺産の分け方を決める

    相続人を確かめて遺産の分け方を決める。

  2. 売却準備

    相続登記と家財の処分

    登記と片付けを並行。長くかかる方で全体の日程が決まる。

  3. 売り出し〜契約

    売り方で変わる期間

    仲介は片付け後に買主を探す。買取は処分を任せ登記後に契約。

  4. 売却の翌年

    確定申告

    売買契約と引き渡しを終えた翌年に確定申告を行う。

2. 売却にかかる費用と税金を、残置物の処分費用と同じ紙に並べる

売った代金がそのまま手元に残るわけではありません。片付けと処分の費用、家電のリサイクル料金、解体するならその費用、相続登記の費用、売買契約書に貼る印紙代、ローンが残っていれば抵当権を消す登記の費用、登記簿の住所が古ければ住所を直す登記の費用、売れるまでの固定資産税や保険料を差し引いた額が手取りになります。仲介で売るなら成約したときに仲介手数料がかかり、当社が買い取る場合は仲介手数料はかかりません。費用の項目ごとの考え方は「不動産売却の費用一覧」の記事に沿って一つずつ確かめると、見落としが出にくくなります。

売って利益が出れば譲渡所得として税金がかかり(所得税法第33条)、相続した家は親が持っていた期間を引き継いで数えます(所得税法第60条第1項)。親が長く住んでいた家なら、所有期間が5年を超える長期譲渡所得として扱われることが多くなります(租税特別措置法第31条)。

相続した空き家を売るときは、一定の要件を満たせば譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例があります。ただし令和6年1月1日以後の譲渡では、その家屋と敷地等を取得した相続人の数で上限が変わり、取得した人の数が3人以上なら1人あたり2,000万円までです。この特例は租税特別措置法第35条第3項に定めがあり(国税庁「No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」)、主な要件には、昭和56年5月31日以前に建てられた家であること、相続から売るまでの間に貸したり住んだりしていないこと、売る代金が1億円以下であること、家を耐震基準に適合させるか取り壊すことが含まれます。売る期限は、相続が始まった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までで、令和6年1月1日以後の売却では、売った年の翌年2月15日までに買主が耐震改修か取り壊しをした場合も対象になります。要件はほかにもあるので、全部を満たすかどうかは「空き家3000万円控除の条件」の記事と国税庁の案内で確かめてから、売り方と売る時期を決めてください。

なお、この記事の税務・法務に関する記載は一般的な情報提供であり、個別の事案についての判断ではありません。適用の可否や具体的な税額については、税務署または税理士、登記については司法書士、境界や隣地との権利関係については弁護士や土地家屋調査士など、それぞれの専門家にご確認ください。当社は不動産の買主であり、税務や法律の代理はできません。

「実家を売って受け取るまでの段取りと、残置物の処分費用・税金の並べ方」について、そのまま聞けます。

当社が残置物のある実家を買い取る条件と、価格の決まり方

家族が実家の庭先で、庭木の手入れをしている手元

当社は残置物を片付けないままの実家を買主として直接買い取り、撤去と処分にかかる費用は土地と建物の値から差し引いて金額をお出しします。差し引く額が大きくなるか小さくなるかは、家財の量そのものよりも、建物を残して使えるかどうかと、運び出しに手間のかかる物があるかどうかで分かれます。

取引態様:買主(当社が自ら買い取ります)/媒介(当社で買い取れない物件は、仲介で売却をお手伝いします)

残置物のある実家で、当社が先に確かめること

残置物のある実家で金額を左右するのは、建物を残して使えるかどうかです。使える建物なら家財を出したあとの建物の値が残り、取り壊す前提の家なら土地の値から解体と撤去の費用を引く計算になるため、同じ量の家財でも提示額への響き方が変わります。次に見るのは運び出しの手間で、仏壇や金庫、農機具、物置や納屋の中身、家電4品目の数、液体の缶のように、扱いに決まりのある物や重い物がどれだけあるかで、撤去の費用の見積りが動きます。

当社の実務では、建物を残して使えるかどうかと、運び出しに手間のかかる物の有無を先に確認します。そのうえで、家財が少ない家でも多い家でも、提示額は土地と建物の条件をもとに組み、残置物の分はそこからの差し引きとしてお出しします。

当社が2026年に買い取った物件では、東京都府中市の築50年以上の古家付きの土地が2,000万円台後半、香川県高松市の築60年以上の戸建てが200万円台で、どちらも残置物がある状態で買い取り、販売まで終えています。

実家が遠く、売主さまが現地に何度も行けない場合は、鍵をお預かりして当社だけで現地を見ることもでき、押し入れや物置の中身も含めて確かめたうえで差し引きの額を出せます。

残置物あり実家の買取提示額の比較

  • 東京都府中市の古家付き土地2,000万円台後半
  • 香川県高松市の戸建て200万円台

当社が残置物ごと実家を買い取れない場合と、仲介の方が向く場合

残置物のある実家で、当社が金額をお出しできないのは次のような場合です。

  • 家の中に親族や知人からの預かり物、借りている機器のような、相続人のものではない物が残っていて、持ち主に返す段取りがつかないとき。持ち主の分かっている物を当社が引き取って処分することはできないため、返し先が決まってから金額をお出しします
  • 物置や納屋に農薬や薬品、中身の分からない缶や瓶が大量に残り、処理の方法と費用を見積もれないとき。中身を調べて処理の見通しが立つまでは、差し引く額を決められません

当社に売らない方が手取りの多くなる場合もあり、築年数が浅くそのまま住める家で、家財が少なく、相続人が近くに住んで自分で片付けられるなら、片付けてから仲介で売り出す方が、撤去の費用を差し引かれない分だけ手取りが多くなることがあります。売る時期に余裕があり、内覧で家の良さが伝わる家ほどこの差は開くので、当社の提示額と、片付けにかかる費用を引いた仲介での見込みとを並べてから決めてください。

ほかの買取業者の提示と比べるときは、残置物の撤去費を差し引きに入れているかどうか、入れているならいくらかが業者ごとに違うので、「訳あり物件の買取業者の選び方」の記事で、断られる物件と価格の境目の見方を確かめてから、内訳の行を並べて比べると判断を誤りにくくなります。

ご相談から決済までの実家売却の段取りと、売主さまの書類・費用

物件の情報がそろっていれば、買取価格をお出しするまでは目安30分です。ご契約までは目安1〜2週間、お引き渡しは早ければ2週間以内で、代金はお引き渡しと同時にお支払いします。当社は自己資金で買い取るので、融資が下りなければ白紙に戻るという特約を契約に付けません。決済の日に代金のお支払いと所有権の移転の登記を同じ日に行い、その日取りは売主さまのご都合に合わせて決めます。相続登記がまだの実家では、決済の日から逆算して司法書士と日程を組み、片付けを待たずに段取りを進められます。

契約までに売主さまにそろえていただく書類は、一般には登記識別情報または権利証、本人確認書類、印鑑証明書、固定資産税の納税通知書です。相続した実家ではこれに戸籍などの書類が加わり、どこまで要るかは個別のご案件によって変わります。権利証や納税通知書は残置物の中に紛れていることが多いので、「権利証・通帳・遺言書など、処分しない書類を残置物から抜き出す」の手順で先に探しておくと、契約の日程を早く置けます。

売主さまにご負担いただく費用は、一般には売買契約書の印紙代、ローンが残っていれば抵当権の抹消登記の費用、登記簿の住所が古ければ住所変更登記の費用で、相続した実家では相続登記の費用もかかり、実際の額は個別のご案件によります。対応エリアは全国(47都道府県)で、遠方の田舎の実家もご相談いただけます。

「当社が残置物のある実家を買い取る条件と、価格の決まり方」について、そのまま聞けます。

実家の残置物の処分で、最初に決める3つ

  • 家財に手を付けてよいかを、相続の決め方で確かめます。 相続すると決めた相続人が、相続人の間で分け方をまとめてから処分します。放棄を考えている間は、価値のある物を売ったり捨てたりしないでください。放棄した人は、家を占有していた場合に保存の務めが残るだけです。
  • 片付けるか残すかを、5つの条件で振り分けます。 家財の量、実家までの距離、建物の築年数、売る時期、相続登記の済み具合を、診断の□に当てはめます。家財が少なく近くに住み、建物が使えるなら片付けてから売る道が、遠方で家財が多く古い家なら残したまま売る道が向きます。
  • 処分の順番と出し方を、決まりに沿って組みます。 権利証や公共料金の書類、仏壇や写真を先に抜き出します。家電4品目は家電リサイクル法の経路で出し、ごみを運ぶ業者は一般廃棄物の許可で選びます。費用と税金は、処分の費用と同じ紙に並べてから売り方を決めます。

当社は残置物を残したままの実家を買主として引き取り、他人の預かり物や中身の分からない薬品が残る家は、行き先が決まってから金額をお出しします。

査定は無料・売却の義務なし
0120-996-748受付時間10:00〜19:00(水・日曜定休)

通話料無料・全国対応

この先は、当社の買取窓口「買取くん」のページです(運営は同じ株式会社リアテクスです)。

実家の残置物の処分でよくある質問

Q1. 実家を売るとき、残置物はどこまで片付けるべきですか

売り方によって変わります。仲介で一般の買主に売るなら、内覧の前に家財を出しておくのが一般的で、引き渡しの日までに空にすることを契約で約束するのが通例です。残置物ごと引き取る買主に売るなら、売主が片付ける必要はありません。どちらの場合も、権利証や通帳、写真のように手元に残したい物だけは、引き渡しの前に必ず抜き出してください。片付けの費用をかけても価格が上がりにくい古い家ほど、片付けずに売る道との差は小さくなります。

Q2. 相続放棄した家の片付けは、誰がするのですか

相続を放棄した人には、家財を片付けて処分する役目はありません。放棄の時にその家を現に占有していた場合に限り、ほかの相続人か相続財産清算人へ引き渡すまで、自分の物と同じ注意で保存する務めが残ります(民法第940条第1項)。片付けを進めるのは、相続する相続人です。全員が放棄した場合は、家庭裁判所が選ぶ相続財産清算人が財産を管理します。放棄した人が家財を捨てたり売ったりすると、別の問題が起きることがあります。迷うときは司法書士か弁護士に確かめてください。

Q3. 実家を売却するときの片付け費用は、いくらですか

金額は家ごとの差が大きく、家財の量、運び出しの条件、扱いに決まりのある物の多さで決まります。見積りを比べるときは、押し入れや物置まで含めた範囲か、家電のリサイクル料金や車両の台数が入っているかを見てください。追加の費用がかかる条件も、見積書の行で確かめます。残置物ごと買取に出す場合は、この費用を売主が払う代わりに、提示額から差し引かれます。片付けに払う額と、差し引かれる額を並べて比べると判断がつきます。

Q4. 家を売る前に、やってはいけないことは何ですか

相続を放棄するかどうか決めていない間に、家財や家を売ったり捨てたりしないでください。相続を受け入れたとみなされることがあります。相続人の一人だけで家財を処分することも、あとの争いの元になります。買主の意向を聞かずに建物を解体すると、取り壊し費用を負担したうえで固定資産税が上がることがあります。家財を庭で燃やしたり、空き地に捨てたりすることは法律で原則として禁じられています。許可の無い業者にごみを任せることも避けてください。

Q5. 実家を片付けたいのですが、何から始めればよいですか

最初に、相続人の間で、相続するかどうかと、家財をどう分けるかを決めます。次に、権利証や固定資産税の納税通知書、通帳、遺言書、公共料金の書類を探して取り分けます。仏壇や写真、形見の行き先も相続人で決めます。そのうえで、押し入れや物置まで開けて家財の量を確かめます。自分で片付けるか、業者に頼むか、残したまま売るかを、距離と売る時期に照らして選んでください。家電4品目だけは粗大ごみに出せない点を、作業の前に押さえておきます。

Q6. アパートの残置物の処分は、どのようにすればいいですか

賃貸の部屋に残った家財は入居者か、その相続人の持ち物です。大家さんが自分の判断で捨てることはできません。相続人に連絡して処分の同意を得るか、法的な手続きを経て片付けることになります。単身の高齢者との賃貸借では、国土交通省と法務省が出している条項のひな形で、残置物の扱いを前もって決めておく方法もあります。相続した実家は相続人自身の持ち物です。ただし、実家を貸していて借主が家財を残した場合は、アパートと同じ扱いになります。

当社の見方

土地(古家付きを含む)・築50年以上で、残置物ありの物件を当社が買い取り、販売まで終えました。

東京都府中市の土地(古家付きを含む)(築50年以上)を、買取金額2,000万円台後半で買い取りました(2026年に取引)。

戸建て・築60年以上で、残置物ありの物件を当社が買い取り、販売まで終えました。

香川県高松市の戸建て(築60年以上)を、買取金額200万円台で買い取りました(2026年に取引)。

相続した物件では、戸籍などの書類が追加で必要になります。

ご用意いただく書類は、個別のご案件によります。

ご負担いただく費用は、個別のご案件によります。

リースバック(売却後も賃借人として住み続ける形)も積極的にお受けしています。

当社が買い取る物件・お断りする物件と、買取価格の決まり方は、当社の買取事例76件の内訳とあわせて当社の買取基準にまとめています。

この記事について

執筆・編集
リアテクス編集部株式会社リアテクス当社(宅地建物取引業 東京都知事(1)第107888号)は物件を直接買い取る買主の立場から、売却を検討する方の判断材料となる記事を企画・編集しています。
監修
鶴野 博之鶴野 博之株式会社リアテクス 執行役員宅地建物取引士(東京)第257503号/賃貸不動産経営管理士/2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)この区分の監修を担当しています。記事の公開判断は当社が行っています(代表が定めた手順による)。確認・公開判断:鶴野 博之(株式会社リアテクス 執行役員)
公開・更新
公開 更新 内容を見直したときは、この日付と改訂の内容を更新しています。情報の確認日 (出典の公的資料を開いて内容を確かめた日)
この記事の事実確認の方法
法令:民法、空家等対策の推進に関する特別措置法、廃棄物の処理及び清掃に関する法律出典:相続登記の申請義務化
記事の作り方
この記事は、当社の担当者が事実確認を行ったうえで公開しています。

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更新履歴

  1. 第2版古くなった記述を最新の情報に合わせ、足りなかった論点を足しました。
  2. 第1版公開

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