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空き家のゆくえ買取くん

再建築不可

旗竿地はやめとけと言われる理由は?2mで分かれる売り方

公開 更新

執筆
株式会社リアテクス リアテクス編集部
監修
株式会社リアテクス 執行役員 鶴野 博之(宅地建物取引士(東京)第257503号)
旗竿地はやめとけと言われる理由は?2mで分かれる売り方

「旗竿地の家を売りに出したけれど、問い合わせが来なくて売れない」。通路が建築基準法の道路に2m以上接していれば建て替えのできる土地として仲介で買主を探せますが、届かなければ再建築不可となり、買取で引き取る相手を選ぶ方が手放す日を決めやすくなります。

当社は再建築不可の旗竿地も自己資金で買い取り、お出しする金額は解体や修繕、再販にかかる費用を引いた額です。通路が2m以上あり建て替えのできる旗竿地は、仲介の方が手取りが多くなる場合があります。この土地が買い取れるかどうかだけ、先に聞く(無料)

目次(12章)

やめとけと言われた旗竿地も、通路の幅が分からないまま相談できます

約1分で簡単査定を申し込む

この先は当社の買取窓口「買取くん」です。

旗竿地が「やめとけ」と言われるのは、道路から奥の敷地まで細い通路でつながる形のせいで、買う人が車の置き方や建て替えに不安を持ちやすく、買い手の数が限られるからです。持っている側から見れば、この評判で売れなくなるわけではありません。通路が建築基準法の道路に2m以上接しているかどうかで、一般の買主に仲介で売る道と、事業者の買取に回す道のどちらが合うかが決まります。

旗竿地はやめとけと言われる理由は?2mで分かれる売り方の要点を、定義・この記事でわかること・よくある質問の順に短くまとめた動画です。

旗竿地はやめとけと言われるのはなぜ?買う人が迷う3つの点

旗竿地がやめとけと言われるのは、車の出し入れ、日当たり、建て替えの3つの点で、買う人が住んだ後の暮らしを思い描きにくいからです。どの点が重く見られるかは、通路の幅が道路に2m以上あるか、通路がどれだけ長いか、奥の敷地がどれだけ広いかで分かれます。同じ旗竿地でも、評判ほど売りにくくない土地から、買主がほぼ事業者に限られる土地まで幅があります。

旗竿地は、道路に面した細長い通路の奥に、家を建てる広い部分がつながった形の土地です。通路を旗の竿、奥の部分を旗に見立ててこう呼ばれ、不動産の広告では路地状敷地や敷地延長と書かれることもあります。法令で定められた用語ではありませんが、通路も敷地の一部として登記され、建築基準法の接道の決まりはこの通路の幅で見られるので、売るときの話はたいてい通路から始まります。

旗竿地の形と幅や長さを測る場所

  • 通路の一番狭いところの幅

    車を置けるか、人が脇を通れるかを見る

  • 車を置いたときに残る幅

    車を置いたあとに人や自転車が通れるか見る

  • 前の道の幅

    車を通路に入れるときに切り返しが要るか見る

  • 通路の長さ

    引越しのトラックが奥まで入れるかを見る

車の出し入れと駐車で迷う旗竿地

買う人が内覧でまず確かめるのは、車を置けるかどうかと、置いたあとに人や自転車が脇を通れるかどうかです。通路の幅が2m台の旗竿地では、車を1台入れると通路がふさがり、奥の玄関までの道が車の脇の狭いすき間だけになります。通路を車庫として使う家が多いのはこのためで、縦に2台並べる形では、手前の車を動かさないと奥の車が出られません。家族の出かける時間が重なる家では、毎朝の段取りがひとつ増えます。

前の道が狭い場合は、車を通路に入れるときに何度か切り返すことになります。運転に慣れない人ほど、この点を重く見ます。引越しのトラックや家具の配送の車が奥まで入れず、道路に止めて手で運ぶことになるのも、住んでから負担に感じやすいところです。

一方で、通路の幅に余裕があり、車を置いても人が並んで歩ける旗竿地では、こうした不安は小さくなります。車を持たない買主なら、最初から気にしないこともあります。売る側としては、通路の一番狭いところの幅と、車を置いたときに残る幅を測っておき、問い合わせのあった人に数字で伝えられるようにしておくと、内覧の前に候補から外される場面を減らせます。

日当たりと隣家との距離で迷う旗竿地

奥の敷地は四方を隣の家に囲まれる形になりやすく、とくに南側に2階建てや3階建ての家があると、1階の居間に日が入る時間が季節によって短くなります。日当たりを重く見る買主は、ここで候補から外します。風の通りや窓からの眺めも周りの家との距離で決まり、窓を開けると隣家の窓がすぐ目の前にある配置では、カーテンを閉めて暮らす前提で考える人もいます。

ただ、道路から離れていることは悪いことばかりではありません。車の音が届きにくく、小さな子どもが玄関からいきなり道路へ飛び出す心配が少ないことを、住む側の良さとして受け取る人もいます。外からの視線が通路の入口からしか入らないという見方もでき、同じ配置でも、買う人の暮らし方によって評価が逆になります。

内覧の時刻で印象が大きく変わるのも、この点の特徴です。日が高い昼の時間に見てもらえるように日程を組むだけで、受け止め方が変わることがあります。売り出す前に、季節ごとに居間へ日が入る時間を記録しておくと、説明が感覚の話で終わりません。

建て替えと工事で迷う旗竿地

建て替えの話になると、買う人の不安は暮らしの話から費用の話に移ります。通路が狭い旗竿地では、解体の重機や資材を運ぶ車が奥まで入れず、手作業の範囲が広がるぶん、解体費も建築費も、同じ広さで道路に面した土地より上がりやすくなります。水道管や下水管が通路の下を通って奥の建物まで引き込まれていることも多く、引き直しの工事では通路を掘り返すため、その間は車も人も通りにくくなります。

さらに重いのは、そもそも建て替えができるかどうかという点です。通路が道路に2m以上接していない旗竿地では、今の建物を壊すと新しい家を建てられません。どの幅なら建て替えができるかの線は、「旗竿地の通路は道路に2m以上接している?幅で建て替えの可否が分かれる」の節に、幅ごとの扱いとして分けてあります。

買う人は、家を建てる工事の見積りを取ってから契約を決めることが多いので、工事の条件が悪い旗竿地ほど、見積りが出るまでの間に気持ちが他の物件へ移ってしまいます。売る側が通路の幅と、重機が入るかどうかの見立てを先に持っておけば、買う人が工事会社に相談するときの材料になり、話が途切れにくくなります。

旗竿地で買う人が迷う主な点

買う人が内覧で迷う点通路の幅が2m台通路の幅に余裕がある
車の脇の通行車を入れると狭いすき間だけになる車を置いても人が並んで歩ける
車庫入れの負担前の道が狭いと何度か切り返す運転の不安は小さくなる

旗竿地を持っている側は、やめとけの評判をどう受け止めればいい?

夫婦がリビングのテーブルを挟んで向かい合い、うなずきながら話し合っている

持っている側が気にすべきなのは評判そのものではなく、その評判で買い手がどれだけ減るかで、そこは通路が道路に2m以上接するかと、買う人が住宅ローンを使えるかで決まります。やめとけという言葉は買う人に向けた忠告です。売る側は「どの買い手が残るか」に置き換えて読むと、値段の付き方と、売れるまでの期間の見当がつきます。

住宅ローンが使えるかで旗竿地の買い手の層が変わる

一般の買主の多くは住宅ローンを使って家を買い、金融機関は土地と建物を担保として評価してから融資の額を決めます。担保としての評価が低い旗竿地ほど、買主が借りられる額が少なくなり、自己資金を多く出せる人しか買えなくなります。建て替えができない旗竿地では、建物が古くなったときに担保の価値を土地の値段だけに頼れないため、融資そのものを断る金融機関もあります。その場合、買主の層は現金で買う人と事業者に絞られます。

通路が2m以上あって建て替えのできる旗竿地なら、話は違います。金融機関によって評価の厳しさに差はあっても、一般の買主が住宅ローンで買う形は十分に成り立ちます。買う人の多い地域であれば、駅からの距離や学区で選ぶ人がやめとけという評判を承知で候補に入れるので、値段と説明を整えれば、仲介で買主を探す意味があります。

この線がどちら側にあるかを知っておくと、仲介会社に査定を頼むとき、住宅ローンを使う買主を前提にした値段なのか、現金の買主を前提にした値段なのかを聞き分けられます。前提の違う査定額を並べても比べられません。査定を受ける場で、買主の想定を一言確かめるだけで、数字の意味が変わります。

通路の幅で変わる旗竿地の主な買い手

観点通路が2m以上ある旗竿地通路が2m未満の旗竿地
建て替えできるできない
住宅ローン一般の買主が使える融資を断る金融機関もある
主な買い手一般の買主現金で買う人と事業者

旗竿地の値段を、周りの成約価格から見当をつける

旗竿地の値段は、同じ地域の道路に面した土地の値段を基準に、通路の分を差し引いて見られることが多いものです。だから、まず周りでどのくらいの値段で取引されているかを知っておくと、提示された金額が高いか低いかを自分で判断できます。国土交通省の不動産情報ライブラリでは、地域と土地の面積の幅を指定して、実際に取引された価格を調べられます。

ここに出る値段は、形のよい土地も旗竿地も混ざった一般の取引の値段です。旗竿地の値段はそれより低い側に出ると考えておく方が、査定を受けたときに慌てずに済みます。どれだけ低く出るかは、通路の幅と長さ、建て替えができるかどうか、奥の敷地の広さで変わり、一律の目安はありません。

通路の面積は敷地面積に含まれますが、家を建てる部分としては使いにくいので、面積あたりの値段で比べると、通路が長い旗竿地ほど割安に見えます。調べるときは奥の敷地と通路の面積を分けて考え、奥の敷地の広さが周りの土地と比べてどうかを見ると、見当がつけやすくなります。

旗竿地を持ち続ける間に出ていく費用

売れるまで持ち続ける間は、固定資産税と都市計画税、火災保険料、草木の手入れや見回りの費用が出ていきます。空き家の旗竿地では、通路に草が伸びたり、奥の建物の傷みが外から見えにくかったりするぶん、気づいたときには手入れの範囲が広がっていることがあります。

家が建っている土地は住宅用地として固定資産税の課税標準が価格の3分の1になり、そのうち200平方メートル以下の部分は6分の1になります。ただし、市町村から管理不全空家等や特定空家等として勧告を受けた敷地は、この特例から外れます(地方税法第349条の3の2、空家等対策の推進に関する特別措置法第13条・第22条)。勧告までの流れと税額の変わり方は「空き家の固定資産税が6倍になる条件」の記事にあります。

道路から奥の様子が見えにくい旗竿地では、近所の人も建物の傷みに気づきにくくなります。屋根や外壁が傷んでも、苦情という形で知らされるのが遅れがちです。遠方に住んでいて年に数回しか見に行けないなら、売るか持ち続けるかを決める前に、この費用を1年分足し上げておくと、急いで売るかどうかを判断しやすくなります。

「旗竿地を持っている側は、やめとけの評判をどう受け止めればいい?」について、そのまま聞けます。

旗竿地の通路は道路に2m以上接している?幅で建て替えの可否が分かれる

旗竿地の通路が建築基準法の道路に2m以上接していれば建て替えができ、届かなければ今の建物を壊したあとに新しい家を建てられません。分かれ目は道路に接する入口の長さだけではなく、通路が奥の敷地までその幅を保っているかどうかにもあります。入口が2mあっても途中で狭くなっている旗竿地は、建て替えの可否を役所の判断に委ねることになります。

建築基準法第43条第1項は、建物の敷地が道路に2m以上接していなければならないと定めています(建築基準法(e-Gov法令検索))。旗竿地では道路に面しているのが通路の入口だけなので、この入口の長さがそのまま接道の長さになります。ここでいう道路が何を指すかは同じ法律の第42条が決めていて、前の道がそれに当たるかは「旗竿地の前の道は建築基準法の道路か?道の種類で売り方が変わる」の節で道の種類ごとに分けてあります。

1. 通路が全長で2m以上ある旗竿地は、建て替えできる土地として売れる

入口から奥の敷地まで、どこを測っても2m以上の幅がある旗竿地は、接道の決まりを満たす土地として扱われます。建物を壊したあとも新しい家を建てられるので、一般の買主に向けて仲介で売る道が開けます。ただ、都道府県や市の条例には、通路が長い敷地ほど広い幅を求めるものがあり(東京都建築安全条例など)、建てる建物の規模や構造によっては、2mあるだけでは足りない場合があります。

幅を測るときは、登記や測量図に書かれた数字だけで済ませず、現地で通路の両脇のブロック塀や門柱、雨水の側溝の位置を確かめ、通路として実際に使える幅を測っておきます。塀が通路の側へ入り込んでいたり、昔の測量図と現地の幅が違っていたりすると、買主が建築を頼む会社に測り直されて初めて幅が足りないと分かり、その時点で話が止まります。

通路の幅が十分にある旗竿地は、建て替えができるという一点で、再建築不可の土地とは買い手の層がまったく違います。通路の幅を測った記録と、前の道の種類が分かる役所の記録をそろえておけば、買う人の不安のうち建て替えに関わる部分は、内覧の前に消しておけます。

旗竿地の通路幅を測る際の注意点

  • 登記や測量図の数字

    書かれた数字だけで済ませず現地で測る

  • ブロック塀や門柱の位置

    通路の側へ入り込んでいないか確かめる

  • 雨水の側溝の位置

    通路として実際に使える幅に含まれるか見る

  • 実際に使える幅

    建築を頼む会社に測り直される前に測る

2. 入口は2mでも途中が狭い旗竿地は、役所の判断を待つ

入口では2mあっても、通路の途中で隣の家の塀や建物が出ていて幅が2mを切っている旗竿地は、実務では通路の一番狭いところで接道を見る扱いが多く、建て替えができないと判断されることがあります。どう扱うかを決めるのは、建築確認を担う特定行政庁です。売る前に市区町村の建築指導の窓口へ測量図を持って行き、この幅で建て替えができるかを確かめておくのが確実です。

途中が狭いのが、隣の塀が通路側に出ているせいなのか、もともとの土地の形のせいなのかで、取れる手は変わります。もともとの形で狭いなら、狭い部分の脇の土地を隣から買い足して幅を広げる方法があります。相手のある話なので、時期も値段も、売る側だけでは決められません。

この状態のまま売りに出すと、買う人の側で建築の相談をした段階で幅の問題が見つかります。値段の引き下げを求められるか、話が白紙に戻るかのどちらかになりやすいところです。役所の判断が建て替えできない側に出たときは、次の「3. 通路が2mに届かない旗竿地は、再建築不可として売る」と同じ前提で売り方を考えます。

旗竿地の通路幅と建て替えの可否

  1. 1

    通路の幅を現地で測る

    登記だけでなく、ブロック塀や側溝を考慮した実際の幅を測る

  2. 2

    全長で2m以上か確認

    入口から奥まで2m以上あれば、建て替えできる土地として扱われる

  3. 3

    条例の基準も確かめる

    通路が長い場合、自治体の条例で2m以上の幅が求められるか確認する

3. 通路が2mに届かない旗竿地は、再建築不可として売る

通路の幅が2mに届かない旗竿地は、今の建物を壊すと新しい家を建てられない再建築不可の土地になります。建て替えを前提にする一般の買主は付きにくく、住宅ローンを使える金融機関も限られるので、買い手は現金で買う人や事業者が中心です。値段は、今の建物をそのまま使うか、手を入れて使う前提で付けられるため、建物の傷み具合がそのまま値段に出ます。

再建築不可の土地がなぜ売りにくいのか、接道の決まりとその先の売り方は「再建築不可物件はなぜ売りにくいのか」の記事にまとめられています。旗竿地の場合は通路の幅が足りないことが原因なので、隣の土地を少し買い足せば2mに届くかどうかが、値段を戻せるかどうかの分かれ目です。

2mまであと数十センチという旗竿地では、隣の家にとっても境の土地を手放す負担が小さいことがあり、話がまとまれば建て替えのできる土地として売り直せます。ただし、まとまるまでの期間は読めません。売る時期が決まっているなら、買い足しを待つか、再建築不可のまま売るかを、待てる月数から先に決めておきます。

旗竿地の前の道は建築基準法の道路か?道の種類で売り方が変わる

通路が2m以上あっても、接している先の道が建築基準法の道路でなければ接道の決まりを満たさず、旗竿地の売り方は再建築不可の土地と同じ側に寄ります。分かれ目は前の道の種類です。幅4m以上の道路か、幅4m未満でも特定行政庁が指定した道か、どちらにも当たらない通路かで、建て替えの条件と買い手の見方が変わります。

1. 前の道が幅4m以上の道路なら、旗竿地の話は通路の幅だけになる

建築基準法第42条は、原則として幅4m以上の道を道路と定めています。公道として管理されている道や、開発のときに作られた道、位置の指定を受けた私道などがこれに当たります。前の道がこの道路であれば、旗竿地の建て替えができるかどうかは、通路の幅と、通路が道路に接している長さだけで決まり、話は単純です。

ただ、見た目に広い道でも建築基準法の道路として扱われていない道があり、逆に細く見える道が道路として扱われていることもあります。道の種類は現地の見た目で判断せず、市区町村の道路の担当や建築指導の窓口で確かめます。役所の記録で道の種類と幅が分かれば、買う人に説明するときも、買う人が建築を頼む会社に相談するときも、同じ資料を渡せます。

2項道路に接する旗竿地の建て替え

観点幅4m以上の道路2項道路(幅4m未満)
建て替えの条件通路の幅と接する長さで決まる通路の入口を境界線まで下げる
下げた部分の扱い下げる必要なし塀も建物も置けない
敷地面積そのまま下げた部分は面積に入らない

2. 旗竿地の前の道が2項道路なら、建て替えのときに入口を下げる

幅が4mに届かない道でも、建築基準法の接道の決まりが適用されるようになった時点ですでに建物が建ち並んでいて、特定行政庁が指定した道は、同法第42条第2項により道路とみなされます。一般に2項道路と呼ばれる道です。この場合は道の中心線から2mの線が道路の境界とみなされるので、建て替えのときには通路の入口をその線まで下げ、下げた部分には塀も建物も置けません。

旗竿地で下げるのは通路の入口のわずかな部分で、奥の敷地が狭くなるわけではありません。それでも、下げた部分は敷地の面積に入らないので、もともと敷地が小さい旗竿地では、建てられる家の大きさの計算に響くことがあります。入口の門柱やブロック塀が下げるべき線より道路側にあれば、建て替えのときに取り壊すことになり、その費用も買う人の見積りに入ります。

前の道の向かい側が川や崖になっている場合は、中心線からではなく向かい側の端から4mの線まで下げることになり、下げる幅が大きくなります。2項道路の扱いは買う人の建築の計画にそのまま関わります。売る前に指定の有無と下げる位置を役所で確かめておけば、値段の話が後から動きにくくなります。

前の道の種類と建て替えの条件

前の道の種類建て替えの条件
幅4m以上の道路通路の幅と道路に接する長さだけで決まる
幅4m未満で指定された道(2項道路)通路の入口を道の中心線から2mの線まで下げる
どちらにも当たらない通路接道の決まりを満たさず再建築不可の側に寄る

3. 旗竿地の前の道が、私道や建築基準法の道路に当たらない通路のとき

前の道が私道でも、位置の指定を受けた道であれば建築基準法の道路として扱われます。指定を受けていない私道や、昔から使われているだけの通り道は道路に当たらず、そこにしか接していない旗竿地は、通路の幅にかかわらず建て替えができません。道路として扱われる私道でも、道の下に水道管やガス管を通すときには道の持ち主の承諾が要ることが多く、承諾の書面があるかどうかで買う人の受け止め方が変わります。

承諾の書面がもらえない家の売り方は、通行と掘削の実務とあわせて「私道の承諾書がもらえない家の売却」の記事にあります。旗竿地では私道と自分の通路が二重に重なるので、どこまでが自分の土地でどこからが私道かを公図で確かめておかないと、買う人に権利の説明ができません。

道路に当たらない通路にしか接していない旗竿地は、建て替えの可否で見ると、通路の幅が2mに届かない旗竿地と同じ扱いになります。違うのは、原因が自分の通路ではなく前の道にあることです。隣の土地を買い足しても解決しないので、再建築不可のまま売る前提で考えることになります。

旗竿地と袋地はどう違う?通路の持分と通行の決まりで買い手が変わる

旗竿地は自分の通路で道路に出られる土地で、他人の土地に囲まれて公道に出られない袋地とは、出入りの根拠も、建て替えの可否を決める決まりも違います。旗竿地の側で結果を分けるのは、通路が誰の名義になっているかです。幅が2mあっても、通路が自分だけの名義か、隣の家と共有か、別の地番のまま名義が違っているかで、買う人が気にする点と、売る前に整える手間が変わります。

1. 袋地は民法の通行の決まりで出入りし、旗竿地は自分の通路で出入りする

民法第210条第1項は、他の土地に囲まれて公道に通じない土地の持ち主は、公道に出るために、その土地を囲んでいる他の土地を通ることができると定めています(民法(e-Gov法令検索))。この決まりが守っているのは通ることです。建物を建てることまでは守っておらず、袋地を通る権利があっても、建築基準法の道路に2m以上接していなければ建て替えはできません。

通路が自分の土地である旗竿地では、そもそも隣の土地を通る必要がなく、通路の幅が足りていれば接道の決まりも満たします。やめとけという評判のなかで袋地と同じように見られることもありますが、通路を自分で持っているかどうかは値段に大きく響きます。売り出すときは、通路が自分の土地であることを公図と登記で示しておくと、買う人の思い違いを防げます。

自分の通路で出る旗竿地と袋地の違い

観点旗竿地袋地
道路への出入り自分の通路で出入りする他人の土地を通って出入りする
出入りの根拠自分の土地民法の通行の決まり
建て替えの可否通路の幅が足りればできる道路に2m以上接しなければ不可

2. 旗竿地の通路が自分だけの名義か、隣家と共有か

隣り合う2軒の旗竿地が、1本の通路を共有して使っている形はよく見られます。それぞれが通路の持分を持っている場合、建築確認のときに通路をどう扱ったかによって、建て替えの可否の見方が変わります。共有の通路では、舗装や水道管の引き直しの工事をするたびにもう一方の持ち主との話し合いが要るため、買う人は、今の持ち主どうしがどんな取り決めをしているかを気にします。

取り決めを書面にしていなくても、売れないわけではありません。ただ、口約束だけでは買う人に説明できないので、通路の使い方や工事の費用の分け方を、売る前に隣の家と書面にしておけるかを考えておくと、値段の下がり方を抑えられます。建築確認のときに通路をどう扱ったかは、「旗竿地を手放すとき、最初に何を確かめる?通路の幅と道路の記録」の節の窓口の手順で調べられます。

3. 通路だけ別の地番で、名義が旗の部分と違っている旗竿地

旗竿地では、通路と奥の敷地が別々の地番で登記されていることが多くあります。相続のときに奥の敷地だけを名義変更して、通路の地番が亡くなった方の名義のまま残っている例もあります。通路の地番を売り漏らすと、買う人は奥の敷地を手に入れても道路へ出る通路を持たないことになるので、売る前に、通路まで同じ名義になっているかを登記事項証明書で1筆ずつ確かめます。

手早く確かめるなら、固定資産税の納税通知書についている課税明細書の地番を見ます。そこに通路の地番があれば、課税されている土地として載っています。ただ、通路が私道として非課税になっていると課税明細書に載らないこともあるので、載っていないから名義が無いとは限らず、最後は登記で確かめます。

旗竿地の建物が古い場合、建て替えずに使える?築年数と建物の扱いで分かれる

2mに届かない旗竿地でも、今の建物を残して直しながら使う道はあり、その道が開くかどうかは、建物が建った当時の決まりに合っていたかと、建物の傷み具合で分かれます。建て替えのできない旗竿地の値段は、建物をあと何年使えるかで決まります。築年数が同じでも、建築確認の記録が残っているか、雨漏りや傾きがあるかで、付く値段が大きく変わります。

1. 建てた当時の決まりに合っていた旗竿地の建物は、既存不適格として残せる

建った当時の決まりには合っていたものの、その後の法令の改正や道の扱いの変化で今の決まりに合わなくなった建物は、既存不適格と呼ばれ、そのまま使い続けることが認められています。旗竿地の古い家には、建てた当時は通路の幅が問題にならなかったり、前の道の扱いが今と違ったりして、今の基準では接道を満たさなくなった例があります。

これに対し、建てた時から決まりに合っていなかった建物は、違反建築として扱われます。手を入れるときの扱いも、買う人の見方も厳しくなります。どちらに当たるかで売り方やローンの可否がどう分かれるかは、「既存不適格と違法建築の違い」の記事にあります。

建てた当時の記録は、市区町村で建築計画概要書や確認の台帳を調べると、建築確認を受けた日や検査済証が出たかどうかが分かることがあります。記録が見つからない古い家では、どちらに当たるかを買う人が判断できず、値段は厳しい側の想定で付けられやすくなります。

既存不適格の建物と違反建築の違い

観点既存不適格の建物違反建築の建物
建てた当時の決まり合っていた合っていなかった
そのまま使うこと認められている扱いが厳しくなる
買う人の見方残して直しながら使う道がある厳しくなる

2. 大規模な修繕や模様替えを旗竿地の古い建物で行うとき

建て替えのできない旗竿地でも、屋根や外壁、間取りに大きく手を入れる大規模な修繕や模様替えで、建物を長く使う道はあります。規模によっては建築確認の申請が要ります。国土交通省は、接道の決まりを満たさない既存不適格の建物について、利用する人が増える用途の変更を伴わず、特定行政庁が交通・安全・防火・衛生の面で支障がないと認めれば、既存不適格のまま大規模の修繕や模様替えができると整理しています(建築基準法第86条の7第1項、建築基準法施行令第137条の12。国土交通省の資料)。

この整理は、建物を使い続けるための手入れの話です。建て替えができるようになるわけではありません。工事が修繕や模様替えの範囲に収まるか、特定行政庁がどう判断するかは物件ごとに違うので、直して売るか、直して使い続けるかを考えるときは、工事会社の見積りの前に、建築指導の窓口で扱いを確かめます。

この手入れができるかどうかで、買う人が見込む建物の使用年数も変わります。工事の見込みが立っている旗竿地なら、建物の傷みが目立っていても、直して住む人や貸す人という買い手が残ります。

3. 旗竿地の古い建物を解体するか、そのまま売るか

通路が2mに届かない旗竿地で古い建物を解体すると、新しい家を建てられない更地が残ります。買う人は駐車場や資材置き場、隣の家の庭として使う人などに限られ、建物を残して売るより値段が下がることが多くなります。通路が狭いと重機が入らず手で壊す範囲が増えるので、解体の費用も、同じ広さで道路に面した家より上がりやすくなります。

解体の費用の決まり方と、解体して売るか今のまま売るかの考え方は、「空き家の解体費用はいくらかかるか」の記事にあります。建物を壊すと住宅用地の特例も外れます。「旗竿地を持ち続ける間に出ていく費用」の節で見た固定資産税の負担が重くなり、更地のまま売れるまでの期間が長いほど、手取りが減ります。

通路の幅が2m以上ある旗竿地では、話が逆になります。建物が傷んでいれば、解体して建て替えのできる土地として売る方が、一般の買主に届きやすいこともあります。どちらがよいかは解体費と、解体しないまま売った場合の値段の差を並べて決めるもので、通路の幅が分からないうちは解体の契約を結ばない、というのがまず守りたい順番です。

旗竿地の古い建物を修繕して使う手順

  1. 1

    建築当時の記録を探す

    市区町村で建築計画概要書や台帳を調べ、当時の適法性を確認する

  2. 2

    建物の扱いを判定する

    当時の決まりに合っていれば既存不適格、合っていなければ違反建築となる

  3. 3

    値段と売り方を決める

    記録がなく判定できない場合は、厳しい側の想定で値段が付けられやすい

4. 旗竿地を仲介で売るか買取に回すかのチェック表

次の8つの項目に、ご自身の旗竿地が当てはまるかを確かめてください。

□ 通路の一番狭いところで、幅が2m以上ある□ 通路が接している前の道が、建築基準法の道路だと役所の記録で確かめられる□ 通路が道路に接している入口の長さが、門柱や塀を除いても2m以上ある□ 通路の地番が、奥の敷地と同じ名義で登記されている□ 通路を隣の家と共有しているなら、使い方と工事の取り決めが書面になっている□ 建物の築年数が浅く、買ってすぐ住める状態にある□ 建築確認を受けた記録か検査済証が残っている□ 売れるまで数か月待てる

通路の幅、前の道の種類、入口の長さの3つは、建て替えができるかどうかを決める項目です。どれか1つでも当てはまらなければ、その旗竿地は再建築不可か、判断が役所に委ねられている状態にあります。仲介で一般の買主を探す前に、買取の提示額を取り、値段と期間の見当をつける方が先に進みやすくなります。

通路の名義と共有の取り決めの2つは、売る前に整えれば戻せる項目です。当てはまらないときは、名義を揃える相続登記や、隣の家との書面づくりにかかる期間を見積もり、その期間を待てるかどうかで、整えてから仲介に出すか、今の状態のまま買取に回すかを決めます。

建物の状態、建築確認の記録、待てる期間の3つにも当てはまれば、仲介で売る条件が揃っています。建て替えに関わる3つは満たしているのに、この3つのどこかで外れるなら、仲介の査定と買取の提示の両方を取り、「旗竿地は仲介と買取のどちらで売る?手取りを同じ条件で並べる」の節の手順で手取りを比べてから決めます。

「旗竿地の建物が古い場合、建て替えずに使える?築年数と建物の扱いで分かれる」について、そのまま聞けます。

旗竿地を手放すとき、最初に何を確かめる?通路の幅と道路の記録

最初に集めるのは査定書ではなく、通路の幅が分かる測量図と、前の道が建築基準法の道路かどうかが分かる役所の記録です。この2つで通路が2m以上か、前の道が道路かが分かれば、仲介で売る旗竿地か、買取も並べて考える旗竿地かがはっきりします。そのあと査定を頼む相手も、聞くことも変わります。値下げより先に通路の幅を測る理由は、「旗竿地が売れない理由」の記事でも、値段が下がる仕組みとあわせて確かめられます。

1. 法務局で旗竿地の登記事項証明書・公図・地積測量図を取る

法務局では、通路と奥の敷地のそれぞれについて登記事項証明書を取ります。あわせて、公図で通路がどの地番として描かれているか、地積測量図に通路の幅が書かれているかを確かめます。登記事項証明書で見るのは、通路の地番が奥の敷地と同じ名義か、抵当権が通路の地番にも付いているかで、旗竿地では地番ごとに1通ずつ取ることになります。

地積測量図は、土地を分けたときや面積を直したときに作られた図です。古い土地ほど見つからなかったり、書かれた寸法が現地と合わなかったりします。図が無い場合や現地と合わない場合は、土地家屋調査士に現況の測量を頼むと通路の一番狭いところの幅を数字で残せ、隣との境を確定させる測量まで進めるかは、そのあとに決められます。

測量には費用と時間がかかります。その前に、自分で巻き尺を当てて通路の入口、中ほど、奥の3か所で幅を測り、写真と一緒に記録しておくと、調査士や仲介会社に相談するときの材料になります。塀や側溝で幅が変わる場合は、塀の内側と外側の両方の数字を書き留めておきます。

法務局で取る書類と確かめる内容

  • 登記事項証明書(名義)

    通路の地番が奥の敷地と同じ名義か見る

  • 登記事項証明書(抵当権)

    抵当権が通路の地番にも付いているか見る

  • 公図

    通路がどの地番として描かれているか見る

  • 地積測量図

    通路の幅が書かれているかを確かめる

2. 市区町村の窓口で、旗竿地の前の道の種類と建築確認の記録を見る

市区町村の建築指導や道路の担当の窓口では、前の道が建築基準法のどの種類の道路か、2項道路として指定されているか、位置の指定を受けた私道かを、道路の図や台帳で確かめられます。今の建物が建築確認を受けたときの記録や、検査済証が出たかどうかが分かる台帳の記載も、あわせて調べてもらいます。これが、建物が既存不適格に当たるかどうかの手がかりになります。

窓口には、法務局で取った公図と、自分で測った通路の幅の記録を持って行きます。この幅とこの道で建て替えができるかをその場で聞くと、話が早く進みます。窓口の答えはその時点の一般的な見立てで、建築確認を申請したときの判断と同じになるとは限りません。聞いた内容と担当の部署、日付を書き留めておきます。

道路の種類や指定の図をインターネットで公開している自治体もありますが、旗竿地のように通路の幅や入口の位置が細かく効く土地では、図だけでは判断できないことが多くあります。窓口で確かめた内容は、仲介会社にも買取の会社にも同じものを渡せるので、相手ごとに説明をやり直さずに済みます。

旗竿地は仲介と買取のどちらで売る?手取りを同じ条件で並べる

仲介の査定額と買取の提示額はそのまま比べず、通路の工事や待つ月数の費用を引いた手取りにそろえてから、どちらで売るかを選びます。通路が2m以上ある旗竿地は仲介の査定額の方が高く出ることが多いものの、売れるまでの月数と途中の値下げで手取りが変わります。2mに届かない旗竿地では、仲介で買主が見つかるかどうかそのものが分かれ目です。

1. 旗竿地の仲介の査定と買取の提示を、同じ欄で並べる

並べるときは、受け取る金額から次の費用を引いた手取りで比べます。

  • 仲介で売る場合の仲介手数料(当社が買い取る場合は仲介手数料はかかりません)
  • 通路の幅を確かめる測量や、隣の家との境を確定させる測量の費用
  • 売れるまでの月数分の固定資産税・都市計画税・火災保険料・草木の手入れの費用
  • 解体してから売る場合の解体費と、更地にしたあとの税の増え方
  • 抵当権の抹消や住所の変更、相続した場合の相続登記の費用
  • 売れたあとの譲渡所得にかかる税

仲介手数料は、宅地建物取引業法第46条にもとづいて国土交通大臣が定めた上限の範囲で、売買が成立したときにかかります。仲介の査定額は、その値段で売り出せば売れそうだという見込みの額で、成約の額とは違います。査定を受けるときは、何か月ほどで売れる想定か、住宅ローンを使う買主を想定しているかを聞き、その月数を手取りの計算に入れます。

買取の提示額は、その金額で買うという額です。売れるまで待つ必要がないぶん、持ち続ける費用は少なくなります。仲介の査定額から待つ月数の費用と手数料を引いた額が、買取の提示額をわずかに上回るだけなら、途中で値下げを重ねる見込みまで考えて、早く手放せる方を選ぶ判断も成り立ちます。

旗竿地の手取り額を計算する手順

  1. 1

    査定額と提示額を並べる

    仲介の査定額と、買取の提示額を比較の基準として用意する

  2. 2

    売却にかかる費用を引く

    仲介手数料や測量費、解体費、登記費用などを差し引く

  3. 3

    待つ期間の維持費を引く

    売れるまでの固定資産税や火災保険料、手入れの費用を差し引く

  4. 4

    残った手取り額で比べる

    すべての費用を引いた後の金額を比べ、早く手放すかも含めて選ぶ

2. 旗竿地の隣の家に、先に声をかけるかを決める

隣の家から見ると、この旗竿地は庭を広げたり車を置く場所を作ったりできる土地です。一般の買主より高い値段を考える相手になることがあります。とくに通路が2mに届かない旗竿地では、一般の買主の値段は低く出やすい一方、隣の家が自分の土地とつなげて使うなら、建て替えの制限が問題にならないこともあり、隣に売る話が成り立つかどうかで値段の付き方が大きく変わります。

声をかけるのは、通路の幅と道路の記録で自分の旗竿地の立ち位置を確かめたあと、仲介や買取の数字を取る前が向いています。先に売り出してから隣に話を持って行くと、隣の家は売り出しの値段を知ったうえで話を始めることになり、値段の話を進めにくくなります。

隣の家と直接話をまとめる場合でも、契約書の作成や登記は司法書士に頼み、境と面積を測量で確定させてから売る形にしておくと、後で揉めにくくなります。隣に買う気がないと分かったら、仲介と買取の数字を並べる手順に戻れば足ります。声をかけたことで、売り方の選択肢が減ることはありません。

仲介の査定額と買取の提示額の比べ方

手取りから引く費用や見込み仲介で売る場合買取で売る場合
仲介手数料売買が成立したときにかかるかからない(当社の場合)
売れるまで待つ月数分の維持費固定資産税や草木の手入れ費用がかかる待つ必要がなく費用は少なくなる
途中の値下げの見込み途中で値下げを重ねる可能性がある提示額で買い取るため影響しない
測量・解体・登記・税の費用手取りの計算で引く手取りの計算で引く

旗竿地の売却で用意する書類と費用は?相続した場合は登記の期限が先

住宅街にある木造住宅と、手前にある細長い通路

書類は登記識別情報か権利証・本人確認書類・印鑑証明書・固定資産税の納税通知書が一般的な組み合わせで、相続した旗竿地なら相続登記を先に済ませます。分かれ目は、相続で取得した旗竿地かどうかと、通路が別の地番になっているかどうかです。相続した場合は、取得を知った日から3年という登記の期限が売る日程より先に走っていることがあり、通路が別の地番なら、書類も登記も地番の数だけ確かめることになります。

1. 旗竿地の売却で用意する書類を、通路の地番の分まで確かめる

当社が買い取る場合、一般には登記識別情報か権利証、本人確認書類、印鑑証明書、固定資産税の納税通知書をご用意いただき、相続した物件では戸籍などの書類が加わります。どこまで揃えるかは個別のご案件によって変わります。通路と奥の敷地の地番が分かる資料を最初にお知らせいただくと、揃える書類の見通しを早く立てられます。

旗竿地で気をつけたいのは、登記識別情報や権利証が地番ごとに分かれていることがある点です。奥の敷地の権利証は見つかったのに、通路の分が見当たらないという例があります。通路の分が見つからなければ、司法書士が本人であることを確かめる別の手続きを取ることになり、その分の日数と費用がかかるので、書類を探す段階で地番と照らし合わせておきます。

固定資産税の納税通知書は、課税明細書の地番の欄で通路と奥の敷地の両方が載っているかを見る資料にもなります。「3. 通路だけ別の地番で、名義が旗の部分と違っている旗竿地」で見た名義のずれに気づくきっかけにもなります。印鑑証明書は登記に使う時期から逆算して取るので、契約や引き渡しの日がおおよそ決まってから取りに行く方が、取り直しの手間が減ります。

旗竿地の売却で用意する主な書類

  • 登記識別情報か権利証

    通路と奥の敷地の地番ごとに揃っているか見る

  • 固定資産税の納税通知書

    課税明細書に通路と奥の両方が載っているか見る

  • 印鑑証明書

    契約や引き渡しの日がおおよそ決まってから取る

  • 本人確認書類

    売却の手続きに必要となる書類として用意する

2. 旗竿地の売却で売主が負担する費用と、相続登記の期限

当社が買い取る場合、売主さまにご負担いただく費用は、一般には売買契約書の印紙代、抵当権の抹消登記の費用、住所変更登記の費用で、相続した物件ではこれに相続登記の費用が加わります。実際の額は、個別のご案件によって変わります。仲介で売る場合はこれに仲介手数料がかかり、通路の幅を確定させる測量を売主の側で頼めば、その費用も手取りから引かれます。売却にかかる費用の全体は、「不動産売却の費用一覧」の記事で買取では発生しない費用と分けて確かめられます。

相続した旗竿地は、名義が亡くなった方のままでは売れません。相続登記の申請は2024年4月1日から義務になり、期限は、相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内です。2024年4月1日より前に始まった相続も対象で、2024年4月1日より前から取得を知っていた場合は、施行日から3年の2027年3月31日までが期限になります(法務省の相続登記の案内)。

旗竿地で通路の地番を相続登記から漏らすと、あとで通路の分だけ登記をし直すことになり、売る日がずれます。司法書士に頼むときは、課税明細書と公図を渡し、通路を含むすべての地番が登記の対象に入っているかを確かめてもらいます。

なお、この記事の税務・法務に関する記載は一般的な情報提供であり、個別の事案についての判断ではありません。適用の可否や具体的な税額については、税務署または税理士、登記については司法書士、境界や隣地との権利関係については弁護士や土地家屋調査士など、それぞれの専門家にご確認ください。当社は不動産の買主であり、税務や法律の代理はできません。

「旗竿地の売却で用意する書類と費用は?相続した場合は登記の期限が先」について、そのまま聞けます。

当社に旗竿地の買取を頼むと、どう進み、どんなときに断られる?

当社が買い取る条件・買い取れない条件と、実際の買取事例は「当社の買取基準」にまとめています。

「当社に旗竿地の買取を頼むと、どう進み、どんなときに断られる?」について、そのまま聞けます。

旗竿地をやめとけと言われても、通路の幅で売る相手は選べる

  • 旗竿地がやめとけと言われるのは、車の出し入れ、日当たり、建て替えの3つの点で買う人が迷うからです。持っている側に効くのは評判そのものではなく、その評判で残る買い手の数です。
  • 通路が建築基準法の道路に2m以上接していれば、建て替えのできる土地として仲介で一般の買主を探せます。届かなければ再建築不可となり、現金の買主や事業者の買取が中心になります。
  • 売り方を決める前に、法務局で通路の地番と幅を、市区町村の窓口で前の道の種類と建築確認の記録を確かめ、仲介の査定と買取の提示を手取りにそろえて並べます。

当社は再建築不可の旗竿地も買主として買い取りますが、通路が2m以上あり建物もすぐ住める旗竿地なら、仲介の方が手取りが多くなることがあります。

査定は無料・売却の義務なし
0120-996-748受付時間10:00〜19:00(水・日曜定休)

通話料無料・全国対応

この先は、当社の買取窓口「買取くん」のページです(運営は同じ株式会社リアテクスです)。

旗竿地はやめとけと言われる点について、よくある質問

Q1. 旗竿地で、竿の部分には建物が建てられますか

竿の部分は、奥の敷地が道路に接するための通路として幅を保つ役目を持っています。そこに建物を建てて通路の幅が2mを切ると、接道の決まりを満たさなくなり、建築確認が通りにくくなります。物置や屋根付きの車庫のように小さなものでも、通路を狭める置き方をすると建て替えのときに指摘されることがあり、条例で通路の部分に建てられるものを決めている自治体もあります。

通路に建て増しをしたまま売りに出すと、買う人が建て替えの相談をした段階でこの点が見つかり、撤去を条件にされることがあります。竿の部分に何かを建てている、またはこれから建てようとしているなら、市区町村の建築指導の窓口で、その位置と大きさで差し支えないかを確かめてください。

Q2. 絶対に買ってはいけない土地は何ですか。旗竿地は入りますか

法令に、買ってはいけない土地を決めた決まりはありません。どの土地を避けるかは、買う人がその土地を何に使うかで変わります。そのうえで買う人が避けたがるのは、建て替えができるか分からない土地、前の道が建築基準法の道路か分からない土地、名義や境が揃っていない土地のように、買ったあとで使い方が決まらない不確かさを抱えた土地です。

形だけで旗竿地が避けられるわけではありません。通路の幅と前の道の記録、地番ごとの名義が揃っていれば、買う人の不確かさの多くは消えます。災害の危険を気にする買主もいるので、国土交通省の重ねるハザードマップで、洪水や土砂災害の区域に入っているかも見ておくと、聞かれたときに答えられます。

Q3. やめといた方がいい土地は、旗竿地ならどんな形ですか

旗竿地の中でやめといた方がいいと言われやすいのは、通路の幅が2mに届かない形、入口は2mあっても途中で狭くなる形、前の道が建築基準法の道路に当たらない形です。どれも、建て替えができないか、できるかどうか分からない形です。通路がとても長く、奥の敷地が周りより低い位置にある形も、雨水の流れや排水の引き方で工事の費用がかさむため、買う人が慎重になります。

ただ、これは買う側の目線の話で、持っている側にとっては売れない土地という意味ではありません。建て替えのできない旗竿地でも、今の建物を使う人、隣の家、買い取る事業者という相手は残ります。どの相手に向けて売るかを選び直すことになります。

Q4. 不動産の三大タブーとは何ですか。旗竿地を売るときも当てはまりますか

不動産の三大タブーという言い方に、法令の用語や決まった定義はなく、使う人によって中身が違います。旗竿地を売る側として避けたいのは、通路の幅を測らないまま値段を決める進め方、知っている雨漏りや傾きを伝えない進め方、1社だけの数字で決めてしまう進め方で、どれも後になって値段や契約の話を動かしやすくなります。

知っている不具合を伝えなかった場合、契約で売主の責任を負わないと決めていても、その責任を免れられないと民法第572条が定めています。通路の幅や建物の状態は、分かっている範囲を書面に残して伝えておく方が、売る側の身を守ることになります。

Q5. 旗竿地の固定資産税は、形のせいで安くなりますか

土地の固定資産税の評価は、総務省が定める固定資産評価基準にもとづいて市町村が行います。この基準には、間口が狭い土地や形のいびつな土地の評価を補正する考え方が含まれているので、旗竿地は道路に面した形のよい土地より評価が低く出ることがあります。どの補正をどれだけ使うかは市町村の評価の仕方によるので、課税明細書を持って市区町村の固定資産税の窓口で評価の内訳を聞くのが確実です。

家が建っている旗竿地では、形の補正とは別に住宅用地の特例で課税標準が下がっていて、その仕組みは「旗竿地を持ち続ける間に出ていく費用」の節にあります。解体して更地にするとこの特例が外れるので、形の補正があっても、税の額は家が建っていたときより上がります。

Q6. 2mに届かない旗竿地でも、建て替えできる方法はありますか

隣の土地を買い足すなどして通路の幅を2m以上にできれば、建て替えのできる土地として扱われます。それができない場合でも、建築基準法第43条第2項には、特定行政庁が交通・安全・防火・衛生の面で支障がないと認めた場合などに建築を認める例外の手続きがあります。敷地の周りの空き地の状況や通路の使われ方によっては、この手続きが使えることがあります。

使えるかどうかは物件ごとに特定行政庁が判断し、建築審査会の同意が要る場合もあるので、時間がかかり、結果も読めません。接道の形ごとに使える方法と売り方の違いは「再建築不可の裏ワザは使える?接道で分かれる方法と売り方」の記事にあります。まずは建築指導の窓口で、自分の旗竿地でこの手続きを検討できるかを聞いてみてください。

Q7. 旗竿地の通路の部分だけを、隣の家に売ることはできますか

通路が別の地番になっていれば、その地番だけを隣の家に売ることは手続きとしてはできます。ただ、通路を手放すと奥の敷地は道路へ出る道を失い、建て替えができないうえに、出入りそのものを隣に頼る土地になります。奥の敷地を持ち続けるつもりなら、通路だけを売るのは、手元に残る土地の値段を大きく下げる選び方です。

隣の家が通路を欲しがっているなら、奥の敷地もあわせて買ってもらえないかを先に相談する方が、使いにくい土地を手元に残さずに済みます。通路を売ったあとの出入りは民法の通行の決まりに頼ることになり、「1. 袋地は民法の通行の決まりで出入りし、旗竿地は自分の通路で出入りする」で見たとおり、その決まりは建て替えまでは守ってくれません。

当社の見方

通路が2mに届かず再建築ができない旗竿地は、住宅を建てたい買い手が見つかりにくく、一般に、仲介で売り出しても買主が決まるまでに時間がかかりやすい土地です。当社では、こうした物件でもまず状況をうかがい、買い取れない場合や売らないほうがよい場合は、その理由をお伝えしています。全国(47都道府県)の旗竿地に対応しており、買取をお選びいただいた場合は価格のご提示まで目安30分、早ければ2週間以内にお引き渡しと同時のご入金となります。奥に古い家が建ったままのご実家を相続された方や、売却後もしばらく住み続けたい方にはリースバックという形もご用意でき、家賃や期間は案件ごとに決めています。印紙代や抵当権の抹消登記の費用、相続登記の費用などがかかる場合もありますが、ご負担いただく範囲や必要な書類は物件ごとに異なります。

当社が買い取る物件・お断りする物件と、買取価格の決まり方は、当社の買取事例76件の内訳とあわせて当社の買取基準にまとめています。

この記事について

執筆・編集
リアテクス編集部株式会社リアテクス当社(宅地建物取引業 東京都知事(1)第107888号)は物件を直接買い取る買主の立場から、売却を検討する方の判断材料となる記事を企画・編集しています。
監修
鶴野 博之鶴野 博之株式会社リアテクス 執行役員宅地建物取引士(東京)第257503号/賃貸不動産経営管理士/2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)この区分の監修を担当しています。記事の公開判断は当社が行っています(代表が定めた手順による)。確認・公開判断:鶴野 博之(株式会社リアテクス 執行役員)
公開・更新
公開 更新 内容を見直したときは、この日付と改訂の内容を更新しています。情報の確認日 (出典の公的資料を開いて内容を確かめた日)
この記事の事実確認の方法
法令:建築基準法、民法出典:国土交通省、法務省
記事の作り方
この記事は、当社の担当者が事実確認を行ったうえで公開しています。

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