相続した実家に誰も住んでいなくても、固定資産税は毎年かかります。今の税額を軽くしているのは、家が建つ土地に付く住宅用地特例です。重くなる場面は、市区町村から勧告を受けたときと、家を壊して更地にしたときの2つです。どちらに近いかは、毎年届く納税通知書の欄で見当がつきます。
空き家
空き家の 固定資産税は 一生かかる? 勧告で 特例が 外れる
公開 更新

「住んでいない実家でも、固定資産税はかかるのか」。誰も住んでいなくても1月1日の所有者に固定資産税はかかり、家が建つ土地は住宅用地特例で軽くなっています。重くなるのは、空家法の勧告を受けたときと、家を壊して更地にしたときです。
当社は相続した空き家を自己資金で買い取り、融資の特約は付けません。固定資産税の滞納で差押えの登記が入り、売買代金を充てても外せない家は買い取れません。この家が買い取れるかどうかだけ、先に聞く(無料)
目次(6章)
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空き家でも 固定資産税は かかる? 住宅用地特例で 土地は 6分の 1

住んでいなくても、その年の1月1日時点の所有者には固定資産税がかかり、建物が残っていれば住宅用地特例で200㎡以下の土地の課税標準は6分の1になります。この軽減は地方税法第349条の3の2が定めるもので、住宅が建っている土地なら、いま人が住んでいないことだけで外れはしません。
土地や家屋を持っていること自体に、課される税です。使っているかどうかには、かかりません。電気を止めても、家財を運び出しても、税額は変わりません。
親が亡くなった翌年の春、実家の納税通知書が届きます。宛名が亡くなった親のまま、ということもよくあります。それでも納める必要があるのか。ここで手が止まる方が多い場面です。
相続した実家の税が思ったより安いなら、それは空き家だからではありません。家が建っていて、土地が住宅用地として扱われているからです。この扱いが続くかどうかが、これからの税額を左右します。
例外が1つあります。屋根が落ちたり床が抜けたりして、人が住める状態にない家屋です。こうした家屋は、勧告を待たずに住宅と認められなくなることがあります。認めるかどうかは市区町村が現況を見て判断します。傷みが大きい家は、資産税の窓口で扱いを確かめてください。
税額を決めるものは3つです。土地の価格、家屋の価格、そしてその土地が住宅用地かどうかです。価格は、市区町村が固定資産課税台帳に載せる額です。3年ごとに見直され、見直しの年は基準年度と呼ばれます。この仕組みは地方税法第349条にあります。
1月1日時点の 所有者に 課税される 仕組み
固定資産税は、毎年1月1日に所有者だった人が、その年度の1年分を納めます。1月1日を賦課期日と定めているのは、地方税法第359条です。だれに課すかは第343条が定めていて、登記簿に所有者として載っている人が対象になります。
この仕組みのため、年の途中で売っても、その年度の税は売主にかかります。3月に引き渡しても、納税通知書は売主の名前で届きます。買主との間で日割りにして分けるかどうかは、売買契約で決めることです。市区町村が2人に分けて請求することはありません。
反対に、12月のうちに引き渡しと所有権の移転の登記が済めば、翌年度の税は買主にかかります。年をまたぐかどうかで、1年分の税をだれが持つかが変わります。売る時期を考えるとき、1月1日は大きな区切りです。
納税通知書は、年度の初めごろに届きます。納める時期は年4回が原則で、具体の月は市区町村の条例で決まります(地方税法第362条)。1年分をまとめて納めることもできます。
親の口座から引き落としていた家は、気をつけてください。銀行が亡くなったことを知ると、口座は止まります。引き落としもできなくなります。督促状が届いて初めて気づく、という順番になりがちです。
納期限を過ぎると、延滞金がかかります。そのままにすれば、市区町村は滞納処分として財産の差押えに進むことがあります。差押えの登記が入った不動産は、売るときにそれを外す手続きが要ります。
家屋にも固定資産税がかかります。市街化区域にある土地と家屋には、都市計画税も一緒にかかります。2つの税は同じ通知書で届き、課税明細書の行で分かれています。
東京23区にある家は、区役所ではなく都税事務所が課税します。ほかの地域は、家のある市町村の資産税の担当課です。問い合わせ先は、通知書の差出人で分かります。
固定資産税は土地の価格、家屋の価格、住宅用地かどうかで決まる
固定資産税の額を決める3つの要素
土地の価格
市区町村が台帳に載せる額で、3年ごとに見直される。
家屋の価格
土地と同じく台帳に載る額。基準年度に見直される。
住宅用地かどうか
家が建っていれば200㎡以下の土地の課税標準が6分の1になる。
名義人が 亡くなったままの 家は 誰が 払うのか
名義人の親が亡くなっていれば、固定資産税は相続人が納めます。地方税法第343条は、登記簿の所有者が1月1日より前に亡くなっていたとき、その日に現に所有している人に課すとしています。相続登記をしていなくても、相続人が納める側に立ちます。
相続人が2人以上いて遺産分割が終わっていない間、実家は相続人みんなの共有です(民法第898条)。共有の不動産にかかる税は、共有している人が連帯して納めます(地方税法第10条の2)。自分の持分の分だけ払えば済む、という仕組みではありません。
実際には、市区町村は相続人のうち1人に通知書を送ります。宛名は「亡くなった親の名前 相続人代表者様」のような書き方になることがあります。受け取った人が全額を立て替え、ほかの相続人は税額を知らない。そうした状態が何年も続くことがあります。
市区町村から、相続人の代表者を届け出る書類が届くことがあります。現に所有している人として申告するよう求める書類が届くこともあります。どちらにも提出の期限が書いてあります。届いたら、相続人の間で窓口役を1人決めてください。
立て替えた税は、遺産分割の話し合いで精算の対象になります。領収書や引き落としの記録は、年度ごとに残しておきます。何年分をだれが払ったかが分からないと、分け方の話が前に進みません。
相続人の中に海外に住む人がいると、書類を受け取る人を国内に決めます。この人を納税管理人と呼び、市区町村に届け出ます。
遺産分割で実家を受け継ぐ人が決まれば、その後はその人が納めます。登記をその人の名義に移せば、翌年度からの通知書もその人に届きます。
相続放棄をした人は、初めから相続人でなかったものとみなされます(民法第939条)。ただ、放棄したときに実家を現に占有していれば、次に管理する人へ引き渡すまで保存する義務が残ります(民法第940条)。放棄した後の家の管理は、「相続放棄しても実家の管理義務は消えない」の記事で事情ごとの扱いを確かめられます。
税額の 決まり方と 住宅用地特例で 下がる 幅
空き家の固定資産税の基本は、課税標準額に税率を掛ける計算です。課税標準額は、市区町村が決めた価格をもとにします。標準の税率は1.4%で、地方税法第350条が定めています。市区町村が条例で別の率を決めていれば、その率で計算します(地方税法(e-Gov法令検索))。
土地の課税標準を小さくしているのが、住宅用地特例です。人が居住するための住宅が建つ土地は、計算の土台が法律で小さくなります。申請して受ける減免とは、別のものです。市区町村が1月1日の現況で住宅用地かどうかを認定し、通知書の額に織り込みます。
区分ごとの課税標準は、地方税法第349条の3の2(固定資産税)と第702条の3(都市計画税)で次のように分かれます。
| 土地の区分 | 固定資産税の課税標準 | 都市計画税の課税標準 |
|---|---|---|
| 住宅用地のうち200㎡以下の部分 | 価格の6分の1 | 価格の3分の1 |
| 住宅用地のうち200㎡を超える部分 | 価格の3分の1 | 価格の3分の2 |
| 住宅用地でない土地(更地、勧告を受けた空き家の敷地など) | 特例なし | 特例なし |
200㎡は、住宅1戸あたりで数えます。敷地が300㎡の実家なら、200㎡分が6分の1、残りの100㎡分が3分の1です。広い敷地ほど、3分の1で計算する部分が増えます。
家屋のほうには、この特例はありません。家屋の税は、建物の価格に税率を掛けた額です。築年数の古い木造の家は価格が低いため、土地の税のほうが大きいことがよくあります。この差が、解体した後に税が上がる理由につながります。
税がかからない場合もあります。同じ市区町村の中で持つ土地の課税標準額の合計が30万円未満なら、土地には課されません。家屋の合計が20万円未満なら、家屋には課されません。地方税法第351条の免税点という決まりです。山あいの小さな家では、通知書が届かないこともあります。
通知書が来ないことと、税の対象でないことは同じではありません。名義が親のままで送り先が分からず、届いていないだけのこともあります。親の名義の不動産がほかにもありそうなら、市区町村で名寄帳を取ると一覧で確かめられます。
「空き家でも固定資産税はかかる?住宅用地特例で土地は6分の1」について、そのまま聞けます。
固定資産税が 上がるのは いつ? 勧告で 6分の 1の 特例が 外れる

空家法の勧告を受けた特定空家等・管理不全空家等の敷地は住宅用地特例の対象から外れ、200㎡以下の部分の6分の1、超える部分の3分の1という軽減がなくなります。勧告を受けた空き家の敷地をこの特例から除く定めは、地方税法第349条の3の2に置かれています。
分かれ目は2つです。市区町村から勧告を受けたかどうか。そして、家屋が建っているかどうかです。長く人が住んでいないことや、宛名が亡くなった親のままであることだけでは、税額は上がりません。
勧告で上がる場合と、解体で上がる場合では、家屋の税の動きが違います。勧告の場合は家屋が残るので、家屋の税はそのままで、土地の税だけが上がります。解体の場合は家屋の税がなくなる代わりに、土地の税が上がります。同じ「特例が外れる」でも、1年あたりの増え方は別々に見積もります。
1. 特定 空家・ 管理不全空 家と して 勧告を 受けた とき
特例が外れるのは、市区町村長から勧告を受けたときです。助言や指導の段階では、まだ外れません。
空家等対策の推進に関する特別措置法(空家法)は、空き家の状態に応じて2つの段階を置いています。特定空家等は、空家法第2条第2項の状態に当たる空き家です。次のいずれかの状態です。放置すれば倒壊などで著しく危険になるおそれがある状態。著しく衛生上有害になるおそれがある状態。著しく景観を損なっている状態。周りの生活環境のために放置が不適切な状態。特定空家等には第22条で、助言・指導、勧告、命令、代執行と進む手続きが用意されています(空家等対策の推進に関する特別措置法(e-Gov法令検索))。
管理不全空家等は、そのまま放置すれば特定空家等になるおそれがある空き家です。第13条で、市区町村長は所有者に指導できます。改善されず、特定空家等になるおそれが大きいときは勧告できます。この仕組みは、2023年12月13日に施行された改正で加わりました。屋根や外壁の傷みが目立ち始めた段階でも、勧告まで進む道ができたということです。
「特定空家に指定されると特例が外れる」と言われることがあります。正しくは違います。特定空家等や管理不全空家等と判断された段階では、まだ特例の対象外になりません。対象外になるのは、勧告を受けた空き家の敷地です。指導を受けた段階で直せば、税は上がらずに済みます。
勧告の効き目も、1月1日の状態で決まります。12月に勧告を受けて年を越せば、翌年度の分から特例が外れます。勧告の後で必要な修繕をして、勧告が解かれたとします。その後に迎える1月1日からは、特例の対象に戻る扱いです。解かれる手続きと時期は、所在地の空き家の担当課で確かめてください。
勧告の前には、助言や指導の段階があります。その文書は、所有者や相続人の住所に郵送されます。住所の分からない相続人には届きません。実家の近くに住む家族が、近所の人から先に話を聞くこともあります。
市区町村が動くきっかけには、近所からの連絡があります。屋根材や外壁の落下、窓の割れ、庭木や雑草のはみ出し、ごみの投げ込みなどです。文書が届いたら、どこを、いつまでに直せばよいかを担当課に聞いてください。直した箇所は、写真で残しておきます。
命令にも従わないと、市区町村が代わりに工事をする代執行に進みます。その費用は、所有者に請求されます。税が上がることより、こちらのほうが負担は重くなります。
倒壊の危険や衛生上有害など、放置すると周囲に悪影響を及ぼす状態が指定される
特定空家等に指定される4つの状態
倒壊などで危険な状態
放置すれば倒壊などで著しく危険になるおそれがある状態。
衛生上有害な状態
放置すれば著しく衛生上有害になるおそれがある状態。
景観を損なっている状態
著しく景観を損なっている状態。
放置が不適切な状態
周りの生活環境のために放置が不適切な状態。
2. 「6倍」 「4倍」と 言われる 理由と 実際の 増え方
「6倍」は計算の土台の倍率で、税額がそのまま6倍になるわけではありません。200㎡以下の部分を6分の1にしていた特例が外れ、その部分の土台が元の価格に戻るため、こう言われます。地方税法第349条の3の2の6分の1を裏返した数字です。
土地の税には、もう1つの仕組みが重なります。地方税法の附則にある負担調整措置です。住宅用地でなくなった土地は、この措置の中で商業地等と同じ扱いになります。課税標準は価格の70%が上限です。6分の1は約16.7%で、上限の70%と比べると約4.2倍です。「4倍」という言い方は、ここから来ています。6倍にならないのは、この上限があるからです(地方税法第349条の3の2・附則)。
土地の価格が1,200万円、面積が150㎡の例で、固定資産税だけを試算します。
- 特例が効いているとき(地方税法第349条の3の2の6分の1):1,200万円 × 6分の1 = 200万円。200万円 × 1.4% = 2万8,000円
- 特例が外れ、上限の70%で計算したとき(同法附則の負担調整措置):1,200万円 × 70% = 840万円。840万円 × 1.4% = 11万7,600円
年あたりの差は、8万9,600円です。11万7,600円は、2万8,000円の4.2倍にあたります。税率の1.4%は、地方税法第350条の標準税率で計算しました。勧告で外れた場合は、家屋の税がこれに上乗せされたままです。
都市計画税がかかる地域では、都市計画税の特例(地方税法第702条の3)も外れます。固定資産税の上がり分に、都市計画税の上がり分が加わります。
実際の倍率は、土地ごとに違います。前の年度までの課税の状況や、評価替えの年にあたるかどうかで変わるからです。上の試算は、上限の70%を当てはめた目安です。自分の土地の額は、市区町村の計算で確かめてください。
勧告が近そうなときや、更地にする前は、資産税の窓口で土地の課税標準額の見込みを聞けます。勧告の日と1月1日の前後で、どの年度から上がるかは、「空き家の固定資産税が6倍になる条件」の記事でも日付から確かめられます。
3. 家を 解体して 更地に した とき
家を壊すと、勧告がなくても住宅用地特例は外れます。住宅が建っていない土地は、住宅用地ではないからです。
ここでも判定は1月1日です。12月に解体を終えれば、翌年度から土地の税は特例なしで計算されます。年が明けて1月2日以降に壊せば、その年度は特例が残ります。外れるのは、次の年度からです。
家屋の税は、解体した後の1月1日からなくなります。建物を取り壊したら、法務局に滅失の登記を申請します。登記されていない建物なら、市区町村に家屋がなくなったことを届け出ます。届けないままでは、壊した家にも翌年度の税がかかることがあります。
古い木造の家は、家屋の税が小さいものです。家屋の分が減っても、土地の分の増え方のほうが大きくなることがよくあります。「解体すれば税が減る」とは限りません。
日付の組み方で、上がった税を払わずに済む場合があります。年明けに解体し、その年のうちに売って引き渡します。すると売主は、特例の外れた税を払う年度がありません。翌年度の税は、1月1日の所有者である買主にかかるからです。逆に、年末に解体して売るのが翌年以降になれば、特例の外れた税が売主にかかります。
更地のほうが売りやすい土地もあります。古家付きで売るか、更地で売るかは、解体費と税の増え方を、価格の差と並べて決めます。解体の月ごとに税がどう動くかは、「実家を解体すると固定資産税は上がる?1月1日で決まる仕組み」の記事に例があります。解体そのものの費用は、「空き家の解体費用はいくらかかるか」の記事で建物の構造と広さから見積もりの見方を確かめられます。
市区町村によっては、危険な空き家を壊した後の土地について、一定の期間だけ税を抑える独自の制度を置いています。対象になる空き家や期間は、条例ごとに違います。解体の契約を結ぶ前に、所在地の窓口で確かめてください。
売るつもりで壊すなら、更地のまま1月1日を迎える回数は少ないほど税の負担は軽くなります。解体の日程は、売る時期から逆算して組みます。
勧告は土地の税のみ上がり、解体は家屋の税がなくなる代わりに土地の税が上がる
勧告と解体による税の動きの違い
| 観点 | 勧告を受けた場合 | 解体した場合 |
|---|---|---|
| 家屋の扱い | そのまま残る | なくなる |
| 家屋の税 | そのままかかる | なくなる |
| 土地の税 | 特例が外れて上がる | 特例が外れて上がる |
| 全体の税額の動き | 土地の税だけが上がる | 家屋の税がなくなる代わりに土地が上がる |
特定空家等は助言や指導から始まり、勧告、命令、代執行へと進む
特定空家等に対する措置の流れ
- 1
助言・指導
市区町村長から行われる。この段階ではまだ特例は外れない。
- 2
勧告
改善されないと行われる。ここで住宅用地特例の対象から外れる。
- 3
命令・代執行
特定空家等に対してさらに進む手続き。
「固定資産税が上がるのはいつ?勧告で6分の1の特例が外れる」について、そのまま聞けます。
何から 確認する? 相続登記は 3年以内、 通知書で 特例を 見る

まず納税通知書で特例が効いているかを確かめ、持ち続ける・貸す・売る・手放すを比べて決め、相続した家なら取得を知った日から3年以内の相続登記も済ませます。
この順番には理由があります。通知書を見れば、今の税が特例つきの額かどうかが分かります。持ち方の比較は、その額を出発点にしないと正しく計算できません。相続登記は、売る場合も貸す場合も、名義を整える手続きとして避けられません。
1. 納税通知書で 特例が 効いているかを 見る チェック表
今の状態は、届いた納税通知書と課税明細書で確かめられます。前年度の分も手元にあれば、並べて見てください。
課税標準額が価格の6分の1以下なら、地方税法第349条の3の2の小規模住宅用地の特例が効いています。敷地が200㎡を超える家は、6分の1と3分の1の部分が混ざるので、比率はそれより高くなります。欄の名前や並びは市区町村ごとに違います。下の表の言葉は目安として読んでください。
| チェックする欄 | 気をつける状態 | 当てはまったら |
|---|---|---|
| 宛名(納税義務者) | 亡くなった親の名前のままになっている | 相続人の窓口役を決め、相続登記の期限も確かめる |
| 土地の価格と課税標準額 | 敷地が200㎡以下なのに、課税標準額が価格の6分の1を大きく超えている | 特例が外れていないかを資産税の窓口に聞く |
| 住宅用地の面積 | 小規模住宅用地の面積の欄が空になっている | 住宅用地と認定されていない理由を聞く |
| 家屋の行 | 取り壊した建物が載ったままになっている | 滅失の登記か、家屋がなくなった届け出を済ませる |
| 摘要・備考 | 住宅用地の特例を外した旨の記載がある | 勧告を受けた時期と内容を空き家の担当課に聞く |
| 土地の税額 | 前年度より大きく増えている | 評価替えによる増加か、特例の変更かを分けて聞く |
勧告で特例が外れる状態に近いかは、通知書だけでは分かりません。家の側では、次の項目を確かめます。
- □ 屋根材や外壁が、はがれたり浮いたりしている
- □ 窓や戸が壊れていて、外から人が入れる
- □ 庭木や雑草が、道路や隣の敷地にはみ出している
- □ ごみの投げ込みや、動物のすみつきがある
- □ 市区町村から、空家法にもとづく助言や指導の文書が届いている
市区町村からの文書に印が付いたら、勧告の手前まで進んでいます。屋根・窓・草木・ごみのどれかに印が付いた家は、近所から役所へ連絡が入るきっかけを抱えています。直す費用と、売る場合の価格を並べて比べる時期です。
窓口で聞くときは、通知書と本人確認書類を持っていきます。名義が亡くなった親のままなら、相続人であることが分かる戸籍も持参します。戸籍があれば、親の名義の不動産を一覧にした名寄帳も取れます。
固定資産税減免申請は、住宅用地特例とは別の手続きです。地方税法第367条は、天災などの特別の事情がある人について、市区町村が条例で固定資産税を減免できるとしています。空き家であるという理由だけでは、この事情に当たらないと考えておく方が安全です。台風や地震で家屋が壊れた年などは、申請によって減額される場合があります。
申請の流れは3段階です。窓口に事情を伝えます。申請書と被害の分かる書類を出し、市区町村の決定を待ちます。被害の写真や、修理の見積書が求められることがあります。申請の期限は条例で決まっています。通知書が届いたら、早めに問い合わせてください。
2. 持ち続ける ・貸す・ 売る ・手放すの 比べ方
4つの持ち方は、毎年出ていくお金と、住宅用地特例が残るかどうかで比べます。
持ち続ける場合は、特例が効いている限り、固定資産税は今の額が毎年続きます。ほかに、火災保険料、草刈りや見回りの費用がかかります。遠方なら交通費も要ります。家は傷むほど勧告に近づくので、手間と費用は年を追って増えます。払い続けて何年たつと売った場合の手取りを上回るかは、「空き家の固定資産税を払い続ける損益分岐点」の記事で年数から計算できます。
貸す場合は、住宅として貸すか、更地にして駐車場にするかで税が分かれます。住宅として人に貸せば、家は居住に使われるので、住宅用地特例は残ります。ただ、貸す前の修繕費がかかります。借主がいる間は、売る時期も自由には選べません。相続した空き家の3,000万円控除は、相続の後に貸すと使えなくなります。控除の条件は、「空き家3000万円控除の条件」の記事の判定表で順に確かめられます。
空き家を駐車場にする方法は2種類あります。家を壊して自分で月極駐車場として貸す方法と、更地を駐車場の運営会社に一括で貸す方法です。どちらも家を壊すので、住宅用地特例は外れます。月極なら、区画の整備や借主との契約の管理を自分で持ちます。一括で貸せば手間は減りますが、受け取る賃料はその分抑えられがちです。駐車場として貸した敷地も、3,000万円控除の対象から外れます。賃料で、解体費と上がった土地の税を何年で取り戻せるかを先に計算してください。
売る場合は、引き渡しの後に迎える1月1日から、税はかからなくなります。仲介で買い手を探すか、買取で直接売るかで、手取りと期間が変わります。古家付きで売るか更地で売るかは、「3. 家を解体して更地にしたとき」の節の日付の組み方と合わせて決めます。
手放す場合の道は、国に引き取ってもらう相続土地国庫帰属制度です。建物が建っている土地では申請できません。家を壊してから申請し、審査を通れば負担金を納めて手放す流れです。市区町村への寄付は、受け取ってもらえる場合が限られます。国庫帰属と買取の費用の違いは、「空き家を国に引き取ってもらう条件と買取」の記事で比べられます。
比べるときは、同じ年数で並べます。たとえば5年なら、持ち続けた場合の税と管理費の合計、貸した場合の賃料から修繕費と税を引いた額、今売った場合の手取りを並べます。持ち続ける道を選ぶなら、勧告に近づかない手入れの費用も見込みに入れます。
宛名や土地の価格、住宅用地の面積などから特例の適用状況を確かめる
納税通知書で確認する主な項目
宛名(納税義務者)
亡くなった親のままなら相続人の窓口役を決める。
土地の価格と課税標準額
200㎡以下で課税標準額が価格の6分の1を超えていないか。
住宅用地の面積
小規模住宅用地の面積の欄が空になっていないか。
家屋の行
取り壊した建物が載ったままになっていないか。
摘要・備考
住宅用地の特例を外した旨の記載がないか。
土地の税額
前年度より大きく増えていないか。
相続した家は取得を知った日から3年以内に相続登記を済ませる必要がある
相続登記の期限
まず初めに
特例の確認
納税通知書で今の税が特例つきか確かめる
確認後
持ち方の比較
税額を出発点に、売るか貸すかなどを決める
取得を知った日から3年以内
相続登記
売る・貸す前に名義を整える手続きを済ませる
3. 相続登記を 済ませて おく 期限
相続で実家を取得した人は、取得を知った日から3年以内に相続登記を申請する義務があります。不動産登記法第76条の2が定めるもので、2024年4月1日から始まりました(不動産登記法(e-Gov法令検索))。
施行日より前に亡くなった親の実家でも、この義務は課されます。相続の開始と取得を知った日のうち、遅い日が3年の起算日です。施行日より前に知っていた人は、起算日が2024年4月1日になり、締切は2027年3月31日です。施行日より後に知った人は、その知った日から数えます。
固定資産税の通知書が相続人に届いていても、登記が済んだことにはなりません。課税は市区町村の扱いで、登記は法務局の手続きです。通知書が届いているから大丈夫、とは考えないでください。
遺産分割がまとまらず期限に間に合わないときは、相続人申告登記という申出ができます(不動産登記法第76条の3)。自分が相続人だと法務局に申し出るもので、1人でできます。ただし、この申出だけでは家を売れません。売るには、売主の名義に移す相続登記が要ります。
正当な理由なく申請を怠ると、過料の対象になります。名義を放っておいた場合に売却で何が起きるかは、「土地の名義変更をしないとどうなるか」の記事で確かめられます。
相続登記にかかる費用は、登録免許税と、司法書士に頼む場合の報酬です。登録免許税は、固定資産課税台帳の価格をもとに計算します。納税通知書の価格の欄は、ここでも使います。
相続登記の期限と、空き家の3,000万円控除の期限は、起点も終わりの日も別に数えます。手元の予定表には、2つを別の印で書き込んでください。
納税通知書の確認から活用方法の比較、相続登記の完了までを進める
空き家を相続した際の手続きの流れ
- 1
納税通知書の確認
今の税が特例つきの額かどうかを確かめる。比較の出発点になる。
- 2
持ち方の比較
通知書の額を基に、持ち続ける・貸す・売る・手放すを比べて決める。
- 3
相続登記
取得を知った日から3年以内に済ませる。名義を整える手続き。
なお、この記事の税務・法務に関する記載は一般的な情報提供であり、個別の事案についての判断ではありません。適用の可否や具体的な税額については、税務署または税理士、登記については司法書士、境界や隣地との権利関係については弁護士や土地家屋調査士など、それぞれの専門家にご確認ください。当社は不動産の買主であり、税務や法律の代理はできません。
「何から確認する?相続登記は3年以内、通知書で特例を見る」について、そのまま聞けます。
買い 取りの 入金は いつ? 相談30分で 提示、 引き渡しは 早ければ 2週間以内
当社が買い取る条件・買い取れない条件と、実際の買取事例は「当社の買取基準」にまとめています。
「買い取りの入金はいつ?相談30分で提示、引き渡しは早ければ2週間以内」について、そのまま聞けます。
空き家の 固定資産税で 先に 確かめる 3つの こと
- 誰も住んでいなくても、1月1日の所有者に固定資産税はかかります。名義が亡くなった親のままなら、相続人が納めます。
- 税が上がるのは、空家法の勧告を受けたときと、家を壊して更地にしたときです。指導の段階で直せば、特例は残ります。
- 特例が効いているかは、納税通知書の課税標準額と住宅用地の面積の欄で分かります。
当社が買い取って1月1日の前に引き渡しが済めば、翌年度からの固定資産税の通知書は当社に届きます。
通話料無料・全国対応
時間外と定休日のお電話も担当の携帯に転送されるので、直接責任者につながります。
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空き家の 固定資産税に ついて、 よく ある 質問
Q1. 固定資産税は 一生払い続けなければいけませんか
持っている限り、毎年かかります。課税は1月1日の所有者に対してなので、売るか国庫帰属で手放し、名義が移った後の1月1日からはかかりません。土地の課税標準額の合計が30万円未満、家屋の合計が20万円未満なら、免税点で課されない場合もあります(地方税法第351条)。相続放棄をした人は、初めから相続人でなかったとみなされます。ただ、放棄の時期と1月1日の前後で扱いが分かれることがあるので、市区町村に確かめてください。
Q2. 空き家を 放置すると、 固定資産税は 4倍に なりますか
放置しただけでは上がりません。上がるのは、市区町村から勧告を受けた後の1月1日を迎えた年度からです。約4.2倍という数字は、6分の1の特例が外れ、負担調整措置の上限である価格の70%で計算した場合の目安です(地方税法第349条の3の2・附則)。実際の倍率は土地ごとに違い、都市計画税の上がり分も別に加わります。
Q3. 空き家の 固定資産税は、 いつから 6倍に なりますか
勧告を受けた状態で迎えた1月1日の年度からです。2026年12月に勧告を受ければ2027年度分から、2027年1月2日に受ければ2028年度分から特例が外れます。6倍は、地方税法第349条の3の2の6分の1が外れたときの土台の倍率です。税額の増え方は、「2. 「6倍」「4倍」と言われる理由と実際の増え方」の節の試算のとおり、それより小さくなります。
Q4. 空き家を 解体すると、 固定資産税は どうなりますか
解体した後の1月1日から、土地は住宅用地でなくなり、特例が外れて土地の税が上がります。家屋の税はなくなります。ただ、古い家ほど家屋の税は小さいため、合計では上がることがよくあります。年明けに解体してその年のうちに売れば、特例の外れた税を売主が払わずに済む場合があります。解体の前に、更地にした後の土地の税額を資産税の窓口で聞いてください。
Q5. 住宅用地特例は どのような 場合に 解除されますか
主に3つの場合です。空家法の勧告を受けた場合、建物を取り壊した場合、建物が人の住めない状態まで壊れて住宅と認められなくなった場合です。勧告の場合は、修繕をして勧告が解かれれば、その後の1月1日から特例の対象に戻る扱いです。住めない状態かどうかの認定は市区町村がするので、傷みの大きい家は窓口で確かめてください。
Q6. 空き家でも 固定資産税の 減免は 受けられますか
受けられるのは、市区町村の条例が定める事情に当たるときです。減免は地方税法第367条にもとづき、天災などの特別の事情がある人について条例で定められます。誰も住んでいないことは、その事情には含まれないのが普通です。家屋が災害で壊れた年は、被害を示す書類を付けて申請できる場合があります。解体後の土地の税を一定期間抑える独自の制度がある市区町村もあるので、所在地の窓口で確かめてください。
当社の 見方
当社へのご相談では、使っていない空き家の固定資産税を払い続けることが負担になり、勧告で特例が外れる前に手放す方法を知りたいという方が多くいらっしゃいます。お手続きでは一般に、登記識別情報または権利証・本人確認書類・印鑑証明書・固定資産税の納税通知書をご用意いただき、相続した物件では戸籍などの書類が追加で必要になります。ご負担いただく費用は、一般に売買契約書の印紙代、抵当権の抹消登記の費用、住所変更登記の費用、相続した物件では相続登記の費用で、書類と同じく個別のご案件によります。当社は全国(47都道府県)に対応しており、離れた場所にある空き家で管理が行き届かないというご相談もお受けしています。そのうえで、買い取れない物件や売らないほうがよい場合は、正直にそうお伝えしています。
当社が買い取る物件・お断りする物件と、買取価格の決まり方は、当社の買取事例76件の内訳とあわせて当社の買取基準にまとめています。
この記事について
- 執筆・編集
- リアテクス編集部株式会社リアテクス当社(宅地建物取引業 東京都知事(1)第107888号)は物件を直接買い取る買主の立場から、売却を検討する方の判断材料となる記事を企画・編集しています。
- 監修
薩摩 賢幸株式会社リアテクス 取締役COOこの区分の監修を担当しています。記事の公開判断は当社が行っています(代表が定めた手順による)。確認・公開判断:薩摩 賢幸(株式会社リアテクス 取締役COO)- 公開・更新
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- 法令:地方税法、空家等対策の推進に関する特別措置法、不動産登記法
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