共有名義の不動産で困っている方が最初に話されるのは、他の共有者のことです。「兄が売らないと言っている」「元夫と連絡が取れない」「相続人が5人いて、話し合いが2年止まっている」。共有の問題がつらいのは、不動産そのものより、相手と話すこと自体が負担になるという点にあります。そして多くの方が、「全員の同意がなければ何もできない」と思い込んだまま止まっています。答えから書きます。全員の同意がなければできないのは「不動産まるごとの売却」であって、「自分の持分だけの売却」は、共有物そのものの処分とは扱いが分かれます。 根拠は民法にあり、売ったあとに何が起きるか、持分を売る以外の出口も含めて順番に見ていきます。価格の手がかりとして、当社が買い取り販売まで終えた埼玉県日高市の共有持分は、100万円未満の価格帯でした(出典:当社の買取記録・販売まで決済が済んだ物件)。
共有持分
共有持分は 自分の 持分だけ売却できる |当社の 買取事例と 価格
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「共有者と話がまとまらないけれど、自分の分だけでも手放せないだろうか」。全員の同意が要るのは不動産まるごとの売却で、自分の持分だけの売却とは扱いが分かれますが、持分の価格は按分した額より低くなりやすいので、共有者への打診や全員での売却を先に確かめます。当社が買い取り販売まで終えた埼玉県日高市の共有持分は、100万円未満の価格帯でした(当社の買取記録)。
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目次(7章)
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共有持分とは 何か — できる こと・できない ことの 線引き
共有とは、ひとつの不動産を複数人が持分という割合で所有している状態です。相続で兄弟が受け継いだ実家、夫婦で資金を出し合って買った自宅、二世帯住宅の親子名義など、原因は違っても、変更・管理・保存についての民法のルールは同じです。
なお本稿は一般的な情報提供であり、個別の法律相談ではありませんので、具体的な判断が必要な場合は、弁護士や司法書士にご相談ください。
民法は、共有物について行える行為を、保存・管理・変更(処分)の3段階に分け、必要な同意の範囲を変えています。条文は民法(e-Gov法令検索)の第249条以下で確認できますが、おおまかには次の整理になります。
保存行為は、共有者が単独でできます。 建物が壊れそうなので応急の補修をする、といった、共有物を今の状態のまま守る行為です。
管理に関する行為は、持分の価格の過半数で決めます。 短い期間で誰かに貸す、といった行為がここに入りますが、人数の過半数ではなく持分割合の過半数である点に注意してください。3人で3分の1ずつなら2人の合意が要りますが、1人が持分の3分の2を持っていればその1人で決められます。
変更(処分)は、共有者全員の同意が必要です。 不動産をまるごと売る、大規模な増改築をする。ここが「全員の同意がないと売れない」と言われる部分の正体です。
では、 なぜ持分だけは 単独で 売れるのか
法制審議会の部会資料(法務省)は、最高裁の判例(昭和46年6月18日)を引いて、不動産の共有者の1人が自己の持分を譲渡した場合、その譲渡を登記していなければ、譲り受けた人はその持分の取得を他の共有者に対抗できない、と説明しています。共有者の1人が自分の持分を譲り渡す場面があることを前提にした説明です。民法第206条も、所有者は法令の範囲の中であれば、自分の物を自由に使い、そこから利益を得て、手放すこともできる、という考え方を置いています。持分を譲り受けた人が持分を取得し、登記によって他の共有者に対しても共有者の1人として扱われる、という仕組みです。
したがって、「兄が反対しているから何もできない」という状態は、正確には「不動産まるごとの売却はできない。自分の持分は、自分の財産として扱いが別になる」という状態です。動かせる部分は残っています。
保存・管理・変更の各行為において単独でできるか全員の同意が必要かの違い
共有物に対してできる行為の線引き
| 行為の分類 | 必要な同意 | 具体例 |
|---|---|---|
| 保存行為 | 単独でできる | 応急の補修、不法占拠者への明渡し請求 |
| 管理に関する行為 | 持分割合の過半数 | 貸す、賃貸借契約の解除 |
| 変更(処分) | 共有者全員の同意 | 不動産をまるごと売る、取り壊す |
| 自分の持分の売却 | 単独でできる | 自分の持分のみを誰かに譲る |
「共有持分とは何か — できること・できないことの線引き」について、そのまま聞けます。
2023年の 民法改正で、 共有持分の 扱いは どう 変わったか
所在等不明共有者の持分を自ら取得する場合と第三者へ譲渡する場合の要件の違い
所在等不明共有者がいる場合の新制度
| 観点 | 持分の取得(第262条の2) | 持分の譲渡(第262条の3) |
|---|---|---|
| 目的 | 行方不明者の持分を自分のものにする | 不動産をまるごと第三者へ売る |
| 誰に渡すか | 残っている共有者 | 特定の者 |
| 裁判所の手続 | 持分を取得させる旨の裁判 | 持分を譲渡する権限の付与 |
共有の扱いは、令和3年(2021年)に成立し、2023年(令和5年)4月1日に施行された民法などの改正で、相当に整理されました。見出しの「2023年の民法改正」は、この2023年4月施行の改正のことです。この改正は所有者不明土地問題への対応の一環として行われたもので、全体像は法務省が所有者不明土地の解消に向けた民事基本法制の見直し(法務省)としてまとめて公表しています。相続登記の申請義務化も、この同じ見直しの中に位置づけられています。
1. 所在等が 不明な 共 有者の ための 2つの 条文
共有に関して実務上大きいのは、所在等が不明な共有者がいる場合の手続が整備されたことです。改正前は、共有者の一部の所在が分からないと、変更や管理に必要な同意を取り付けることが難しく、土地の利用に支障が出ていましたが、改正後は、この場面のために2つの条文が新設されています。どちらも民法で条文そのものを確認できます。
ひとつは、民法第262条の2(所在等不明共有者の持分の取得)です。 不動産が数人の共有に属する場合において、共有者が他の共有者を知ることができず、またはその所在を知ることができないときに、裁判所は、共有者の請求により、その共有者に所在等不明共有者の持分を取得させる旨の裁判をすることができる、と定められています。請求した共有者が2人以上いるときは、それぞれの持分の割合で按分して取得させる、という扱いです。つまり、残っている共有者の側が、行方の分からない人の持分を裁判所の裁判によって自分のものにする道です。
もうひとつは、民法第262条の3(所在等不明共有者の持分の譲渡)です。 こちらは、所在等不明共有者以外の共有者の全員が特定の者へ持分の全部を譲渡することを停止条件として、所在等不明共有者の持分もその特定の者へ譲渡する権限を裁判所が付与する、という構成になっています。不動産をまるごと第三者へ売りたいが、1人だけ所在が分からなくて全員の同意が揃わない、という場面のための制度だと理解してください。
ただし、これらはいずれも裁判所の手続を経る必要があります。 条文上も「裁判所は……裁判をすることができる」という書き方であり、申立てをすれば自動的に通るものではなく、「制度がある」ことと「今すぐ使える」ことは違います。相手の所在が分かっていて、単に話がまとまらないだけの状況では、これらの手続は入り口になりません(所在が不明であることが要件だからです)。実際に使えるかどうかは、事案ごとに弁護士・司法書士にご確認ください。
2. 「連絡は つくが、 返事を しない」共有者が いる 場合
所在が分かっている相手であっても、打つ手がまったく無いわけではありません。民法第252条第2項第2号は、共有者が他の共有者に対して相当の期間を定めて、共有物の管理に関する事項を決することについて賛否を明らかにすべき旨を催告した場合に、その共有者が期間内に賛否を明らかにしないときは、裁判所が、その者以外の共有者の持分の価格に従い過半数で管理に関する事項を決することができる旨の裁判をすることができると定めています。同項第1号は、所在等が分からない場合について同じ扱いを置いています。返事をしないことで話を止めておく、という状態には、条文上の受け皿があるということです。
同じ考え方は変更行為の側にもあり、民法第251条第2項は、他の共有者を知ることができないか所在が分からないときに、裁判所がその者以外の共有者の同意で共有物に変更を加えられる旨の裁判をすることができるとしています。
もっとも、これらで決められるのは管理または裁判で認められた範囲の変更であって、不動産まるごとの売却そのものではありません。賃貸に出す場合にも上限があり、民法第252条第4項は、この方法で設定できる賃借権等の期間を、山林の一部を除く土地は5年、建物は3年などと定めています。「過半数で決められる」=「何でもできる」ではないという線は、先に押さえておいてください。
もう一点、相続がからむ共有では順序に注意が必要です。民法第258条の2第1項は、共有物やその持分が相続財産に属し、共同相続人の間で遺産の分割をすべきときは、共有物分割の裁判によることができないとしています。 先に済ませるのは遺産分割です。ただし同条第2項は、相続開始の時から10年を経過したときは、相続財産に属する共有物の持分についても共有物分割の手続によることができるとしています(相続人からの異議の申出があった場合を除きます)。相続から10年という区切りが、使える手続を切り替えるということです。ご自身の事案がどちらの側にあるかは、弁護士・司法書士にご確認ください。
相続した共有は10年までは遺産分割が先で、10年を過ぎると共有物分割の手続も使える
相続から10年で、使える手続が切り替わる
相続開始から
遺産分割が先
相続財産の共有は、共有物分割の裁判によることができない(民法第258条の2第1項)
10年を経過したら
共有物分割の手続も使える
相続人から異議の申出があった場合を除く(同条第2項)
3. 相続登記の 義務化は、 共有の 相談に 直接効いてくる
もうひとつ、実務で必ず問題になるのが名義です。相続で取得した不動産は、登記の申請が義務です。 2024年(令和6年)4月1日に始まった制度で、取得を知った日から数えて3年が期限になります。この日より前に相続を知っていた不動産も外れず、そちらの締切は2027年(令和9年)3月31日です(法務省「相続登記の申請義務化について」)。 名義が亡くなった方のままになっている不動産は、売っても買主へ名義を移せず、担保に入れる登記もできません。
順番として、まず登記を現状に合わせる。それから売却の話をする。 これを逆にすると、買主が見つかった段階で「登記が終わるまで決済できない」となり、そこで止まります。相続人が極めて多数に上る場合、戸籍などの書類を集めるだけでも多くの時間がかかることがあります。
自分の 持分だけを 売った ときに 起きる ことと、 共有物分割請求
1. 自分の 持分だけを 売った とき、 何が 起きるのか
買主が新たな共有者となり価格が下がるなど持分売却後に発生する4つの事実
自分の持分だけを売却した後の変化
買主が新たな共有者になる
買主は他の共有者と共有関係に入り、協議する立場になります。
他の共有者の生活は原則不変
持分の譲渡で他の共有者の使用収益権が直ちに奪われることはありません。
他の共有者に知られる
持分の移転は登記されるため、名義は公開情報になります。
価格は全体評価の割合より低くなる
時間と不確実性の分だけ、持分の価格は下がります。
ここが最も誤解の多いところなので、実務のとおりに書きます。
第一に、買主は「あなたの持分」を持つ共有者になります。 不動産全体を買うわけではなく、買主は他の共有者と共有関係に入り、以後は買主が他の共有者と協議する立場になります。
第二に、他の共有者の立場は残ります。 民法第249条第1項は、各共有者は共有物の全部について持分に応じた使用をすることができると定めています。他の共有者は、それぞれ自分の持分を持ったまま共有者であり続けます。
第三に、他の共有者に知られます。 持分の移転は登記され、登記記録は誰でも登記事項証明書の交付を請求できるため(不動産登記法第119条)、名義は他の人にも分かります。結果として知られることは前提に置いてください。 家族関係への影響を避けたい場合は、売る前に一度伝えるという選択もあります。どちらが良いかは事情によりますので、判断材料としてお伝えしています。
第四に、価格の面では不利になりやすい方法です。 法務省の解説資料(「令和3年民法・不動産登記法改正、相続土地国庫帰属法のポイント」の民法等改正関係の抜粋)も、不動産の共有持分を売却して得る代金よりも、不動産全体を売却し、持分に応じて受け取る代金の方が高額になりやすいと説明しています。
2. 共有物分割請求 — 制度と しての 出口
現物分割と代償分割および競売による換価分割が適用されるケースの違い
裁判所が命じる共有物の分割方法
現物を分割する方法
土地を物理的に分けて、それぞれの単独所有にする方法です。
債務を負担し持分を取得させる方法
共有者に債務を負担させて、他の共有者の持分を取得させる方法です。
競売を命ずる方法
分割できないときや価格が著しく減少するおそれがあるときの方法です。
共有の話し合いがまとまらないとき、法律が用意している最終的な出口が共有物分割請求です。民法の第256条第1項は、各共有者はいつでも共有物の分割を請求することができる、と定めています(5年を超えない期間で分割をしない旨の契約をすることは妨げられません)。そのうえで第258条第1項が、共有物の分割について共有者間に協議が調わないとき、または協議をすることができないときは、その分割を裁判所に請求することができる、としています。
つまり、話し合いが調わないことそのものが、裁判所へ持ち込む要件になっており、「相手が話し合いに応じないから、もう何もできない」ではありません。民事訴訟や民事調停といった裁判所の手続の性格は、裁判所の裁判の種類(民事事件)(裁判所)で説明されています(土地・建物に関するトラブルの解決手段として民事訴訟・民事調停が挙げられています)。どの手続を選ぶかは事案によりますので、弁護士にご相談ください。
分割の方法も、条文に書かれています。第258条第2項は、裁判所が命ずることのできる分割の方法として、①共有物の現物を分割する方法、②共有者に債務を負担させて、他の共有者の持分の全部または一部を取得させる方法、の2つを挙げます。そして同条第3項が、この2つの方法によって分割することができないとき、または分割によってその価格を著しく減少させるおそれがあるときは、裁判所はその競売を命ずることができる、としています。実務ではこれらを次のように呼びます。
現物分割(第258条第2項第1号)は、土地を物理的に分けて、それぞれの単独所有にする方法です。
賠償分割(価格賠償)(第258条第2項第2号)は、共有者の1人が不動産を取得し、他の共有者にその持分に相当する金銭を支払う方法です。住み続けたい人が取得し、出たい人が金銭を受け取る形になります。
競売分割(第258条第3項)は、競売にかけて売却し、代金を持分割合で分ける方法で、条文の順序どおり、現物分割も賠償分割もできない場合の受け皿として置かれています。話がまとまらないときの最終手段です。
制度としては出口がありますが、訴訟である以上、期間も費用も相手次第です。 「制度があるから安心」ではなく、「制度はあるが、そこへ行くのは重い」と考えておくほうが実際に近いと考えています。
3. 共有の まま 持ち続けると、 何が 積み 上がるのか

「話がまとまらないから、とりあえずこのまま」という状態が続くと、時間の経過とともに次のものが積み上がるので、売るかどうかの判断材料として、費用の側も見ておいてください。
第一に、固定資産税と都市計画税です。 これは慣行ではなく条文で、地方税法の第10条の2第1項は、共有物に対する地方団体の徴収金は、納税者が連帯して納付する義務を負うと定めています。「地方団体の徴収金」は、地方税法第1条で地方税とその督促手数料・延滞金などをまとめた呼び方とされ、固定資産税は同法第5条で市町村税とされています。共有不動産の固定資産税は、共有者が連帯して納める義務を負うという意味です。
第二に、建物の劣化と管理の負担です。 誰も住んでいない共有の家は、修繕のたびに共有者の間で話をまとめる必要が出てきます。法務省の解説資料は、建物の外壁・屋上防水等の大規模修繕工事は、基本的に共有物の形状又は効用の著しい変更を伴わないものに当たると考えられるとしており、その場合は全員の同意ではなく持分の過半数で決めることができます(民法第251条第1項・第252条第1項)。話がまとまらないまま、雨漏りなどの傷みが進むこともあります。
第三に、相続による共有者の増加です。 これが最も重い問題で、共有者の1人が亡くなれば、その持分はその方の相続人へ移ります。法務省の資料も、相続が重なると土地の共有者がねずみ算式に増えると説明しています。時間が経つほど、全員の同意という条件は達成が難しくなっていきます。 「今は面倒だから先送りする」という判断は、次の世代に、より難しくなった問題を渡すことを意味します。
第四に、使っている人と使っていない人の不均衡です。 共有者の1人がその家に住み、他の共有者は使えていないという状態では、持分に応じた使用の対価をどう扱うかという論点が生じます。当事者間で取り決めがないまま長期化すると、後から清算しようとしても事実関係の立証が難しくなります。
「自分の持分だけを売ったときに起きることと、共有物分割請求」について、そのまま聞けます。
自分の 持分だけを 売る 前に 検討すべき、 3つの 順序と 手取り
他の共有者への買取打診から始まり全体売却を経て持分売却に至る合理的な順序
持分を売る前に検討すべき3つの順序
- 1
他の共有者への買取打診
他の共有者に買い取ってもらえないか確認する。持分の査定額を土台に提案する。
- 2
全員での全体売却の検討
不動産まるごとを売れないか確認する。全体の査定額と各人の取り分を数字で示す。
- 3
自分の持分のみの売却
どちらも成立しないときに自分の持分だけを売る。自分だけが先に共有から抜けられる。
持分売却がいつでも最善とは限らないので、次の順番で考えることをお勧めします。
1. 他の 共有者に 買い 取って もらえないかを 確認する
共有者にとっては、自分が単独所有になれるという利益がある方法です。先に持分の査定額を取り、それを土台に提案すると動きやすくなります。
2. 全員で 不動産まる ごとを 売れないかを 確認する
全員の同意が取れるなら、持分だけを売るより総額が大きくなりやすい方法です。全体の査定額と各人の取り分を数字で示すと、話し合いが動くことがあります。
3. その どちらも 成立しない ときに、 自分の 持分だけを 売る
相手が交渉のテーブルに着かない、連絡が取れない、感情的な対立で議論にならない、といった状態のときに、自分だけが先に共有から抜けられるのが持分売却の価値です。
順序を飛ばさないでください。持分売却は有効な手段ですが、金額の面では最初に検討すべき方法ではありません。逆に言えば、第一・第二の道を試したうえで動かなかったという事実そのものが、持分売却を選ぶことの合理性を裏づける材料になります。ご家族に説明する必要が生じたときにも、「先に買い取りを打診したが返事がなかった」「全体売却を提案したが同意が得られなかった」という経緯が残っていれば、話は通りやすくなります。打診はできるだけ記録の残る形で行ってください。
4. 税金と 費用を 引いた 手取りで 判断する
譲渡所得の計算における所有期間の通算ルールと手取り額で比較すべき理由
持分売却にかかる税金と費用の注意点
譲渡所得の対象になる
給与などとは分けて計算する分離課税で、所有期間で税率が変わります。
相続時の所有期間は通算される
被相続人が取得した時から譲渡した年の1月1日までの期間で判定します。
登記費用や取得費がかかる
持分移転の登録免許税や司法書士報酬、戸籍等の取得費がかかります。
手取り額で判断する
提示額ではなく、税金と費用を引いた後の手取りで比較してください。
土地や建物を売ったときの所得は、給与などとは分けて計算する分離課税で(No.3202 譲渡所得の計算のしかた(分離課税)(国税庁))、譲渡した年の1月1日時点での所有期間が5年を超えるか5年以下かで長期と短期に分かれ、税額の計算が別になります(国税庁「No.3208 長期譲渡所得の税額の計算」「No.3211 短期譲渡所得の税額の計算」)。
相続で取得した持分の場合、所有期間は被相続人が取得した時から通算するのが原則です。国税庁は「No.3270 相続や贈与によって取得した土地・建物の取得費と取得の時期」で、相続や贈与によって取得したときは被相続人や贈与者の取得の時期がそのまま引き継がれ、被相続人が取得した時から譲渡した年の1月1日までの所有期間で長期か短期かを判定する、と説明しています。取得費についても、被相続人が買い入れたときの購入代金や購入手数料などを基に計算します。したがって、親が長く持っていた家であれば、相続してすぐに売っても長期譲渡所得として扱われるのが通常です。取得費が分からない場合の扱いなど、相続案件には固有の論点がありますので、金額が大きいときは税理士か所轄の税務署に確認してください。
国税庁の同じページは、土地や建物を売るために直接かかった譲渡費用の例として、仲介手数料、測量費、売買契約書の印紙代を挙げています。比べるべきは提示額ではなく、税と費用を引いた後の手取りです。
5. 共有持分の 売却に かかる 費用と 税金、 必要書類
当社へご自分の持分をお売りいただく場合に、一般にご用意いただく必要書類は、登記識別情報または権利証、本人確認書類、印鑑証明書、固定資産税の納税通知書です。相続した物件では、戸籍などの書類が追加で必要になります。
売主さまにご負担いただく費用は、一般には、売買契約書の印紙代、抵当権の抹消登記の費用、住所変更登記の費用、相続した物件では相続登記の費用です。ご用意いただく書類もご負担いただく費用も、個別のご案件によります。
税金は、前の項で見た国税庁の説明で扱いを確かめ、金額が大きいときは税理士か所轄の税務署に確認してください。費用と税金、必要書類の3つを先にそろえておくと、売るかどうかを手取りで比べやすくなります。
「自分の持分だけを売る前に検討すべき、3つの順序と手取り」について、そのまま聞けます。
共有持分を 当社に 売る 場合 — 買い 取った 後の 動きと 確認点
持分を 買い 取った 業者は、 その 後どうするのか

取引態様:買主(当社が自ら買い取ります)/媒介(当社で買い取れない物件は、仲介で売却をお手伝いします)
「持分を買った業者は、他の共有者に何をするのか」は、売主として当然の関心だと思いますので、仕組みのほうから書きます。
持分を買った業者も、共有者の1人になります。法務省の解説資料は、共有者が他の共有者の持分を取得する方法として、裁判所の判決による共有物分割、共有者全員の協議(合意)による共有物分割、他の共有者から任意で持分の譲渡を受けることの3つを挙げています。
持分を買った業者の出口は、共有者に買い取ってもらう・共有者の持分を買い取って単独所有にする・協議が成り立たないときの共有物分割請求の3つ
持分を買った業者がとる3つの道
共有者に買い取ってもらう
共有者は単独所有になれる。双方に合理的な着地
共有者の持分も買い取る
単独所有にしてから、通常の不動産として売る
共有物分割請求
話し合いがまとまらないときに使う
協議の進め方や姿勢は業者によって差があります。だからこそ前述のとおり、契約前に「他の共有者へどう接触するか」を確認していただきたいのです。ご家族が相手であればなおさらです。
買取業者に 相談する ときの 確認点
持分の買取を業者に相談するときは、次の点を確認してください。
1. 持分の取引の実務経験があるか。 持分を買った後、他の共有者とどのように協議し、どういう着地を想定しているのか。ここを説明できない相手には出さないでください。
2. 金額の根拠を説明できるか。 不動産全体の評価、持分割合、他の共有者の状況、想定される解決までの期間について、説明を求めてください。金額の大きさではなく、金額の説明の一貫性を見てください。
3. 他の共有者への接触の方針。 買主が他の共有者にどう連絡を取るのか、どのような姿勢で協議するのかを、契約の前に確認してください。あなたの家族関係に影響する部分です。
4. 契約不適合責任の扱いを書面で確認する。 口頭の説明と契約書の条文が食い違っていないかを必ず確かめてください。
なお、当社の宅地建物取引業の免許番号は東京都知事(1)第107888号です。会社の情報は運営者情報をご覧ください。
共有物件が空き家になっている場合の保有コストと放置のリスクについては、空き家の買取と放置リスクも併せてご覧ください。相続放棄を検討している段階の方は、相続放棄と管理義務を先にお読みいただくと、順番を間違えずに済みます。
「共有持分を当社に売る場合 — 買い取った後の動きと確認点」について、そのまま聞けます。
自分の 持分だけを 売る 前に、 試す順番が ある

- 全員の同意が要るのは、不動産をまるごと処分する場合です。自分の持分の売却は、それとは扱いが分かれます。 話し合いが止まっていても、動かせる部分は残っています。
- ただし順序があって、まず他の共有者に買い取ってもらえないか、次に全員で売れないか、そのどちらも成立しないときに持分だけを売る。持分売却は金額の面で最初の選択肢ではなく、膠着を抜けるための手段です。
- そして、査定額という数字をひとつ置くと、協議が動き出すことがあります。
査定は無料です。
通話料無料・全国対応
時間外と定休日のお電話も担当の携帯に転送されるので、直接責任者につながります。
この先は、当社の買取窓口「買取くん」のページです(運営は同じ株式会社リアテクスです)。
共有持分の 売却で、 ご相談の 多い 質問
他の共有者への通知の有無や売却価格の目安など持分売却に関する実務上の見解
他の共有者に知らせずに持分を売れますか
法律上、事前に通知する義務はありませんが、持分の移転は登記されるため、結果として他の共有者の知るところになります。秘密のまま完結する取引ではないという前提でご判断ください。
- 事前の通知義務はない
- 登記により結果として知られる
- 関係維持なら事前通知も選択肢
Q1. 他の 共有者に 知らせずに 持分を 売れますか
持分の移転は登記されるため、結果として他の共有者の知るところになります。 秘密のまま完結する取引ではない、という前提でご判断ください。関係を維持したい相手がいる場合は、売却前にご自身から伝えるという選択肢もあります。
Q2. 持分は いくらに なりますか。 全体の 何割ですか
法務省の解説資料は、不動産の共有持分を売却して得る代金よりも、不動産全体を売却し、持分に応じて受け取る代金の方が高額になりやすいと説明しています。どれくらいになるかは個別の事情によります。
Q3. 共有者の 1人と 連絡が 取れません。 それでも 売れますか
不動産まるごとを売る場合は、所在等が不明な共有者に関する裁判所の手続を使うことになります。
Q4. 私は 共有者ですが、 その 家に 住んでいます。 他の 共有者が 持分を 売ったら どうなりますか
民法第249条第1項により、各共有者は共有物の全部について持分に応じた使用ができ、あなたもその共有者の1人のままです。買主は共有者の1人になり、以後の協議の相手が替わるという状態です。ただし、買主から共有物分割請求がなされる可能性はあります。住み続けたいのであれば、その持分をご自身が買い取ることを検討するのが本筋です。
Q5. 相続で 共有に なったばかりです。 何から 始めればよいですか
相続登記を先に進めてください。名義が亡くなった方のままでは、全体を売るにも持分を売るにも、買主へ名義を移せません。並行して、不動産全体の査定額を取ることをお勧めします。数字が入ると、遺産分割の話し合いが動くことがあります。
Q6. 離婚で 共有名義に なっている 自宅を、 どうすればよいですか
住宅ローンが残っているかどうかで進め方が変わります。まず残債の額と、売却した場合の金額を並べてください。 売却額が残債を下回る場合の進め方は、住宅ローン滞納から差し押さえまでの流れも参考になります。
Q7. 査定を 頼んだら 必ず 売らなければいけませんか
その必要はなく、査定は判断材料をお渡しするための工程です。
当社の 見方
持分を当社にお売りになる場合も、ご相談からご契約までは1〜2週間が目安です。買取価格は、ご相談から30分ほどでお示しします。お引き渡しは早ければ2週間以内で、代金はお引き渡しの日にお支払いします。持分の買取も、全国47都道府県が対象です。
実際に、埼玉県日高市の共有持分を当社が買い取り、その後の販売まで終えています。価格帯は100万円未満でした。
一方で、共有者のどなたかが売却に反対していて、ご自身の持分だけを売るお考えもない場合は、当社ではお引き受けできません。また、持分を売らないほうがよい場合も、売らないほうがよいとそのままお伝えしています。
現地を見てお示しした金額を、後から理由なく引き下げることはしません。ご用意いただく書類は、登記識別情報または権利証、本人確認書類、印鑑証明書、固定資産税の納税通知書が一般的で、相続で共有になった物件では戸籍なども加わります。
当社が買い取る物件・お断りする物件と、買取価格の決まり方は、当社の買取事例76件の内訳とあわせて当社の買取基準にまとめています。
この記事について
- 執筆・編集
藤山 大二郎株式会社リアテクス 代表取締役CEO著書『大家なら!今すぐ不動産業を開業しよう! 不動産投資家から起業家へ』(スタンダーズ)で、大家業から不動産業へ踏み出す道筋を書きました。- 監修
鶴野 博之株式会社リアテクス 執行役員宅地建物取引士(東京)第257503号/賃貸不動産経営管理士/2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)この区分の監修を担当しています。この記事は監修者本人が内容を確認しています(2026年10月3日)。記事の公開判断は当社が行っています(代表が定めた手順による)。確認・公開判断:藤山 大二郎(株式会社リアテクス 代表取締役CEO)- 公開・更新
- 公開 更新 内容を見直したときは、この日付と改訂の内容を更新しています。情報の確認日 (出典の公的資料を開いて内容を確かめた日)
- この記事の事実確認の方法
- 法令:民法出典:法務省、裁判所、国税庁
- 記事の作り方
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出典(14件・に確認)
- laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089
- moj.go.jp/MINJI/minji05_00343.html
- courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_minzi/index.html
- nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3202.htm
- nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3208.htm
- nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3270.htm
- laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000226
- moj.go.jp/MINJI/minji05_00565.html
- moj.go.jp/content/001444016.pdf
- moj.go.jp/content/001444017.pdf
- moj.go.jp/content/001444020.pdf
- laws.e-gov.go.jp/law/416AC0000000123
- moj.go.jp/content/001293295.pdf
- nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3211.htm
更新履歴
- 第3版題名と冒頭を検索する方の言葉に寄せ、当社の買取記録の実額と出典を冒頭に足しました(既存の数字・法令・日付は変えていません)。
- 第2版題名を短くし、冒頭の要点を分かりやすい言い方に直しました。
- 第1版公開






























