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空き家のゆくえ買取くん

収益物件

収益物件をオーナーチェンジで売却|入居者がいるままの段取りと価格

公開 更新

執筆
藤山 大二郎株式会社リアテクス 代表取締役CEO 藤山 大二郎
監修
株式会社リアテクス 取締役COO 薩摩 賢幸
収益物件をオーナーチェンジで売却|入居者がいるままの段取りと価格

「入居者がいるアパート、退去を待たずにこのまま売れるのだろうか」。入居者が住んだまま所有者だけが替わる形で売ることができ、価格は稼ぐ家賃と土地の値段の両面から検討され、手取りは税や敷金の精算を差し引いたあとの金額で変わります。

入居者が住んだままの物件を、当社は買主として引き受けます。賃貸借契約と敷金をそのまま引き継ぐので、入居者に退去をお願いする必要はありません。この物件が買い取れるかどうかだけ、先に聞く(無料)

目次(7章)

先にこの物件の買取価格のめどだけ知りたい方へ。

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収益物件は、入居者がいるままでも売れます。当社に売るかどうかは、次の線で決めてください。当社は買主として、賃貸借契約と敷金をそのまま引き継いで買い取ります。レントロール・賃貸借契約書・直近の固定資産税の納税通知書があれば、現地に行く前に概算をお出しでき、入居中の住戸に立ち入る必要もありません。自己資金で買うので融資の特約による白紙解除はなく、その代わり修繕費・空室・保有の負担の分だけ市場価格より低くなります。条件が整っていて時期を急がない物件なら、仲介で投資家を探すほうが手取りは多くなります。当社が買い取って販売まで終えた一棟アパート・マンションは、買取金額が200万円台から3,000万円台前半でした(2025〜2026年の取引)。権利関係が決まっていない・紛争中など、当社がお断りする物件の条件は「リアテクスの評判」に書いています。

収益物件をオーナーチェンジで売却の要点を、定義・この記事でわかること・よくある質問の順に短くまとめた動画です。

入居者がいるまま売る「オーナーチェンジ」とは何か

売主がオーナーチェンジで売却するアパートの駐車場に立ち入る
冬枯れの木を背にアパート前の駐車場に立つ男性

収益物件の売却には、大きく2つの形があり、ひとつは入居者に退去してもらってから空室(更地に近い状態)で売る形、もうひとつは賃貸借契約をそのまま引き継いで、貸している状態のまま所有者だけが替わる形です。後者を実務では「オーナーチェンジ」と呼びます。

ここで最初に押さえていただきたいのは、入居者がいることは売却の障害ではないということです。むしろ賃料が入り続けている物件は、買主にとって「買った翌月から収入がある」資産であり、投資家向けの市場では空室の物件より流通しやすい場面が多くあります。

なお本稿は一般的な情報提供であり、個別の法律相談・税務相談ではありません。契約や税額の具体的な判断が必要な場合は、弁護士・司法書士・税理士など、それぞれの専門家にご相談ください。

賃貸人たる地位は所有権の移転とともに移り、入居者への主張には移転登記が要る

「入居者一人ひとりに承諾をもらわないと売れないのではないか」という質問をよくいただきますが、そうではありません。民法は、賃借人が対抗要件を備えている不動産が譲渡されたとき、賃貸人としての立場(賃貸人たる地位)は、その不動産の所有権の移転とともに譲受人に移転すると定めています(民法第605条の2第1項)。入居者の承諾は要件になっていません。条文そのものは民法(e-Gov法令検索)で誰でも無料で確認できますので、第605条の2から第605条の4のあたりを読んでみてください。

ただし、移った側(新オーナー)が入居者に「自分が賃貸人だ」と主張して賃料を請求するには、所有権の移転登記を備えている必要があります(同条第3項)。決済と同時に移転登記まで済ませるのは、この条文があるためです。登記が遅れている間は、新オーナーは入居者に賃料を請求できない状態になりえます。

ここで混同されやすいのが、借地借家法第31条です。こちらは入居者(賃借人)の側の対抗要件を定めたもので、建物の賃貸借は建物の引渡しがあれば、その後にその建物を取得した人に対しても効力を生じる、という内容です(借地借家法・第31条)。入居者は登記をしていなくても、鍵を受け取って住んでいる事実によって守られます。

つまり、引渡しは「入居者が守られるための要件」、移転登記は「新オーナーが賃貸人だと主張するための要件」であり、別々の話です。引渡しを受けている入居者がいることで民法第605条の2第1項が働き、地位が所有権とともに移り、その地位を入居者に対して行使する場面で、同条第3項の移転登記が効いてくる、という順番になります。

引渡しと移転登記が効く順番

  1. 1

    入居者への引渡し

    鍵を受け取って住んでいる事実で、入居者が守られる(借地借家法第31条)

  2. 2

    売買(所有権の移転)

    賃貸人たる地位も一緒に移る。入居者の承諾は要らない(民法第605条の2第1項)

  3. 3

    移転登記(決済と同時)

    賃料を請求できる(同条第3項)

つまり、売主が入居者の同意を取り付けなくても売買は成立し、入居者は同じ条件で住み続けられるという構造です。売主にとっては手続が軽くなり、入居者にとっては生活が変わらない。オーナーチェンジが成立する土台はここにあります。

敷金と未経過賃料は「精算」ではなく「承継」で処理する

実務でつまずきやすいのが、敷金の扱いです。敷金は入居者からの預り金であり、退去時に原状回復費用などを差し引いて返す債務なので、賃貸人たる地位が移ると、この返還債務も新しい所有者へ引き継がれるのが原則になります。

したがって決済の場面では、売買代金から預かっている敷金相当額を差し引くか、別途買主へ引き渡すかたちで清算します。ここを曖昧にしたまま契約すると、入居者が退去したときに「誰が返すのか」で揉めます。敷金の残高一覧は、売却を考え始めた時点で必ず作ってください。 賃料の日割り、前受けしている家賃、駐車場代、共益費も同じで、決済日を基準に、どこまでが売主の収入でどこからが買主の収入かを1円単位で決めます。

「入居者がいるまま売る「オーナーチェンジ」とは何か」について、そのまま聞けます。

収益物件の売却価格は、何で決まるのか

求める利回りと価格の関係

  • 利回り8%の場合5,000万円
  • 利回り10%の場合4,000万円

自宅の売却と収益物件の売却で最も違うのが、価格の決まり方で、自宅は「近所で似た家がいくらで売れたか」という比較が出発点になりますが、収益物件はその物件がいくら稼ぐかが出発点になります。

1. 収益還元という考え方

収益物件の価格を考えるとき、実務で最初に置く式はきわめて単純です。年間の家賃収入を、買主が求める利回りで割る。 年間400万円の家賃が入る物件を、利回り8%を求める買主が買うなら、400万円 ÷ 0.08 = 5,000万円が一応の目安になり、求める利回りが10%に上がれば4,000万円に下がります。

ここから分かることが2つあります。ひとつは、家賃が下がると価格は同じ倍率で下がるということ。もうひとつは、買主が求める利回りが上がると価格は下がるということです。求める利回りは、立地、築年数、構造、入居者の属性、そして金融機関が融資をつけやすいかどうかで変わり、「同じ家賃なのに提示額が違う」という現象の多くは、この求める利回りの差から生まれています。

なお、上の式は満室想定の家賃をそのまま使う「表面利回り」の考え方ですが、実際の判断では、空室損、管理費、修繕費、固定資産税・都市計画税、原状回復費といった支出を差し引いた実質の手残りで見ます。表面利回りの数字だけを並べて比べると、経費構造の重い物件を高く評価してしまいます。

2. 土地の値段も同時に見る

もうひとつの軸が、土地としての価値で、建物が古くなるほど、価格に占める土地の比重が上がります。地価の水準は、国土交通省が毎年公表している地価公示(国土交通省)で、標準地ごとの価格と用途を確認できます。公示価格そのものが売買価格になるわけではありませんが、エリアの地価が上がっているのか下がっているのかという方向感をつかむには一次資料が確実です。

実務では、収益還元で出した金額と、土地値に建物の残存価値を積み上げた金額の、両方を出して低いほうを基準にするという見方をよくします。築古の一棟物件では、後者のほうが低くなることが多く、そこが価格の下支えになります。

3. 入居状況は価格の「質」を決める

同じ満室でも、中身によって評価は変わります。入居者が長く住んでいるか、直近で家賃を下げて埋めたのか、法人の社宅契約か、定期借家か普通借家か、滞納の履歴はあるか。 買主が見ているのはこの部分です。売却の直前に無理に空室を埋めると、賃料の水準が相場より低くなり、かえって収益還元での評価を下げてしまうことがあります。埋めることと、埋め方は別の問題だと考えてください。

空室・老朽化した収益物件と、区分・一棟で売却が詰まる場所

空室になった古いアパートの一室で、日焼けした畳と外された網戸が壁に立てかけてある
家具のない古い和室に立てかけられた畳と網戸

満室で回っている物件の売却は、資料さえ整えば話は速いですが、難しいのは、空室が埋まらなくなった物件と、修繕の見込みが立たない物件です。

1. 「埋めてから売る」が正しいとは限らない

空室が目立つと、まず募集条件を下げて埋めようとします。ところが前述のとおり、下げた家賃で埋めた実績は、そのまま収益還元の分母を通じて価格を押し下げます。募集広告費、原状回復費、フリーレントの負担も出ていきます。入居付けにかけた費用と下げた家賃が、売却額の上昇分を上回ることは実務上よくあります。

判断の順番としては、まず現状のままの査定額を取り、次に「満室にしたと仮定した査定額」を取り、その差額と、埋めるためにかかる費用・期間を並べてください。差額が費用を明確に上回るなら埋めてから売り、そうでないなら現況のまま売る。感覚ではなく、2つの数字を並べて決めるのが安全です。

埋めてから売るか、現況のまま売るかの決め方

  1. 1

    現況の査定額

    今のままの査定額を取る

  2. 2

    満室想定の査定額

    満室にしたと仮定した査定額を取る

  3. 3

    差額と費用を並べる

    埋めるための費用と期間。募集広告費・原状回復費・フリーレントの負担も入れる

  4. 4

    決める

    差額が費用を明確に上回れば埋めてから売る。そうでなければ現況のまま

2. 修繕の見積もりが出た時点が判断のタイミング

大規模修繕の見積もりが出た瞬間は、出口を考える現実的なタイミングで、工事をして持ち続けるなら、その支出を何年で回収できるのかを計算します。回収年数が保有予定期間より長ければ、修繕の負担を買主に引き継いでもらう(=その分を価格から引いた金額で売る)ほうが、手取りで有利になることがあります。

3. 相続で受け継いだ収益物件

相続した収益物件は、共有名義のまま賃料だけが分配され、意思決定ができない状態になりやすい類型で、売るにも大規模修繕をするにも、共有者の合意が要ります。持分の扱いに困っている場合は、共有持分の売却の考え方も併せて確認してください。相続した不動産全般の手続の順番については、相続放棄と管理義務でも触れています。

4. 区分の投資用マンションで詰まる場所

区分と一棟で異なる注意点

物件種別詰まりやすいポイント対策・確認事項
区分残債と売却額の差売却検討時に金融機関へ残高証明を依頼する
区分管理費・修繕積立金の滞納管理会社に残高を出してもらい金額を確定させる
一棟建物と土地そのものの制約売却の初期に把握し、価格に織り込んで進める

同じ収益物件でも、区分(ワンルームなどの1室)と一棟では、売却で詰まる場所がまったく違います。

区分で多いのは、残債と売却額の差です。 購入時にフルローンに近い形で借りている場合、保有期間が短いうちは元本の減りより価格の下落のほうが速く、売却額でローンを完済できないことがあります。この場合、不足分を自己資金で埋めるか、金融機関と話をして進めるかを先に決める必要があります。残債の額は、売却を考え始めた時点で金融機関に残高証明を出してもらってください。 概算のまま話を進めると、決済の直前で組み替えが起き、日程が崩れます。

もうひとつ、区分では管理費・修繕積立金の滞納が問題になります。これは慣行ではなく条文の話で、建物の区分所有等に関する法律は、区分所有者が管理組合や他の区分所有者に対して有する債権について、その区分所有者の特定承継人に対しても行うことができると定めています(建物の区分所有等に関する法律・第8条、第7条第1項)。売買で部屋を買った買主は、この「特定承継人」にあたりますので、滞納分は買主に請求されうる債務として扱われ、その分が価格から差し引かれます。滞納がある場合は、管理会社に残高を出してもらい、金額を確定させてから話を進めてください。管理組合の長期修繕計画と、修繕積立金の積立状況(積立額が計画に対して足りているか)も、買主が必ず確認する項目です。

5. 一棟物件で詰まる場所

一棟物件で多いのは、建物と土地そのものの制約です。 建ぺい率・容積率の超過、検査済証がない、増築部分が未登記、隣地との越境、私道の掘削承諾が取れていない。いずれも買主側の融資審査で止まる典型的な項目です。これらは調べれば必ず分かることなので、売却の初期に把握して、価格に織り込んで進めるほうが結果的に速く終わります。 隠して進めると、契約後に発覚して減額交渉になるか、白紙に戻ります。

なお、建物が古く入居も付かなくなった一棟物件は、実務上は収益物件ではなく土地として評価される段階に入っています。この段階の判断材料は、空き家の売却と考え方が重なりますので、空き家の買取と放置リスクも併せてご覧ください。

「空室・老朽化した収益物件と、区分・一棟で売却が詰まる場所」について、そのまま聞けます。

収益物件の売却前に揃える資料と、手取りを決める税金

1. 売却の前に揃える6つの資料

売却の前に揃える資料

  • レントロール(賃借人一覧表)

    部屋番号や賃料、敷金などの条件が1枚にまとまった表。

  • 賃貸借契約書の写し

    普通借家か定期借家か、特約など契約ごとの条件を確認する資料。

  • 修繕履歴と長期修繕の見込み

    直近の修繕箇所と今後の見込み。直した箇所は必ず記録を残して伝える。

  • 管理会社との契約内容

    管理形態や管理料率、解約の予告期間など。サブリース契約は価格に直結する。

  • 納税通知書と公課証明

    固定資産税・都市計画税の資料。決済日での日割り精算に使う。

  • 建物の図面と検査済証、境界の資料

    越境や境界未確定などを先に把握し、価格に織り込んで進めるため。

収益物件の売却は、資料が揃っている物件から順に話が進み、査定の精度も、資料の量でほぼ決まります。最低限、次のものを手元に集めてください。

第一に、レントロール(賃借人一覧表)です。 部屋番号、間取り、面積、契約者、賃料、共益費、敷金、契約開始日、契約期間、更新日、駐車場の有無が1枚にまとまっていれば、その時点でかなり正確な金額をお出しできます。

第二に、賃貸借契約書の写しです。 普通借家か定期借家か、更新料の有無、原状回復の特約、ペットや事務所利用の可否など、契約書ごとに条件が違う物件は珍しくありません。

第三に、修繕履歴と長期修繕の見込みです。 屋上防水、外壁、給排水管、受水槽、エレベーターについて、直近で何を直し、次に何が来るのか。買主はここを費用として価格から引きます。直したばかりの箇所は必ず記録を残して伝えてください。 伝えなければ、直っていないものとして評価されます。

第四に、管理会社との契約内容です。 管理形態(集金代行かサブリースか)、管理料率、解約の予告期間。とくにサブリース契約が付いている物件は、契約の承継や解約の条件が価格に直結します。

第五に、固定資産税・都市計画税の納税通知書と、公課証明です。 決済日での日割り精算に使います。

第六に、建物の図面と検査済証、境界の資料です。 一棟物件では、越境や境界未確定が判明した時点で買主側の稟議が止まることがありますが、先に把握しておけば、価格に織り込んで進められます。

2. 減価償却が取得費を削っている

所有期間で変わる税率の基準

  1. 物件取得

    物件の取得と減価償却

    毎年減価償却費として経費に落とす。売却時は償却分を引いた額を取得費とする。

  2. 売った年の1月1日

    所有期間の判定

    この時点の所有期間で長期・短期譲渡所得に分かれ、税率が変わる。

  3. 売った日(決済日)

    物件の売却・決済

    取得から5年超の場合、決済が年をまたぐかで税額が数十万〜数百万円変わる。

収益物件の売却で最も誤算が出やすいのが税金です。理由ははっきりしていて、買ったときの値段のまま取得費が残っているわけではないからです。

賃貸に出している建物は、毎年減価償却費として経費に落としてきています。制度の概要は国税庁の「No.2100 減価償却のあらまし」で確認できます。売却時の譲渡所得を計算するとき、建物の取得費は償却してきた分を差し引いた後の金額を使います。つまり、長く持って経費に落としてきた物件ほど、売却時の帳簿上の利益は大きく出ます。「買った値段より安く売るのに税金が出た」という相談の大半はこれが原因です。

3. 譲渡所得は分離課税で、所有期間で税率が変わる

不動産の譲渡所得は、給与や事業の所得とは分けて計算します(No.3202 譲渡所得の計算のしかた(分離課税)(国税庁))。さらに、譲渡した年の1月1日時点での所有期間によって、長期譲渡所得と短期譲渡所得に分かれ、税率が変わります(国税庁「No.3208 長期譲渡所得の税額の計算」)。

ここで注意すべきは、基準が「売った日」ではなく「売った年の1月1日」であるという点です。取得から5年をわずかに超えた時期に売る場合、決済のタイミングが年をまたぐかどうかで扱いが変わりえます。該当しそうな時期にあるなら、契約を進める前に税務の専門家か所轄の税務署に確認してください。数十万円から数百万円の差が、決済日の置き方だけで生じることがあります。

4. 建物部分に消費税がかかることがある

もうひとつ、収益物件に固有の論点が消費税です。国税庁は、課税事業者が事業用の資産を譲渡した場合、その譲渡は事業に付随して対価を得て行われる資産の譲渡にあたるため消費税等が課税されるとしています。ただし土地や借地権の譲渡は非課税です(国税庁「No.6931 消費税等と譲渡所得」)。1棟の売買代金のうち、課税されうるのは建物部分だけ、ということです。

ここから実務上の注意が2つ出てきます。ひとつは、売買契約書で土地と建物の内訳をはっきりさせておくことです。総額しか書かれていない契約は、按分の考え方をめぐって当事者の主張が分かれます。売主の納税額にも、買主がその後に計上する減価償却の基礎にも直結する数字ですから、契約の段階で内訳を確定させてください。

もうひとつは、自分が課税事業者かどうかを、売る前に確かめることです。国税庁の説明では、基準期間(個人事業者であればその年の前々年)における課税売上高が1,000万円以下であれば、原則として納税義務は免除されます。ただし、適格請求書発行事業者(インボイス)の登録を受けている場合は、課税売上高が1,000万円以下でも免除されません。 特定期間(個人事業者であれば前年1月1日から6月30日まで)の課税売上高が1,000万円を超える場合も同様です(国税庁「No.6501 納税義務の免除」)。

見落としが起きやすいのが、居住用のアパート・マンションだけを保有している個人の方です。契約において人の居住の用に供することが明らかにされている住宅の貸付けは非課税取引とされているため(国税庁「No.6201 非課税となる取引」)、家賃収入がそれなりにあっても課税売上高としては積み上がらず、免税事業者のままであることが少なくありません。その状態でインボイスの登録だけを済ませていると、建物の売却で納税義務が生じます。 該当しそうな場合は、契約を進める前に所轄の税務署か税務の専門家にご確認ください。

建物の売却に消費税がかかるかを確かめる順序

  1. 1

    内訳を分ける

    課税されうるのは建物だけ。土地・借地権は非課税。契約書に土地と建物の内訳を書く

  2. 2

    前々年の売上を見る

    個人は前々年が基準期間。課税売上高1,000万円以下なら原則として免除

  3. 3

    例外を確かめる

    インボイス登録済み、または前年1〜6月の課税売上高が1,000万円超なら免除されない

  4. 4

    契約の前に確認

    住宅の家賃は非課税。免税のまま登録だけしていると建物の売却で納税が生じる

5. 手取りで比べる

以上を踏まえると、比較すべきなのは提示された売却額ではなく、売却額から、譲渡にかかる税金、仲介手数料(買取であれば不要)、抵当権抹消などの登記費用、測量費、残置物処分費、そして売却までの保有期間に出ていく費用を差し引いた金額です。この形に揃えて初めて、複数の選択肢を横に並べられます。

「収益物件の売却前に揃える資料と、手取りを決める税金」について、そのまま聞けます。

収益物件を当社に売る場合:仲介との違いと売却の流れ

当社が買い取る条件・買い取れない条件と、実際の買取事例は「当社の買取基準」にまとめています。

「収益物件を当社に売る場合:仲介との違いと売却の流れ」について、そのまま聞けます。

収益物件はオーナーチェンジで売れる──手取りは税と敷金を引いて比べる

売主が売却予定のマンションの住戸の専用庭で土の掘削をしている
集合住宅の脇の花壇で土を手入れする女性
  • 賃貸人としての立場は所有権の移転とともに買主へ移り(民法第605条の2第1項)、入居者は同じ条件で住み続けられます。買主が入居者に賃料を請求するには移転登記が要る(同条第3項)ため、決済と登記は同日に行います。売主が一人ひとりの同意を取り付ける必要はありませんが、敷金の返還債務と賃料の日割りは、決済日を基準に1円単位で決めておく必要があります。
  • 価格は、その物件がいくら稼ぐかを買主が求める利回りで割った金額と、土地値に建物の残存価値を積み上げた金額の、両方から検討されます。したがって資料が揃っているほど金額は正確になり、揃っていない情報は不利な側に見積もられます。
  • そして手取りを決めるのは売却額ではありません。減価償却によって取得費は目減りしており、譲渡所得は分離課税で、税率は譲渡した年の1月1日時点の所有期間で変わります。売却額ではなく、税と諸費用を引いた後の金額で比べてください。

査定は無料で、レントロールと納税通知書があれば、現地に伺う前に概算をお出しできます。

査定は無料・売却の義務なし
0120-996-748受付時間10:00〜19:00(水・日曜定休)

通話料無料・全国対応

この先は、当社の買取窓口「買取くん」のページです(運営は同じ株式会社リアテクスです)。

収益物件のオーナーチェンジ売却で、よくある質問

入居者に知られずに売却できますか

売却の検討段階から契約までは、入居者に知らせずに進めるのが通常です。

  • 募集広告を出す必要がないため
  • 決済後に新しい所有者または管理会社から通知する
  • 引渡し後の最初の賃料支払期日から逆算して日程を組む

Q1. 入居者に知られずに売却できますか

売却の検討段階から契約までは、入居者に知らせずに進めるのが通常です。募集広告を出す必要がないためです。所有者が替わったことは、決済後に新しい所有者または管理会社から入居者へ通知します。通知には賃料の振込先の変更が含まれますので、引渡し後の最初の賃料の支払期日から逆算して、余裕をもった日程を組みます。

Q2. 空室が半分あります。それでも買い取ってもらえますか

対象になりますが、空室率が高い物件は、満室想定の家賃ではなく、現況の賃料と、埋め直すために必要な費用・期間を見込んだうえで査定します。空室のまま売るか、埋めてから売るかで手取りがどう変わるかも、両方の数字でお示しします。

Q3. サブリース契約が付いていますが売れますか

売却できますが、サブリース契約の内容が価格に大きく影響します。契約期間、賃料改定の条項、解約時の条件を必ずご提示ください。契約の承継を前提に買い取る場合と、解約を前提に買い取る場合で、金額の考え方が変わります。

Q4. 家賃を滞納している入居者がいます。そのままで売れますか

そのままの状態でご相談ください。滞納の期間、金額、督促の経緯、保証会社の有無を伺ったうえで査定します。売主側で滞納を解消してから売る必要はありません。 ただし、法的手続を進めている最中の場合は、その進行状況によって扱いが変わりますので、契約前に共有してください。

Q5. 建物が旧耐震で、金融機関が融資を出さないと言われました。売れますか

買主が当社の場合、第三者の金融機関の融資審査を通す必要がないため、その理由で話が止まることはありません。旧耐震であることは価格の要素としては見ますが、取引そのものが成立しない理由にはなりません。 仲介で長期化している物件のご相談は、この点でご要望をいただくことが多い類型です。

Q6. 遠方に住んでいます。現地に行かずに売却できますか

できます。現地調査は当社のみで実施できます。契約と決済も、司法書士による本人確認を経たうえで、郵送と振込によって完了させることが可能です。管理会社との引継ぎも当社側で進めます。

Q7. 査定を頼んだら必ず売らなければいけませんか

売却を決めていなくても構いません。金額は判断の材料ですので、金額をご覧になったうえで「今は売らない」という結論でも構いません。その場合でも、保有を続けた場合に毎年出ていく費用と、次の大規模修繕の見込みを併せてお伝えしますので、判断の材料としてお使いください。

当社の見方

入居者がいるまま売る場合に、当社が見ているところを書いておきます。満室かどうかよりも、その賃料が今の相場で入れ替えたときにも維持できるかどうかを見ます。長く住んでいる方の賃料が高いままの物件は、表面の利回りが実態より良く見えます。そこを割り引いて考えるので、満室であることが必ず有利に働くとは限りません。

ご用意いただきたいのは、賃貸借契約の内容と、直近の入退去の記録です。敷金の引き継ぎや、更新の時期も価格に関係します。入居者の方へのご連絡は、売買の話が固まるまで当社から行うことはありません。お住まいの方の生活を先に揺らさない順番で進めます。賃料の一覧と契約書をお送りいただければ、現地を見る前でも金額の幅はお出しできます。

当社が買い取る物件・お断りする物件と、買取価格の決まり方は、当社の買取事例76件の内訳とあわせて当社の買取基準にまとめています。

この記事について

執筆・編集
藤山 大二郎藤山 大二郎株式会社リアテクス 代表取締役CEO著書『大家なら!今すぐ不動産業を開業しよう! 不動産投資家から起業家へ』(スタンダーズ)で、大家業から不動産業へ踏み出す道筋を書きました。
監修
薩摩 賢幸薩摩 賢幸株式会社リアテクス 取締役COOこの区分の監修を担当しています。記事の公開判断は当社が行っています(代表が定めた手順による)。確認・公開判断:藤山 大二郎(株式会社リアテクス 代表取締役CEO)
公開・更新
公開 更新 内容を見直したときは、この日付と改訂の内容を更新しています。情報の確認日 (出典の公的資料を開いて内容を確かめた日)
この記事の事実確認の方法
法令:民法出典:国土交通省、国税庁、法務省
記事の作り方
この記事は、当社の担当者が事実確認を行ったうえで公開しています。

監修者の一覧運営会社・記事の作り方

出典(8件・に確認)

更新履歴

  1. 第3版冒頭に、当社が買い取れる条件・お断りする条件と当社の買取金額(事例の幅)、会社を確かめられる記事への案内をまとめました(既存の数字・法令・日付は変えていません)。
  2. 第2版題名を短くし、冒頭の要点を分かりやすい言い方に直しました。
  3. 第1版公開

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