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実家の放置リスク|誰も住まない家に起きる順番

公開 更新

執筆
株式会社リアテクス リアテクス編集部
監修
株式会社リアテクス 取締役COO 薩摩 賢幸
実家の放置リスク|誰も住まない家に起きる順番

「誰も住まなくなった実家をとりあえずそのままにしているが、このまま置いておくと何が起きるのか分からない」。最初に動くのは税ではなく保険と建物の傷みで、無人のまま数か月で火災保険の引受け条件が変わり、雨漏りが始まると1年で買い手の反応が落ちます。税額が上がるのは勧告を受けた後です。

現況のまま、残置物を置いたままでも買い取りますが、価格は片付け費用と修繕費を引いた額になります。管理費等の滞納が評価額を超える物件はお断りしています。この家が買い取れるかどうかだけ、先に聞く(無料)

目次(10章)

先にこの家の買取価格のめどだけ知りたい方へ。

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親が施設に入った、あるいは亡くなって、実家に誰も住まなくなった日から先に動き始めるのは、税金ではなく火災保険の引受け条件と、建物そのものの傷み方です。税額が上がるのは市区町村から勧告を受けたあとの話なので、順番としてはかなり後ろに来ます。

実家の放置リスクの要点を、定義・この記事でわかること・よくある質問の順に短くまとめた動画です。

実家を放置したとき、最初のリスクは税ではなく建物と保険に出る

家族が木造住宅の和室の床に座り、畳の表面を確かめている

人が出ていった直後の家は見た目では何も変わらず、鍵をかけて雨戸を閉めれば、しばらくは元のままに見えます。変わっているのは、家の中を空気が通らなくなったことと、契約している火災保険の前提が崩れたことの2つです。

雨漏りからシロアリ被害への進行

  1. 1

    屋根材の浮きと雨漏り

    屋根材の一部が浮いた箇所から雨水が入り込む。

  2. 2

    雨水が柱まで伝わる

    雨水が野地板から梁へ、さらに柱へと伝わっていく。

  3. 3

    濡れた木材にシロアリ発生

    水分を含んで濡れた木材にシロアリが寄ってくる。

  4. 4

    半年後に天井が落ちる

    無人だとシミに気づかず、次に訪れた時には天井が落ちている。

空気が止まった家は、人が住んでいる家より早く傷む

住んでいる家は、毎日窓が開き、風呂と台所で水が流れ、暖房で室温が上がります。この動きが止まると湿気が床下と壁の中に残ったままになり、畳とふすまにカビが出るのは、たいてい最初の梅雨です。排水トラップの水が蒸発すると下水の臭いが上がり、その臭いが室内の建材に移ります。

そこに雨漏りが加わると進み方が変わり、屋根材の一部が浮いた程度でも、雨水は野地板から梁へ、梁から柱へと伝わって、濡れた木材にシロアリが寄ってきます。人が住んでいれば天井のシミで気づきますが、無人だと次に誰かが行くまで誰も見ないため、半年後に行って天井が落ちていた、という相談は珍しくありません。傷んだ家をそのまま売れるかどうかは「雨漏り・シロアリの家を売却する」の記事に整理しています。

火災保険は、無人になった時点で条件が変わることがある

火災保険の契約はその建物が住宅として使われていることを前提に結ばれているため、誰も住まなくなった家は保険会社の区分では住宅物件ではなく一般物件として扱われることがあり、保険料が上がるか、そもそも引受けを断られることがあります。親名義のまま保険が続いている家も多いのですが、名義人が亡くなっていると、いざ事故が起きたときの請求手続きで止まります。

無保険のまま放置している家で火災が起きた場合、燃え残った建物の解体費も、近隣への対応も、所有者が自分で負うことになります。失火責任法があるため隣家への損害賠償は重過失がなければ免れますが、自分の家の後始末は自分持ちです。加入の可否と条件は「空き家に火災保険はかけられるか」の記事に書いています。

統計の上でも、放置される家は増え続けている

総務省の令和5年住宅・土地統計調査では、全国の空き家は900万戸で、そのうち賃貸用・売却用・二次的住宅のいずれでもない、いわゆる放置された空き家は385万戸でした(住宅・土地統計調査(総務省統計局))。この385万戸の側には、売りに出す手前で止まっている家が大量に含まれています。

つまり、買い手の側から見れば選択肢が多い市場です。傷みが進んだ家を、あとから価格だけで巻き返すのは難しくなります。動くかどうかを決める材料は、税額の通知が来る前の段階で揃っています。

実家を放置した年数ごとに、表に出るリスクが入れ替わる

放置1年目と5年目では困る中身が違い、1年目に出るのは主に近隣との関係で、5年目に出るのは行政と税です。そして10年目に出るのは、売ろうとしたときに買い手がいないという事実です。

実家を放置した年数と表に出るリスク

  1. 1〜2年目

    近隣からの連絡と害虫

    草が伸び、ハチの巣やネズミが住み着き自治体に相談される

  2. 3〜5年目

    行政からの書面

    管理不全空家等と判断され、助言または指導の書面が届く

  3. 10年目

    買い手がいない事実

    工事費が土地の値段を上回り、リフォーム目的の買主が消える

1〜2年目に出るのは、草木と害虫と近隣からの連絡

夏の草は1シーズン放っておくと人の背丈に近くなり、伸びた枝が隣地や道路にはみ出すと隣家から連絡が来ます。連絡先が分からなければ、近隣は市区町村に相談し、ここで自治体の記録に「管理されていない家」として名前が残ります。ハチの巣、ネズミ、猫の住み着きも、この時期に始まります。

この段階での費用は小さく、草刈りを業者に頼んでも1回あたり数万円の範囲に収まることが多いものです。ただし遠方に住んでいる場合、往復の交通費と休みを毎回使うことになり、年2回でも負担として効いてきます。

3〜5年目に出るのは、行政からの書面と税の話

近隣からの相談が続くと、市区町村の担当課が現地を見に来ます。屋根材の浮き、割れた窓、敷地の繁茂といった状態があれば、空家等対策の推進に関する特別措置法の管理不全空家等に当たると判断される可能性があります。最初に届くのは助言または指導の書面で、この段階では税額は動かず、動くのは勧告を受けたあとです。

10年目に出るのは、売ろうとしても買い手がいないという事実

10年無人だった木造住宅は、屋根と外壁と水回りをすべて直す前提になって工事費が土地の値段を上回ることがあるため、リフォームして住もうとする買い手からはまず選ばれません。そうなると買い手は、建物を壊して土地として使う人に限られ、その人は解体費を引いた金額しか出せません。

放置の期間が延びるほど選べる売り方は減り、仲介で一般の買主に売る道が閉じて、業者買取か、解体して土地として売るかに絞られていきます。手放す選択肢の全体は「空き家を手放す方法の全部」の記事で費用ごとに比べています。

「実家を放置した年数ごとに、表に出るリスクが入れ替わる」について、そのまま聞けます。

実家の放置リスクで金額がいちばん動くのは、ゴミ屋敷化した室内の片付け

玄関を開けると廊下の両側に段ボールと衣装ケースが積み上がり、台所には古い食器と調味料がそのまま残っている。この状態の家は、価格の話をする前に片付けの話になります。

残置物の量による処分費の目安と価格への影響

  • ゴミ屋敷化の原因5つ
  • 片付けの方法2つ
  • 想定される量(2トン車)3台分

1. 実家がゴミ屋敷化する原因は、たいてい5つのどれかに当たる

物が積み上がった実家を見ると、なぜここまでと思われるかもしれませんが、原因はだいたい決まっています。身体が動かなくなってゴミを出せなくなったこと、認知機能の低下で捨てる判断ができなくなったこと、配偶者を亡くして生活の張りが失われたこと、物を捨てることに強い抵抗があること、そして子が遠方でしばらく訪ねていなかったことです。

このうち複数が重なっていることが多く、親が存命で施設に入っている場合は、本人の同意なく処分できない物も混ざります。親を説得して片付けを進めるコツとしてよく挙がるのは、全部捨てると言わないこと、写真で確認してもらうこと、期限を区切らないことですが、認知症が進んでいる場合は説得そのものが成り立たないことがあります。判断能力が不十分な親の家を売る場合の手続きは「親が認知症で家を売る方法」の記事に書いています。

2. ゴミ屋敷化した実家を片付ける方法は2つで、費用の差が大きい

片付けの方法費用と期間の考え方
自分と親族で運び出す処分場の持込料と車両代が実費。遠方だと往復の回数分の交通費と休みが要る。2トン車3台分の量で、週末だけで進めると数か月かかることがある
不用品回収・遺品整理の業者に頼む量と間取り、階段の有無で見積もりが変わる。仏壇や金庫、家電リサイクル法の対象品は別料金になることが多い

業者に頼む場合、電話だけの概算は当日になって追加を求められる原因になるので、見積もりは必ず現地を見せたうえで取ってください。自治体によっては一般廃棄物収集運搬業の許可業者の一覧を公開しているので、許可の有無を先に確かめる方が安全です。

3. 片付けずに売ると、その分が価格から引かれる

残置物があるまま買い取る場合は買った側が処分費を負担するので、その費用は提示価格から引かれます。自分で片付けてから売れば、引かれる分は減りますが、自分で払った処分費と手間がそこに乗ります。どちらが得かは、業者の見積額と、買主が価格から引く額を並べて比べる話になります。

金額だけで言えば、大きく差が出るのは「価値のある物が混ざっているかどうか」です。仏具や骨董、未開封の贈答品などが混ざっている家では、先に自分で確認してから引き渡す方がよいことがあります。片付けずに売れる条件は「空き家をそのまま売る方法」の記事にまとめました。

実家がゴミ屋敷化する主な原因

  • 身体的な衰え

    身体が動かなくなりゴミを出せなくなる

  • 認知機能の低下

    捨てる判断ができなくなる

  • 配偶者との死別

    配偶者を亡くして生活の張りが失われる

  • 捨てることへの抵抗

    物を捨てることに強い抵抗がある

  • 家族との疎遠

    子が遠方でしばらく訪ねていない

4. ゴミ屋敷化した実家を放置してはいけない理由は、費用が増え続けること

積み上がった物は時間とともに減るどころか、湿気を吸った紙と布が重くなって、処分費の基準になる重量が増えます。害虫と臭いが広がれば、建物の内装ごと交換しないと使えなくなります。近隣から苦情が出れば、行政の記録に残ります。火災が起きた場合、燃えやすい物が大量にある家は延焼の規模が大きくなります。

さらに、室内に入れない状態が続くと、権利証や売買契約書といった書類が見つかりません。売る段になって、親が家を買ったときの契約書が出てこないために取得費が確定せず、税額が大きくなることがあります。片付けは、費用の話であると同時に書類探しの話でもあります。

放置した実家の固定資産税は、勧告を受けた翌年から上がる

住宅街に建つ古い木造住宅の外観と、家の前の道路を歩いている近隣住民の姿

納税通知書の額が急に変わるとすれば、きっかけは1つで、市区町村から勧告を受け、その状態のまま1月1日を迎えたときです。

勧告を受けて固定資産税が上がるまでの流れ

  1. 1

    助言・指導の段階

    この段階では税額は動かず、特例は適用されたまま。

  2. 2

    勧告を受ける

    特定空家等などに認定され、市区町村長から勧告される。

  3. 3

    1月1日を迎える

    是正による撤回がないまま判定の基準日を越える。

  4. 4

    特例から外れる

    その年の年度分から住宅用地の特例が外れる。

1. 住宅用地の特例が、土地の課税標準を大きく下げている

住宅が建っている土地は、地方税法第349条の3の2により、200平方メートル以下の部分の課税標準が価格の6分の1、これを超える部分は3分の1になります(地方税法(e-Gov法令検索))。人が住んでいなくても住宅として使える家屋が建っていれば適用されるので、空き家だから特例が外れる、というものではありません。

2. 特例が外れる引き金は、勧告と取り壊しの2つ

特定空家等または管理不全空家等と認定され、市区町村長から勧告を受けた土地は、住宅用地の特例から外れます。認定されただけでは動かず、助言や指導の段階でも動きません。制度の全体像は、国土交通省の空家等対策の推進に関する特別措置法関連情報のページで公表されています。もう1つの引き金は建物を取り壊して更地にすることで、家屋がなくなれば特例の条件も消えます。

判定の基準日は1月1日なので、10月に勧告を受けても、次の1月1日より前に是正して勧告が撤回されていれば、その年の年度分は特例が残ります。詳しい条件と撤回の手順は「空き家の固定資産税が6倍になる条件」の記事に書いています。

3. 上がる幅は6倍ではなく、おおむね4倍前後

特例が外れた土地は非住宅用地として計算されますが、課税標準には評価額の70パーセントという上限があります。6分の1から0.7へ動くので比率にすればおよそ4.2倍ですが、負担調整の仕組みが働けば、初年度はそこまで届かない年もあります。上がるのは土地の分だけで、家屋にかかる分は変わりません。

払い続ける場合の年間負担と、売った場合の手取りを並べる考え方は「空き家の固定資産税を払い続ける損益分岐点」の記事にまとめています。

4. 命令に従わなければ過料、その先に代執行

勧告に応じないと命令が出て、命令に違反した場合は50万円以下の過料の対象になります。それでも状態が変わらなければ、市区町村が業者を入れて除却などを行う行政代執行に進みます。費用は所有者に請求され、この請求は税と同じ方法で強制的に徴収できるため、払えなければ財産の差押えにつながります。自分で解体業者を選ぶ場合より金額が安くなる保証はありません。

「放置した実家の固定資産税は、勧告を受けた翌年から上がる」について、そのまま聞けます。

実家を放置せず活用する方法はあるが、実現の条件は厳しい

売るのは惜しい、貸して収入にできないか。この発想は自然ですが、無人だった期間が長い家では、先に出ていく工事費の方が大きくなります。

活用時の先行修繕費と回収に必要な年数

  • 想定家賃(月額)5万円
  • 先行する工事費200万円
  • 回収にかかる期間40か月
  • 相続空き家の控除3,000万円

1. 賃貸に出すなら、先に工事費が出ていく

人に貸すには給湯器とエアコン、水回りの設備が動く状態にする必要があり、畳と壁紙、床の張り替えも通常は要ります。無人が3年を超えている家では給排水管の劣化も出てくるので、工事費を回収するのに何年分の家賃が要るかを先に割り算してください。地方の戸建てで月5万円の家賃なら、200万円の工事費を回収するのに空室ゼロで40か月かかります。

さらに、相続の時から譲渡の時まで事業・貸付け・居住のいずれにも使っていないことが要件なので、いったん貸すと相続空き家の3,000万円控除は使えなくなります。数年貸してから売る計画は、税の側で不利になることがあります。

2. 民泊や店舗への転用は、用途地域と設備で止まりやすい

宿泊施設や店舗として使う案は、建築基準法上の用途の制限、消防設備、近隣の同意といった条件が重なります。建築時の検査済証がない家では、用途変更の手続きで止まることがあります。書類が無い場合の扱いは「検査済証がない家の売却」の記事に書いています。

3. 自治体の空き家バンクと補助金は、対象が限られる

多くの市区町村が空き家バンクを運営し、改修や解体に補助金を出しています。ただし、補助の対象は耐震性のある建物に限る、移住者が住むことを条件とする、着工前の申請を必須とするといった要件が付くのが通常で、着工後の申請は受け付けられません。使う可能性があるなら、工事の契約を結ぶ前に担当課へ確認してください。補助の有無と金額は自治体ごとに違うので、住んでいる市区町村ではなく、家のある市区町村の制度を見る必要があります。

4. 活用と処分を、同じ紙の上で比べる

比べるべき数字は3つで、活用する場合に先に出る工事費、活用中に毎年かかる固定資産税と管理費、そして手放した場合に一度に入る金額です。周辺でどのくらいの価格で成約しているかは、不動産情報ライブラリで調べられます(不動産情報ライブラリ(国土交通省))。

工事費を回収する前に相続がもう一度発生すると、話は次の世代に持ち越されます。持ち越された家は、相続人の数が増えている分だけ決めにくくなります。

誰も継がない実家の処分方法を、費用と期間で比べる

手放すと決めた場合の出口は4つで、分かれ目は、建物が使える状態かどうかと、いつまでに終えたいかです。

手放す4つの方法の手取りと期間の比較

処分方法手取りの傾向期間と手間の特徴費用の負担
仲介で一般の買主に売るいちばん大きくなりやすい買主が現れるまでの期間は読めない売れるまでの維持費と仲介手数料
買取業者に直接売る仲介での成約想定より低くなる買主を探す期間が要らない片付けや修繕費は買主が負う
解体して土地として売る解体費の分が引かれる解体工事が先になる解体費が先に出る・固定資産税が上がる
相続土地国庫帰属制度を使う負担金が必要になる先に建物の解体が必要解体費と負担金が先に出る

1. 仲介で一般の買主に売る

手取りがいちばん大きくなりやすい方法ですが、そのかわり買主が現れるまでの期間は読めません。売れるまでの固定資産税、火災保険料、草刈りや通水の費用は売主が払い続けることになり、仲介手数料もかかります。引渡し後に雨漏りやシロアリが見つかれば、契約不適合責任を問われることがあります。建物が住める状態で、急ぐ事情がないなら、この方法から検討する価値があります。

2. 買取業者に直接売る

買主を探す期間が要らず、残置物や傷みをそのままにして引き渡せます。そのかわり、片付け費用と修繕費、再販できない可能性を買った側が負うため、価格は仲介での成約想定より低くなります。どの程度下がるかは物件によりますが、仕組みは「空き家を買取で売るデメリット」の記事に書いています。ゴミ屋敷化した実家をそのまま買い取る業者もこの区分です。

3. 解体して土地として売る

建物が使えない場合の選択ですが、解体費が先に出ますし、前面道路が狭くて重機が入らない場所では、手作業の分が上乗せされます。そして更地になった土地は住宅用地の特例から外れるため、売れるまでの固定資産税が上がります。解体してから売れずに数年持つと、増えた税額が解体費に上乗せされる形になります。費用の考え方は「空き家の解体費用はいくらかかるか」の記事に整理しています。

4. 相続土地国庫帰属制度を使う

相続した土地を国に引き取ってもらう制度ですが、建物が建ったままでは使えないので、先に解体が要ります。境界が争いになっている土地、通路として他人に使われている土地なども対象外です。負担金も必要で、宅地なら原則20万円です。却下される条件は「相続土地国庫帰属制度は使えないのか」の記事にまとめています。

なお、この記事の税務・法務に関する記載は一般的な情報提供であり、個別の事案についての判断ではありません。適用の可否や具体的な税額については、税務署または税理士、登記については司法書士、境界や隣地との権利関係については弁護士や土地家屋調査士など、それぞれの専門家にご確認ください。当社は不動産の買主であり、税務や法律の代理はできません。

放置していた実家を手放すと決めたら、この順番で動く

押し入れの前で手を動かして片付けの作業を進めている家族の後ろ姿

決めたあと、いちばん時間を食うのは名義の整理で、価格の相談より先に、誰が売主になるのかを確定させる作業が要ります。

放置した実家を手放す際の手順と期間

  1. 1

    登記名義の確認

    登記事項証明書を取り寄せ、名義人が親のままか見る。

  2. 2

    売主の確定

    相続人が複数いる場合、誰が売るかを協議して決める。

  3. 3

    室内の確認と書類探し

    権利証や購入時の契約書など、重要な書類を探す。

1. 登記の名義が誰になっているかを確かめる

売買契約に署名できるのは登記簿に名前の載っている人だけなので、まず登記事項証明書を法務局の窓口かオンラインで取り寄せ、名義人が親のままかどうかを見ます。親のままであれば、先に相続登記を入れない限り引渡しの日を決められません。この申請は2024年4月1日から義務になっていて、期限は不動産を相続で取得したと知った日から3年、2024年4月1日より前にすでに知っていた分は2027年3月31日までです(相続登記の申請義務化について(法務省))。起算点が亡くなった日ではなく知った日である点は、何十年も前の相続が手つかずで残っている家で効いてきます。どちらの期限に当たるかの数え方は「相続登記の義務化と過去の相続」の記事にまとめています。

2. 相続人が複数いるなら、誰が売るかを先に決める

遺産分割の協議がまとまらないうちは売主が確定せず、相続人の一部と連絡が取れない場合や、代襲相続・数次相続が重なって人数が増えている場合は、戸籍の収集だけで数か月かかります。話がまとまらないまま持分だけを動かす選択もありますが、条件は限られます。人数が多い場合の進め方は「数次相続で相続人が多い実家の売却」の記事に書いています。

3. 室内に入り、書類と価値のある物を確認する

権利証または登記識別情報、親が家を買ったときの売買契約書、建築請負契約書、固定資産税の納税通知書。この4つは売買と税の両方で使い、特に購入時の契約書が見つかるかどうかで、売ったときの譲渡所得の計算が大きく変わります。片付けを業者に任せる前に、書類の入っていそうな場所だけは自分で確認してください。仏壇と金庫は、処分の扱いが別になることが多い品目です。

4. 2つ以上の方法で金額を出し、同じ条件で並べる

仲介での想定売却額と買取業者の提示額を並べるときは、仲介の額から仲介手数料と、売れるまでの期間に払う税と管理費を引いてください。引いたあとの金額と、買取の額を比べるのが正しい比較です。提示額の高さだけで選ぶと、あとから条件が変わる形の話もあります。見方は「不動産買取の査定額が高い理由」の記事に書いています。

「放置していた実家を手放すと決めたら、この順番で動く」について、そのまま聞けます。

当社が放置された実家を買い取る場合に見ること、買えない場合

当社が買い取る条件・買い取れない条件と、実際の買取事例は「当社の買取基準」にまとめています。

「当社が放置された実家を買い取る場合に見ること、買えない場合」について、そのまま聞けます。

実家の放置リスクで、先に確かめる3つ

  • 最初に動くのは税ではなく、保険と建物です。 無人になると火災保険の引受け条件が変わることがあり、雨漏りが始まれば1年で買い手の反応が落ちます。税額が上がるのは、管理不全空家等または特定空家等の勧告を受け、その状態のまま1月1日を越えた年の年度分からです。
  • 室内の物の量が、そのまま価格から引かれます。 自分で片付けるか、買主に処分費を負わせるかの違いなので、業者の見積額と、価格から引かれる額を並べて比べてください。片付ける前に、購入時の契約書と権利証だけは探しておくと、税の計算で数百万円の差が出ることがあります。
  • 売ると決めたら、名義の確認が先です。 相続登記が済んでいなければ売主が確定せず、相続人が多い場合は戸籍の収集だけで数か月かかります。申請の期限は取得を知った日から3年で、2024年4月1日より前に知っていた分は2027年3月31日までです。

残置物を置いたまま、勧告を受けた状態のままでも買い取りますが、価格は片付け費用と修繕費を引いた額になり、建物が住める状態なら仲介の方が手取りは多くなります。

査定は無料・売却の義務なし
0120-996-748受付時間10:00〜19:00(水・日曜定休)

通話料無料・全国対応

この先は、当社の買取窓口「買取くん」のページです(運営は同じ株式会社リアテクスです)。

実家の放置リスクについて、よくある質問

Q1. 実家を放置して誰も住まないだけで、固定資産税は上がりますか

誰も住んでいないという事実だけでは上がりません。特例が切れるのは、勧告という段階まで進んだ土地と、家屋を壊して更地にした土地の2つで、無人でも住宅として使える家屋が建っている限り、課税標準は6分の1または3分の1のままです。市区町村から書面が届いていないなら、今年の税額はそのままです。 傷みが進んだ家では助言や指導の書面が先に届きますので、封を開けて表題を確かめてください。

Q2. 実家がゴミ屋敷のような状態です。片付けないと売れませんか

片付けなくても買い取りは可能ですが、そのかわり処分にかかる費用が価格から引かれます。自分で片付ける場合の見積額と、価格から引かれる額を並べて、どちらが手元に残るかで決めるのが実際的です。 仏具や骨董、未開封の贈答品などが混ざっている家では、先に自分で確認してから引き渡す方がよいことがあります。書類が室内に残っている場合も同じです。

Q3. 親が施設に入っていて実家が空いています。今のうちに売れますか

親が判断能力を保っている場合は、親自身が売主として契約できます。判断能力が低下している場合は、成年後見の手続きが必要になることがあり、居住用不動産にあたるときは家庭裁判所の許可が要ります。施設に入っただけでは、子が代わりに売る権限は生まれません。 手続きの範囲は「成年後見の不動産売却に許可が必要な範囲」の記事に書いています。

Q4. 遠方に住んでいて実家に行けません。放置を解消する方法はありますか

書類の取得と契約は現地に行かずに進められる部分が多く、登記事項証明書はオンラインで請求でき、売買契約も郵送と委任で成立させられます。当社に売る場合は、鍵をお預かりして当社だけで室内を見ることもできます。ただし、相続登記が済んでいないと決済ができないので、戸籍の収集と遺産分割は先に必要です。 段取りは「遠方の実家を行かずに売却する方法」の記事にまとめています。

Q5. 放置した実家で火災や倒壊が起きたら、誰が責任を負いますか

建物の設置または保存に瑕疵があって他人に損害を与えた場合、民法717条により所有者が責任を負います。占有者がいない空き家では、所有者が直接この責任の対象になります。倒壊しかけた塀や屋根材の落下は、事前に対処できたかどうかが問われます。 火災については失火責任法により、重過失がなければ隣家への賠償責任は生じませんが、自分の建物の後始末と近隣への対応は所有者の負担です。

Q6. 相続放棄すれば、実家の放置リスクから逃れられますか

相続放棄をしても、その家を現に占有していた場合は、2023年4月1日施行の改正民法940条により、相続財産清算人に引き渡すまで保存の義務が残ります。放棄した瞬間にすべての関わりが切れるわけではありません。 また、相続人全員が放棄すると、清算人の選任を家庭裁判所に申し立てる必要があり、予納金が数十万円かかることがあります。詳しくは「相続放棄しても実家の管理義務は消えない」の記事に書いています。

当社の見方

ご相談で多いのは、親が亡くなってから3年か4年経ち、近隣から連絡が来て初めて動かれるという形です。その時点で室内を見ると、畳にカビが出ていて、天井にシミが広がっていることがよくあります。無人になった直後にご相談いただいていれば、仲介で売れた家も含まれます。

もっとも、すぐに動けない事情があるのも承知しています。相続人の話がまとまらない、親の遺品に手を付けられない、遠方で行く時間がない。そうした場合でも、年に一度は室内に入って屋根裏と天井を見ていただくと、雨漏りだけは早く見つかります。雨漏りが始まってからの1年と、始まる前の1年では、建物の残り方がまったく違います。

当社がお伝えできるのは買い取る場合の金額と日程で、税額の計算は市区町村の資産税の担当課、登記は司法書士が正本を持っています。金額が仲介と大きく開く条件は、現地を見る前でもおおよそお話しできますので、売る方針が固まっていない段階でも構いません。

当社が買い取る物件・お断りする物件と、買取価格の決まり方は、当社の買取事例76件の内訳とあわせて当社の買取基準にまとめています。

この記事について

執筆・編集
リアテクス編集部株式会社リアテクス当社(宅地建物取引業 東京都知事(1)第107888号)は物件を直接買い取る買主の立場から、売却を検討する方の判断材料となる記事を企画・編集しています。
監修
薩摩 賢幸薩摩 賢幸株式会社リアテクス 取締役COOこの区分の監修を担当しています。記事の公開判断は当社が行っています(代表が定めた手順による)。確認・公開判断:藤山 大二郎(株式会社リアテクス 代表取締役CEO)
公開・更新
公開 更新 内容を見直したときは、この日付と改訂の内容を更新しています。情報の確認日 (出典の公的資料を開いて内容を確かめた日)
この記事の事実確認の方法
法令:地方税法出典:総務省統計局、国土交通省、法務省
記事の作り方
この記事は、当社の担当者が事実確認を行ったうえで公開しています。

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