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解体費用と手順|施設に入った親の家の名義と親の意思

公開 更新

執筆
株式会社リアテクス リアテクス編集部
監修
株式会社リアテクス 取締役COO 薩摩 賢幸
解体費用と手順|施設に入った親の家の名義と親の意思

「親が施設に入って実家が空いたまま。解体した方がいいのか、そのままにしておくのか決められない」。解体の費用より先に決まるのは家の名義と親の意思能力で、親名義のまま親の意思が確認できなければ、成年後見人が選ばれ家庭裁判所の許可が出るまで解体も売却も動きません。本来なら解体される状態の家の当社の買取は、2025年は年間200〜300件でした(代表の申告)。

当社は買主として、家財や庭木を残したままの家を現況で買い取り、決済日を施設の費用の支払いに合わせて置きます。親本人の意思確認ができず後見人も選ばれていない家や、敷地の一部が農地のまま切り分けられない家は、価格を下げてもお引き受けできません。この家が買い取れるかどうかだけ、先に聞く(無料)

目次(12章)

先にこの家の買取価格のめどだけ知りたい方へ。

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親が施設に入り、実家だけが残りました。解体するかどうかより先に、名義を確かめてください。家が親名義のままなら、工事を発注できるのは親本人です。費用を子が出す場合も、ここは変わりません。判断の順番は、名義、意思能力、税、費用です。なお、本来なら解体される状態の家の当社の買取は、2025年は年間200〜300件でした(出典:当社代表の申告)。解体せずに売るかどうかの判断は空き家の解体費用の記事にまとめています。

施設に入った親の家を解体するかの要点を、定義・この記事でわかること・よくある質問の順に短くまとめた動画です。

施設に入った親の家の解体は、誰が決められるか

解体業者は、着工の前に所有者を確認します。登記の名義と契約者が違えば、そこで止まります。親の家の解体で最初に詰まるのは、この一点です。

親の意思能力を確認する主なポイント

  • 診断や点数ではなく意思能力

    認知症の診断や介護度ではなく、契約の中身と結果を理解できるかで判断する。

  • 委任状より面談での確認

    委任状があっても、司法書士や業者が本人と面談できなければ進まない。

  • 本人の言葉で説明できるか

    どの家をどうし、いくらかかり、何が残るかを本人の言葉で言えるかを確かめる。

  • 体調のよい時間帯に合わせる

    受け答えが日によって変わる場合は、本人が落ち着いて話せる時間帯に面談する。

解体を発注する契約の当事者は建物の所有者です

解体の請負契約は、建物を壊す処分行為です。所有者でない人が勝手に結ぶことはできません。子が署名した契約書では、業者が着工できないことがあります。親が判断できる状態なら、親を契約者にすれば進みます。支払いを子が行っても構いません。ただし子が負担した分は、親への贈与とみなされることがあります。金額が大きいときは、税務署か税理士に確認してください。登記事項証明書は法務局で誰でも取れます。建物と土地の名義を、別々に見てください。土地だけが祖父名義、という例もあります。

親の家の解体可否を判断する手順

  1. 1

    登記名義の確認

    建物と土地の所有者が誰かを確認する。

  2. 2

    本人の意思能力の確認

    面談で解体の内容と結果を言えるか確かめる。

  3. 3

    成年後見の要否の判断

    意思が確認できない場合は家庭裁判所の手続きへ。

親が契約できる状態かどうかの線引き

認知症の診断が出ても、その日から契約できなくなるわけではありません。見られるのは意思能力です。契約の中身と結果を理解できているかで判断します。実務では、司法書士や業者が本人と面談して確かめます。面談ができない状態なら、委任状があっても進みません。委任状は、本人の意思が確認できて初めて意味を持ちます。面談で確かめられるのは、どの家をどうするのか、壊すといくらかかり、あとに何が残るのかを本人の言葉で言えるかどうかです。介護度や検査の点数そのものが線を引くわけではありません。受け答えが日によって変わるなら、体調のよい時間帯に面談を合わせます。本人が落ち着いて話せる時間は、施設の職員が把握しています。施設に入っていても、面会して意思が確認できれば解体も売買もできます。判断が揺れ始めている段階での進め方は、「親が認知症で家を売る方法」の記事に書いています。

名義が祖父母のままなら、先に相続登記の期限を確認する

登記事項証明書を取ると、土地と建物で名義が違っていたり、どちらも祖父や祖母の名前のままだったりします。この形では、解体を頼む相手が誰なのかがまず決まりません。所有者は亡くなった祖父母の相続人全員で、親はそのうちの一人です。相続登記は2024年4月1日から義務になりました。不動産を取得したと知った日から3年が申請の期限で、施行より前に相続が起きていた分は2027年3月31日までに申請します(相続登記の申請義務化について(法務省))。遺産分割の協議には相続人全員の合意が要るので、親の意思能力がここでも問われます。親が判断できない状態なら、協議は成立しません。相続人の一人が亡くなっていれば、その子や孫まで範囲が広がります。古い遺産分割協議書が残っていないか、誰が何を相続したのかを、まず親族に聞いてください。戸籍を集めて相続人を確定する作業は、司法書士に頼めます。工事の見積もりを取るのは、そのあとです。

親の判断が難しいとき、親の家の解体に要る手続き

親の意思が確認できないなら、家族の同意では代わりになりません。次に出てくるのが成年後見です。ここから先は、家庭裁判所の手続きになります。

成年後見を利用して解体するまでの流れ

  1. 解体の前

    成年後見の申立て

    本人や家族が家庭裁判所に申し立てる

  2. 後見人の選任後

    処分の許可を申し立てる

    建物の取り壊しにも家庭裁判所の許可が要る

  3. 許可が下りた後

    解体工事の着工

    許可を得ずに行った処分は無効とされる

成年後見人が選ばれるまでにかかること

申立て先は、本人の住所地を管轄する家庭裁判所です。申し立てられるのは、本人、配偶者、四親等内の親族などです。診断書を付けて申し立て、必要に応じて鑑定が行われます。選ばれるのが、申立てをした家族とは限りません。財産の額や親族間の意見の違いによっては、弁護士や司法書士が選ばれます。専門職が就くと報酬が発生し、本人が亡くなるまで続きます。家を売るためだけに始めて、途中でやめることはできません。解体や売却の都合だけで選ぶ手続きではない、という点は先に知っておいてください。

居住用の建物は、取り壊しにも家庭裁判所の許可が要る

民法第859条の3は、成年後見人が本人の居住用の建物や敷地を売却や賃貸などで処分する場合に、家庭裁判所の許可を必要としています(民法(e-Gov法令検索))。条文は「これらに準ずる処分」も対象にしています。建物の取り壊しも、この準ずる処分として扱うのが実務の運用です。許可を得ずに行った処分は無効とされます。解体を先に済ませ、あとから許可を取る順番は取れません。後見人が付いている家では、工事の日程より先に申立ての日程を決めます。

施設に入っていても居住用として扱われる場合

居住用かどうかは、住民票の住所だけでは決まりません。本人が戻る可能性、家財が残っているか、生活の本拠がどこかを見ます。終身利用権のある施設に移っていても、自宅に戻る前提が残っていれば居住用と判断されることがあります。迷う場合は、許可を申し立てておく方が安全です。許可の要否の考え方は、「成年後見の不動産売却に許可が必要な範囲」の記事にまとめています。

「親の判断が難しいとき、親の家の解体に要る手続き」について、そのまま聞けます。

解体するかどうかで、固定資産税がどう変わるか

和室の座卓に向かい、うなずきながら話し合いをしている夫婦

解体を迷う理由として、税の話をよく聞きます。壊すと土地の税が上がる、というものです。上がるのは事実です。ただし、6倍になるとは限りません。

解体による固定資産税の増減

観点家を残す場合解体した場合
土地の固定資産税200㎡以下は1/6、超える部分は1/3住宅用地特例が外れ、段階的に上がる
土地の都市計画税200㎡以下は1/3、超える部分は2/3特例が外れる
建物の固定資産税かかり続ける無くなる

1. 家が建つ土地は、課税標準が6分の1か3分の1になる

地方税法第349条の3の2は、住宅が建っている土地の課税標準を下げています。200平方メートル以下の部分は6分の1、これを超える部分は3分の1です。都市計画税では、それぞれ3分の1と3分の2になります。建物を壊すと、この住宅用地特例が外れます。一方で、建物にかかっていた固定資産税は無くなります。住宅以外の土地には負担調整措置があり、税額は段階的に上がります。差し引きでいくら増えるかは、課税明細書の土地と家屋の内訳から計算してください。持ち続けた場合の年あたりの負担は、「空き家の固定資産税を払い続ける損益分岐点」の記事に整理しています。

2. 判定は1月1日。工事の時期で1年分ずれる

固定資産税の賦課期日は、その年の1月1日です。1月1日に建物が建っていれば、その年度は住宅用地のままです。12月に取り壊せば、翌年度から更地の扱いになります。1月中旬に取り壊した場合、その年度いっぱいは特例が続きます。売却の予定があるなら、この1年分の差は無視できません。年内に着工するか年明けにするかを、工事の契約前に決めてください。市町村は現況で判定します。滅失登記の日付だけで決まるわけではありません。

3. 建てたままでも特例が外れる場合がある

家を残せば特例が続く、とも限りません。空家等対策の推進に関する特別措置法は、2023年12月13日施行の改正で管理不全空家等を新設しました。特定空家等または管理不全空家等として市町村から勧告を受けると、その土地は住宅用地特例の対象から外れます(空き家対策(国土交通省))。親が施設に入り、使われない状態が続く家は空家等に当たりえます。屋根や外壁が傷み、草が繁茂していると、助言や指導の対象になります。勧告まで進むかどうかは、管理の状態次第です。

親が生きている間に売る場合、解体の前後で税が変わる

売る道を選ぶなら、次の分かれ目は時期です。基準になるのは、親が住まなくなった日です。

親の家を解体して売る場合の期限

  1. 起点

    親が住まなくなった日

    施設へ移った日などが基準になる

  2. 解体後

    1年以内に譲渡契約

    取り壊してから売るまで貸付けなどに使わない

  3. 期限

    3年目の12月31日までに売却

    期限を過ぎると3,000万円控除から外れる

1. 住まなくなった日から3年目の12月31日が期限

自分が住んでいた家を売ったとき、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例があります。住まなくなった家でも、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売れば対象です(マイホームを売ったときの特例(国税庁))。2024年6月に施設へ移ったなら、期限は2027年12月31日です。売主は親本人なので、控除を使うのも親です。施設の費用に充てるつもりなら、この期限から逆算してください。期限を過ぎると、手取りが大きく変わります。

2. 取り壊して売るなら、1年以内の契約と貸さないこと

建物を取り壊してから土地を売る場合、要件が2つ足されます。取り壊した日から1年以内に譲渡契約を結ぶこと。そして、取り壊してから売るまでの間、その土地を貸付けなどに使っていないことです。空いた土地を月極駐車場にすると、この要件を外します。知人に一時的に貸す場合も同じです。更地にしてから買主を探すと、1年の枠は思ったより短く感じます。解体の前に買主の目処を付ける順番の方が、安全です。

3. 売主は親本人。後見人が売るなら許可が先

譲渡所得は親の所得です。申告も親の名前で行います。売却代金は親の口座に入り、そこから施設の費用に充てる流れになります。子の口座で受け取ると、贈与の問題が出ます。後見人が付いている場合、居住用不動産の売却には家庭裁判所の許可が要ります。許可より前に契約するなら、許可を停止条件にします。買主がこの条件を受けるかどうかで、相手は絞られます。

相続まで待つ場合、親の家を先に解体すると失う特例

急いで壊すと、後で使えたはずの控除を落とすことがあります。相続の後に売る見込みがあるなら、建物を残す意味があります。

解体の時期と空き家の特例の可否

観点親の生前に解体した場合相続の後に解体した場合
相続開始時の状態更地のみ被相続人が住んでいた家屋と敷地
空き家の3,000万円控除対象から外れる対象になり得る
税額への影響譲渡益が出ると数百万円の差になることも控除を使える可能性がある

1. 空き家の3,000万円控除は、老人ホーム入居でも対象になり得る

被相続人が一人で住んでいた家屋とその敷地を相続した相続人が、一定の要件を満たして売却した場合、譲渡所得から控除を受けられる制度があります(被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例(国税庁))。老人ホームなどに入所していた場合も、対象になり得ます。要介護認定などを受けて入所したこと、入所から相続開始の直前まで、その家屋を事業や貸付け、他人の居住に使っていないことなどが要件です。ほかに、昭和56年5月31日以前の建築であること、区分所有建物でないこと、売却代金が1億円以下であることが要ります。控除額は1人あたり最大3,000万円ですが、令和6年1月1日以後の譲渡でその家屋と敷地等を相続または遺贈で取得した相続人が3人以上いる場合は、1人あたり2,000万円までになります。

2. 相続開始の時に家屋が無いと、この控除は使えない

この控除の対象は、被相続人が住んでいた家屋と、その敷地です。売り方は、耐震基準に適合させて家屋ごと売るか、家屋を取り壊して敷地を売るかのどちらかです。取り壊しは、相続が起きた後に行うことが前提になります。親が生きているうちに壊すと、相続の時点で家屋がありません。相続したのは更地だけ、という形になり、対象から外れます。譲渡益が出る土地では、税額の差が数百万円になることもあります。今の管理の手間と、将来の控除を並べて考えてください。

3. 相続税の小規模宅地等の特例も、更地では使えない

相続税の側にも、同じ向きの話があります。特定居住用宅地等に当たれば、330平方メートルまで評価額を80%減らせます。老人ホームに入所していた場合も、要介護認定などの要件を満たせば対象になります。ただしこの特例は、建物または構築物の敷地であることが前提です。更地にしてしまうと、その要件を満たしません。相続税がかかる規模の財産があるなら、解体の時期は税理士に相談してから決めてください。

解体しても消えない負担と、親の家を残すから起きる負担

壊せば管理が終わる、というわけではありません。何が消えて、何が残るかを分けます。

解体後に消える負担と残る負担

負担の項目家を残す場合家を壊す場合
建物の火災保険区分変更や引受けを断られる消える
建物分の固定資産税かかり続ける消える
塀や擁壁の管理責任所有者として責任を負う撤去しない限り責任は残る
草やごみの管理庭の手入れが必要夏草やごみ捨ての管理が始まる

1. 空き家の火災保険は、条件が変わるか断られることがある

人が住まなくなった家は、保険の区分が変わることがあります。住宅物件から一般物件になると、保険料が上がります。家財の補償が付かない、引受けそのものを断られる、という例もあります。契約中の保険でも、居住の実態が変わったら保険会社への通知が要ります。通知をしないまま火災が起きると、支払いで揉めます。親が施設に移った日を、契約者と保険会社に伝えてください。空き家のまま保険を続ける方法は、「空き家に火災保険はかけられるか」の記事に書いています。

2. 建物を壊しても、塀と擁壁の責任は残る

民法第717条は、土地の工作物に瑕疵があって他人に損害が出た場合の責任を定めています。まず占有者が責任を負い、占有者が必要な注意をしたときは所有者が負います。所有者の責任は、注意していたかどうかに関わりません。ブロック塀、擁壁、門扉、物置は、建物を壊しても残ることがあります。見積もりで塀を残す選択をすれば、この責任も残ります。通学路に面した古い塀は、優先して撤去を検討してください。

3. 更地にすると草とごみの管理が始まる

更地は、建物より手がかかることがあります。夏の草は、1シーズンで腰の高さまで伸びます。隣地への越境や、火の心配が出ます。囲いのない土地には、ごみが捨てられます。捨てられたごみの処分は、原則として土地の所有者の負担です。遠方に住んでいれば、草刈りを業者に頼むことになります。年に2回頼めば、その費用が毎年続きます。

「解体しても消えない負担と、親の家を残すから起きる負担」について、そのまま聞けます。

親の家の解体費用が動く項目を、見積もりの前に洗い出す

同じ木造30坪でも、見積もりの金額はそろいません。差が出るのは、建物そのものより周りの部分です。

解体費用の見積もりで確認する主な項目

  • 敷地内の付帯物を数える

    ブロック塀やカーポート、樹木など、建物以外の撤去物を写真に撮って確認する。

  • 地中にある埋設物の有無

    浄化槽や井戸、古い基礎などが埋まっていると、掘った後で追加費用が出る。

  • 前面道路の広さと作業方法

    道路が狭く重機が入らない場合は、手壊しの割合が増えて費用が上がる。

  • 見積書の「別途」項目

    見積書に別途と書かれた項目は、すべて具体的な金額に直してもらう。

1. 建物以外の付帯工事を数える

先に敷地を一周して、写真を撮ってください。数えるのは、ブロック塀、門柱、カーポート、物置、庭石、樹木、灯籠です。浄化槽や古い井戸が残っていることもあります。井戸は埋め戻しの方法が決まっており、別料金になります。地中に古い基礎やガラが埋まっていると、掘った後で追加が出ます。前面道路が狭ければ、重機が入らず手壊しの割合が増えます。見積書に「別途」と書かれた項目は、すべて金額に直してもらってください。内訳の見方は、「空き家の解体費用はいくらかかるか」の記事にまとめています。

2. 残置物を誰が処分するかを決める

家財を残したまま壊すと、処分の区分が変わります。家庭から出る家財は一般廃棄物で、解体で出る木材やコンクリートとは扱いが違います。業者にまとめて任せれば、その分の費用が上がります。市町村の制度を使って自分で出せば、費用は下がります。親が施設で使う物、位牌や仏壇、権利証や保険証券が混ざっています。捨てる前に、本人か家族で中身を見てください。あとから探す物が出ると、工事を止めることになります。

3. 石綿の事前調査と報告の扱いを確かめる

2006年以前に建てられた家には、石綿を含む建材が使われていることがあります。大気汚染防止法に基づき、2022年4月1日から、床面積80㎡以上の解体工事や請負金額100万円以上の改修工事では、事前調査の結果を都道府県などへ報告することが元請業者に義務づけられました(環境省)。調査の費用と、含有が判明した場合の除去の費用が、見積もりに入っているかを確かめてください。着工後に判明すると、工期も金額も動きます。報告の控えは、工事のあとも保管しておいてください。

解体の前に、敷地と道路と補助金を確かめる

壊した建物は戻せません。戻せない条件から先に見ます。

解体工事の前後で確認する手続き

  1. 1

    再建築できるかの確認

    前面道路の幅と接道状況を窓口で確かめる。

  2. 2

    補助金の事前申請

    着工前に市区町村へ空き家除却の補助を申請する。

  3. 3

    滅失登記の申請

    解体後1か月以内に建物の登記を閉じる。

1. 解体後に建て直せる敷地かを確認する

更地にしたあとに家を建て直せるかは、前面道路との関係で決まります。道路の幅が4メートル以上あること、敷地がその道路に2メートル以上接していること。建築基準法第43条が求めるこの二つを欠く敷地では、壊した後に次の建物が建ちません。旗竿状の敷地、私道の奥、通り抜けできない路地の突き当たりは、図面だけで判断せず窓口で確かめてください。前面道路の種別は、市区町村の建築指導の窓口で調べられます。再建築ができない土地を更地にすると、買い手は現金で買う層まで狭まります。建物が残っているうちに売った方が、条件がよくなる場合もあります。事情は「再建築不可物件はなぜ売りにくいのか」の記事に書いています。

2. 補助金は着工前の申請が条件になる

老朽化した空き家の除却に、補助を出している市区町村があります。金額や上限、対象となる建物の条件は、自治体ごとに違います。共通しているのは申請の順番です。工事の契約や着工の後に申請しても、対象外になるのが通例です。申請の前に現地確認を行い、不良度の判定を求める自治体もあります。年度の予算で動くため、受付が締め切られることもあります。申請者は原則として所有者なので、親名義なら親の名前で出します。まず市区町村の空き家の担当窓口に、今年度の要件を聞いてください。

3. 解体したら1か月以内に滅失登記を申請する

建物を壊したら、建物の登記を閉じる手続きが要ります。不動産登記法57条は、建物が滅失した日から1か月以内に、所有権の登記名義人などが申請することを求めています。申請には、業者が出す取毀証明書と、業者の印鑑証明書などを使います。放置すると、登記簿に存在しない建物が残ります。土地を売るとき、決済の直前で止まる原因になります。課税の処理にも影響します。工事の契約時に、書類を出してもらえるかを確認してください。

解体せずに親の家を売る、または空けたまま持つ手順

手入れされた庭木のある木造住宅の外観と、その前の道を歩いている家族の後ろ姿

解体を決める前に、壊さない道の数字も取ります。比べる相手がなければ、金額の当否は分かりません。

解体して売る場合とそのまま売る手取り

観点更地にして売る場合現況のまま売る場合
ベースとなる金額更地にして売る場合の想定額今の状態のままで出る買取価格
差し引く費用解体費と残置物の処分費引かない
考慮する税金工事中の固定資産税と特例が外れる増額分そのままの状態で比較する

1. 現況のまま価格を取り、解体費を引いた手取りと比べる

比べる形は単純です。更地にして売る場合の想定額から、解体費と残置物の処分費を引きます。工事の間の固定資産税と、特例が外れる年度の増え方も足します。この手取りと、今の状態のままで出る買取価格を並べます。周辺の取引の水準は、不動産情報ライブラリ(国土交通省)で調べられます。更地の相場が高い地域では、解体して売る方が残ることがあります。古い家が多い住宅地では、差が出ないこともあります。判断の材料は、「古家は解体するかそのまま売るか」の記事にまとめています。

2. 登記名義の住所を、施設の住所に合わせるか確認する

親の住民票を施設へ移していると、登記簿の住所と食い違います。売買の決済では、この食い違いを埋める必要があります。住所変更の登記を入れるか、住民票や戸籍の附票で住所のつながりを示します。転居を何度か重ねていると、附票だけでは足りないことがあります。施設の入居契約書は、この証明の代わりになりません。決済の直前に判明すると、日程が動きます。売ると決めた時点で、司法書士に確認してください。

3. 空けたまま持つなら、通水と郵便の段取りを決める

いま決めない、という選択もあります。その場合は、管理の形を先に決めてください。月に一度の通水と通風、ポストの整理、庭の手入れが要ります。水道を止めるなら、凍結の対策と排水トラップの処理を確認します。防犯の設備を使うなら、電気は残します。郵便は転送を届け出て、親の手元に届く形にします。近所の方に連絡先を伝えておくと、雨漏りや倒木に早く気づけます。

なお、この記事の法務・税務に関する記載は一般的な情報提供であり、個別の事案についての判断ではありません。適用の可否は税務署か税理士に、登記は司法書士に、後見の申立ては家庭裁判所にご確認ください。当社は不動産の買主であり、税務や法律の代理はできません。

「解体せずに親の家を売る、または空けたまま持つ手順」について、そのまま聞けます。

当社が施設に入った親の家を買い取る場合の進め方

当社が買い取る条件・買い取れない条件と、実際の買取事例は「当社の買取基準」にまとめています。

「当社が施設に入った親の家を買い取る場合の進め方」について、そのまま聞けます。

施設に入った親の家の解体を決める前の3点

  • 解体を発注できるのは所有者です。 親名義のままなら、契約者は親になります。意思の確認が取れなければ、成年後見の申立てが先です。居住用の建物は、取り壊しにも家庭裁判所の許可を求める運用です。
  • 税の分かれ目は、日付で決まります。 1月1日に建物が無ければ、その年度から住宅用地特例が外れます。親が生きているうちに売るなら、住まなくなった日から3年目の12月31日が期限です。相続の後に売る見込みがあるなら、先に壊すと空き家の3,000万円控除を落とします。
  • 見積もりの差は、建物の外に出ます。 塀や樹木、浄化槽、残置物、石綿の調査で金額が動きます。補助金は着工の前に申請します。更地にしても、塀と擁壁の責任、草とごみの管理は残ります。

家財を残したままの家を現況で買い取り、決済日は施設の費用の支払いに合わせて置けます。その代わり、価格は仲介での成約想定額より低くなります。

査定は無料・売却の義務なし
0120-996-748受付時間10:00〜19:00(水・日曜定休)

通話料無料・全国対応

この先は、当社の買取窓口「買取くん」のページです(運営は同じ株式会社リアテクスです)。

施設に入った親の家の解体について、よくある質問

Q1. 親が施設に入っています。子である私が解体を頼めますか

所有者が親なら、契約の当事者は親です。子が段取りを進める場合も、親の意思が確認できる状態で委任を受けてください。親が判断できない状態なら、成年後見人を選び、家庭裁判所の許可を得る流れになります。費用を子が負担すること自体はできますが、親への贈与とみなされる場合があります。売却代金から精算する形にできるかを、先に整理してください。

Q2. 解体すると、土地の固定資産税はいつから上がりますか

賦課期日である1月1日の現況で判定します。12月中に取り壊せば、翌年度から更地の扱いです。1月2日以降に壊した場合、その年度は住宅用地のままです。ただし建物にかかっていた税は無くなり、住宅以外の土地には負担調整措置があります。増減の見込みは、手元の課税明細書にある土地と家屋の内訳から計算できます。

Q3. 成年後見を使わずに進める方法はありますか

親に意思能力があるなら、後見は要りません。委任状で子が手続きを進めることもできますし、家族信託を組む方法もあります。いずれも、親が元気なうちにしか選べません。判断が難しくなった後では、後見以外の道はありません。申立ての書式や手続きの流れは裁判所のサイトで確認できます。

Q4. 解体費用を子が立て替えた場合、親の税金の計算に使えますか

土地を売るために建物を取り壊した費用は、譲渡所得の計算で譲渡費用になります。ただし売主は親なので、費用も親が負担した形になっている必要があります。子が立て替えるなら、貸付けとして記録を残すか、売却代金から精算してください。金額が大きいと、贈与の話につながります。扱いは税務署か税理士に確認してください。

Q5. 施設の費用が足りません。解体してから売る方が手取りは増えますか

更地の方が高く売れる地域はあります。ただし現金化は遅くなります。解体には工期があり、補助金を使うなら着工前の申請が要ります。1月1日をまたげば、土地の税の扱いも変わります。急ぐ場合は、更地の想定額から解体費と処分費を引いた手取りと、現況のままの買取価格を並べてください。入金の時期も、同じ表に並べて比べます。

Q6. 遠方に住んでいて現地に行けません。解体も売却も進められますか

解体の見積もりは、鍵を預けて現地で見てもらう形が取れます。売買の契約も、郵送と委任で成立します。ただし、親本人が売主であれば、本人と面談しての意思確認は省けません。施設の面会の条件を先に確かめてください。遠方からの進め方は「遠方の実家を行かずに売却する方法」の記事に書いています。

当社の見方

まず大前提として、相続放棄したからといって、動産物の撤去を無断で行うことが出来るわけではありません。

司法書士を介して、相続人と連絡が取れるのであれば、どうにか処分について承諾をもらうのが良いです。

承諾を貰う際には、書面で引き取り期限を記載して、期限までに引き取らない場合は、買受人側で処分する旨を記載すると良いかと思います。

「特定空き家」として認定されると、固定資産税の軽減措置対象から除外されることになります。

売主としては空き家を売却などを検討する必要がでてきます。

再建築時に、現在より小さい建物しか建てられない可能性があります。

建替えが可能であれば、将来的な選択肢が広がります。

リフォーム業者の立場からしてみれば、案件を受ければ当然売上になるので、どうにかして案件を受けようとするのが一般的です。

当社が買い取る物件・お断りする物件と、買取価格の決まり方は、当社の買取事例76件の内訳とあわせて当社の買取基準にまとめています。

この記事について

執筆・編集
リアテクス編集部株式会社リアテクス当社(宅地建物取引業 東京都知事(1)第107888号)は物件を直接買い取る買主の立場から、売却を検討する方の判断材料となる記事を企画・編集しています。
監修
薩摩 賢幸薩摩 賢幸株式会社リアテクス 取締役COOこの区分の監修を担当しています。記事の公開判断は当社が行っています(代表が定めた手順による)。確認・公開判断:薩摩 賢幸(株式会社リアテクス 取締役COO)
公開・更新
公開 更新 内容を見直したときは、この日付と改訂の内容を更新しています。情報の確認日 (出典の公的資料を開いて内容を確かめた日)
この記事の事実確認の方法
法令:民法出典:法務省、国土交通省、国税庁、環境省、裁判所
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  2. 第1版公開

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