相続した実家を売って利益が出たとき、譲渡所得から最大3,000万円を差し引ける制度があります。ただし使えるかどうかは、家の建築時期と、亡くなった方の住み方と、相続してから売るまでの間に何をしたかで決まります。どれか1つでも外れれば、金額がいくら小さくても適用されません。
空き家
空き家3000万円控除の 条件| 使えるか 判定する
公開 更新

「相続した実家を売ったら3,000万円の控除が使えると聞いたが、自分の家が条件に当てはまるのか分からない」。使えるかどうかは、建築時期・被相続人が一人で住んでいたか・相続後に貸したり住んだりしていないか・売却代金1億円以下・相続から3年目の年末までの譲渡・耐震改修か取壊しのどれか、という並びで順に見ていけば判定できます。
耐震改修も解体もせずに現況のまま買い取ることができますが、その場合は買主である当社が引渡し後に取り壊すため、売主側で控除の要件を満たすには契約と工事の順番を先に決めておく必要があります。この家が買い取れるかどうかだけ、先に聞く(無料)
目次(12章)
先にこの家の買取価格のめどだけ知りたい方へ。
30秒で簡単査定を申し込むこの先は当社の買取窓口「買取くん」です。
空き家の 3000万円控除の 条件は、 どこで 外れるかで 見る

この制度で最も多く外れるのは、昭和56年6月1日以後に建てられた家と、相続後に誰かが住んだり貸したりした家です。条件は建物の属性と、人の使い方と、売り方の3種類に分かれており、種類ごとに確かめる資料が違います。
売却価格から取得費と譲渡費用を引き、3000万円を差し引いて課税対象額を出す手順
譲渡所得と3000万円控除の計算
- 1
売却価格から費用を引く
売った金額から取得費と譲渡費用を引き、利益である譲渡所得を計算する。
- 2
譲渡所得から控除する
計算して出た譲渡所得から、3,000万円を差し引く。
- 3
残った金額に課税される
差し引いた結果が0円なら非課税になり、残額があればそこに課税される。
正式な名前は「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」です(被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例(国税庁))。通称として空き家特例と呼ばれ、相続した空き家を売却すると譲渡所得から3000万円が控除される、という説明で紹介されることが多い制度です。ただしその一文だけを見て売却に踏み切ると、確定申告の段階で要件を満たしていないことに気づく、という順番になりかねません。
控除されるのは 税額ではなく、 譲渡所得の 金額
3,000万円という数字は、納める税金が3,000万円安くなるという意味ではありません。売った金額から取得費と譲渡費用を引いた譲渡所得、つまり利益の部分から3,000万円を差し引きます。利益が2,000万円なら、差し引いた結果は0円になり、譲渡所得税と住民税はかかりません。利益が4,000万円なら、残る1,000万円に対して課税されます。
相続した実家では、購入時の契約書が残っていないことがよくあります。国税庁が示す取得費の取扱いでは、購入した金額が分からないときに売却価格の5パーセントを概算の取得費とする方法が使われるため、売却価格のほとんどが利益として扱われます。つまり、1,000万円で売れた家でも、取得費が50万円とみなされれば、そこから仲介手数料などの譲渡費用を引いた残りが譲渡所得となり、900万円前後が課税の対象として残ります。この制度が使えるかどうかで、手取りがそのまま変わります。
譲渡所得税の 計算方法を、 先に 一度 置いてみる
被相続人が長く住んでいた家であれば、所有期間は5年を超えているのが通常です。相続した不動産は、亡くなった方の取得の日と取得費をそのまま引き継ぐため、相続の翌年に売っても長期譲渡所得として扱われます。国税庁のタックスアンサーが示す長期譲渡所得の税率は、所得税15パーセント、住民税5パーセント、これに復興特別所得税が所得税額の2.1パーセント上乗せされ、合計20.315パーセントです。
売却価格1,500万円、取得費が分からず概算の取得費として75万円、仲介手数料などの譲渡費用が55万円だったとします。譲渡所得は1,500万円から75万円と55万円を引いた1,370万円です。控除が使えなければ、上に挙げた国税庁の税率20.315パーセントを掛けた約278万円が税額になります。控除が使えれば譲渡所得は0円となり、税額も0円です。この差が、要件を1つずつ確かめる理由になります。
建物と 土地の 両方が 対象で、 土地だけの 譲渡は 対象外
対象になるのは、被相続人が住んでいた家屋とその敷地です。家屋を取り壊して土地だけを売る場合も認められますが、それは「相続の時から取壊しの時まで、事業・貸付け・居住に使われていないこと」などの条件を満たしたうえでの話です。相続した時点ですでに家屋が無く更地だった土地は、この制度の対象になりません。家屋が主で、敷地はそれに付いてくる、という構造になっています。
母屋のほかに離れや倉庫がある場合、対象になるのは被相続人が居住の用に供していた部分です。敷地の一部を第三者に貸していたり、駐車場として使わせていたりすると、その部分は按分して除かれます。
空き家の 3000万円控除の 条件を 判定する 7つの チェック
判定は、建築時期、登記の形、被相続人の住み方、相続後の用途、売却代金、譲渡の期限、家屋の状態の7つを順に見ます。前の項目で外れたら、後ろを確かめる必要はありません。
国税庁が示す要件はこれより細かく分かれていますが、実際の相談で外れるのはこの7つのどこかです。以下は主な要件の並べ方であり、これで全部ではありません。細目は国税庁のページと、申告の際に税務署または税理士へご確認ください。
登記事項証明書や住民票の除票など、条件の判定に用いる書類と確認する内容
判定に用いる主な書類と要件
建築時期
昭和56年6月1日以後の建築なら対象外
登記の形
区分建物として登記されていれば対象外
被相続人の住み方
相続開始の直前に同居者がいた場合は対象外
適用要件の チェックシート:7つの 欄に ○×を 付ける
| 確かめること | 見る資料 | ×になる場合 |
|---|---|---|
| 建築時期 | 登記事項証明書の表題部の新築年月日 | 昭和56年6月1日以後の建築 |
| 登記の形 | 登記事項証明書の建物の表示 | 区分建物として登記されている |
| 被相続人の住み方 | 住民票の除票、施設の契約書や介護保険の書類 | 相続の開始の直前に被相続人以外の人も住んでいた |
| 相続後の用途 | 電気・水道の閉栓や使用中止の記録、賃貸借契約の有無 | 貸付け・居住・事業に使った期間がある |
| 売却代金 | 売買契約書(分けて売った分も合計する) | 合計が1億円を超える |
| 譲渡の期限 | 相続の開始日と引渡しの日 | 3年を経過する日の属する年の12月31日を過ぎた |
| 家屋の状態 | 耐震基準適合証明書、または解体の契約書と滅失登記 | 耐震改修も取壊しもせず古家付きで渡した |
7欄すべてに○がついて、はじめて確定申告で控除を使えます。○が並んでも、譲渡した年の翌年2月16日から3月15日までに確定申告をしなければ適用されないため、7欄の判定とは別に、申告の予定日も同じ紙に書き添えてください。書類を1通取れば今日その場で確定するのは、建築時期・登記の形・被相続人の住み方の3欄です。残る相続後の用途・売却代金・譲渡の期限・家屋の状態の4欄は、これから売主さまが何をするかで○にも×にもなります。売り方を決める前に、この4欄へ戻ってください。
1つ目から 3つ目は、 家と 亡くなった 方の 側の 条件
最初に見るのは建築時期です。昭和56年5月31日以前に建築された家屋であることが入口になります。これは旧耐震基準で建てられた建物を対象とする趣旨で、登記事項証明書の表題部にある新築年月日で確かめます。昭和56年6月1日以後の建築であれば、そこで終わりです。
次に、区分所有建物の登記がされていないことです。分譲マンションのように区分所有登記がされている建物は、対象から外れます。二世帯住宅で、親世帯と子世帯の部分が区分所有登記されている場合も同じ扱いになるため、登記の形を先に見てください。
3つ目が、相続の開始の直前において被相続人が一人で住んでいたことです。同居していた家族がいた家は対象になりません。ただし、被相続人が老人ホーム等に入所していた場合について、一定の要件を満たせば対象とする扱いがあります。この扱いには、入所の直前まで一人で住んでいたこと、入所後も家財が置かれるなどして被相続人による一定の使用が続いていたこと、入所後に他の人の居住や貸付けに使われていないことなどの条件が付きます。施設に入った親の家をどうするかは「施設に入った親の家を解体するか」の記事にも書いています。
4つ目から 7つ目は、 相続後の 使い方と 売り方の 条件
4つ目は、相続してから譲渡するまでの間、家屋も敷地も事業・貸付け・居住のいずれにも使っていないことです。半年だけ知人に貸した、親族を無償で住まわせたという期間があれば、期間の長短や賃料の有無を問わずここで外れます。電気やガスの閉栓の日付、水道の使用中止の届の控えが、使っていないことの裏づけになります。
5つ目は、売却代金が1億円以下であることです。この1億円は、同じ家屋と敷地を複数回に分けて売った場合の合計で見ます。先に土地の一部を売り、後日残りを売ったときは、合算して1億円を超えれば適用されません。
6つ目は期限です。相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡すること。2024年3月に亡くなった場合、3年を経過する日は2027年3月で、その日が属する年の12月31日、つまり2027年12月31日が期限になります。
7つ目が家屋の状態です。売る時点で耐震基準に適合しているか、家屋を取り壊して敷地だけを譲渡するか、どちらかの形にする必要があります。この7つ目が、実務でいちばん段取りを要する部分です。
建築時期や用途などの条件を順に確認し、途中で外れたら適用外となる判定の仕組み
3000万円控除の条件判定
- 1
家と亡くなった方の条件
建築時期、登記の形、被相続人の住み方を確かめる。外れたらここで終わる。
- 2
相続後と売り方の条件
相続後の用途、売却代金、譲渡の期限、家屋の状態を順に確かめる。
- 3
確定申告の条件
譲渡した年の翌年2月16日から3月15日までに申告する。
「空き家の3000万円控除の条件を判定する7つのチェック」について、そのまま聞けます。
昭和5 6年5月31日以前と いう 建築時期の 条件で 分かれる もの
建築時期の判定は、登記事項証明書の表題部に記載された新築年月日で行います。固定資産税の納税通知書に載る建築年と登記の年月日がずれていることがあるため、登記側の日付を正本として扱ってください。
登記事項証明書で昭和56年5月31日以前の建築であることと区分所有でないことを見る
建築時期と登記の確認
分譲マンション
建築年が古くても区分所有登記なら対象外
長屋・連棟式の建物
各住戸が区分所有登記されていれば対象外
一棟の建物
1つの登記になっていれば区分所有登記ではない
1. 未登記の 家屋は、 固定資産税の 課税台帳で 確かめる
古い農家住宅や増築部分では、建物が登記されていないことがあります。この場合は市区町村の固定資産課税台帳に記録された建築年を手がかりにします。台帳の年が昭和56年より前でも、増築や建て替えの記録が残っていれば判断が分かれるため、市区町村の資産税の担当課で家屋の評価の履歴を確認したうえで、税務署に照会してください。
2. 増築している 家屋は、 主たる 部分の 建築時期で 見る
昭和50年に建てた母屋に、平成に入ってから増築した部分がある家があります。この場合、建物全体が新しくなったわけではないため、登記の新築年月日は昭和50年のままです。ただし、増築の規模が大きく、実質的に建て替えに近い工事であった場合は扱いが変わり得ます。工事の確認申請の記録が残っていれば、それを持って税務署に確認するのが確実です。確認申請や検査の書類が見当たらない家については「検査済証がない家の売却」の記事で、書類が無い場合の進め方を整理しています。
3. 区分所有登記された 建物は、 年が 古くても 対象外
昭和40年代に建てられた分譲マンションでも、区分所有建物として登記されていれば、この控除は使えません。建築時期の条件をクリアしても、区分所有登記という別の条件で外れます。長屋や連棟式の建物で、それぞれの住戸が区分所有登記されている場合も同じです。一棟の建物として1つの登記になっていれば、区分所有登記には当たりません。
4. 敷地だけを 相続した 場合と、 家屋だけを 相続した 場合
家屋と敷地の名義が別々で、家屋は兄が、敷地は自分が相続したとします。この場合、敷地だけを取得した人は、家屋とともに譲渡するのでなければ控除を使えません。家屋と敷地を同じ相続人が取得するか、複数の相続人が共有で取得して一緒に売るか、どちらかの形が要ります。名義が分かれたまま売却を進めると、確定申告の段階で片方だけ適用外になります。相続の名義をどう整理して売るかは「相続した空き家の名義変更と売却の事例」の記事に手順を置いています。
相続後に 貸した・ 住んだ家が 3000万円控除の 条件から 外れる 理由
相続してから売るまでの間、その家屋と敷地が事業・貸付け・居住のいずれにも使われていないことが求められます。制度の目的が空き家の解消にあるため、使われていた期間があると、そもそも空き家ではなかったと判断されます。
相続から引渡しまでの間に賃貸や居住などに使うと、その時点で控除の対象から外れる
相続後の用途による適用除外
相続の開始日
空き家として相続
引渡しまで事業・貸付け・居住に使わないことが条件。
相続後〜引渡し前
家屋を貸す・住まわせる
期間の長短や無償かを問わず、その時点で適用外になる。
取壊し後〜引渡し前
敷地を駐車場などに貸す
更地を資材置き場等に使わせた場合も適用外になる。
引渡し日
譲渡の完了
ここまで何にも使わず置いておく必要がある。
1. 一時的な 賃貸でも、 期間の 長短を 問わず 外れる
相続してから半年だけ知人に貸した、という場合でも適用されません。賃料の有無ではなく、貸付けの用に供したという事実で判断されます。無償で親族に住まわせた場合も、居住の用に供されたことになります。空き家のままでは傷むから誰かに住んでもらおう、という判断が、結果として数百万円の税負担の差につながることがあります。
2. 駐車場と して 貸した 敷地は、 その 部分が 外れる
家屋を取り壊したあと、売却先が決まるまで月極駐車場として貸したとします。これは敷地を貸付けの用に供したことになり、控除の対象から外れます。取り壊した後の更地を、近隣の人に一時的に資材置き場として使わせた場合も同様です。取壊しから譲渡までの間、更地は何にも使わず置いておく必要があります。
3. 相続人が 自分の 荷物を 置いているだけなら、 判断が 分かれる
家財の保管に使っているだけの状態を、貸付けや居住と同じに扱うわけではありません。ただし、事実上そこで生活している、事務所として使っているといった実態があれば、居住や事業に当たると見られます。線引きが微妙な場合は、電気・水道の使用量の記録と、どのような使い方をしていたかを整理して税務署に相談してください。
4. 3年放置した 場合、 税ではなく 別の 問題が 出る
売る当てがないまま空き家を3年放置してよいか、という点については、この控除の期限である3年目の年末という区切りとは別に、市区町村からの措置という問題があります。空家等対策の推進に関する特別措置法にもとづき、市区町村は状態の悪い空き家について助言・指導、勧告、命令という段階で是正を求めます(空き家対策(国土交通省))。勧告を受けた敷地は住宅用地の特例から外れ、土地の固定資産税が上がります。放置している間に段階が進む家では、控除の期限と、税額が上がる1月1日の両方を見ながら日程を組むことになります。段階の進み方は「空き家対策特別措置法をわかりやすく」の記事に書いています。
5. 気に される わりに、 判定には 響かない 条件
ご相談の場で心配されるものの、控除の可否には関係しない条件があります。家財や家具が室内に残っていること、庭木や雑草が伸びていること、雨漏りや傾きで人が住める状態にないこと、相続人が遠方にいて年に一度も現地へ行っていないこと、相続税を1円も納めていないこと、売り先が個人の買主か買取業者か、仲介で売るか買取で売るか。これらはいずれも要件に入っていません。判定に効くのは、いつ建った家か、区分所有登記かどうか、亡くなった方がどう住んでいたか、相続の後に誰かが使ったか、いつ・いくらで譲渡したか、引渡しまでに耐震改修か取壊しをしたか、そして譲渡した年の翌年に確定申告をしたかどうかです。片付けや草刈りを済ませないと控除が使えない、という順番ではないので、費用をかける前に上のチェックシートへ戻ってください。逆に、室内をきれいにしても、半年貸した事実は消せません。
相続人が 複数いる 場合の 3000万円控除の 条件と、 控除額の 上限

複数人で相続し共有で譲渡した場合、控除は共有者それぞれが使えます。ただし令和6年1月1日以後の譲渡では、相続人が3人以上いるときの1人あたりの控除額が2,000万円に下がります。
相続人が2人以下なら3000万円、3人以上なら2000万円となる控除額上限の比較
相続人の数で変わる1人あたりの控除上限
- 相続人が2人以下3,000万円
- 相続人が3人以上2,000万円
1. 共有で 相続し譲渡した 場合、 控除は 各人が 受ける
兄弟2人が2分の1ずつ共有で相続し、共同で売却したとします。譲渡所得も持分に応じて2分の1ずつに分かれ、それぞれが自分の譲渡所得から控除を受けます。譲渡所得が1人あたり1,500万円なら、2人ともゼロになります。確定申告はそれぞれが自分で行い、添付する書類も人数分が要ります。
2. 相続人が 3人以上の ときの 上限は、 1人2,000万円
令和6年1月1日以後に行う譲渡では、被相続人居住用家屋等を取得した相続人の数が3人以上である場合、各人の控除額は2,000万円が上限になります。3人で3分の1ずつ相続して売却し、1人あたりの譲渡所得が2,500万円だった場合、控除後に500万円が残り、そこに課税されます。
3. 1億円の 判定は、 共有者全員の 合計で 行う
売却代金1億円以下という条件は、1人ずつの持分の金額ではなく、家屋と敷地全体の譲渡対価で判定します。3人で共有していて合計1億2,000万円で売れた場合、1人あたりは4,000万円でも、全員が適用を受けられません。共有物件を持分ごとに時期をずらして売った場合も、合算して判定されます。共有のまま進めるかどうかで迷う場合は「共有持分は自分の持分だけ売却できる」の記事も併せてご覧ください。
4. 数次相続で 相続人が 増えていると、 判定が 複雑に なる
親が亡くなった後に、相続の手続を終える前に兄弟の1人が亡くなると、その配偶者や子が相続人に加わります。人数が増えれば、3人以上という区分に入って控除額が下がることがあります。誰がどの持分で家屋と敷地を取得したかを、遺産分割協議書の記載で確定させてから、譲渡の日程を決めてください。相続人が多い場合の進め方は「数次相続で相続人が多い実家の売却」の記事に整理しています。
5. 併用できる 特例と、 併用できない 特例
この控除は、相続財産を譲渡した場合の取得費加算の特例とは併用できません。どちらか一方を選びます。取得費加算は、相続税を納めた人が、その相続税の一部を取得費に加算できる制度で、相続税の納付額が大きい場合はこちらの方が有利になることもあります。取得費加算で減る額の計算は「相続した家の売却の税金」の記事に例を置いています。
一方、同じ年に自分が住んでいた家を売った場合の3,000万円特別控除とは、合計で3,000万円が限度という制限のもとで併せて適用できる場合があります。住宅ローン控除との関係もあるため、複数の特例が絡む年は、申告の前に税理士へ相談してください。
耐震改修か 取壊しか、 空き家特例が 使えない 場合との 境目
家屋を残して売るなら耐震基準に適合させる必要があり、適合させないなら取り壊して敷地だけを売る必要があります。どちらもしないまま古家付きで売ると、この控除は使えません。
譲渡の翌年2月15日までに買主が取り壊す場合に必要となる契約時の取り決めと書類
買主が取り壊す場合の要件
適用できる期間
譲渡の時から翌年2月15日までに買主が工事
契約時の準備
工事の時期を売買契約書に書き入れておく
必要な書類
期限内に工事が完了したことを証する書類
1. 耐震改修して 売る 場合の 費用と 手間
昭和56年5月31日以前の木造住宅を現行の耐震基準に適合させるには、耐震診断を受け、必要な補強工事を行い、耐震基準適合証明書などの書類を用意します。診断の費用と工事の費用は建物の規模と傷み方で変わり、基礎の補強まで必要になれば金額の桁が上がります。控除で減る税額より工事費が大きくなれば、この道を選ぶ意味はありません。
2. 取り壊して 更地で 売る 場合の 順番
取り壊す場合、譲渡の時までに取壊しを終えていることが基本の形です。解体費用は建物の構造と道路の幅で変わり、重機が入らない敷地では手作業の分が上乗せされます。費用の考え方は「空き家の解体費用はいくらかかるか」の記事に整理しています。更地にすると住宅用地の特例が外れて土地の固定資産税が上がるため、年をまたぐ場合は1月1日の状態に注意してください(地方税法(e-Gov法令検索))。
3. 譲渡の 翌年2月15日までに 取り壊す 場合の 扱い
令和6年1月1日以後の譲渡については、譲渡の時から譲渡の日の属する年の翌年2月15日までの間に、買主が行う場合を含め、耐震改修または取壊しが行われた場合にも適用できる扱いが加わりました。売主さまが引渡しの前に工事を終えていなくても、引渡しの後に行われた工事で要件を満たせる道ができたということです。工事を誰の手配で行うかは、売主さま側で段取りしても、買主側で段取りしても構いません。ただし、その工事が期限内に完了したことを証する書類が必要になるため、契約の段階で工事の時期を書面に残しておく必要があります。
家屋を残して耐震改修する場合と、取り壊して更地で売る場合の費用負担や書類の違い
耐震改修と更地渡しの違い
| 観点 | 耐震改修して売る | 取り壊して更地で売る |
|---|---|---|
| 必要な工事 | 耐震診断と補強工事 | 建物の解体 |
| 用意する書類 | 耐震基準適合証明書など | 解体の契約書と滅失登記 |
| 固定資産税への影響 | 家屋があるため上がらない | 年をまたぐと特例が外れて上がる |
4. 空き家特例が 使えないのは どんな 場合か
ここまでを裏返すと、使えないのは次のような場合です。昭和56年6月1日以後に建てられた家、区分所有登記されたマンション、被相続人が誰かと同居していた家、相続後に貸したり住んだりした家、売却代金が1億円を超えた場合、3年目の年末を過ぎた譲渡、耐震改修も取壊しもしない古家付きの譲渡。それから、相続した時点ですでに建物が無かった土地も対象外です。
5. 使えない 場合に 残る 選択肢
控除が使えないと分かっても、売却そのものができなくなるわけではありません。譲渡所得が小さければ、税額も小さくなります。取得費の資料が残っていないか、家の中の古い書類をもう一度探すだけで、税額が変わることもあります。控除が使えない前提で手取りを計算し直し、それでも持ち続けるより手放した方がよいかを比べてください。持ち続ける場合の年ごとの負担は「空き家の固定資産税を払い続ける損益分岐点」の記事に計算の型があります。
「耐震改修か取壊しか、空き家特例が使えない場合との境目」について、そのまま聞けます。
空き家の 3000万円控除の 条件を 確かめる 手順と、 集める 書類

最初にすることは、登記事項証明書を取って新築年月日と登記の形を見ることです。ここで外れれば、その後の手続はすべて不要になります。
登記の確認から始まり、電気・水道の閉栓や相続登記を経て確定申告に至るまでの流れ
控除を受けるための手続順序
- 1
法務局で登記を確認
登記事項証明書を取り、新築年月日と区分所有の有無を見る。
- 2
市区町村で除票を取得
被相続人の住民票の除票で、住所と入所の有無を確かめる。
- 3
使用中止の記録を保管
電気・ガス・水道の使用中止日を記録として残す。
- 4
法務局で相続登記
買主へ名義を渡す前提として、被相続人から自分へ名義を移す。
1. 登記事項証明書を 取り、 新築年月日と 区分所有の 有無を 見る
法務局の窓口かオンラインで取得できます。表題部の新築年月日が昭和56年5月31日以前かどうか、建物の表示が一棟の建物として登記されているか区分建物として登記されているかを確認します。この2点で判定が終わることが多いので、ほかの書類を集める前にここから始めてください。
2. 被相続人の 住民票の 除票で、 住所と 入所の 有無を 確かめる
相続の開始の直前に被相続人がその家に住んでいたことを示す資料として、住民票の除票を取得します。老人ホーム等に入所していた場合は、入所していた施設の名称と所在地、入所の期間が分かる書類も要ります。介護保険の被保険者証の写しや、施設との契約書が該当します。
3. 電気・ガス・ 水道の 使用中止日を 記録と して 残す
相続後に誰も使っていないことを示す資料として、電気やガスの閉栓の日付、水道の使用中止の届の控えが使われます。使用量が0で推移している検針票も同じ働きをします。相続の直後に処分せず、売却が終わるまで保管しておいてください。遠方の実家で現地に行けない場合の進め方は「遠方の実家を行かずに売却する方法」の記事に書いています。
4. 相続登記を 済ませ、 名義を 自分に 移す
買主へ名義を渡す前提として、被相続人から相続人への移転登記を済ませます。この登記は2024年4月に義務となり、取得を知った日を起点に3年という申請の期限が置かれました(相続登記の申請義務化(法務省))。義務化より前に相続で取得したと知っていた方も対象で、その締切は2027年3月31日です。控除の3年目の年末と登記の締切は、起点も終わりの日も別に数えます。手元のカレンダーには、この2つを別の印で書き込んでください。
5. 市区町村に、 被相続人居住用家屋等確認書を 申請する
確定申告に添付する書類のうち、時間がかかるのがこれです。家屋の所在地の市区町村が発行し、相続の開始の直前に被相続人が一人で住んでいたこと、その後に貸付けや居住に使われていないことを確認したという内容です。申請には、除票、電気や水道の使用状況が分かる資料、家屋の状態を示す写真、売買契約書の写しなどが要ります。発行までの日数は市区町村によって違うため、申告の直前ではなく、売買契約を結んだ段階で窓口に必要書類を聞いてください。
6. 譲渡した年の 翌年に、 確定申告を する
控除は申告して初めて適用されます。譲渡した年の翌年2月16日から3月15日までの期間に、確定申告書に譲渡所得の内訳書を添え、被相続人居住用家屋等確認書、登記事項証明書、売買契約書の写しなどを付けて提出します。税額が0円になる場合でも、申告しなければ適用されません。ここを落として、後から修正できないというご相談が実際にあります。
3年目の 年末と いう 期限から 逆算して、 売却の 日程を 組む
期限は相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日です。この期限の判定に使う譲渡の日は、引渡しの日とするのが原則で、売買契約を結んだ日を譲渡の日として申告することも選べます。契約の日と引渡しの日が年をまたぐ日程になるときは、どちらの日で申告するかによって期限の内か外かが変わりますので、契約を結ぶ前に税務署または税理士にご確認ください。
相続開始から3年目の年末を期限とし、相続登記や解体などの工程を逆算して組む日程
3年目の年末までの売却日程
相続の開始日
期間のカウント開始
3年を経過する日の属する年の12月31日が期限。
売り出し前
相続登記と遺産分割協議
戸籍の収集などを含め、数か月かかることがある。
売り出し〜契約
買い手探し
古い家や条件が悪い家は、さらに時間がかかる。
契約〜引渡し前
解体工事と滅失登記
年末は業者の予定が埋まりやすく、着工待ちになることも。
3年目の12月31日
期限(原則は引渡し日)
間に合わないと適用外に。売買契約日基準の選択も可能。
1. 残り 時間を 月単位で 数える
相続の開始日を起点に、3年を経過する日が属する年の12月31日までの月数を数えます。相続登記が済んでいなければ、戸籍の収集と遺産分割協議に数か月かかります。協議がまとまらない状態で期限の年に入っていれば、間に合わない可能性が高くなります。
2. 仲介で 売る 場合に 見込む 期間
買い手を探すところから始めるため、売り出しから引渡しまでに数か月かかるのが通常です。古い家、駅から遠い家、再建築不可の家では、さらに時間がかかります。反応が無いまま値段を下げていくうちに年末が来る、という進み方になることがあります。媒介契約を結ぶ前に、いつまでに買い手が決まらなければ買取へ切り替えるかという区切りの月を、売主さまの側で先に決めておいてください。
3. 解体を 挟む 場合の 日数
解体を売主側で行う場合、見積り、契約、近隣への挨拶、着工、完了、滅失登記という順に進みます。年末は解体業者の予定が埋まりやすく、着工まで待つことがあります。解体してから引渡しまでの間、更地を何にも使わないことも条件になるため、駐車場に貸すといった判断はしないでください。
4. 買取で 売る 場合の 日数
期限までの残りが短いときに縮められるのは、買い手を探す時間です。当社では現況を拝見してから価格をお伝えするまでが目安30分、そこからご契約までが目安1〜2週間、お引き渡しは早ければ2週間以内で、代金は引渡しと同じ日にお振り込みします。名義が被相続人のままであれば、先に決済日を置き、そこから戸籍の収集と登記に要る日数を司法書士と逆算します。待ち時間が出るのは価格のご提示や契約そのものではなく、戸籍の取り寄せと、抵当権が残っている場合の金融機関とのやり取りの部分です。
5. 年を またぐと、 固定資産税の 負担者も 変わる
1月1日の所有者に、その年の固定資産税が課されます。年内に所有権を移せれば、翌年度分は買主に課されます。更地にして年を越すと住宅用地の特例が外れる分も重なるため、解体の時期と引渡しの時期は一緒に考えてください。
6. 間に 合わないと 分かった ときの 考え方
期限を過ぎた譲渡では、この控除は使えません。ただし、期限を意識して急いだ結果、相場よりかなり安い金額で売ることになれば、控除で減る税額より売却価格の下げ幅の方が大きくなることもあります。控除で減る税額を先に計算し、その金額と、急がずに売った場合の価格差を並べて比べてください。
空き家の 3000万円控除を 使いながら 手取りを 最大に する 進め方

控除が使える前提でも、手取りが最も多くなる売り方は物件によって違います。売却価格、解体費用、控除で減る税額、持ち続けた場合の負担の4つを同じ紙に並べます。
家屋付き、耐震改修、更地渡し、持ち続ける場合の4案で価格や工事費と手取りを比べる
売り方による手取り額の違い
| 進め方の案 | 売却価格 | 見積る費用・負担 | 3000万円控除 |
|---|---|---|---|
| 家屋付きで売る | 古家付きのままの価格 | なし(費用が浮く) | 使えない |
| 耐震改修して売る | 家屋付きの価格 | 耐震診断と補強工事の費用 | 使える |
| 解体して更地で売る | 更地としての価格 | 解体費用 | 使える |
| 持ち続ける | 売却しない | 持ち続けた場合の負担 | 使えない |
1. 取得費の 資料を 探す
購入時の売買契約書、建築請負契約書、領収書のいずれかが残っていれば、実額で取得費を計上できます。概算の取得費で計算するより実額の方が大きくなれば、その差の分だけ譲渡所得が小さくなります。仏壇の引き出し、金庫、貸金庫、古い通帳の袋の中に入っていることがあります。控除で譲渡所得が0円になるなら取得費の額は結果に響きませんが、譲渡所得が3,000万円を超える見込みなら、探す価値があります。
2. 譲渡費用に 何が 入るかを 確かめる
売却のために直接かかった費用が譲渡費用です。仲介で売った場合の仲介手数料、売買契約書の印紙代、建物を取り壊した場合の解体費用と滅失登記の費用などが該当します。空き家の管理のために払っていた草刈り代や、火災保険料は譲渡費用に入りません。譲渡所得の計算からは外れますが、持ち続けた場合との比較には要る数字なので、年ごとの管理費として別に足し上げておいてください。
3. 耐震改修の 見積りと、 解体の 見積りを 同時に 取る
家屋を残す道と壊す道のどちらが有利かは、金額を並べないと決まりません。耐震診断と補強工事の見積り、解体の見積りをそれぞれ取り、さらに家屋付きで売った場合と更地で売った場合の価格差を不動産会社に聞きます。更地の方が高く売れる土地もあれば、古家付きのまま買う相手がいる土地もあります。
4. 現況の まま 買い 取る 相手に 当たってみる
片付けも修繕もせずに引き渡せるなら、その分の費用と時間が浮きます。ただし価格は仲介での成約想定より低くなります。差がどの程度になるかは物件によって変わるので、仲介の査定額と買取価格の両方を出してから比べてください。仲介の査定額は売れた場合の見込みの金額で、買取価格は当社が実際にお支払いする金額です。そのままでは並びませんので、仲介手数料と解体費用、売れるまでの管理費を引いた後の手取りに直してから比べてください。
5. 3年目の 年末が 近いなら、 契約日と 引渡し日を 先に 決める
期限が迫っている場合は、価格の交渉より先に、引渡しの日が期限内に収まるかを確かめます。買主が住宅ローンを使う場合、融資の承認が下りるまで決済日が確定しません。当社は自己資金で買うため融資の特約を付けず、決済日を売主のご都合に合わせて置けます。
6. 申告の 準備を、 売却と 並行して 進める
売買契約を結んだら、市区町村の窓口に被相続人居住用家屋等確認書の申請に要る書類を聞いておきます。引渡しが12月に入る場合、年内に確認書が出ないことも起こりますが、申告は翌年の2月16日からなので、そこまでに間に合えば問題ありません。ただし、資料が足りず追加で取り寄せる事態になると、申告期限に間に合わないおそれがあります。
なお、この記事の税務・法務に関する記載は一般的な情報提供であり、個別の事案についての判断ではありません。適用の可否や具体的な税額については、税務署または税理士、登記については司法書士、境界や隣地との権利関係については弁護士や土地家屋調査士など、それぞれの専門家にご確認ください。当社は不動産の買主であり、税務や法律の代理はできません。
「空き家の3000万円控除を使いながら手取りを最大にする進め方」について、そのまま聞けます。
3000万円控除の 条件を 満たす形で、 当社が 空き家を 買い取る 場合
当社は買主として直接買い取ります。この制度が絡む物件でお伺いするのは、耐震改修と取壊しのどちらを、誰が、いつまでに行う形にするかです。ここが決まらないと、価格も決済日も出せません。
取引態様:買主(当社が自ら買い取ります)/媒介(当社で買い取れない物件は、仲介で売却をお手伝いします)
当社が直接買い取るのは、現況のまま再販の見込みが立つ物件か、引渡し後に当社の手配で取り壊せる物件です。それに当たらない物件は媒介でのお手伝いになり、その場合は法の上限の範囲で仲介手数料がかかります。
登記上の新築年月日や相続開始日、取壊しの負担など、買取の段取りを組むための前提
買取査定の前に確かめること
建築時期と登記の形
控除の対象外なら価格と決済日だけの話になる
相続の開始日
3年目の年末までの日数で日程の置き方が変わる
取壊しの負担と時期
引渡し前後どちらで解体するかで必要書類が違う
先に 確かめる 3つ
登記事項証明書の新築年月日と、区分所有登記かどうかを最初に見ます。ここで外れる物件では、控除を前提にした段取りを組む意味が無くなり、価格と決済日だけの話に切り替わるためです。
次に、相続の開始日を伺います。3年目の年末までの残り日数で、契約から決済までの日程の置き方が変わるからです。残りが3か月を切っている場合、相続登記が未了なら、司法書士に先に戸籍の収集の見込み日数を確認したうえでないと、期限内の引渡しをお約束できません。
3つ目が、取壊しの負担と時期です。売主さまが引渡し前に解体して更地でお引き渡しになる形と、当社が引き渡しを受けた後に取り壊す形では、費用の負担先と、控除の要件を満たすために要る書類が違います。後者を選ぶ場合、令和6年1月1日以後の譲渡についての扱いに沿って、譲渡の日の属する年の翌年2月15日までに工事を終える旨と、完了したことを証する書類をお渡しする旨を、売買契約書に書き入れます。この段取りは契約前に決めておかないと、後から追加できません。
価格と 日程の 出し方
価格のご提示までは目安30分、ご契約までは目安1〜2週間、お引き渡しは早ければ2週間以内で、引渡しと同日にご入金します。買主が当社ですので、仲介手数料はいただきません。売主さま側から出ていくのは、売買契約書に貼る印紙代、抵当権が残っていればその抹消の登記費用、登記簿の住所が現住所と違えば住所変更の登記費用、そして相続した物件では相続登記の費用です。いくらになるかは、登記の状態と相続人の人数で変わります。
お手元からお出しいただくのは、権利証(登記識別情報)、ご本人さまを確認できるもの、印鑑証明書、固定資産税の通知書が基本の組み合わせです。相続で取得された物件では、これに戸籍関係の書類が加わります。何をそろえるかは案件ごとに違いますので、ご相談の際に一覧をお渡しします。現地へ足を運べない遠方の売主さまには、鍵をお送りいただき、当社の担当だけで室内を確認する進め方もあります。対応エリアは全国(47都道府県)です。
過去には、千葉県市川市の築30年以上の空き家の戸建てを400万円台で、東京都東大和市の築40年以上で再建築不可の空き家の戸建てを100万円台で買い取り、販売まで終えています。
売主が引渡し前に解体する場合と、引渡し後に当社が解体する場合の費用負担の違い
取壊し時期と費用の負担先
| 観点 | 引渡し前に売主が解体 | 引渡し後に当社が解体 |
|---|---|---|
| 解体費用の負担先 | 売主さま | 当社(買主) |
| 工事の期限 | 譲渡の時まで | 譲渡の翌年2月15日まで |
| 売買契約書への記載 | 不要 | 期限内の工事完了と書類の受け渡し |
当社が 買い取れない 場合と、 仲介の 方が 向く 場合
上に加えて、この制度が絡む物件では次のような場合にお引き受けできません。引渡し後に当社が取り壊す形をご希望でも、建物にアスベストの使用が疑われ、調査と除去の費用が土地の値を上回る見込みのときは、価格を下げてもお受けできません。取壊しを翌年2月15日までに終える約束ができないためです。敷地に土壌汚染のおそれがあり、調査の結果が出るまで再販の可否が決まらない物件も同じです。
仲介の方が手取りが多くなる条件もあります。3年目の年末まで1年以上あり、建物が住める状態で、駅から徒歩圏にある家は、時間をかけて買い手を探した方が成約価格が高くなることが多く、控除で譲渡所得がどのみち0円になるなら、価格差がそのまま手取りの差になります。この場合、当社は媒介でお手伝いすることもあり、その場合は法の上限の範囲で仲介手数料がかかります。
また、耐震改修の見積りが控除で減る税額より小さく、改修後に住宅として売れる見込みが立つ物件では、当社に買取を依頼するより、改修して仲介で売る方が手取りが大きくなります。この見極めは、耐震診断と補強工事の見積り、改修後の売出価格の見込み、売れるまでにかかる月数の3つがそろってからでないとできませんので、見積りが出る前に買取でお決めにならないでください。
なお、当社がどのような立場で不動産を扱っているかは運営者情報に記載しています。免許番号もそちらでご確認いただけます。
「3000万円控除の条件を満たす形で、当社が空き家を買い取る場合」について、そのまま聞けます。
空き家の 3000万円控除の 条件で、 先に 確かめる 3つ
- 入口は建築時期と登記の形です。 昭和56年5月31日以前の建築であること、区分所有登記されていないことを、登記事項証明書の表題部で確かめてください。ここで外れれば、他の条件を調べる必要はありません。
- 相続後に貸した・住んだ期間があると外れます。 期間の長短や賃料の有無は問われません。更地にしてから駐車場として貸した場合も対象外になるため、売却が決まるまで何にも使わないでください。
- 期限は相続の開始から3年目の年末で、申告が要ります。 相続人が3人以上なら、令和6年1月1日以後の譲渡は1人あたり2,000万円が上限です。市区町村の被相続人居住用家屋等確認書は発行に日数がかかるので、契約の段階で必要書類を窓口に聞いてください。
耐震改修も解体もせず、残置物が残ったままの状態で買い取ります。引渡し後に当社が取り壊す形にする場合は、工事の時期と書類の受け渡しを売買契約書に書き入れますが、その段取りは契約の前でないと組めません。
通話料無料・全国対応
時間外と定休日のお電話も担当の携帯に転送されるので、直接責任者につながります。
この先は、当社の買取窓口「買取くん」のページです(運営は同じ株式会社リアテクスです)。
空き家の 3000万円控除の 条件に ついて、 よく ある 質問
Q1. 住んでいない 家でも 3000万円特別控除は 受けられますか
相続した空き家についての制度なので、相続人が住んでいないことがむしろ条件になります。ただし、亡くなった方が相続の直前に一人で住んでいたことが必要です。自分がもともと所有していて、誰も住まなくなった家を売る場合は、この制度ではなく、マイホームを売ったときの3,000万円特別控除の方を見ます。 そちらは住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までの譲渡という期限で、要件の並びが違います。
Q2. 空き家を 3年放置しても よいですか
税の面では、相続の開始から3年を経過する日の属する年の12月31日という期限があるため、3年ぎりぎりまで置いておくと売却の手続が間に合わなくなります。それとは別に、状態が悪くなれば市区町村から助言や指導、勧告が来ます。 勧告を受けたまま1月1日を迎えると住宅用地の特例が外れ、土地の固定資産税が上がります。近隣からの連絡や、台風の後の破損をきっかけに市区町村の担当者が現地を見に来る、という順で進むことが多いです。
Q3. 空き家特例が 使えないのは、 どんな 場合ですか
昭和56年6月1日以後に建てられた家、区分所有登記された建物、被相続人が誰かと同居していた家、相続後に貸したり住んだり事業に使ったりした家、売却代金が1億円を超えた場合、期限を過ぎた譲渡、耐震改修も取壊しもしていない古家付きの譲渡です。相続した時点で建物が無く、更地だった土地も対象外です。 これらは主な場合であり、細かい要件は国税庁のページと税務署でご確認ください。
Q4. 家を タダであげると 言ったら、 贈与税は かかりますか
個人から個人へ無償で不動産を渡せば、受け取った側に贈与税がかかるのが原則で、評価の基準は相続税評価額です。空き家だから価値が無い、という理由で贈与税がかからなくなるわけではありません。 渡す相手が法人の場合は、渡した側に時価で譲渡したものとみなす課税が生じることもあります。無償で渡す場合でも、名義を移すための登記費用を誰が負担するか、翌年以降の固定資産税を誰が払うかは、渡す前に書面で決めておいてください。
Q5. 相続人が 3人います。 控除額は いくらに なりますか
令和6年1月1日以後の譲渡では、被相続人居住用家屋等を取得した相続人が3人以上いる場合、各人の控除額の上限は2,000万円です。3人で3分の1ずつ相続して売却し、1人あたりの譲渡所得が2,500万円なら、控除後に500万円が残ります。売却代金1億円以下という判定は、持分ごとではなく全体の譲渡対価で行います。 人数と持分を確定させてから、譲渡の日程を決めてください。
Q6. この 控除を 受ける ための 手続と、 集める 書類を 教えてください
譲渡した年の翌年2月16日から3月15日までに確定申告をします。添付するのは、譲渡所得の内訳書、売買契約書の写し、登記事項証明書、そして家屋の所在地の市区町村が発行する被相続人居住用家屋等確認書です。確認書の申請には、被相続人の住民票の除票、電気や水道の使用状況が分かる資料、家屋の写真などが要ります。 発行までの日数は市区町村で違うため、売買契約を結んだ段階で窓口に確認してください。
当社の 見方
ご相談をいただく時点で、すでに条件から外れている物件が一定の割合であります。多いのは、相続の後に短期間だけ人に貸した家と、建築が昭和56年6月以後だった家です。登記事項証明書を1通取れば、後者はその場で分かります。売却の話を始める前に、まずこの1通をお手元に置いていただくのが早道です。
もう1つよくあるのが、3年目の年末が数か月後に迫ってから動き始めるご相談です。相続登記が済んでいれば日程を合わせられることもありますが、戸籍の収集からとなると、期限に間に合わないことがあります。間に合わない場合、控除で減るはずだった税額と、急がずに売った場合に見込める価格差を並べて、どちらが手取りで多いかを一緒に見ていただきます。金額によっては、期限を諦めて時間をかける方がよいという結論になることもあります。当社がお出しできるのは買取の価格と日程で、税額の判断は税務署か税理士の領分です。
この記事について
出典(6件・に確認)
更新履歴
- 第1版公開
このテーマの全体像
あわせて読む
関連する記事はまだありません。
編集部のおすすめ
現在は指定がありません。
ほかの記事
新着記事
現在は指定がありません。

