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空き家のゆくえ買取くん

再建築不可

旗竿地が売れない理由と価格|再建築不可の買取47件

公開 更新

執筆
株式会社リアテクス リアテクス編集部
監修
株式会社リアテクス 執行役員 鶴野 博之(宅地建物取引士(東京)第257503号)
旗竿地が売れない理由と価格|再建築不可の買取47件

「実家が旗竿地で、仲介に出しても半年以上問い合わせが来ない」。旗竿地が売れない原因は値段ではなく、路地部分の幅が実測で2メートルあるか、路地の所有関係が単独か共有か、そして重機と生活動線が通るかの3点にあります。路地が2メートルに届かず再建築不可になる場合の価格の手がかりとして、当社が買い取った再建築不可の物件47件で最も多い価格帯は300万円台でした(当社の買取記録の集計)。

当社は旗竿地を買主として直接買い取り、建て替えできない前提の金額を出します。通行や掘削の承諾が得られない路地に接する土地は、価格を下げてもお引き受けできません。この土地が買い取れるかどうかだけ、先に聞く(無料)

目次(6章)

先にこの土地の買取価格のめどだけ知りたい方へ。

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この先は当社の買取窓口「買取くん」です。

旗竿地が売れない原因は、建物の古さではなく、道路に接している部分の幅と、そこから敷地までの長さにあります。この2つの数字が、住宅ローンが使えるか、重機が入るか、建て替えができるかを同時に決めます。だから価格を下げても、反応が変わりません。価格の手がかりとして、当社が買い取り販売まで決済が済んだ再建築不可の物件は47件あり、最も多い価格帯は300万円台です(出典:再建築不可の買取記録47件の集計)。

旗竿地が売れない理由の要点を、定義・この記事でわかること・よくある質問の順に短くまとめた動画です。

旗竿地が売れないと言われる理由は間口と路地にある

住宅街の細い路地の入り口で、家族が巻尺を持って地面の幅を測っている

旗竿地とはどういう形の土地か

旗竿地は、道路から細い通路(路地状部分・竿の部分)が伸び、その奥に敷地の本体(旗の部分)が広がる形の土地です。公図で見ると、細長い長方形の先に四角い区画がつながった形に見えます。分譲の際に間口の広い土地を奥まで使い切るために生まれた形で、住宅地では珍しくありません。値段が付かない土地というわけではありません。条件の組み合わせで、一般の買主が買える土地と、事業者しか買えない土地に分かれます。

路地と旗でできた土地に共通する3つの性質。1つ目は、敷地の一部が建物を置けない通路として固定されることです。路地状部分も敷地面積に算入されるので、建ぺい率や容積率の計算上は面積が大きく見えます。しかしその部分に家は建たず、庭にも駐車場にも使いにくいまま残ります。

2つ目は、接道の条件が一点の数字で決まることです。建築基準法第43条第1項が求める2メートルは、敷地のどこかで満たせばよいというものではありません。路地の最も狭い箇所で判定されるため、塀1枚やメーターボックス1つの張り出しで可否が入れ替わります。

3つ目は、同じ面積の整形地と比べて、工事と日常の両方で費用と手間が増えることです。重機が入らなければ、解体費と新築費が上がります。普通車が通らなければ駐車場を借りる前提になるため、買主はその差額を土地代から引いて考えます。

接道義務は「幅員4メートル以上の道路に2メートル以上」

建築基準法第43条第1項は、建築物の敷地は道路に2メートル以上接しなければならないと定めています。ここでいう道路は、原則として幅員4メートル以上のものです(建築基準法(e-Gov法令検索))。旗竿地の場合、この2メートルを測る場所が路地状部分の入口になります。

問題は、この2メートルが入口だけ足りていても意味がないという点です。路地の途中でブロック塀や隣家の基礎が張り出して幅が1.8メートルになっていれば、有効幅員はその最も狭い箇所で判定されます。 判定に使うのは登記簿の地積や古い測量図の数字ではなく、実際に巻尺を当てて測った値です。

さらに、自治体の条例で上乗せがある地域があります。たとえば東京都建築安全条例第3条は、敷地の路地状部分の長さに応じて必要な接道の幅を定めています。長さが20メートルを超える場合は、3メートル以上を求めています。建物の用途や階数によって条件が変わる場合もあるため、路地の長さが10メートルを超える旗竿地では、法律の2メートルだけを見て安心できません。お住まいの自治体の建築基準条例で、同じ趣旨の条文を確かめてください。

旗竿地に共通する主な性質

  • 土地の使い道

    路地部分は面積に入っても家は建たず、庭や駐車場にも使いにくい

  • 接道条件の判定

    路地の最も狭い箇所で決まるため、塀やメーターボックスの有無で可否が変わる

  • 費用と手間の増加

    重機や車が入らないと、解体・新築費が上がり駐車場を借りる前提になる

旗竿地にはどのような特徴がありますか?

通路部分の使いにくさ、接道判定の厳しさ、費用の増加という3つの性質があります。

  • 面積が広くても通路には家が建たない
  • 最も狭い箇所の幅で接道条件が決まる
  • 重機や車が入らず工事費や駐車場代が増える

買主が減るのは、融資・工事費・生活動線の3つが同時に効くから

仲介で問い合わせが来ない旗竿地には、だいたい共通した事情があります。

まず資金です。再建築ができない土地は担保としての評価が低いため、多くの金融機関で住宅ローンの対象から外れます。現金で買える人か、金利の高いノンバンクの融資を使える人しか買主になれず、この時点で候補者の数が大きく減ります。

次に工事費です。路地が狭いと、解体でも新築でも重機とダンプが敷地に入りません。手作業での解体、小型車両への積み替え、資材の人力搬入が必要になるため、同じ規模の整形地より費用が上がります。買主はその増加分を土地代から差し引いて考えるため、売出価格との差が開きます。

3つ目は生活動線です。車を停める位置、自転車の出し入れ、日当たり、宅配や救急車の寄り付きを、内覧に来た人はその場で確かめます。路地に軽自動車1台が収まらないと分かった時点で、検討から外れることがあります。

「売れない」の中身を分けて見る

状態起きていること
問い合わせが来ない価格ではなく、融資が使えない条件が公開情報に出ている
内覧はあるが決まらない路地の幅・駐車・日照など、現地で見える条件が理由
契約後に白紙になる買主の融資不成立、または調査で建築不可が判明した

同じ「売れない」でも対処は違います。1行目のように問い合わせが来ない状態では、価格を下げても動きません。2行目は現地で見える条件なので、境界標の設置や路地の障害物の撤去で改善する余地があります。3行目は、契約の前に窓口で建築の可否を確定させておけば防げます。条件の良い中古住宅が同じ地域に並ぶ状況では、条件の弱さは価格より先に効きます。

「旗竿地が売れないと言われる理由は間口と路地にある」について、そのまま聞けます。

旗竿地が売れないかどうかを分ける5つの条件

居間のテーブルで、夫婦が書類を1枚広げて話し合っている

同じ旗竿地でも、次の5つのどこに当てはまるかで、買える相手と金額が変わります。

1. 路地の有効幅が2メートル以上あるか

まず巻尺を持って、路地状部分の入口・中間・奥の3か所を測ります。塀や門柱、隣家の犬走り、雨樋、エアコンの室外機など、地面に出ている物の内側から内側までを有効幅として記録します。

3か所すべてで2メートルを確保できていれば、建築基準法の接道の要件そのものは満たします。建物を解体して新築する道が残るため、一般の買主にも売れる可能性があります。逆に1.9メートルしかないと、条例以前の段階で建て替えができません。 ただし、隣地から数十センチを買い足す、あるいは塀を撤去して有効幅を戻すことで解消する例もあるので、何センチ足りないのかを先に測ってください。

2. 路地の所有関係が、単独か共有か持分なしか

登記簿と公図で路地状部分の名義を確認すると、所有の形は次の3つに分かれます。

  • 自分の土地の一部として単独所有:最も動かしやすい形で、通行も掘削も自分の判断でできます
  • 複数の宅地で共有:持分はあるものの、路地を掘って給排水管を引き直すときに他の共有者の承諾を求められることがあります
  • 他人名義の私道に接している(持分なし):通行の承諾書と掘削の承諾書が無いと、買主は水道工事の見通しが立ちません

3つ目が最も価格に響くのは、給排水管の老朽化が築40年を超えると現実の問題になり、道路を掘れないと家そのものが使えなくなるからです。承諾書は口頭ではなく書面で、かつ将来の所有者にも効力が及ぶ文言が要ります。

路地の所有形態と権利の違い

所有形態通行の扱い掘削の扱い
単独所有自分の判断で可能自分の判断で可能
共有持分あり他の共有者の承諾が必要な場合あり
持分なし(他人名義)書面での承諾書が必要書面での承諾書が必要

3. 重機と車が入るか

路地幅2メートルは、軽自動車(車幅1.48メートル以下)がぎりぎり通る寸法です。普通車は通らず、ミラーを畳んでも乗り降りのために両側の余裕が要ります。

工事の面では、路地幅2メートルで長さが15メートルあると、小型のバックホウは入ります。ただし、解体した廃材を積むダンプは道路上に停める必要があります。交通量の多い道路に面していれば、ガードマンの配置や道路使用許可の費用が加わります。同じ延床面積の家でも、旗竿地の解体費が整形地より高くなるのは、この積み替えと人力搬出の分です。 金額の出方は「空き家の解体費用はいくらかかるか」の記事に項目別で書いています。

4. 旗の部分の形と広さが、建物を置ける形か

路地の条件がよくても、旗の部分が三角形に近い、あるいは有効宅地が15坪しかないという場合、建てられる建物の形が限られます。

ここで効くのが建ぺい率の計算で、路地状部分も敷地面積に算入されるため書類上の面積は大きく見えます。敷地全体が100平方メートル、路地が幅2メートル×長さ20メートルの40平方メートルだとします。この場合、旗の部分は60平方メートルしか残りません。建ぺい率60%なら計算上の建築面積の上限は60平方メートルです。ただし旗の部分と同じ広さなので、そこいっぱいに建てることはできません。隣地境界との隙間、基礎工事の足場、採光と通風を差し引くと、実際に置ける建物はさらに小さくなります。書類上の敷地面積と、建物を置ける面積は一致しません。

5. 隣地の所有者が買い足しの意向を持っているか

旗竿地の価値が最も上がる相手は、隣の土地の所有者です。旗の部分が隣地と一体になれば整形地に近づき、路地は駐車場や通路として使えます。

隣地所有者が高齢で建て替えの予定がない場合は動きません。賃貸アパートを建てている、駐車場が足りない、あるいは相続が近いという事情があれば、当社の提示額より高い金額になることがあります。打診する前に相場の見当を付けておきたい場合、周辺で実際に成約した価格は国土交通省の不動産情報ライブラリで地域を絞って調べられます。声をかける順番として、業者に相談する前に隣家へ打診する価値はあります。

「旗竿地が売れないかどうかを分ける5つの条件」について、そのまま聞けます。

旗竿地が売れない状態から抜ける7つの手順

親子が障害物の位置を指差しながら確認している(庭先のブロック塀のそばで)

窓口で確認する主な項目

  • 前面道路の種別

    42条の道路か、道路でない通路かを確認し、接道義務の前提を確かめる

  • 条例の上乗せ基準

    路地の長さに応じて、自治体が独自に求める幅の基準があるかを聞く

  • 43条2項の認定・許可

    接道を満たさなくても、特例で建て替えが認められる余地があるかを探る

先に工事や片づけをすると費用だけが出ていくので、実測と窓口確認から始めて、お金の要る作業を後ろへ回してください。

1. 路地の3か所を実測し、写真に残す

入口・中間・奥の幅を測り、それぞれの位置が分かるように写真を撮ります。障害物があれば、何が張り出しているかも記録します。この3つの数字が、以降のすべての判断の材料になります。

測った結果が2メートルを下回っていても、その時点で結論は出ません。塀が自分の敷地内に立っているなら、撤去すれば戻ります。隣地の構造物の越境なら、協議の対象になります。何センチ足りず、それが誰の所有物によるものかを切り分けてください。

2. 建築の可否を、窓口で3項目確認する

物件所在地の市区町村の建築主管課(建築指導課・建築審査課などの名称)に、次の3つを電話で聞きます。

聞く項目確認したい内容
前面道路の種別42条1項1号か、2項道路か、そもそも道路でないか
条例の上乗せ路地状部分の長さに応じて必要な幅はいくつか
43条2項の余地認定または許可の対象になり得るか、包括同意基準はあるか

道路でない通路(いわゆる位置指定のない通路)に接している場合、接道義務を満たさないため原則として建て替えができません。ただし建築基準法第43条第2項には、特定行政庁が交通上・安全上・防火上・衛生上支障がないと認めた場合の認定、または建築審査会の同意を得た許可の仕組みがあります。自治体ごとに包括同意基準が公表されていることもあります。この確認をしないまま「再建築不可」と決めつけて安く手放すのが、いちばん損をする形です。 判断の枠組みは「再建築不可物件はなぜ売りにくいのか」の記事にまとめています。

3. 登記と公図で、路地の権利をそろえる

法務局で土地の登記事項証明書と公図を取ります。路地状部分が別筆になっている場合はその筆の分もそろえると、共有なら持分割合、他人名義なら所有者の氏名まで分かります。

名義が亡くなった方のままであれば、売る前に動かしておく必要があります。2024年4月1日以降は、相続で不動産を取得したと知った日から3年のうちに相続登記を申請する義務があります。旗竿地を親の名義のまま置いている場合も対象です。施行日より前に相続を知っていた不動産についても義務は及び、その期限は2027年3月31日です(相続登記の申請義務化について(法務省))。相続人が多い場合の進め方は「数次相続で相続人が多い実家の売却」の記事にあります。

売れない状態から抜ける手順

  1. 1

    実測と写真記録

    入口・中間・奥の幅を測り、何が足りないかを切り分ける

  2. 2

    窓口での確認

    道路種別や条例、43条2項の余地を電話で聞く

  3. 3

    権利と承諾書の確認

    登記と公図を調べ、通行や掘削の承諾書を確かめる

  4. 4

    価格の比較

    2つの価格を並べて、手取り額で比べる

  5. 5

    売り方の決定

    費用が出る工事や片づけは後回しにして売り方を選ぶ

手順4:通行・掘削の承諾書の有無を確かめる。他人名義の私道を通って出入りしている場合、承諾書が過去に交わされていないかを探します。売買契約書のつづり、親が保管していた封筒、以前の仲介会社の資料に挟まっていることがあります。

無い場合は、今から取得できるかどうかが分かれ目です。関係が良好なら書面を作れますが、代替わりして面識がない、過去に境界で揉めたという状況では、時間がかかるか、そもそも取れません。取れないという結果も、早く分かるほど次の判断に移れます。 書面の作成は司法書士や弁護士の領域で、当社が代わって交渉することはできません。

4. 2つの価格を並べて、手取りで比べる(手順5)

ここまでの材料がそろったら、仲介での成約想定額と買取の提示額を並べ、売値ではなく手元に残る金額で比べます。

仲介側から引くのは、仲介手数料、測量費、残置物の処分費、そして売れるまでの保有費用です。旗竿地は一般の買主が付くまでの期間が読みにくいため、1年分ではなく2年分で計算しておくと実態に近づきます。固定資産税、火災保険、草刈り、遠方であれば交通費まで合計します。それを想定成約価格から引いた額が、仲介の手取りの見込みになります。

買取側から引くのは、登記の実費と売買契約書の印紙代、抵当権が残っていればその抹消費用だけです。片方は見込み、片方は提示された時点で確定した額なので、同じ列に並べるときはその違いを書き添えてください。

5. 売り方を4つ並べて、どれを先に試すか決める(手順6)

売り方は次の4つです。どれを先に試すかで、手取りが変わります。

  • 仲介で一般の買主を探す:路地の3か所すべてで2メートル以上あり、建築主管課で建て替えができると確認できた場合に成り立ちます。手数料と保有費用を引いても手取りが買取を上回ることがあります。ただし、買主の融資が通らずに契約が白紙になる余地は残ります
  • 隣地や背後の土地の所有者に打診する:旗の部分が隣地と一体になれば整形地に近づくため、当社の提示額を上回る金額が出ることもあります。決めるのは相手の資金と時期なので、期限を切らずに聞くほうが進みます
  • 買取業者に現況のまま売る:建て替えができない前提の金額になります。そのかわり残置物の処分や測量を条件にされず、決済日を先に決められます
  • 幅と権利を直してから売り方を決め直す:隣地から数十センチを買い足す、越境した塀を撤去する、通行と掘削の承諾書を書面で取る、という整理を先に行います。片付けば1つ目の道に戻れます

仲介と隣家への打診を先に試しても、買取の提示額は後から同じ条件で出せます。ただし長く売り出した履歴が残ると、一般の買主の警戒が強まります。売出期間は最初に区切っておくほうが動きやすくなります。

4つの売却方法のどれから始めるかは、手順1と2で得た数字で決まります。路地の3か所が2メートル以上あり、窓口で建て替えができると回答を得たなら、仲介から始めます。足りないのが数十センチで、原因が自分の塀か隣地の越境なら、先に幅を直す道を検討します。43条2項の対象にもならず、承諾書も取れないと分かった場合は、仲介に時間をかけるほど保有費用が積み上がるため、隣地への打診と買取の比較に進みます。仲介を試すときは、専任媒介契約の有効期間が3か月を超えられないこと(宅地建物取引業法第34条の2第3項)を使い、1回目の契約期間が終わる時点を見直しの期限にしてください。

6. 引き渡しまでの4つの条件を詰める(手順7)

引き渡しまでに落とさない点は、次の4つです。

  • 接道と建て替えの可否を伏せない:再建築ができない、路地幅が2メートル未満、私道に持分がないといった事実は契約書と告知書に書きます。伏せて引き渡すと契約不適合責任を問われ、代金の減額や契約の解除に発展します
  • 解体を先に決めない:建物を壊すと住宅用地としての課税標準の軽減が外れます。再建築ができない土地では、更地のまま次の建物が建てられません。解体は買主が決めた用途に合わせるほうが、費用の行き先がはっきりします
  • 境界標と越境を先に確認する:境界標が無い、隣家の庇や塀が越えている状態で引き渡すと、後から測量費や撤去費の負担を求められることがあります
  • 売った翌年の申告を計算に入れる:譲渡所得の申告は売却の翌年です。取得費が分かる資料が無い場合の扱いは事案ごとに違うため、手取りを計算する段階で税務署または税理士に確認してください

買取の契約では、売主が契約不適合責任を負わない特約を付けることが多くあります。ただしこの特約にも注意点があり、売主が知りながら告げなかった事実については、特約があっても責任を免れません(民法第572条)。路地の幅が足りない、承諾書が取れていない、塀が越境していると分かっているなら、免責の特約に頼らず告知書に書いてください。書いてあれば、その事実を前提にした金額で契約が成り立ちます。

なお、この記事の税務・法務に関する記載は一般的な情報提供であり、個別の事案についての判断ではありません。適用の可否や具体的な税額については、税務署または税理士にご確認ください。登記については司法書士、境界や隣地との権利関係については弁護士や土地家屋調査士が窓口になります。当社は不動産の買主であり、税務や法律の代理はできません。

「旗竿地が売れない状態から抜ける7つの手順」について、そのまま聞けます。

当社が旗竿地を買う条件と、買えない場合

取引態様:買主(当社が自ら買い取ります)/媒介(当社で買い取れない物件は、仲介で売却をお手伝いします)

現地で測る箇所と、金額が決まるまで

第1に測るのは路地です。 入口・中間・奥の幅、路地の全長、勾配、路面の仕上げ、側溝の位置を確認して、有効幅を確定させます。塀や樹木で狭くなっている箇所については、撤去できるものかどうかも見ます。

第2に見るのは搬出入の経路で、 前面道路の幅と一方通行の有無、電柱やカーブミラーの位置、道路上に作業車を停められるかを確かめます。解体を前提にする場合、この条件が費用を大きく動かします。

第3は旗の部分と建物で、 有効宅地の形、隣地との高低差と擁壁、越境物、境界標の有無、建物の傾きと雨漏り、残置物の量を見ます。給排水管とガス管がどこから引かれているかも、路地の下を掘る必要があるかどうかに関わります。

第4は書面での提示で、 金額に加えて引渡し時期、残置物をどちらが処分するか、契約不適合責任の扱い、決済日を書いてお渡しします。持ち帰って比べていただく前提なので、その場での返答は求めません。当社は自己資金で購入するため、融資利用の特約も付きません。

買取価格が下がる主な内訳

  • 工事費の増加

    路地が狭く人力作業が増えるほど、小運搬や積み替えの手間が費用に直結する

  • 再販先の狭さ

    建て替え不可だと現金購入者に限られ、売れるまでの期間が長くなる

  • 権利の未確定

    通行承諾や境界標がないなど、調査で解決できない事情は価格で吸収される

  • 保有中の費用

    再販までに積み上がる固定資産税や火災保険、管理費が差し引かれる

現地確認から金額提示まで

  1. 第1段階

    路地の有効幅を確定

    幅や勾配を測り、塀など障害物の撤去可否を確かめる

  2. 第2段階

    搬出入経路の確認

    前面道路の幅や作業車の駐車可否から解体費用を見積もる

  3. 第3段階

    敷地本体と建物の調査

    高低差や越境物、残置物の量、配管経路と掘削の要否を見る

  4. 第4段階

    書面での条件提示

    金額や引渡し時期を記載。持ち帰って比較するため即答は不要

価格が下がる分の内訳

旗竿地の買取価格が、同じ面積の整形地より低くなる理由は次の4つです。

  • 工事費の増加分:路地が狭いほど解体も新築も人力の割合が増え、小運搬と積み替えの手間がそのまま費用になります
  • 再販先の狭さ:建て替えができない土地は次に買う人も現金で買える人に限られ、買主の数が少ないほど当社が抱える期間は長くなります
  • 権利の未確定分:通行・掘削の承諾が書面で無い、境界標が無い、越境が未解消といった事情のうち、調査で消せない部分は価格で吸収します
  • 保有中の費用:固定資産税と火災保険、草刈りや通水などの管理費が、再販までの月数だけ積み上がります

3つ目が大きいほど、下げ幅も大きくなります。 逆に、承諾書がそろっている、境界標が全点ある、路地幅が実測2メートル以上ある、といった条件が確認できれば、その分は価格に戻ります。査定額の高さだけで選ぶと後から下がる例については「不動産買取の査定額が高い理由」の記事に書きました。

当社が買う旗竿地と、買わない旗竿地

路地幅1.5メートル、残置物あり、測量なしの現況でも買います。右の列に当たる場合は、価格を下げても解決しない条件なので、金額を出さずにお断りしています。

確認する点買う買わない
通路の権利通行と掘削が自分の判断でできる、または承諾が書面で取れる他人名義の私道が唯一の通路で、通行・掘削の承諾が得られる見込みがない
売主と共有者相続人・共有者が確定し、全員と連絡が取れる相続人や共有者の一部と連絡が取れず売主が確定していない、または路地部分の共有者と紛争が進行中
境界境界標が無い・越境があっても、協議で整理できる隣地と境界の係争中で、越境の解消の目処が立たない

右の列の整理を決めるのは司法書士・弁護士・土地家屋調査士で、当社が代われる部分はありません。共有者の同意が取れない場合に持分だけを売る選択肢は「共有持分は自分の持分だけ売却できる」の記事に整理しました。

当社に売らない方がよい場合

次の場合は、当社に売るより手取りが残ることがあります。隣地の所有者が取得の意向を示しているときは、一体化による価値の上がり方が当社の評価を超えることがあります。路地幅が実測2メートル以上あり、建築主管課で建て替え可能と確認できたときは、仲介で時間をかける道が残ります。手数料を引いても、手取りが上回る可能性があります。建物がまだ使え、賃貸の需要がある立地なら、貸しながら次の相続まで持つ判断も成り立ちます。

当社に相談しないほうがよいケースは「リアテクスに買取を頼むデメリット」の記事にまとめました。

「当社が旗竿地を買う条件と、買えない場合」について、そのまま聞けます。

旗竿地が売れない状態を動かすのは実測値

  • 先に出す数字は、路地の入口・中間・奥の3か所の幅です。 登記の地積でも、古い測量図の数字でもありません。判定に使うのは、この3つのうち最も小さい値です。それが2メートルを超えているかどうかで、建て替えができる土地か、現金で買える相手に限られる土地かが分かれます。
  • 窓口で聞く項目は3つです。 前面道路の種別、条例で上乗せされている路地幅の基準、そして建築基準法第43条第2項の認定・許可の余地。電話で答えが返る内容です。ここを確認せずに「再建築不可」と決めて安く手放すと、戻せません。
  • 通行と掘削の承諾書が、価格の下げ幅を決めます。 他人名義の私道を通って出入りしている場合、書面が無いと給排水の更新ができず、次の買主が付きません。探して見つからなければ、取得できるかどうかを早めに確かめてください。

路地が狭い土地も残置物のある家も、当社は現況のまま買い取ります。片づけや測量は条件にしません。そのかわり価格は仲介での成約想定額より低く、通行の権利が確保できない土地はお引き受けできません。

査定は無料・売却の義務なし
0120-996-748受付時間10:00〜19:00(水・日曜定休)

通話料無料・全国対応

この先は、当社の買取窓口「買取くん」のページです(運営は同じ株式会社リアテクスです)。

旗竿地が売れないことについての質問

Q1. 路地の幅が1.8メートルしかありません。建て替えはあきらめるしかありませんか

その1.8メートルが何によって狭くなっているかで変わります。自分の敷地内に立てたブロック塀が原因なら、撤去して実測し直すと2メートルに戻ることがあります。隣地の構造物が越境しているなら、境界の確認と協議の対象になります。地番の境そのものが1.8メートルなら、隣地から必要分を買い足せるかを検討します。

いずれも解消できない場合、建築基準法第43条第2項の認定・許可の余地が残っているかを建築主管課で確認してください。制度の運用の考え方は国土交通省の建築行政に関するページにも整理があります。「幅が足りない」と「建てられない」は、確認するまでは別の話です。 現況のままで手放す場合は、建て替えできない前提の金額になります。

Q2. 仲介で1年売れていません。価格を下げれば売れますか

値下げを決める前に、問い合わせの数で判断してください。内覧が月に1件も無いなら、価格ではなく条件で候補から外れています。住宅ローンが使えない旨が図面に記載されていれば、価格を下げても対象者は増えません。

内覧はあるのに決まらない場合は、現地で見える条件が理由です。路地に置かれた不用品や伸びた植栽のように、撤去や草刈りで改善する部分が残っています。それでも決まらない期間が続くなら、保有費用の合計と値下げ幅を並べて、どちらが大きいかで決める話になります。

Q3. 旗竿地は固定資産税が安いと聞きました。持ち続けてもよいのでは

評価額が周辺の整形地より低くなることはありますが、税だけで判断する話ではありません。建物が建っていれば住宅用地特例で課税標準が軽減されます。ただし、その建物が傷めば修繕費が出ていきます。空き家のまま放置して自治体から勧告を受けると、この軽減自体が外れます。

火災保険も、人が住まない家は条件が変わり、保険料が上がるか引受を断られることがあります。詳しくは「空き家に火災保険はかけられるか」の記事をご覧ください。税額の低さより、1年でいくら出ていくかを合計して比べてください。

Q4. 隣の家に買ってもらうには、どう切り出せばよいですか

先に自分の土地の条件を確定させてから話すほうが早く進みます。実測の幅、旗の部分の面積、境界標の有無、建て替えの可否が分からないままでは、相手も検討のしようがありません。

金額については、業者の提示額を1つ持ってから切り出すと基準ができます。隣地が一体化で得るものは大きいので、当社の提示額を上回る可能性は十分にあります。避けたいのは、断られた場合に関係が気まずくなることです。書面より口頭で、期限を切らずに伝えるほうが無難です。

Q5. 遠方に住んでいて現地を測れません。どうすればよいですか

登記事項証明書と公図はオンラインで取得でき、名寄帳は郵送請求に応じる自治体が多くあります。道路の種別と条例の内容は電話で確認できます。現地の実測は、鍵をお預かりして当社のみで行う形も取れます。

売買の手続きそのものも郵送と委任で進められる部分があり、段取りは「遠方の実家を行かずに売却する方法」の記事にまとめました。ただし決済時の本人確認だけは省略できません。司法書士の面談をどこで行うかは、事前に決めておいてください。

Q6. 相続した旗竿地です。売るのと持つのと、どちらが得ですか

どちらかを先に決めるのではなく、2つの数字を出してから比べます。1つ目は、1年間の保有費用の合計です。固定資産税、火災保険、電気水道の基本料金、草刈り、交通費、修繕を足します。2つ目は売った場合に手元に残る額、つまり買取の提示額から登記実費を引いた数字です。

比較の枠組みと、相続した場合の税の論点は「再建築不可の家を相続してしまったら」の記事に整理しています。相続人が複数いる場合、確定した金額を1つ持ってから話し合うと、往復が減ります。金額のない状態での話し合いは、「安く売りたくない」と「早く終わらせたい」が根拠なく対立するだけになります。

当社の見方

路地の奥にある家のご相談で、当社が現地で最初に測るところを書いておきます。見るのは登記の図面ではなく、路地のいちばん狭い場所の実際の幅です。門柱や塀、隣家の室外機がせり出していて、図面の数字より狭いことがよくあります。その実測の値から、工事の車が入るか、人が荷物を運び入れられるかまで見立てます。

幅が足りなくても、それだけで話が終わるわけではありません。当社は建て替えができない前提で値を組み立てますので、直して貸す、隣の方にお使いいただくといった出口が残っていれば、金額はお出しできます。仲介に出して半年動かなかったという方も、狭い箇所の実測と、路地が誰の名義かの二つだけお知らせください。それで進められるかどうかの見当はつきます。見立ての精度が上がりますので、路地と入口の写真も何枚か添えてお送りください。

当社が買い取る物件・お断りする物件と、買取価格の決まり方は、当社の買取事例76件の内訳とあわせて当社の買取基準にまとめています。

この記事について

執筆・編集
リアテクス編集部株式会社リアテクス当社(宅地建物取引業 東京都知事(1)第107888号)は物件を直接買い取る買主の立場から、売却を検討する方の判断材料となる記事を企画・編集しています。
監修
鶴野 博之鶴野 博之株式会社リアテクス 執行役員宅地建物取引士(東京)第257503号/賃貸不動産経営管理士/2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)この区分の監修を担当しています。記事の公開判断は当社が行っています(代表が定めた手順による)。確認・公開判断:藤山 大二郎(株式会社リアテクス 代表取締役CEO)
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公開 更新 内容を見直したときは、この日付と改訂の内容を更新しています。情報の確認日 (出典の公的資料を開いて内容を確かめた日)
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法令:建築基準法出典:法務省
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この記事は、当社の担当者が事実確認を行ったうえで公開しています。

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出典(6件・に確認)

更新履歴

  1. 第3版題名と冒頭を検索する方の言葉に寄せ、当社の買取記録の実額と出典を冒頭に足しました(既存の数字・法令・日付は変えていません)。
  2. 第2版題名と冒頭を検索する方の言葉に寄せ、当社の買取記録の実額の表と当社の条件の節を足しました(既存の数字・法令・日付は変えていません)。
  3. 第1版公開

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