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空き家

空き家を売却する方法は?名義の確認から入金までの手順

公開 更新

執筆
株式会社リアテクス リアテクス編集部
監修
株式会社リアテクス 執行役員 鶴野 博之(宅地建物取引士(東京)第257503号)
空き家を売却する方法は?名義の確認から入金までの手順

「実家の名義人だった親が亡くなり、名義も変えないまま空き家になっている家を、どう売ればいいのか分からない」。相続登記で名義を相続人に移したうえで、建物の傷みと相続から何年目かを見て、仲介・買取・解体のどれから当たるかと、3,000万円控除を使う期限を決めます。

当社は家財や雨漏りが残る空き家も現況のまま買い取り、片付けと修繕の費用は提示額の中で差し引きます。相続放棄を決めていない間は、売買契約を結びません。この家が買い取れるかどうかだけ、先に聞く(無料)

目次(12章)

名義が親のままの空き家を売却する方法も、そのまま相談できます

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この先は当社の買取窓口「買取くん」です。

相続した実家が空き家になっているなら、最初の作業は相続登記で名義を相続人に移すことです。親の名義のままでは、買主へ所有権を移す登記ができません。仲介で売るにしても買取で売るにしても同じです。そのうえで、4つを確かめます。名義の状態、雨漏りや火災の跡・家財の残り具合、建物が昭和56年5月31日以前に建ったかどうか、相続から何年目かです。これで、どの売り方から当たるかが見えてきます。相続した空き家の3,000万円控除をいつまでに使うかも分かります。

空き家を売却する方法は?名義の確認から入金までの手順の要点を、定義・この記事でわかること・よくある質問の順に短くまとめた動画です。

空き家の名義人が死亡したままでも、売却する方法はある?

名義人が亡くなったままの空き家は、買主への登記ができません。相続登記で名義を相続人に移すことが、どの売却方法でも最初の作業になります。

ここで結果を分けるのは2点です。登記簿の所有者の欄に誰の名前があるかと、相続人のうち誰が家を引き継ぐかが決まっているかです。相続で取得したと知った日から3年以内という申請の期限も、同じところから走り始めます。名義が親1人で、引き継ぐ相続人も決まっているなら、司法書士に頼んでから売り出すまでの段取りは組みやすくなります。名義が祖父母のまま残っていたり、相続人の話し合いが止まっていたりすることがあります。その分だけ売れる日が先へ延びます。

親の名義のままでは、買主へ所有権を移せない理由

売買の決済では、代金の支払いと同じ日に、所有権を移す登記を法務局に申請します。この登記は、登記簿に所有者として載っている人から買主へ権利が渡る形でしか組めません。亡くなった親は契約書に署名できず、登記の申請人にもなれません。相続人が親に代わって売買契約書へ署名しても、登記簿の上では親から買主へ権利がつながりません。

そこで先に、相続を原因として親から相続人へ所有権を移す登記をします。登記簿の所有者を、売主になる人の名前に書き換えるわけです。これが済んで初めて、売主と買主のあいだの所有権の移転を登記でつなげられます。買主も代金を払う段取りに入れます。

最初に確かめるのは、法務局で取る登記事項証明書の甲区、つまり所有権に関する事項の欄です。土地と建物の両方を取ります。所有者の名前が亡くなった親1人なのか、父と母の共有なのか、祖父母の代から書き換わっていないのかを見ます。登記事項証明書は窓口のほかオンラインでも請求でき、郵送で受け取れます。実家から遠く離れて暮らしていても、最初の確認は手元で済みます。

名義が祖父母のまま止まっている家は、祖父母の相続と親の相続が重なっている状態です。話し合いに加わる人が、親の兄弟姉妹やその子にまで広がることがあります。この場合に何人の同意が要り、全員がそろわないときにどう進めるのかは「数次相続で相続人が多い実家の売却」の記事で確かめられます。

誰の名義に移すかは、相続人全員の遺産分割協議で決めます(民法第907条)。1人の相続人が引き継ぐと決めればその人が単独の売主になります。決めずに法定相続分のまま共有で登記すれば、共有者の全員が売主になります。契約と決済にも全員がそろう必要が出てきます。売ると決めているなら、売主を誰にするかまで話し合いで決めてから、相続登記を頼みます。そうすると、決済の日に全員の印鑑証明書と署名を集める手間が減ります。

最初に確かめる登記事項証明書のポイント

  • 親の名義のまま

    亡くなった親は署名できず、登記の申請人になれない

  • 相続人が代筆しても

    登記簿の上では親から買主へ権利がつながらない

  • 先にすること

    親から相続人へ所有権を移す登記をする

  • 次にできること

    売主と買主のあいだの所有権の移転を登記でつなぐ

相続登記の期限と、過ぎたときの過料

相続登記は、2024年4月1日から申請が義務になりました。期限は、自分が相続人だと知り、その不動産を取得したと分かった日から3年です。正当な理由なく期限を過ぎると、10万円以下の過料の対象になります(法務省「相続登記の申請義務化について」)。

義務化の前に始まった相続も対象です。その場合の期限は、施行日の2024年4月1日と、相続で取得したことを知った日の遅い方から3年です。2024年4月1日より前に親が亡くなり、そのときから相続を知っていた人であれば、期限は2027年3月31日になります。親が亡くなったのは施行日より前でも、自分が相続で取得したことを知ったのが施行日より後の場合があります。その場合は、知った日から3年を数えます。

期限が売却の段取りと重なるのは、売るなら決済の日までに名義が相続人に移っていなければならないからです。法令の期限の前であっても、決済の日は置けないことがあります。買主が決まった時点で、相続登記の見通しが立っていない場合です。売ると決めた家ほど、決済の日から逆算して相続登記を頼む時期を決めることになります。司法書士によっては、決済の日に相続登記と売買の登記を続けて申請できるよう段取りを組みます。その場合も、戸籍と遺産分割協議書は先にそろっていることが前提です。

親の名義のままでは所有権を移せない理由

  1. 1

    親から相続人へ所有権を移す

    先に相続登記を行い、登記簿の所有者を売主になる人の名前に書き換える。

  2. 2

    相続人から買主へ所有権を移す

    名義が書き換わって初めて、売主から買主への所有権移転を登記でつなげられる。

相続人申告登記だけでは、売却に進めない理由

相続人の話し合いが期限までにまとまりそうにないときのために、相続人申告登記という仕組みがあります(不動産登記法第76条の3)。登記官に、相続が始まったことと自分が相続人であることを申し出る手続きです。申し出た人は、相続登記の申請の義務を果たしたものとして扱われます。過料の心配からは外れます。

ただし、相続人申告登記は登記簿に相続人の氏名と住所を書き添える手続きです。所有権を誰かに移すものではありません。登記簿の所有者は亡くなった親のまま残ります。この状態で売買契約を結んでも、買主へ所有権を移す登記は申請できません。期限への備えとしては役に立ちます。ただ売却の準備としては、遺産分割で引き継ぐ人を決めて相続登記を済ませるところまで進める必要があります。

空き家を売却せずに置いておくと、負担はどこまで増える?

家族の後ろ姿。実家の庭先で、伸びた草木を前にスマートフォンを構えて撮影している

置いておく間に増えるのは、税や草刈りの費用だけではありません。市町村の勧告で住宅用地の特例が外れ、命令に背けば50万円以下の過料の対象にもなります。

結果を分けるのは、建物の傷みや雑草、ごみが近隣の目に付く段階まで進んでいるかどうかです。市町村が、管理の行き届いていない空き家として扱う段階です。そこまで進んでいなければ、負担は毎年の税と管理の費用にとどまります。売るか置いておくかを決めかねている間にも、この段階は建物の傷み方しだいで進みます。遠方に住んでいて年に何度も見に行けない相続人ほど、先に今の状態を写真で確かめておく意味があります。

管理不全空家等の勧告で、住宅用地の特例が外れる

空家等対策の推進に関する特別措置法は、放っておくと危ない空き家(特定空家等)になるおそれのある空き家を、管理不全空家等と呼びます。市町村長は所有者に指導をし、それでも改まらず特定空家等になるおそれが大きいときは勧告できると定められています(同法第13条)。屋根材のずれや窓ガラスの割れ、敷地からはみ出した草木のように、倒れる手前の段階でも対象になりえます。売るか迷っている相続人には、見落としやすいところです。

勧告を受けた空き家の敷地は、固定資産税の住宅用地の特例から外れます(地方税法第349条の3の2)。この特例は、住宅が建っている土地に適用されるものです。建物はそのまま残っていても、税額を計算する基になる額が更地に近い扱いに変わります。翌年度からの固定資産税が上がり、売れるまでの保有費が膨らみます。

特定空家等の命令に従わないと、50万円以下の過料

倒れるおそれがある、衛生上ひどく害がある、景観を大きく損なっているといった空き家は、特定空家等とされます。市町村長は助言・指導、勧告、命令の順に措置を取り、命令にも従わなければ、代わりに取り壊す代執行まで進めることができます(空家等対策の推進に関する特別措置法第22条)。代執行にかかった費用は所有者に請求されます。取り壊しの業者や時期を自分で選んで払う場合と比べて、時期も金額も自分では決められなくなります。

命令に違反した者は、50万円以下の過料に処されると同法の罰則で定められています。条文は空家等対策の推進に関する特別措置法(e-Gov法令検索)で確かめられます。過料は刑事罰の罰金とは別の行政上の制裁です。ただ、命令の段階まで進んだ空き家は、買主から見ても取り壊しが前提の物件になり、選べる売り方が狭まります。

瓦の落下や塀の倒れで、近隣に負う責任

市町村が動く前でも、近隣の方から直接求められる負担があります。遠方から年に一度しか見に行けない実家で、台風のあとに外れた屋根瓦が隣の車に当たっていた、通学路沿いの傾いたブロック塀が倒れた、という場面です。こうしたときの責任の順番は民法第717条が定めています。建物や塀のような土地の工作物の設置や保存に欠陥があって他人に損害を与えたとき、最初に問われるのは占有者で、占有者が必要な注意をしていたときは所有者に回ります。住む人も管理を頼んだ人もいない家では、所有者として相続人が問われる場面が出てきます。

名義が親のままでも、相続人は相続の開始の時から親の権利と義務を引き継いでいます(民法第896条)。誰も住んでいない実家では、相続人がこの責任を問われる立場にいます。どこまでが所有者の責任になり、火災や倒壊のときに何が問われるかは「空き家の放置で責任と賠償を負う条件」の記事にあります。売却を決める前でも、雨どいや塀の傷みは写真に残します。近隣から苦情が来ていれば、その日付と内容を書き留めておくと、買主に伝える事柄の整理にもつながります。

空き家を放置して負担が増える段階

  1. 第1段階

    助言・指導

    特定空家等として市町村長から改善を促される

  2. 第2段階

    勧告

    住宅用地の特例から外れ、翌年度から税が上がる

  3. 第3段階

    命令

    従わないと50万円以下の過料の対象になる

  4. 最終段階

    代執行

    市町村が代わりに取り壊し、費用を請求される

「空き家を売却せずに置いておくと、負担はどこまで増える?」について、そのまま聞けます。

空き家を売却する方法は、仲介と買取のどちらから当たる?

最初に当たる売り方は、名義・建物の傷み・建築の時期・相続から何年目かで分かれます。昭和56年5月31日以前に建った家では、控除の期限も同時に効いてきます。

なかでも結果を大きく分けるのは建物の傷みです。雨漏りや火災の跡、部屋を埋める家財がなく、売り出してから半年ほど待てるなら、仲介から当たります。どれかが当てはまって工事や片付けの費用を先に出せないなら、買取から当たります。相続人の手間と手取りの釣り合いを取りやすい順番です。

1. 4つの問いで、最初に当たる売り方を絞る診断

次の4つに答えてください。問1から問3ははい・いいえで、問4は年で答えます。名義と相続の年は書類で、建物の状態は現地か、親族に頼んで撮ってもらった写真で確かめます。

  • □ 問1 登記簿の所有者の欄は、すでに家を引き継ぐ相続人の名前になっているか
  • □ 問2 雨漏り、火災の跡、床の傾き、部屋を埋める家財のうち、どれか1つでも当てはまるか
  • □ 問3 建物が建てられたのは昭和56年5月31日以前か(登記事項証明書の表題部にある新築の日付が手がかりになる)
  • □ 問4 親が亡くなったのは何年か

問1が「いいえ」なら、どの売り方を選ぶにしても、相続人の話し合いと相続登記の準備から始めます。売却の相談そのものは並行して進められますが、契約と決済の日は、登記の見通しが立ってから置きます。

問2が「はい」なら買取から当たり、「いいえ」で売り出しから半年ほど待てるなら仲介から当たります。問2が「はい」でも、駅に近い整った形の土地で、建物を壊せば一般の方が家を建てられることがあります。その場合は、解体して更地で売る道も並べて手取りを比べます。

問3が「はい」の家は、相続した空き家の3,000万円控除の候補になります。耐震改修か取り壊しが要件に入るので、売り方の選び方がそのまま控除の使い方につながります。問4の答えからは、控除を使える売却の期限が出ます。期限は相続が始まってから3年を経過する日の属する年の12月31日です。たとえば2024年6月に亡くなった親の家なら、3年を経過する日が2027年6月に来ます。そのため、売る期限は2027年12月31日です。

最初に当たる売り方を絞る4つの問い

  • 問1:名義

    相続人の名前になっていなければ、相続登記から始める

  • 問2:建物の傷み

    雨漏り等があり費用を出せないなら買取から当たる

  • 問3:建築時期

    昭和56年5月31日以前なら3,000万円控除の候補になる

  • 問4:相続の年

    控除を使える売却の期限を出す手がかりになる

2. 仲介で売る:時間をかけて一般の買主を探す

仲介は、不動産会社と媒介契約を結んで買主を探してもらう売り方です。買主が自分で住む家として買います。建物の状態が良く、買い手の多い地域にある家ほど、価格は上がりやすくなります。一般の買主が実際に買った価格の水準は、国土交通省の不動産情報ライブラリで地域と面積を指定して確かめられます。査定額を受け取る前に一度見ておくと、提示された数字を読む物差しになります。

その代わり、広告を出して内覧を受け、購入の申し込みが入るまでの期間は読めません。買主が住宅ローンを使う場合は、審査が通らなければ契約が白紙に戻る特約が付くのが通例です。契約から決済までも、融資の日程に合わせることになります。

相続した実家を仲介で売るときに重くなるのは、引き渡しまでに家財を空にすることと、建物の不具合の扱いです。引き渡した後に雨漏りのように契約の内容に合わない不具合が見つかると、売主が修補や代金の減額を求められることがあります(民法第562条・第563条)。親が住んでいた家の傷みを相続人が細かく知らないまま売り出すと、この負担が後から来ます。

手取りを比べるときに、仲介の側にだけ引く費用が仲介手数料です。買主が決まって売買が成立した時点で不動産会社に払うもので、上限は宅地建物取引業法第46条に基づいて国土交通大臣が定めています。問2が「いいえ」の家で、この手数料と半年以上の保有費を差し引いても買取より手元に多く残りそうなら、仲介から当たります。

仲介と買取のどちらから当たるかの分かれ目

観点仲介から当たる買取から当たる
建物の傷み雨漏りや火災の跡がない雨漏りや火災の跡がある
家財の残り具合部屋を埋める家財がない部屋を埋める家財がある
資金と期間売り出してから半年ほど待てる工事や片付けの費用を先に出せない

3. 買取で売る:現況のまま事業者に引き渡す

買取は、不動産の事業者が自ら買主になって買い取る売り方です。雨漏りや火災の跡、家財が残ったままの状態で引き渡せます。その代わり、価格は事業者が片付け・修繕・解体にかける費用と、次の買主に売れるまでの期間を差し引いた額になります。一般の買主の水準より低くなるのはこのためです。急いだことへの手数料ではなく、事業者が引き受ける作業と不確かさの分が引かれています。そう考えると、提示額の中身を質問しやすくなります。

事業者が自己資金で買う場合は融資の特約を付けません。契約の後で白紙に戻る心配が小さく、引き渡しの日も売主の都合に合わせて置けます。片付けや修繕の見積りを待たずに日程を組めます。遠方に住んでいて何度も実家へ通えない相続人や、問4で出した控除の期限が近い相続人がいます。そうした人には、日付が読めることがそのまま利点になります。

現況で引き渡す契約では、売主の不具合の責任を負わない特約を付けることが多くあります。ただ、売主が知りながら告げなかった事実は、この特約でも免れません(民法第572条)。解体も片付けもせずに売れる条件と価格の付き方は「空き家をそのまま売る方法」の記事にまとめてあります。雨漏りや傾きを知っている範囲で書面に出したうえで引かれた価格は、後から動きにくくなります。

残置物や孤独死がある相続空き家は、どの方法で売却できる?

空き家の居間で、家族が木製のテーブルを布で拭きながら片付けを進めている

家財が残っていても、親が家の中で亡くなっていても、売却はできます。告知は令和3年に国土交通省が定めた指針が物差しになり、片付けを誰が担うかで売り方が分かれます。

分かれ目は、家財の片付けと、亡くなった後の清掃や告知を、引き渡しの前に売主の側で済ませるか、現況のまま買主に引き継いでもらうかです。前者なら仲介で一般の買主を探しやすくなり、後者なら事業者の買取が中心になります。

1. 残置物とは何か、片付けてから売るか残したまま売るか

残置物とは、売買や賃貸の引き渡しのときに、建物の中や敷地に残っている動産のことです。家具、家電、衣類、仏壇、物置の中身、庭の植木鉢などが当たります。相続した実家では親の暮らしの品がそのまま残っていることがほとんどです。仲介で一般の買主に売るときは、引き渡しまでに空にする約束になるのが通例です。買取では残したまま引き渡し、処分の費用は事業者が提示額の中で見込みます。

どちらで売るにしても、捨てる前に探しておくものがあります。権利証や登記識別情報、親の通帳と保険証券、遺言書、そして親が家や土地を買ったときの売買契約書と領収書です。最後の売買契約書は、売った翌年の譲渡所得の計算で取得費の証拠になる書類です。片付けの業者に一括で任せると紛れて捨てられやすいので、先に引き出しや仏壇の周りを確かめます。

空き家の残置物を処分する方法は3通りです。相続人が自分で市区町村の粗大ごみの回収に出す、許可を持つ業者に頼む、買取で家ごと引き継いでもらう、のいずれかです。家庭から出た家財は一般廃棄物にあたります。その収集や運搬を業として行うには、市町村長の許可が要ります(廃棄物の処理及び清掃に関する法律第7条)。業者に頼むなら、その市区町村の許可を持っているかを市区町村の窓口かホームページで確かめてから契約します。費用は量と搬出の条件で変わるため、2社以上から見積りを取ります。仏壇や形見分けの品をどう扱うかも見積書に書いてもらうと、後で話が食い違いません。

2. 孤独死があった相続空き家を売却する方法と告知の範囲

国土交通省が令和3年10月に定めた「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」は、不動産会社が買主に人の死をどこまで伝えるかの物差しです。老衰や病気による自然な死は、原則として告げなくてよいとされています。自宅の階段での転倒や食べ物の誤嚥のような、日常生活の中での不慮の死も同じです。ただし、亡くなってから長く気づかれず、特殊清掃や大がかりなリフォームが行われた場合は告げる対象になります。売買では、時間がたてば告げなくてよくなるという期間の目安は示されていません(同ガイドライン)。

売主はこの指針を直接守る立場ではありません。ただ、不動産会社が告知の要否を判断できるよう、知っている事実を伝える側にいます。仲介で売るなら、亡くなった日と発見された日、清掃の内容を不動産会社に伝えて告知書に書きます。買取で売るなら、事業者が告知を前提に価格と次の売り方を組み立てます。

孤独死があった相続空き家を売却する方法として、仲介と買取のどちらが向くかは、状態で変わります。清掃が済んでいるか、臭いや床材の傷みが残っているかが分かれ目です。告知の要否の分かれ方と売却の判断は「孤独死があった家は事故物件か」の記事で掘り下げてあります。どこからが告げる対象かを先に確かめてから売り方を選ぶと、契約の後で話が戻りにくくなります。

3. 孤独死のあった空き家をスムーズに売却するための注意点

孤独死のあった空き家を相続するか迷っているなら、判断基準として先に決めるのは相続を放棄するかどうかです。相続人は、自分のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に、単純承認・限定承認・放棄のどれかを選ぶ(民法第915条第1項)ことになります。その間に家財を売ったり家を処分したりすると、相続を受け入れたものとみなされる(民法第921条)ことがあります。清掃や戸締まりのように家を保つための作業と、家財の処分とでは、扱いが違うことがあります。放棄を考えているなら、手を付ける前に司法書士か弁護士に確かめてください。

相続すると決めた後にスムーズに売却するための注意点は、記録を残すことと、直す前に売り方を決めることです。発見の日、清掃業者の名前と作業の内容を書いた書面、交換した床材の範囲を一式で残しておくと、告知書の材料になります。買主から尋ねられたときも、同じ説明を繰り返せます。内装を張り替えてから売ろうとすると、費用をかけた分が価格に乗らないことがあります。工事は、仲介と買取の提示を並べてから決めます。

亡くなった後の家をそのままにしておくと、臭いや害虫で近隣から苦情が出やすくなります。「空き家を売却せずに置いておくと、負担はどこまで増える?」の節で書いた市町村の措置に近づく速さも上がります。売るまで時間がかかりそうなら、換気と郵便物の整理だけでも、親族か管理を請け負う業者に頼んでおきます。

残置物を片付けて売るか残したまま売るか

観点片付けてから売る残したまま売る
主な売り方仲介で一般の買主を探しやすくなる事業者の買取が中心になる
引き渡し時の状態引き渡しまでに空にするのが通例現況のまま引き渡す
処分の費用自分で業者などに頼んで払う事業者が提示額の中で見込む

空き家を解体して更地で売却する方法は、いつ割に合う?

更地で売るのが割に合うのは、解体費と更地にした後の税を払っても土地の値が残る土地です。しかも、売れるまでの月数が読める土地に限られます。

結果を分けるのは、建物を壊せば一般の方がすぐに家を建てられる土地かどうかと、解体の時期を1月1日の前後のどちらに置くかです。3,000万円控除のために取り壊しが要るかどうかも、ここに重なります。

1. 解体費は売主が先に払い、売れなければ戻らない

解体費は、建物の構造と大きさだけでは決まりません。前面道路が狭くて重機が入らない、隣家との間が狭く手で壊す範囲が増える、古い建材に石綿が含まれていて除去の工程が加わる、地中に古い基礎や浄化槽が残っている。こうした条件で費用は上がります。家財を残したまま解体を頼むと、その処分費も上乗せされます。片付けを先に済ませるか解体と一緒に頼むかで、見積りの比べ方も変わります。考え方と見積りの読み方は「空き家の解体費用はいくらかかるか」の記事に整理されています。

更地で売る方法の重さは、この費用を売主が先に払い、土地が売れなければ取り戻せない点にあります。市区町村によっては、古く危ない空き家の除却に補助金を出しているところがあります。ただ、対象の建物や申請の時期が決まっていて、工事の契約より前に申請しないと対象外になる制度が多くあります。解体業者を決める前に、市区町村の空き家の担当課に問い合わせます。

建物を取り壊したら、取り壊した日から1か月以内に建物の滅失の登記を申請します(不動産登記法第57条)。相続登記がまだで建物の名義が親のままでも、相続人から申請でき、土地家屋調査士に頼むのが一般的です。

空き家の解体費が上がる主な条件

  • 費用が上がる条件

    前面道路が狭い、手壊しが多い、石綿、地中埋設物など

  • 家財を残したまま

    処分費も上乗せされるため、片付けを先にするか選ぶ

  • お金の出入り

    売主が先に払い、土地が売れなければ取り戻せない

  • 補助金の注意点

    工事の契約より前に申請しないと対象外になることが多い

2. 更地にすると、翌年度の固定資産税が上がる時期

その年度の税額は、毎年1月1日の時点の土地と建物の状態で決まります(地方税法第359条)。住宅が建っている土地に付く住宅用地の特例は、建物を壊して更地になった土地には付きません。1月1日の時点で建物が無くなっていれば、その年度から税額が上がります。

時期の置き方で手取りは変わります。売買の契約が決まってから壊せば、更地の税を払う期間は短く済みます。買主が見つからないまま年をまたぐと、上がった税を払い続けながら売り先を探すことになります。解体を先にするのは、土地の買い手が多く、更地にすれば短い月数で売れる見込みがある場合に絞るのが無難です。

3. 3,000万円控除のための取り壊しと、買主が壊す場合

問3で昭和56年5月31日以前に建った家だと分かった場合は、要件が加わります。相続した空き家の3,000万円控除を使うには、売る前に耐震基準に合わせる改修をするか、取り壊して更地で売ることが要件に入ってきます。令和6年1月1日以後に売る場合は、売った年の翌年2月15日までに買主が取り壊しか耐震改修をしたときも対象になります(国税庁の案内)。売主が先に解体費を払わずに控除を使う道も開いています。

ただし、この形は買主が期限までに実際に壊すことが前提です。壊されなければ、控除の要件を満たせません。買主に取り壊しを任せるなら、その期限と工事の予定を売買契約書に書き込みます。買主がそれを守れる相手かどうかも、契約前に確かめます。控除の残りの要件と期限の数え方は、「3,000万円の特別控除は使える?相続した空き家の期限と確かめ方」の節にまとめてあります。

解体費を払ってから土地が売れるまで

  1. 1

    解体費の支払い

    売主が先に費用を払う。土地が売れ残った場合、払った費用は取り戻せない。

  2. 2

    建物の滅失登記

    建物を取り壊した日から1か月以内に、土地家屋調査士などに頼んで申請する。

  3. 3

    更地としての売却

    土地が売れて初めて代金が入り、先に出した解体費の負担を回収できる。

空き家を売却しない方法(貸す・持ち続ける)と比べるときの物差し

貸すか持ち続けるかを売却と比べる物差しは、2つあります。何年先までの収入と出費を足すかと、そのあいだに3,000万円控除の期限が過ぎるかどうかです。

分かれ目は、貸すために先に出す修繕費を家賃で取り戻せるか、持ち続ける理由に期限があるかです。どちらも控除の要件と期限に直接ぶつかる点が、売却と比べるときに見落とされやすいところです。

1. 貸すと、相続した空き家の控除が使えなくなる

相続した空き家の3,000万円控除には、相続の時から売るまでの間に、その家を事業や貸付け、居住に使っていないことという要件があります(国税庁の案内)。数年貸してから売るつもりで賃貸に出すと、貸した時点でこの要件から外れます。後で売るときには、控除が使えません。

貸すには、水回りや屋根を直して人が住める状態にする費用が先に出ていきます。入居者が入った後は、借りている人の保護が厚い賃貸借の決まりのもとで、売りたいときに出ていってもらうのは簡単ではありません。家賃で修繕費を回収するまでの年数と、控除を使って売った場合の税の差を並べて、どちらが手元に多く残るかで比べます。

2. 持ち続ける年ごとの負担と、建物が傷む速さ

持ち続ける間に毎年出ていくのは、固定資産税と都市計画税、火災保険料、電気と水道の基本料金、庭木の手入れと草刈り、見回りに行く交通費です。誰も住んでいない家は、火災保険の引き受けの条件が厳しくなることもあります。契約の更新のたびに保険会社に空き家であることを伝えて、補償の範囲を確かめる必要があります。

人が住まなくなった家は、窓を開けず水を流さないことで湿気がこもり、雨漏りや配管の傷みに気づくのが遅れます。持ち続けるなら、月に一度でも換気と通水をする人を決めます。それができないなら、傷みが進むほど仲介で売れる見込みが下がり、買取の提示額からも修繕費が多く引かれていくと見込んでおきます。

3. 空き家を売らない人が多い理由と、その間に動く期限

相続した空き家を売らない理由として多いのは、次のようなものです。親の暮らした家を手放す気持ちの整理がつかない、仏壇や家財の片付けが終わらない、兄弟姉妹の意見がそろわない、といった理由があります。住宅用地の特例のおかげで固定資産税がそれほど重く感じない、いずれ誰かが使うかもしれない、という声もあります。どれも売らない理由としてもっともですが、その間にも期限は進みます。

まず、相続で取得したと知った日から3年という相続登記の申請の期限が来ます。そのほかに、期限が2つあります。相続した被相続人居住用家屋と敷地を売ったときの特別控除を使える売却の期限(租税特別措置法第35条第3項)と、相続税を納めた人が相続税額の一部を取得費に足せる期限(租税特別措置法第39条)です。この2つも、相続の時期から順に切れていきます。決めかねているなら、売るかどうかではなく、いつ決め直すかの日付を相続人の間で先に決めます。その日を控除の期限より前に置いておくと、選べる道を残したまま考える時間を取れます。

持ち続ける間に毎年出ていく主な負担

  • 控除の要件

    相続から売るまでに事業や貸付け、居住に使っていないこと

  • 貸した場合

    貸した時点で要件から外れ、後で売るときに控除が使えない

  • 貸すための出費

    水回りや屋根を直して人が住める状態にする費用が先に出る

  • 比べる物差し

    家賃で修繕費を回収する年数と、控除を使った税の差を比べる

「空き家を売却しない方法(貸す・持ち続ける)と比べるときの物差し」について、そのまま聞けます。

空き家を売却する手順は?相続登記から入金までの順番

手順は、次の順で進みます。相続人で分け方を決めて相続登記を頼み、査定を比べて売り方と引き渡しの日を決め、決済の日に代金を受け取ります。

どこから時間がかかるかは名義の状態で分かれます。親1人の名義で相続人も少なければ、戸籍がそろった段階で売却の話に入れます。相続登記は申請の期限内に済ませ、引き渡しの日は控除の期限より前に余裕をもって置けます。

1. 相続人で分け方を決め、相続登記を司法書士に頼む

最初に集めるのは、亡くなった親の出生から死亡までの戸籍です。これで相続人が誰かを確かめます。相続人がそろったら、遺産分割協議で家を引き継ぐ人を決めます。全員が署名して実印を押した遺産分割協議書と印鑑証明書を用意し、司法書士に相続登記を頼みます。

相続人の全員で売って代金を分けると決めている場合は、代表になる相続人の名義に相続登記をして売ります。そのうえで、代金を分ける形を取ることがあります。このときは遺産分割協議書に、家を売って代金を分けることと、その分け方を書いておきます。代表者から他の相続人へ渡すお金の位置づけが整理しやすくなります。ただし税の扱いは事情で変わるので、協議書を作る前に税理士か税務署に確かめます。

相続人のうち誰かが遠方に住んでいる場合も、戸籍は郵送で取り寄せられます。協議書への署名や押印も、郵送の往復で進められます。現地に行かずに売るまでの段取りは「遠方の実家を行かずに売却する方法」の記事に手順として並んでいます。

仲介の査定額と買取の提示額の違い

観点仲介の査定額買取の提示額
額が表す意味一般の買主に売れると見込む価格事業者が自ら買う価格
買う人一般の買主事業者
比べるときの基準手元に残る額で比べる手元に残る額で比べる

2. 査定を2社以上から取り、売り方と引き渡しの日を決める

相続登記の見通しが立ったら、査定を2社以上から取ります。仲介の査定額は、その会社が一般の買主に売れると見込む価格です。買取の提示額は、その事業者が自ら買う価格です。同じ数字に見えても中身が違います。比べるときは、手元に残る額どうしで並べます。仲介なら手数料と売れるまでの保有費を引いた後の額、買取なら提示額から自分で払う費用を引いた額です。

金額を受け取るときには、次の4つを、口頭ではなく書面で出してもらいます。価格の根拠、家財を残してよいか、引き渡しの日をいつに置けるか、建物の不具合の責任をどう扱うかです。売り方を決めたら、売買契約を結びます。決済の日に代金の受け取り、所有権の移転の登記の申請、鍵の引き渡しを済ませて、手順は終わります。

相続登記は申請の期限までに済ませます。引き渡しの日は、相続登記が終わる見込みの日より後で、診断の問4で出した控除の期限より前に置きます。期限の年の年末に近い日に置くと、相続登記や書類の遅れで年をまたいだときに、控除が使えなくなります。余裕のある月を選びます。

相続登記から入金までの売却手順

  1. 1

    戸籍収集と相続人の確定

    親の出生から死亡までの戸籍を集め、誰が相続人になるかを確かめる。

  2. 2

    遺産分割協議と書類の用意

    家を引き継ぐ人を決め、全員が署名して実印を押した遺産分割協議書を用意する。

  3. 3

    司法書士へ相続登記を頼む

    協議書と印鑑証明書を渡し、法務局へ申請する相続登記の手続きを任せる。

相続した空き家の売却でそろえる書類と、手元に残るお金の計算

書類は役場・法務局・家の中の3か所に分けて集めます。手元に残るお金は、売却代金から売るための費用と翌年の税を引いた額で見ます。

どれだけ手間がかかるかは、親の本籍地が何か所にまたがっているかと、親が家を買ったときの書類が残っているかで分かれます。後者は翌年の税額にも響きます。

1. 書類を、取りに行く窓口ごとに分けてそろえる

市区町村の役場で取るのは、亡くなった親の出生から死亡までの戸籍、親の住民票の除票、相続人それぞれの戸籍と住民票、印鑑証明書、そして登記の費用の計算に使う固定資産評価証明書です。親が引っ越しを重ねていて本籍地が何か所にもある場合も、広域交付の仕組みがあります(法務省の案内)。本籍地以外の市区町村の窓口で、本人や父母の戸籍をまとめて請求できます。

法務局では、土地と建物の登記事項証明書を取ります。戸籍の束の代わりに使える法定相続情報一覧図の写しの交付も受けられます。一覧図の写しは無料で交付されます。相続登記と金融機関の手続きを並行して進めるときに、戸籍の束を何度も出し直す手間が省けます。

家の中から探すのは、親名義の権利証、親が家と土地を買ったときの売買契約書と領収書、建築確認の書類、固定資産税の納税通知書です。相続登記が済むと、家を引き継いだ相続人に新しい登記識別情報が通知されます。売買の登記ではこちらを使うので、親の権利証が見つからなくても売却が止まるわけではありません。

2. 売主にかかる費用を引き、譲渡所得の税を見込む

売主の側から出ていく費用は、売買契約書に貼る印紙代、親のローンが残っていれば抵当権の抹消登記の費用、登記簿の住所と今の住所が違えば住所変更登記の費用、相続登記の登録免許税と司法書士の報酬です。売り方によっては、境界を確かめる測量の費用、解体費、家財の処分費が加わります。仲介を選んだときは、ここに不動産会社へ払う手数料が1項目増えます。買取で当社が直接買う場合は、この項目がありません。項目ごとの中身は「不動産売却の費用一覧」の記事で確かめられます。

翌年の税は、譲渡所得をもとに計算します。譲渡所得は、売却代金から取得費と売るためにかかった費用を引いた額です(所得税法第33条・第38条)。相続した家の取得費と所有期間は、親が買ったときのものをそのまま引き継ぎます(所得税法第60条第1項)。親が長く持っていた家なら、売った年の1月1日時点で所有期間が5年を超える長期譲渡所得として扱われることが多くなります(租税特別措置法第31条)。

手元に残るお金は、売却代金 − 売るためにかかった費用 − 翌年の譲渡所得の税、の順に引いて出します。親が買ったときの売買契約書が見つからず取得費が分からないと、国税庁の取扱い(タックスアンサー「取得費が分からないとき」)に沿った概算で計算することになります。譲渡所得が大きく出ることがあるので、書類探しは片付けより先に済ませます。

売却のためにそろえる主な書類

取得場所主な書類特徴・注意点
市区町村の役場戸籍・住民票・印鑑証明書など本籍地以外でも広域交付で請求できる場合がある
法務局登記事項証明書・法定相続情報一覧図一覧図の写しは無料で戸籍の束の代わりになる
家の中から探す権利証・売買契約書・領収書など権利証が見つからなくても売却は進められる

3,000万円の特別控除は使える?相続した空き家の期限と確かめ方

昭和56年5月31日以前に建った家を、一人暮らしの親から相続したとします。主な要件を満たして期限内に売れば、譲渡所得から最高3,000万円を控除できます。

使えるかどうかは、建物・住んでいた人・売り方の3点で分かれます。期限は相続の年から日付で出せるので、売り方を決める前に確かめておくと、引き渡しの日を置き間違えません。

1. 建物・住んでいた人・売り方の3点で、主な要件を確かめる

控除できるのは譲渡所得から最大3,000万円です。ただ、令和6年1月1日以後の売却では、家と敷地を相続した人が3人以上いると、1人あたりの上限が2,000万円に下がります。兄弟姉妹3人で共有にしてから売るつもりなら、この上限の変わり方を先に押さえておきます。要件は細かく分かれています。ここでは建物・住んでいた人・売り方の3点で主なものを見て、残りは国税庁の「No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」で確かめます。

建物については、昭和56年5月31日以前に建てられた家で、マンションのような区分所有の建物ではないことが要件です。問3の答えが「はい」でも、区分所有の登記がされている建物は対象になりません。

住んでいた人については、相続が始まる直前に親が一人で住んでいたことが要件です。親が老人ホームなどに入っていた場合も、一定の条件を満たせば対象になります。そのうえで、相続の時から売るまでの間に、事業や貸付け、居住に使っていないことが求められます。

売り方については、売却代金が1億円以下であることが要件です。さらに、売る前に耐震基準に合わせる改修をするか取り壊すこと、または令和6年1月1日以後の売却で、買主が売った年の翌年2月15日までに取り壊しか耐震改修をすることが求められます。適用を受けられる売却の期間は、平成28年4月1日から令和9年12月31日までと定められています。要件の確かめ方を一つずつたどるなら「空き家3000万円控除の条件」の記事が判定の順に並んでいます。

3,000万円控除の主な要件

要件の分類満たすべき主な条件注意点
建物昭和56年5月31日以前の建築マンション等の区分所有建物は対象外
住んでいた人直前に親が一人で住んでいた相続から売るまで貸付けや居住に使わない
売り方売却代金が1億円以下耐震改修か取り壊しが必要

2. 期限の日付を自分の相続から出し、確定申告で受ける

期限は、相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日です。2024年6月10日に親が亡くなり、その日に相続を知った人の例で並べます。相続登記の申請の期限は2027年6月10日、控除を使える売却の期限は2027年12月31日です。相続登記の期限が半年ほど先に切れます。売却の日を控除の期限に合わせて年末近くに置くつもりでも、相続登記は6月までに済ませておく必要がある、という順番になります。

相続税を納めた人は、相続税額の一部を取得費に足す特例も候補になります。ただ、3,000万円控除とは同じ売却で両方は使えないので、どちらが手元に多く残るかを計算して選びます。

控除は、売った翌年に確定申告をして受けます。控除によって税額がゼロになる場合でも申告は要ります。その際には、家があった市区町村から交付を受ける被相続人居住用家屋等確認書を添えます。確認書の申請には、親が一人で住んでいたことを示す書類や、空き家だったことを示す書類が求められます。電気や水道の使用の記録や、売るまでの間の写真を捨てずに残しておきます。

なお、この記事の税務・法務に関する記載は一般的な情報提供であり、個別の事案についての判断ではありません。適用の可否や具体的な税額については、税務署または税理士、登記については司法書士、境界や隣地との権利関係については弁護士や土地家屋調査士など、それぞれの専門家にご確認ください。当社は不動産の買主であり、税務や法律の代理はできません。

相続から売却までの控除の期限

  1. 相続の直前

    親の居住状況

    親が一人で住んでいたか確かめる

  2. 相続から売却まで

    家の使い道

    事業や貸付け、居住に使わずに空き家にしておく

  3. 売却の契約時

    売却代金の上限

    売却代金が1億円以下に収まるか確かめる

  4. 売却の前後

    耐震改修か取り壊し

    売る前か、買主が翌年2月15日までに済ませる

「3,000万円の特別控除は使える?相続した空き家の期限と確かめ方」について、そのまま聞けます。

当社に空き家の売却を相談する場合の流れと、買い取れない条件

当社が買い取る条件・買い取れない条件と、実際の買取事例は「当社の買取基準」にまとめています。

「当社に空き家の売却を相談する場合の流れと、買い取れない条件」について、そのまま聞けます。

空き家を売却する方法は、名義・売り方・控除の期限の順に決める

  • 名義が亡くなった親のままでは、どの売り方でも買主へ登記がつながりません。遺産分割で引き継ぐ人を決めて、相続登記をするところから始めます。相続登記の申請の期限は、相続で取得したと知った日から3年以内です。相続人申告登記だけでは売却に進めません。
  • 売り方は、雨漏りや火災の跡、家財の残り具合と、売れるまで何か月待てるかで選びます。傷みが少なく待てるなら仲介から、傷みや家財があって費用を先に出せないなら買取から当たります。更地で売るのは、解体費と翌年度の税を払っても土地の値が残る場合に絞ります。
  • 昭和56年5月31日以前に建った家なら、3,000万円控除の期限を相続の年から日付で出します。相続登記は申請の期限内に済ませ、引き渡しの日は控除の期限より前に置きます。貸してしまうと控除は使えなくなります。

当社は家財や雨漏りが残る空き家も現況のまま買い取り、引き渡しの日に代金を振り込みます。ただし、相続放棄を決めていない間は売買契約を結びません。

査定は無料・売却の義務なし
0120-996-748受付時間10:00〜19:00(水・日曜定休)

通話料無料・全国対応

この先は、当社の買取窓口「買取くん」のページです(運営は同じ株式会社リアテクスです)。

空き家の売却についてよくある質問

Q1. 空き家を3年放置すると、100万円以上の罰金を科されることはありますか

空き家を3年置いておいただけで100万円以上の罰金を科す決まりはありません。関係するのは、2つの過料です。相続登記を正当な理由なく期限までに申請しなかったときの10万円以下の過料と、特定空家等として市町村長から命令を受け、それに従わなかったときの50万円以下の過料です。どちらも刑事罰の罰金とは別の行政上の制裁です。

ただし、命令の手前の勧告の段階で住宅用地の特例が外れ、固定資産税が上がることがあります。命令にも従わなければ、代執行で取り壊され、その費用を請求されることもあります。金額の上限よりも重いのは、勧告から先に進むと、時期と費用を自分で選べなくなる点です。売るか迷っている相続人には、こちらが大きな負担になります。

Q2. 空き家は一般的に何年で住めなくなりますか

何年で住めなくなるかを決めた法令や公的な基準はありません。建物の造り、屋根や外壁の状態、換気と通水をしていたかで大きく変わります。税の計算に使う建物の耐用年数も、価値を年ごとに減らすための年数であって、住めなくなる年数を表すものではありません。

傷みが早く進むのは、雨漏りに気づかないまま放っておいた家と、窓を閉めきって湿気がこもった家です。売るかどうか決めていない間も、月に一度の換気と通水、雨どいの詰まりの確認をしておきます。そうすると、売るときに引かれる修繕費の見込みが小さくなります。

Q3. 相続した家を売却したとき、3,000万円まで控除される制度は何ですか

被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例と呼ばれる制度です。昭和56年5月31日以前に建った、親が一人で住んでいた家とその敷地を相続し、相続から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ると、譲渡所得から最高3,000万円を控除できます。令和6年1月1日以後に売った場合は、その家と敷地を相続した人が3人以上いると、1人あたりの上限は2,000万円です。

売る前に耐震改修をするか取り壊すか、または令和6年1月1日以後の売却なら買主が翌年2月15日までに取り壊しか耐震改修をすることが要件に入ります。売るまでに貸したり住んだりしていないことも求められます。使えるかどうかは国税庁の案内と税務署で確かめ、受けるには売った翌年の確定申告が要ります。

Q4. 空き家を売らない人がいるのは、なぜですか

親の暮らした家を手放す気持ちの整理がつかない、仏壇や家財の片付けが終わらない、兄弟姉妹の意見がそろわない、といった理由があります。固定資産税が住宅用地の特例で抑えられていて急ぐ理由を感じにくい、いずれ誰かが使うかもしれない、という声もあり、これらが重なることが多いようです。

売らないこと自体は誤りではありません。ただ、その間に相続登記の期限と3,000万円控除の期限が進み、建物の傷みも進みます。売らないと決めるなら、いつ決め直すかの日付を相続人で決めます。その日を控除の期限より前に置いておくと、後で売ることになったときの選択肢が減りません。

Q5. 相続した空き家をどうするか決められないときは、何から始めればよいですか

法務局で土地と建物の登記事項証明書を取り、所有者の欄に誰の名前が載っているかを確かめるところから始めます。売る・貸す・持ち続けるのどれを選ぶにしても、名義が親のままでは相続登記が先に要ります。その期限は、相続で取得したと知った日から3年以内です。

次に、親が亡くなった年から3,000万円控除の期限を出し、建物が昭和56年5月31日以前に建ったかを確かめます。この2つの日付が分かれば、いつまでに何を決めればよいかが並びます。売り方は、仲介と買取の金額を手元に残る額で比べてから選べます。

Q6. 遠方に住んでいて現地に何度も行けなくても、空き家を売却できますか

売却はできます。戸籍は郵送で取り寄せられます。遺産分割協議書への署名と押印も郵送の往復で進められ、相続登記も司法書士に頼めば現地に行かずに申請できます。仲介で売る場合は、内覧のたびに鍵の受け渡しが要ります。不動産会社に鍵を預けるか、近くの親族に立ち会いを頼むことになります。

買取で売る場合は、買主の事業者に鍵を預けて現地を見てもらい、契約と決済も郵送や司法書士を通じた手続きで進めることがあります。家財の片付けのために実家へ通う回数も減らせます。どちらの場合も、売主本人であることの確認と意思の確認は省けません。本人確認書類と印鑑証明書は、早めに手元にそろえておきます。

当社の見方

当社で空き家の売却をご相談いただくと、最初に確かめるのは登記上の名義が誰になっているかで、亡くなったご家族の名義のまま残っているケースが多くあります。その場合は売却の前に相続登記が必要になり、戸籍などの書類を追加でご用意いただくことになるため、名義の確認が全体の進み方を左右します。名義が整っていれば、買取価格のご提示はご相談から目安30分、ご契約までが目安1〜2週間、お引き渡しは早ければ2週間以内で、ご入金はお引き渡しと同時です。手元に残る金額を見込むときは、売買契約書の印紙代や抵当権の抹消登記、住所変更登記、相続した物件では相続登記の費用がかかる点も含めて考えておくと安心です。全国(47都道府県)に対応していますので、ご実家が遠方にあり何度も現地へ通えない方からのご相談もお受けしています。ご用意いただく書類やご負担いただく費用は個別のご案件によりますし、買い取れない物件や売らないほうがよい場合は正直にそうお伝えしていますので、まずは名義の状況からお聞かせください。

当社が買い取る物件・お断りする物件と、買取価格の決まり方は、当社の買取事例76件の内訳とあわせて当社の買取基準にまとめています。

この記事について

執筆・編集
リアテクス編集部株式会社リアテクス当社(宅地建物取引業 東京都知事(1)第107888号)は物件を直接買い取る買主の立場から、売却を検討する方の判断材料となる記事を企画・編集しています。
監修
鶴野 博之鶴野 博之株式会社リアテクス 執行役員宅地建物取引士(東京)第257503号/賃貸不動産経営管理士/2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)この区分の監修を担当しています。記事の公開判断は当社が行っています(代表が定めた手順による)。確認・公開判断:鶴野 博之(株式会社リアテクス 執行役員)
公開・更新
公開 更新 内容を見直したときは、この日付と改訂の内容を更新しています。情報の確認日 (出典の公的資料を開いて内容を確かめた日)
この記事の事実確認の方法
法令:空家等対策の推進に関する特別措置法、民法
記事の作り方
この記事は、当社の担当者が事実確認を行ったうえで公開しています。

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