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空き家売却の特別控除はいつまで?相続3年目の年末と確認書

公開 更新

執筆
株式会社リアテクス リアテクス編集部
監修
株式会社リアテクス 取締役COO 薩摩 賢幸
空き家売却の特別控除はいつまで?相続3年目の年末と確認書

「空き家を売却するのに、先に解体費用を払って家を壊さないといけないのか」。昭和56年5月31日以前に建ち、亡くなる直前まで親が一人で住んでいた家を、相続後は使わずに3年目の年末までに売るなどの条件を満たせば、譲渡所得から最高3,000万円を引けます。2024年1月1日以後の売却なら、解体せずに売り、買主が翌年2月15日までに取り壊す形でも対象です。

当社は相続した空き家を現況のまま自己資金で買い取り、決済日は相続から3年目の年末に間に合うよう売主さまのご都合に合わせます。建物を残して使う見込みの家では取壊しを約束できず、買主が工事する形の控除が使えないことがあります。この家が買い取れるかどうかだけ、先に聞く(無料)

目次(7章)

相続した空き家の売却で、特別控除が使えるか迷っていませんか

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相続した実家を売るのに、解体費用を先に払う必要があるとは限りません。2024年1月1日以後の売却なら、壊さずに売り、買主が翌年2月15日までに取り壊す形でも特別控除の対象になります。ただし控除が使えるのは、建った時期、親の住み方、売る時期の条件がそろった家だけです。

空き家売却の特別控除はいつまで?相続3年目の年末と確認書の要点を、定義・この記事でわかること・よくある質問の順に短くまとめた動画です。

空き家の特別控除はいつまでに売れば使える?3年目の年末と2027年末

実家の居間で向かい合って座り、うなずきながら話し合っている家族

特別控除が使えるのは、相続から3年目の年末と令和9年(2027年)12月31日の早い方までに売った場合で、引けるのは譲渡所得から最高3,000万円(家と敷地等を取得した相続人が3人以上なら1人2,000万円)です。

制度の根拠は租税特別措置法第35条第3項です。国税庁は「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」という名前で要件を案内しています(No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例(国税庁))。世間では、空き家を譲渡した場合の3,000万円特別控除と呼ばれます。空き家の3,000万円特別控除(空き家特例)という呼び方もあります。名前は違っても、指しているのは同じ制度です。

売却の期限は、3年目の年末と2027年12月31日の早い方

1つ目の期限は、相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日です。亡くなった日から3年たつ年の、大みそかまでと読めば足ります。

2つ目の期限は、制度そのものの期限です。租税特別措置法第35条第3項は、平成28年4月1日から令和9年(2027年)12月31日までの譲渡を対象にしています。2025年以後に亡くなった方の家では、3年目の年末より先に、こちらの期限が来ます。延びるかどうかは、その年ごとの税制改正で決まります。現時点の法律では、2027年12月31日が終わりです。

当社に売る場合の日数から、相談の目安日も出せます。ご相談から契約までは目安1〜2週間、引き渡しは早ければ2週間以内です。契約までは長い方の2週間、引き渡しまでは早い場合の2週間で数えます。式にすると、相談の目安日 = 売却の期限 − 4週間(契約まで2週間 + 引き渡しまで2週間)です。引き渡しの日を期限の内側に置く前提で数えています。

亡くなった日ごとの期限と相談の目安を、逆算の早見表にすると次のとおりです。

亡くなった日特例の売却期限当社への相談の目安(期限の4週間前)
2022年9月5日2025年12月31日期限が過ぎていて特例は使えない
2023年6月15日2026年12月31日2026年12月3日ごろ
2024年9月10日2027年12月31日2027年12月3日ごろ
2025年8月20日2027年12月31日(制度の期限が先)2027年12月3日ごろ

2023年に亡くなった方の家は、2026年12月31日が期限です。残りの日数はもう多くありません。表の4週間は、相続登記が済んでいる場合の最短の日数です。登記がまだなら、戸籍を集めて申請する日数が上乗せされます。その日数は戸籍の数で変わるので、司法書士に聞いてから逆算してください。仲介で買い手を探す場合は、売り出してから契約までの期間がさらに加わります。

期限内に売れても、控除で手取りが増えるとは限らない

売却期限と相談目安日の逆算

  1. 期限の4週間前

    相談の目安日

    引き渡しを期限内に終えるための逆算

  2. 期限の2週間前

    契約の目安

    相談から目安1〜2週間で契約

  3. 期限の日

    引き渡し・売却の期限

    3年目の年末と2027年末の早い方

控除で減るのは、利益にかかる税だけです。地方の古い家で、売っても利益がほとんど出ないなら、もともと税はかかりません。そうした家では、控除が使えても手取りは1円も増えません。控除を使うために解体費用を払えば、払った分だけ手取りが減ります。期限に間に合わせる意味が大きいのは、譲渡所得がはっきり出る家です。

利益は次の順に出します。売った金額から、家を手に入れた費用(取得費)を引きます。さらに、売るためにかかった費用(譲渡費用)を引きます。残った額が譲渡所得です。控除は、この譲渡所得から最高3,000万円を差し引くもので、税額から引くものではありません。

譲渡所得が1,800万円なら、控除のあとは0円です。所得税も住民税もかかりません。譲渡所得が4,200万円なら、残る1,200万円に税がかかります。差し引ききれない分には、ふつうに課税されます。

税率の見当もつけておきます。相続した家は、所得税法第60条第1項により、亡くなった方が取得した時期を引き継ぎます。親が長く持っていた家なら、所有期間が5年を超えた長期譲渡所得になるのが通常です。長期譲渡所得の所得税は、租税特別措置法第31条で15%と定められています。住民税と復興特別所得税は、これとは別にかかります。所得税だけで見ると、3,000万円 × 15% = 450万円が、控除で減る額の上限の目安です。

利益が出るかどうかは、取得費の資料が残っているかで大きく変わります。親が買ったときの契約書が無い家は、取得費を低く見るしかありません。その分、利益が大きく出がちです。取得費の見方は、よくある質問の「Q3. 取得費が分からない古い実家でも、特例で税金はゼロになりますか」で答えています。

「空き家の特別控除はいつまでに売れば使える?3年目の年末と2027年末」について、そのまま聞けます。

特別控除が使える条件は?昭和56年5月31日以前・1億円以下

使えるのは昭和56年5月31日以前に建ち、亡くなる直前まで被相続人が一人で住んでいた家で、売る金額が1億円以下の場合です。

ほかにも条件があります。空き家の3,000万円特別控除の適用要件は、家そのもの、亡くなった方と相続人の使い方、売り方に分かれます。条文は租税特別措置法第35条第3項で、e-Gov法令検索で読めます(租税特別措置法(e-Gov法令検索))。どれか1つでも外れれば、利益がいくらでも控除は使えません。3,000万円特別控除を利用する条件のうち、実際に外れやすいのは建築時期と、亡くなる直前の住み方です。

1. 昭和56年5月31日以前に建った家で、亡くなる直前まで一人で住んでいたか

特別控除を利用するための主な条件

  • 昭和56年5月31日以前か

    登記の新築年月日で判定。6月1日以後なら対象外になる。

  • 区分所有登記でないか

    分譲マンションや二世帯で別々に登記された家は外れる。

  • 亡くなる直前は一人暮らしか

    子や孫の同居など、ほかに住んでいる人がいれば外れる。

  • 相続後に使っていないか

    売るまでに一時的でも誰かが住んだり貸したりすると外れる。

建築時期は、登記事項証明書の表題部にある新築年月日で見ます。昭和56年6月1日以後の日付なら、そこで対象外です。固定資産税の通知書の建築年とずれていることがあります。迷ったら、登記の日付を基準にします。

登記の形も見ます。分譲マンションのように、区分所有建物として登記された家は外れます。築年が古くても同じです。二世帯住宅で、親世帯と子世帯の部分が別々に区分所有登記されている家も外れます。

住み方は、相続の開始の直前の状態で判定します。条件は、亡くなった方の一人暮らしです。ほかに住んでいる人がいれば外れます。子や孫が同居していた家も対象外です。介護のために子が泊まり込んでいた家など、線引きが難しい場合があります。そのときは、住民票と実際の暮らし方を書き出して、税務署に相談してください。

条件は相続のあとにもあります。相続してから売るまで、家も敷地も、事業・貸し付け・居住のどれにも使っていないことです。半年だけ知人に貸した。親族が一時的に住んだ。そうした期間があるだけで外れます。賃料を受け取ったかどうかは関係ありません。

空き家を傷ませないために誰かに住んでもらう判断は、ここで裏目に出ます。売るつもりがあるなら、売るまでは空き家のまま管理します。チェック表で○×を付けながら確かめたい方は、「空き家3000万円控除の条件」の記事の判定表が使えます。

2. 売る金額が1億円以下か

特別控除の対象外になる判定の流れ

  1. 1

    建築時期と登記の確認

    昭和56年5月31日以前か。区分所有登記なら対象外。

  2. 2

    亡くなる直前の住み方

    被相続人の一人暮らしか。同居人がいた場合は対象外。

  3. 3

    相続後の使い方

    事業・貸付・居住に使っていないか。一時的でも対象外。

売った対価の合計が1億円を超えると、控除は使えません。判定は持分ごとの金額ではありません。家と敷地の全体で見ます。兄弟3人の共有で1億2,000万円で売れたとします。1人あたりは4,000万円でも、全員が外れます。

同じ家と敷地を何回かに分けて売った場合も、売った額を合わせて判定します。先に敷地の一部を売り、残りを後で売ったときは、その合計で見ます。分けて売れば1億円以下に収まる、という形にはなりません。

売る相手にも条件があります。親子や夫婦など、特別の関係がある人に売った場合は対象外です。身内に安く譲って控除も使う、という組み合わせはできません。買取業者や、つながりの無い個人に売るなら、この点は問題になりません。

金額の条件は、仲介で売るか買取で売るかとは関係がありません。1億円以下で、相手が特別の関係でなければ、どちらの売り方でも同じように控除を使えます。

3. 家と敷地等を取得した相続人が3人以上なら1人2,000万円が上限

特例が使えるか迷いやすい条件と判定基準は?

建築時期は登記の日付を基準とし、亡くなる直前の一人暮らしが条件です。相続後は一切使わずに売る必要があります。

  • 建築年で迷ったら登記の日付を基準にする
  • 介護等で住み方に迷う場合は税務署へ相談
  • 相続後に一時的に貸したり住んだら対象外

令和6年1月1日以後の売却では、家と敷地等を相続や遺贈で取得した相続人が3人以上なら、控除は1人2,000万円が上限です。2人までなら、1人3,000万円のままです。

数えるのは、法律上の相続人の人数ではありません。実家の家と敷地等を実際に取得した人の数です。相続人が4人いても、遺産分割で実家を取得したのが2人なら、1人3,000万円で計算します。

計算例を置きます。家全体の譲渡所得が6,300万円だったとします。1人で相続していれば、6,300万円 − 3,000万円 = 3,300万円に税がかかります。3人が3分の1ずつ相続していれば、1人分は6,300万円 ÷ 3 = 2,100万円です。そこから2,000万円を引くと、1人100万円、3人で300万円に税がかかります。

取得する人が増えると、1人の上限は下がります。それでも、全員分を合わせた控除は大きくなることがあります。ただ、誰が実家を取得するかは、控除の額だけで決めるものではありません。代わりにお金を払う約束をするなど、分け方しだいで別の税が生じることもあります。遺産分割の前に、税理士に分け方ごとの税を出してもらってください。

4. 共有名義・老人ホームに入っていた場合の扱い

共有で相続した家は、取得した相続人がそれぞれ、自分の持分の譲渡所得から控除を受けます。確定申告も1人ずつ別々にします。1億円の判定が全員の合計になることは、上の「2. 売る金額が1億円以下か」のとおりです。

相続より前から、自分の名義の持分があった家もあります。たとえば、親と子が建てたときから共有にしていた家です。相続で取得していない持分は、扱いが分かれることがあります。登記事項証明書を持って、税務署に確かめてください。

亡くなった方が老人ホームなどに入っていた場合も、一定の要件を満たせば対象になります。主な要件は、要介護認定や要支援認定などを受けて入所し、亡くなる直前まで入所していたことです。入所の直前まで一人で住んでいたことも要ります。入所の後も家財を置くなどして本人が使う状態が続き、その間にほかの人が住んだり貸したりしていないことも条件です。

施設にいた期間が長くても、それだけで外れるわけではありません。外れるのは、入所の間に家を誰かに使わせた場合です。親の意思確認や税の期限まで含めて考えるなら、「施設に入った親の家の売却」の記事が次の手がかりになります。

解体して売る?そのまま売る?2024年1月以後の変更点

手入れされた庭木と古い木造住宅の外観、および周囲の住宅地

令和6年(2024年)1月1日以後の売却では、売った年の翌年2月15日までに買主が耐震改修か取壊しをする形でも、特例の対象になります。

それより前の売却では、売主が引き渡しまでに耐震改修か取壊しを終える必要がありました。国土交通省の案内も、この変更を令和6年1月1日以後の譲渡から適用するとしています(空き家の発生を抑制するための特例措置(国土交通省))。どの形を選んでも、誰も工事をしない古家付きのまま終われば、控除は使えません。

1. 自分で解体または耐震改修してから売る

解体して売る場合と耐震改修の段取り

  1. 1

    解体して更地で売る

    売るまで土地を使わない。年をまたぐと固定資産税が上がる。

  2. 2

    耐震改修して売る

    耐震診断と補強工事を実施。工事費が控除額を上回るか注意。

売主が先に取り壊すなら、売るのは土地だけになります。取り壊したあとも、売るまで土地を何にも使わないことが条件です。月極駐車場や資材置き場として貸すと外れます。近所の人に車を置かせただけでも、貸し付けと見られることがあります。

更地にすると、固定資産税の扱いも変わります。地方税法第349条の3の2の住宅用地の特例は、家が建っている土地の課税標準を価格の3分の1にします。200平方メートル以下の部分は6分の1です。家を壊して1月1日を迎えると、この特例から外れます。税額の上がり方は、「空き家の固定資産税が6倍になる条件」の記事で勧告との関係も含めて確かめられます。年内に引き渡せない日程なら、解体の時期を引き渡しに近づけます。

耐震改修は、家を残して売る道です。耐震診断を受け、補強の工事をします。そのうえで、耐震基準に適合していることを示す書類を用意します。昭和56年5月31日以前の木造の家では、補強が基礎や壁の広い範囲に及ぶことがあります。工事費が、控除で減る税を上回るなら、この道を選ぶ意味はありません。

自分で工事をする道の利点は、控除が使えるかどうかが売る前に決まることです。買主の都合に左右されません。その代わり、売主が工事費を先に払います。売れるまでの間、その費用は手元から出たままです。

2. 買主が翌年2月15日までに解体・改修する形で現況のまま売る

家を現況のまま引き渡し、買主が工事をする形です。工事の期限は、売った年の翌年2月15日です。2026年10月に引き渡したなら、2027年2月15日までに取壊しか耐震改修が終わっている必要があります。

売主は解体費用を立て替えずに済みます。片付けや工事の手配も要りません。その代わり、工事をするかどうかは買主次第になります。買主が期限までに工事をしなければ、控除は使えません。売ったあとで控除が消える、という危うさが残る形です。

そのため、工事の約束と時期は売買契約書に書き入れます。工事が終わったことを示す書類を、売主が確定申告で出せるようにする段取りも要ります。登記の写しや工事の書類を、いつ誰が売主に渡すかまで決めておきます。

売り方ごとの違いは次の表のとおりです。

売り方特別控除工事の費用を出す人
売る前に自分で取り壊し、土地だけを売る対象売主
売る前に耐震改修し、家屋付きで売る対象売主
現況で売り、買主が翌年2月15日までに取壊しか耐震改修をする対象(令和6年1月1日以後の譲渡)買主
現況で売り、期限までに誰も工事をしない対象外なし

3. 雨漏りや火災で傷んだ家・解体費用の考え方

雨漏りや傾きがある家でも、条件を満たせば控除の対象です。家の傷み具合は要件に入っていません。ただ、傷んだ家を耐震基準に合わせる工事は費用がかさみます。実際には、取り壊すか、買主の取壊しに任せるかの二択になりやすい家です。

火災で焼けた家は事情が違います。相続の時点で家屋が残っていなかった土地は、対象になりません。焼け残った家がある場合や、相続のあとに焼けた場合は、事実を伝えて税務署に確かめてください。焼けた家の売り方は、「火事の家の売却」の記事で解体と土地の値を含めて確かめられます。

解体費用は、控除で減る税と並べて考えます。売るために家を取り壊した費用は、国税庁の譲渡費用の説明でも譲渡費用に入ります。つまり解体費用の分だけ、譲渡所得も小さくなります。比べるときは、次の2つの手取りを同じ紙に書きます。

  • 解体して売る手取り = 更地の価格 − 解体費用 − 控除後の税
  • 現況で売る手取り = 古家付きの価格 − 控除後の税

買主が取り壊す形なら、解体費用は古家付きの価格の中で調整されます。解体費用の目安は建物の構造と大きさで決まります。見積りの前の見当は、「空き家の解体費用はいくらかかるか」の記事でつけられます。

「解体して売る?そのまま売る?2024年1月以後の変更点」について、そのまま聞けます。

相続登記はいつ始める?売却の期限から逆算する段取り

実家の和室で、座卓に向かって手を動かして作業をしている人物の後ろ姿

期限より前に済ませておくのは、相続登記と、取り壊す前の家の写真です。確認書の申請と確定申告は、売ったあと翌年3月15日までの申告に間に合わせます。

早見表の4週間には、戸籍を集めて相続登記をする日数が入っていません。登記がまだの家では、この日数が日程を決めます。

1. 相続登記の期限と特例の期限は、亡くなった日でどちらが先か

期限前に済ませるべき主な段取り

  • 2023年6月15日死亡の例

    特例は2026年12月31日、登記は2027年3月31日で特例が先。

  • 2024年9月10日死亡の例

    登記は2027年9月、特例は2027年12月31日で登記が先。

  • 売却と登記の順番

    期限の前後に関わらず、売るためには売却より前に登記が必要。

買主に名義を移すには、その前に相続人の名義にしておく必要があります。名義が亡くなった親のままでは、売買の登記ができません。

相続登記には、売るかどうかと関係なく申請の期限があります。親が2024年4月1日より前に亡くなった家も対象で、その時点で相続を知っていた人の期限は2027年3月31日です。2024年4月1日以後に亡くなった家なら、実家を自分が相続したと知った日から数えて3年以内です。どちらも、制度が始まった2024年4月1日と、相続で取得したと知った日のうち遅い方を起点に3年と数えます(相続登記の申請義務化について(法務省))。

特例の期限との前後は、亡くなった日で入れ替わります。2023年6月15日に亡くなり、その日に知った人を考えます。相続登記は2027年3月31日まで、特例は2026年12月31日までです。特例が先に切れます。2024年9月10日に亡くなり、その日に知った人なら、相続登記は2027年9月まで、特例は2027年12月31日までです。こちらは登記が先に来ます。

どちらが先でも、売るなら登記は売却より前に要ります。登記には、亡くなった方の出生から死亡までの戸籍などが要ります。集めるのに時間がかかるので、「空き家の特別控除はいつまでに売れば使える?3年目の年末と2027年末」の章の早見表の4週間とは別に、日数を見込んでください。

2. 確認書は売ったあとに申請し、写真と閉栓の記録は売る前に残す

死亡日による相続登記と特例の期限

  1. 2023年6月15日

    Aさんの相続開始

    この日に亡くなり、相続を知ったとする

  2. 2024年9月10日

    Bさんの相続開始

    この日に亡くなり、相続を知ったとする

  3. 2026年12月31日

    Aさんの特例の期限

    3年目の年末。登記より先に来る

  4. 2027年3月31日

    Aさんの相続登記の期限

    制度開始の2024年4月1日から3年

  5. 2027年9月

    Bさんの相続登記の期限

    知った日から3年。特例より先に来る

  6. 2027年12月31日

    Bさんの特例の期限

    3年目の年末

確認書は、家のある市区町村が出す書類です。亡くなる直前に一人で住んでいたことや、相続のあとに誰も使っていないことなどを、市区町村が確かめた証明になります。確定申告に添えないと、控除は受けられません。

申請に要る書類は、市区町村で違います。よく求められるのは、亡くなった方の住民票の除票です。電気・ガス・水道の使用中止や閉栓が分かる書類も求められます。売買契約書の写しや、家屋や更地の写真が要る市区町村もあります。

老人ホームに入っていた場合は、書類が増えます。介護保険の被保険者証の写しや、施設との契約書などです。買主が翌年2月15日までに工事をする形では、工事が終わったことを示す書類も求められます。

写真は、取り壊す前の家を撮っておくと困りません。買主が壊したあとでは、元の家の写真は撮れないからです。閉栓の記録も、相続のあとで解約した日付が分かるよう控えを残します。

発行までの日数も、市区町村ごとに違います。引き渡しの前に窓口へ電話し、要る書類を聞いておきます。年末に引き渡すと、確認書が年明けになることもあります。売却の期限は引き渡しで決まるので、確認書は翌年の申告に間に合えば足ります。

3. 税が0円になる年も、翌年3月15日までに申告する

控除は、申告して初めて受けられます。税が0円になる場合でも、申告しなければ控除は使えません。会社勤めで普段は申告しない方も、この年は申告が要ります。

申告の時期は、売った年の翌年2月16日から3月15日までです。確定申告書に譲渡所得の内訳書を付けます。添える書類の一覧は、国税庁のNo.3306の案内にあります。主なものは次のとおりです。

  • 被相続人居住用家屋等確認書
  • 売った家や敷地の登記事項証明書など、相続で取得したことや建築時期が分かる書類
  • 売買契約書の写しなど、売った金額が1億円以下であることが分かる書類
  • 家を残して売った場合は、耐震基準に適合していることを示す書類

共有で売った場合は、取得した相続人が1人ずつ申告します。書類も人数分を用意します。申告が要る人の範囲と書類の流れは、「不動産売却で確定申告が必要な人」の記事で確かめられます。

4. 相続税を納めた人は、取得費加算の特例と比べて売る時期を決める

取得費加算の特例とは、併用できません。どちらか一方を選びます。取得費加算は租税特別措置法第39条の特例です。相続税を納めた人が、その一部を取得費に足せる仕組みです。

取得費加算が使えるのは、相続開始の日の翌日から、相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までの売却です。相続税を多く納めた人は、こちらの方が税が少なくなることがあります。どちらを選ぶかは、両方の計算をしてから決めます。計算例は「相続した家の売却の税金」の記事にあります。

小規模宅地等の特例は、相続税の側の特例です。亡くなった方が住んでいた土地の評価を下げ、相続税を軽くします。売ったときの譲渡所得の控除とは、別の税の話です。

ただし、相続税の申告期限より前に土地を売ると、小規模宅地等の特例の要件に響くことがあります。相続税の申告がある人は、売る時期を決める前に、申告を頼む税理士に伝えてください。相続税の申告が要らない人は、この点は気にしなくて構いません。

なお、この記事の税務・法務に関する記載は一般的な情報提供であり、個別の事案についての判断ではありません。適用の可否や具体的な税額については、税務署または税理士、登記については司法書士、境界や隣地との権利関係については弁護士や土地家屋調査士など、それぞれの専門家にご確認ください。当社は不動産の買主であり、税務や法律の代理はできません。

「相続登記はいつ始める?売却の期限から逆算する段取り」について、そのまま聞けます。

相続した空き家を買い取る流れは?契約まで目安1〜2週間

当社が買い取る条件・買い取れない条件と、実際の買取事例は「当社の買取基準」にまとめています。

「相続した空き家を買い取る流れは?契約まで目安1〜2週間」について、そのまま聞けます。

解体費用を払う前に確かめる3つのこと

  • 解体は必須ではありません。2024年1月1日以後の売却は、買主が翌年2月15日までに取壊しか耐震改修をする形でも対象です。買主が工事を約束するかは、契約の前に確かめます。
  • 売却の期限は、相続から3年目の年末と令和9年(2027年)12月31日の早い方です。期限まで4週間を切り、相続登記もまだなら、年内の引き渡しが難しくなります。
  • 登記事項証明書で、昭和56年5月31日以前の建築か、区分所有登記でないかを見ます。亡くなる直前の一人暮らしと、相続後に貸したり住んだりしていないことも確かめます。どれかが外れていれば、解体しても控除は使えません。

当社は相続した空き家を現況のまま買い取り、取壊しを約束できるかと引き渡しの日が期限に入るかを、価格と一緒に契約の前にお伝えします。

査定は無料・売却の義務なし
0120-996-748受付時間10:00〜19:00(水・日曜定休)

通話料無料・全国対応

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相続した実家の売却で、よく聞かれる質問

Q1. 名義変更が済んでいない空き家でも特例は使えますか

売る前に相続登記を済ませれば使えます。特例の対象は、相続や遺贈で取得した家と敷地です。名義が亡くなった方のままでは、買主へ名義を移す登記ができません。

申告では、相続で取得したことが分かる登記事項証明書などを添えます。相続登記の期限と特例の期限の前後は、「1. 相続登記の期限と特例の期限は、亡くなった日でどちらが先か」で例を挙げています。まだ戸籍を集めていない方は、その日数を売却の日程に足してください。

Q2. 無償で譲った場合も特例の対象になりますか

対象になりません。この特例は、売って生じた譲渡所得から差し引く制度です。個人に無償で渡すと、渡した側には譲渡所得が生じません。差し引く利益がそもそも無いのです。

その代わり、受け取った側に贈与税がかかるのが原則です。空き家で値打ちが低くても、評価額がある限り課税の対象になります。法人に無償で渡すと、渡した側に課税されることもあります。親族に安く売る場合は、特別の関係がある人への売却として控除の対象外になります。

Q3. 取得費が分からない古い実家でも、特例で税金はゼロになりますか

利益が3,000万円以下に収まれば、ゼロになります。親が買ったときの金額が分からない場合、国税庁の案内では、売った金額の5%を取得費とする方法を使えます(取得費が分からないとき(国税庁))。2,000万円で売れた家なら、取得費は 2,000万円 × 5% = 100万円です。

譲渡費用を引いた譲渡所得は、2,000万円から100万円と譲渡費用を引いた額です。3,000万円を引けばゼロになります。4,000万円で売れた家なら、取得費は200万円で、譲渡所得は3,800万円から譲渡費用を引いた額です。控除のあとに数百万円が残ります。古い契約書や領収書が見つかれば、実際の金額で計算できます。

Q4. 片付けに通ったり荷物を置いたりしていても、使っていないことになりますか

片付けや草刈りに通う、家財を置いておく、という程度なら、事業・貸し付け・居住に当たらないのが一般的です。外れるのは、そこで暮らしている、仕事場として使っている、という実態がある場合です。

週末ごとに泊まっている、郵便の宛先にしている、といった使い方は判断が分かれます。迷ったら、通った日と何をしたかを書き出して、税務署に相談してください。確認書の申請では、電気や水道の使用状況も見られます。

Q5. 3年目の年末を過ぎてしまったら、ほかに使える特例はありますか

空き家の特例は使えません。相続税を納めた方なら、取得費加算の特例が残っていることがあります。期限と仕組みは「4. 相続税を納めた人は、取得費加算の特例と比べて売る時期を決める」のとおりです。

相続税がかからなかった方は、譲渡所得にそのまま課税されます。その場合でも、取得費の資料を探すことで税は小さくできます。親の通帳や古い契約書の控えが、仏壇や金庫に残っていることがあります。

Q6. 遠方に住んでいて、実家に行けなくても売れますか

売れます。当社は鍵をお預かりし、当社だけで現地を見ることもできます。決済日は売主さまのご都合に合わせます。

ただ、確認書の申請に要る写真や閉栓の手続きは、売主さまの側で用意するものです。取り壊す前の写真は、現地に行ける親族に撮ってもらうか、引き渡しの前に手配します。郵送と委任で進める段取りは、「遠方の実家を行かずに売却する方法」の記事で確かめられます。

当社の見方

ご相談の中では、空き家の売却で特別控除を使いたいのに、期限の年末が近づいてから売却先を探し始めたという方が多く、日程の余裕がほとんど残っていないこともよくあります。ただ、相続した物件では戸籍などの書類が追加で必要になり、相続登記の費用もかかるため、書類集めや登記の段取りに思った以上に時間を取られる方もいます。確認書の準備も売却と並行して進めることになるので、期限から逆算して、まずはお手元の書類がそろっているかを早めに確かめておくことをおすすめしています。当社は全国(47都道府県)に対応していますので、相続した空き家が遠方にあって現地に通えないという場合でもご相談いただけます。また、買い取れない物件や、売らないほうがよい場合は正直にそうお伝えしていますので、期限だけを理由に急いで決めてしまう前に一度お声がけください。

当社が買い取る物件・お断りする物件と、買取価格の決まり方は、当社の買取事例76件の内訳とあわせて当社の買取基準にまとめています。

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リアテクス編集部株式会社リアテクス当社(宅地建物取引業 東京都知事(1)第107888号)は物件を直接買い取る買主の立場から、売却を検討する方の判断材料となる記事を企画・編集しています。
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薩摩 賢幸薩摩 賢幸株式会社リアテクス 取締役COOこの区分の監修を担当しています。記事の公開判断は当社が行っています(代表が定めた手順による)。確認・公開判断:薩摩 賢幸(株式会社リアテクス 取締役COO)
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