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空き家のゆくえ買取くん

再建築不可

埼玉県の空き家「あげます」は可能?私道で建て替えできない家

公開 更新

執筆
株式会社リアテクス リアテクス編集部
監修
株式会社リアテクス 執行役員 鶴野 博之(宅地建物取引士(東京)第257503号)
埼玉県の空き家「あげます」は可能?私道で建て替えできない家

「埼玉の別荘を「あげます」で誰かに譲りたいが、私道の奥にあって建て替えもできない家に、もらい手が付くのか分からない」。建て替えできない私道の家は、もらう側が登記や税の費用に加えて私道の承諾まで引き受けるため「あげます」の相手が付きにくく、相手が見つかるまでの固定資産税と管理は譲る側に残ります。

当社は私道に面した建て替えできない家も自己資金で現況のまま買い取ることがあり、私道の承諾が無い分や解体の費用は価格から引きます。書面で贈与の約束が成立している家や、敷地の一部が農地のまま転用の見通しが立たない家は買い取れません。この土地が買い取れるかどうかだけ、先に聞く(無料)

目次(12章)

「あげます」に出す前の埼玉県の空き家も、私道のまま相談できます

約1分で簡単査定を申し込む

この先は当社の買取窓口「買取くん」です。

埼玉県の空き家は「あげます」で個人に無償で譲ることができます。市町村の空き家バンクや「空き家差し上げます」と載せる民間の掲載サイトで相手を探す道もあります。ただ、前面が私道で建て替えできない家は、もらう側が登記や税の費用に加えて私道の承諾を取る手間まで引き受けることになります。そのため、0円でも引き取り手が付かないまま年を越すことがあります。譲れるかどうかを先に分けるのは、前面の道と接道の幅、私道の持分、通行と掘削の承諾、相続登記の4つです。どれが欠けているかによって、譲る・売る・壊すのどれを選べば手元に残る額が大きくなるかが変わります。

埼玉県の空き家「あげます」は可能?私道で建て替えできない家の要点を、定義・この記事でわかること・よくある質問の順に短くまとめた動画です。

空き家を「あげます」に出す埼玉県の私道の家は、なぜ建て替えできない?

建て替えできる前面道路と接道の条件

  • 位置指定を受けた私道

    公道に面した家と同じように建て替えの申請ができる

  • 幅4m未満の古い道

    中心線から2m後退すれば建て替えできるが敷地は減る

  • 指定のない通路

    原則として新しい建物を建てられない

前面の私道が建築基準法の道路に当たらないか、敷地がその道路に2m以上接していないと、今の家を壊しても新しい家は建てられません。同じ私道でも、特定行政庁が道路として位置を指定した道と、昔から通路として使われてきただけの道があります。どちらなのかで、建て替えの可否も、あげますに出したときに相手が付くかどうかも分かれます。

建て替えできるかは、前面道路の種類と接道2mで決まる

4m以上の道と4m未満の古い道の違い

観点幅4m以上の道・位置指定道路指定のない4m未満の古い道
建築基準法の道路当たる(第42条)原則として当たらない
建て替えの可否公道と同じように確認申請を出せる原則として新しい建物を建てられない
敷地の後退不要指定を受けた道なら中心線から2m後退する

私道の奥にある家を建て替えるには、その敷地が道路に2m以上接していることが、建築基準法第43条第1項の条件になります。ここでいう道路は、同じ法律の第42条が定める道を指します。幅4m以上の公道のほか、特定行政庁が位置を指定した私道(第42条第1項第5号の、いわゆる位置指定道路)も含まれます(建築基準法(e-Gov法令検索))。私道であることそのものは、建て替えの妨げにはなりません。位置指定を受けた私道に2m以上接している家であれば、公道に面した家と同じように建て替えの確認申請を出せます。

問題になりやすいのは、幅が4mに届かない古い道です。建築基準法ができる前から家が建ち並んでいた道のうち、特定行政庁が指定したものは第42条第2項の道路として扱われます。この道では、道の中心線から2mの線が道路との境界とみなされます。そのため建て替えるときは敷地の一部を道として後退させることになり、建てられる床の広さは今の家より小さくなります。

指定を受けていない通路や、隣の家の庭先を通らせてもらっているだけの道は、この意味の道路には当たりません。そこにしか面していない敷地には、原則として新しい建物を建てられません。奥に細長い通路で道路につながる敷地では、通路の一番狭いところが2mに届いていなければ接道を満たしません。塀やブロックの外側で測ると2mあるように見えても、登記上の境界で測り直すと足りないことがあります。この食い違いは、譲る段階や売る段階になって見つかることがあります。

前面の道がどの種類に当たるかは、市の建築の担当課、町村にある家なら県の建築の担当の窓口で、道路の種別を示す図や台帳を見せてもらえば分かります。そのときに、接道を満たさない敷地でも建て替えが認められた前例が近くにあるかも聞いておきます。建築基準法第43条第2項に基づき、特定行政庁が認定したり、建築審査会の同意を得て許可したりした例です。分かれば、あげますの相手に渡せる情報が一段増えます。

私道の持分と、通行・掘削の承諾がそろわない家

前面道路の種類と建て替え可否の確認手順

  1. 1

    前面道路の種類を確かめる

    市や県の建築担当窓口で、道が建築基準法の道路に当たるか確認する。

  2. 2

    敷地の接道幅を測る

    登記上の境界で測り直し、道路に2m以上接しているか確かめる。

  3. 3

    建て替えの可否が分かれる

    位置指定道路なら可能、指定なしの通路や接道2m未満なら原則不可。

私道に面した家では、その私道を誰が持っているかが、建て替えの可否と同じくらい引き取り手の判断を左右します。分譲のときに造られた私道なら、沿道の家の持ち主全員で私道を共有している形が多くあります。私道を細かく分けて、自分の家の前ではなく向かいや隣の家の前の部分を互いに持ち合う形もよく見られます。なかには昔の地主や分譲した会社の名義のまま残り、沿道の家は誰も持分を持っていない私道もあります。

私道の持分があれば、自分の土地として通ることにも、水道やガスの管を埋めることにも根拠があります。持分が無い家は、持ち主の好意で通っている状態です。古くなった水道管を引き直すときには、道を掘ることについて持ち主の承諾を取らなければ工事の段取りが組めません。

2023年4月に始まった民法第213条の2の決まりで、水道や電気などを引くのに必要な範囲で他人の土地に設備を設けることは認められるようになりました。ただし、あらかじめ目的と場所と方法を土地の持ち主に知らせる手続きが要ります。金融機関や買主も、今も多くの場合、私道の持ち主全員から通行と掘削の承諾書が出ているかを確かめます。

承諾書が無い家は、もらう側から見ると、受け取ったあとで自分で私道の持ち主を一人ずつ探し、判をもらって回る仕事まで引き受けることになります。0円でも手を挙げる人が少なくなる理由の多くは、ここにあります。承諾書が取れないときの通行と掘削それぞれの進め方は、「私道の承諾書がもらえない家の売却」の記事で確かめられます。

建て替えできない家でも、直して住む道は残る

建て替えができないことと、今ある家に手を入れられないことは別の話です。壁紙や水回りの入れ替えのような工事であれば、接道とは関係なく進められます。2025年4月の建築基準法の改正で、木造2階建ての家でも、屋根や壁、柱などを大きく直す大規模な修繕・模様替えには確認申請が要るようになりました。一方で国土交通省は、接道を満たさない既存の家のままでも、こうした工事ができる場合があると案内しています。利用する人が増える用途への変更を伴わず、特定行政庁が交通・安全・防火・衛生の面で支障がないと認めた場合です(建築基準法第86条の7第1項)。

そのため、建て替えできない私道の家にも、壊さずに直して使うつもりの人にとっての使い道は残っています。あげますで相手を探すときに想定しやすいのは、こうした人です。ただし、工事の費用も確認申請の手間も、すべてもらう側の負担になります。屋根や土台の傷みが大きい家ほど、0円でも引き受けようという人の幅は狭くなります。

「空き家差し上げます」が埼玉県で目立つのは、空き家率9.3%のうちどんな家か?

令和5年調査における空き家率の比較

  • 県内の割合
    9.3%(市場で次の使い手が見つかりやすい)
  • 国全体の割合
    13.8%(過去の調査で最も高い値)

総務省の令和5年住宅・土地統計調査では、埼玉県の空き家率は9.3%で、全国の13.8%より低くなっています(総務省 住宅・土地統計調査・令和6年4月公表)。あげますに出るのは、売りにくい条件を抱えた一部の家です。売りにくさを分けるのは建物の古さよりも、前の道が建て替えに使えるか、名義が今の持ち主になっているか、どの地域にあるかです。どれか1つでも欠けると、仲介で一般の方に売りに出しても、買い手が付くまでの時間が読めなくなります。

埼玉県の空き家数と、全国の数字との違い

令和5年住宅・土地統計調査(総務省統計局)の都道府県別の集計では、埼玉県の空き家率は9.3%でした。全国の空き家は900万戸、空き家率は13.8%で、どちらも過去の調査でもっとも多く、もっとも高い値になりました(総務省 住宅・土地統計調査・令和6年4月公表、住宅・土地統計調査(総務省統計局))。埼玉県の総住宅数と空き家数(戸)の実数は、同じ調査の都道府県別の付表の埼玉県の行に載っています。自分の家がある市町村の数字は、市町村別の集計で確かめられます。

空き家率が全国より低いということは、県内の家の多くが、住む人が出ていったあとも賃貸や売却の市場で次の使い手を見つけているということでもあります。同じ調査は、賃貸用や売却用の空き家、別荘などの二次的住宅とは別に、使い道の決まっていない空き家を分けて数えています。あげますに出されるのは、この使い道の決まっていない側に残りやすい家です。

市場で次の使い手が見つかりやすい県の中で、それでも売り物として扱われずに残っている家は、建物の傷みよりも土地の条件に理由があることが多くあります。私道の家や建て替えできない家は、その代表的な例になります。

0円や譲渡の物件が埼玉県で出回る家の条件

0円や無償の譲渡として出てくる家は、大きく分けると、山あいの町にある家と、県南の古い住宅地で狭い私道に面した家の二通りに寄ります。比企地域のときがわ町や小川町、西部の飯能市、北部の熊谷市を含む地域などは、空き家バンクを設けて移住の相談を受けています。こうした町の家は、建物が住める状態なら、空き家バンクを通して次の住み手に渡ることもあります。ただ、山の斜面や谷あいの家では、前の道が狭いうえに土砂災害の区域にかかり、建て替えも大きな工事も難しいことがあります。

県南の駅から近い住宅地では、土地の値そのものはつくのに、売れずに残る家が出てきます。前面が幅の狭い私道で、私道の持分も承諾書も無いために、一般の買主が住宅ローンを組めず、仲介に出しても話が進まない家です。こうした家は、場所が良いぶん「あげます」と出せば問い合わせ自体は入りやすくなります。一方で、受け取ったあとに建て替えられないと分かった時点で話が止まりやすく、問い合わせの数と、実際に譲れるかどうかが一致しません。

どちらの地域でも共通しているのは、親が亡くなったあと名義が親のまま動いていない家が多いことです。名義が整っていない家は、無償であっても譲る登記ができません。相手が見つかってから慌てて相続登記に取りかかり、数か月の足踏みになることがあります。

「「空き家差し上げます」が埼玉県で目立つのは、空き家率9.3%のうちどんな家か?」について、そのまま聞けます。

埼玉県の空き家を手放す方法は3つ、私道の家で使えるのはどれ?

あげますと不動産会社の買取の違い

観点「あげます」で無償譲渡不動産会社の買取
引き渡す相手個人(隣の家の持ち主など)不動産会社
建物の状態そのままでは相手が付きにくい建て替え不可でも引き取られることがある
家財の片付け譲る側が片付けるのが一般的家財が残ったまま引き取られることがある
解体や修繕の費用もらう側が負担する買主である不動産会社が引き受ける

建物が建ったままの私道の空き家で使えるのは、個人に無償で譲るあげますと不動産会社の買取です。国の引き取り制度は、建物を壊した後でしか申請できません。どれが合うかは、建物を壊す費用を誰が持つのかと、私道の持分を土地と一緒に渡せるのかで分かれます。

1. 「あげます」で個人に無償譲渡する

あげますで相手を探す3つの主な探し先

探す順番相手を探す先相手が付きやすい条件・特徴
先に声をかける隣の家・私道の向かいの家敷地を合わせれば接道を満たす、庭や駐車場に使える
次に登録を確かめる市町村の空き家バンク無償の譲渡も載せられる市町村であること
広く探す民間の掲載サイト譲りたい人ともらいたい人をつなぐ

あげますは、法律の上では贈与の契約です。民法第549条により、譲る側が無償で渡すと伝え、もらう側がそれを受け入れたときに成立します。相手を探す先は、物件のある市町村の空き家バンク、譲りたい人ともらいたい人をつなぐ民間の掲載サイト、近所や知人のつながりの3つが中心です。空き家バンクには、売買や賃貸に加えて無償の譲渡も載せられる市町村と、価格をつけた売買や賃貸しか載せない市町村があります。登録の前に、窓口で確かめておきます。

私道の家でいちばん現実的な相手になりやすいのは、実は隣の家の持ち主です。隣の家が敷地を合わせれば、接道を満たして建て替えられるようになることもあります。そうでなくても、庭や駐車場として使い道があります。空き家バンクに出す前に、隣の家と、私道の向かいの家に声をかけてみる価値があります。

なお、空き家を無料で貸し出す方法もありますが、これは使用貸借という貸し借りです。持ち主はあなたのまま変わらず、固定資産税も、建物が誰かに損害を与えたときの責任も、持ち主の側に残ります。

2. 不動産会社の買取で売る

買取は、不動産会社が買主になって家を現金で買い取る方法です。私道の承諾が無い家や建て替えできない家も、建物を残したまま、家財が残ったままの状態で引き取られることがあります。価格は、一般の方に仲介で売れる見込みの額より低くなります。その差は、買主が解体や修繕、私道の持ち主との話し合い、次の使い手が見つかるまでの期間を自分の資金で引き受ける分です。

一般の方が買う仲介では、建て替えできない家に住宅ローンがつきにくく、現金で買える人だけが相手になります。そのため、買主が現れるまで何か月かかるかが読めません。買取なら相手を探す期間が無く、引き渡しの日を売る側の都合で決められます。仲介で売るときは成約したときに仲介手数料がかかりますが、当社が買い取る場合は仲介手数料はかかりません。

建て替えできない家にどのくらいの値がつくのか、接道の形ごとの考え方は「再建築不可物件の買取はいくら?接道の型で決まる価格と出口」の記事で、前面の道の型と価格の関係として確かめられます。

3. 相続土地国庫帰属制度で国に引き渡す

相続土地国庫帰属制度は、相続や遺贈で取得した土地を、審査を経て国に引き渡せる制度です。法務省の案内のとおり、建物がある土地は申請の対象外です。私道の空き家をこの制度で手放すには、先に建物を壊して更地にしなければなりません(相続土地国庫帰属制度について(法務省))。申請できるのは相続や遺贈で土地を取得した相続人に限られ、自分で買った別荘の土地は対象になりません。

法務省の案内では、担保権が付いた土地や境界がはっきりしない土地、通路として他人が使うことが予定されている土地も、引き取りの対象外とされています。私道の持分の部分はここに当たりやすく、家の敷地だけを国に渡しても、私道の持分は手元に残る形になりえます。審査の手数料は土地1筆あたり1万4,000円です。承認されると、宅地なら原則20万円の負担金を納めることも、同じ法務省の案内に書かれています。

建物を壊す費用は、すべて申請する側の負担です。国に渡すかどうかは、解体費と負担金の合計を、買取で受け取れる額や、あげますで相手を探す間の負担と並べてから決めます。解体費の見積もりの読み方は「空き家の解体費用はいくらかかるか」の記事で、重機が入らない狭い私道の奥の家で費用が上がる理由と合わせて確かめられます。

あげますと買取で手元に残るお金はいくら違う?埼玉県の空き家で比べる3つの軸

あげますでもらう側にかかる主な税金

  • 譲る側の受け取る額

    あげますは0円、買取は提示額から費用を引いた額が残る

  • もらう側にかかる税金

    110万円超の贈与税や、登録免許税、不動産取得税

  • 登記費用の負担

    当事者で決めるが、譲る側が負担して話がまとまることも

  • 買取で引かれる費用

    印紙代や抵当権抹消、住所変更、相続登記の費用が引かれる

あげますで受け取る代金は0円で、買取は提示額から印紙代や登記の費用を引いた額が残ります。その差は、手放すまでの月数の税と管理費でさらに開きます。比べる軸は、受け取る額と費用、手放すまでの期間、引き取り手の層の3つです。私道の家では、とくに引き取り手の層が狭いことが、ほかの2つの軸にも響きます。

1. 受け取る額と、譲る側・もらう側にかかる費用

あげますと買取で手元に残る金額の違い

観点「あげます」で無償譲渡買取で売る
受け取る代金0円提示額から各種費用を引いた額
譲る側の所得税個人相手ならかからない特例で最大3,000万円を差し引ける場合あり
譲る側の費用負担相手探しが難航すると登記費用を持つことも印紙代や抵当権抹消・相続登記の費用
受け取る側の税金贈与税や不動産取得税がかかる買主の不動産会社が負担する

あげますでは、譲る側の受け取る額は0円です。個人に無償で渡すかぎり、譲る側に所得税はかかりません。相手が会社の場合は、無償で渡しても時価で売ったものとみなされ、譲る側に所得税がかかることがあります(所得税法第59条)。登記の費用を誰が持つかは、当事者の取り決めで決まり、多くの場合はもらう側が負担します。相手探しが難しい家では、譲る側が登記の費用まで持つことを条件にして、ようやく話がまとまることもあります。

もらう側には、受け取った家と土地の評価が1年間に受けた贈与の合計で110万円を超えると、その超えた部分に贈与税がかかります(暦年課税の基礎控除、贈与税がかかる場合(国税庁))。贈与による所有権の移転の登記には、固定資産税の評価額の2%の登録免許税がかかります(登録免許税法の別表第一)。評価額が500万円の家と土地なら、登録免許税だけで10万円になる計算です。相続で受け継ぐ場合にはかからない不動産取得税も、贈与で受け取るとかかります(地方税法第73条の7)。

買取で売る場合は、提示額から、売買契約書の印紙代と、ローンが残っていた家なら抵当権の抹消登記、登記の住所が古いままなら住所変更登記、名義が亡くなった人のままなら相続登記の費用を引いた額が手元に残ります。どこまでかかるかは、物件ごとに違います。相続した空き家を売ったときには、譲渡所得から最大3,000万円を差し引ける特例を使える場合があります。要件が複数あるので、「空き家3000万円控除の条件」の記事で自分の家が当てはまるかを確かめておきます。この特例は売ったときの所得の計算に使うもので、あげますで無償で譲る場合には関係しません。

2. 手放すまでの期間と、その間に出ていくお金

あげますで相手が見つかるまでの期間は、事前には読めません。物件の条件と出す先によって数週間で決まることもあれば、空き家バンクに載せたまま1年以上問い合わせが来ないこともあります。その間、譲る側には固定資産税と、草刈りや雨戸の点検、通水といった管理の手間と費用がかかり続けます。遠方に住んでいれば、見に行くたびの交通費も積み上がります。

固定資産税がその年の誰にかかるか、いくらくらいになるかは、「空き家の「あげます」譲渡で起きる問題と費用の目安は?」の節で触れる1月1日の決まりで変わります。相手探しを年内に終えるか年をまたぐかで、譲る側の負担が1年分違ってくることがあります。

買取は、相手を探す期間が無いぶん日程が組みやすくなります。名義と登記の準備が整っていれば、引き渡しの日を売る側の予定に合わせて置けます。待つ期間に出ていくお金を、月ごとに書き出します。あげますで待つ場合の合計と、買取の提示額との差を並べてみると、0円で譲るほうが得なのか、売ってしまうほうが手元に残るのかが見えてきます。

3. 引き取り手の層:私道の家を受け取れるのは誰か

建て替えできない家や私道の承諾が無い家には、多くの場合、金融機関の住宅ローンがつきません。そのため受け取る人は、現金で直す費用まで用意できる人か、隣の家の持ち主のように土地を合わせて使える人か、事業として買い取る会社に絞られます。あげますで問い合わせをくれる人の多くは、自分で手を入れながら住みたい人や、週末に通う拠点を探している人です。こうした人は建物の傷みには寛容でも、建て替えできないことや私道の承諾が無いことを知ると、将来の売りにくさを気にして手を引くことがあります。

引き取り手の層が狭い家ほど、相手探しの期間が延び、その分だけ上の「2. 手放すまでの期間と、その間に出ていくお金」で並べた負担が重くなります。私道の家では、受け取る額の差よりも、相手が見つかるかどうかの見通しの差のほうが、最終的に手元に残る額を大きく左右します。

空き家の「あげます」譲渡で起きる問題と費用の目安は?

空き家を譲る前に、親が残した家の庭の土を掘る作業を進めつつ、建物の傾きや柱に残るシロアリの跡を調べている家族

譲る前後で問題になりやすいのは固定資産税・相続登記・契約不適合の3つで、どれも譲る側が費用を負う場面が残ります。負う額は、譲る日が1月1日の前か後か、名義が自分になっているか、建物の状態を書面でどう約束したかで分かれます。

1. 固定資産税:1月1日の名義人に、その年の分がかかる

固定資産税は、その年の1月1日に登記簿で所有者になっている人が1年分を納めます(地方税法第343条・第359条)。たとえば3月にあげますで譲っても、その年の分は譲る側に納税通知書が届きます。もらう側との間で日割りで分けるかどうかは、当事者の取り決めしだいです。標準の税率は1.4%で(地方税法第350条)、課税標準額が140万円の家と土地なら、年に約2万円がかかる計算です。市街化区域にある家なら、税率の上限が0.3%の都市計画税も加わります(地方税法第702条の4)。

住宅が建っている土地は、課税標準が価格の6分の1になる特例を受けていることが多くあります。管理されていない空き家として市町村から勧告を受けると、この特例から外れます(地方税法第349条の3の2)。外れたときに税額がどう変わるか、勧告までにどんな段階を踏むかは「空き家の固定資産税が6倍になる条件」の記事で確かめられます。あげますの相手を待つ期間が長くなるほど、この勧告の手前で手を打てるかどうかが効いてきます。

あげますで譲る時期と固定資産税の負担

  1. 1月1日

    名義人に1年分の税がかかる

    登記簿に載っている人がその年の固定資産税を負う

  2. 年の途中

    譲渡しても通知は譲る側へ

    日割りで分けるかはもらう側との取り決めで決まる

  3. 相手を待つ間

    勧告を受けると税額が変わる

    管理不全で特例から外れる前に手を打つ必要がある

2. 相続登記:名義が亡くなった人のままでは譲れない

登記簿の名義が亡くなった親のままの家は、そのままではあげますの相手に名義を移せません。先に相続登記で、相続人の名義に変える必要があります。相続登記の登録免許税は固定資産税の評価額の0.4%で(登録免許税法の別表第一)、評価額が500万円なら2万円です。これに戸籍を集める費用と、司法書士に頼むならその報酬が加わります。

相続登記は申請が義務になっていて、正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象になります(不動産登記法第164条)。相続していない別荘や自分で買った空き家でも、登記簿の住所が引っ越す前のままなら、2026年4月1日に始まった住所の変更の登記の義務の対象になります(不動産登記法第76条の5)。怠れば5万円以下の過料の対象になるので、譲る前に登記簿の名義と住所の両方を確かめます。自分の相続登記の期限の数え方は、「名義人が亡くなった空き家は、あげる前に相続登記が要る?埼玉県の家で数える3年の期限」の節で日付ごとに確かめられます。

3. 契約不適合:贈与と売買で、引き渡した後の責任が変わる

売買では、引き渡した家が契約の内容に合っていなかったとき、売主は契約不適合の責任(民法第562条)を負います。買主は修理を求めたり、代金を減らすよう求めたり、損害の賠償や解除を求めたりできます(同法第563条・第564条、民法(e-Gov法令検索))。たとえば引き渡しの後に屋根の雨漏りが見つかり、直すのに30万円かかる場合、免責の取り決めの無い売買なら、その30万円を売主が求められる余地があります。

贈与では、民法第551条第1項により、譲る側は、贈与の対象として決めた時の状態のまま渡すことを約束したものと推定されます。そのため、売買に比べて引き渡した後の責任は軽くなります。ただし、「建物を壊して片付けてくれるなら土地をあげる」のように、もらう側に負担を付けた負担付贈与では、同じ条の第2項により、その負担の限度で売主と同じ責任を負うことになります。また、売買で免責の取り決めをしても、知りながら告げなかった不具合の責任は免れません(民法第572条)。

あげますで譲るときも、雨漏りやシロアリの跡、傾き、私道の承諾が無いことなど、知っていることは書面に書き出して相手に渡しておきます。そうすると、後から「聞いていなかった」という行き違いを防げます。

無償譲渡より買取が向く空き家は?埼玉県の私道の家をチェック表で診断する

接道・私道の持分・通行と掘削の承諾・相続登記のうち2つ以上が欠けている家は、譲るより買取のほうが手元に残る額が大きくなりやすい家です。分かれ目は、欠けている項目を自分で埋められるかどうかです。埋めるための費用と月数が、もらう側が受け取る価値を上回るかどうかで、譲る道が残るか閉じるかが決まります。

1. 接道・持分・承諾・相続登記のチェック表

市役所の窓口と法務局で取れる書類を手元に置いて、当てはまるものに印を付けてください。

  • □ 前面の道が建築基準法の道路で、敷地がその道に2m以上接している
  • □ 前面の私道について、自分(または名義人)が持分を持っている
  • □ 私道の持ち主全員から、通行と掘削の承諾書が出ている
  • □ 登記簿の名義が今の持ち主になっていて、相続登記が済んでいる

4つとも印が付く家は、建て替えができ、ローンを使う一般の方も買える可能性があります。あげますで手放す前に、仲介での売却の見込みを確かめるべき家です。0円で譲ると、手元に残るはずの額を手放すことになりかねません。印が3つの家は、欠けているのが相続登記だけなら自分で埋められます。登記を済ませてから、譲るか売るかを選べます。欠けているのが接道か承諾なら、埋めるのに私道の持ち主や行政との話し合いが要り、時間の見通しが立ちにくくなります。

印が2つ以下の家は、もらう側が受け取った後に抱える仕事が多すぎて、あげますでは相手が付くまでの期間が延びやすくなります。相手探しの間の負担を考えると、買取の提示額を一度確かめてから判断するほうが、手元に残る額を比べやすくなります。

買取が向くか判断する4つの条件

  • 印が4つの家

    建て替えできるため、仲介での売却見込みを確かめる

  • 印が3つ(登記欠け)

    自分で登記を済ませてから譲るか売るかを選べる

  • 印が3つ(承諾欠け)

    話し合いが必要で、解決までの時間の見通しが立ちにくい

  • 印が2つ以下の家

    負担が大きいため、買取の提示額を確かめて判断する

2. あげますで譲る方が向く家

建物に住める状態が残っていて、市町村の空き家バンクで移住の相談が寄せられている地域にあり、土地の値そのものが低い家は、あげますで譲るほうが向いていることがあります。売っても値がつきにくい家なら、0円で譲っても失う額は小さく、相手が自分で直して住んでくれれば、解体の費用もかからずに済みます。

隣の家の持ち主が敷地を広げたいと考えている場合も、譲る道が合います。隣の家と合わせれば接道を満たせる敷地なら、隣の家にとっては建て替えの選択肢が増える、価値のある土地になります。無償で譲ると話を持ちかけると、登記の費用を相手が持つ形でまとまりやすくなります。私道の承諾も、すでに沿道に住んでいる人なら取りやすいことがあります。

3. 買取の方が手元に残る家

私道の持分も承諾書も無く、建物の傷みが進んでいて、相手探しの間の税と管理費が月ごとに積み上がる家があります。こうした家は、買取の提示額から登記などの費用を引いた額のほうが、あげますで0円で譲るより手元に残ることが多くなります。当社が埼玉県蕨市で買い取った、前面道路が私道の築60年以上の戸建ては、この物件の場合200万円台でした。

あげますの相手を見つけやすくするために、先に解体を考えている場合もあります。その場合は、解体した時点で住宅用地の特例から外れて固定資産税が上がることと、解体に使える補助があるかを先に確かめます。熊谷市には熊谷市空き家等除却補助金があります。令和8年度の受付の有無、補助の額、対象になる建物は市のページで確かめてから、解体の契約に進みます。解体した後の更地をさらに譲るのか売るのかまで、見通しが立たないこともあります。それなら、壊さずにそのまま買取の提示を受け、解体費を差し引いた価格と比べたほうが、出ていくお金を先に固めずに済みます。

「無償譲渡より買取が向く空き家は?埼玉県の私道の家をチェック表で診断する」について、そのまま聞けます。

空き家をあげる側(譲る側)の手順は?空き家バンクで埼玉県内の相手を探して登記するまで

譲る側は、名義と接道2mの資料をそろえてから市町村の空き家バンクに相談し、相手が決まったら書面で贈与契約を結んで名義を移す登記まで進めます。相手が見つかる早さは、物件のある市町村に空き家バンクがあるか、無償の譲渡をそこに載せられるかで分かれます。空き家バンクが無い市町村では、民間の掲載サイトや近所のつながりが中心になります。

1. 物件の資料をそろえ、市町村の空き家バンクに相談する

最初にそろえるのは、法務局で取る土地と建物の登記事項証明書と公図、市町村の窓口で確かめた前面道路の種別、私道の承諾書があればその写し、手元にある固定資産税の納税通知書です。これがあれば、相手から聞かれる「建て替えはできるか」「名義は誰か」「税は年にいくらか」の問いにその場で答えられます。資料がそろわないまま相手を探し始めると、話が具体的になった段階で説明が食い違い、せっかく見つかった相手が離れていく原因になります。

埼玉県のページには、県内の市町村が運営する空き家バンクの一覧がまとめられています(市町村空き家バンク(埼玉県))。物件のある市町村に空き家バンクがあるかは、ここで確かめられます。空き家バンクによって、登録できる物件の条件や、無償の譲渡を載せられるか、空き家の相談をどの窓口が受けるかが違います。登録の前に電話で、私道に面していて建て替えができない家でも載せられるかを聞いておきます。

空き家バンクに載せる文には、建て替えができないことや私道の承諾が無いことを最初から書いておきます。隠して問い合わせを集めても、現地を見た段階か登記の段階で必ず分かります。条件を承知した人だけが問い合わせてくる形にしたほうが、結果として譲るまでの時間は短くなります。

2. 相手が決まったら、書面の贈与契約と登記で引き渡す

相手が決まったら、口約束で済ませずに贈与の契約書を作ります。民法第550条により、書面によらない贈与は、引き渡しや登記といった履行が終わっていない部分について、譲る側からももらう側からも解除できます。書面にしておかないと、登記の直前で相手が気を変えたり、自分の家族から反対が出たりしたときに、話がそのまま白紙に戻ることがあります。

契約書には、土地と建物の表示に加えて、私道の持分も一緒に譲ることを書きます。建物を今の状態のまま渡すこと、承諾書が無いことや雨漏りなど知っている不具合も書いておきます。その年の固定資産税と登記の費用をどちらが持つか、家財をどうするか、引き渡しの日も書き入れます。私道の持分を書き漏らすと、家と土地だけが相手に移り、私道の持分だけが譲る側に残ります。毎年の固定資産税の通知も、私道の補修の相談も、譲る側に届き続けることになります。

名義を移す登記は、譲る側ともらう側が共同で申請するのが原則です(不動産登記法第60条)。譲る側は、実印と印鑑証明書、登記識別情報か権利証を用意します。司法書士に頼むなら、相手と一緒に1人の司法書士にまとめて頼むと日程が組みやすくなります。登記が終わったら、市町村の固定資産税の担当課に、翌年からの納税通知書の送り先が変わることを伝えておきます。行き違いで、翌年の通知が譲る側に届く手間を防げます。

空き家をあげる側が相手を探して登記する手順

  1. 1

    物件の資料をそろえる

    登記事項証明書や道路の種別、納税通知書などを手元に準備する。

  2. 2

    空き家バンク等に相談する

    無償の譲渡を載せられるか確認し、相手探しを始める。

  3. 3

    書面で贈与契約を結ぶ

    相手が決まったら、話の食い違いを防ぐため書面で契約する。

  4. 4

    名義を移す登記をする

    契約後、もらう側へ所有権を移転する登記まで進めて引き渡す。

空き家をもらう側の手順は?埼玉県の「あげます」物件を受け取るまでに確かめる2つ

受け取る前に、建て替えの可否と私道の承諾を現地と役所で確かめ、贈与税や登記の費用、翌年からの税を見積もってから、受け入れを決めます。確かめる中身は、受け取った家を直して住むつもりか、壊して土地を使うつもりかで変わります。直して住むなら建物の傷みと配管、壊すなら接道と解体費が中心になります。

1. 現地と役所で、建て替えの可否と私道の承諾を確かめる

現地では、前面の私道の幅と、敷地が道に接している長さを自分で測ります。私道に側溝や水道管の蓋があるか、隣の家の塀や植木が私道にはみ出していないかも見ておきます。そのうえで、市役所や町村の窓口で前面道路の種別を確かめます。建て替えができない道なら、建築基準法第43条第2項の許可の前例が近くにあるか、大きな修繕にどんな手続きが要るかを聞いておきます。受け取った後にできることとできないことが、はっきりします。

私道の承諾書が無い家なら、私道の持ち主が誰で、何人いて、今どこに住んでいるかを、法務局で私道の登記事項証明書を取って確かめます。持ち主が十数人に分かれていたり、亡くなった人の名義のままだったりすると、承諾を集めるのに年単位の時間がかかることもあります。それを承知で受け取るかどうかを、この段階で決めておきます。

0円の物件を受け取る前に確かめておく費用や税の全体像は、「0円物件とは?探し方と、もらう前に確かめる費用・税金」の記事で、受け取る側の目線から一通り確かめられます。

もらう側が現地と役所で確かめること

  • 現地で測る・見る

    私道の幅や接道の長さ、配管の蓋、越境を確かめる

  • 役所の窓口で聞く

    道路の種別や、建て替えできない場合の修繕手続き

  • 法務局で調べる

    承諾書がない場合、私道の持ち主の人数や住所を確かめる

2. 贈与税の申告と登記の費用、翌年からの税を見積もる

受け取った家と土地の評価が110万円を超えるときの贈与税の考え方は、「あげますと買取で手元に残るお金はいくら違う?埼玉県の空き家で比べる3つの軸」の節で触れたとおりです。もらう側が気をつけるのは、申告の時期です。贈与税の申告と納付は、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までに行います(相続税法第28条)。年末に受け取るか年明けに受け取るかで、申告の年が1年ずれます。

登記の費用は、司法書士の見積もりで登録免許税と報酬を分けて出してもらいます。不動産取得税は、受け取ってからしばらくして県税事務所から納税通知書が届くので、その分も先に取り分けておきます。固定資産税は、受け取った後の最初の1月1日から自分にかかるようになります。建物を壊して更地にすると、住宅用地の特例が使えなくなって税額が上がることも、壊す時期を決めるときに入れておきます。

受け取った家に手を入れて住むつもりなら、埼玉県には埼玉県空き家バンク等活性化支援事業という県の事業があります。令和8年度にどんな支援があるかは、県と物件のある市町村のページで確かめます。補助の多くは、工事の契約より前に申し込む必要があります。工事業者に見積もりを頼む前に窓口に相談しておくと、使える支援を取りこぼさずに済みます。

0円物件を受け取るまでに確かめる手順

  1. 1

    現地で幅と長さを測る

    私道の幅や接道の長さを測り、配管の蓋や隣からの越境を見ておく。

  2. 2

    役所で道路種別を確かめる

    建て替えできない道なら、許可の前例や修繕の手続きを聞いておく。

  3. 3

    法務局で私道の持主を調べる

    承諾書が無い場合、持ち主の人数や名義を確認し、手間を見積もる。

  4. 4

    費用と税金を見積もる

    贈与税や登記費用、翌年からの固定資産税を計算して受け入れを決める。

名義人が亡くなった空き家は、あげる前に相続登記が要る?埼玉県の家で数える3年の期限

名義が亡くなった人のままの空き家は、相続登記で相続人の名義にしてからでないと、譲る登記も売る登記もできません。自分の期限がいつになるかは、相続で取得したと知った日が2024年4月1日の前か後かで分かれます。遺産分割の話し合いがまとまっているかでも、登記に取りかかれる日が変わります。

1. 自分の相続登記の期限を、知った日から数える

あげますの相手が見つかっても、名義が親のままの家は登記の日を決められません。その相続登記には申請の期限があります。期限は、義務が始まった2024年4月1日と、相続で家を取得したと知った日を比べ、遅い方の日から数えて3年です(不動産登記法第76条の2、不動産登記法(e-Gov法令検索))。親が2024年4月1日より前に亡くなっていた家も義務の対象から外れず、法務省もこの数え方で案内しています。

たとえば2022年に父が亡くなり、そのときに実家を相続したと知っていた人は、遅い方が2024年4月1日になるので、期限は2027年3月31日です。一方、祖父の名義のまま残っていた埼玉県の家について、2025年になって初めて自分も相続人だと知った人は、知った日から3年が期限です。この場合は、2027年3月31日より後になります。

遺産分割の話し合いで家を受け継ぐことが決まった場合は、分割が成立した日から3年以内に、その内容に沿った登記を申請する決まりもあります(不動産登記法第76条の2第2項)。相続人の話し合いがまとまらないうちに期限が近づいたときは、自分が相続人であることを登記官に申し出る相続人申告登記(同法第76条の3)で、ひとまず義務を果たしておく方法もあります。名義を変えないまま放っておくと何が起きるかは、「土地の名義変更をしないとどうなるか」の記事で、売却との関係と合わせて確かめられます。

相続登記の期限を数える起算日

  1. 2024年4月1日より前

    相続を知った場合の起算日

    義務化の2024年4月1日から数えて3年が期限

  2. 2024年4月1日より後

    相続を知った日からの起算

    自分が相続人だと知った日から数えて3年が期限

  3. 遺産分割が成立した日

    分割成立からの起算

    話し合いがまとまった日から3年以内に登記する

2. 手放すときにそろえる書類と、売主側でかかる費用

譲るにしても売るにしても、名義を移す日に必要になる書類は似ています。当社に売る場合も一般には、登記識別情報か権利証、運転免許証などの本人確認書類、印鑑証明書、固定資産税の納税通知書をご用意いただきます。相続した家では、これに亡くなった方と相続人の戸籍などが加わります。どこまで要るかは、相続人の人数や、亡くなった方が本籍を何度移していたかによって変わります。ご用意いただく書類は、個別のご案件ごとに異なります。

売る側でかかる費用は、一般には売買契約書の印紙代のほか、ローンを借りていた家なら抵当権の抹消登記、登記簿の住所が古いままなら住所変更登記、相続した家なら相続登記の費用がかかります。ご負担いただく費用も、個別のご案件によって変わります。戸籍は、本籍地の市区町村から取り寄せることになります。親が県外から埼玉県に移り住んでいた場合は、出生から亡くなるまでの戸籍が複数の市区町村に分かれていることも多くあります。相手が決まる前から取り寄せを始めておくと、引き渡しの日を早く置けます。

なお、この記事の税務・法務に関する記載は一般的な情報提供であり、個別の事案についての判断ではありません。適用の可否や具体的な税額については、税務署または税理士、登記については司法書士、境界や隣地との権利関係については弁護士や土地家屋調査士など、それぞれの専門家にご確認ください。当社は不動産の買主であり、税務や法律の代理はできません。

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埼玉県の私道の空き家を、当社が買い取る条件とお断りする条件は?

庭先で家の外壁を指差しながら確認している家族

前面道路が私道で建て替えできない空き家も、当社は現況のまま買い取ることがあります。価格は、私道の承諾の有無と建物の状態で決まります。買えるかどうかは、贈与の約束が書面で先に成立していないか、敷地に農地が混ざって転用の見通しが立たないかで分かれます。どちらにも当たらなければ、承諾書が無い家も家財が残った家も話を進められます。

当社が先に確かめることと、価格の決まり方

当社の実務では、前面の道が私道かどうかと、建物が建ってから何年たっているかの2点を最初に確かめます。埼玉県蕨市で買い取った戸建ても、前面道路が私道で築60年以上であることを確かめてから価格を出し、この物件の場合は200万円台で買い取りました。

私道かどうかを先に見るのは、私道の持分と承諾書の有無によって、当社が買った後に私道の持ち主と話し合う手間と期間が大きく変わるからです。それが、そのまま価格に響きます。築年数を見るのは、建物を直して使えるか、解体を前提に土地として考えるかの分かれ目になるからです。提示する価格は、次の使い手に渡せる見込みの額から、解体や修繕、私道の承諾を取る手間、次の使い手が見つかるまでの期間を引いて組み立てます。同じ蕨市の家でも、承諾書がそろっている家とそうでない家では金額が変わります。

埼玉県の私道に面した戸建てで、当社が金額を公開している買取記録は次の1件です。

種別築年・取引年金額帯(買取額)
戸建て(前面道路が私道)築60年以上・2026年200万円台

当社の提示額は、建て替えができ、一般の方が住宅ローンを使って買える家であれば、仲介で売れる見込みの額より低くなります。この差は、当社が引き受ける期間と手間の分です。条件のそろった家ほど差は開くので、チェック表で印が4つ付いた家は、当社に売る前に仲介での見込みを確かめたほうが手取りは多くなることがあります。

当社が買い取れない場合と、ほかの道の方がよい場合

あげますの相手と書面で贈与の契約を結び、相手がすでに受け入れている家は、当社では買い取れません。書面の贈与は、譲る側の都合だけでは解除できません。相手との間で贈与を取りやめる合意ができない限り、同じ家を当社に売る契約を重ねることになるためです。まだ口頭のやり取りの段階なら、相手との話がどうなっているかを最初に伺います。

敷地の一部の地目が登記上の田や畑のままで、家と一緒に買い取るには農地法第5条の転用の許可が要り、その見通しが立たない場合も買い取れません。埼玉県の山あいや郊外の家では、庭として使ってきた部分が登記の上では畑のままということがあります。許可が下りるかどうかは農業委員会の判断によるので、価格を下げても埋められない不確定として残ります。

空き家バンクで移住の相談が寄せられている地域にあり、建物に住める状態が残っている家もあります。こうした家は、当社に売るより先に空き家バンクに出してみたほうが、解体もされずに次の住み手に渡ることがあります。当社に断られた場合や、他社で断られた家がその後どうなるかは、「不動産買取で断られた物件はどこへ行くか」の記事で、断る側の事情から確かめられます。

当社が買い取れない空き家の条件

  • 書面で贈与が成立した家

    すでに相手が受け入れているため当社では買い取れない

  • 農地が混ざっている家

    農地転用の見通しが立たない場合は買い取れない

  • 条件がそろった家

    仲介で売る方が、買取よりも手元に残る額が多くなりやすい

ご相談からご入金までの流れ

取引態様:買主(当社が自ら買い取ります)/媒介(当社で買い取れない物件は、仲介で売却をお手伝いします)

当社は自己資金で買い取るため、売買契約に、住宅ローンの審査が通らなかったときに白紙に戻す特約を付けません。私道の承諾が無い家でも、金融機関の判断で話が止まることがありません。物件の情報がそろっていれば、買取価格のご提示までは目安30分、そこからご契約までが目安1〜2週間です。お引き渡しは早ければ2週間以内に組め、代金はお引き渡しと同時にご入金します。

東京や他県にお住まいで、埼玉県の家まで何度も通えない方は、鍵を当社に預けていただければ、現地の確認は当社だけで済みます。登記簿に亡くなった親の名前が残っている家は、先に相続人の名義へ移す登記が要ります。そのため、売主さまのご予定で選んでいただいた引き渡しの日を起点に、そこから逆に数えて司法書士との段取りを入れます。引き渡しの当日には代金をお振り込みし、名義を当社へ移す登記もその日のうちに申請します。

「埼玉県の私道の空き家を、当社が買い取る条件とお断りする条件は?」について、そのまま聞けます。

埼玉県の空き家を「あげます」で手放す前に決める3つ

  • 建て替えできるかを先に確かめます。 前面の私道が建築基準法の道路か、敷地が2m以上接しているか、私道の持分と通行・掘削の承諾書があるかを、市町村の窓口と法務局の書類で確かめます。欠けているものが多い家ほど、0円でも引き取り手は限られます。
  • 譲るなら、名義を整えてから書面で渡します。 名義が亡くなった人のままなら、先に相続登記をします。贈与の契約は書面にして、私道の持分も一緒に譲ることと、今の状態のまま渡すことまで書いておきます。もらう側に贈与税や登記の費用、不動産取得税がかかることも、相手に先に伝えます。
  • 譲る・売る・壊すを、手元に残る額で比べます。 あげますの代金は0円で、相手が見つかるまでの固定資産税と管理は譲る側に残ります。買取の提示額から登記などの費用を引いた額と、待つ間に出ていく額を並べてから決めます。

当社は、私道の承諾が無い家や建て替えできない家も現況のまま引き取ることがあります。ただし、書面の贈与がすでに成立している家と、農地の転用の見通しが立たない家は買い取れません。

査定は無料・売却の義務なし
0120-996-748受付時間10:00〜19:00(水・日曜定休)

通話料無料・全国対応

この先は、当社の買取窓口「買取くん」のページです(運営は同じ株式会社リアテクスです)。

埼玉県の空き家と「あげます」についてよくある質問

Q1. 私道の持分が無い空き家でも、あげますで手放せますか

手放すこと自体はできます。贈与は譲る側ともらう側の合意で成り立つ契約なので、私道の持分が無いことは成立の妨げになりません。ただ、もらう側は、受け取った後に通行や掘削のたびに私道の持ち主の承諾を取る立場を引き継ぐことになります。そのため、相手が付くまでの期間は延びやすくなります。私道の持ち主に持分を分けてもらえないか先に相談したり、私道の沿道に住む隣の家に声をかけたりすると、話がまとまりやすくなります。当社に売る場合も、持分が無いことは買い取れない理由にはならず、承諾を取る手間の分を価格に織り込んだうえで判断します。

Q2. 埼玉県以外にある空き家も相談できますか

当社は全国(47都道府県)の物件のご相談を受けています。売主さまが東京や他県にお住まいで、埼玉県の家に何度も足を運べない場合でも、鍵をお預かりして当社だけで現地を確かめることができます。逆に埼玉県にお住まいで、親が遺した家が別の県にある場合も同じように進められます。ただし、農地が混ざっている家や、書面で贈与の約束が成立している家を買い取れないのは、どの地域の家でも変わりません。

Q3. 埼玉の別荘も「あげます」で手放せますか

別荘も、住まいの家と同じく贈与の契約で個人に譲ることができます。秩父や比企の山あいの別荘地では、敷地の前の道が、別荘地を管理する会社や管理組合の私道になっていることがあります。管理費の支払いを受け継ぐことが譲る条件になることもあるので、管理規約と毎年の管理費の額を、相手に先に見せておきます。別荘ならではの手順や、贈与と買取で手元に残る額の違いは、「埼玉県の別荘『あげます』で手放せる?無償譲渡の費用と手順」の記事で確かめられます。

Q4. もらい手が見つからないまま持ち続けると、税金はどうなりますか

相手が見つかるまでは、毎年1月1日の名義人として固定資産税がかかり続けます。そのうえ、管理されていない空き家として市町村から指導を受け、それでも改まらずに勧告を受けることがあります。勧告を受けると、住宅が建っている土地の税を軽くする特例から外れ(地方税法第349条の3の2、空家等対策の推進に関する特別措置法第13条・第22条)、翌年度から税額が上がります。持ち続ける間の管理の手間や、解体した場合の費用の見当は、飯能市の空き家の管理、解体等に関するシミュレーター、相談窓口のように、市町村が設けている相談の窓口でも聞くことができます。

Q5. 空き家を無料で貸し出すのと、あげるのとは何が違いますか

無料で貸し出すのは、使用貸借という貸し借りです(民法第593条)。持ち主はあなたのまま変わらず、固定資産税の納税通知書も引き続きあなたに届きます。借りる人は、日常の手入れの費用を負います(民法第595条)。一方、屋根や外壁が崩れて通行人にけがをさせたときには、住んでいる人が責任を負わない場合、最後は持ち主が責任を負うことがあります(民法第717条)。家を手放したことには、なりません。持ち主としての立場ごと手放したいのであれば、あげますで名義を移すか、売るかのどちらかになります。

Q6. あげますと約束した相手に、後から断ることはできますか

約束が口頭だけで、まだ引き渡しも登記もしていないなら、民法第550条により、譲る側からも解除できます。一方で贈与の契約を書面にしていた場合は、相手の合意が無い限り一方的にはやめられません。すでに引き渡しや登記を済ませた部分も、取り消せません。気持ちが固まらないうちは、空き家バンクや掲載サイトでのやり取りを「条件を確かめる段階」にとどめます。書面に署名する前に、売った場合の金額や解体した場合の費用も並べて、譲ると決めてから契約書を作ります。

当社の見方

戸建て・築60年以上で、前面道路が私道の物件を当社が買い取り、販売まで終えました。

相続した物件では、戸籍などの書類が追加で必要になります。

ご用意いただく書類は、個別のご案件によります。

ご負担いただく費用は、個別のご案件によります。

リースバック(売却後も賃借人として住み続ける形)も積極的にお受けしています。

買い取れない物件や、売らないほうがよい場合は、正直にそうお伝えしています。

広島県尾道市の賃貸中の戸建て(築60年以上)を、約80万円で買い取りました。

広島県福山市の賃貸中の戸建て(築40年以上)を、約320万円で買い取りました。

東京都江東区の戸建てを、買取金額700万円台で買い取りました(2026年に取引)。

当社が買い取る物件・お断りする物件と、買取価格の決まり方は、当社の買取事例76件の内訳とあわせて当社の買取基準にまとめています。

この記事について

執筆・編集
リアテクス編集部株式会社リアテクス当社(宅地建物取引業 東京都知事(1)第107888号)は物件を直接買い取る買主の立場から、売却を検討する方の判断材料となる記事を企画・編集しています。
監修
鶴野 博之鶴野 博之株式会社リアテクス 執行役員宅地建物取引士(東京)第257503号/賃貸不動産経営管理士/2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)この区分の監修を担当しています。記事の公開判断は当社が行っています(代表が定めた手順による)。確認・公開判断:鶴野 博之(株式会社リアテクス 執行役員)
公開・更新
公開 更新 内容を見直したときは、この日付と改訂の内容を更新しています。情報の確認日 (出典の公的資料を開いて内容を確かめた日)
この記事の事実確認の方法
法令:建築基準法、民法、不動産登記法出典:総務省統計局、法務省、国税庁、埼玉県
記事の作り方
この記事は、当社の担当者が事実確認を行ったうえで公開しています。

監修者の一覧運営会社・記事の作り方

出典(15件・に確認)

更新履歴

  1. 第1版公開

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