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悪質な不動産買取業者の見分け方|悪徳業者の手口8つと読むべき条項

公開 更新

執筆
株式会社リアテクス リアテクス編集部
監修
株式会社リアテクス 執行役員 鶴野 博之(宅地建物取引士(東京)第257503号)
悪質な不動産買取業者の見分け方|悪徳業者の手口8つと読むべき条項

「買取の話が進んでいるが、提示された条件が普通なのか判断できない」。悪質な不動産買取業者かどうかは担当者の態度より契約書の条項に出るため、署名前に契約不適合責任・解除・違約金・決済期日の4か所を読めば見分けられます。

自己資金で購入するため、融資利用の特約や転売先の確保を停止条件にすることはありません。境界が係争中の物件と、進入路に通行の権利がない物件はお断りしています。この家が買い取れるかどうかだけ、先に聞く(無料)

目次(7章)

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悪質な不動産買取業者かどうかは、担当者の人柄よりも契約書の条文に先に現れます。提示された金額が後から動くのか、断ったときに何を請求されるのか、いつ現金が入るのか。この3つは、署名する紙の中に必ず書いてあります。

不動産買取で悪徳業者が使う手口8選の要点を、定義・この記事でわかること・よくある質問の順に短くまとめた動画です。

不動産買取で悪徳業者の手口が成立する仕組み

居間のテーブルに向かい、家族で話し合いをしている

不動産買取業者とは、自社が買主として物件を買い取る会社です。悪質な不動産買取業者が存在する理由は、この取引の形そのものにあります。売主の側に立つ専門家が取引の中にいないためです。

買取は「相手が買主」なので、味方がいない

仲介の売却では、不動産会社は売主から依頼を受けた立場です。買取は違います。目の前の会社は、安く買えば利益が増える当事者です。だから交渉相手として扱うのが正しく、相談相手として扱うと足元をすくわれます。

この構図自体は不正ではありません。問題が起きるのは、買主でありながら「売主のために動いている」という顔で条件を通す場合です。「うちが一番良い条件を作りますから、他社は見なくていいですよ」という言い方が出たら、その時点で警戒の合図になります。

仲介と買取の立場の違い

観点仲介の不動産会社買取の不動産会社
利益の構造高く売れるほど自社の利益も増える安く買い取るほど自社の利益が増える
売主との関係依頼を受けて売主のために動く味方利益が相反する直接の取引相手
適切な接し方事情を共有して進める相談相手提示条件をシビアに詰める交渉相手
警戒すべき営業姿勢複数社での比較を前提とする「他社は見なくていい」と囲い込む
価格の差額の理由市場の需要低下や相場の下落修繕費や残置物処分費などの買主負担分

焦っている売主ほど、条件を読まずに署名する

買取の相談が発生する局面には、共通した圧力があります。相続税の申告期限が近い、ローンの滞納が進んでいる、離婚の財産分与の期限を切られている、遠方で管理に行けない。どれも「早く終わらせたい」が判断の先に立ちます。

手口は、この圧力に乗って作られます。急がせる材料は業者が用意しなくても、売主の側にすでにあるからです。 だから「今日決めてください」と言われたときは、急いでいる理由が自分の事情なのか、相手の都合なのかを分けて考える必要があります。滞納が進んでいる場合の時間の読み方は「住宅ローン滞納から差し押さえまでの流れ」の記事にまとめています。

買取価格が仲介より低いこと自体は、手口ではない

買取価格が一般の売却相場より低くなるのは、修繕費・残置物の処分費・保有中の税と保険・再販できなかった場合の損失を、買った側が負うためです。これは構造上そうなるもので、安いこと自体を不正と呼ぶことはできません。

見分ける基準は、その差額の理由が示されるかどうかです。「相場が下がっているので」「この地域は需要がないので」だけで数字が降りてくる場合、内訳の説明がないという意味で手口の側に近づきます。査定額の高低だけで選ぶと別の落とし穴があるため、「不動産買取の査定額が高い理由」の記事も併せてご覧ください。

「不動産買取で悪徳業者の手口が成立する仕組み」について、そのまま聞けます。

不動産買取の悪徳業者の手口8つを、契約書のどこに出るかで見る

部屋のソファに座り、家族でうなずき合いながら話をしている

手口を人の態度で覚えても役に立ちません。紙に残る形で覚えてください。以下の8つは、どれも書面か議事録のどこかに痕跡が出ます。

1. 高い金額で契約させ、決済前に下げる

最も件数が多い形です。他社より2割高い金額を提示し、媒介ではなく売買契約を先に結びます。その後「地中に埋設物が出た」「越境が判明した」と持ち出し、決済の1週間前に減額を通告します。売主はすでに転居の段取りを進めているため、断りにくくなっています。

区別の鍵は根拠です。調査報告書や見積書が添えられた再提示と、口頭だけの値下げは別のものとして扱ってください。 前者は買主が負うリスクが増えたという事実に基づきますが、後者は契約時の提示が営業用の数字だったことを意味します。予防は契約前の一問で足ります。「提示額が変わる場合があるとして、何が判明したときに、どの資料を根拠に、どの範囲で動きますか」。

契約書に現れる手口の痕跡

  • 根拠資料の有無

    調査報告書や見積書が添えられているか

  • 減額の理由

    買主が負うリスクが増えた事実に基づくか

  • 口頭のみの値下げ

    契約時の提示が営業用の数字だった可能性

  • 契約前の確認

    何が判明した時にどの範囲で動くか聞く

2. 白紙解除の条件を、買主だけが使える形にする

契約書に「買主が転売先を確保できない場合は本契約を無条件で解除できる」という条項を入れる形です。融資利用の特約の変形版もあります。売主側からは解除できず、買主は自由に抜けられます。

この条項があると、売主は契約期間中に他の話を進められません。物件を押さえられたまま数か月が過ぎ、結局解除されて元の位置に戻ります。解除の権利が片側にしかない条項は、署名前に対等な形へ直すか、その会社との取引をやめる判断材料にしてください。 自己資金で買う業者の契約書には、そもそもこの種の条項が要りません。

決済前の減額通告のタイミング

  1. 契約時

    高額な提示と契約

    他社より2割高い金額を提示され、売買契約を結ぶ。

  2. 契約後

    転居の段取り

    売主は引渡しに向けて転居の準備を進める。

  3. 決済の1週間前

    突然の減額通告

    埋設物などを理由に値下げを持ち出される。

  4. 通告後

    断りにくい状況の完成

    すでに転居が進んでいるため、売主の選択肢が狭まる。

3. 違約金と手付の額を、売主に不利な比率で組む

手付金を10万円に抑え、一方で売主が解除した場合の違約金を売買代金の20%に設定する、という組み方です。買主は10万円を捨てれば抜けられ、売主は数百万円を払わなければ抜けられません。

手付解除では、手付を受け取った側は倍返し、渡した側は放棄という対等な構造が基本です。違約金も、売主・買主の双方に同じ率で設定されているかを見ます。手付の額が売買代金に対して極端に小さい契約は、買主が抜けやすい契約だという意味です。

4. 説明と違う書面に署名させ、名目の違う費用を後から積む

手口4:査定の前に、媒介契約や専任の書面へ署名させる。「査定のための同意書です」と説明された紙が、実は専任媒介契約だったという形です。買取の相談に来たのに、仲介の契約を結ばされている状態になります。専任の期間中は他社に依頼できず、直接取引にも制約が出ます。

対処は署名前の確認だけです。紙の表題を読み、「媒介」「専任」「専属専任」の語が入っていないかを見てください。買取であれば、必要な書面は売買契約書と、その前段の条件提示書です。媒介契約書が出てくる理由はありません。

手口5:名目の違う費用を、売主負担で後から積む。査定は無料と言いながら、契約後に「調査費」「事務手数料」「残置物処理の立替金」などの名目で請求する形です。買取の場合、売主が負担するのは通常、登記に要する費用(抵当権抹消や住所変更の登記、司法書士報酬)と、自分で依頼した測量や解体の費用に限られます。

条件提示の段階で、売主が負担する費用の項目と上限、買主が負担する項目、そして精算の対象になる固定資産税や管理費の起算日を、書面に書き込んでもらってください。「あとで実費を精算します」だけの記載は、金額が決まっていないという意味です。

見る場所手口が現れる形
契約不適合責任の条項売主の責任期間が長い・免責の記載がない
解除・違約金の条項買主だけが無条件で抜けられる
手付の額代金に対して極端に少額
決済期日「買主の指定する日」など特定されていない
費用負担の条項名目と上限が書かれていない
停止条件転売先の確保や融資が条件になっている

5. 契約不適合責任を、売主に長く負わせる(手口6)

現況有姿での買取であれば、売主が個人の場合、契約不適合責任を免責とする合意も、期間を短く区切る合意も可能です。ところが契約書には「引渡し後2年間、売主は建物の隠れた瑕疵について責任を負う」といった条項が残されていることがあります。

買主は事業者で、建物の状態を自分で調査できる立場です。それでも売主に長期の責任を負わせる条項を置く意図は、引渡し後に補修費を請求する余地を残すことにあります。現況で買うと言われたら、その現況が免責を意味しているかを条文で確かめてください。 雨漏りや傾きを口頭で伝えただけでは、告知した記録になりません。物件状況等報告書に書いて、双方が署名した写しを持ちます。

6. 比較をさせず、長時間の面談でその場の決断を求める

手口7:「買い取れる会社はうちだけ」と説明して比較をさせない。再建築不可、連棟、共有持分、事故物件、底地。扱える業者が限られる物件は確かにあります。ただし「他社は絶対に断ります」という断定は、比較の機会を消すための説明であることが多いです。

確かめ方は単純で、同じ条件を書いた文面を他社にも送ってみることです。断られたという事実が返ってくれば、その説明は正しかったと分かります。再建築不可の出口の広さは「再建築不可物件はなぜ売りにくいのか」の記事に、共有持分の選択肢は「共有持分は自分の持分だけ売却できる」の記事に整理しています。

手口8:長時間の面談で、その場の決断を求める。訪問が3時間を超え、帰ろうとすると話が延び、「今日署名してもらえれば」と繰り返される形です。宅地建物取引業法第47条の2は、勧誘の際に相手方を威迫する行為や、利益が生ずることが確実であると誤解させる断定的判断の提供を禁じています(宅地建物取引業法(e-Gov法令検索))。

同条の施行規則では、契約を締結しない旨の意思を示した相手に勧誘を続ける行為、迷惑を覚えさせるような時間の電話や訪問も、禁止される行為として定められています。帰ってほしいと伝えたうえで居座られた場合、その日時と経緯を記録してください。 免許を出している都道府県の宅地建物取引業の担当窓口が相談先になります。

不動産買取の手口別に、契約の前後どちらで止められるか

上の8つのうち、2・3・5・6は契約書の条文そのものなので、ひな形を読む段階で止まります(この節の1)。4も、署名する紙の表題を読めば同じ段階で避けられます。1の減額は署名後に断るかどうかの話になり(同2)、7と8は広告と勧誘の問題として記録を残し窓口に持ち込む形です(同5)。契約後にあらわれる手付未決済(同3)と引渡し後の補修費請求(同4)は、条文の書き方で結果が変わります。

1. 署名前なら、条文の修正を求めれば終わる

解除の片側設定、違約金の比率、契約不適合責任の期間、費用負担の記載漏れ。この4種類は、契約書のひな形を事前にもらって読めば全て見つかります。修正に応じるかどうかで、その会社の姿勢も同時に分かります。

「当社のひな形なので変更できません」という回答は、それ自体が回答です。 買主である当社の側から言っても、条文の修正に応じられない理由は通常ありません。応じられない条項があるなら、なぜ必要なのかを説明できるべきです。

2. 署名後の減額は、応じない選択肢が残っている

契約書に金額が書かれている以上、買主が一方的に下げることはできません。減額に応じなければ、買主は契約どおり履行するか、違約金を払って解除するかを選ぶことになります。売主が折れる形になりやすいのは、引渡し日が決まって次の住まいの契約も済んでいるからです。

だから、署名の時点で「この日に決済されなければ困る」状態を作らないことが防御になります。転居や次の物件の契約は、決済日が確定してから進めてください。 期日が「買主の指定する日」となっている契約書は、この観点でも危険です。

3. 手付金だけ払われて決済が来ない場合

手付を受け取ったあと、決済期日が来ても代金が支払われない場合、売主は履行を催告し、期間内に履行されなければ契約を解除できます。違約金の定めがあればその請求も可能です。ただし相手に支払能力がなければ回収できません。

回収の実行可能性は、相手が自己資金で買う会社かどうかにほぼ依存します。契約前に「決済資金は自社の資金ですか、それとも金融機関からの借入ですか」と聞いてください。借入なら、否認されたときに何が起きるかまで確認します。

署名前と署名後の対処の違い

観点署名前署名後
可能な対処条文の修正か取引の中止契約どおり履行か違約金を払って解除
買主の減額通告ひな形を読み修正を求める一方的な減額はできないため応じない
売主の防御策ひな形を事前にもらって読む決済日が確定してから転居を進める

決済が来ない場合の対処手順

  1. 1

    履行の催告

    決済期日を過ぎても支払われない場合、まず履行を求める

  2. 2

    契約の解除

    期間内に支払われなければ、契約を解除できる

  3. 3

    違約金の請求

    定めがあれば請求可能だが、相手の支払能力に依存する

4. 引渡し後に補修費を請求されたとき

契約不適合責任が免責になっていれば、原則として応じる必要はありません。免責の合意がない場合や、売主が知っていた不具合を告げなかった場合は、責任を問われる余地が残ります。物件状況等報告書に書いた内容が、ここで効いてきます。

事故や自殺があった家屋の告知は、範囲の目安が国土交通省のガイドラインに示されています。範囲の考え方は「事故物件の告知義務はどこまでか」の記事に書いています。告知の不足は、手口に対抗する場面で売主側の弱点になります。 隠さずに書いて、書いた記録を残す方が守りは固くなります。

5. 広告や勧誘の表示そのものに問題がある場合

「必ず高く買います」「他社より必ず高い」といった断定は、宅地建物取引業法第32条の誇大広告等の禁止に触れる可能性があります。景品表示法の側でも、実際より著しく有利であると誤認させる表示は不当表示として扱われます。悪質な不動産買取業者とのトラブルの相談先は、消費者庁の消費者制度のページから辿れます。

訪問を受けて勧誘された場合の対応も、記録が基本です。日時、担当者名、言われた内容、渡された書面。これらが残っていれば、窓口に相談する際に具体的な話ができます。口約束の記憶だけでは、どの窓口でも動けません。

「不動産買取の手口別に、契約の前後どちらで止められるか」について、そのまま聞けます。

不動産買取で悪徳業者の手口を避けるための順番

悪質な不動産買取業者を見極める方法は、次の6つを上から順に進めることです。

1. 免許番号を照会し、処分歴を確認する

宅地建物取引業者の免許番号・商号・代表者名・事務所所在地・行政処分の記録は、国土交通省の宅地建物取引業者検索システムで誰でも照会できます。名刺の番号を入力し、商号と所在地が一致するかを見ます。

免許がない会社が買主として売買契約を結ぶこと自体は、自己使用目的なら宅建業に当たらない場合もあります。ただし買取と再販を業として行うなら免許が必要です。免許の記載がない、あるいは照会しても出てこない相手から買取を持ちかけられた場合は、そこで止めてください。 免許番号が名刺にも書面にも見当たらないときは、その場で書いてもらいます。

免許番号の照会で確かめる点

  • 照会システム

    国交省の宅地建物取引業者検索システム

  • 名刺との照合

    名刺の番号を入力し商号と所在地を見る

  • 免許の要否

    買取と再販を業として行うなら免許が必要

  • 照会結果がない場合

    出てこない相手からの買取はそこで止める

2. 自分の物件の価格の水準を、自分で調べる

国土交通省の不動産情報ライブラリで、周辺の取引価格を地域・用途・面積帯で検索できます。土地の単価の水準が分かれば、提示された金額が土地値のどの位置にあるかを自分で確かめられます。

ここに含まれるのは主に一般の買主が購入した価格で、買取価格はこれより低くなります。だから同額を期待するのではなく、「土地値の何割か」を把握するために使います。 提示額が土地値の3割だとしたら、その差の理由を聞く材料になります。

悪徳業者の手口を避ける手順

  1. 1

    検索システムで照会

    名刺の免許番号を入力し、行政処分の記録を調べる

  2. 2

    情報の照合

    商号と事務所所在地が名刺と一致するか確かめる

  3. 3

    該当しない場合の判断

    照会しても出ない相手からの買取話は、そこで止める

3. 契約書のひな形を、契約日より前に受け取る

ここを飛ばすと、他の手順の効果が消えます。金額の合意ができた時点で「契約書の案をください」と依頼し、自宅で読む時間を取ってください。読む箇所は6つです。

条項何を確かめるか
売買代金と支払時期手付の額、残代金の支払日が特定の日付か
契約不適合責任免責か、期間があるか、対象は何か
解除の条項解除できるのは双方か、片側だけか
違約金売主・買主に同じ率で設定されているか
停止条件・特約転売先の確保や融資が条件になっていないか
費用負担と精算項目・上限・起算日が書かれているか

この6か所を読んで疑問が残るなら、署名を延ばして構いません。買主が誠実なら、期日を数日動かすことに支障はありません。 動かせないと言われた場合、その理由の説明を求めてください。

4. 断る練習を先に済ませる

長時間の面談に弱いのは、断り方を決めていないからです。次の3つの文を用意しておくだけで、その場の圧力は通りません。

  • 「本日は署名しません。書面を預かって家族と読みます」
  • 「他社にも同じ条件で問い合わせています。比較のうえで返事します」
  • 「今日はここまでにしてください。続きは書面でお願いします」

相手が帰らない場合は、玄関から出て第三者のいる場所に移ります。電話が繰り返される場合は、着信の履歴を残したうえで免許行政庁に相談します。記録は残っている分だけが証拠です。

5. 複数社に同じ条件を送り、返答の形を比べる

比べるのは金額だけではありません。返ってきた書面に、金額の根拠、引渡し時期、残置物の扱い、契約不適合責任の扱いが書かれているかを見ます。金額だけ書かれた紙を送ってくる会社は、条件を後から作る会社です。

送る情報をそろえないと比較になりません。次の9項目を同じ文面で送れば、返答の差が条件の差として読めます。

  • 所在(地番)
  • 土地の地積
  • 建物の延床面積
  • 建物の構造と築年
  • 残置物の量
  • 雨漏りや傾きの有無
  • 前面道路の幅
  • 境界標の有無
  • 登記の名義の状態

6. 名義と権利の状態を、先に確定させる

登記事項証明書を法務局で取り、名義が誰になっているかを確認します。相続登記の申請は2024年4月1日に義務となりました。期限は、不動産を相続で取得したと知った日から3年です。施行日より前に相続を知っていた不動産も対象で、その期限は2027年3月31日です(法務省「相続登記の申請義務化について」)。

名義が動いていない状態は、悪質な提案を受け入れやすい状態でもあります。「登記はうちで何とかしますから、まず署名を」という運びになりやすいからです。登記は司法書士の仕事で、売主が誰かを確定させてから売買に入るのが正しい順序です。 相続人が多い場合の進め方は「数次相続で相続人が多い実家の売却」の記事にあります。

なお、この記事の法務・税務に関する記載は一般的な情報提供であり、個別の事案についての判断ではありません。

「不動産買取で悪徳業者の手口を避けるための順番」について、そのまま聞けます。

当社の買取で提示する条件と、お断りする物件

当社が買い取る条件・買い取れない条件と、実際の買取事例は「当社の買取基準」にまとめています。

「当社の買取で提示する条件と、お断りする物件」について、そのまま聞けます。

不動産買取の手口を見分ける判断の要点

  • 手口は紙に残ります。 契約後の減額、片側だけの解除権、売主に偏った違約金、長期の契約不適合責任、名目の不明な費用。この5つは全て契約書の条文に現れるので、ひな形を契約日より前に読めば署名前に止められます。
  • 急がされたときは、急ぐ理由の出どころを分けます。 申告期限や滞納は売主の事情で、それに乗って当日の署名を求めるのは買主の都合です。書面を持ち帰ることに支障がある取引は、その一点で見送る判断が成り立ちます。
  • 照会先は3つあります。 免許番号と行政処分歴は国土交通省の検索システム、周辺の取引価格は不動産情報ライブラリ、名義の状態は法務局の登記事項証明書。いずれも第三者の主観が入らず、無料または実費で確かめられます。

当社に売る場合も、価格は仲介での成約想定額より低くなり、売主と売る範囲が確定していない物件はお引き受けできません。条件は書面でお出しし、持ち帰って他社の書面と並べてから返事をいただきます。

査定は無料・売却の義務なし
0120-996-748受付時間10:00〜19:00(水・日曜定休)

通話料無料・全国対応

この先は、当社の買取窓口「買取くん」のページです(運営は同じ株式会社リアテクスです)。

不動産買取の悪徳業者の手口についてよくある質問

Q1. 契約後に減額を求められました。応じなければいけませんか

契約書に記載された金額は、双方を拘束します。買主が一方的に下げることはできず、売主が応じなければ、買主は契約どおり履行するか、違約金を払って解除するかを選ぶことになります。まず求めるのは、減額の根拠となる資料です。 調査報告書や処理費の見積があれば内容を検討し、口頭の説明だけなら書面での提示を求めてください。そのうえで納得できない場合、応じないという選択が残っています。次の住まいの契約を先に済ませていると判断が縛られるため、決済日が確定するまで転居の手配は保留するのが安全です。

Q2. 買取価格が相場の半分でした。これは違法な手口ですか

金額の低さだけを理由に違法と判断することはできません。買取では、修繕費、残置物の処分費、保有中の税と保険、再販できなかった場合の損失を買主が負うため、一般の売却相場より低くなります。問題は内訳が示されるかどうかです。「どの費用をいくら見込んで、その金額になったのか」を聞いてください。 答えられない、あるいは「相場だから」で終わる場合、比較の材料が得られていないという意味で、他社にも同じ条件を送るべき状況です。

Q3. 査定書だけもらって断ると、費用を請求されますか

通常、査定や現地調査に費用はかかりません。請求される場合があるとすれば、事前に書面で費用の発生を明示され、それに同意している場合です。査定の依頼時に「費用が発生する場面はありますか」と確認し、回答を記録に残してください。当社の場合、調査と条件提示の段階で費用をいただくことはなく、お断りいただいても請求は発生しません。

Q4. 3時間帰ってくれず、その場で署名しました。取り消せますか

宅地建物取引業法第37条の2は、宅地建物取引業者が自ら売主となる売買で、事務所等以外の場所で買受けの申込みや契約をした買主に、8日間のクーリング・オフを認めています。この規定が守るのは買主であり、業者が買主となる買取では、売主である方はこの制度を使えません。 使えるのは民法上の取消し(強迫や錯誤など)や、契約内容自体の無効を争う道です。いずれも証拠が必要になります。面談の日付、滞在した時間、言われた内容、渡された書面を時系列にまとめてから、消費生活センター、免許を出した都道府県の宅地建物取引業の担当課、弁護士に相談してください。

Q5. 「うちしか買えない物件です」と言われました。本当か確かめる方法はありますか

同じ条件を文面にして、他社にも送ってみるのが確実です。再建築不可、連棟、共有持分、事故物件、底地など、扱える業者が限られる類型は実際にあります。ただし「限られる」と「1社だけ」は違います。断られた事実が複数返ってきてから、その説明を信じてください。 底地や借地の出口の広さは「底地と借地権の出口」の記事に、入居者がいる物件の売り方は「収益物件をオーナーチェンジで売却」の記事に整理しています。

Q6. 手付金を払ったあと、決済日が何度も延期されています

契約書の決済期日を確認してください。日付が特定されているなら、期日を過ぎた時点で履行の催告ができ、相当期間内に履行されなければ解除と違約金の請求が可能です。期日が「買主の指定する日」となっていると、この主張が難しくなります。延期が続く場合、買主が資金を用意できていない可能性があります。 「決済資金の出どころは自社の資金ですか」と改めて聞き、回答を書面でもらってください。回収の見込みを含めた対応は弁護士に相談する段階です。

Q7. 自由な競争のはずなのに、業者が価格を申し合わせることはありますか

事業者が話し合って買取価格を取り決める行為は、独占禁止法が禁ずる不当な取引制限に当たり得ます。判断するのは公正取引委員会で、公正取引委員会のサイトから相談と情報提供の受付を確認できます。もっとも、実際の相談で多いのは申し合わせよりも、各社が別々の前提で数字を作っているために比較できていないという状況です。比較のために送る9項目(所在、土地の地積、建物の延床面積、構造と築年、残置物の量、雨漏りや傾きの有無、前面道路の幅、境界標の有無、登記の名義の状態)をそろえて同じ文面で送れば、価格差の理由が条件の差として読めるようになります。

当社の見方

当社は金額をお出しするとき、その金額が動きうる場合の条件を同じ紙に書きます。調査で新しい事実が出たときに何をどこまで見直すのか、その範囲をあらかじめ決めておくためです。口頭で申し上げたことは、必ず書面に残します。

ご契約の前には、契約書の写しをお読みいただく時間を取ります。その場でお決めいただく必要はなく、お持ち帰りのうえご家族や専門家にお見せいただいて構いません。当社は買主として自ら買い取りますので、仲介手数料はいただきません。ご負担いただくのは印紙代や登記にかかる費用が一般的で、これは個別のご案件によります。どなたにお売りになる場合でも、解除と違約金の条項がどちらの側にどう書かれているかだけは、署名の前にお確かめください。

当社が買い取る物件・お断りする物件と、買取価格の決まり方は、当社の買取事例76件の内訳とあわせて当社の買取基準にまとめています。

この記事について

執筆・編集
リアテクス編集部株式会社リアテクス当社(宅地建物取引業 東京都知事(1)第107888号)は物件を直接買い取る買主の立場から、売却を検討する方の判断材料となる記事を企画・編集しています。
監修
鶴野 博之鶴野 博之株式会社リアテクス 執行役員宅地建物取引士(東京)第257503号/賃貸不動産経営管理士/2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)この区分の監修を担当しています。記事の公開判断は当社が行っています(代表が定めた手順による)。確認・公開判断:藤山 大二郎(株式会社リアテクス 代表取締役CEO)
公開・更新
公開 更新 内容を見直したときは、この日付と改訂の内容を更新しています。情報の確認日 (出典の公的資料を開いて内容を確かめた日)
この記事の事実確認の方法
法令:宅地建物取引業法
記事の作り方
この記事は、当社の担当者が事実確認を行ったうえで公開しています。

監修者の一覧運営会社・記事の作り方

出典(6件・に確認)

更新履歴

  1. 第2版題名と冒頭を検索する方の言葉に寄せ、当社の買取記録の実額の表と当社の条件の節を足しました(既存の数字・法令・日付は変えていません)。
  2. 第1版公開

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