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空き家のゆくえ買取くん

再建築不可

再建築不可物件が売れないときどうする?接道2mで分かれる売り方

公開 更新

執筆
株式会社リアテクス リアテクス編集部
監修
株式会社リアテクス 執行役員 鶴野 博之(宅地建物取引士(東京)第257503号)
再建築不可物件が売れないときどうする?接道2mで分かれる売り方

当社の記録では再建築不可の買取は47件・最多は300万円台です。(出典:再建築不可の買取記録47件の集計)

「再建築不可の物件は売れるのでしょうか」。売れますが、買い手は隣地の所有者と、古家ごと現金で買う人や事業者にほぼ絞られ、どちらに売るかは役所で前の道の種類と接道の長さを確かめた時点で見えてきます。

当社は再建築不可の家を古家が残ったまま自己資金で買い取りますが、隣地の所有者が買い手になる物件や、後退や43条第2項の許可で建て替えられる見込みが高い物件では、そちらへ売る方が手取りが多くなることがあります。この土地が買い取れるかどうかだけ、先に聞く(無料)

目次(9章)

再建築不可で売れない物件も、古家が残ったまま相談できます

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この先は当社の買取窓口「買取くん」です。

再建築不可の物件も売れます。ただし、建て替えを前提に家を探す一般の買主の多くは、最初から候補に入れません。そのため買い手は、隣の土地の所有者か、古家を手直しして使う前提で現金で買う人や事業者にほぼ限られます。どちらに売るのが合うかは、2つを確かめた時点で絞れます。敷地が建築基準法上の道路にどれだけ接しているかと、前の道が役所でどの種類の道として扱われているかです。値下げを重ねる前に、その確認から始めてください。

再建築不可物件が売れないときどうする?接道2mで分かれる売り方の要点を、定義・この記事でわかること・よくある質問の順に短くまとめた動画です。

再建築不可物件が売れないのはなぜ?道路に2m接していない土地の理由

家族が住宅街の細い道に立ち、自宅の敷地と道路の境目を見ながら話し合う

再建築不可物件が売れないのは、敷地が建築基準法上の道路に2m以上接していないからです。今の建物を壊すと、同じ土地に新しい建物を建てられません。

この言葉を初めて耳にする場面は、たいてい2つです。売却の相談をした不動産会社から聞くか、相続の手続きで物件の資料を集めている最中に知るかです。何十年も普通に暮らしてきた家です。それなのに、売ろうとした途端に「建て替えできない家」として値段を付けられる。その原因は建物の古さではなく、敷地と前の道との関係にあります。

建築基準法の接道義務で、再建築不可になる土地と建物

建築基準法第43条第1項は、建物を建てる敷地が道路に2m以上接していることを求めています(建築基準法(e-Gov法令検索))。ここでいう道路は同法第42条で決められています。原則は幅4m以上の道です。道路法による道路のほか、自治体が位置を指定した私道なども含まれます。幅が4mに足りなくても、特定行政庁が指定した道は2項道路として道路とみなされます。

再建築不可と判定される土地は、おおむね次の3つの形のどれかに当たります。

  • 敷地が道路に接している長さ(間口)が2mに足りない。細い路地の奥に家がある旗竿の形の土地に多い
  • 敷地が接しているのが、建築基準法の道路ではない通路や里道、農道だけである
  • 見た目は車も通れる道に面しているのに、役所の記録では建築基準法の道路として扱われていない

再建築不可と判定される主な形

  • 間口が2mに足りない

    細い路地の奥にある旗竿の形の土地などで接する長さが足りない

  • 建築基準法の道路ではない

    敷地が通路や里道、農道だけに接している

  • 記録上は道路扱いではない

    見た目は車が通れる道でも役所の記録では道路とされていない

3つ目は、外から眺めても分かりません。舗装されていて両側に家が並んでいても、それだけでは足りません。その道が道路として扱われていなければ、接道を満たしたことになりません。不動産会社が口頭で「再建築不可です」と言ったときは、3つのうちどれに当たるのかを聞き返してください。当たる形によって、使える道が変わります。その道は「再建築不可物件は建て替えられるようになる?道路の種類と43条の許可で分かれる」の章で取り上げます。

では、なぜ今そこに家が建っているのか。多くは、接道の決まりがその場所に適用される前や、前の道の扱いが決まる前に建てられた家です。建てたときの決まりには合っていて、後から決まりが変わったために合わなくなった建物は、既存不適格と呼ばれます。今ある建物をそのまま使い続けることは認められています。困るのは、建物を壊したり、火事や地震で失ったりしたあとです。新しく建てるときは、そのときの決まりを満たす必要があります。接道を満たさない土地では、建築確認が下りません。

建てた当時から決まりに反していた違反建築物は、扱いが別になります。どちらに当たるかは、役所に残っている建築確認の記録で確かめられることがあります。

再建築不可物件は買主の住宅ローンが通りにくく、買い手が限られる

家を買う人の多くは住宅ローンを使います。金融機関は土地と建物を担保として評価します。返済が止まったときに、売って回収できるかを見るためです。再建築不可の土地は、建物がなくなったあとに建て直せないため、担保としての評価が低く出やすくなります。融資そのものを扱わない金融機関もあります。

その結果、一般の買主の側では「気に入ったけれどローンが組めない」という形で話が止まります。仲介で売りに出しても、内覧までは進むのに申し込みに至らない。値下げをしても、ローンが通らない理由は消えません。問い合わせが増えるほどには、売れる見込みが上がらないのです。売りに出してから半年、1年と過ぎる物件の多くは、この段階で足踏みしています。

残る買い手は、現金で買える人です。具体的には、次の3者になります。隣の土地を持っていて敷地を広げたい人、古家を手直しして貸す前提で買う個人の投資家、買い取ってから直して売る事業者です。どの買い手も、建て直して住むという使い方をしません。提示される価格は土地の広さよりも、今の建物があと何年使えるか、隣と一つにしたら何が変わるかで決まります。

建築基準法の接道義務と道路

再建築不可になる土地の形特徴・見分け方
間口が2mに足りない細い路地の奥にある旗竿の形の土地に多い
建築基準法の道路ではない道に接している通路や里道、農道だけに接している
役所の記録で道路として扱われていない見た目は車が通れる道でも外からは分からない

既存不適格の家と違反建築物とでは、金融機関の見方も変わります。その違いが売り方にどう響くかは、「既存不適格と違法建築の違い」の記事で確かめられます。

再建築不可物件の売却相場は、通常の家と同じ物差しでは測れない

ここで多くの方が知りたいのは、再建築不可物件の売却相場が通常の家の何割程度になるかでしょう。ただ、その比率は一つの数字で置けるものではありません。同じ通りに並ぶ家でも、事情は分かれます。2項道路に面していて後退すれば建て替えられる家と、道路にまったく接していない家とでは、買い手の層からして別物です。古家がすぐ貸せる状態か、雨漏りで手を入れないと使えないかでも、値段の付き方は大きく動きます。

周りの土地の値段の見当を付けるなら、国土交通省の不動産情報ライブラリが使えます。地域と面積を指定して、実際の取引価格を引けます。そこに出てくるのは、建て替えできる土地を含む一般の取引です。目の前の物件の値段そのものではありません。使い道は、隣の土地の所有者と話すときの物差しや、業者の提示額がどこまで下がっているかを測る基準です。

ネットで見かける「相場は通常の◯割」という数字にも、注意が要ります。どの型の物件を集めた数字なのかが書かれていなければ、自分の物件には当てはめられません。比べるべきは率ではなく、自分の物件の接道の型と古家の状態を書き込んだうえでの、売り先ごとの手取りです。

再建築不可物件を売れないまま所有する3つのリスクは?

住宅街の奥に建つ古い家を、少し離れた道から見上げている家族

売れないまま所有を続けると、3つの負担が年を追うごとに重くなります。毎年かかる税と管理の費用、傷んだ建物が人に損害を与えたときの賠償、相続が重なって売主が増えることです。

売れないと分かった家は、たいてい空き家のまま置かれます。誰も住んでいなくても、固定資産税は毎年1月1日の時点の所有者に1年分がかかります(地方税法第343条・第359条)。建物が傷むほど、手入れの費用と周りへの責任も増えていきます。持ち続けて損をしにくいのは、隣地の相続が近いなど、待つ理由がはっきりしている場合です。

固定資産税と管理の費用が、再建築不可物件を所有する間ずっと続く

住宅が建っている土地は、固定資産税の計算で住宅用地として扱われます。200平方メートル以下の部分は課税標準が価格の6分の1、それを超える部分は3分の1に下がります(地方税法第349条の3の2)。再建築不可の古家でも、住宅として建っている限りこの扱いは続きます。外れるのは、空き家の管理が行き届かず、市町村長から勧告を受けたときです。勧告には2つあります。管理不全空家等として受ける空家等対策の推進に関する特別措置法第13条の勧告と、特定空家等として受ける同法第22条の勧告です。どちらを受けても、その敷地は特例の対象から外れます。勧告に至るまでの流れは「空き家の固定資産税が6倍になる条件」の記事で追えます。

住宅用地の特例による課税標準

区分割合
200平方メートル以下の部分価格の6分の1
200平方メートルを超える部分価格の3分の1

税のほかに、管理の手間と費用がかかり続けます。草木の手入れ、雨戸を開けての換気、郵便物の確認、台風のあとの見回り。路地の奥にある再建築不可の家では、車を横付けできません。植木や修繕の業者が道具や廃材を手で運ぶことになり、同じ作業でも手間がかさみがちです。誰も住まなくなった家は、火災保険の加入や更新の条件が、住んでいた頃と変わることもあります。

今年は払える額でも、安心はできません。建物が傷んで勧告の段階まで進むと、同じ土地の税は特例が外れた水準まで上がります。売れないまま持つ年数が長いほど、いずれ売ったときの手取りから差し引かれる額が積み上がっていきます。

傷んだ再建築不可物件が人に損害を与えたときの賠償のリスク

建物の傷みが進むと、税よりも重い負担が出てきます。民法第717条は、建物のような土地の工作物の設置や保存に欠陥があって、他人に損害を与えたときの責任を定めています(民法(e-Gov法令検索))。まず占有している人が賠償し、占有者が損害を防ぐのに必要な注意をしていたときは、所有者が賠償します。所有者の側は、注意をしていたことを理由にこの責任を逃れられません。誰も住んでいない空き家では、所有者が向き合う場面が中心になります。

再建築不可の家には、この責任が重くなりやすい事情が重なります。壊すと土地の値打ちが下がるため、所有者は古家を残しておきがちです。残された建物は、年ごとに古くなっていきます。しかも、路地の奥や隣家と軒が接する場所に建っていることが多くあります。瓦や外壁がはがれれば、隣の家や路地を歩く人にすぐ届きます。古いブロック塀が路地側に傾いている家も、同じ心配を抱えています。

空き家放置から税負担が増す流れ

  1. 1

    空き家のまま所有を続ける

    住宅用地の特例が適用され、200平方メートル以下の課税標準は6分の1になる

  2. 2

    管理の手間と費用がかさむ

    草木の手入れや見回りが必要で、車が横付けできないと業者の作業手間も増える

  3. 3

    市町村長からの勧告

    建物が傷み管理不全空家等になると、住宅用地の特例の対象から外れる

  4. 4

    税負担増と手取りの減少

    特例が外れて税が上がり、将来売却したときの手取り額が減ってしまう

どこまでが所有者の責任になるのか、どんな手入れをしておけばよいのかの線引きは、「空き家の放置で責任と賠償を負う条件」の記事にまとめています。売るまでの間は、最低限の見回りを続けておきます。賠償の心配を減らすだけでなく、買い手に建物の状態を伝える材料にもなります。

相続が重なると、再建築不可物件の売主が増えていく

売れないまま年月が過ぎる間に、所有者が亡くなることがあります。相続人が複数いて分け方が決まらなければ、家は相続人の共有になります。売るときには、全員の署名と実印が要ります。その相続人の一人がさらに亡くなれば、その方の子どもたちも加わります。売主の数は、代を重ねるごとに増えていきます。

所有者が高齢で、判断する力が落ちてきた場合も、売る手続きは止まります。本人が契約を結べなくなると、成年後見人を選ぶ手続きが要ります。本人が住んでいた家を売るには、家庭裁判所の許可も必要です。いまは親の名義のまま売れていない家なら、親が元気なうちに方針を決めておく方が、選べる道は多く残ります。

亡くなった方の名義のままにしておけない理由もあります。相続登記には、申請の期限があります。その数え方は「再建築不可物件を売る書類と費用、相続した家は3年の登記期限から」の章の「2. 相続した再建築不可の家は、相続登記と税の期限から逆算する」に書きました。期限が来る前に、誰が家を引き継ぐかを決めておくと、売る段取りもまとめて組めます。

「再建築不可物件を売れないまま所有する3つのリスクは?」について、そのまま聞けます。

再建築不可物件は建て替えられるようになる?道路の種類と43条の許可で分かれる

建て替えの道が開けるかは、3つで分かれます。前の道が2項道路か、43条第2項の認定や許可が見込めるか、隣の土地を買い足して間口を2mにできるかです。

「再建築不可」と言われた家の中には、調べ直すと建て替えられる家が混ざっています。昔の資料のまま判断されていたり、前の道が細いというだけで決めつけられていたりするからです。どの道にも当たらなかった場合でも、今の建物を直して使い続ける道が残ります。売り方を決めるのは、この4つを順に当てはめてからです。

1. 再建築不可と言われても、2項道路なら後退すれば建て替えられる

前の道の幅が4mに足りないことだけを理由に、「再建築不可」と言われている場合があります。そのときは、まずその道が2項道路として指定されていないかを確かめます。2項道路は道路とみなされます。道の中心線から2mの線が、道路との境とみなされます(建築基準法第42条第2項)。道の反対側ががけや川になっている場所では、反対側の端から4mの線が境になるなど、扱いが変わります。

境の線より道側に入っている敷地は、建て替えのときに道として空けることになります。いわゆるセットバック(道路の境とみなされる線まで、敷地の使い方を後ろへ下げること)です。下げた部分には、建物も塀も置けません。建ぺい率や容積率を計算するときの敷地の面積にも入らないので、建てられる家はひと回り小さくなります。それでも、建て替えられる土地である点は変わりません。

建て替えの道を探る主な選択肢

  • 2項道路なら後退する

    道の中心線から2mの線まで敷地を下げれば建て替えられる

  • 43条第2項の認定や許可

    道路に接していなくても許可等が見込めれば建てられる場合がある

  • 隣の土地を買い足す

    隣地と合わせて間口を2mにできれば建て替えの道が開ける

この場合、物件はそもそも再建築不可ではなく、住宅ローンを使う一般の買主にも売れる側に入ります。売る前に後退する距離を測っておくと、買主が建てられる広さを計算でき、話が進みやすくなります。両隣がすでに下がっているか、塀や門柱を動かす必要があるかも、費用の見通しに関わります。

2. 道路に接していない再建築不可物件でも、43条第2項の認定や許可で建てられる場合がある

道路に接していない、あるいは間口が2mに足りない土地でも、建築基準法第43条第2項に当たれば建物を建てられる場合があります。この項には2つの道があります。1つは認定です。建築基準法の道路ではないものの、国の基準に合う幅4m以上の道に2m以上接していて、延べ面積が一定以下の一戸建ての住宅などを建てるときに使います。特定行政庁が、交通・安全・防火・衛生の面で支障がないと認めるものです。もう1つは許可です。敷地の周りに広い空き地があるなどの基準に合う建物について、特定行政庁が建築審査会の同意を得て許すものです。以前は同じ条のただし書きに置かれていたため、今でも「ただし書きの許可」と呼ばれることがあります。

2項道路のセットバックの基準線

観点通常の場所反対側ががけや川の場所
基準とする位置道の中心線反対側の端
道路との境とみなされる線中心線から2mの線反対側の端から4mの線

許可の基準は、特定行政庁ごとに細かく決められています。同じような路地の奥の土地でも、自治体が違えば結果が違うことは珍しくありません。また、許可はその建物の計画ごとに受けるものです。一度許可が出た土地でも、次に建て替えるときは改めて許可を受けます。買う側から見ると、許可が出るかどうかは申請してみるまで確定しません。「許可が取れるかもしれない」という段階では、値段に乗せにくいのが実情です。

売主の側でできるのは、役所の建築指導の窓口での事前相談です。見込みの有無と、そのとき言われた条件を記録に残しておきます。相談の日付、担当の部署、言われた内容を書き留めておけば、買い手が同じ相談をし直す手間が減ります。許可のほかに言われることのある方法がどこまで通用するかは、「再建築不可の裏ワザは使える?接道で分かれる方法と売り方」の記事で確かめてから動いてください。

3. 隣の土地を少し買い足して、再建築不可物件の間口を2mにする

道路には接しているのに、間口がわずかに2mに足りない土地もあります。それなら、隣の土地を細長く買い足して間口を整える方法があります。旗竿の形の土地で、路地の部分の幅が足りないときに考えられる道です。隣の所有者が応じてくれれば、土地家屋調査士に測ってもらって分筆します。買い足した部分の登記を移せば、建て替えられる土地に変わります。

ただし、隣の側にも事情があります。土地の一部を手放すと、隣の家の敷地が狭くなり、建ぺい率などの決まりに合わなくなることがあります。隣が駐車場として使っている場所なら、車の出し入れに響くかもしれません。買い足しの話は、隣にとって何が減って何が得られるのかを先に考えてから持ちかけます。その方が、受け入れてもらいやすくなります。

路地の幅や間口の測り方で値段がどう動くかは、「旗竿地が売れない理由」の記事で詳しく取り上げています。買い足しが難しくても、隣の所有者に土地ごと買ってもらう道は残ります。その道は、「売れない再建築不可物件の売却方法は?隣地・買取の分かれ目を診断で選ぶ」の章の「1. 隣の土地の所有者に売る話が成り立つか」で扱います。

4. 建て替えずに、大規模な修繕や模様替えで再建築不可物件を使い続ける

建て替えの道が開けないときでも、今の建物を直して使い続ける道は残ります。2025年4月に、建築基準法の改正が施行されました。木造2階建ての住宅なども、大規模な修繕や模様替えをするときに建築確認の申請が要るようになりました。ここで「確認が要るなら、接道を満たさない家は直せないのでは」と心配される方がいます。国土交通省の資料では、これに緩和の整理が示されています。利用者が増える用途の変更を伴わず、特定行政庁が交通・安全・防火・衛生の面で支障がないと認めれば、接道について既存不適格のまま工事を進められます(建築基準法第86条の7第1項、同法施行令第137条の12第11項。国土交通省「大規模の修繕・模様替を行う既存不適格建築物への緩和措置」)。

屋根や壁、柱といった主要な部分を大きく直す工事が、大規模な修繕に当たります。どこまでの工事が該当するかは、設計者と特定行政庁が判断します。接道のほかにも、建物の状態によって求められる手当てが出てくることがあります。工事を考えるなら、設計者に相談して事前に役所へ確かめるのが順番です。

売る側にとって、この道が開いているかどうかは値段に直結します。直して貸す、直して住むという使い方ができる建物なら、古家そのものに値打ちが残ります。手直しを前提に買う人も付きやすくなります。反対に、傷みが進みすぎて直す費用が見合わない建物には、値打ちがほとんど残りません。隣地の所有者のほかに、買い手が見えにくくなります。

売れない再建築不可物件の売却方法は?隣地・買取の分かれ目を診断で選ぶ

庭先に出て、隣の家との境界にあるフェンスを眺めながら相談している家族

売却方法は、隣地の所有者に売る、建て替えできる形に整えて一般の買主に売る、古家ごと買取業者に売る、のどれかです。どれが合うかは、隣地の事情と古家の状態で決まります。

建て替えの道が開けないと分かった段階で、売主の前に残るのは売る相手の選び方です。間口が2mに届かない土地も、道路に接していない土地も、隣の土地と一つになれば事情が変わります。最初に見るのは隣です。古家を壊すかどうかは、売る相手が決まってから考えても遅くありません。壊したあとで、住宅用地として価格の6分の1まで下がっていた課税標準の特例(地方税法第349条の3の2)を元に戻すことはできないからです。

1. 隣の土地の所有者に売る話が成り立つか

隣の所有者は、あなたの土地にいちばん大きな値打ちを感じやすい相手です。隣の土地が道路に面していれば、二つを合わせた土地は道路に接する形になります。建て替えられる一つの土地として使えます。隣にとっては、庭が広がる、車をもう1台置ける、子ども世帯の家を建てられるといった具体的な使い道が生まれます。ほかの誰が買うよりも、使い道が広がります。

売る相手を決める主な手順

  1. 1

    隣地の接道状況を確かめる

    複数の隣地がある場合、合わせたときに道路に接する形になる土地を見つける

  2. 2

    周辺の取引価格を調べる

    不動産情報ライブラリを使い、値段の話をするときの物差しを用意する

  3. 3

    隣の所有者と交渉する

    合わせた後の値打ちと払える金額で調整。直接話しにくいなら不動産会社に頼む

  4. 4

    決まった条件を書面にする

    合意した条件は必ず書面に残し、売る前に測量が要るかどうかも確かめておく

一方で、隣の事情は売主の側では決められません。資金の都合、家族の考え、自分の家の相続の予定。いまは要らないと言われても、数年後に事情が変わることもあります。前後左右に複数の隣地があるなら、どの隣が道路に面しているか、合わせたときに道路に接する形になるのはどれかを地図で確かめます。そのうえで、話を持ちかける順番を決めておきます。

値段の話をするときの物差しとして、周りの土地がいくらで取引されているかを国土交通省の不動産情報ライブラリで引いておきます。隣も判断しやすくなります。ただ、隣が普通の土地の値段をそのまま払うとは限りません。合わせたあとの土地の値打ちと、隣がいま払える金額の間で決まる交渉です。直接話しにくい関係なら、不動産会社に間に入ってもらいます。決まった条件は、必ず書面にしてください。売る前に測量が要るかどうかも、この段階で確かめておきます。

2. 古家を残すか、壊して更地にしない方がよいか

再建築不可の土地で古家を壊すと、残るのは新しい建物を建てられない更地です。使い道は、隣地との一体利用か、駐車場や資材置き場くらいに限られます。古家を手直しして使いたい買い手は外れます。税の面でも、住宅用地の特例が、建物がなくなった翌年度から外れます。特例の中身は「固定資産税と管理の費用が、再建築不可物件を所有する間ずっと続く」の項で書きました。

解体の費用そのものも、路地の奥の土地では膨らみがちです。重機が入らなければ手作業で壊すことになり、廃材も手で運び出します。費用がどう決まるかは「空き家の解体費用はいくらかかるか」の記事で確かめられます。建物を壊したら、1か月以内に建物の滅失の登記を申請する決まりもあります(不動産登記法第57条)。

壊すことを考えてよいのは、2つの場合です。建物が傾いて隣家や路地に倒れかかるおそれがあるときと、隣の所有者が更地で買うことを条件に話がまとまったときです。後者なら、解体は売買の条件として契約に書き込み、売り先が決まってから着手します。先に壊してから買い手を探す順番は、再建築不可の土地ではとくに勧められません。

3. 再建築不可物件の出口を選ぶ診断表

5つの問いに上から順に答えると、合う出口が絞れます。答えに迷う問いは、「再建築不可物件が売れないときに、役所と隣地で先に確かめる順番」の章の手順で調べてから戻ってください。

診断の質問「はい」のとき「いいえ」のとき
問1 接道の幅:敷地が前の道に接している長さは2m以上あるか問2へ問3へ
問2 道路の種類:その道は建築基準法の道路(2項道路を含む)として扱われているか後退の距離を測り、建て替えできる土地として一般の買主に売る問3へ
問3 43条許可の余地:役所の事前相談で、43条第2項の認定や許可の基準に当たる見込みがあると言われたか相談の記録を残し、許可を前提に買う相手を探す問4へ
問4 隣地の有無:道路に面した隣の土地があり、その所有者に買い取りや一部の売り渡しを持ちかけられるか隣地に売るか、隣地の一部を買い足して間口を2mにする問5へ
問5 古家の状態:古家は雨漏りや傾きを直せば住める・貸せる状態か古家を残したまま買取業者に売る古家を壊さずに買取業者へ相談し、解体は売り先が決まってから決める

問2で「はい」になった物件は、再建築不可ではなく、建て替えできる土地として売れる側にあります。ここに当たるのに買取業者だけに声をかけると、手取りを自分から減らすことになりかねません。

問3で「はい」でも、許可は申請するまで確定しません。問4と問5も並行して確かめておくと、許可の見込みが崩れたときに慌てずに済みます。問5まで進んだ物件が、古家ごと買い取る業者の出番です。問5で「いいえ」の家でも、先に壊すのは勧めません。「2. 古家を残すか、壊して更地にしない方がよいか」に書いたとおり、壊したあとの土地は買い手がさらに狭まるからです。

「売れない再建築不可物件の売却方法は?隣地・買取の分かれ目を診断で選ぶ」について、そのまま聞けます。

再建築不可物件が売れないときに、役所と隣地で先に確かめる順番

最初に、役所の建築指導の窓口で前の道の種類と接道の長さを確かめます。その記録を持って、隣地への打診と買取業者への相談を同じ時期に始めます。

売れないと分かった直後は、不動産会社を何社も回りたくなります。けれども、どの会社も結局は同じ役所の記録を見て判断します。先に自分で記録を取っておけば、会社ごとに言うことが違うという混乱が減ります。提示された金額の理由も、読み解けるようになります。

1. 役所の建築指導の窓口で、再建築不可かどうかを道路の種類から確かめる

役所に行く前に、法務局で次の書類を取っておきます。

  • 土地と建物の登記事項証明書
  • 公図
  • 地積測量図(法務局に備え付けがある場合)
  • 建物図面

窓口の名前は自治体によって違い、建築指導課や建築審査課などと呼ばれています。道路の種類を調べる窓口が、別の部署になっていることもあります。電話で先に聞いておくと、二度手間を防げます。窓口では、公図で敷地の位置を示しながら、次のことを聞きます。

  • 前の道は建築基準法の道路か。道路なら、どの種類の道路として扱われているか
  • 2項道路なら、後退する線がどこに引かれるか
  • 道路でない場合、43条第2項の認定や許可の相談をどこで受け付けているか
  • 建物を建てたときの建築確認の記録が、台帳に残っているか

建築確認の記録は、台帳の記載事項の証明書や建築計画の概要書として交付してもらえることがあります。残っていれば、建物が既存不適格なのか、建てたときから決まりに反していたのかを判断する手がかりになります。古い家では、記録が見つからないことも多くあります。その場合は、「記録なし」と言われたこと自体を書き留めておきます。

聞いた内容は、日付、部署、担当の方の名前と一緒にメモに残してください。口頭で聞いた話は、あとで不動産会社や隣の所有者に伝えるときに根拠になります。窓口で「現地を見ないと分からない」と言われた点は、そのまま買い手にも伝える前提で記録します。

法務局で取得しておく主な書類

  • 土地と建物の登記事項証明書

    役所の窓口へ行く前に法務局で取得しておく

  • 公図

    窓口で敷地の位置を示しながら道路の種類を聞くために使う

  • 地積測量図

    法務局に備え付けがある場合に取得しておく

  • 建物図面

    役所で建築確認の記録などを確かめる前に用意する

2. 隣地への打診と、買取業者への相談を同じ時期に進める

役所の記録がそろったら、隣地への打診と、買取業者への相談を同じ時期に始めます。隣の返事には時間がかかります。家族と相談したい、資金の見通しを立てたいと言われれば、数週間から数か月待つことも珍しくありません。その間に業者の提示額を手元に置いておけば、隣が出してきた金額を比べる基準ができます。隣が断ったときにも、次の手がすぐ打てます。

隣への打診は、いきなり金額を書いた手紙を送るより穏やかな形があります。役所で確かめた接道の状況と、土地を一つにしたときの使い道を添えて、話を聞いてもらえるかを尋ねる形です。関係がこじれると、隣地は二度と打診できない相手になります。直接話しにくいなら、不動産会社に間に入ってもらってください。

業者への相談では、役所の記録と、古家の状態が分かる写真を見せます。提示額は、口頭ではなく書面で受け取ります。金額の内訳、古家を残したまま引き渡せるか、引き渡しの日をいつにできるかを確かめます。複数の業者に相談するときは、同じ資料を渡して条件をそろえます。そうしないと、金額の差が何から来ているのか分からなくなります。

隣の金額と業者の提示額が出そろったら、並べて手取りで比べます。隣に売る場合は、測量や分筆の費用がかかることがあります。仲介を通すなら、仲介手数料も差し引かれます。金額が同じくらいなら、隣に売る方が土地の使い道として自然で、のちの付き合いも穏やかに保てます。

役所で再建築不可かどうかを確かめる手順は?

まず法務局で公図などの書類を取得し、次に役所の窓口で前の道の種類や建築確認の記録を聞き取ります。

  • 先に法務局で公図などの書類を取る
  • 次に役所で道の種類や後退線を確認する
  • 最後に確認内容を日付や担当者名とメモする

再建築不可物件を売る書類と費用、相続した家は3年の登記期限から

木の机の上に置かれた実印と朱肉

書類は登記識別情報か権利証、本人確認書類、印鑑証明書、固定資産税の納税通知書が基本です。相続した家はこれに戸籍などが加わり、相続登記の3年の期限から日程を逆算します。

売る相手の見当が付いたら、次は売主の側の準備です。書類のそろい具合は、契約から引き渡しまでの日程をそのまま左右します。相続した家で名義が亡くなった方のままなら、売る前に名義を移す手続きが先に入ります。その分だけ、早く動き出す必要があります。

1. 再建築不可物件を売る前にそろえる書類と、売主にかかる費用

当社の買取で一般にご用意いただくのは、次のものです。

  • 登記識別情報または権利証
  • 本人確認書類
  • 印鑑証明書
  • 固定資産税の納税通知書

名義が亡くなった方のままの物件なら、これに戸籍などの書類が加わります。どこまで要るかは、個別のご案件によって変わります。相続人の人数と、亡くなった方の本籍地を早めに伝えていただくと、取り寄せにかかる日数の見通しが立ちます。

再建築不可の物件では、これとは別にあると話が早く進む書類があります。役所で確かめた道路の種類の記録、建築確認の台帳の写し、古家を直した時期と内容が分かる書類です。どれも必須ではありません。ただ、買い手が同じことを調べ直す時間を省けるので、金額や日程の話を具体的にしやすくなります。

売主さまにご負担いただく費用は、一般には次のとおりです。

  • 売買契約書に貼る印紙代
  • ローンが残っていた家なら、抵当権の抹消登記の費用
  • 登記簿の住所が今の住所と違えば、住所変更登記の費用
  • 相続した物件なら、相続登記の費用

どの費用がかかるかは個別のご案件によります。仲介で売る場合は、成約したときに仲介手数料が加わります。当社が買い取る場合は仲介手数料はかかりません。業者の提示額と仲介で売る場合の見込みを比べるときは、こうした費用を引いたあとの金額どうしで並べてください。

買取で売主が用意する主な書類

  • 登記識別情報または権利証

    売却に向けて売主が基本として用意する書類

  • 本人確認書類

    契約から引き渡しまでの手続きを進めるために必要となる

  • 印鑑証明書

    買取業者へ売却する際に売主側でそろえておく

  • 固定資産税の納税通知書

    売却の基本書類。相続物件の場合はさらに戸籍などが加わる

2. 相続した再建築不可の家は、相続登記と税の期限から逆算する

売り先が隣地の所有者でも買取業者でも、決済の日までに、名義を亡くなった方から相続人へ移しておく必要があります。この書き換え(相続登記)には、売るかどうかと関係なく申請の期限があります。不動産登記法第76条の2第1項により、2024年4月1日から申請が義務になりました。期限は、相続で不動産を取得したと知った日から3年以内です。親が義務化の前に亡くなり、名義がそのままの家も外れません。その場合の3年は、施行日と、取得を知った日のうち遅い方から数えます。施行日より前から知っていたなら、期限は2027年3月31日です。施行日の後に知ったなら、知った日から3年後が期限です。正当な理由なく申請しないままだと、10万円以下の過料の対象になると法務省は案内しています(法務省の相続登記の申請義務化の案内)。再建築不可の家は、買い手が決まるまで時間がかかりやすい物件です。売り先を待たずに登記だけ先に済ませておくと、期限に追われずに相手を選べます。

相続人が複数いれば、誰が家を引き継ぐか、売って代金を分けるかを話し合いで決めます。そのうえで、全員が署名と実印の押印をした遺産分割協議書を作ります。戸籍を集めて相続人を確定させるだけでも、本籍地が何度も移っている方なら郵送のやり取りが何往復も続きます。売りたい時期が決まっているなら、そこから逆向きに日程を並べてください。司法書士に頼む日、戸籍がそろう日、協議書に押印してもらう日です。

税の面では、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例があります(租税特別措置法第35条第3項)。被相続人が一人で住んでいた家屋とその敷地を相続した相続人が、一定の要件を満たして売却した場合です。令和6年1月1日以後に売った場合は、上限に注意が要ります。その家屋と敷地を取得した相続人の数が3人以上のときは、控除の上限が1人あたり2,000万円になります。主な要件の1つは、家屋を耐震基準に合うように直すか、取り壊してから売ることです。国税庁のタックスアンサー(No.3306)では、2024年(令和6年)1月1日以後の売却について案内があります。売った年の翌年2月15日までに、買主の側で耐震改修か取壊しをした場合も対象になります。昭和56年5月31日以前に建てられた家であること、相続開始の日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ることなど、ほかの要件と期限は同じページで確かめてください。使えるかの判定は、「空き家3000万円控除の条件」の記事の手順で進めます。

再建築不可の家でこの特例のために古家を取り壊すと、手元に残るのは建て替えのできない更地です。買い手は、隣地の所有者などに限られます。控除で減る税と、壊したことで下がる土地の値打ちと解体費を、売る前に並べて比べてください。相続したまま持つか売るかでまだ迷っている段階なら、固定資産税・管理・売却を並べて比べた「再建築不可の家を相続してしまったら」の記事が判断の材料になります。

なお、この記事の税務・法務に関する記載は一般的な情報提供であり、個別の事案についての判断ではありません。適用の可否や具体的な税額については、税務署または税理士、登記については司法書士、境界や隣地との権利関係については弁護士や土地家屋調査士など、それぞれの専門家にご確認ください。当社は不動産の買主であり、税務や法律の代理はできません。

売却時に売主が負担する費用

売却の状況追加で必要になる書類追加でかかる費用
基本の売却登記識別情報・本人確認書類・印鑑証明書など売買契約書に貼る印紙代
相続した物件戸籍など相続登記の費用

「再建築不可物件を売る書類と費用、相続した家は3年の登記期限から」について、そのまま聞けます。

当社に再建築不可物件を売るといくら?古家ごとの買取で確かめる条件と断る条件

古い家の外壁に近づき、傷んだ木材の表面をそっと手で触れて確かめている

当社がお出しする金額は、次に売れる見込みの額から、古家の手直しや解体の費用と売れるまでの期間の分を引いた額です。接道の型と古家の状態で決まります。

東京都世田谷区の築50年以上の古家付きの戸建てと、神奈川県横浜市泉区の古家付きを含む築50年以上の土地は、どちらも再建築不可でした。当社が買い取って販売まで終え、この物件の場合はいずれも1,000万円台前半でした。同じ再建築不可でも、立地や接道の型、古家の状態が違えば金額の桁が変わります。ほかの物件の数字を、そのまま当てはめることはできません。

当社が再建築不可物件で先に確かめる2つのこと

世田谷区の戸建ても横浜市泉区の土地も、築50年以上の古家が付いたまま当社が買い取った再建築不可の物件です。当社の実務ではどちらの場合も、戸建てとして扱うか土地として扱うかと、古家がどの程度使える状態かを最初に確認しました。そのうえで金額を大きく分けるのは、接道の型と古家の状態の2つです。

接道の型は、次に誰に売れるかを決めます。2項道路で後退すれば建て替えられるのか、道路にまったく接していないのか、間口だけがわずかに足りないのか。隣地の買い足しで間口が整う見込みがあれば、当社が買ったあとに建て替えできる土地に変えられる余地があります。金額にも、その分が反映されます。どの道も見込めなければ、古家を使い続ける前提でしか値段を組めません。

古家の状態は、手を入れる費用を決めます。雨漏り、床や柱の傾き、シロアリ、水回りの傷み。直せば住める、貸せる建物なら古家そのものに値打ちが残ります。直す費用が見合わないほど傷んでいれば、その費用や解体の費用を差し引くことになります。再建築不可の土地ではそのあとの使い道も狭いため、金額は大きく下がります。

当社の金額は、建て替えできる土地として一般の買主に売る場合の手取りより低くなります。買ったあとの手直しの費用と、次の買い手が見つかるまでの期間を当社が持つからです。接道の型ごとに金額がどう付くかは、「再建築不可物件の買取はいくら?接道の型で決まる価格と出口」の記事で比べられます。

買取金額を左右する主な条件

観点接道の型古家の状態
金額を左右する理由次に誰に売れるかを決めるため手を入れる費用を決めるため
評価が上がる条件隣地の買い足しで間口が整う見込みがある直せば住める、貸せる建物である
評価が下がる条件どの道も見込めない直す費用が見合わないほど傷んでいる
評価が下がった場合の扱い古家を使い続ける前提でしか値段を組めない手直しや解体の費用を引くため金額が下がる

当社が買い取れない再建築不可物件と、ほかに売る方がよい場合

再建築不可の物件に特有の事情では、次の2つの場合に、当社でも金額をお出しできないことがあります。

  • 法律上の道路に接しておらず、「再建築不可物件の出口を選ぶ診断表」の問3(43条第2項の認定や許可の見込み)も問4(隣地への売却や一部の買い足し)も見込めないうえに、古家が傾きや腐れで直しても使えない状態の土地。建物を使う道も建てる道も残らず、当社が次に売る相手を描けないためです
  • 建てたときから決まりに反していた部分があり、特定行政庁から是正を求められている家。是正の範囲と期限が決まるまでは、買ったあとに何をしなければならないかが確定しません。そのため、金額に置き換えられません

反対に、当社に売るより手取りが多くなりやすい場合もあります。「再建築不可物件の出口を選ぶ診断表」の問2(前の道が建築基準法の道路として扱われているか)で「はい」になった家、つまり2項道路で後退すれば建て替えられる家です。住宅ローンを使う一般の買主にも売れるので、仲介で売る方が手取りは多くなることがほとんどです。仲介では、成約時に仲介手数料がかかります。当社が買い取る場合は、仲介手数料はかかりません。その差を引いても、建て替えできる土地としての値段との開きの方が大きくなりやすいからです。

隣地の所有者が買いたいと言っている家や、役所の事前相談で43条第2項の許可の見込みを伝えられた家もあります。売り急ぐ事情がなければ、先にそちらの話を進めてください。隣との話がまとまらなかったとき、許可の見込みが崩れたときに、改めて当社の金額と比べていただければ十分です。

取引態様:買主(当社が自ら買い取ります)/媒介(当社で買い取れない物件は、仲介で売却をお手伝いします)

相談から入金までの日数と、決済の日の進め方

ご相談から買取価格のご提示までは目安30分、ご契約までは目安1〜2週間で、お引き渡しは早ければ2週間以内です。代金はお引き渡しと同時にお振り込みします。当社は自己資金で買い取るので、契約に融資の特約を付けません。買い手のローンが通らずに契約が白紙に戻る。再建築不可の物件で起きやすいこの止まり方が、この売り方では起きません。

代金のお振り込みと名義の書き換えは、同じ1日で済ませます。その日取りは、売主さまのご予定に合わせて決めます。相続登記が済んでいない物件では、決済の日から逆算して司法書士と日程を組みます。路地の奥の家は、古家の状態を現地で見ないと金額を固められません。遠方にお住まいの方からは鍵をお預かりして、当社だけで現地を確かめることもできます。対応エリアは全国(47都道府県)です。

「当社に再建築不可物件を売るといくら?古家ごとの買取で確かめる条件と断る条件」について、そのまま聞けます。

再建築不可物件が売れないとき、先に決める3つ

  • 売り方を決める前に、役所で前の道の種類と間口の長さを確かめます。前の道が2項道路なら、後退すれば建て替えられる土地です。再建築不可として安く手放す必要はありません。
  • 売る相手は、隣地の所有者、許可などで建て替えできる形に整えたうえでの一般の買主、古家ごと買う買取業者の順に当たります。隣への打診と業者の提示額の取り寄せは、同じ時期に始めると比べやすくなります。
  • 古家は、売り先が決まるまで壊しません。壊すと建て替えのできない更地が残り、住宅用地の特例も外れ、買い手がさらに狭まります。

古家が残ったままの再建築不可の家を、当社は自己資金で買い取ります。ただ、道路に接せず隣地も許可も見込めないうえ古家も使えない土地には、金額をお出しできないことがあります。

査定は無料・売却の義務なし
0120-996-748受付時間10:00〜19:00(水・日曜定休)

通話料無料・全国対応

この先は、当社の買取窓口「買取くん」のページです(運営は同じ株式会社リアテクスです)。

再建築不可物件が売れないときによくある質問

Q1. 再建築不可の物件は売れるのでしょうか

売れます。ただ、建て替えて住むつもりで家を探す一般の買主は、住宅ローンが通りにくいため候補から外すことが多くあります。買い手になるのは、隣地の所有者や、古家を手直しして使う前提で現金で買う人や事業者が中心です。仲介で売りに出して反応が鈍いのは、物件の値段が高すぎるからとは限りません。買い手の層が違うのに、一般の買主向けの売り方をしているからということもあります。まず、役所で接道の状況を確かめます。そのうえで隣の所有者と買取業者の両方に話を持ちかけると、売れる相手が見えてきます。

Q2. 再建築不可物件の売却相場はどのくらいですか

通常の家の何割程度という一律の目安は置けません。接道の型と古家の状態で、買い手の層も手を入れる費用も変わるからです。当社が買い取った例では、東京都世田谷区と神奈川県横浜市泉区の、どちらも築50年以上の再建築不可の物件が、この物件の場合1,000万円台前半でした。ご自身の物件の見当を付けるなら、まず周りの土地の取引価格を不動産情報ライブラリで引きます。そのうえで、隣の所有者の考えと、業者が書面で出す金額を並べてください。率で考えるより、売り先ごとの手取りで比べる方が判断を誤りにくくなります。

Q3. 再建築不可物件になったらどうなりますか

今ある建物は、そのまま住み続けたり貸したりできます。困るのは、建物を壊したときや、火事や地震で失ったときです。その土地に新しい建物を建てようとしても、接道を満たさない限り建築確認が下りません。大きく直す工事には、建築確認の申請が要る場合があります。条件を満たせば既存不適格のまま進められる整理があり、中身は「4. 建て替えずに、大規模な修繕や模様替えで再建築不可物件を使い続ける」に書きました。売るときは、住宅ローンが通りにくいことから買い手が限られます。

Q4. 買主が再建築不可物件を買わない方がいいと言われる理由は何ですか

買う側から見ると、3つの心配があるからです。住宅ローンが組みにくい、将来建て替えられない、自分が売るときにも同じ苦労をする、という心配です。売主にとっては、この心配を減らす材料をどれだけ渡せるかが値段に響きます。役所で確かめた道路の種類の記録、43条第2項の事前相談で言われた内容、古家を直した時期と範囲。こうした記録があると、買い手は「分からないから安く見積もる」部分を小さくできます。反対に、建て替えて住みたい人に向けて売ろうとしても、この心配は消せません。売る相手の選び方から見直すのが近道です。

Q5. 売れない再建築不可物件はどうしたらいいですか

値下げを重ねる前に、売り方を変えます。役所で前の道の種類と間口を確かめ、2項道路なら後退すれば建て替えられる土地として売り直します。道路に接していなければ、43条第2項の認定や許可の見込みを事前相談で確かめます。並行して、道路に面した隣の所有者に買い取りや一部の売り渡しを持ちかけます。どれも見込めないときは、古家を壊さずに、古家ごと買う業者に相談してください。順番に迷ったら、「再建築不可物件の出口を選ぶ診断表」の5つの問いに上から答えてください。どこから手を付けるかが決まります。

Q6. 相続した再建築不可の家は、国に引き取ってもらえますか

相続した土地を国に引き取ってもらう、相続土地国庫帰属の制度はあります。ただ、建物が建っている土地はそもそも申請できません(相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律(e-Gov法令検索)第2条第3項第1号)。使うには、古家を取り壊す必要があります。そのうえで法務局の審査でほかの要件を満たし、負担金(宅地は原則20万円)を納めます。解体の費用をかけても、承認されるとは限りません。承認されなければ、建て替えのできない更地を持ち続けることになります。壊す前に、隣地への売却や古家ごとの買取で手放せないかを先に確かめてください。

当社の見方

戸建て・築50年以上で、再建築不可・古家付きの物件を当社が買い取り、販売まで終えました。

戸建て・築50年以上で、再建築不可の物件を当社が買い取り、販売まで終えました。

東京都世田谷区の戸建ては買取金額1,000万円台前半、東京都墨田区の戸建ては買取金額300万円台で、どちらも2026年に取引しています。同じ築50年以上の再建築不可でも、買取金額にはこれだけの開きが出ることがあり、一般の買い手が付かないからといって値段が付かないとは限りません。ご相談の中では、長く売りに出したまま反応が無く、どうすればよいか分からなくなってから当社にご連絡をくださる方も多いです。当社では、買い取れない物件や、売らないほうがよい場合も正直にお伝えしていますので、まずは売れるかどうかを確かめる場として使っていただけます。相続した物件では戸籍などの書類が追加で必要になり、相続登記の費用もかかるため、早めにご相談いただくと段取りが組みやすくなります。

当社が買い取る物件・お断りする物件と、買取価格の決まり方は、当社の買取事例76件の内訳とあわせて当社の買取基準にまとめています。

この記事について

執筆・編集
リアテクス編集部株式会社リアテクス当社(宅地建物取引業 東京都知事(1)第107888号)は物件を直接買い取る買主の立場から、売却を検討する方の判断材料となる記事を企画・編集しています。
監修
鶴野 博之鶴野 博之株式会社リアテクス 執行役員宅地建物取引士(東京)第257503号/賃貸不動産経営管理士/2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)この区分の監修を担当しています。記事の公開判断は当社が行っています(代表が定めた手順による)。確認・公開判断:鶴野 博之(株式会社リアテクス 執行役員)
公開・更新
公開 更新 内容を見直したときは、この日付と改訂の内容を更新しています。情報の確認日 (出典の公的資料を開いて内容を確かめた日)
この記事の事実確認の方法
法令:建築基準法、民法、相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律出典:法務省
記事の作り方
この記事は、当社の担当者が事実確認を行ったうえで公開しています。

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