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旗竿地のデメリットは?通路の幅2mで分かれる売却価格

公開 更新

執筆
株式会社リアテクス リアテクス編集部
監修
株式会社リアテクス 執行役員 鶴野 博之(宅地建物取引士(東京)第257503号)
旗竿地のデメリットは?通路の幅2mで分かれる売却価格

「旗竿地の家が売れないと言われたが、何が悪いのか分からない」。旗竿地のデメリットの大きさは通路の幅と前の道で決まり、通路が2mに足りないか前の道が建築基準法の道路でなければ原則として建て替えができず、住宅ローンを使う買主が離れるため、売り方は買取が軸になります。

建て替えできない旗竿地の家も当社が自己資金で現況のまま買い取り、価格は建物を直して次の方に引き継ぐまでの費用と期間を差し引いた額です。通路が広く住宅ローンを使える土地なら、仲介で売る方が手取りが多くなることがあります。この土地が買い取れるかどうかだけ、先に聞く(無料)

目次(9章)

旗竿地のデメリットを抱えた家も、そのまま相談できます

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旗竿地のデメリットの大きさは、道路から奥の敷地へ延びる通路の幅と、その通路がつながる前の道で決まります。通路のいちばん狭いところが2mに届かない、または前の道が建築基準法の道路でない旗竿地では、今の家を壊すと原則として新しい家を建てられません。そのため、住宅ローンを組んで買う人が候補から外れやすくなります。通路が広く前の道も道路であれば、車や工事の不便はあっても建て替えはできます。売り方を選ぶ余地も残ります。

旗竿地のデメリットは?通路の幅2mで分かれる売却価格の要点を、定義・この記事でわかること・よくある質問の順に短くまとめた動画です。

旗竿地とはどんな土地?路地と奥の敷地でできた旗の形状

旗竿地は、路地とその奥に広がる敷地で構成された、旗状の形状をした土地です。路地は、道路に2mから数mほどの細い間口で接しています。建て替えできないと言われた家の土地を、法務局の公図で開いてみてください。道路から細長い帯が奥へ延び、その先に家の建つ四角い区画がつながっていることがあります。いま住んでいる、あるいは空き家として持っているその土地が旗竿地かどうかは、まずこの形で見分けます。

旗の部分がどれだけ広くても、家を建てられるか、車が入れるか、工事の車両が奥まで届くかは、竿の部分の幅と長さで決まります。売り出してから買主に指摘されて慌てる前に、自分の土地がどういう形で、通路が誰の名義なのかを押さえておいてください。そうすれば、その後の判断が速くなります。

旗竿地の「竿」にあたる路地と「旗」にあたる敷地

竿にあたるのは、道路から家の前まで続く路地の部分です。不動産の広告では「敷地延長」や略して「敷延」と書かれます。建築の条例では「路地状部分」と呼ばれます。旗にあたるのは、その奥にある、建物が建っている広い部分です。

旗竿地ができる経緯の多くは、もともと道路に面していた広い土地を、道路側と奥側の二つに分けたことにあります。道路側の土地は道路に広く面したまま残ります。奥側の土地は道路に出るための細い通路を付けて切り分けられるため、旗の形になります。背景には、親の代に土地を分けて兄弟で家を建てた、といった事情があることも少なくありません。昔の地主が奥の区画を細い通路付きで売った例もあります。

登記の上では、通路が旗の部分と同じ一筆に含まれていることがあります。通路だけが別の筆として登記されていることもあります。通路だけが別の筆なら、その名義が自分なのか、隣と共有なのか、他人なのかで、この先の話がまったく変わります。登記事項証明書は筆ごとに取れます。公図で、通路の部分にも別の地番が振られていないかを確かめてください。

旗竿地を構成する部分の名称と特徴

構成部分位置広告・条例での呼び方特徴と注意点
竿(路地)道路から家の前まで続く通路敷地延長、敷延、路地状部分幅と長さで家が建つか決まる。名義確認が必要

旗竿地と袋地・路地状敷地は呼び方の何が違うか

旗竿地という言葉は、土地の形を言い表す通称です。法令の言葉ではありません。条例や建築の実務では、通路の部分を含む敷地全体を「路地状敷地」、通路の部分を「路地状部分」と呼ぶのが一般的です。税の評価の場面では、形が整っていない土地をまとめて「不整形地」として扱います。

紛らわしいのは「袋地」です。袋地は、ほかの土地に囲まれて公道に出られない土地を指します。民法は、その土地の持ち主に、囲んでいる土地を通る権利を認めています。旗竿地は自分の通路で道路に出られるので、ふつうは袋地には当たりません。ところが通路の部分だけが他人の名義になっていると、旗の部分は自分の土地だけでは公道に出られません。実際には袋地と同じ立場に置かれます。

呼び方の違いは、売るときの書類にもそのまま出ます。広告に「敷地延長」とだけあれば、買主は通路も売主の土地だと受け取ります。「通路部分は他人所有」と書かれていれば、その時点で住宅ローンを使う買主の多くが候補から外れます。どの呼び方が当てはまるかは、通路の名義を見れば決まります。

旗竿地ができるよくある経緯

  1. もともと

    道路に面した広い土地

    道路に広く面したひとつの大きな土地がある状態。

  2. 土地を分ける時

    道路側と奥側に分割

    親の代などで、家を建てるために土地を二つに切り分ける。

  3. 分割後

    奥側が旗竿地になる

    奥の土地に細い通路を付けて分けるため、旗のような形になる。

旗竿地のデメリットは、なぜ通路の幅2mで決まる?

家族がリビングのテーブルで、向かい合って真剣に話し合っている

建築基準法第43条第1項が、建物を建てる敷地は道路に2m以上接していなければならないと定めているからです。旗竿地では道路に接しているのは通路の口だけなので、通路の幅がそのまま道路に接する長さになります。旗竿地の家が建て替えできないと言われたときは、まずこの長さと、通路がつながる前の道の2点を疑います。

旗竿地の建て替えを決める建築基準法の接道2m

建築基準法(e-Gov法令検索)の第43条第1項は、建築物の敷地が道路に2m以上接することを求めています。これを接道の義務と呼びます。旗竿地の場合、道路に接するのは通路の口の部分だけです。奥の敷地は通路を介して道路とつながっています。

実務では、通路の口が2mあっても安心はできません。途中に2mより狭いところがあれば、道路に2m以上接しているとは扱われないのが一般的です。通路の途中に隣の塀が張り出している、古い門柱が残っている、といった理由で一か所だけ狭くなっている旗竿地もあります。どこで測るか、塀や側溝をどう扱うかは、敷地のある市区町村や都道府県の建築指導の窓口が決めています。図面を持って確かめてください。

自治体によっては、条例で通路の長さに応じた幅を別に求めています。東京都の建築安全条例のように、通路が長くなるほど2mより広い幅を求める決まりもあります。その場合、2mちょうどの通路でも奥行きによっては足りません。

いま建っている家は、今の基準に合わないまま残っていることがあります。建てた当時の決まりのもとで建てられたか、建てたあとに土地を分けて通路が狭くなったかのどちらかです。建物が建っている限り住み続けることはできても、壊して建て直すときには今の基準で審査されます。建て替えできない家がなぜ売りにくいのかは、「再建築不可物件はなぜ売りにくいのか」の記事で、接道の決まりの先にある出口と一緒に確かめられます。

建築基準法と自治体条例の基準の違い

観点建築基準法自治体の条例
基準の定め方法律(第43条第1項)で全国一律に定める市区町村や都道府県が独自に定める
求める通路の幅2m以上通路が長くなるほど2mより広い幅を求める
2mちょうどの通路原則として基準を満たす奥行きによっては基準を満たさないことがある

前の道が建築基準法の道路でない旗竿地のデメリット

通路の幅が十分でも、その通路がつながる前の道が建築基準法の道路でなければ、接道の義務は満たせません。同じ法律の第42条は、道路を原則として幅4m以上のものと定めています。幅4m未満でも、特定行政庁が指定した道(いわゆる2項道路)は道路とみなされます。2項道路に面している場合は、道の中心線から2mの線が道路の境界とみなされます。そのため、通路の口の部分が少し後退して使えなくなります。

前の道が私道の場合は、その私道が建築基準法の道路として扱われているかどうかで話が分かれます。道路として扱われていない私道や、農道・水路沿いの道に面した旗竿地は、通路が何mあっても建て替えの審査に進めません。私道の持ち主から通行や水道管の工事の承諾が取れない家の売り方は、「私道の承諾書がもらえない家の売却」の記事で手順を追えます。

前の道の種別は、市区町村の建築指導の窓口や道路の担当課で、道路の種別を記した図や台帳を見せてもらうと分かります。長年使ってきた家の前の道だから分かっている、と思い込まずに、窓口の記録で確かめるのが確実です。

旗竿地の接道義務を満たすかの確認手順

  1. 1

    通路の口と途中の幅を測る

    通路の口だけでなく、途中に隣の塀などで2m未満になる狭い箇所がないか探します。

  2. 2

    自治体の条例を調べる

    通路の長さによって2mより広い幅が求められるか、自治体の決まりを確認します。

  3. 3

    建築指導の窓口で確かめる

    図面を持参し、どこで測るかや塀・側溝の扱いについて窓口の判断を仰ぎます。

接道の例外で旗竿地の家を建て替えられる場合

接道の義務には例外があります。建築基準法第43条第2項は、特定行政庁が交通・安全・防火・衛生の面で支障がないと認めるものについて、接道を満たさない敷地でも建築を認める道を設けています。例外は二つです。一つは、一定の基準に合う道に接していて特定行政庁が認定するものです。もう一つは、敷地の周りに広い空き地があるなどの事情で、建築審査会の同意を得て特定行政庁が許可するものです。

ただし、例外が使えるかどうかは敷地ごとの審査で決まります。申請の準備には建築士の図面が要ります。買主の立場から見ると、買う時点では建て替えられるかどうかが決まっていない土地です。そのため住宅ローンの審査では、建て替えできない土地と同じに扱われることがあります。売る前に例外の見込みを窓口で聞いておけば、その記録を買主に渡して判断の材料にしてもらえます。

「旗竿地のデメリットは、なぜ通路の幅2mで決まる?」について、そのまま聞けます。

旗竿地のデメリットは、通路2m未満と2m以上でどう変わる?

通路が2m以上あれば建て替えはでき、不利は車・工事・日当たりにとどまります。2m未満なら建て替えできない家になり、使い道そのものが狭まります。売るか迷っている今の段階で、どちらに入るかを決めるのは、「旗竿地の建て替えを決める建築基準法の接道2m」で書いたとおり、通路のいちばん狭いところの幅です。ここでは前の道が建築基準法の道路であることを前提に、幅ごとに起きることを分けます。

1. 通路が2m以上ある旗竿地:建て替えはできるが車・工事・日当たりで不利

通路の幅が2m以上あって前の道も道路なら、法律の上では建て替えができます。住宅ローンを使う買主も候補に入ります。それでも整った形の土地と比べると、暮らしと工事の両方で不便が残り、そこが値段に表れます。

車の出し入れは、買主がいちばん先に気にする点です。通路が2m台だと、車を通路に入れることはできます。ただ、両側の塀に挟まれてドアを大きく開けられず、乗り降りが難しくなります。車を縦に2台停めると、奥の車を出すたびに手前の車を動かすことになります。通路に自転車や植木を置けば、その分だけ通れる幅が狭まります。

工事の不便は、建て替えや解体のときに金額として現れます。通路が狭いと大きな重機やトラックが奥まで入れず、小さな機械と人の手で運び出すことになります。そのため、同じ広さの家でも解体や新築の費用が上がりやすくなります。解体の費用がどこで膨らむかは、「空き家の解体費用はいくらかかるか」の記事で、重機が入れない家の扱いを含めて見積りの見方を確かめられます。

日当たりと風通しは、周りの家に囲まれる形から来る不利です。旗の部分の四方に隣の家の壁が立っていると、2階でも日の入る時間が短くなり、湿気がこもりやすくなります。ごみ出しや郵便・宅配の受け取りでは、通路を毎回往復することになります。火事のときには消防車が奥まで入れません。

一方で、旗竿地を所有するメリットもあります。道路から離れているので、車の音や人の視線が届きにくくなります。小さな子どもが家からいきなり道路へ飛び出すこともありません。通路の部分は駐車や自転車置き場に使えます。同じ広さの整形地より安く手に入るので、広い敷地を持ちやすいという面もあります。こうした住み心地を価値と感じる買主に届けば、不便の分を差し引いても選ばれる土地になります。

通路が2m以上ある旗竿地の主な不利な点

  • 車の出し入れと乗り降り

    2m台ではドアが大きく開けず、自転車などを置くと通れる幅が狭まる。

  • 解体や新築の工事費用

    重機が奥まで入れず手作業が増えるため、工事の費用が上がりやすい。

  • 日当たりと風通し

    四方を隣家に囲まれると、日の入る時間が短く湿気がこもりやすくなる。

  • 日常の行き来と緊急時

    ごみ出し等で通路の往復が必要。火事のときは消防車が奥まで入れない。

2. 通路が2m未満の旗竿地:建て替えできない家になる

通路のいちばん狭いところが2mに足りない旗竿地は、今の家を壊すと、接道の例外が認められない限り新しい家を建てられません。家が建っているうちは住めますし、修繕もできます。ただ、土地としての値打ちは、今ある建物を使い続けられるかどうかに寄りかかります。

いま空き家になっている場合、時間が経つほど建物は傷みます。屋根や外壁から雨が入り、床や柱まで傷めば、直す費用は買う側の負担として、そのまま値引きの理由になります。直しても使えないところまで傷むと、建物を壊して更地にしても家は建てられません。駐車場にしようにも車の出入りが難しく、使い道は隣の土地の持ち主が買い増すことくらいに限られます。火事や地震で建物を失ったときも、同じ立場に置かれます。

こうした進み方を止めるには、建物が使えるうちに方針を決めることです。まず、通路の幅を測り直して本当に2mに足りないのかを確かめます。足りないなら隣地の一部を分けてもらえないかを当たり、それが無理なら建物が使えるうちに売る、という順で考えます。この順番を飛ばして値下げだけを重ねると、建物の傷みと値下げが同時に進みます。

通路幅2m以上と2m未満の扱いの違い

観点通路が2m以上通路が2m未満
家の建て替え法律の上では建て替えができる建て替えできない家になる
土地の使い道車・工事・日当たりで不利が残る使い道そのものが狭まる
住宅ローンの利用ローンを使う買主も候補に入るローンを使う買主が離れる

3. 旗竿地は固定資産税が安くなるのか

旗竿地の土地は、同じ面積の整った形の土地より固定資産税の評価額が低くなることが多いです。その分だけ税額も下がります。市町村が土地を評価するときは、固定資産評価基準を使います。この基準に、間口が狭い土地、奥行が長い土地、形が整っていない土地の評価を補正して下げる仕組みが入っているためです。

ただし、下がり方が売れにくさに見合うほど大きいとは限りません。建て替えできないことそのものを評価にどう反映するかは、市町村の評価の仕方によります。納税通知書に付いている課税明細書の土地の評価額を見て、疑問があれば資産税の担当課に聞くのが確実です。

建て替えできない旗竿地で気をつけたいのは、家を壊したときの税です。住宅の建つ土地には、課税標準を下げる特例があります。地方税法第349条の3の2は、200平方メートル以下の部分の課税標準を価格の6分の1とすると定めています。家を取り壊して更地のまま1月1日を迎えるとこの特例が使えなくなり、土地の税額が上がります。しかも建て替えはできないので、税が上がったまま使い道の無い土地が残ります。空き家の固定資産税が上がる流れは、「空き家の固定資産税が6倍になる条件」の記事で、市町村の勧告の段階も含めて確かめられます。

旗竿地の売却で整形地と比べた価格差は?買主が断るのはどんなとき

夫婦がダイニングテーブルに座り、手元を見ながら頷き合っている

旗竿地は整形地より評価が低くなります。通路が2mに足りないか、前の道が道路でないか、通路の権利がはっきりしないと、住宅ローンを使う買主が離れます。売り出して数か月、内覧はあっても申込みに進まない段階なら、値下げを考える前に、買主の側で何が止まっているかを知る方が先です。価格差の理由と、買主や金融機関が断る理由は、別のところにあります。

1. 整形地と比べて旗竿地の評価と価格が下がる理由

整形地と比べると、旗竿地は税の評価でも売買の値段でも低くなります。相続税の財産評価では、国税庁の財産評価基本通達に、間口が狭い土地や不整形地の評価を下げる補正の定めがあります。固定資産税の評価でも、同じ考え方がとられています。評価が低いのは、土地として使いにくいことを制度の側が認めているからです。

売買の値段が下がる理由は、買主が通路を家の建てられない面積として見るところにあります。通路の面積が広い旗竿地ほど、買主は旗の部分の広さだけで家の間取りを考えます。そのうえで、建て替えのときの工事費の上乗せ、車の不便、日当たりを見込み、その分を値段から引いて考えます。

どれだけ下がるかに、決まった割合はありません。同じ町内でも、通路の幅と長さ、旗の部分の向きと広さで差が出ます。近所の取引の値段は、国土交通省の不動産情報ライブラリで地域と時期を絞って見られます。整った形の土地の値段と手元の査定額を並べると、どの程度の差がついているかの見当がつきます。

売却しやすい旗竿地には、3つの特徴があります。通路が車の出し入れができる幅で、建築の条例の基準も満たしていること。通路が短く、旗の部分が道路から近いこと。前の道が建築基準法の道路で、幅にも余裕があること。この3つがそろう旗竿地は、不便はあっても家を建てたい買主に選ばれます。どれかが欠けるほど買主の数が減り、値段の下がり方も大きくなります。旗竿地がなかなか売れないときの値段の見直し方は、「旗竿地が売れない理由」の記事で、値下げの前に測る点と一緒に確かめられます。

2. 旗竿地で買主や住宅ローンが断りやすい条件

買主が申込みの手前で止まる理由の多くは、住宅ローンが組めるかどうかです。金融機関は土地と建物を担保として評価するときに、その土地に将来も家を建てられるかを見ます。通路が2mに足りない旗竿地や、前の道が建築基準法の道路でない旗竿地は、担保としての評価が低くなります。融資も受けにくくなります。

住宅ローンが使えないと、買える人は現金で払える人に限られます。隣の土地の持ち主、投資の目的で買う人、買取業者といった相手です。どの相手も、建て替えできないことを前提に値段を付けます。仲介で売り出したまま買主が現れないのは、値段の問題より先に、買える人の数がもともと少ないことによる場合があります。

ローンが使える旗竿地でも、買主が断る条件はあります。通路の境界が決まっておらず、測量しないと2mあるか分からない土地は、買主から見ると建て替えできるかどうかが分からない土地です。建物が建築確認を受けた記録が見つからない家も、買主や金融機関が慎重になります。通路の上に隣の家の屋根や配管がかかっていれば、その扱いも買主は聞いてきます。

放っておくと、売り出しの期間が延びるほど広告の上で目立たなくなり、内覧の数も減っていきます。いま止まっている理由が、住宅ローンなのか、通路の境界なのか、建物の記録なのかを先に特定してください。そうすれば、直せるものは直し、直せないものは値段と売り先で受け止める、という決め方ができます。

売却しやすい旗竿地の特徴

  • 通路の幅と条例の基準

    車の出し入れができる幅があり、建築の条例の基準も満たしているか。

  • 通路の長さと道路からの距離

    通路が短く、奥の旗の部分が道路から近い位置にあるか。

  • 前の道の種類と幅

    前の道が建築基準法の道路であり、幅にも余裕があるか。

3. 旗竿地の通路を隣と共有している・他人の土地を通る場合

通路を隣と共有している旗竿地や、通路が他人の土地になっている旗竿地は、通路の権利を書面で示せるかどうかで売りやすさが決まります。どちらも、相続や売り出しのときに登記事項証明書を取って初めて気づく方が少なくありません。

隣の旗竿地と通路を共有している形は、広い土地を奥で二つに分けたときによく見られます。それぞれの家が通路の持分を持ち、二つの家で一本の通路を使っています。売るときは、旗の部分と通路の持分を一緒に売ることになります。通路の舗装のやり直しや水道管を掘る工事には、共有するもう一方の家の同意が要る場面があります。共有の通路を建て替えの審査でどう扱うかも、自治体の取扱いによります。窓口で確かめておくと、買主に説明できます。

通路の部分が他人の土地の場合、旗の部分は自分の土地だけでは公道に出られません。民法(e-Gov法令検索)第210条第1項は、ほかの土地に囲まれて公道に通じない土地の持ち主が、公道に出るために囲んでいる土地を通れると定めています。ただ、通る場所と方法は、囲んでいる土地にとって損害の少ないものに限られます。また、通れることと、建築の審査で道路に2m接していると扱われることは別の話です。通行の権利があるだけで、建て替えができるとは限りません。

こうした旗竿地を売る前には、通路の持ち主との間で通行や工事を認める承諾書を交わしているか、通行の権利が登記されているかを確かめます。前の持ち主の時代に口約束だけで通っていた通路は、持ち主が代わると話が変わることがあるためです。書面が無ければ、売り出す前に作れるかどうかを当たります。作れないなら、その事情を前提に値段を付ける相手に売ることになります。

整形地と旗竿地の評価と価格の違い

観点整形地旗竿地
税の評価基準となる評価額間口が狭い土地や不整形地として評価が下がる
売買の値段基準となる価格工事費の上乗せや不便さを見込み値段が下がる
買主の面積の見方土地全体を有効に使えると見る通路を家の建てられない面積として引いて見る

「旗竿地の売却で整形地と比べた価格差は?買主が断るのはどんなとき」について、そのまま聞けます。

旗竿地のデメリットを売る前に見極める4項目のチェック表

住宅の敷地と道路の境界にある、コンクリートの低い塀とアスファルトの地面

確かめる4項目は、通路の幅、通路の長さ、前の道が建築基準法の道路か、通路を共有しているかです。これで、建て替えできるかと売り方の軸が決まります。不動産会社に査定を頼む前の段階でも、この4項目は手元の書類と、法務局・役所の窓口でおおむね確かめられます。査定額を聞いてから理由を探すより、4項目の答えを持って査定を頼む方が、出てきた金額の理由を読み取れます。

1. 旗竿地の通路の幅と長さを測り、前の道を役所で確かめる

最初に、法務局で登記事項証明書、公図、地積測量図を取ります。公図で通路の形と地番を、地積測量図で通路の幅と長さの記録を見ます。地積測量図が無い土地や古い図面しか無い土地もあり、その場合は現地で測ることになります。

現地では、巻尺で通路の口、途中、奥の三か所の幅を測ります。塀、擁壁、植え込み、門柱が通路に張り出していないかも見ます。境界を示す杭や金属の標が通路の両側に残っていれば、その間の距離が測る手がかりになります。標が見つからない、隣と境界の位置の認識が違う、といった場合は、土地家屋調査士に測量を頼んで確かめます。

測った結果と図面を持って、市区町村の建築指導の窓口に行きます。窓口では、前の道が建築基準法の道路か、2項道路か、通路の幅と長さが条例の基準を満たすかを聞きます。いまの家が建てられたときの建築確認の記録が残っているかどうかも聞きます。台帳の記載事項の証明として出してもらえれば、買主への説明に使えます。

窓口へ行く前に、旗の部分の建物の築年と、増築したことがあるかも家族に聞いておきましょう。窓口での話が早く進みます。相続した家で事情を知る人がいない場合は、固定資産税の課税明細書に載っている建築年が手がかりになります。

旗竿地の条件を確かめる手順

  1. 1

    法務局で図面を取る

    登記事項証明書や公図などを取得し、通路の形や記録上の幅と長さを確認します。

  2. 2

    現地で通路の3か所を測る

    巻尺を使い、通路の口、途中、奥の幅を測ります。塀などの張り出しも確認します。

  3. 3

    建築指導の窓口で聞く

    測った結果と図面を持参し、前の道が道路か、条例の基準を満たすかを聞きます。

2. 旗竿地のデメリットを4項目で診断するチェック表

確かめた結果を、次の表に当てはめます。項目ごとに、自分の土地の答えに近い行を1つずつ選んでください。

チェックする項目あなたの土地の答え診断の結果
通路の幅(いちばん狭い所)2m未満原則として建て替えできない。買取を軸に、隣地を分けてもらえるかも並べて考える
通路の幅(いちばん狭い所)2mちょうど前後塀や境界の位置で数センチ変わる。測量で2m以上と確かめるまで売り出しの値段を決めない
通路の幅(いちばん狭い所)3m以上幅で建て替えが止まる心配は小さい。残る3項目の答えで決まる
通路の長さ条例の基準を超えて長い2m以上でも幅が足りないことがある。窓口で基準を確かめてから判断する
前の道建築基準法の道路でない通路が広くても建て替えできない。買取を軸に考える
前の道建築基準法の道路(2項道路を含む)通路の幅と長さの答えがそのまま結果になる
通路の共有隣と共有・通路が他人の土地持分の登記と通行・工事の承諾書がそろえば仲介も選べる。そろわなければ買取を軸に
通路の共有通路も自分だけの名義共有による値下がりは無い

通路の幅が2mを確かに超えて3mに届かない旗竿地は、建て替えの可否では3m以上と同じに読みます。そのうえで、車の乗り降りの不便を値段に見込んでおきます。

4つの項目すべてで建て替えできる側の答えになった旗竿地は、仲介で一般の買主に売り出すのが先です。どれか1つでも建て替えできない側に入った旗竿地は、住宅ローンを使う買主に届きにくくなります。買取の値段を先に聞き、仲介で売り出す場合の見込みと比べます。通路の共有だけが引っかかっている場合は、書面をそろえられるかで売り方が変わります。承諾書を作れるかどうかを先に当たります。

旗竿地の通路を2mに広げてから売る?そのまま売る?

隣地の一部を買うか借りるかで、通路が2m以上と認められる見込みがあれば広げてから売ります。見込みが無ければ、現況のまま売り方を決めます。チェック表で通路の幅が2m未満と出た段階で、多くの方がまず思い浮かべるのは、隣に土地を少し分けてもらうことです。広げる話には相手があり時間もかかるので、売り方の判断と並べて進めます。

1. 隣地の一部を買う・借りて旗竿地の通路を2mにする

隣地の一部を買う方法では、通路沿いの細長い部分を隣の土地から分け、自分の通路に加えます。土地家屋調査士に分筆の登記を頼み、分けた部分の名義を司法書士に移してもらう流れです。測量から登記まで段階を踏みます。隣の土地に住宅ローンの抵当権が付いていれば、分ける部分について金融機関の承諾も要ります。

気をつけたいのは、分けたことで隣の家の側に不都合が起きないかです。隣の敷地が狭くなると、隣の家の建ぺい率や容積率が基準を超えたり、隣の家の通路や駐車の場所が足りなくなったりすることがあります。隣の方が応じてくれるかどうかは、その不都合が無いことを図面で示せるかに左右されます。

借りる方法では、通路沿いの土地を使わせてもらう承諾を書面で得ます。そのうえで、建築の審査でその部分を敷地に含められるかを確かめます。認めるかどうか、認める場合にどんな書面が要るかは自治体によって違います。買主の金融機関が借りた部分を担保として見るかどうかも、別の問題です。隣の土地の持ち主が代わったときに承諾が続くかどうかも、買主は気にします。

広げる話が進めば、建て替えできる土地として売り出せるので、値段の付き方そのものが変わります。ただ、話がまとまるまでに月単位の時間がかかることも珍しくありません。断られたあとの近所付き合いも残ります。建て替えできない家で使える方法の全体は、「再建築不可の裏ワザは使える?接道で分かれる方法と売り方」の記事で、接道の型ごとに確かめられます。接道の例外を申請する道を選ぶなら、「接道の例外で旗竿地の家を建て替えられる場合」で触れた敷地ごとの審査を通る必要があります。

隣地を買う方法と借りる方法の違い

観点隣地の一部を買う隣地の一部を借りる
権利の持ち方自分の通路に加え、名義を自分に移す通路沿いの土地を使わせてもらう承諾を得る
必要な手続き測量、分筆の登記、金融機関の承諾建築の審査で敷地に含められるかの確認
隣の家への影響建ぺい率超過や駐車場所の不足が起きる恐れ持ち主が代わったときに承諾が続くか懸念
住宅ローンの担保自分の土地として担保になる金融機関が担保として見るかは別問題

2. 旗竿地を仲介で売るか、買取に出すかの分かれ目

チェック表の答えと、建物の状態と、いつまでに売りたいかの3つが、仲介と買取の分かれ目になります。4項目すべてで建て替えできる側に入り、建物も住める状態で、売り急ぐ事情が無ければ、仲介で一般の買主を探す方が手取りは多くなりやすいです。通路が2m未満か前の道が道路でない旗竿地で、建物の傷みが進んでいる、相続人の間で早く分けたいといった事情があるとします。その場合は、買取の値段を先に聞いた方が判断が早くなります。

比べるときは、仲介の査定額と買取の値段をそのまま並べないでください。仲介の査定額は売れた場合の見込みで、買取の値段は買主が実際に支払う額です。仲介で売るなら、仲介手数料、片付けや修繕の費用、売れるまでの固定資産税や管理の費用を差し引いて手取りに直します。当社が買い取る場合は仲介手数料はかかりません。近所でどのくらいの値段で取引されているかは、不動産情報ライブラリ(国土交通省)で地域と時期を絞って見られます。

仲介で売り出す場合も、区切りを決めておくと迷いが減ります。売り出してから何か月反応が無ければ値段を見直すか、買取に切り替えるか、という月を先に決めておきます。そうすれば、空き家の傷みと税の負担を抱えたまま売り出しが延びるのを避けられます。買取で売る場合に手取りが下がる理由と、仲介が向く家の条件は、「空き家を買取で売るデメリット」の記事で比べられます。

隣地の一部を買って通路を広げる流れ

  1. 測量・分筆

    隣地の一部を切り分ける

    土地家屋調査士に依頼し、通路沿いの細長い部分を隣の土地から分ける。

  2. 承諾(該当時)

    金融機関の承諾を得る

    隣の土地に住宅ローンの抵当権がある場合、分ける部分の承諾が必要。

  3. 登記

    名義を自分に移す

    司法書士に依頼し、分けた部分の名義を自分のものに変更する。

  4. 完了後

    建て替え可能になる

    通路が広がり、建て替えできる土地として売り出せるようになる。

なお、この記事の税務・法務に関する記載は一般的な情報提供であり、個別の事案についての判断ではありません。適用の可否や具体的な税額については、税務署または税理士、登記については司法書士、境界や隣地との権利関係については弁護士や土地家屋調査士など、それぞれの専門家にご確認ください。当社は不動産の買主であり、税務や法律の代理はできません。

「旗竿地の通路を2mに広げてから売る?そのまま売る?」について、そのまま聞けます。

旗竿地・建て替えできない家を当社が買う条件と価格の決まり方

ダイニングテーブルに向かい合い、夫婦が頷き合いながら話し合いをしている

建て替えできない旗竿地の家も、当社は現況のまま買い取ります。価格は、建物を直して使えるかと、通路で工事と搬出ができるかで決まります。仲介の会社から再建築不可で扱いにくいと言われたあとでも、当社が見る点は変わりません。買い取ったあとに建物を直し、次の方に引き継ぐまでにかかる費用と期間を見込みます。それを差し引いた額が価格になります。

旗竿地の家で当社が価格を決める前に確かめる3つのこと

最も影響が大きいのは、その旗竿地が建て替えできるかどうかです。通路の幅と前の道で建て替えできる土地だと分かれば、家を建てたい一般の買主に仲介で売る道が開けます。当社の買取価格とは前提が変わります。チェック表の答えを先に伺うのはそのためです。

建て替えできないと分かれば、次に建物を直して使えるかを見ます。建て替えできない旗竿地の戸建ては、今の建物を直して住む方や貸す方に引き継ぐのが出口です。そのため、屋根、基礎、柱、水回りの傷みがどこまで進んでいるかが価格を大きく左右します。

通路で工事と搬出ができるかは、直す費用の見積りに直結します。通路が狭く長いほど、資材の搬入も残置物の運び出しも人の手に頼ることになり、費用が上がります。通路に段差や階段があるか、車をどこまで寄せられるかも、このときに見ます。

当社の実務では、戸建てが再建築不可かどうかと、築年数を先に確認します。再建築不可の戸建てとして当社が買い取り販売まで終えた物件には、次のような例があります。東京都墨田区の築50年以上のもので300万円台、埼玉県久喜市のもので100万円未満です。どちらも物件ごとの事情で決まった金額です。旗竿地の値段の目安として、そのまま当てはめられるものではありません。

当社が値を付けにくい旗竿地と、仲介や売らない方が向く場合

建て替えできない旗竿地で、建物がすでに無いか、直しても使えないところまで傷んでいる場合は、当社では値を付けられないことがあります。家を建てられず、通路の幅では車の出入りも難しいため、土地の使い道が隣の土地の持ち主による買い増しにほぼ限られるからです。この場合は、通路でつながる隣の方や、旗の部分を囲む家の方に先に声をかける方が、売れる見込みがあります。

通路が2m以上あって前の道も建築基準法の道路、建物も住める状態という旗竿地もあります。その場合は当社に売るより、仲介で一般の買主に売る方が手取りが多くなることが多いです。住宅ローンを使って家を建てたい買主に届くので、建物を直して引き継ぐ前提で出す当社の価格より高い値が付きやすいためです。こうした土地では、査定のあとで仲介をお勧めすることもあります。

隣の方と通路を広げる話が進んでいる最中は、売らない方がよいことがあります。隣地の一部を買えて通路が2m以上と認められれば、建て替えできる土地として値段の付き方が変わります。その話の結果が出てから売り方を決めても遅くありません。

旗竿地の家のご相談からご入金までと、書類・費用

旗竿地の家は、住宅ローンを使う買主だと融資の審査で話が止まりがちです。当社は自己資金で支払うため、契約に融資の特約を入れません。審査の結果しだいで契約が白紙に戻る、という待ち方をしなくて済みます。流れの目安は、お問い合わせから価格をお示しするまで30分ほど、契約まで1〜2週間、引き渡しは早ければ2週間以内です。決済の日は、売主さまの都合のよい日を選んでいただきます。その日に代金のお支払いと所有権の移転の登記をまとめて済ませるので、代金が入るのは引き渡しと同じ日です。

相続した旗竿地の家で名義が亡くなった方のままになっている場合は、決済の日から逆算して、司法書士と相続登記の日程を組みます。遠方にお住まいで現地に通えない場合は、鍵をお預かりして当社だけで現地を見ることもできます。対応しているのは全国47都道府県です。

決済の日までに手元に置いていただく書類は、一般には旗竿地でも整った形の土地でも同じです。持ち主であることを示す登記識別情報か、登記が古ければ権利証。ご本人であることを示す本人確認書類と印鑑証明書。それに固定資産税の納税通知書です。相続した物件では、これに戸籍などの書類が加わります。実際にどの書類が要るかは、個別のご案件によって変わります。

売主さまにご負担いただく費用は、一般には売買契約書の印紙代、抵当権の抹消登記の費用、住所変更登記の費用で、相続した物件では相続登記の費用もかかります。こちらも個別のご案件によって変わります。

取引態様:買主(当社が自ら買い取ります)/媒介(当社で買い取れない物件は、仲介で売却をお手伝いします)

当社が買取価格を決める前に確かめる点

  • 建て替えできる土地か

    通路の幅と前の道から、一般の買主に仲介で売る道があるかを見極める。

  • 建物を直して使えるか

    屋根や基礎、水回りの傷み具合から、修繕して次に引き継げるかを見る。

  • 通路で工事と搬出ができるか

    通路の長さや段差から、資材搬入や残置物撤去にかかる費用を見積もる。

「旗竿地・建て替えできない家を当社が買う条件と価格の決まり方」について、そのまま聞けます。

旗竿地のデメリットを抱えた家で、売る前に決める3つのこと

  • 通路のいちばん狭いところが2mに届くか、前の道が建築基準法の道路かで、旗竿地のデメリットが「不便」で済むか「建て替えできない」になるかが分かれます。まず図面と窓口でこの2点を確かめてください。
  • 通路の幅・通路の長さ・前の道・通路の共有の4項目をチェック表に当てはめます。建て替えできる側なら仲介を先に、できない側なら買取の値段を先に聞いて、どちらも手取りに直して比べます。
  • 隣地の一部を分けてもらえる見込みがあるなら、その結果が出るまで売り急ぎません。見込みが無いなら、建物が使えるうちに売り方を決めます。

建て替えできない旗竿地の家は、当社が現況のまま買い取ります。通路が広く住宅ローンを使える土地なら、仲介をお勧めすることもあります。

査定は無料・売却の義務なし
0120-996-748受付時間10:00〜19:00(水・日曜定休)

通話料無料・全国対応

この先は、当社の買取窓口「買取くん」のページです(運営は同じ株式会社リアテクスです)。

旗竿地のデメリットと売却について、よくある質問

Q1. 旗竿地はやめたほうが良い、ダメだと言われるのはなぜですか

建て替えや売却のときに、整った形の土地には無い制約がかかるからです。通路が2mに足りないか、前の道が建築基準法の道路でなければ、原則として建て替えができません。2m以上あっても、車の出し入れ、工事の費用、日当たりで不利になります。その分かれ方は「旗竿地のデメリットは、通路2m未満と2m以上でどう変わる?」の節のとおりです。通路が広く前の道も整っている旗竿地は、静かさや視線の届きにくさを好む買主に選ばれることもあります。一律にやめたほうが良い土地というわけではありません。

Q2. 旗竿地は固定資産税が安いのですか

同じ面積の整った形の土地より、土地の評価額が低くなることが多いです。その分の税額は下がります。ただ、下がり方が売れにくさの埋め合わせになるほど大きいとは限りません。家を壊して更地にすると、住宅用地の特例が外れて逆に上がります。仕組みは「旗竿地は固定資産税が安くなるのか」の見出しのところにあります。手元の課税明細書の評価額を見て、疑問があれば市区町村の資産税の担当課に聞いてください。

Q3. 旗竿地に住むのは不幸、恥ずかしいことですか

住み心地の感じ方は人によって違います。旗竿地に住むこと自体が、不幸や恥ずかしいことになるわけではありません。道路から奥まっているので静かで、家の前を人が通らないことを選んで住む方もいます。売るときに値段に効くのは、そうした評判ではなく、通路の幅と長さ、前の道の種別、通路の名義といった確かめられる条件です。評判を気にして売り急ぐ前に、チェック表の4項目を確かめてください。

Q4. 旗竿地の通路が2mあれば車は停められますか

車を通路に入れて停めること自体はできます。ただ、両側に塀や壁があると、ドアを大きく開けられず乗り降りが難しくなります。2mは建築基準法の接道の基準として足りる幅であって、車を停めやすい幅という意味ではありません。通路に車を停めているあいだは、人も自転車も通りにくくなります。車を持つ買主ほど、ここを細かく見ます。売るときは、実際に車を停めた写真や、乗り降りできる位置を示すと伝わりやすくなります。

Q5. 旗竿地の通路が3mあれば安心ですか

幅で建て替えが止まる心配は小さくなりますが、それだけでは決まりません。前の道が建築基準法の道路でなければ、通路が3mあっても建て替えはできません。通路が長い旗竿地では、自治体の条例が求める幅を確かめる必要があります。通路を隣と共有していれば、持分と承諾書の有無も売りやすさに響きます。通路の幅は4項目のうちの1つと考え、残りの3項目も合わせて確かめてください。

Q6. 建て替えできない旗竿地の家でもリフォームはできますか

今の家を直して使うことはできます。2025年4月からは木造2階建ての家でも、大規模な修繕や模様替えには建築確認が要るようになりました。接道を満たさない既存の家については、国土交通省の資料に整理があります。利用者が増える用途の変更を伴わず、特定行政庁が交通・安全・防火・衛生の面で支障がないと認めれば、既存不適格のままでよいとされています(建築基準法第86条の7第1項・国土交通省「大規模の修繕・模様替を行う既存不適格建築物への緩和措置」)。どこまでの工事に確認が要るかは、工事の中身で変わります。建築士と窓口で確かめてください。今の家が既存不適格なのか、建てた当時から決まりに合っていなかったのかで、売り方も変わります。その違いは「既存不適格と違法建築の違い」の記事で確かめられます。

当社の見方

戸建てで、再建築不可の物件を当社が買い取り、販売まで終えました。

旗竿地は、建て替えができないと分かった時点で「もう売れない」と思い込み、空き家のまま何年も置いてしまう方が多いという印象です。ご相談の中では、相続したものの遠方で見に行けない、固定資産税だけを払い続けている、という声もよく伺い、早めにご相談いただいた方ほど選択肢が多く残ります。当社は全国(47都道府県)に対応しており、底地・借地権も買い取っていますので、権利関係が入り組んだ旗竿地でも、まずは状況をお聞かせください。ただし、買い取れない物件や、売らずに持っておいたほうがよいと考える場合には、その理由も含めて正直にお伝えしています。売ったあとも住み慣れた家で暮らしたい方には、リースバック(売却後も賃借人として住み続ける形)も積極的にお受けしています。

当社が買い取る物件・お断りする物件と、買取価格の決まり方は、当社の買取事例76件の内訳とあわせて当社の買取基準にまとめています。

この記事について

執筆・編集
リアテクス編集部株式会社リアテクス当社(宅地建物取引業 東京都知事(1)第107888号)は物件を直接買い取る買主の立場から、売却を検討する方の判断材料となる記事を企画・編集しています。
監修
鶴野 博之鶴野 博之株式会社リアテクス 執行役員宅地建物取引士(東京)第257503号/賃貸不動産経営管理士/2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)この区分の監修を担当しています。記事の公開判断は当社が行っています(代表が定めた手順による)。確認・公開判断:鶴野 博之(株式会社リアテクス 執行役員)
公開・更新
公開 更新 内容を見直したときは、この日付と改訂の内容を更新しています。情報の確認日 (出典の公的資料を開いて内容を確かめた日)
この記事の事実確認の方法
法令:建築基準法、民法出典:国土交通省
記事の作り方
この記事は、当社の担当者が事実確認を行ったうえで公開しています。

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