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相続土地国庫帰属制度は使えないのか|却下される土地と負担金

公開 更新

執筆
株式会社リアテクス リアテクス編集部
監修
株式会社リアテクス 執行役員 鶴野 博之(宅地建物取引士(東京)第257503号)
相続土地国庫帰属制度は使えないのか|却下される土地と負担金

「相続した土地を国に引き取ってもらおうと調べたが、自分の土地は対象外だと書かれている」。建物が残っている土地と境界が確定していない土地は申請の段階で却下され、解体と測量を終えたあとでも審査手数料と負担金は戻りません。

当社は買主として、建物が残った土地や境界が未確定の土地も現況のまま買い取ります。そのぶん価格は下がり、相続人の一部と連絡が取れない土地と通行の権利がない土地はお引き受けできません。相続した家が買い取れるかどうかだけ、先に聞く(無料)

目次(7章)

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相続土地国庫帰属制度が使えないのは、建物が残っている土地、境界が確定していない土地、抵当権や賃借権が付いている土地で、申請できる人も限られており、相続放棄をした人は使えません。申請の段階で門前払いになる却下事由と、審査に入ってから落ちる不承認事由は法律で別に定められており、どちらに当たるかで次に手を付ける場所が変わります。建物を壊して境界を測り、手数料と負担金を払って国に渡すのか、その費用を掛けずに買い手を探すのか、という比較になります。

相続土地国庫帰属制度は使えないのかの要点を、定義・この記事でわかること・よくある質問の順に短くまとめた動画です。

相続土地国庫帰属制度は誰のどの土地に使えないのか

制度の名前に「相続」と入っているため、相続した土地なら誰でも申請できると読まれがちです。実際に窓口で止まるのは、土地の状態よりも先に申請する人の資格と建物の有無で、ここを外すと解体も測量も無駄になります。

申請できるのは、相続か相続人への遺贈で取得した人だけ

対象になるのは、相続または相続人に対する遺贈によって土地の所有権を取得した人です。相続人でない第三者への遺贈で取得した土地は対象から外れます。売買や生前贈与で手に入れた土地も、たとえ親から引き継いだものでも外れます。制度が始まったのは2023年4月27日ですが、それより前に相続した土地でも申請できます。何十年も前に相続した山林や田畑でも、相続で取得したことを証明できれば入口には立てます。

一方で、相続放棄をした人は放棄によって相続人でなくなり、土地の所有権を取得していないため申請できません。放棄したあとも家屋を現に占有していた場合の保存義務は別に残るため、「相続放棄しても実家の管理義務は消えない」の記事も併せてご覧ください。

共有地は共有者全員が共同で申請する必要があり、一人でも反対すれば申請できず、自分の持分だけを国に渡すこともできません。相続人が多くて連絡が付かない状態なら、先に人を確定させる作業が要ります。要件と手続の全体は法務省の相続土地国庫帰属制度についてに載っています。

相続登記が済んでいなくても、所有権を取得したことを示す書類がそろえば申請自体はできますが、登記の申請義務は別に生きています。

建物がある土地の扱い

  • 相続・遺贈による取得

    制度の対象となり、何十年も前でも申請可能

  • 売買・生前贈与による取得

    親から引き継いだ土地であっても申請できない

  • 相続放棄をした人

    所有権を取得していないため申請できない

  • 共有地の所有者

    全員での共同申請が必要で、単独では申請不可

建物が1棟でも残っていれば、審査には入らない

制度の対象は土地だけで、建物が建っている土地は申請が却下されます。登記があるかどうかではなく、建物として存在しているかどうかで判断されるため、未登記の古い小屋や車庫も問題になります。空き家をそのまま国に引き取ってもらうという使い方は、この一点で成り立ちません。

解体して更地にすれば要件は満たせますが、費用は申請する側の負担で、木造住宅の解体費は規模と前面道路の幅で変わり、搬出の経路が狭ければ手作業が増えて上がります。金額の出方は「空き家の解体費用はいくらかかるか」の記事に書きました。

解体のあとは建物の滅失登記が必要で、登記記録に建物が残ったままでは、土地だけを国に渡す形にできません。

そして、建物を壊したあとに地上へ残るものにも条件があります。門扉やブロック塀、浄化槽、井戸、コンクリートの土間が土地の管理を妨げる状態なら、更地にしても承認されないことがあります。

申請できる人とできない人の違い

  1. 1

    相続・遺贈で取得

    申請可能。制度開始前の取得や古い相続でも対象になる。

  2. 2

    売買・生前贈与で取得

    親から引き継いだ土地でも申請できない。

  3. 3

    相続放棄をした人

    土地の所有権を取得していないため申請できない。

代金は入らず、手数料と負担金が出ていく

この制度は土地を売る仕組みではなく、国は代金を払わず、申請する側が審査手数料と負担金を払って所有権を手放します。金額と払う時期は次のとおりです。

出ていくお金金額払う時期
審査手数料土地1筆あたり1万4千円申請書の提出時(収入印紙)
負担金原則20万円(区分により面積で算定)承認の通知から30日以内
建物の解体費と滅失登記見積と実費申請の前
測量と境界の確定見積と実費申請の前
戸籍・登記の書類実費申請の前

審査手数料は、申請を取り下げても、却下や不承認になっても返ってきません。負担金を30日以内に納めなければ承認は効力を失って手続はやり直しになり、費用が先に出て結果は後から決まる順番です。

「相続土地国庫帰属制度は誰のどの土地に使えないのか」について、そのまま聞けます。

相続土地国庫帰属制度で却下される土地と不承認になる土地

居間のテーブルで、夫婦が湯呑みを手に持ちながら、実家の土地の管理について話し合っている

法律は、申請を受け付けない場合と、審査したうえで承認しない場合を分けています。前者が却下で、法第2条第3項に5つの事由が並びます。後者が不承認で、法第5条第1項に5つの事由があり、管理や処分に過分の費用や労力が要るかどうかで判断されます。自分の土地がどちらで止まるかによって、費用を掛けて直す意味があるかどうかが変わります。

1. 建物と、管理を妨げる工作物や樹木

建物のある土地は却下、建物を除いたあとに管理を妨げる有体物が地上に残る土地は不承認、という並びです。果樹園の樹木、放置された車両、崩れかけた擁壁が地上にある場合は後者に入ります。農機具や資材が置かれたままの土地も、撤去しなければ管理できない状態なら同じ扱いです。

倒れかけた建物を「工作物だから残せる」と考えるのは危険で、物置や納屋でも建物と判断されればそこで却下されます。

却下と不承認の分かれ方

  1. 1

    建物がある土地

    物置や納屋でも建物と判断されれば却下される。

  2. 2

    樹木や工作物が残る土地

    果樹や放置車両、擁壁が地上に残る場合は不承認になる。

2. 担保権が付いた土地と、通路として使われている土地

抵当権や根抵当権が残っている土地、賃借権や地上権など使用や収益を目的とする権利が設定されている土地は却下されます。ローンを完済していても抹消の登記をしていなければ記録は残るので、先に抹消が必要です。

現に通路として使われている土地も、政令で定める「他人による使用が予定される土地」として却下の対象になります。墓地内の土地、境内地、水道用地や用悪水路、ため池として使われている土地も同じ枠で、私道の持分だけを国に渡す使い方はできません。

借地権が付いた底地もこの制度の外にあり、地主側から見た出口は「底地を相続したが手放したい」の記事に書いています。

3. 境界が明らかでない土地と、隣地と争いがある土地

境界が明らかでない土地、所有権の存否や帰属、範囲について争いがある土地は却下されます。申請には土地の形状と境界を示す図面や写真が必要で、隣地の所有者と認識が食い違っていれば、その段階で止まります。

確定測量には、接している土地すべての所有者の立会いと署名が要ります。隣地が空き家で連絡先が分からない、隣地の名義が数代前のままという状況では、測量そのものが進みません。

さらに、隣接する土地の所有者との争訟によらなければ通常の管理や処分ができない土地は、不承認の事由に挙がっています。越境した塀や樹木をめぐって話がついていない土地は、測量費を払ったあとで結論が出ないおそれがあります。

4. 崖・地下の埋設物・土壌の汚染

不承認の事由のひとつに、崖がある土地が挙がっています。政令では勾配が30度以上で高さが5メートル以上のものを崖としています。この崖の管理に過分の費用や労力が要ると判断されれば不承認です。傾斜のある土地なら、申請を決める前に勾配と高さを測っておくと判断が早くなります。

除去しなければ通常の管理や処分ができない有体物が地下にある土地も不承認です。古い建物の基礎、浄化槽、井戸、埋められた廃材やコンクリート塊が該当し、解体のときに基礎を残す工事にすると、ここで引っかかります。

土壌汚染対策法上の特定有害物質で汚染されている土地は、不承認ではなく却下の対象です。工場や給油所、クリーニング店の跡地では、調査の記録を先に確かめてください。これらのほかに「その他、通常の管理や処分をするに当たり過分の費用や労力を要する土地」という受け皿の事由があり、獣害の対策が必要な土地や、周囲から入る道がない土地がここで判断されます。

5. 却下と不承認の違いで、次の手が変わる

区分当たる土地の例費用を掛けて直せるか
却下建物が残る、担保権が付く、通路として使用中、汚染、境界に争い解体と抹消登記は直せる。通路と争いは直せない
不承認崖、地上や地下の有体物、隣地との争訟、過分の費用撤去や整備で直る場合と、土地の素性で決まる場合がある

却下は入口の要件ですから、原因を取り除けば改めて申請できます。不承認は管理の手間を見た判断で、地形や周囲の条件が理由になっていることがあります。

どちらの結論にも行政不服審査法に基づく審査請求ができますが、理由が建物の存在や境界の争いであれば、争うより原因を消すほうが早く終わります。

相続土地国庫帰属制度の負担金と、使えないと判断する分かれ目

居間のテーブルを囲んで、話し合う家族(これからの費用について)

要件を満たす土地でも、費用の合計が売った場合の代金を上回るなら、制度を使う理由は薄くなります。負担金は10年分の管理費に相当する額として土地の区分ごとに算定され、面積が大きいほど高くなる区分もあります。

1. 負担金が20万円で済む土地と、面積で算定される土地

土地の区分負担金の算定
宅地(市街化区域と用途地域の外)面積にかかわらず20万円
宅地(市街化区域または用途地域の内)面積に応じて算定
田・畑(市街化区域・用途地域・農業振興地域・土地改良事業区域のいずれの外にもある場合)面積にかかわらず20万円
田・畑(市街化区域、用途地域、農業振興地域、土地改良事業の区域内)面積に応じて算定
森林面積に応じて算定
雑種地・原野など面積にかかわらず20万円

面積で算定される区分では、法務省が示している算定例で、市街化区域内の宅地100平方メートルが約55万円となっています。市街地の宅地や広い山林では、20万円で終わらない前提で計算してください。

隣接する2筆以上の土地がいずれも同じ算定区分に属する場合、まとめて1つの土地として負担金を算定するよう申し出られます。細分された田や原野が並んでいるときは筆ごとに20万円を払うより安くなりますが、審査手数料は筆ごとに必要です。

2. 払ったお金は戻らず、結果が出るまで時間がかかる

審査手数料は、却下でも不承認でも、取り下げた場合でも返還されません。1筆あたり1万4千円ですから、山林や田が10筆あれば手数料だけで14万円になります。

審査では書面の確認に加えて、法務局の職員による実地の調査が行われます。追加の資料を求められることもあり、結果が出るまでには数か月から1年単位の時間を見ておく必要があって、その間も固定資産税と管理の負担は続きます。

3. 解体して国に渡す費用と、売った場合の手取りを並べる

建物付きの土地で制度を使うなら、解体費、滅失登記、測量費、審査手数料、負担金が順に出ていきます。この合計と、現況のまま売った場合の代金を並べて、後者が上回るなら売る方が手元に残ります。

逆に、買い手が付く見込みがない土地では、費用を払って手放す判断に意味が出ます。境界の立会いに応じる隣地があるか、道路に接しているか、車が入れるかで見込みは大きく変わります。出口ごとの費用の比べ方は「空き家の処分方法」の記事に整理しました。

順番としては、先に売れるかどうかを確かめ、売れないと分かってから制度の要件に当てはめてください。

制度利用と売却の費用比較

  • 審査手数料(1筆あたり)1.4万円
  • 筆数で嵩む手数料(10筆)14万円
  • 定額で済む区分の負担金20万円
  • 面積で跳ねる負担金(宅地100㎡)55万円

4. 承認されても、税と責任が切れる時期は別

負担金を納めた時点で所有権が国に移り、その後の管理は国が行います。固定資産税は毎年1月1日時点の所有者に課税されるため、年の途中で所有権が移っても、その年の分は納めることになります(地方税法(e-Gov法令検索))。

また、承認の時点で土地に問題があることを知りながら国に告げなかった場合、国に生じた損害の賠償を求められることがあります。埋設物や汚染の心当たりは隠さず書く方が安全で、不正の手段で承認を受けたときは承認そのものが取り消されます。

「相続土地国庫帰属制度の負担金と、使えないと判断する分かれ目」について、そのまま聞けます。

相続土地国庫帰属制度が使えないときに順に確かめること

制度から外れた土地にも出口は残っていますが、順番を間違えると費用だけが先に出ていきます。手を付ける順は次の5つです。

1. 登記の名義と相続人を確定させる

相続で不動産を取得したと知った日から3年以内に登記を申請する義務が、2024年4月1日に始まっています。施行日より前に相続を知った土地にも義務がかかり、申請の期限は2027年3月31日までです(相続登記の申請義務化について(法務省))。

国庫帰属も売却も誰が所有者かが決まっていなければ進まないので、登記事項証明書と公図、市区町村の名寄帳を先に取ってください。名寄帳では、把握していなかった私道の持分や細長い土地が出てくることがあります。

相続人が多い場合の進め方は「数次相続で相続人が多い実家の売却」の記事にあり、人数は時間とともに増える一方なので、ここがいちばん急ぐ工程です。

境界と建物の状態の確認事項

  • 相続登記の申請義務

    相続を知った日から3年以内に申請する必要がある

  • 登記事項証明書と公図

    誰が所有者かを確定させるために先に取得する

  • 市区町村の名寄帳

    把握していない私道の持分や土地がないか確認する

2. 建物と境界の状態を、費用の見積に置き換える

解体の見積は複数社から取り、残置物の処分費と基礎の撤去が含まれているかを確認します。境界については、確定測量の見積と、隣地の所有者が立会いに応じられる状態かを併せて確かめてください。

隣地の名義が動いていない、所有者が遠方にいるという場合は測量が止まり、この時点で、境界を確定させてから渡す出口と、現況のまま引き渡す出口に分かれます。

3. 売却の見込み額を1つ取り、費用の合計と並べる

出口手元に入るお金主な条件
仲介で売る成約価格から手数料と実費を引いた額買主が現れるまでの期間は読めない
買取で売る提示額から登記の実費と売買契約書の印紙代を引いた額価格は仲介での想定成約額より低くなる
隣地の所有者に売る交渉次第相手に使う理由があるかで決まる
国庫帰属入らない(手数料と負担金が出る)建物と境界の要件を満たす必要がある
持ち続ける入らない(税と管理費が出る)事故や苦情の責任は所有者に残る

並べるときは、確定した額と見込みの額を分けてください。仲介の想定成約価格は見込みで買取の提示額は確定した額なので、同じ列で引き算をすると判断を誤ります。

周辺で実際に取引された価格の水準は、国土交通省の不動産情報ライブラリで自分でも調べられます。山林や農地は取引の事例が少ないため、水準が読めないことも珍しくありません。

4. 隣地の所有者と自治体に、引き取りの意向を確かめる

使い道のない土地でも、隣接する所有者には価値があることがあります。間口が広がる、駐車場が取れる、農地がまとまる、といった理由があれば引き取り手になり、境界の立会いも同時に済むので、この順で当たる方が早いです。

自治体への寄付は、公共の用に供する予定がなければ受け付けられないのが通例です。断られること自体は珍しくないため、担当課に所在を伝えて可否だけを先に聞いてください。

建て替えができない土地の扱いは「再建築不可の家を相続してしまったら」の記事にまとめています。

名義と相続人を確定させる手順

  1. 最初に

    3つの書類を取る

    登記事項証明書・公図・名寄帳を取得する

  2. 書類取得後

    所有者と土地を確定

    私道の持分や細長い土地がないか把握する

  3. 相続を知った日から3年以内

    登記を申請する

    2024年4月1日より前の相続は2027年3月末が期限

5. 相続放棄と清算人の選任は、期限と費用で判断する

相続放棄は、自分のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に家庭裁判所へ申述します。放棄をすれば所有者になりませんが、預金や他の不動産も一緒に手放すことになります。申述の書式と必要書類は、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所の窓口や裁判所のウェブサイトで確認できます。

相続人が全員放棄した場合、土地の管理を終わらせるには相続財産清算人の選任を申し立てる必要があり、予納金を求められます。金額は事案によりますが、数十万円になることがあります。

放棄が合理的なのは、負債がプラスの財産を明確に上回っている場合です。査定を受けること自体は財産の処分に当たらないため、3か月の中で金額を確かめられます。

なお、この記事の税務・法務に関する記載は一般的な情報提供であり、個別の事案についての判断ではありません。適用の可否や具体的な税額については、税務署または税理士、登記については司法書士、境界や隣地との権利関係については弁護士や土地家屋調査士など、それぞれの専門家にご確認ください。当社は不動産の買主であり、税務や法律の代理はできません。

「相続土地国庫帰属制度が使えないときに順に確かめること」について、そのまま聞けます。

当社が相続土地国庫帰属制度を使えない土地を買う場合の条件

当社が買い取る条件・買い取れない条件と、実際の買取事例は「当社の買取基準」にまとめています。

「当社が相続土地国庫帰属制度を使えない土地を買う場合の条件」について、そのまま聞けます。

相続土地国庫帰属制度が使えない土地で先に確定させる3つ

  • 入口で止まるのは、申請する人の資格と建物の有無です。 相続か相続人への遺贈で取得した人以外は申請できず、相続放棄をした人も使えません。建物が1棟でも残っていれば却下されるので、解体と滅失登記が前提になります。
  • 境界と地下は、費用を掛けても直らないことがあります。 境界に争いがある土地は却下され、隣地との争訟によらなければ管理できない土地や、地下に埋設物が残る土地は不承認です。測量の見積を取る前に、隣地の名義と立会いの可否を確かめてください。
  • 手元で出す数字は2つです。 ひとつは解体費、測量費、審査手数料1万4千円、負担金の合計で、もうひとつは現況のまま売った場合の代金です。前者が後者を上回るなら、制度に申請する意味は薄くなります。

当社は買主として、建物が残った土地や境界が未確定の土地を現況のまま買い取ります。そのぶん価格は仲介での想定成約額より低く、売主が確定していない土地と通行の権利がない土地はお引き受けできません。

査定は無料・売却の義務なし
0120-996-748受付時間10:00〜19:00(水・日曜定休)

通話料無料・全国対応

この先は、当社の買取窓口「買取くん」のページです(運営は同じ株式会社リアテクスです)。

相続土地国庫帰属制度が使えないときのよくある質問

Q1. 建物を解体すれば、相続土地国庫帰属制度は使えるようになりますか

建物の要件はそれで満たせますが、地下に基礎や浄化槽が残っていれば不承認になり、門扉やブロック塀が管理を妨げると判断されることもあります。解体を発注する前に、基礎まで撤去する見積にしておくのが実際的です。境界に争いがある土地では解体しても却下されるので、順番としては、境界と地下の状態を確かめてから解体費を出す方が損が少なくなります。

Q2. 境界標が見つからない土地でも申請できますか

境界が明らかでない土地は却下の対象となり、申請には土地の形状と境界を示す資料が必要で、隣地の所有者との認識が合っていることが前提になります。確定測量をすれば要件は満たせますが、接している土地すべての所有者の立会いが要ります。隣地が空き家で連絡が付かない、隣地の名義が数代前のままという状況では、測量費を払っても確定しません。測量に入る前に、隣地の登記名義と連絡先を確かめてください。

Q3. 山林や農地なら、負担金20万円で引き取ってもらえますか

森林は面積に応じて算定される区分なので、20万円の定額にはなりません。田や畑も、市街化区域や用途地域の内側、農業振興地域、土地改良事業の区域内にあるものは面積で算定されます。これらの区域の外にある田畑と、雑種地や原野は、面積にかかわらず20万円です。面積で算定される区分の額は、法務省が公表している負担金の算定式と自動計算シートで事前に試算できます。自分の土地がどの区域にあるかは、市区町村の都市計画の窓口で確認できます。 筆が多い場合は、審査手数料が1筆あたり1万4千円かかる点も足してください。

Q4. 却下や不承認になったら、払ったお金は返ってきますか

審査手数料は返還されず、申請を取り下げた場合も同じです。負担金は承認されたあとに納めるものなので、却下や不承認の段階では発生しませんが、解体費や測量費はすでに出ていきます。先に出す費用と、後から決まる結論の順番が逆になっている制度だと考えて、要件の確認に時間を使う方が安全です。結論に不服がある場合は、行政不服審査法に基づく審査請求ができます。

Q5. 相続放棄と国庫帰属は、どちらを先に検討する話ですか

相続放棄には、相続の開始を知った時から3か月という期限があります。放棄をすると相続人でなくなるため、その土地について国庫帰属の申請はできません。順番としては、負債と財産の総額を把握し、土地がいくらになるかを確かめたうえで、3か月の中で放棄するかどうかを決める形になります。放棄は家庭裁判所に受理されると原則として撤回できません。 土地だけを手放して他の財産を受け取りたい場合、放棄は選べません。

Q6. 国に渡す場合と売る場合で、税金はどう違いますか

国庫帰属では代金が入らないため譲渡所得は生じず、納めた負担金も取得費や譲渡費用にはなりません。売った場合は譲渡所得に所得税と住民税がかかり、所有期間が5年を超えるかどうかで税率が変わります。相続した土地では被相続人の取得時期を引き継ぐため、長期になることが多い類型です。被相続人が一人で住んでいた家屋とその敷地を相続した相続人が、一定の要件を満たして売却した場合、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる制度もありますが、令和6年1月1日以後の譲渡で、その家屋と敷地等を相続または遺贈で取得した相続人が3人以上いるときの控除額は1人あたり2,000万円までです。要件は国税庁の被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例で確認し、契約の前に税務署か税理士へ照合してください。

当社の見方

国に引き取ってもらう道を調べている方へ、当社から一つお願いがあります。解体や測量にお金を使う前に、その土地に値が付くかどうかを先に確かめてください。国庫への引き取りは、令和5年4月27日に施行された相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律による仕組みですが、申請が通るかどうかの要件は法務局にご確認ください。

建物が建ったままの土地や、境界がはっきりしない土地も、その状態のままご相談いただけます。更地にする費用や測量の費用をどう扱うかは、金額をお伝えするときに内訳としてお示しします。二つを並べて見比べてから、どちらへ進むかをお決めになるのが確実です。当社は47都道府県すべてをお受けしていますので、現地が遠いことは支障になりません。写真と公図をお送りいただければ、現地を見る前でも幅のある金額をお出しできますので、まずはお手元の資料だけお送りください。

当社が買い取る物件・お断りする物件と、買取価格の決まり方は、当社の買取事例76件の内訳とあわせて当社の買取基準にまとめています。

この記事について

執筆・編集
リアテクス編集部株式会社リアテクス当社(宅地建物取引業 東京都知事(1)第107888号)は物件を直接買い取る買主の立場から、売却を検討する方の判断材料となる記事を企画・編集しています。
監修
鶴野 博之鶴野 博之株式会社リアテクス 執行役員宅地建物取引士(東京)第257503号/賃貸不動産経営管理士/2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)この区分の監修を担当しています。記事の公開判断は当社が行っています(代表が定めた手順による)。確認・公開判断:藤山 大二郎(株式会社リアテクス 代表取締役CEO)
公開・更新
公開 更新 内容を見直したときは、この日付と改訂の内容を更新しています。情報の確認日 (出典の公的資料を開いて内容を確かめた日)
この記事の事実確認の方法
法令:地方税法出典:法務省
記事の作り方
この記事は、当社の担当者が事実確認を行ったうえで公開しています。

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