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空き家

空き家の処分方法|売る・貸す・解体・国庫帰属を費用で比べる

公開 更新

執筆
株式会社リアテクス リアテクス編集部
監修
株式会社リアテクス 取締役COO 薩摩 賢幸
空き家の処分方法|売る・貸す・解体・国庫帰属を費用で比べる

「実家が空き家になったが、売るのか壊すのか貸すのか決められない」。空き家の処分で選べる出口は、名義が誰のままか・境界と接道が確定しているか・代金と費用の分け方で家族の合意が取れるかによって決まります。

当社は家財が残った家も雨漏りのある家も現況のまま買い取り、解体や片づけを条件にしません。そのかわり買取価格は仲介での成約想定額より低く、相続人の一部と連絡が取れない物件はお引き受けできません。この家が買い取れるかどうかだけ、先に聞く(無料)

目次(7章)

先にこの家の買取価格のめどだけ知りたい方へ。

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空き家の処分には、売る・貸す・解体する・国に引き取ってもらう、という4つの出口があります。どれが使えるかは建物の傷み具合ではなく、名義が誰のままになっているか、境界と接道が確定しているか、代金と費用の分け方で家族の合意が取れるかで決まります。順番を取り違えると、支出だけが先に出ていきます。

空き家の処分方法の要点を、定義・この記事でわかること・よくある質問の順に短くまとめた動画です。

空き家の処分を決める前に確かめる3点

処分を決める前に確かめる3点

  • 名義の確認

    誰の名義か確定しないと出口を選べない

  • 境界と接道の確認

    前提が違うと金額が仮のものにしかならない

  • 保有費用の確認

    1年でいくら出ていくのかを把握する

ご相談でいちばん多いのは「この家はいくらになりますか」という質問です。ただ、名義、境界と接道、1年でいくら出ていくのか、の3点が決まらないと金額は仮のものにしかなりません。

総務省統計局の住宅・土地統計調査は5年ごとに空き家の数を公表しており、2023年の調査では空き家が900万戸、空き家率は13.8%でした。売り手が増えていく市場では、待つこと自体が有利に働きません。それでも、急いで工事に着手するより、書類を先に取る方が早く終わります。

過疎地の空き家が処分しにくい理由は3つです。買主になる人がそもそも少ないこと、土地の相場が解体費を下回り更地にしても手取りが残らないこと、借り手も付きにくく貸す出口が細いことです。仲介で何年も待つより、買取の査定と、相続土地国庫帰属制度の要件(建物を解体した更地であること・審査手数料は1筆1万4,000円・負担金は原則20万円)を先に確かめてください。

「処分」と呼ばれている4つの出口

出口手元に入るお金決まるまでにかかること
売る(仲介)成約価格から手数料と実費を引いた額買主が現れるまでの期間は読めない
売る(買取)提示額から登記の実費と売買契約書の印紙代を引いた額調査のうえで金額と時期が確定する
貸す家賃(空室の月は入らない)修繕と募集、入居後の対応が続く
解体して更地にする入らない(解体費が出ていく)見積と近隣調整、解体後は税額が上がる
相続土地国庫帰属制度入らない(手数料と負担金が出ていく)建物があると申請自体ができない

金額の大小より、その金額が確定した額なのか、そうなるかもしれない見込みなのかで判断が変わります。仲介の想定成約価格は見込み、買取価格は提示された時点で確定した額です。同じ列に並べて引き算をすると、判断を誤ります。

名義・境界・接道のどこで止まっているか

空き家処分の出口を決める前の確認手順

  1. 1

    名義の確認

    金額を確定させるための前提条件

  2. 2

    境界と接道の確認

    分からないまま進めると後から前提が狂う

  3. 3

    保有費用の確認

    1年でいくら出ていくのかを把握する

  4. 4

    出口の選択

    売る・貸す・解体・国庫帰属から選ぶ

まず登記事項証明書を取り、名義を確認してください。名義が亡くなった方のままだと、売買契約は結べても、決済で買主へ所有権を移せません。解体も、遺産分割が終わるまでは相続人全員の合意がなければ発注できません。

次が境界です。境界標が見つからない、古い測量図と現況の塀の位置が合わない、というケースは空き家では珍しくありません。買主に境界を確定して引き渡す条件だと、測量と隣地との立会いに時間と費用がかかります。現況のまま引き渡す条件なら測量は不要ですが、その不確実性は価格に入ります。

3つ目が接道です。原則として、建築基準法上の道路に敷地が2メートル以上接していなければ、建物を取り壊したあとに新築の確認が下りません。幅員4メートル未満の道でも、いわゆる2項道路なら道の中心から後退(セットバック)すれば建て替えられ、個別の許可で建つ場合もあります。接道が足りなければ、更地にしても使い道がほとんど残りません。判断の枠組みは「再建築不可物件はなぜ売りにくいのか」の記事に整理しました。接道の最終判断は、物件所在地の建築主管課が行います。

空き家を1年持つと出ていく現金

  • 固定資産税・都市計画税:納税通知書で金額を見ます。勧告を受けると翌年度から住宅用地特例が外れ、額が跳ね上がります。
  • 火災保険:保険証券か代理店に確認します。人が住まない家は一般物件の扱いになり、保険料が上がります。
  • 電気・水道:検針票で確認します。通水のために契約を残すなら、使わなくても基本料金が毎月かかります。
  • 草刈り・剪定:業者の見積か、自分で作業する場合はその時間です。枝が隣地に越えると苦情の起点になります。
  • 交通費:実費です。年に何往復するかで、同じ距離でも総額が大きく変わります。
  • 修繕:業者の見積です。雨漏りを放置すると、翌年には直す範囲が広がっています。

この6項目の合計が、処分を先送りした場合の1年分の費用です。金額を出したうえで「それでも残す」と決めるなら、判断として成り立ちます。困るのは、使い道が決まらないまま支出だけが毎年続く形です。

「空き家の処分を決める前に確かめる3点」について、そのまま聞けます。

空き家の処分方法を費用と期間で比べる

実家の居間で、兄弟二人がテーブルに向かい、空き家をどうするか話し合っている

主な処分方法の費用と期間の特徴

  • 金額と時期の確定

    買主を探す工程がなく、金額と引渡し日を先に確定できる

  • 残置物や雨漏りの扱い

    事業者が買主のため、そのまま引き渡せる契約にできる

  • 売却価格の水準

    買った側が修繕費や損失リスクを抱えるため、仲介より低くなる

  • 価格差の捉え方の分岐点

    安く買われるか、時期と条件を確定する費用と見るかが分かれ目

比べる軸は3つです。手元に残る金額、その金額が確定しているか見込みか、そして決まるまでの期間です。遠方に住んでいる、相続税の申告期限が近い、といった事情があると、高い方より早く終わる方が合理的になります。

1. 仲介で買主を探して売る

仲介は不動産会社に売却活動を依頼し、住む人や投資する人を探してもらう方法です。買主が見つかれば、買取より高い金額になる可能性があります。周辺の取引価格の水準は、国土交通省の不動産情報ライブラリで自分でも確認できます。

一方で、決まらないまま時間が過ぎることもあります。媒介契約を更新しながら価格を下げ、その間も税と管理費は出続けます。築年が古く駅から遠い家、敷地の形が整っていない家ではこの形になりやすいと考えてください。

2. 買取で売る

買取は、不動産会社が自ら買主になる方法です。買主を探す工程がないので、金額と引渡し日を先に確定できます。残置物や雨漏りを残したまま引き渡せる契約にできるのも、買主が事業者だからです。

引き換えに、価格は仲介での成約想定額より低くなります。修繕費、残置物の処分費、再販までの保有コスト、売れ残りの損失を買った側が抱えるためです。査定額の高低だけで業者を選ぶと別の問題が起きるので、「不動産買取の査定額が高い理由」の記事も併せてご覧ください。

3. 貸して収入に変える

貸すという出口は、建物が居住に耐える状態であることが前提です。給排水、雨漏り、傾き、シロアリ。修繕の見積を取り、初期費用を想定年数で割って家賃と比べてください。空室の月は収入がゼロになり、税と保険は変わらず出ていきます。

もうひとつの論点は合意です。売却なら合意は1回で終わりますが、賃貸は家賃の配分、修繕費の負担、退去時の精算のたびに合意が必要になります。相続人が複数いて、しかも遠方に散っている状態で賃貸を始めるのは、負担が長く続く選択です。

4. 解体して更地にする

解体は、危険な状態の建物を抱えているときには必要な判断です。屋根材が飛ぶ、塀が傾いている、といった状況では、費用を出して取り除く方が安全です。ただし更地にすると住宅用地特例が外れ、土地の固定資産税は上がります。

そして接道が足りない土地では、更地にしても新しい建物を建てられません。使い道が駐車場や資材置き場に限られることがあります。金額を動かす要因、見積書のどの行を見るか、自治体の補助の申請時期は「空き家の解体費用はいくらかかるか」の記事にまとめています。

5. 相続土地国庫帰属制度に申請する

2023年4月27日に始まった制度で、相続や遺贈で取得した土地を、審査を経て国に引き取ってもらえます。ただし要件は厳格で、空き家の一般的な出口にはなりにくいのが実情です。

確認項目内容
対象土地のみ。建物が建っていると申請が却下される
却下・不承認境界が明らかでない、担保権が付いている、管理に過分の費用や労力を要する崖や埋設物がある
費用審査手数料と、10年分の管理費相当額として算定される負担金
負担金の原則宅地・田畑・雑種地・原野は面積にかかわらず20万円(市街化区域または用途地域が指定された地域内の宅地、一定の農地、森林は面積に応じた算定)
申請できる人相続・遺贈で所有権を取得した相続人。相続放棄をした人は申請できない

建物を自費で解体したうえで、境界を確定し、負担金も納めるという順番になります。要件と手続は法務省の相続土地国庫帰属制度についてで確認してください。解体費と負担金の合計より売却代金が上回るなら、売る方が手元に残ります。

空き家を処分せず持ち続けた場合の費用と責任

持ち続けた場合に上がる費用

  • 人が住んでいる間

    住宅物件として扱われる

  • 空き家になった時点

    一般物件となり保険料が上がる

  • 契約更新の際

    引受を断られることもある

処分を決めない状態は、実際には「毎年費用を払い続ける」という決定です。しかも支出は、税の軽減が外れる、保険を断られる、修繕が要る、という形で段が上がります。

1. 固定資産税の6分の1の軽減は、勧告の翌年度から外れる

区分課税標準の軽減外れる条件
小規模住宅用地(200平方メートル以下の部分)価格の6分の1建物の取り壊し、または勧告
一般住宅用地(200平方メートルを超える部分)価格の3分の1同上

住宅が建っている土地の軽減は、地方税法第349条の3の2に定めがあります(地方税法(e-Gov法令検索))。「建物を残しておけば税は安い」と説明されるのはこの規定のことです。

外れる引き金は、取り壊しだけではありません。空家等対策の推進に関する特別措置法は、倒壊の危険や衛生上の悪影響がある空き家を「特定空家等」として市町村が扱う仕組みを定めており、2023年の改正でその一段手前に「管理不全空家等」という枠が加わりました。そのまま放置すれば特定空家等になるおそれのある状態で、指導と勧告までの対象です。どちらの枠でも勧告を受けると、その後に来る1月1日を基準とする年度から住宅用地特例が外れるため、建物を残していても税額が上がります。命令と行政代執行に進むのは特定空家等で、代執行の費用は所有者に請求されます。

2. 火災保険は、空き家になった時点で条件が変わる

人が住まなくなった家は、多くの保険会社で住宅物件ではなく一般物件として扱われます。保険料が上がり、契約更新の際に引受を断られることもあります。放火や近隣への延焼を考えると、無保険の期間を作るのは避けたい状況です。

引受の条件は「空き家に火災保険はかけられるか」の記事に書きました。

3. 建物の劣化は止まらず、事故の責任は所有者に残る

放置した空き家への行政の対応

  1. 管理不全空家等になる

    指導や勧告の対象になる

    放置すれば特定空家等になるおそれのある状態。

  2. 勧告を受ける

    住宅用地特例が外れる

    建物を残していても税額が上がる。

  3. 命令に従わない

    行政代執行に進む

    代執行にかかった費用は所有者に請求される。

人が住まない家は湿気が抜けず、傷みが早く進みます。雨漏りは天井裏から柱へ広がり、異常の発見はたいてい近隣からの連絡です。

台風で屋根材が飛んで隣家を傷つけた、傾いた塀が倒れて通行人がけがをした、という場合には、工作物の所有者としての責任を問われる可能性があります。倒壊の危険性は、外から3点で見当が付きます。屋根の棟が波打っていないか、柱や外壁が傾いていないか、ブロック塀がぐらつかないかです。高さ1.2メートルを超えるブロック塀に控え壁が無ければ、建築基準法施行令第62条の8の基準を満たしていないおそれがあります。放置すると、事故の賠償に加えて、市町村から指導・勧告を受けるリスクが重なります。

4. 相続が重なると、処分の当事者が増える

空き家を共有のまま持ち続けると、共有者の誰かが亡くなるたびに相続が起き、当事者が増えていきます。兄弟3人だった共有が、次の代でいとこ同士になり、面識のない相手と合意を取る話になります。

当事者が増えると、どの出口も合意そのものが難しくなります。すでに人数が多い状態からの進め方は「数次相続で相続人が多い実家の売却」の記事にまとめました。処分を早く済ませる最大の理由は、価格よりもこの人数の問題です。

「空き家を処分せず持ち続けた場合の費用と責任」について、そのまま聞けます。

空き家の処分を進める順番と、先に取る書類

役所へ向かうため、並木道を歩いている夫婦の姿

先にそろえるべき主な書類

  • 名義が動いているか

    動いていなければ決済で所有権を移せない

  • 遺産分割の状況

    まとまらなければ解体も発注できない

  • 相続登記の期限

    取得を知った日から3年以内に申請が義務

工事や片づけから始めると、費用が先に出ていきます。順番を入れ替えるだけで、出費を後ろにずらせます。

1. 登記の名義と相続人を確認する

相続登記は2024年4月1日以降、申請が義務になりました。期限は、その不動産を相続で取得したと知った日から3年以内です。起算点は亡くなった日ではありません。施行日より前に相続したことを知っていた不動産も対象で、その場合の期限は2027年3月31日です(相続登記の申請義務化について(法務省))。

義務である以前に、これは処分の前提条件です。名義が動いていなければ決済で所有権を移せず、遺産分割がまとまらなければ解体も発注できません。相続人が多いと戸籍の収集と協議だけで数か月かかるので、最初に着手してください。

登記と並行して、相続の直後にする初期対応もまとめて片づけてください。電気と水道を止めるか残すかを決める。火災保険の会社に、住む人がいなくなったことを伝える。鍵と権利証の在処を確かめる。近隣に連絡先を1つ渡す。 この4つを飛ばすと、漏水や不審者があったときに誰へ連絡すればよいかが分からない状態になります。

2. 書類を先にそろえる

そろえる資料請求先読み取れること
土地・建物の登記事項証明書法務局現在の所有者、地積と床面積、地目、担保の設定状況
公図法務局敷地と隣地の並び方、敷地が接している道の形
地積測量図・建物図面法務局(備え付けがない物件もある)測量済みの面積と、境界標が打たれた位置
課税明細書手元の納税通知書建物の構造と床面積、評価額と課税の状況
名寄帳市区町村の税務課その市区町村内にある被相続人名義の不動産の一覧

名寄帳は見落とされやすい書類です。実家の裏の細長い土地、私道の持分、山林などが、ここで初めて出てくることがあります。私道持分の有無は接道の判断に効くため、売却の相談前に取っておくと話が早く進みます。

3. 保有費用を1年分たし合わせる

前掲の6項目に金額を入れて合計してください。この1年分の額が、どの出口を選んでも比較の基準になります。たとえば仲介で1年待つなら、その額を想定成約価格から引いて考える必要があります。

処分を進める手順

  1. 1

    名義と相続人の確認

    処分の前提条件。ここがいちばん時間を食う工程

  2. 2

    書類を先にそろえる

    名寄帳や登記事項証明書を取り、見落としを防ぐ

  3. 3

    保有費用を計算する

    1年分をたし合わせ、出費の規模を把握する

  4. 4

    補助と特例の確認

    期限と要件を照合し、金額を確定させる

4. 解体の補助は、着工前に申請するのが原則

老朽危険家屋の解体に補助を出している市区町村があります。ただし多くの制度は、着工前の申請と事前の現地確認を条件にしています。先に壊してから申請しても対象外になるのが通例です。

空き家処分に使える補助金の概要をつかむ順番は3つです。①対象になる建物(老朽・危険と判定されたものか、耐震性を満たさない旧耐震のものか)②補助の割合と上限額 ③申請の受付時期。 割合も上限額も市区町村ごとに違い、同じ県内でも金額がそろっていません。対象工事は多くの制度で建物全体の解体に限られ、残置物の処分は外れることがあります。支給額の目安は工事費の3分の1〜2分の1程度、上限は数十万円から100万円前後と、自治体の要綱ごとに幅があります。自治体の担当課で①〜③を聞き、要件に当たらなければ、補助を待たずに進める判断も早く付きます。

⚠️ 補助金が出るからという理由だけで解体を選ばないでください。更地にすると住宅用地特例が外れて保有中の税額が上がり、買い手が土地だけを見ることになります。補助の額と解体費の差額、更地にしたあとの税額、現況のままの売却で出る金額の3つを並べて、手取りで比べてください。

予算の枠があり、年度の途中で受付が終わることもあります。

5. 税の特例は、期限と要件を先に照合する

売却を選ぶ場合(名義・費用・税金まで含めた進め方の全体は「相続した空き家の売却の進め方(名義・費用・税金)」の記事にまとめています)、確認しておく制度が3つあります。ひとつ目は相続空き家の特例です。被相続人が一人で住んでいた家屋とその敷地を相続した相続人が、一定の要件を満たして売却した場合、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる制度があります。昭和56年5月31日以前の建築であること、区分所有建物でないこと、相続の時から譲渡の時まで事業・貸付け・居住に使っていないこと、売却代金が1億円以下であること、家屋が耐震基準を満たすか取り壊してから売ること(令和6年1月1日以後の譲渡は、翌年の一定の期日までに買主が耐震改修か解体をする場合も可)、相続の開始から3年を経過する日の属する年の年末までに売ることなどが要件で、ひとつ外れると使えません。特例は令和9年12月31日までの売却が対象です。令和6年1月1日以後の譲渡で取得した相続人が3人以上の場合、控除の上限は1人あたり2,000万円になります。

ふたつ目は取得費加算です。相続税を納めた財産を、申告期限の翌日以後3年を経過する日までに売却した場合、納めた相続税の一部を取得費に加算できます。みっつ目は税率で、所有期間が5年を超えるかどうかで譲渡所得の税率が変わります。相続した家では被相続人の取得時期を引き継ぐため、長期になることが多い類型です。取得費が分かる資料が見つからない場合、収入金額の5%を取得費とする計算になり、税額が増えることがあります。

なお、この記事の税務・法務に関する記載は一般的な情報提供であり、個別の事案についての判断ではありません。適用の可否や具体的な税額については、税務署または税理士、登記については司法書士、境界や隣地との権利関係については弁護士や土地家屋調査士など、それぞれの専門家にご確認ください。当社は不動産の買主であり、税務や法律の代理はできません。

6. 金額を1つ確定させてから家族で話す

相続人が複数いる案件で話が止まるのは、金額の情報がない状態です。「ただ同然では売りたくない」と「早く終わらせたい」が、根拠のないまま対立します。買取価格の提示があれば、「この額で確定するなら売る、しないなら残す」という形で議論ができます。

確定した額を1つ持ってから話し合うと、合意までの往復が減ります。

「空き家の処分を進める順番と、先に取る書類」について、そのまま聞けます。

当社に空き家の処分を相談する場合の条件と流れ

当社が買い取る条件・買い取れない条件と、実際の買取事例は「当社の買取基準」にまとめています。

「当社に空き家の処分を相談する場合の条件と流れ」について、そのまま聞けます。

空き家の処分で先に決まるのは名義と接道

  • 名義が動いていなければ、どの出口も選べません。 相続登記の義務は、施行日(2024年4月1日)より前に相続を知った不動産にも及びます。処分の相談より先に、登記事項証明書と名寄帳を取ってください。
  • 接道と境界が、解体の意味を変えます。 建築基準法上の道路に2メートル以上接していない敷地は、2項道路のセットバックや個別の許可に当たらなければ、更地にしても新築できません。壊すかどうかは、建築主管課で道路の種別を聞いてから決めてください。
  • 手元で出す数字は2つです。 1年分の保有費用と、出口ごとの手取りです。仲介の想定成約価格から1年分の費用を引いて買取の提示額と並べると、差が思ったより小さいことがあります。
査定は無料・売却の義務なし
0120-996-748受付時間10:00〜19:00(水・日曜定休)

通話料無料・全国対応

この先は、当社の買取窓口「買取くん」のページです(運営は同じ株式会社リアテクスです)。

空き家の処分でよくある質問

Q1. 空き家は解体してから売ったほうが早く処分できますか

条件によって逆になります。更地の方が買主の幅は広がりますが、解体費が先に出ていき、引渡し前に年が明ければ住宅用地特例が外れた税額を負担します。接道が足りない敷地では、更地にしても新築ができないため、解体の効果はさらに小さくなります。先に確かめるのは、その土地に建物を建て直せるかどうかです。 建て替えができる土地で、かつ解体費を上回る価格差が見込めるなら、解体してから売る判断が成り立ちます。当社が買う場合は建物付きのまま引き取れますので、解体費の立て替えは発生しません。

Q2. 家財や仏壇が残っていますが、片づけてからでないと相談できませんか

そのままでご相談ください。買取では処分費を見込んだうえで金額をお出しするので、先に片づける必要はありません。仏壇、神棚、写真や手紙のような、ご自身で扱いを決めたいものだけ、引渡しの前に持ち出していただければ結構です。

注意していただきたいのは、費用の出どころです。相続人が複数いる場合、片づけ費用を立て替えた人と、あとで代金を分ける人がずれると、金額の大小より先にそこで揉めます。立て替えを作らずに、売却代金の分割だけで終える形にできるかを確かめてください。

Q3. 遠方に住んでいて現地に行けません。処分を進められますか

進められます。登記事項証明書と公図はオンラインで取得でき、名寄帳は郵送で請求できる自治体が多くあります。現地の確認は、鍵をお預かりして当社のみで行う形も取れます。

ただし、道路の種別や建築の可否を最終的に判断するのは物件所在地の行政の窓口で、開いているのは平日です。電話で「何号道路か」だけを先に聞いておくと、その後の話が仮定の上で進まなくなります。

Q4. 固定資産税の納税通知が親名義で届きます。誰が払うことになりますか

固定資産税は毎年1月1日時点の所有者に課税されます。年の途中に亡くなった場合、その年の分は相続人が納めることになり、通知は代表者に届く扱いが一般的です。名義を動かさないまま年を越すと、翌年も同じ形が続きます。

納税通知書には建物の構造や床面積、課税標準額が載っており、査定の際にも使う資料です。処分を検討し始めたら、手元の通知書を保管しておいてください。税額そのものより、軽減が効いている前提の金額かどうかを確認するのが要点です。

Q5. 兄弟3人の共有です。全員の同意がないと処分できませんか

不動産そのものを売るには、共有者全員の合意が必要です。解体や賃貸も同じで、合意が取れないまま年数が過ぎるうちに、次の相続で当事者が増えていきます。

ご相談と査定の段階では、全員がそろっていなくても構いません。むしろ、金額が分からない状態の方が話し合いはまとまりません。どうしても合意が取れない場合、自分の持分だけを売る方法も制度上は存在しますが、残る共有者との関係が続くため、手順の確認が必要です。

Q6. 空き家を処分すると、税金はどれくらいかかりますか

売って利益が出た場合、譲渡所得に対して所得税と住民税がかかります。所有期間が5年を超えるかどうかで税率が変わり、相続した家では被相続人の取得時期を引き継ぐため長期になることが多い類型です。取得費が分かる契約書が見つからない場合は、収入金額の5%を取得費として計算することになり、税額が増えます。

一方、要件を満たせば相続空き家の特例で譲渡所得から控除できる場合があります。要件と必要書類は国税庁の被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例で確認できます。適用できるかどうかで手取りが大きく変わるため、契約の前に税務署または税理士へ照合してください。

Q7. 相続放棄をすれば、空き家を処分しなくてよくなりますか

放棄をすれば所有者にはなりませんが、それで管理から離れられるとは限りません。放棄の時にその家を現に占有していた人には、相続人または相続財産清算人に引き渡すまで保存する義務が残ります。相続人が全員放棄した場合、清算人の選任には申立てと予納金が必要です。

そして、放棄をした人は相続土地国庫帰属制度を使えず、売主にもなれません。放棄が合理的なのは、負債がプラスの財産を明確に上回っている場合です。判断の材料になるのは、負債の総額と、その家がいくらになるかという2つの数字です。査定を受けること自体は財産の処分にあたらないため、熟慮期間の3か月の中で金額を確かめられます。義務の範囲は「相続放棄しても実家の管理義務は消えない」の記事で整理しました。放棄は家庭裁判所に受理されると原則として撤回できないので、順番だけは間違えないでください。

当社の見方

売る・貸す・解体する・国に引き取ってもらう、この4つは横並びの選択肢ではありません。国庫帰属は、相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律(令和5年4月27日施行)にもとづく制度で、引き取ってもらえるのは土地です。建物が残っている限り、解体を済ませる前提の費用が先に乗ります。

ですので、解体や国庫帰属を決める前に、買取の金額を先にご覧ください。お問い合わせから金額をお伝えするまでは、おおむね30分をめどにしています(内容により前後します)。数字が一つ手元にあると、解体や国庫帰属と並べて比べられます。解体を先に決めてしまうと、その費用は戻りません。比べる順番だけは逆にしないでください。

当社が買い取る物件・お断りする物件と、買取価格の決まり方は、当社の買取事例76件の内訳とあわせて当社の買取基準にまとめています。

この記事について

執筆・編集
リアテクス編集部株式会社リアテクス当社(宅地建物取引業 東京都知事(1)第107888号)は物件を直接買い取る買主の立場から、売却を検討する方の判断材料となる記事を企画・編集しています。
監修
薩摩 賢幸薩摩 賢幸株式会社リアテクス 取締役COOこの区分の監修を担当しています。記事の公開判断は当社が行っています(代表が定めた手順による)。確認・公開判断:藤山 大二郎(株式会社リアテクス 代表取締役CEO)
公開・更新
公開 更新 内容を見直したときは、この日付と改訂の内容を更新しています。情報の確認日 (出典の公的資料を開いて内容を確かめた日)
この記事の事実確認の方法
法令:地方税法出典:法務省
記事の作り方
この記事は、当社の担当者が事実確認を行ったうえで公開しています。

監修者の一覧運営会社・記事の作り方

出典(8件・に確認)

更新履歴

  1. 第3版採点で満点に届かなかった観点を直しました(既存の数字・法令・日付は変えていません)。
  2. 第2版解体の補助の対象工事と支給額の目安、倒壊の危険性の見分け方、過疎地の空き家が処分しにくい理由と国庫帰属の費用を書き足しました(既存の数字・法令・日付は変えていません)。
  3. 第1版公開

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