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再建築不可

再建築不可物件はなぜ売りにくいのか|接道義務とその先の出口

公開 更新

執筆
藤山 大二郎株式会社リアテクス 代表取締役CEO 藤山 大二郎
監修
株式会社リアテクス 執行役員 鶴野 博之(宅地建物取引士(東京)第257503号)
再建築不可物件はなぜ売りにくいのか|接道義務とその先の出口

当社の記録では再建築不可の買取は47件・最多は300万円台です。(出典:再建築不可の買取記録47件の集計)

「再建築不可だから扱えないと言われたが、なぜ売れないのか分からない」。再建築不可の家が売りにくいのは値打ちがないからではなく買う人が住宅ローンを使いにくいためで、前の道の種別によっては建てられる状態に戻せる場合があります。

再建築不可の家を、当社は建て直せない現況のまま買っています。当社に売る場合、先に更地にする必要はありません。この土地が買い取れるかどうかだけ、先に聞く(無料)

目次(7章)

先にこの土地の買取価格のめどだけ知りたい方へ。

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この先は当社の買取窓口「買取くん」です。

「不動産会社に相談したら、この土地は再建築不可なので扱えないと言われた」。このご相談は、私たちのもとに毎月届きます。多くの場合、相談者ご自身も、なぜ扱えないのかを説明されていません。「建て替えできない」とだけ言われて、話がそこで止まっています。再建築不可という状態は、接道の条件から生まれます。 仕組みが分かると、価値を回復させられる場合の方法と、回復できない場合の出口も見えてきます。

再建築不可とは何か — 建築基準法の接道義務

「再建築不可」という言葉は、法律の条文に出てくる用語ではありません。実務上の呼び方で、今建っている建物を取り壊すと、同じ土地に新しい建物を建てる確認を受けられない状態を指します。

その根拠になっているのが、建築基準法の接道義務です。条文は建築基準法(e-Gov法令検索)の第43条で確認できます。おおまかにいえば、建築物の敷地は、建築基準法上の道路に2メートル以上接していなければならないという内容です。

ここで重要なのは、条件が2つあることです。「建築基準法上の道路」であることと、「2メートル以上接している」こと。どちらか一方でも欠けると、原則として建築確認が下りません。「家の前に道はあるじゃないか」と思われるかもしれませんが、目の前の通路が建築基準法上の道路とは限りません。ここが誤解の生まれる場所です。

なお本稿は一般的な情報提供であり、個別の物件についての建築の可否を判断するものではありません。実際の可否は、その土地を管轄する特定行政庁(市区町村または都道府県の建築指導部門)が判断します。必ずそちらでご確認ください。

なぜ、こんな決まりがあるのか

理由は防災と避難です。火災が起きたときに消防車が近づけるか、住民が逃げられるか。幅の狭い通路に建物が密集した市街地では、1軒の火事が街区全体に広がります。接道義務は、そうした市街地を将来にわたって作らないための最低ラインとして置かれています。

つまり、再建築不可という扱いは、あなたの土地に落ち度があるから課された制裁ではなく、街全体の安全のために設けられた基準に、たまたま当てはまっていないという状態です。実務ではここを理解しておくと、行政との協議も、買主との交渉も、進め方が変わります。

昔は建てられたのに、なぜ今は建てられないのか

「祖父の代に建てたときは何も言われなかった」というご質問をよくいただきます。これは、制度ができる前から建っている建物だからです。

建築基準法は昭和25年に施行され、その後も都市計画区域の指定などが順次進んできました。制度が適用される前から存在する建物は、現行の基準に合っていなくても、そのまま存在すること自体は認められるという整理になっています(実務では既存不適格と呼びます)。ただし、それは「今の姿のまま建っていてよい」という意味であって、「壊して建て直してよい」という意味ではありません。建て替えの場面では、現行の基準で判断されます。

用途地域や市街化調整区域による制約と混同しない

再建築ができない理由が、接道ではなく都市計画上の制限にあることもあります。市街化調整区域では、市街化を抑制する区域という位置づけから、建築に許可が必要になります。制度の全体像は国土交通省の「都市計画制度の概要」にまとまっています。

接道の問題と、都市計画の問題は、別のものです。 対処の方法も違います。「再建築不可と言われた」という相談を受けたとき、私たちが最初に確認するのは、どちらの理由なのかという点です。原因を取り違えたまま対策を打っても、時間と費用を無駄にします。

「再建築不可とは何か — 建築基準法の接道義務」について、そのまま聞けます。

再建築不可になる、代表的な4つの形

現地を見せていただくと、再建築不可の理由はほぼ次の4つに収まります。ご自身の土地がどれに当たるかを見当づけると、次の手が絞れます。

再建築不可になる代表的な形

代表的な形状態・原因注意点・影響
形1: 建築基準法上の道路ではない私有地の一部、私道、農道、里道など登記や地図だけでは判断できない
形2: 接道幅が2メートル未満旗竿地などで接道幅が足りない状態幅は最も狭いところで判断される
形3: 前面道路幅が4メートル未満2項道路に接している状態セットバックが必要で使える面積が減る

1. 前面の道が建築基準法上の道路ではない

見た目には道路でも、法律上は単なる通路(私有地の一部)というケースです。位置指定を受けていない私道、農道、里道などがここに入ります。登記や地図だけでは判断できません。 市区町村の建築指導部門で、その道が建築基準法上の何号道路に当たるのかを確認するのが確実です。

2. 道路には接しているが、接している幅が2メートル未満

旗竿地(敷地の一部が細長く道路まで伸びている形)でよく起きます。竿の部分の幅が1.8メートルしかない、途中で1.5メートルに狭まっている、といった形です。幅は最も狭いところで判断されます。

3. 前面道路の幅員が4メートル未満

いわゆる2項道路(幅員4メートル未満でも一定の要件で道路とみなされるもの)に接している場合、建て替えの際には道路の中心線から後退する(セットバックする)ことが求められます。この場合、建築そのものは可能ですが、敷地として使える面積が減ります。 元の敷地が狭いと、後退した結果、実用的な建物が建たなくなることがあります。

セットバックの境界線の決まり方

観点原則向かいが崖地・川・線路敷地等
境界線とみなされる線道の中心線からの水平距離2メートルの線崖地等の側の境界線から道の側へ水平距離4メートルの線
後退の負担中心振り分け自分の側に寄る
面積計算の注意点中心から2メートル下がればよい実際に使える敷地が想定より小さくなる

後退の量は感覚で決まるものではなく、条文に書かれています。建築基準法42条2項は、その道の中心線からの水平距離2メートルの線を道路の境界線とみなすと定めており、幅員6メートル以上が必要と指定された区域では3メートル(特定行政庁が避難・通行の安全上支障がないと認める場合は2メートル)とされています。ただし、その道が中心線から2メートル未満で崖地・川・線路敷地などに沿っている場合は、中心振り分けではなく、崖地等の側の境界線から道の側へ水平距離4メートルの線が境界線とみなされます。 向かいが崖や川の道では、後退の負担が自分の側に寄るということです。「中心から2メートル下がればよい」と思い込んで面積を計算すると、実際に使える敷地が想定より小さくなります。

なお、土地の状況によりやむを得ない場合には、特定行政庁が中心線からの水平距離を2メートル未満1.35メートル以上の範囲で別に指定できるという定めも置かれています(同条3項)。どの扱いになるかは物件ごとに違いますので、必ず窓口で確認してください。

4. そもそも道路にまったく接していない(袋地)

周囲を他人の土地に囲まれている状態です。この場合、通行のために隣地を通る権利の問題も生じます。民法(e-Gov法令検索)第210条(公道に至るための他の土地の通行権)は、「他の土地に囲まれて公道に通じない土地の所有者は、公道に至るため、その土地を囲んでいる他の土地を通行することができる」と定めています。同第211条は、通行の場所と方法について、その通行権者にとって必要であり、かつ他の土地のために損害が最も少ないものを選ばなければならないとしています。つまり、通れる位置や幅は当然に自由なわけではありません。

ただし、通行できることと、建築基準法上の接道義務を満たすことは、まったく別の話です。 通行が認められていても、建築確認が下りるわけではありません。ここを混同したまま「通れているのだから建てられるはずだ」と考えて計画を進めると、設計費用を支払った後で止まります。順番として、建てられるかどうかを先に行政に確認し、その答えを得てから費用のかかる工程に進むのが安全です。

再建築不可が売りにくい3つの理由と、放置した場合に起きること

再建築不可の物件が売りにくいのには、はっきりした理由があります。値打ちがないからではありません。

1. 買主が住宅ローンを使いにくい

金融機関は、担保として取る不動産の価値を評価します。建て替えができない土地は、担保としての評価が下がるか、そもそも対象外とされることがあります。買いたい人がいても、資金が用意できないために話が進まないという形で止まります。一般の実需の買主が中心の仲介市場では、これが決定的に効きます。

2. 将来の出口が限られる

買った人がその後に売ろうとしても、同じ制約が続きます。「自分が買った後、次に売れるか」を考える買主にとって、これは価格に反映させざるを得ない要素です。

3. 重要事項として必ず説明される

宅地建物取引業者は、取引の相手方に対し、契約の前に一定の事項を書面で説明する義務を負っています(宅地建物取引業法第35条)。接道の状況や建築の制限は、この説明の対象です。 つまり、伏せて売ることはできませんし、伏せるべきでもありません。売主として押さえておくべきなのは、「隠せない」ということではなく、「先に把握して価格に織り込むほうが、話が早く進む」という点です。

なお、住宅の余り方そのものが、この10年で明確に変わっています。総務省統計局の「令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計 結果の概要」によれば、2023年(令和5年)10月1日現在の全国の空き家数は900万2千戸で、2018年(848万9千戸)から51万3千戸増えて過去最多となりました。総住宅数に占める空き家の割合(空き家率)も13.8%と過去最高です。さらに、そのうち賃貸用・売却用や別荘などの二次的住宅を除いた空き家、つまり使い道が決まらないまま置かれている住宅は385万6千戸で、2018年から36万9千戸増えています。買い手が増えていく市場ではないところで、制約のある物件が自然に売れやすくなることは考えにくく、時間は基本的に売り手の味方をしません。

4. 放置すると、打てる手が減っていく

「売れないと言われたので、そのままにしている」という状態が最も多い相談です。放置した場合に何が積み上がるのかも、判断材料として書いておきます。

保有コストは出続けます。 固定資産税・都市計画税、火災保険料、遠方であれば管理のための交通費、草木の伐採や不用品の処分費。使っていない資産に対して、毎年これらが出ていきます。

建物の劣化が進み、選べる出口が減ります。 建物が使える状態であれば現金購入の投資家という買い手が視野に入ります。しかし雨漏りが進み、構造に影響が出る段階になると、その層も外れます。建物の状態は、買い手の層を決める要素です。

管理不全の空き家は、行政上の対象になりえます。 空家等対策の推進に関する特別措置法は、周囲の生活環境の保全に支障がある状態の空き家(特定空家等)について、市町村長が助言・指導を行い、なお改善されないときに勧告できると定めています(同法第22条)。また、そのまま放置すれば特定空家等になるおそれのある状態(管理不全空家等)についても、指導ののち勧告ができるとされています(同法第13条)。

この勧告が、税負担に直結します。地方税法(e-Gov法令検索)第349条の3の2は、住宅の敷地(住宅用地)について固定資産税の課税標準を価格の3分の1に、200平方メートル以下の小規模住宅用地については6分の1に軽減する特例を定めていますが、その条文自体が、上記の勧告を受けた管理不全空家等・特定空家等の敷地を「住宅用地」から除いています。 つまり勧告を受けた時点で軽減が外れ、固定資産税の負担が上がる仕組みです。再建築不可の土地では、解体という選択も取りにくいため、この段階に入ると打てる手が急に少なくなります。

放置による税負担増加の流れ

  1. 1

    空き家の放置

    周囲の生活環境の保全に支障がある状態、またはそのおそれがある状態になる。

  2. 2

    市町村長からの助言・指導

    特定空家等や管理不全空家等に対し、市町村長が助言や指導を行う。

  3. 3

    改善されない場合の勧告

    指導後も改善されない場合、市町村長から勧告を受ける。

  4. 4

    住宅用地特例からの除外

    勧告を受けると、固定資産税の課税標準を軽減する特例の対象から外れる。

  5. 5

    固定資産税の負担増加

    軽減が外れることで、固定資産税の負担が上がる。

相続で権利者が増えます。 そのまま次の世代へ渡れば、共有者が増え、意思決定に必要な合意の相手が増えます。今より簡単になることはありません。

「再建築不可が売りにくい3つの理由と、放置した場合に起きること」について、そのまま聞けます。

再建築不可の価値を回復させる4つの方法と、そのまま売る場合の手順

隣の空き地との境目で、売主が細い通路の幅を巻尺で測っている
落ち葉の積もる細い通路で巻尺を当てる年配の男性

再建築不可は、必ずしも固定された状態ではありません。条件が整えば、建築できる状態に戻せることがあります。順に説明します。

1. 隣地を買い足す、または一部を分けてもらう

接道の幅が足りないのであれば、隣接する土地の一部を取得して2メートルを確保する。最も確実な方法です。隣地の所有者にとっても、あなたの土地が再建築可能になれば、将来的に一体で売却しやすくなるという利点があります。 交渉の材料はあります。

2. 隣地に接道部分の使用について合意を得る

通行や掘削(水道管などの敷設)についての承諾を書面で得ておくことは、直接に接道義務を満たすものではありませんが、買主の不安を減らし、価格を押し上げる要素になります。口頭の合意は代替わりで消えます。必ず書面にしてください。

3. 建築基準法43条2項に基づく認定・許可を検討する

接道義務を満たさない敷地でも、その敷地の周囲に広い空地があるなど一定の条件を満たし、特定行政庁が交通上・安全上・防火上・衛生上支障がないと認めた場合に、建築が認められる仕組みが条文に置かれています。基準の運用は特定行政庁ごとに定められており、一律ではありません。 使えるかどうかは、必ずその土地を管轄する部署で確認してください。「一般論として可能」と「あなたの土地で可能」はまったく別です。

実務では今でも「43条ただし書の許可」という言い方が使われますが、現行の条文にただし書きはありません。接道義務の適用除外は43条2項の1号と2号に分かれて置かれており、この2つは手続の重さがまったく違います。

2項1号(認定)は、敷地が幅員4メートル以上の「道」(建築基準法上の道路に該当しないもの)に2メートル以上接していて、その道が避難・通行の安全上必要な国土交通省令の基準に適合し、かつ建築物が「利用者が少数であるもの」として用途と規模に関する国土交通省令の基準に適合する場合に、特定行政庁が交通上・安全上・防火上・衛生上支障がないと認めるものです。条文上、建築審査会の同意は求められていません。

2項2号(許可)は、敷地の周囲に広い空地を有するなど国土交通省令の基準に適合する建築物について、特定行政庁が建築審査会の同意を得て許可したものです。同意という一段が入るため、審査会の開催時期に日程が左右されます。

つまり同じ「43条で通す」でも、1号で収まるのか2号になるのかで、要する期間も難度も変わります。窓口では「43条で行けますか」ではなく、「1号の認定で収まりますか、2号の許可になりますか」と聞いてください。答えが変われば、売却のスケジュールの立て方も変わります。

なお、敷地が袋路状道路(一端のみが他の道路に接続する道路)にのみ接する建築物については、延べ面積150平方メートルを超えるもの(一戸建ての住宅を除く)に対して、地方公共団体が条例で追加の制限を付加できるとされています(43条3項5号)。再建築不可を解消できたとしても、建てられる用途と規模には別の制限がかかる場合があるということです。

4. 隣地の所有者に売る

建築できる状態に戻すのではなく、すでに接道している隣の土地と一体になることで価値が出るという考え方です。隣地所有者にとっては、自分の敷地が広がり、建物の配置の自由度が上がります。実務では、再建築不可の土地が最も高く売れる相手が隣地所有者である、という場面は珍しくありません。

ただし、いずれも相手のあることです。 交渉が成立しなかった場合に、いつまで待つのかという期限を、はじめに決めておいてください。期限を決めずに始めると、数年が経過します。

5. そのまま売るなら、仲介と買取を手取りで比べる

回復の見込みが立たない、あるいは交渉に時間をかけられない場合、現況のまま売ることになります。ここでの選択肢は、仲介と買取です。

仲介では、前述のとおり買主の資金調達で止まりやすく、期間が読めません。「売れるかどうか」ではなく「いつ売れるか分からない」という点が、実際の負担になります。 その間も固定資産税と管理の負担は続きます。

判断は、両方の金額と、それぞれにかかる期間、そして待っている間の保有コストを並べて行ってください。再建築不可の物件では、この「待っている間」がとくに読みにくくなります。買主が現れるかどうかが接道の解消可能性に左右され、隣地の所有者の事情という自分では動かせない要素が入るためです。加えて、売却益が出た場合の税負担も手取りに効きます(No.3202 譲渡所得の計算のしかた(分離課税)(国税庁))。提示額そのものではなく、税と諸費用を差し引いて最終的に手元に残る額で比べてください。

更地にしたほうが売れますか?

再建築不可の土地では、更地にすることで不利になる可能性が高いです。解体は必ず査定を取ってから判断してください。

  • 用途の限定:建物を壊すと用途が資材置場や駐車場などに限られます。
  • 税負担の増加:住宅用地特例が外れ、固定資産税の負担が上がります。
  • 価値の下落:解体費を払ったうえで価値が下がる結果になりえます。

6. 売却前に集めておく資料

公図と地積測量図、登記事項証明書。 敷地の形と接道の状況を確認する起点になります。

前面道路の種別が分かる資料。 市区町村の建築指導部門で、道路の種別(何号道路か、2項道路か、そもそも道路ではないか)を確認してください。この1点が分かるだけで、査定の精度は大きく上がります。

建築計画概要書や検査済証。 過去にどのような建築確認を受けているかが分かります。市区町村で閲覧・取得できることがあります。

隣地との境界に関する資料、通行や掘削の承諾書。 ある場合は必ずご提示ください。価格に反映されます。

「再建築不可の価値を回復させる4つの方法と、そのまま売る場合の手順」について、そのまま聞けます。

再建築不可の土地を誰が買っているか、当社に売る場合の流れと条件

窓の外に崖地が見える部屋の中で、売却に向けて傷んだ内装をどのように片付けるか夫婦が作業の準備をしている
山の見える古い和室で荷物を箱に詰める二人

再建築不可の土地は、実際には誰が買っているのか

「建て替えられない土地を、なぜ買う人がいるのか」という疑問は当然だと思います。実務で買い手になっているのは、主に次の3者です。ここを知っておくと、自分の土地がどの相手に向いているかの見当がつきます。

再建築不可物件の主な買い手

主な買い手購入の目的・理由特徴
隣地の所有者敷地が広がり建物の配置等の自由度が上がる制約が消え最も高い金額が出る可能性がある
現金で購入する投資家賃貸、資材置場、駐車場などの用途融資を使わないため担保評価の障壁がない
買取業者価値を回復させる作業を業として引き受ける売主が数年かける作業を価格差と引換に引取る

第一に、隣地の所有者です。 前述のとおり、一体になることで敷地が広がり、建物の配置や増築の自由度が上がります。接道している側の土地と一体化すれば、再建築不可という制約そのものが消えます。 価格の面でも、最も高い金額が出る可能性がある相手です。

第二に、現金で購入する投資家です。 融資を使わない買主にとっては、金融機関の担保評価という最大の障壁が存在しません。既存の建物を賃貸に回して利回りを取る、あるいは資材置場や駐車場として使うという用途で検討されます。建物がまだ使える状態であるほど、この層に届きやすくなります。

第三に、当社のような買取業者です。 買い取ったうえで、隣地所有者との交渉、通行・掘削の承諾の取得、43条の認定・許可の検討など、価値を回復させる作業を業として引き受けます。個人の売主が自分で数年かけて行う作業を、価格の差と引き換えに引き取るのが買取の実質です。

つまり、再建築不可の土地に買い手がいないわけではありません。一般の実需の買主という最も層の厚い市場から外れているために、仲介では出会いにくいというのが正確な状態です。売り方を変えると、相手が変わります。

当社に売る場合に起きること、起きないこと

取引態様:買主(当社が自ら買い取ります)/媒介(当社で買い取れない物件は、仲介で売却をお手伝いします)

買取では、当社のような業者が直接購入します。融資審査を通す必要がないため、決済日を先に決めて逆算できます。 建物の不具合について契約不適合責任を免責とするのが一般的で、売却後に補修費を請求されるリスクを抑えられます。その代わり、当社が負う再販までのリスクと保有コストの分、金額は市場価格より低くなります。

なお、当社がどのような立場で不動産を扱っているかは運営者情報に記載しています。免許番号もそちらでご確認いただけます。

建物が空き家のまま放置されている場合の税と行政上のリスクについては、空き家の買取と放置リスクを、共有名義で意思決定ができない場合は共有持分の売却を併せてご覧ください。

「再建築不可の土地を誰が買っているか、当社に売る場合の流れと条件」について、そのまま聞けます。

再建築不可の物件が売れないのは資金の問題──まず前面道路の種別を調べる

  • 再建築不可とは、建築基準法の接道義務(建築基準法上の道路に2メートル以上接すること)を満たしていない状態です。街全体の防災のために置かれた基準に、当てはまっていません。 売りにくい主な理由は、買主が住宅ローンを使いにくいという資金調達の問題にあります。
  • ただし、固定された状態ではありません。隣地の取得、通行・掘削の承諾、43条2項に基づく認定・許可、隣地所有者への売却という4つの方向があり、条件が整えば価値は回復します。まず確認すべきは、前面道路の種別を市区町村で調べることです。ここが分かっていない状態で対策を考えても、空回りします。
  • そして、更地にする判断だけは慎重にしてください。解体費を払ったうえで用途が狭まり、税負担が上がるという結果になりえます。

査定は無料です。現況のままの金額と、条件が整った場合の金額の両方をお出しします。

査定は無料・売却の義務なし
0120-996-748受付時間10:00〜19:00(水・日曜定休)

通話料無料・全国対応

この先は、当社の買取窓口「買取くん」のページです(運営は同じ株式会社リアテクスです)。

再建築不可の家について、よくある質問

Q1. 再建築不可でも住み続けられますか

住み続けられます。再建築不可は、今建っている建物の存在を否定するものではありません。取り壊して新しく建てる場面で問題になる性質のものです。ただし、大規模な増改築には制限がかかることがありますので、リフォームを計画する際は、着工前に市区町村の建築指導部門にご相談ください。

Q2. リフォームはどこまでできますか

内装や設備の更新は通常可能ですが、建物の主要な構造部分に及ぶ大規模な修繕・模様替えは、建築確認が必要になる場合があります。必要となれば、接道義務の問題に再び行き当たります。「どこまでなら確認が不要か」は個別判断ですので、工事の内容を持って行政に確認してください。 工事を始めてから止まるのが、最も損失の大きい形です。

Q3. 更地にしたほうが売れますか

再建築不可の土地では、更地にすることで不利になる可能性が高いと考えてください。理由は2つあります。ひとつは、建物を壊すと、その土地に建物を建てられない土地であることが確定的になり、用途が資材置場や駐車場などに限られてしまうこと。もうひとつは、前述のとおり住宅の敷地に適用される固定資産税の住宅用地特例(地方税法第349条の3の2)が、住宅がなくなることで外れ、税負担が上がることです。解体費を払ったうえで価値が下がるという結果になりえます。 解体は、必ず査定を取ってから判断してください。

Q4. 隣の人に買ってくれと言っても断られました。もう売れないのでしょうか

一度断られたことをもって、価値がないと判断する必要はありません。隣地所有者が断る理由は、資金のタイミング、相続の予定、単に検討していないなど、あなたの土地の価値とは無関係なことも多くあります。当社のような業者が買い取り、その後に隣地所有者と協議するという道もあります。 ご自身の交渉で消耗する前に、金額の目安を取ってみてください。

Q5. 43条の許可が取れれば、価格は上がりますか

一般論として、建築できる状態に近づくほど買主の幅は広がります。ただし、許可の見込みがあることと、許可が下りていることは、価格の上では別のものとして扱われます。見込みの段階では、その不確実性の分が価格に反映されます。許可の取得を先に進めるか、現況のまま売るかは、取得にかかる期間と費用、成功の見込みを行政に確認したうえでご判断ください。

Q6. 相続した実家が再建築不可でした。何から始めればよいですか

まず相続登記を進めてください。名義が亡くなった方のままでは、売却の決済で買主へ所有権を移せません。並行して、前面道路の種別を市区町村で確認してください。この2つが揃えば、選択肢を具体的に検討できる段階になります。相続人が複数いる場合は、査定額を先に取っておくと、遺産分割の話し合いが動きやすくなります。相続した再建築不可の家を持ち続ける場合と売る場合の費用は、再建築不可の家を相続してしまったらで比べています。

Q7. 査定を頼んだら必ず売らなければいけませんか

売ると決めてからでなくて構いません。現況のまま売った場合の金額と、隣地との交渉が成立した場合に見込まれる金額の両方をお示しできますので、交渉に臨むかどうかの判断材料としてお使いいただけます。

当社の見方

再建築不可の家について、当社が断る場合と買える場合の分かれ目を書いておきます。建て直せないこと自体は、当社にとって断る理由にはなりません。分かれ目になるのは、その家が今の状態のまま使えるかどうかです。屋根と床が持っていて、水回りを直せば住める、あるいは貸せる見込みが立つなら、買える側に入ります。

難しくなるのは、前面の道や隣地の同意が要る工事をしないと、住める状態に戻せない場合です。工事の可否が他人の判断に委ねられていると、買ったあとの見通しが立ちません。断られた理由が「再建築不可だから」とだけ伝えられているなら、使える状態に戻せるかどうかまで踏み込んで聞き直してください。そこで話が変わることがあります。当社は買主として自ら買い取りますので、仲介手数料はいただきません。

当社が買い取る物件・お断りする物件と、買取価格の決まり方は、当社の買取事例76件の内訳とあわせて当社の買取基準にまとめています。

この記事について

執筆・編集
藤山 大二郎藤山 大二郎株式会社リアテクス 代表取締役CEO著書『大家なら!今すぐ不動産業を開業しよう! 不動産投資家から起業家へ』(スタンダーズ)で、大家業から不動産業へ踏み出す道筋を書きました。
監修
鶴野 博之鶴野 博之株式会社リアテクス 執行役員宅地建物取引士(東京)第257503号/賃貸不動産経営管理士/2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)この区分の監修を担当しています。記事の公開判断は当社が行っています(代表が定めた手順による)。確認・公開判断:藤山 大二郎(株式会社リアテクス 代表取締役CEO)
公開・更新
公開 更新 内容を見直したときは、この日付と改訂の内容を更新しています。情報の確認日 (出典の公的資料を開いて内容を確かめた日)
この記事の事実確認の方法
法令:建築基準法、民法、地方税法出典:国税庁
記事の作り方
この記事は、当社の担当者が事実確認を行ったうえで公開しています。

監修者の一覧運営会社・記事の作り方

出典(8件・に確認)

更新履歴

  1. 第2版題名を短くし、冒頭の要点を分かりやすい言い方に直しました。
  2. 第1版公開

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