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空き家

空き家をそのまま売る方法|解体も片付けもせずに売れる条件と価格

公開 更新

執筆
株式会社リアテクス リアテクス編集部
監修
株式会社リアテクス 取締役COO 薩摩 賢幸
空き家をそのまま売る方法|解体も片付けもせずに売れる条件と価格

「家財も庭木もそのまま。片付ける時間も解体の費用もないが、この家は売れるのか」。片付けと解体をせずに引き渡せるかは家の状態ではなく買主が誰かで決まり、業者が買う場合はその費用が価格から差し引かれます。名義と境界の確定だけは、価格を下げても代わりになりません。

当社は空き家を現況有姿で買い取り、家財の処分費と修繕費を価格に織り込んで金額を確定します。売主が確定していない場合と、境界について争いが続いている場合はお引き受けできません。この家が買い取れるかどうかだけ、先に聞く(無料)

目次(7章)

先にこの家の買取価格のめどだけ知りたい方へ。

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家財が残っていても、庭木が伸びていても、雨漏りがあっても、空き家は現況のまま売れます。片付けと解体が要るかどうかを決めているのは家の状態ではなく、誰が買主になるかです。個人が自分で住むために買うなら、引渡しまでに家財を出し、住める状態に近づけることを求められます。業者が買うなら、その費用は業者が先に負担し、その分だけ買取価格から差し引かれます。「そのまま売る」とは、片付けと解体にかかる費用を自分の財布から出すか、価格の差として渡すかの選択です。

空き家をそのまま売る方法の要点を、定義・この記事でわかること・よくある質問の順に短くまとめた動画です。

空き家をそのまま売るとは、何を残したまま引き渡すことか

残された家具や家電を見渡しながら話し合っている(家族が実家の居間で)

引渡しの時点の状態をそのまま引き継ぐ取引を、現況有姿といいます。契約書に「現況有姿にて引き渡す」とあれば、売主は室内を空にして渡す義務を負いません。ただし何を残してよいかは契約で決める事項で、この一言だけで自動的に確定はしません。曖昧なまま署名すると、引渡し当日に「物置は撤去する話だったはずだ」という食い違いが起きます。

総務省統計局の住宅・土地統計調査によれば、2023年10月1日時点の空き家は900万戸、住宅全体に占める割合は13.8%でした。このうち、賃貸用でも売却用でも別荘でもない「使用目的のない住宅」が385万戸あります(住宅・土地統計調査(総務省統計局))。相続した実家をそのまま抱えている家が、その多くを占めています。

現況有姿で残せるもの、残せないもの

家の中のものは、処分費として金額に織り込めるもの、売主が持ち出すべきもの、個別の確認が要るものに分かれます。

残っているもの現況のまま引き渡せるか注意する点
家具・家電・衣類・食器・布団引き渡せる処分費を見込んで価格に反映する
仏壇・神棚・位牌・遺影引き渡せるが、先に相談閉眼供養を希望されるなら売主側で手配
通帳・権利証・実印・アルバム持ち出していただく引渡し後に取り戻すのは難しい
灯油・塗料・ガスボンベ・農薬個別に確認危険物は運搬と処分の扱いが別になる
自動車・バイク・農機具個別に確認廃車や名義の抹消は所有者の手続
庭木・雑草・落ち葉・堆積物引き渡せる隣地へ越境している枝は状況を確認
物置・カーポート・プレハブ引き渡せる未登記でも土地と一緒に扱う

この表でいちばん取り返しがつかないのは3行目です。権利証が古い箪笥の引き出しに入ったまま処分された、という事故は実際に起きます。家から出すものは、この1行分だけと考えて構いません。 逆に、食器棚の中身や押し入れの布団を何日もかけて運び出す作業は、買取で売るなら省ける工程です。

片付けと解体が要るのは、買主が住むために買うとき

個人が住宅ローンを組んで買う場合、金融機関は建物と土地を担保として評価します。傷みが進んだ家は評価が伸びず、融資の条件が厳しくなります。買主の側も、家財が積まれた部屋を見て住んだあとの姿を思い描くのは難しく、内覧の反応は鈍くなります。仲介で個人に売る道を選ぶと、実務上は片付けと最低限の補修を売主が先に済ませる流れになりがちです。

このとき出ていくのは現金です。家財の搬出と処分、ハウスクリーニング、雨漏りの補修、場合によっては解体。先に払った費用が、売却価格に同じ額だけ上乗せされる保証はありません。 残置物を出して更地に近づけたのに買主が現れず、費用だけが戻らないまま媒介契約を更新した、という経過は珍しくありません。

業者が買う場合、同じ作業を業者が引渡し後に行い、その見込み額が買取価格から引かれます。売主から見て違うのは、先に出す現金があるかどうかと、費用が回収できなかったときに損をするのがどちらかです。

現況で残せる物と持ち出す物

  • そのまま引き渡せる物

    家具や衣類、庭木、物置などは処分費を価格に反映して残せる。

  • 売主が持ち出すべき物

    通帳や実印、アルバムなど、後から取り戻すのが難しい物。

  • 個別に確認が必要な物

    灯油などの危険物や、名義抹消が要る自動車などは扱いが別になる。

  • 先に相談すべき物

    仏壇や神棚は引き渡せるが、閉眼供養を希望するなら売主が手配する。

名義と売主だけは、そのままにできない

家の中の状態は、ほぼすべて金額の問題に変換できます。変換できないものが3つあります。登記名義が誰か、共有者の全員が売ることに合意しているか、そして売る土地の範囲が確定しているか。 ここが決まっていない限り、どんな金額を提示しても契約には進めません。

登記名義が亡くなった方のままであれば、決済の日に買主へ所有権を移せません。共有者の一人が反対していれば、その持分は動きません。隣地との境界について言い分が対立していれば、何を売るのかが定まりません。これらは価格を下げても解決せず、司法書士・弁護士・土地家屋調査士の領域です。「そのまま売れますか」という問いへの答えは、家の中ではなく登記と権利の側にあります。

登記をせず代替わりすると「所有者不明」の空き家になり、放置するほど相続人探しが難しくなります。

使用目的のない空き家の数

  • 空き家全体900万戸
  • 使用目的のない住宅385万戸

「空き家をそのまま売るとは、何を残したまま引き渡すことか」について、そのまま聞けます。

そのまま売る空き家で、価格と可否を分ける5つの条件

現況のまま売るときに価格が下がる理由は、買った側が引渡し後に負担する項目の積み上げです。中身は大きく3つで、家財の処分費、使える状態に戻すための工事費、そして次の買主が決まるまでの保有と売れ残りの見込みです。この3つがどう動くかを決める条件を、影響の大きい順に並べます。

1. 建物の傷みは価格に入るが、直す前提では入らない

雨漏り、シロアリ、傾き、給排水の不具合。これらは金額を下げる要因ですが、取引を止める要因ではありません。買った側が修繕して貸すのか、解体して土地として売るのかを判断し、その費用を引いた金額を出すからです。

判断が変わるのは、土地としての評価より建物の処理費が大きくなる場合です。木造でも重機が入らない路地の奥では手作業の割合が増え、アスベストを含む建材の可能性がある建物では調査と除去の工程が加わります。土地の値段より解体と処分にかかる額が大きいと計算された時点で、提示できる金額はゼロに近づきます。 この場合は、そのまま売っても解体してから売っても手元に残る額は変わらないので、判断の軸は金額ではなく、いつ責任から離れられるかに移ります。

建物の傷みと解体費の判断

  1. 1

    土地評価が処理費を上回る

    修繕費や解体費を差し引いた金額が提示される

  2. 2

    処理費が土地評価を上回る

    提示額はゼロに近づき、手放す時期が判断の軸になる

2. 残置物は、量より種類で費用が変わる

部屋が物で埋まっていると、まず量に目が行きます。実務で費用を押し上げるのは量よりも種類です。テレビ・エアコン・冷蔵庫・洗濯機は家電リサイクル法の対象で、一般のごみとして出せません。灯油、塗料、農薬、消火器、ガスボンベは、それぞれ別の経路で処分します。ピアノ、金庫、仏壇、大型の水槽は運び出す人手が要ります。庭に積まれたタイヤや廃材、埋められたままの浄化槽や井戸も、それぞれ費用の行が立ちます。

もうひとつ、搬出の経路が効きます。玄関前にトラックを横付けできる家と、道が狭くて数十メートル先の広い場所まで台車で運ぶ家では、同じ量でも処分費の見積りが2割から5割ほど変わることがあります。2階の家財を階段で下ろす家では、人手の日数がさらに増えます。査定のときに写真で見ているのは、物の量より、どこから何を出せるかです。

3. 境界と越境は、価格より前の問題になる

塀が隣地にわずかに出ている、庭木の枝が越えている、隣家の屋根の一部がこちらの敷地の上にある。こうした状態は珍しくなく、それ自体で売れなくなるわけではありません。買取では、境界が未確定のまま現況有姿で取引し、確定にかかる費用と不確実性を価格に織り込む形が取れます。

止まるのは、隣地の所有者との間で言い分が対立している場合です。塀の所有者が誰かで揉めている、通路の通行をめぐって話が続いている。こうした状態では、売る範囲も使い方も定まりません。争いが動いている土地は、価格を下げても買えないという結論になります。 先に必要なのは金額ではなく、当事者間の整理です。

残置物の処分費用は何で変わるか?

量よりも「種類」と「搬出経路」で費用が大きく変わります。

  • 家電リサイクル対象品や危険物は別経路での処分が必要
  • ピアノや金庫などの大型品は運び出す人手がかかる
  • トラックが横付けできないと台車で運ぶ人件費が増える

4. 接道と再建築の可否で、買主の数が変わる

建築基準法は、原則として幅員4メートル以上の道路に敷地が2メートル以上接していることを建築の条件としています。第42条が道路の定義を、第43条が敷地と道路の関係を定めています(建築基準法(e-Gov法令検索))。この条件を満たさない土地では、いま建っている家を壊したあとに新築の確認が下りません。

再建築ができない土地は住宅ローンの担保として評価されにくく、買える相手が現金で買う個人か事業者に絞られます。そのまま売るかどうか以前に、買主の母数が変わる条件です。接している道が幅員4メートル未満でも、その道が建築基準法42条2項の指定を受けていれば、道路の中心から2メートル後退した線を境界とみなして建てられます。指定がない道であれば後退しても建てられないため、幅員だけでは判定できません。所在地の建築主管課でご確認ください。接道が理由で売りにくくなる仕組みは「再建築不可物件はなぜ売りにくいのか」の記事に書いています。

5. 仲介でそのまま売る場合と、買取で売る場合の違い

現況のまま仲介に出すこと自体はできます。両者の違いは、片付けるかどうかではなく、金額が確定するタイミングと、引渡し後の責任の所在です。

比べる点仲介で現況のまま売る当社のような業者に売る
金額売り出し価格は希望額で、成約額は買主次第提示した金額で契約できる
買主現金で買う個人か事業者に限られやすい当社が直接の買主になる
期間買主が現れるまで読めない調査と社内の決裁を経て日程を決める
内覧家財が残った室内を見てもらう不要(当社の現地調査のみ)
引渡し後の不具合契約不適合責任の取り決めが要る現況有姿を前提に契約で確定する
費用仲介手数料と、売れるまでの保有費用登記に要る実費

仲介の想定成約価格と買取価格を同じ列に並べて比べると、判断を誤ります。 前者は「その金額で売れる可能性がある」という数字、後者は「その金額で契約できる」という提示です。売れなかった期間の固定資産税と管理の手間も、前者の側にだけ付いてきます。査定額の大小だけで相手を選ぶと何が起きるかは「不動産買取の査定額が高い理由」の記事にまとめています。

「そのまま売る空き家で、価格と可否を分ける5つの条件」について、そのまま聞けます。

空き家をそのまま売ると決める前に確かめる順番

夫婦が居間のテーブルに向かい合い、うなずきながら今後の手続きについて話し合っている

片付けより先に済ませたほうがよい作業があります。順番を間違えると、費用をかけて家を空にしたあとで、そもそも売主が確定していなかったと分かる展開になります。

1. 登記事項証明書で、いまの名義を見る

法務局で登記事項証明書を取り、所有者の欄と権利部を確認します。見るのは3点です。名義が誰になっているか、共有ならそれぞれの持分がいくつか、抵当権が残ったままになっていないか。

借入れは完済しているのに、金融機関の合併や書類の紛失で抹消の手続が止まったまま、という古い抵当権が残っていることがあります。抹消には別の手続が要るので、決済の日程を決める前に気づいておきたい項目です。登記情報はオンラインでも確認でき、遠方にお住まいでも動けます。

売却前に名義と権利を確認する順

  1. 1

    1. 名義と持分の確認

    現在の所有者は誰か、共有の場合はそれぞれの持分を把握する

  2. 2

    2. 抵当権の確認

    完済していても古い抵当権が残っていないか権利部を見る

  3. 3

    3. 抹消手続の要否判断

    抵当権が残っていれば決済日程を決める前に抹消手続を進める

2. 相続が絡むなら、相続人の人数と3年の期限を確認する

相続登記は2024年4月1日から義務です。期限は、相続で不動産を取得したと知った日から3年で、数え始めは亡くなった日ではありません。施行日より前に相続を知っていた不動産も対象で、その場合の期限は2027年3月31日です(相続登記の申請義務化について(法務省))。

実務では、義務である前に売却の前提条件です。登記名義が亡くなった方のままでは、代金を受け取っても所有権を買主に移せません。 祖父の代で名義が止まっている家では、相続人がいとこの代まで広がっていることがあり、戸籍を集めるだけで数か月かかります。売買契約は相続登記の前でも結べますが、決済までには終わらせる必要があります。

使い道がないから放棄すればよい、と考える方もいます。放棄しても、放棄の時点でその家を現に占有していた人には引渡しまでの保存義務が残ります。判断の前に「相続放棄しても実家の管理義務は消えない」の記事をご覧ください。

3. 課税明細書と名寄帳で、売る範囲を確定する

固定資産税の納税通知書に付いている課税明細書には、課税されている土地と建物が並びます。建物の構造と床面積、土地の地積も載っているので、査定の材料になります。

見落としが出やすいのは、家の敷地以外の土地です。市区町村の税務課で名寄帳を取ると、その人名義の不動産が一覧で出ます。私道の持分、裏の畑、隣の細長い土地が同じ名義だった、という発見はここで起きます。 私道の持分が抜けたまま売ると、買主が水道管の引き込みや通行で困り、あとから追加の手続が要ります。

4. 家から出すのは、通帳と権利証と写真だけでよい

現地に行けるなら、貴重品と書類と思い出の品を先に回収してください。通帳、印鑑、権利証、保険証券、写真やアルバム、手紙。処分されて困るものはこの範囲に収まることがほとんどです。

それ以外の家財は、査定を受ける前に出す必要はありません。むしろ、片付けの費用を自分で払ってから相談すると、その支出が価格に戻ってこないことがあります。 買取で見ているのは土地としての条件と建物の処理費なので、家財を出した分だけ金額が上がるとは限らないためです。片付け業者に発注する前に、残したままの金額を一度確認してください。仏壇や神棚は、供養の希望がある場合に段取りが変わるので、早めにお知らせください。

5. 火災保険と電気・水道は、引渡しまで止めない

空き家でも、引渡しの日までは所有者としての責任が続きます。台風で屋根材が飛んで隣家を傷つけた、塀が倒れて通行人がけがをした、という場合、建物の所有者は工作物責任を問われることがあります。保険を解約してから引渡しまでの数か月が、いちばん無防備な期間になります。

人が住んでいない家は保険の引受け条件が変わり、契約中の内容のままでは対象にならない場合もあります。契約の種類と空き家の扱いは「空き家に火災保険はかけられるか」の記事に整理しています。電気は現地調査で、水道は室内の確認や清掃で要ります。解約は引渡しの段取りが決まってからで足ります。

そのまま売るか、解体してから売るかを空き家の手取りで比べる

庭木が伸びた古い空き家を、周囲の景色とともに離れた道路から見ている構図

解体してから売ったほうが高い、という説明を受けることがあります。土地として売り出せる形になるので、買主の候補が広がるのは事実です。比べるべきなのは売値ではなく、最後に手元に残る額と、その額が確定しているかどうかです。

1. 解体してから売ると、増える費用と外れる軽減がある

解体費は先に出ていく現金です。木造か鉄骨か、前面道路の幅、隣家との距離、残置物の量で金額が動きます。内訳と見積書の見方は「空き家の解体費用はいくらかかるか」の記事にまとめています。自治体の補助制度は着工前の申請が原則なので、壊してから調べても間に合いません。

そしてもう一点、税です。住宅が建っている土地には固定資産税の住宅用地特例が適用され、200平方メートル以下の部分は課税標準額が6分の1、それを超える部分は3分の1に軽減されています。建物を壊せばこの軽減から外れ、翌年度の土地の税額が上がります。更地にして、買主が半年現れなければ、解体費と上がった税の両方を負担したまま待つことになります。

ただし、建物を残していれば安いままとも限りません。空家等対策の推進に関する特別措置法により、市町村は周囲に危険や衛生上の悪影響を及ぼす空き家を特定空家等として指定でき、2023年の改正では、その手前の管理不全空家等という枠組みが加わりました。いずれも市町村から勧告を受けると、その翌年度の固定資産税から住宅用地特例の対象外になります。庭木が越境し、屋根材が落ち、郵便物があふれている家は、近隣から通報が入りやすい状態です。

解体前に確認すべき注意点

  • 先に出ていく解体費

    道路幅や残置物の量で金額が動き、自治体の補助は着工前に申請が要る。

  • 外れる固定資産税の軽減

    更地にすると住宅用地特例から外れ、翌年度の土地の税額が上がる。

  • 売れ残った場合の負担

    買主が現れなければ、先行した解体費と上がった税の両方を抱えて待つことになる。

  • 建物を残す場合のリスク

    特定空家等や管理不全空家等として勧告を受けると、建っていても特例から外れる。

2. 相続した空き家の3,000万円控除は、要件の確認が先になる

被相続人が一人で住んでいた家屋とその敷地を相続した相続人が、一定の要件を満たして売却した場合、譲渡所得から最大3,000万円を控除できます。令和6年1月1日以後の譲渡では、家屋と敷地を取得した相続人が3人以上いる場合、控除の上限は一人あたり2,000万円になります。

「そのまま売る」との関係で効くのは、家屋をどう扱うかの一点です。この特例はもともと、家屋を耐震基準に適合させて譲渡するか、家屋を取り壊して敷地だけを譲渡することを求めていました。令和6年1月1日以後の譲渡については、買主が譲渡の翌年2月15日までに耐震改修または取壊しを行った場合も対象に加わりました。傷んだ家を現況のまま売る形でも、買主側の工事の時期と内容によって適用の余地が残ります。

そのうえで、次の条件を満たす必要があります。

  • 昭和56年5月31日以前に建築された家屋で、区分所有建物でないこと
  • 相続の開始の直前に、被相続人以外に住んでいた人がいないこと
  • 相続の時から譲渡の時まで、貸したり住んだりしていないこと
  • 売却代金が1億円以下であること
  • 相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること

要件の詳細は被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例(国税庁)で確認できます。

なお、この記事の税務・法務に関する記載は一般的な情報提供であり、個別の事案についての判断ではありません。適用の可否や具体的な税額については、税務署または税理士、登記については司法書士、境界や隣地との権利関係については弁護士や土地家屋調査士など、それぞれの専門家にご確認ください。当社は不動産の買主であり、税務や法律の代理はできません。

解体して売る場合の費用の動き

  1. 解体着工前

    補助制度の申請

    自治体の補助は着工前の申請が原則。壊してからでは間に合わない。

  2. 解体時

    解体費の支払い

    先に出ていく現金。構造や道路幅、残置物の量で金額が動く。

  3. 解体した翌年度

    固定資産税が上がる

    建物を壊すと住宅用地特例から外れ、土地の税額が上がる。

  4. 買主が現れるまで

    費用と税の負担が続く

    更地にして半年売れなければ、解体費と上がった税を負担したまま待つ。

3. 手取りは、確定した金額と見込みの金額を分けて並べる

同じ紙に、次の3行を書いてみてください。数字は物件ごとに違うので、枠だけを示します。

比べる形手元に残る額の計算
現況のまま業者に売る買取価格 −(登記に要る実費)
現況のまま仲介に出す想定成約価格 −(仲介手数料)−(決まるまでの保有費用)
解体してから仲介に出す想定成約価格 −(解体費)−(仲介手数料)−(保有費用と上がる税)

3行目がいちばん大きく見えることはあります。その額は、想定どおりの価格で、想定した期間のうちに売れた場合の数字です。 1行目だけが、提示された時点で確定しています。差額の大きさと、売れない期間を自分が抱えられるかの兼ね合いで決めてください。周辺の実際の取引価格は国土交通省の不動産情報ライブラリでも調べられます。

役所も法務局も平日の日中しか開いていません。それ以外の時間に進められる作業の順番は「夜間・土日に不動産の相談はできるか」の記事に書いています。

「そのまま売るか、解体してから売るかを空き家の手取りで比べる」について、そのまま聞けます。

空き家をそのまま当社に売る場合の流れと、買い取れない条件

当社が買い取る条件・買い取れない条件と、実際の買取事例は「当社の買取基準」にまとめています。

「空き家をそのまま当社に売る場合の流れと、買い取れない条件」について、そのまま聞けます。

空き家をそのまま売るなら、先に要るのは名義と境界の確認

  • 家の中の状態は、ほぼすべて金額に変換できます。 家財も、雨漏りも、伸びた庭木も、処分費と修繕費として価格に織り込まれます。売主が家から出すのは、通帳・権利証・写真といった、処分されると取り返せないものだけで足ります。片付けの費用を先に払っても、その額が価格に戻るとは限りません。
  • 変換できないのは、登記名義・共有者の合意・境界の3つです。 名義が動かなければ決済で所有権を移せず、共有者の一人が反対していれば持分は動かず、隣地と争いが続いていれば売る範囲が定まりません。相続が絡むなら、相続人の人数と3年の期限の確認が、査定より先の作業になります。
  • 解体するかどうかは、売値ではなく手取りで比べます。 解体費は先に出る現金で、更地にすれば住宅用地特例から外れて翌年度の土地の税額が上がります。買取価格は提示の時点で確定した額、仲介の想定成約価格は成約すれば得られる見込みの額です。この2つを同じ列に並べないでください。

当社は買主として直接購入します。家財が残っていても、建物が傷んでいても、境界が未確定でも、現況有姿の取引として条件を確定できます。そのかわり、買取価格は仲介での成約想定価格より低くなります。

査定は無料・売却の義務なし
0120-996-748受付時間10:00〜19:00(水・日曜定休)

通話料無料・全国対応

この先は、当社の買取窓口「買取くん」のページです(運営は同じ株式会社リアテクスです)。

空き家をそのまま売ることについて、よくある質問

Q1. 家財を残したまま引き渡すと、あとから処分費を請求されませんか

契約で「現況有姿にて引き渡す」「残置物は買主が処分する」と書面に定めていれば、引渡し後に処分費を請求されることはありません。逆に、その定めがないまま口約束で進めると、認識の食い違いが起きます。契約書のどの条項に、何をどう書くかを確認してください。

当社が買い取る場合は、残置物の種類と搬出の経路を現地で確認し、処分にかかる見込みを価格に織り込んで金額をお示しします。現地を見てご提示した金額を、後から理由なく下げることはしません。ただし、施錠された蔵や地下の物置など、査定で見ていない場所が後から出てきた場合は、契約前に条件を組み直します。

Q2. 仏壇や神棚が残っていますが、そのままでよいですか

そのままでも引き渡せますが、先にご希望を伺わせてください。 閉眼供養や魂抜きをしてから手放したいという方は多く、その場合は菩提寺や神社との段取りが要ります。日程がかかることがあるので、契約の前に伺えれば引渡し日の設定に反映できます。

供養の希望が特にない場合は、他の残置物と同じように処分します。位牌や遺影、過去帳、写真は、処分してよいかどうかを引渡し前に一度確認します。戻せないものだからです。

Q3. 電気と水道は止めてから相談したほうがよいですか

止めずに置いておくほうが進めやすいです。現地調査で室内の状態を見るときに照明が必要ですし、水を出してみないと配管の詰まりや漏れは分かりません。調査で状態が分かるほど、価格の前提が固まります。

すでに止めている場合でも調査はできます。基本料金の負担が気になる場合は、引渡し日が決まった時点で解約していただく形で構いません。

Q4. 雨漏りやシロアリがあることを伝えると、価格は下がりますか

下がる可能性はあります。それでも先にお伝えください。隠して契約したほうが不利になるのは売主のほうです。 引渡し後に判明した場合、契約不適合責任として修補や代金の減額、場合によっては損害賠償を求められる立場に立ちます。

当社が買う場合は、その不具合を前提にした金額を出し、契約不適合責任の扱いまで書面で確定します。個人が売主で業者が買主の取引では、責任を負わない旨の特約を結ぶことができ、実務でもそうしています。伝えた不具合は価格に反映されて終わり、あとから追いかけてこない形です。

Q5. 遠方に住んでいて現地に行けません。鍵はどうなりますか

鍵をお預かりして、当社だけで現地を確認する形が取れます。預かりの際は書面を交わし、確認の日時と範囲を決めます。立ち会わないことで価格が下がることはありません。

鍵が見つからない、誰が持っているか分からないという相談もあります。その場合は入れる範囲を確認したうえで、解錠の手配を含めて段取りを相談します。登記事項証明書や課税明細書は郵送やオンラインで取得でき、相続登記も司法書士との郵送のやり取りで進められることが多いです。

Q6. 名義が亡くなった親のままですが、この状態でも相談できますか

ご相談と査定は可能です。むしろ、金額が分からないまま相続人どうしで話し合うほうが結論が出ません。 「この金額なら売る」という具体的な数字があると、遺産分割の議論が進みやすくなります。

ただし、売買契約には売主の確定が必要で、決済までには相続登記を終えていなければなりません。相続人が多い場合は戸籍の収集に時間がかかるので、査定と並行して着手してください。相続人が多数になっているケースの進め方は「数次相続で相続人が多い実家の売却」の記事にまとめています。

Q7. 更地にしたほうが高く売れると言われました。本当ですか

土地として売り出せる形になるため、買主の候補が広がるのは事実です。ただし、解体費は先に出る現金で、更地にすれば住宅用地特例から外れて翌年度の土地の税額が上がります。売れるまでの期間は誰にも保証できません。

判断の材料は、解体費の見積、上がる税額、現況のまま売った場合の金額の3つです。解体後の想定価格から解体費と税の増加分を引いた額が、現況のままの金額を上回るかどうかで決めてください。 接道が取れず再建築ができない土地では、更地にしても家を建てられないため、この計算は成り立ちにくくなります。壊す前に、その土地に新しい家を建てられるかを建築主管課で確認する順番です。

当社の見方

当社が「片付けずに、そのまま買えるか」を見るときに、何を見ているかを書いておきます。最初に見るのは家財の量ではありません。残っている物をどちらがどこまで扱うかは、金額をお伝えするときに内訳としてご相談します。見ているのは、その家を次に使いたい人を思い浮かべられるかどうかです。

雨漏りの跡があっても、直して貸したい方や、宿泊に使いたい方が動いている地域かどうかで、見立ては変わります。逆に、家の傷みが浅くても、次の使い手を思い浮かべられない場所では値が付きにくくなります。片付けや解体にお金をかける前に、その費用が売却の価格として返ってくるのかを、先に確かめてください。順番を逆にすると、戻せない出費だけが残ります。金額の見込みだけなら、ご相談をいただいてからおおむね30分ほどでお伝えできます(物件の内容により前後します)。

当社が買い取る物件・お断りする物件と、買取価格の決まり方は、当社の買取事例76件の内訳とあわせて当社の買取基準にまとめています。

この記事について

執筆・編集
リアテクス編集部株式会社リアテクス当社(宅地建物取引業 東京都知事(1)第107888号)は物件を直接買い取る買主の立場から、売却を検討する方の判断材料となる記事を企画・編集しています。
監修
薩摩 賢幸薩摩 賢幸株式会社リアテクス 取締役COOこの区分の監修を担当しています。記事の公開判断は当社が行っています(代表が定めた手順による)。確認・公開判断:藤山 大二郎(株式会社リアテクス 代表取締役CEO)
公開・更新
公開 更新 内容を見直したときは、この日付と改訂の内容を更新しています。情報の確認日 (出典の公的資料を開いて内容を確かめた日)
この記事の事実確認の方法
法令:建築基準法出典:総務省統計局、法務省、国税庁
記事の作り方
この記事は、当社の担当者が事実確認を行ったうえで公開しています。

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  1. 第1版公開

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