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空き家のゆくえ買取くん

空き家

古家は解体するかそのまま売るか|更地の税と手取り比較

公開 更新

執筆
株式会社リアテクス リアテクス編集部
監修
株式会社リアテクス 取締役COO 薩摩 賢幸
古家は解体するかそのまま売るか|更地の税と手取り比較

「築50年の実家を壊してから売るべきか、そのままで売れるのか決められない」。解体費180万円と更地の固定資産税を入れると、古家付きで売った方が手取りが残る例があります。間口が2m未満の土地は、壊すと建て替えができず更地の値段が付きません。

買取価格は土地の相場から解体費・残置物の処分費・再販までの保有費用と当社の利益を引いた額で、仲介で売れた場合の想定より低くなります。相続人の一部と連絡が取れない家と、私道の通行・掘削の承諾がなく重機を入れられない家は買えません。この家が買い取れるかどうかだけ、先に聞く(無料)

目次(9章)

先にこの家の買取価格のめどだけ知りたい方へ。

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この先は当社の買取窓口「買取くん」です。

築50年の家を壊すかどうかは、解体費と更地の固定資産税を並べてから決まります。木造30坪の解体費は、付帯工事と残置物の処分を入れると200万円近くになる例があります。建物を取り壊すと、土地の住宅用地特例も外れます。それでも壊した方が売りやすい土地と、壊すと値段が付かなくなる土地に分かれます。分かれ目になるのは、前面道路の幅と間口です。

築50年の古家を解体するか、そのまま売るかの分かれ目

確かめる順番は決まっています。壊したあとの土地に建物が建つか、解体にいくらかかるか、更地にすると税金がどれだけ増えるかの3つです。この順で見ると、金額の計算をする前に結論が出る土地もあります。

建物を壊すと、土地の固定資産税の抑えが外れる

住宅が建っている土地には、課税標準を下げる特例があります。地方税法第349条の3の2に定められた住宅用地の特例です。200㎡までの部分は評価額の6分の1、それを超える部分は3分の1になります(地方税法(e-Gov法令検索))。都市計画税も同じ形で、3分の1と3分の2に下がります。建物を取り壊すと、この特例は使えません。

更地は商業地等として扱われ、課税標準は評価額の70%を上限に調整されます。建物の税は消えますが、古い木造の評価額は低く、消える額も小さくなります。土地の増え方の方が大きくなるのが通常です。

下の表は、土地200㎡・評価額1,200万円、建物の評価額120万円で置いた例です。税率は固定資産税1.4%・都市計画税0.3%として計算しています。

項目現況(古家あり)解体後(更地)
土地の固定資産税約2.8万円約11.8万円
土地の都市計画税約1.2万円約2.5万円
建物の固定資産税・都市計画税約2.0万円0円
年の合計約6.0万円約14.3万円

差は年に約8.3万円です。更地のまま3年売れなければ、25万円ほど多く払うことになります。課税の判定は1月1日の現況で行われます。年内に壊せば、翌年度から更地の課税に変わります。実際の金額は、手元の課税明細書と市区町村の資産税課で確かめてください。

解体費は建物の大きさだけでは決まらない

木造2階で延床30坪なら、建物本体の工事費は100万円から150万円あたりが目安になります。ここに付帯工事が乗り、総額が動きます。

  • ブロック塀・門扉・カーポート・物置の撤去
  • 庭石・立木・池やコンクリートの土間の処分
  • 浄化槽や古井戸の埋戻し
  • 家具や家電を含む残置物の処分
  • 石綿を含む建材の調査と除去

前面道路が狭いと、運搬に小型の車両を使うことになります。工期が伸び、人手も増えます。重機が入らない現場では、手作業での解体になります。地中から古い基礎やコンクリート塊が出れば、契約後の追加費用になります。

市区町村によっては、老朽化した空き家の解体に補助金を出しています。対象になる建物の条件や上限額は自治体ごとに違い、工事の契約前の申請を条件にしているところが多くなります。補助が出れば、下で並べる手取りの比較で、更地にして売る側が有利に変わる場合があります。発注の前に、市区町村の空き家の担当窓口で制度の有無を確かめてください。解体費を手元の資金で用意できない場合は、金融機関の解体向けのローンを使う例もあります。内訳の見方は「空き家の解体費用はいくらかかるか」の記事に書いています。

古家ありと更地の税額と3年間の差額

  • 古家ありの年の税額合計約6.0万円
  • 更地になった年の税額合計約14.3万円
  • 更地で3年売れ残った時の差額約25万円

壊したあとに建物が建つ土地かどうか

更地の値段は、そこに新しい家が建つ前提で付いています。建てられない土地なら、更地にしても買い手は絞られたままです。建築基準法第42条は原則として幅4m以上のものを道路と定め、建築基準法第43条は建築物の敷地がその道路に2m以上接することを求めています。市街化調整区域では、建てるための許可が別に必要になります。

既存の建物があるうちは、それを直して使う道が残ります。壊してしまえば、その道は消えます。接道が足りない土地の売り方は「再建築不可物件はなぜ売りにくいのか」の記事にまとめています。

更地とそのまま売る場合の時期

  1. 年内の解体

    解体費の先払い

    更地にする場合、売れる前に解体費が出ていく。

  2. 翌年1月1日

    課税の判定

    年内に壊すと更地課税。残せば住宅用地特例が続く。

  3. 売却までの期間

    税額の差が積み上がる

    更地は年約14.3万円、古家ありは年約6.0万円。

  4. 売却時

    手取りの確定

    そのまま売る場合は解体費の見込みが価格から引かれる。

古家を解体せず置いたままにしたときの負担

壊さずに置いておけば税金は上がらない、という前提は、いまは成り立たない場合があります。

管理不全空家等の勧告で、住宅用地特例が外れる

空家等対策の推進に関する特別措置法が改正され、2023年12月13日に施行されました。そのまま放置すれば特定空家になるおそれのある家を、管理不全空家等として扱う仕組みが入りました。窓や屋根が壊れている、塀が傾いている、草木が道にはみ出しているといった状態が対象です。市町村長はまず指導を行い、改善されないときは勧告に進みます(空き家対策(国土交通省))。

勧告を受けた敷地は、住宅用地特例の対象から外れます。建物を残していても、土地の税額が上がる場合があるということです。

指導の通知が届いた時点なら、まだ選ぶ余地があります。修繕して残すか、売るかを決める時間は残っています。保有を続けた場合の費用の積み上げは「空き家の固定資産税を払い続ける損益分岐点」の記事に書きました。

住宅用地特例が外れる流れ

  1. 1

    特定空家のおそれ

    窓や屋根の破損、草木のはみ出しなどを放置した状態

  2. 2

    市町村長の指導

    改善されない場合、次の勧告に進む

  3. 3

    勧告と特例除外

    勧告を受けると住宅用地特例から外れ、土地の税額が上がる

倒壊や火災の責任と、保険の引受け

塀が倒れて通行人がけがをすれば、責任を問われます。民法第717条の土地の工作物責任です。占有者が注意を尽くしていた場合には、所有者が責任を負います。

空き家は、火災保険の引受けを断られることがあります。人が住んでいない建物は、出火や放火のあとの発見が遅れるためです。加入中の契約でも、空き家になった時点で扱いが変わる場合があります。条件は「空き家に火災保険はかけられるか」の記事に整理しています。

毎年出ていく管理の実費

税金のほかに、実費が毎年続きます。

  • 草刈りと庭木の剪定(年に1〜2回)
  • 通水と換気のための見回り
  • 遠方に住んでいる場合の交通費
  • 電気と水道の基本料金

金額は物件と距離で変わり、年に数万円から十数万円になる例が多くなります。この実費は、解体してもゼロになりません。更地になっても草刈りは続きます。

「古家を解体せず置いたままにしたときの負担」について、そのまま聞けます。

解体すると戻せない、そのまま売る方がよい4つの条件

建物の外観を見上げながら話し合っている家族(古い家の前の細い道で)

解体は、やり直しのできない工事です。次の4つに当たる場合は、壊す前に売り方を決めた方が結果が良くなります。

1. 間口が2m未満で、壊すと建て替えられない

接道が足りない土地は、更地にしても新しい建物を建てられません。買主は、家を建てる目的でこの土地を買えません。古家が残っていれば、直して使う買い手や、現況を承知で買う投資家が残ります。

旗竿地では、路地の幅が途中で狭くなっていることがあります。図面上は2mでも、実測すると1.9mしかない例もあります。壊す前に、現地で間口の幅を測ってください。

そのまま売る方がよい4つの条件

  • 間口が実測で2m未満か

    更地だと家が建たない。古家を残せば直して使う買い手がつく。

  • 道路から1m以上高いか

    解体で土が動き、擁壁のやり直し費用が土地の値段を超えるリスクがある。

  • 隣家と壁や屋根がつながっているか

    隣の承諾が必要。切り離したあとの雨仕舞いや補修の費用が発生する。

  • 3,000万円控除の期限が近いか

    昭和56年5月31日以前の建築など、特例の要件を満たすか確認する。

2. 擁壁や高低差があり、解体後の工事費が読めない

道路から1m以上高い土地では、擁壁の状態が価格を決めます。古い石積みやブロックの擁壁は、作り直しを求められる場合があります。

建物を壊すと擁壁の裏の土が動くことがあり、見積もりに土留めや仮設の費用が乗ります。擁壁のやり直しの費用が土地の値段を超える土地では、更地にしても買い手が付きません。

3. 隣家と壁や屋根がつながっている

長屋や連棟の建物は、自分の部分だけを切り離して壊せません。壊せば隣の壁がむき出しになり、雨仕舞いと補修の費用が発生します。

工事には隣の所有者の承諾が必要です。承諾が取れないまま発注すると、着工の直前で工事が止まります。

4. 相続した家で、3,000万円の控除の期限が近い

被相続人が一人で住んでいた家屋とその敷地を相続した相続人が、一定の要件を満たして売却した場合、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる制度があります(被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例(国税庁))。要件は次のとおりです。

  • 昭和56年5月31日以前に建築された家屋であること
  • 区分所有建物でないこと
  • 相続開始の直前に、被相続人が一人で住んでいたこと
  • 相続の時から譲渡の時まで、貸付けや居住に使っていないこと
  • 売却代金が1億円以下であること

築50年の家なら、建築の時期の要件は満たすことが多くなります。期限は、相続開始の日から3年を経過する日の属する年の12月31日です。制度そのものの適用期限は、2027年12月31日までの譲渡です。その家屋と敷地等を相続または遺贈で取得した相続人が3人以上いる場合は、1人あたり2,000万円が上限になります。

以前は、売る側が耐震改修か取壊しを終えている必要がありました。2024年1月1日以後の譲渡では、買主が譲渡の年の翌年2月15日までに取壊しを行う場合も対象になります。解体せずに売っても、控除を使える道があるということです。 誰がいつ壊すかを、売買契約書の条文に書いておく形になります。

更地・古家付き・買取で、手取りはどこまで変わるか

居間のテーブルに書類を置き、話し合っている家族(これからの売り方について)

前提をそろえて並べます。土地200㎡、木造2階・築50年、残置物あり、前面道路4mの土地とします。土地の相場は2,000万円、解体費は付帯工事と残置物の処分を含めて180万円と置きました。周辺で実際に取引された価格は、国土交通省の不動産情報ライブラリで地域と面積帯を指定して確かめられます。

1. 更地にして仲介で売る

売買代金2,000万円に対し、仲介手数料は約72.6万円です。代金が400万円を超える取引では、3%に6万円を足して消費税を加えた額が上限になります。

ここから解体費180万円を引き、売れるまでの更地の固定資産税も負担します。1年分で約14.3万円です。1年で売れた場合の手取りは、約1,733万円になります。

解体費は、売れる前に出ていきます。 買い手が半年見つからなければ、税と管理費だけが積み上がっていきます。

売り方で変わる手取り額の比較

  • 解体費と税を先払いして売る1,733万円
  • 解体費を価格から引いて売る1,750万円
  • 仲介手数料なしで直接売る1,520万円

2. 古家付き土地として仲介で売る

買主は解体を前提に値を入れるため、解体費の見込みが価格から引かれます。売買代金を1,820万円と置くと、仲介手数料は約66.7万円です。

保有中の税は、住宅用地特例が残るので年6万円ほどにとどまります。決済まで半年なら3万円です。手取りは約1,750万円になります。

壊さないので、地中から障害物が出ても自分の負担にはなりません。 そのかわり、建物の状態について契約不適合責任が残ります。買い手は、解体費を自己資金で用意できる人に絞られます。

3. 現況のまま買取に出す

当社のような買主が直接買う場合、仲介手数料はかかりません。価格は、土地の相場から解体と残置物の処分の見込みを引き、再販までの保有費用と当社の利益を引いた額になります。

この前提なら約1,520万円の提示になります。決済までの保有の税は日数分で終わるため、手取りは提示額とほぼ同じです。

出口手取りの目安読めない部分
更地にして仲介約1,733万円売却までの期間・地中の障害
古家付きで仲介約1,750万円買い手の範囲・建物の責任
現況のまま買取約1,520万円少ない(価格が先に確定する)

仲介の2つより200万円前後低くなります。 下がった分で、売れるまでの期間と追加費用の不確定が消える形です。数字はいずれも前提を置いた計算例で、土地の相場と解体費が変われば順番も変わります。更地との比較をさらに細かく見る場合は「古家付き土地の売却」の記事を読んでください。

4. 解体してから売る方が手取りが残る土地

上の例では、更地にして仲介と古家付きで仲介の差は約17万円でした。この差は、条件が少し動くだけで入れ替わります。売却時に更地にする方へ判断が傾くポイントは、次の3つです。

  • 前面道路が4m以上、間口も2m以上ある整形地で、周辺の取引が新築用の土地として成り立っている(不動産情報ライブラリで、近くに土地だけの取引が多いかを見ます)
  • 古家付きのままだと、地中障害や残置物を心配した買い手が、実際の解体費180万円より大きく値を引いてくる
  • 市区町村の解体の補助金が使える

3つ目は、補助の額が約17万円の差を超えるかどうかで、この例の順番が変わります。更地にすると決めた場合も、壊すのは買主が決まってからにし、引渡しの前に売主が解体する条件で契約できます。1月2日以降に壊して年内に決済すれば、その年度の土地の税は住宅用地のままです。

3つのどれにも当たらず、解体費用の負担を先に出さずに処分したい場合は、不動産買取も比べる先に入れて検討してください。買取でも解体費は価格から引かれますが、差し引かれるのは決済の時で、工事代金を先に払う必要はありません。解体費の見込みをいくらと置くかは、買取業者ごとに違います。複数の買取業者に提示額の内訳を出してもらい、その項目で比べてください。

「更地・古家付き・買取で、手取りはどこまで変わるか」について、そのまま聞けます。

古家の解体を発注する前に確かめる5つの手順

家族が家の外壁と隣の家の間を覗き込み、越境がないか確かめている

発注したあとでは直せない項目が並びます。上から順に進めてください。

1. 登記事項証明書で、売主と抵当権を確認する

名義が親のままなら、まず相続登記です。2024年4月1日から、相続登記の申請が義務になりました。期限は、相続で不動産を取得したと知った日から3年です。施行日より前に相続を知っていた場合も対象で、その期限は2027年3月31日です(相続登記の申請義務化について(法務省))。

完済したはずの抵当権が登記に残っている例もあります。解体だけなら進められますが、決済には抹消の手続が必要です。未登記の増築があると、登記の面積と現況が合いません。買主への説明が別に必要になります。

解体を発注する前の5つの手順

  1. 1

    登記の確認

    相続登記や抵当権の抹消、未登記の増築がないか確かめる

  2. 2

    道路の種別の確認

    市区町村の窓口で、前面道路が建築基準法上の道路か調べる

  3. 3

    境界標と越境の記録

    解体すると証拠が消えるため、建物があるうちに写真に残す

  4. 4

    見積もりの比較

    建物本体や付帯工事、残置物処分の内訳と条件を比べる

  5. 5

    滅失の登記

    取り壊したら、1か月以内に滅失の登記を申請する

2. 道路の種別を、市区町村の窓口で確かめる

建築指導を担当する窓口で、前面道路の種別が分かります。建築基準法第42条第2項の道路に接している場合は、道路の中心から2m下がる必要があります。下がった部分には、建物を建てられません。

敷地として使える面積が実質的に減るため、更地にしたあとの価格に直接効いてきます。窓口での確認そのものに費用はかかりません。

3. 境界標と越境を、解体の前に写真に残す

解体すると、越境していた証拠が消えます。隣の塀が敷地に入っている、こちらの屋根が越えている。こうした状態は、建物があるうちに記録してください。

境界標が見つからない場合は、土地家屋調査士に確定測量を依頼します。費用は数十万円です。更地で売る場合は、境界の明示を求められるのが通常です。

4. 解体の見積もりは、内訳と追加の条件で比べる

総額だけを並べても比べられません。見積書で見るのは次の5項目です。

  • 建物本体の工事費(延床面積あたりの単価)
  • 付帯工事(塀・土間・立木・浄化槽)
  • 残置物の処分費(数量の前提が書かれているか)
  • 石綿の事前調査と除去の費用
  • 地中障害が出た場合の追加費用の条件

石綿の事前調査は、工事の規模を問わず必要です。2022年4月1日からは、床面積80㎡以上の解体で調査結果を都道府県などへ報告することになりました。報告する義務を負うのは元請業者です。

建設リサイクル法第10条の届出は、発注者の義務です。床面積80㎡以上の解体は、工事に着手する7日前までに都道府県知事へ届け出ます。業者が代わりに提出する形が多いものの、義務を負うのは発注した側です。

5. 取り壊したら、1か月以内に滅失の登記を申請する(不動産登記法57条)

不動産登記法第57条は、建物が滅失したときの申請について定めています。所有権の登記名義人は、滅失の日から1か月以内に申請しなければなりません。

登記が残ったままだと、建物の課税が続く場合があります。市区町村への家屋滅失届も忘れないでください。解体業者が発行する取壊し証明書と業者の登記事項証明書が添付書類になるため、工事のあとに必ず受け取ってください。

古家を解体せずそのまま売るときの段取り

現況のまま売る場合、決めるのは価格だけではありません。何を残して引き渡すかを、書面で確定させる作業が入ります。

1. 残置物の範囲を、契約書の条文で決める

仏壇・位牌・神棚・写真は、ご自身で引き取ってください。菩提寺に魂抜きを頼んでから処分する例が多くなります。

家具や家電は、残したまま引き渡す形にできます。ただし「現況有姿」の1行だけでは足りません。何がどの部屋に残っているかを、書面で並べてください。引渡し後に処分費が想定を超えると、話が価格に戻ります。

そのまま売るときの段取り

  1. 1

    残置物の範囲の確定

    何を残して引き渡すか、部屋ごとに書面で並べて決める

  2. 2

    雨漏りやシロアリの告知

    隠さずに告知書へ書き、価格に織り込んで引渡し後を軽くする

  3. 3

    解体費の負担方法の選択

    売主解体、買主解体、代金から引く形の3つから選ぶ

  4. 4

    税と保険の維持

    引渡しまで固定資産税や保険を切らさないようにする

2. 雨漏りとシロアリは、知っていることを全部書く

買主が解体を前提にしていても、告知は必要です。売主が個人なら、契約不適合責任を免責する特約を結べます。ただし、知りながら告げなかった事実については免責されません。民法第572条がそう定めています。

告知書には、雨漏りの跡・床の傾き・シロアリの被害・過去の漏水を書きます。書いた内容は価格に反映されます。隠して売るより、書いて価格に織り込む方が、引渡し後が軽くなります。 書き方は「雨漏り・シロアリの家を売却する」の記事にまとめました。

3. 解体費を誰が負担するかを、3つの形から選ぶ

負担の決め方は3つあります。

  • 引渡しの前に売主が解体し、更地で渡す
  • 建物を残して渡し、買主が自分の費用で解体する
  • 建物を残して渡し、解体費の相当額を売買代金から引く

2つ目と3つ目は、手取りで見ればほぼ同じ結果になります。違うのは契約書の書き方です。空き家の3,000万円控除を使う場合は、取壊しの時期を条文に入れてください。譲渡の年の翌年2月15日までという期限があるためです。

4. 引渡しまでの税と保険を切らさない

固定資産税は、1月1日の所有者に1年分が課されます。決済日で日割りにする精算は、法律上の義務ではなく契約で決める慣行です。

火災保険は、決済の日まで残してください。解約すると、残りの期間の保険料が返ってくる場合があります。電気と水道は、買主の現地確認が終わるまで止めない方が話が進みます。現況のまま売れる条件は「空き家をそのまま売る方法」の記事に書いています。

なお、この記事の法務・税務に関する記載は一般的な情報提供であり、個別の事案についての判断ではありません。税額は税務署か税理士、登記は司法書士、境界や隣地との権利関係は弁護士や土地家屋調査士に確かめてください。当社は不動産の買主であり、税務や法律の代理はできません。

「古家を解体せずそのまま売るときの段取り」について、そのまま聞けます。

当社が古家を解体せず買い取る場合の条件

当社が買い取る条件・買い取れない条件と、実際の買取事例は「当社の買取基準」にまとめています。

「当社が古家を解体せず買い取る場合の条件」について、そのまま聞けます。

古家を解体するか、そのまま売るかで先に決める3つ

  • 壊す前に、接道と間口を測ってください。 幅4m以上の道路に2m以上接していない土地は、更地にしても建て替えができません。連棟の建物や、擁壁の作り直しが見込まれる土地も、解体で価格が上がらない側に入ります。
  • 建物を壊すと、土地の課税標準の抑えが外れます。 土地評価額1,200万円・200㎡の例では、年の税額が約6.0万円から約14.3万円に上がりました。判定は1月1日の現況で、年内に壊せば翌年度から更地の課税です。
  • 解体費180万円を入れると、古家付きで売った方が手取りが残る例があります。 更地にして仲介が約1,733万円、古家付きで仲介が約1,750万円、現況のまま買取が約1,520万円でした。相続した家なら、買主が引渡し後に壊す形でも3,000万円の控除を使える場合があります。

当社は古家と残置物をそのまま買い取り、解体と処分の見込み費用を引いた額を提示します。売主が確定していない家と、重機の進入の承諾が取れない家は、価格を下げてもお引き受けできません。

査定は無料・売却の義務なし
0120-996-748受付時間10:00〜19:00(水・日曜定休)

通話料無料・全国対応

この先は、当社の買取窓口「買取くん」のページです(運営は同じ株式会社リアテクスです)。

古家の解体とそのまま売ることについての質問

Q1. 古家付き土地は、更地より安くしか売れませんか

売買代金は下がりますが、手取りは逆になることがあります。買主は解体費の見込みを引いて値を入れますが、引かれる額が実際の解体費より小さい場合があるためです。更地にする側は、解体費を売れる前に払い、更地の固定資産税も負担します。本文の「更地・古家付き・買取で、手取りはどこまで変わるか」に、前提を置いた計算例を並べました。

Q2. 解体費は買主に負担してもらえますか

買主が解体する形なら、工事の代金は買主が払います。ただし、その分は売買代金から引かれるため、負担そのものが消えるわけではありません。差が出るのは、支払いの時期と地中障害の負担です。壊さずに売れば、古い基礎やコンクリート塊が出ても追加の請求は来ません。

Q3. 年内に解体した方が、固定資産税は下がりますか

下がるどころか上がります。住宅用地の特例は、1月1日の現況で判定されます。12月31日までに壊せば翌年度から更地の課税になり、1月2日以降に壊せばその年度はまだ住宅用地のままです。1月1日に取り壊した場合は、更地として判定される余地があります。売れる見込みが立つ前に壊すと、更地の税を払う期間が延びます。出口ごとの費用の比べ方は「空き家の処分方法」の記事に書いています。

Q4. 建物を残して売ると、あとで雨漏りの責任を問われませんか

契約の書き方で決まります。売主が個人の場合、契約不適合責任を免責する特約は有効です。ただし、知っていて告げなかった不具合については免責されません。告知書に雨漏りの跡や床の傾きを書き、買主が解体を前提に買うことを条文に残してください。この2つがそろっていれば、引渡し後に争いになりにくくなります。

Q5. 解体してから買い手が見つからない場合は、どうなりますか

更地の税を払いながら待つことになります。土地評価額1,200万円の例では、年に約14.3万円です。草刈りの費用も続きます。解体費を先に払っているので、値下げの余地も狭くなります。売り先を決めてから壊す順番にすれば、この状態を避けられます。 買主が決まっていれば、引渡し後に壊してもらう形も選べます。

Q6. 相続した古家を壊さずに売ると、3,000万円の控除は使えませんか

2024年1月1日以後の譲渡なら、使える場合があります。買主が譲渡の年の翌年2月15日までに取壊しか耐震改修を行うことが条件です。昭和56年5月31日以前の建築であること、区分所有建物でないこと、相続開始の直前に被相続人が一人で住んでいたこと、売却代金が1億円以下であることも満たす必要があります。適用の可否は契約書の条文の書き方でも変わるため、売買契約を結ぶ前に税務署か税理士に確認してください。

当社の見方

解体の見積りを手にした段階でご相談をいただくことが多いので、当社がその場でお伝えしていることを書いておきます。工事に一度お金を払うと、その支出を売値に上乗せして取り戻せるとは限りません。当社は建物が建ったままの状態を買主として自ら買い取りますので、壊してからでないと話が始まらない、ということはありません。

順序としてお勧めしているのは、業者に発注する前に、現況のままの金額を一度手元に置いていただくことです。その数字と、解体費を払ったうえで更地として売れる見込み額を並べれば、工事に踏み切る値打ちがあるかどうかをご自身で判断できます。現況の金額をお伝えするまでは、ご相談をいただいてからおおむね30分をめどにしています(物件の内容により前後します)。発注の前と後では、選べる道の数が変わります。先に数字を取ってください。

当社が買い取る物件・お断りする物件と、買取価格の決まり方は、当社の買取事例76件の内訳とあわせて当社の買取基準にまとめています。

この記事について

執筆・編集
リアテクス編集部株式会社リアテクス当社(宅地建物取引業 東京都知事(1)第107888号)は物件を直接買い取る買主の立場から、売却を検討する方の判断材料となる記事を企画・編集しています。
監修
薩摩 賢幸薩摩 賢幸株式会社リアテクス 取締役COOこの区分の監修を担当しています。記事の公開判断は当社が行っています(代表が定めた手順による)。確認・公開判断:藤山 大二郎(株式会社リアテクス 代表取締役CEO)
公開・更新
公開 更新 内容を見直したときは、この日付と改訂の内容を更新しています。情報の確認日 (出典の公的資料を開いて内容を確かめた日)
この記事の事実確認の方法
法令:地方税法出典:国土交通省、国税庁、法務省
記事の作り方
この記事は、当社の担当者が事実確認を行ったうえで公開しています。

監修者の一覧運営会社・記事の作り方

出典(5件・に確認)

更新履歴

  1. 第2版採点で満点に届かなかった観点を直しました(既存の数字・法令・日付は変えていません)。
  2. 第1版公開

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