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検査済証がない家の売却|建築時の書類が無い実家

公開 更新

執筆
株式会社リアテクス リアテクス編集部
監修
株式会社リアテクス 取締役COO 薩摩 賢幸
検査済証がない家の売却|建築時の書類が無い実家

「実家を売りに出そうとしたら検査済証が見つからず、このままでは売れないと言われた」。検査済証が無くても売買契約も所有権の移転もできますが、買主が住宅ローンを組みにくく、買った後の増築や大規模の修繕で確認申請が通りにくいため、同じ立地の家より成約価格は下がります。

当社は検査済証のない木造住宅を現況のまま買い取り、台帳と現況の照合は当社の費用で行います。特定行政庁から是正の指導を受けていて内容と負担が決まっていない建物は、価格を下げてもお引き受けできません。この家が買い取れるかどうかだけ、先に聞く(無料)

目次(9章)

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検査済証が手元に無くても、その建物を売ること自体はできます。所有権の移転登記もできますし、売買契約も成立します。止まるのは買主の側で、住宅ローンの審査と、買った後に増築や大規模な修繕をするときの確認申請がそこで引っかかります。結果として買える人の層が絞られ、その分が価格に出ます。最初に分けるのは、完了検査そのものを受けていないのか、検査は受けたが紙を失くしただけなのかという点で、これは物件のある市区町村の建築指導課で確かめられます。

検査済証がない家の売却の要点を、定義・この記事でわかること・よくある質問の順に短くまとめた動画です。

検査済証がない建物の売却で、最初に置く3つの書類

仲介会社の担当者から確認済証と検査済証の有無を聞かれ、実家の権利証の袋を開けてみたら、色の変わった確認済証が一枚だけ出てきた。相談として多いのはこの形で、続けて出てくる質問はたいてい「再発行してもらえるのか」です。

検査済証は再交付されず、代わりに台帳の記録を取りに行く

完了検査に合格すると、建築主事または指定確認検査機関から検査済証が交付されます(建築基準法(e-Gov法令検索)第7条第5項、第7条の2第5項)。交付されるのは検査に通ったその一度きりで、紛失した場合に再び発行してもらう制度はありません。建て主が受け取った紙が唯一の原本という扱いで、これは昭和に建てられた家でも、数年前に建てられた家でも変わりません。

ただし、確認と検査を行った記録そのものは特定行政庁の建築確認台帳に残されています。台帳に検査済証の交付年月日と番号が記録されていれば、台帳記載事項証明書という書面で「検査に合格した事実があったこと」を示せます。紙が無いことと、検査を受けていないことは別の話で、この二つを分けないまま売却の判断に入ると、必要のない調査に費用をかけたり、逆に説明すべきことを説明しないまま契約を結んだりします。

確認済証・検査済証・台帳記載事項証明書は、示すものが違う

書類何を示すもの手に入れ方
確認済証着工前の設計が建築基準関係規定に適合していたこと再交付なし。台帳に記録があれば証明書で代替
検査済証完成した建物が完了検査に合格したこと再交付なし。同じく台帳の記録で代替
台帳記載事項証明書確認・検査の記録が台帳に残っていること物件所在地の特定行政庁の建築指導課で請求

確認済証だけが残っている家は、設計の段階までは見られたが、完成後に検査を受けたかどうかが分からない状態です。買主や金融機関が知りたいのは完成後の方なので、確認済証があることは安心材料になりきりません。台帳記載事項証明書を取ったうえで、そこに完了検査の欄が埋まっているかどうかを見る、という順番になります。

契約も登記も止まらず、止まるのは買主の資金と将来の工事

検査済証は、売買契約の成立要件でも、所有権移転登記の添付書類でもありません。すでに登記されている建物であれば、名義を移す手続きに建築時の書類は要りません。宅地建物取引業者が既存の建物を仲介または売買する場合、確認済証や検査済証などの書類が保存されているかどうかを重要事項として説明する義務がありますが(宅地建物取引業法第35条第1項第6号の2)、これは「保存されていない」と説明すれば足りるもので、無いことが取引を禁じる規定ではありません。

検査済証がない場合の確認手順

代わりの証明書を取得するまで

  1. 1

    検査済証の有無

    紛失した場合でも再交付の制度はない

  2. 2

    台帳の記録を確認

    特定行政庁の建築確認台帳に記録があるか調べる

  3. 3

    証明書で代替

    記録があれば台帳記載事項証明書で合格の事実を示せる

つまり、売れるかどうかを決めているのは法律上の可否ではなく、その価格で買える人がどれだけいるかという一点です。買主が現金で買い、当面は手を入れずに使うなら影響はほとんど出ません。一方で、住宅ローンを使い、入居前に水回りを入れ替えて間取りも変えたいという買主にとっては、検査済証が無いことが資金計画と工事計画の両方に効いてきます。

3つの書類が発行されるタイミング

書類の役割と取得時期の違い

  1. 着工前

    確認済証の交付

    設計が規定に適合していることを示す。再交付なし。

  2. 建物完成後

    検査済証の交付

    完了検査に合格したことを示す。一度きりで再交付なし。

  3. 書類紛失・売却時

    台帳記載事項証明書の取得

    台帳の記録から検査合格の事実を示す。建築指導課で請求。

※検査済証は再交付されません

「検査済証がない建物の売却で、最初に置く3つの書類」について、そのまま聞けます。

検査済証がないと、売却の何が変わるのか

夫婦がリビングのソファに座り、お互いの顔を見ながら話し合っている

買主が現れて話が進み始めた後で、検査済証の話が持ち上がることがあります。多くは買主が金融機関に事前審査を出した段階か、リフォームの見積もりを取った段階です。ここで何が起きるかを先に知っておくと、売り出す前に決めておくべきことが見えます。

1. 買主の住宅ローンが通りにくくなる

金融機関は担保に取る建物について、建築基準関係規定に適合していることを確認しようとします。検査済証はその確認をいちばん簡単に済ませられる書類なので、提出できないと審査の扱いが変わります。融資を断る金融機関もあれば、台帳記載事項証明書で足りるとする金融機関、建物の評価をゼロにして土地だけを担保とみなし融資額を下げる金融機関もあります。

ここで重要なのは、扱いが金融機関ごとに違うという点です。買主が最初に相談した銀行で断られても、別の銀行では通ることがあります。売主の側でできるのは、台帳記載事項証明書を先に取っておき、買主が事前審査に添えられる状態にしておくことです。これがあるかないかで、審査に出してから結論が出るまでの時間も変わります。

2. 増築と大規模の修繕の確認申請が出せない

既存の建物に増築する場合や、大規模の修繕・模様替えをする場合、確認申請では既存部分が適法であることを前提に審査されます。検査済証が無いと既存部分の適法性を示す資料が無いため、申請が受け付けられないか、後述する適合状況の調査報告を求められます。買主が二世帯化や離れの増築を考えている場合、この段階で話が止まります。

範囲は2025年4月1日に広がりました。同日施行の改正建築基準法により、これまで建築士が設計した木造2階建て住宅などで審査が省略されていた区分が見直され、多くの木造2階建ては新2号建築物として確認の対象になり、大規模の修繕・模様替えにも確認申請が必要になりました(国土交通省建築確認・検査の対象となる建築物の規模等の見直し)。柱や梁、屋根の過半に手を入れる規模の工事を買主が計画している場合、以前なら確認申請が不要で通っていた工事が、いまは申請の対象に入ります。

検査済証がないことで生じる主な影響

  • 住宅ローン審査の分岐

    金融機関により融資不可、証明書で可、土地のみ担保に分かれる。

  • 融資額の減額リスク

    建物の評価がゼロとみなされ、土地のみの担保評価で融資額が下がる。

  • 増築・大規模修繕の制限

    既存部分の適法性が示せず、確認申請が通らないか適合状況調査が必要。

  • 木造2階建ての規制強化

    2025年4月以降、大規模修繕にも確認申請が必要になり影響範囲が拡大。

3. 買える人が絞られ、その分が価格に出る

住宅ローンを使えない、あるいは使えても減額されるとなると、買主は自己資金の比率を上げるしかありません。そのため現金で買える層、解体して建て直す前提の層、買取業者に候補が寄ります。競合が減れば、提示される金額は下がります。下がり方は「検査済証がないから何割引き」という決まった率ではなく、その土地で建て直したときに同じ規模の家が建つかどうか、建物を使い続けられる状態かどうかで幅が出ます。

周辺で実際に成約した価格の水準は、国土交通省が公表している成約価格の情報で、地域と面積帯を指定して調べられます(調べ方は後の「現金で買える買主を前提に、仲介で出す」に書きます)。そこに出てくるのは主に一般の買主が買った価格なので、検査済証が無い建物の実際の手取りはそれより下に着地します。水準を知る材料として使い、その線からどれだけ引かれているかを業者に説明させる形が現実的です。

検査済証がない理由で、その後の売却の進め方が分かれる

家族が和室の座卓を囲んで座り、うなずきながら相談している

台帳記載事項証明書が手元に届いた時点で、状況は三つのどれかに定まります。証明書の「完了検査」の欄に日付と番号が入っているか、確認だけの記録で止まっているか、そもそも台帳に該当が見つからないか。ここから先の段取りは、どれに当たったかで変わります。

1. 台帳に検査済証の記録があり、書類だけ失くしている場合

いちばん軽い状態です。検査を受けて合格した事実が公的な記録で示せるので、買主の金融機関にもそれを出せます。取引の場面で追加の調査を求められることは多くありません。売り方も通常の中古住宅と同じで、仲介で時間をかけて買主を探す選択が取れます。

注意が要るのは、検査後に増築や改造をしている場合です。検査済証の記録は、あくまで検査を受けた時点の建物についてのものです。その後に車庫や離れを建てていれば、現況は記録された建物と別物になっています。証明書が出たことで安心して現況の確認を飛ばすと、契約後に買主の調査で違いが出てきます。

2. 確認の記録はあるが、完了検査を受けていない場合

昭和から平成の初めにかけて建てられた木造住宅では、確認を受けて着工したものの、完成後に検査を申請しないまま使い始めた例が珍しくありません。この場合、建物が確認どおりに建っているかどうかを誰も見ていない状態です。設計の段階では適合していたので、そのまま建っていれば問題はありませんが、それを示す資料が無いという位置づけになります。

台帳の記録から分かれる3つの進め方

証明書の内容で変わる次の行動

  1. 1

    検査済証の記録あり

    公的な記録で示せるため通常の中古住宅と同じく売れる

  2. 2

    確認のみで検査なし

    買主が融資と工事を予定する場合のみ適合状況調査を検討

  3. 3

    台帳に記録なし

    古い年代の建物では台帳に該当が見つからないことがある

売却の場面では、買主がどこまで確認を求めるかで分かれます。解体を前提とする買主なら建物の適法性は問題になりませんし、当面そのまま使う買主でも、現金であれば調査を省く判断をすることがあります。買主が融資と工事の両方を予定しているときだけ、適合状況の調査が現実的な選択肢に上がります。

3. 台帳に記録が無い、または現況が図面と違う場合

台帳そのものの保存期間や保存形態は特定行政庁ごとに違い、古い年代の記録が残っていない地域もあります。記録が見つからないことが、確認を受けていないことの証明になるわけではありません。一方で、確認を受けないまま建てた建物や、確認を受けた後に建蔽率・容積率を超える増築をした建物も、同じように記録が出てこない形になります。

建てた当時は適法で、その後の法改正や用途地域の変更で現在の規定に合わなくなった建物は既存不適格と呼ばれ、建てた時点から規定に反していた違法建築とは扱いが違います。どちらに当たるかで、買主が受ける制約も、是正を求められる可能性も変わります。この区別は「既存不適格と違法建築の違い」の記事に整理しています。

「検査済証がない理由で、その後の売却の進め方が分かれる」について、そのまま聞けます。

検査済証がない実家の売却で、先に片づける4つ

押し入れの前に立つ男性の後ろ姿

売り出す前の数週間でできる作業から順に並べます。どれも建築士や業者に頼まなくても、相続人自身で進められる範囲です。ここを終えてから査定に出すと、返ってくる金額の前提がそろいます。

1. 台帳記載事項証明書を、物件所在地の建築指導課で請求する

請求先は、その建物を所管する特定行政庁です。都道府県の建築事務所か、建築主事を置く市の建築指導課になります。窓口では建築場所の地名地番、建てた時期、建築主の氏名を聞かれるので、登記事項証明書と固定資産税の課税明細書を持って行くと照合が早く進みます。

手数料の額、郵送での請求の可否、電話での事前照会に応じるかどうかは自治体ごとに決まりが違います。遠方の実家であれば、まず建築指導課に電話をして、郵送で請求できるか、何を同封すればよいかを確かめるところから始めてください。台帳の年代によっては、窓口で当日その場では出せず、書庫から探す時間を求められることもあります。

先に集める4つの書類と作業

査定に出す前の準備

  • 請求先を確かめる

    都道府県の建築事務所か市の建築指導課へ

  • 事前照会をする

    手数料や郵送可否、同封物を電話で確認する

  • 持ち物をそろえる

    登記事項証明書と固定資産税の課税明細書

  • 窓口で情報を伝える

    地名地番、建築時期、建築主の氏名を伝える

2. 確認済証の副本と設計図書を、実家と工務店の両方で探す

実家に残っているとすれば、権利証と一緒の袋、仏壇の引き出し、金庫、押し入れの上段の箱です。建築確認申請書の副本は表紙に確認番号が書かれているので、台帳の照合にそのまま使えます。手元で見つからない場合、建てた工務店や設計事務所に控えが残っていることがあります。会社が残っていれば、当時の担当者の名前が分からなくても、住所と建築年で探してもらえることがあります。

設計図書、特に平面図と立面図が残っているかどうかは、後から調査を掛けるかどうかを決めるときに効いてきます。図面が無ければ、調査の前に現地を実測して図面を起こす作業が要るため、費用も期間も増えます。

3. 課税明細・登記・確認申請の床面積を並べ、増築の有無を確かめる

三つの数字を並べると、増築があったかどうかの見当が付きます。固定資産税の課税明細書に載っている家屋の床面積、登記事項証明書の表題部の床面積、確認申請の副本にある延べ面積です。課税明細の数字だけが大きい場合、登記されていない増築部分がある可能性があります。

現地では、外壁の色や質感が途中で変わっている箇所、基礎の高さが揃っていない箇所、天井の高さが部屋ごとに違う箇所を見てください。増築の継ぎ目はそこに出ます。増築部分の存在が分かっていれば、買主に説明できますし、買取の査定でも後から金額が動く要因を減らせます。

4. 相続登記を終えて、売主を確定させる

相続登記の申請は、いまは義務です。期限は、相続で不動産を取得したと知った日から3年。2024年4月1日より前に知っていた方は2027年3月31日までが期限になります(相続登記の申請義務化について(法務省))。台帳の照会や図面探しに数か月を使っているうちに、この日付が目の前に来ていることがあります。

義務である以前に、名義が被相続人のままでは決済の日に所有権を買主へ移せません。戸籍を集めて遺産分割の協議をまとめるまでに数か月かかることもあり、そこが売却全体の日程を決めます。相続から引渡しまでの並べ方は「実家 空き家 売却の順番」の記事に書いています。

検査済証がないまま売るか、調査をしてから売却するか

書類がそろったら、出口は仲介・現況のままの買取・解体の三つです。どれを選ぶかは、建物を残して使う買主を狙うのか、土地として渡すのかで決まります。その前に決めることが一つあり、適合状況の調査を掛ける意味があるかどうかを、想定する買主から判断します。

1. 建築基準法12条5項の調査を掛けるかどうかを、買主の想定で決める

特定行政庁や建築主事は、建築物の所有者などに対し、その建物の敷地・構造・用途に関する報告を求めることができます(建築基準法第12条第5項)。国土交通省が2014年に示したガイドラインは、この報告の仕組みを使い、指定確認検査機関などが現況を調査して適合状況の報告書を作る手順を整理したものです。報告書があれば、増築や用途変更の確認申請で既存部分の適法性を説明する材料になります。

適合状況調査の有無と買主の層

調査が有効なケースと不要なケース

観点適合状況調査を掛ける調査を掛けない
想定する買主建物を残して増改築する買主解体を前提とする買主
報告書の価値既存部分の適法性を説明する材料になる価値がない
費用と期間建物の規模や図面の有無などで変わるかからない
不適合が判明した場合買主への説明事項に加わり価格が下がることも調査しないため発生しない

意味があるのは、買主が建物を残して増改築する前提のときです。解体を前提とする買主にとっては報告書に価値がありません。費用と期間は建物の規模、図面が残っているか、現況が図面とどれだけ違うかで変わり、調査の結果として不適合が判明した場合、その内容は買主への説明事項に加わります。売主が費用を負担して調べ、出てきた内容が価格を下げる方向に働くこともあるので、掛ける前に誰に売るのかを決めてください。

2. 現金で買える買主を前提に、仲介で出す

建物の状態がよく、そのまま住める家であれば、住宅ローンを使わない買主を待つ売り方があります。価格は買取より高くなりますが、期間が読めません。内覧のたびに現地を開ける必要があり、遠方に住んでいれば交通費と時間がかかります。売り出してから買主が見つかるまでの間も、固定資産税と火災保険料、電気水道の基本料金は出ていきます。いくらで出すかを決める前に、周辺で実際に成約した水準を見てください。不動産情報ライブラリ(国土交通省)で地域と面積帯を指定すれば調べられます。

調査の判断から売り方を選ぶ手順

出口を見据えた段取り

  1. 1

    増改築する買主を狙う

    建築基準法12条5項の適合状況調査を掛ける

  2. 2

    現金で買える買主を待つ

    調査を省き、そのまま住める家として仲介で出す

  3. 3

    現況のまま買取に渡す

    不確定要素を買主が抱えるため金額は仲介より下がる

  4. 4

    解体して土地として売る

    解体を前提とする買主には調査報告書の価値がない

3. 現況のまま買取に渡す

残置物も傷みもそのままで引き渡せる代わりに、金額は仲介での成約想定額より下がります。検査済証が無いことによる不確定を、買った側が抱えるためです。この差がどこから来るかは「空き家を買取で売るデメリット」の記事に、片付けや修繕をせずに渡せる範囲は「空き家をそのまま売る方法」の記事に書いています。

4. 解体して土地として売る

建物を壊せば、検査済証の問題そのものが消えます。ただし更地にすると住宅用地の課税標準の特例が外れ、翌年の固定資産税の負担が上がります。解体費用の相場と、更地と古家付きの手取りの差は「空き家の解体費用はいくらかかるか」の記事と「古家付き土地の売却」の記事にまとめました。なお、解体しても接道の条件が満たされていなければ建て直しはできず、それは検査済証とは別の論点です。

この記事の税務・法務に関する記載は一般的な情報提供であり、個別の事案についての判断ではありません。建物が現行の規定に適合しているかどうかは、物件を所管する特定行政庁の建築指導課、または調査を行う建築士や指定確認検査機関の判断になります。登記は司法書士、税額は税務署または税理士にご確認ください。当社は不動産の買主であり、行政への手続や法律の代理はできません。

「検査済証がないまま売るか、調査をしてから売却するか」について、そのまま聞けます。

当社が検査済証のない家を買い取るときに、先に決める3点

当社が買い取る条件・買い取れない条件と、実際の買取事例は「当社の買取基準」にまとめています。

検査済証がない物件で、当社の価格が下がる場合とお引き受けできない場合

査定の途中で金額が下がる方向に動くのは、現況と記録の差が大きいと分かったときです。逆に、差の内容がはっきりしていれば、下がり幅も先に示せます。

1. 価格が下がるのは、建て直したときの規模が落ちる場合です

いま建っている家が、現行の建蔽率・容積率・高さ制限・斜線制限に照らして同じ規模では建てられない場合、土地としての評価が落ちます。増築を重ねて容積率を超えている家、道路の幅員が足りず容積率が制限される家、後から用途地域が変わって高さが抑えられた家がこれに当たります。建物を残す前提が立たないため、下がり幅も大きくなります。

価格が下がる場合と引き受け不可の条件

査定額に影響する要因

  • 是正の指導や命令

    是正内容と費用の負担が決まっていない建物

  • 高さ2m超の擁壁

    築造記録がなく、せり出しやひび割れがある

  • 賃貸中で用途が違う

    確認を受けた用途と違い、退去の目処がない

2. お引き受けできない場合

  • 特定行政庁から是正の指導や命令を受けていて、是正すべき内容と費用の負担が決まっていない建物
  • 高さ2メートルを超える擁壁の上に建っていて、擁壁を築造したときの記録が無く、現況でせり出しやひび割れが出ている場合
  • 建物を賃貸中で、現況の用途が確認を受けた用途と違い、賃借人の退去の目処が立っていない場合

是正の指導と擁壁については、行政や専門家の判断が出るまで、修繕の範囲も費用も見積もれません。価格を下げて引き受ける形にすると、後から当社が売主に追加の負担をお願いすることになるので、その段階ではお断りしています。指導の内容が文書で示され、是正の方法が決まった後であれば、あらためて査定できます。賃貸中の一棟物件について空室と満室のどちらで出すかの判断は、「老朽アパート・一棟物件をどう手放すか」の記事に書いています。

「検査済証がない物件で、当社の価格が下がる場合とお引き受けできない場合」について、そのまま聞けます。

検査済証がない実家の売却で、先に確定させる3つ

  • 検査済証が無いことと、検査を受けていないことは別です。 紙は再交付されませんが、台帳に記録があれば台帳記載事項証明書で検査済みの事実を示せます。まず物件所在地の建築指導課で証明書を請求し、完了検査の欄が埋まっているかどうかを見てください。
  • 売却で止まるのは、買主の住宅ローンと将来の工事です。 金融機関ごとに扱いが違い、台帳記載事項証明書で足りることもあります。2025年4月1日施行の改正で木造2階建ての大規模の修繕・模様替えも確認申請の対象に入ったため、買主が手を入れる計画を持っているほど影響が出ます。
  • 調査を掛けるかどうかは、誰に売るかを決めてから判断します。 建築基準法12条5項の報告を使った適合状況の調査は、建物を残して増改築する買主にだけ意味があり、解体前提の買主には効きません。費用を出して調べた結果が、価格を下げる材料になることもあります。

検査済証のない木造住宅は、現況のまま買い取ります。台帳の記録と現況の照合にかかる費用は当社が持ちます。そのかわり、建物を残せない前提の価格になる場合があり、その額は時間をかけて現金の買主を探した場合より低くなります。

査定は無料・売却の義務なし
0120-996-748受付時間10:00〜19:00(水・日曜定休)

通話料無料・全国対応

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検査済証がない建物の売却について、よくある質問

Q1. 検査済証を再発行してもらうことはできますか

再発行の制度はありません。交付されるのは完了検査に合格した時点の一度だけで、紛失しても同じ書面を出し直してもらうことはできません。代わりに使えるのが、特定行政庁が発行する台帳記載事項証明書です。台帳に検査済証の交付年月日と番号が記録されていれば、検査に合格した事実はそれで示せます。 台帳の保存期間や記録の残り方は自治体で違うため、古い年代の建物では該当が見つからないこともあります。

Q2. 検査済証がない家は、住宅ローンを使う買主には売れませんか

売れないと決まってはいません。融資の可否は金融機関ごとの判断で、台帳記載事項証明書で足りるところ、建物の評価をゼロにして土地だけを担保とみなすところ、取り扱わないところがあります。売主の側でできるのは、証明書を先に取って買主が事前審査に添えられる状態にしておくことです。 それだけで審査に出してから結論が出るまでの時間が短くなり、途中で話が止まる場面が減ります。

Q3. 検査済証がないと、違法建築ということになりますか

なりません。完了検査を申請しなかっただけで、建物自体は確認どおりに建っている例が多くあります。問題になるのは、確認を受けた後に増築して建蔽率や容積率を超えている場合と、確認を受けずに建てた場合です。建てた当時は適法で、その後の法改正で現在の規定に合わなくなった既存不適格は、違法建築とは扱いが違います。 どちらに当たるかで買主が受ける制約が変わるので、「既存不適格と違法建築の違い」の記事で先に区別を確かめてください。

Q4. 検査済証がないことと、再建築不可であることは同じですか

別のことです。再建築不可は、敷地が幅員4メートル以上の道路に2メートル以上接していないなど、接道の条件を満たしていないために建て直しができない状態を指します。検査済証は建てたときの検査の記録の話なので、接道が足りている土地なら、検査済証が無くても建て直せます。建物を壊せば消える問題か、土地に残る問題かという違いです。 接道が足りない場合の出口は「再建築不可物件はなぜ売りにくいのか」の記事にまとめています。

Q5. 検査済証がない実家を、店舗や事務所に貸すことはできますか

用途を変えて使う場合、規模によっては用途変更の確認申請が必要になり、その審査では既存部分の適法性が前提になります。検査済証が無いと、そこで建築基準法12条5項の報告を使った適合状況の調査を求められることがあります。住宅のまま貸すのであれば確認申請は要りませんが、賃貸に出した後で売る判断に変えると、借家人がいる状態での売却になり、買主の層がさらに絞られます。 貸すか売るかは、戻せる選択かどうかも含めて決めてください。

Q6. 遠方の実家で、建築指導課の窓口まで行けません

台帳記載事項証明書は郵送で請求できる自治体が多く、まず電話で必要書類と手数料の納め方を確認するところから始められます。売買契約と決済も、郵送と委任で進められる部分があります。現地に行く回数を減らすなら、鍵の預け先と、増築の有無を確認する人を先に決めておくことです。 現地に行かずに売却を終えるまでの段取りは「遠方の実家を行かずに売却する方法」の記事に書いています。

当社の見方

建築当時の書類が見当たらないというご相談で、当社が売主さまに求めていないことを書いておきます。役所で記録を取り直してきていただくことも、図面を作り直していただくことも、買い取りの条件にはしていません。台帳に記録が残っているかどうかの確認は、当社の側で行います。手元に何も無い状態のままご相談いただいて構いません。

かわりに見せていただけると助かるのは、固定資産税の納税通知書です。課税されている床面積と登記の面積のずれから、増築の有無に見当がつきます。書類が揃うのを待って売り時を逃すより、揃わないままの前提で出した金額を先にご覧いただくほうが、判断の材料になります。ご契約までの目安は1〜2週間、お引き渡しは早ければ2週間以内で、ご入金はお引き渡しと同じ日になります。

当社が買い取る物件・お断りする物件と、買取価格の決まり方は、当社の買取事例76件の内訳とあわせて当社の買取基準にまとめています。

この記事について

執筆・編集
リアテクス編集部株式会社リアテクス当社(宅地建物取引業 東京都知事(1)第107888号)は物件を直接買い取る買主の立場から、売却を検討する方の判断材料となる記事を企画・編集しています。
監修
薩摩 賢幸薩摩 賢幸株式会社リアテクス 取締役COOこの区分の監修を担当しています。記事の公開判断は当社が行っています(代表が定めた手順による)。確認・公開判断:藤山 大二郎(株式会社リアテクス 代表取締役CEO)
公開・更新
公開 更新 内容を見直したときは、この日付と改訂の内容を更新しています。情報の確認日 (出典の公的資料を開いて内容を確かめた日)
この記事の事実確認の方法
法令:建築基準法出典:法務省、国土交通省
記事の作り方
この記事は、当社の担当者が事実確認を行ったうえで公開しています。

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更新履歴

  1. 第1版公開

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