増築した部分が建ぺい率をはみ出している。検査済証が家のどこにも見当たらない。この状態で売れるかどうかは、建てた時点で適法だったかどうかで分かれます。適法に建てたあとで基準が変わったなら既存不適格です。建てた時点の基準に反していたなら違法建築です。どちらも売買そのものは禁じられていません。分かれるのは、住宅ローンが付くか、買主が誰になるか、是正の費用を誰が持つかの3点です。
任意売却
既存不適格と 違法建築の 違い |売却と ローンの 可否を 分ける
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「増築した部分が建ぺい率をはみ出していると言われた。この家は売れるのか」。違法建築でも売買そのものは禁じられておらず、現金の買主か事業者であれば成立します。分かれるのは住宅ローンの可否と、是正費用を誰が負担するかです。
当社は増築部分が残ったまま、検査済証が無いままの建物も買主として直接買い取ります。そのぶん価格は仲介での成約想定額より低く、隣地への越境が未整理の物件はお引き受けできません。この家が買い取れるかどうかだけ、先に聞く(無料)
目次(6章)
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既存不適格と 違法建築の 違いは、 いつ 基準から 外れたか
既存不適格は、 建てた あとに 基準が 変わった 建物
建築基準法3条2項は、法令が改正された時点で現に存する建物について、新しい規定を適用しないと定めています(建築基準法(e-Gov法令検索))。この扱いを受けるのが既存不適格建築物です。適法に建てた建物が、あとから来た基準に合わなくなっただけです。住み続けられます。貸せます。売ることもできます。
基準が動く原因は、いくつかの型に分かれます。都市計画の見直しで、容積率や建ぺい率の指定が下がった。用途地域が変わり、いまの使い方では新たに建てられなくなった。前面道路の扱いが変わり、接道の条件から外れた。耐震の基準が変わった。1981年6月1日より前に確認を受けた建物は、現行の耐震規定には適合していません。
ただし、この緩和が及ぶのは現在の建物までです。増築や建て替えをするときは、原則として現行の基準に合わせます。同じ大きさでは建て直せない、という形になります。容積率の指定が300%から200%に下がった土地なら、建て替え後の延べ面積は3分の2に縮みます。
容積率や用途地域の変更など基準が動く原因
基準が動く主な原因
容積率・建ぺい率の低下
建て替え後の延べ面積が縮むか、同じ建築面積では建て直せない。
用途地域の変更
いまの使い方では新たに建てられなくなるが、融資は下りることがある。
前面道路の扱いの変更
道路とされていた通路が対象外になり、接道の条件から外れる。
耐震基準の変更
1981年6月1日より前に確認を受けた建物は現行規定に適合しない。
既存不適格が生じる原因を、改正の種類で分ける。どの改正や指定によって基準から外れたかで、売却での扱いが変わります。主な原因は次の8つです。
- 指定容積率の引き下げ:建築時は300%でも現在は200%など。建て替えると延べ面積が縮みます
- 指定建ぺい率の引き下げ:建築時80%が現在60%など。同じ建築面積では建て直せません
- 用途地域の変更:当時は建てられた用途が現在は不可。現況が建築時の数値どおりであれば融資が下りることもあります
- 前面道路の幅員や種別の扱いの変更:道路として扱われていた通路が対象から外れ、接道を満たさなくなる場合があります
- 耐震基準の改正(1981年6月1日):旧耐震のままの建物は、築年数の基準で融資を断られることがあります
- 斜線制限・高さ制限の追加:現況の高さが超過していると、上階を削らないかぎり同じ規模では建ちません
- 日影規制の指定:隣地への日影が現行の基準を超え、配置を変えた設計になります
- 敷地面積の最低限度の指定:敷地が最低限度を下回っていると、分割して売る出口が消えます
原因が容積率や建ぺい率の超過に関わるものは、既存不適格であっても金融機関の評価が下がります。用途地域の変更だけが理由で、現況が建築時の数値どおりなら、評価の下げ幅は小さくなります。どの原因にあたるかは、建築計画概要書の数値と、現在の指定を並べれば分かります。
違法建築は、 建てた 時点の 基準に 反していた 建物
違法建築は、建てたときから基準に合っていない建物です。確認を受けずに建てた場合と、確認とは違う内容で建てた場合が典型になります。件数として多いのは、後から足した増築です。
検査済証が無いことと、違法建築であることは別の話です。完了検査を申請することは建築基準法7条の義務ですが、検査を受けていない建物のすべてが基準に反しているわけではありません。ただし、適合していることを示す書類はありません。買主から見れば、違反があるかどうかを確かめられない状態です。
両者の差は、法律上の扱いから売却時の融資まで一本につながっています。
| 比べる点 | 既存不適格 | 違法建築 |
|---|---|---|
| 基準から外れた時期 | 建てたあとの法令改正 | 建てた時点、または無確認の増築 |
| 建築基準法の扱い | 3条2項で現行規定の適用外 | 9条の是正命令の対象になりうる |
| そのまま使えるか | 使える | 使えるが、命令が出れば従う |
| 増築・建て替え | 現行基準に合わせて計画する | 是正しないと確認が下りない |
| 住宅ローン | 内容によっては付く | 付かないことが多い |
違反として指摘される5つの事例。現地の調査で違反として挙がる中身は、おおむね次の5つに集まります。
- 無確認の増築:建築基準法6条の確認を受けずに床を足した状態。建築計画概要書より現況の延べ面積が広くなります
- 建ぺい率・容積率の超過:52条・53条に反する状態。屋根付きのテラスや、敷地いっぱいの車庫が典型です
- 確認と違う施工:図面は2階建てで現況は3階、小屋裏が居室になっている、といった確認内容との不一致
- 用途の制限違反:48条の用途地域の制限に反する使い方。住居専用地域での店舗営業や、無届の寄宿舎です
- 防火・避難・採光の不適合:28条・35条・61条ほかに反する状態。窓の小さい増築部分の居室、塞がれた避難経路
根拠になるのは法律だけではありません。東京都建築安全条例のように、路地状敷地の幅員や長屋の敷地条件を、建築基準法の数値より厳しく定めている自治体があります。法律の数値だけを見て適法と判断できないのはこのためです。条例の内容は自治体ごとに違うため、敷地のある区市町村の条例を見ることになります。
適法だった 家が、 途中で 違反状態に 変わる 経路
建てたときは問題がなかった家が、あとから違反状態になることがあります。多いのは次の経路です。
- 確認を受けずに増築した。防火地域と準防火地域の外で、増築部分が10平方メートル以内なら確認は不要です。それを超えると必要になります
- カーポートや物置を後から置いた。屋根と柱があるものは建築面積に入ります
- 車庫を居室や倉庫に変えた。車庫の床面積を延べ面積に算入しない緩和が外れます
- 2項道路の後退部分に、塀や物置を置いた
- 住宅を店舗や寄宿舎として使い始めた。用途を変える部分が200平方メートルを超えると確認が必要です
- 賃貸の戸数や間仕切りを増やし、採光や避難の規定から外れた
いずれも、工事をした本人ではなく、いまの所有者が説明を求められます。相続で引き継いだ家では、誰がいつ何を足したのか分からないことが普通です。接道そのものを満たしていない敷地では是正という道がなく、出口の作り方が別になります。その整理は「再建築不可物件はなぜ売りにくいのか」の記事にあります。
増築や建て替え時に現行基準に合わせることで面積が縮む仕組み
建て替え時の基準適用
- 1
建築時は適法
確認を受けて適法に建てられた状態
- 2
基準の変更
容積率の低下や1981年6月1日の耐震基準変更
- 3
現在は既存不適格
基準には合わないが、そのまま住む・貸す・売るは可能
- 4
建て替え時に制限
現行基準に合わせるため同じ大きさでは建て直せない
手元の 書類で、 どちらに あたるかを 順に 絞る
自分の物件がどちらなのかは、次の順で絞れます。
- 確認済証、または建築確認台帳に確認の記録があるか。どちらも無ければ、無確認で建てた可能性が残り、既存不適格とは言い切れません
- 記録があるなら、建築計画概要書の建築面積・延べ面積が、登記と課税明細の床面積と一致するか。一致しなければ、その差が増築部分です
- 増築があるなら、その工事で確認を受けているか。防火・準防火地域の外で10平方メートル以内なら確認は不要ですが、それを超えていて記録が無ければ違反状態です
- 増築が無く、数値だけが現行基準を超えているなら、超えた原因が改正か指定の変更か。指定容積率の引き下げや用途地域の変更が確認できれば既存不適格です
- 用途を変えて使っているなら、変えた部分の床面積と時期を確かめます。200平方メートルを超える用途変更は確認が必要です
1つの建物で、既存不適格と違反が同時に成り立つこともあります。旧耐震で容積率の指定も下がっている家に、無確認の増築が足されている、という組み合わせです。この場合、売却で効いてくるのは違反の側です。既存不適格の部分を説明できても、増築の扱いが決まらなければ買主は融資の相談に進めません。最終的に違反にあたるかどうかを判断するのは特定行政庁で、上の1から5の順は、窓口で聞く内容を整理するための手順です。
適法に建てられた建物が、法改正によって現行基準から外れるまでの経緯
既存不適格になるまでの時系列
建築時
当時の基準で適法
その時点の基準に適合して建てられている
建築後
法令や指定の変更
都市計画の見直しや耐震基準の変更が起きる
現在
既存不適格になる
基準から外れるが、そのまま住む・売ることができる
増築・建て替え時
現行の基準に合わせる
新しい基準が適用され、同じ大きさで建て直せない
「既存不適格と違法建築の違いは、いつ基準から外れたか」について、そのまま聞けます。
既存不適格と 違法建築で、 売却の 結果が 分かれる 5つの 点

同じ「基準に合っていない家」でも、売却の進み方は別物になります。値段だけの差ではありません。買える人が変わり、契約が壊れる場所も変わります。分かれ目は5つです。
1. 住宅ローンが 付くかどうか
| 建物の状態 | 金融機関の一般的な扱い |
|---|---|
| 検査済証があり、現況も確認どおり | 通常の審査に乗る |
| 用途地域の変更による既存不適格 | 付く場合がある。担保評価は下がる |
| 建ぺい率・容積率を超えている | 断られることが多い |
| 無確認の増築が残っている | 原則として対象外になる |
| 接道を満たしていない | 付かず、建て替えもできない |
金融機関は土地と建物を担保として評価します。違反があると、売れ残ったときの処分先が読めません。全期間固定のフラット35でも、技術基準として建築基準法など関係規定への適合が求められ、適合証明が取れない建物は利用できません(住宅金融支援機構)。
既存不適格は内容で判断が割れます。用途地域の変更だけが理由で、現況が建築時の基準どおりなら、融資が下りることがあります。旧耐震の建物は、築年数の基準で断られることがあります。すでに容積率を超えている建物は、既存不適格であっても厳しく見られます。
住宅ローンが残ったまま売る場合は、残債と提示額の差も同時に見ることになります。滞納が始まっている場合の時間の使い方は、「住宅ローンが払えない」の記事に書きました。
2. 買主が 誰に なるか
違反状態のまま買えるのは、融資を使わない人か、事業者です。現金で買う実需の方は一定数いますが、値段には敏感になります。事業者は、是正費用と再販までの期間を引いた金額を出します。
仲介で一般の買主を探す場合、宅地建物取引業者は建築基準法上の制限を重要事項として説明します。取引の判断に影響する違反の事実も、買主に告げる対象です(宅地建物取引業法35条・47条)。説明を受けた買主は、融資の相談でつまずきます。内覧は入るのに契約に至らない期間が、そこで生まれます。
買取ならその期間は発生しません。かわりに価格は仲介での成約想定額より低くなります。高い金額を出した会社が良い会社とは限らない理由は、「不動産買取の査定額が高い理由」の記事にあります。
住宅ローンや買主の層など売却結果が分かれる点
売却の結果が分かれる点
現金で買う実需の人
違反状態のまま買える一定数の層だが、値段には敏感になる。
事業者
是正費用と再販までの期間を引いた金額を出す。
一般の買主
重要事項として違反の事実を告げられ、融資の相談でつまずく。
3. 是正できるか、 費用が どこに 出るか
違反の中身によって、直せるかどうかが変わります。
- 増築部分を撤去すれば適法に戻る場合。除却費と、壊したあとの使い勝手で判断します
- 塀や外構が後退部分にある場合。撤去と作り直しで済むことが多い類型です
- 建物の本体が容積率を超えている場合。建物を削る工事になり、費用は解体に近づきます
- 接道を満たしていない場合。敷地の側を動かせないため、是正という言葉が当てはまりません
壊すと決める前に、壊したあとの価格を確かめてください。除却費を払っても、融資が付く状態には戻らないことがあります。見積書のどの行を見るかは、「空き家の解体費用はいくらかかるか」の記事に整理しています。
4. 告げなかった 事実に、 あとから 責任が 残る
違反を知りながら買主に伝えずに売ると、引渡しのあとに責任が残ります。契約不適合責任を負わない特約を結んだ場合でも、売主が知りながら告げなかった事実については、民法572条により責任を免れません。
買主が融資を断られ、その理由から違反を知る。実際にはこの順番が多く起きます。契約後に判明すれば、解除や損害賠償の協議になります。知っていることは、金額が下がっても先に出すほうが安全です。
当社に売る場合も同じです。分かっている増築や、役所から届いた文書は、査定の前にお伝えください。あとから出てくると、提示額を作り直すことになります。
5. 行政の 指導や 命令が 出ているか
特定行政庁は、建築基準法12条5項に基づいて所有者に報告を求めることができます。違反が確認されれば、9条により工事の停止、除却、改築、使用禁止などを命じられます。命令に従わない場合は代執行に進み、その費用は所有者に請求されます。
指導の段階と、命令が出ている段階では、売り方が変わります。指導の段階なら、内容を整理したうえで現況のまま売る選択肢が残ります。命令が出ている場合、買主は命令の内容を引き継ぐ前提で検討します。是正の範囲と期限が決まっていなければ、金額は出せません。
自分の物件に指導の記録があるかどうかは、建築指導を担当する窓口で確認できます。相続した家では、前の所有者あてに届いた文書が残っていないことがあります。窓口で聞くほうが確実です。
既存不適格物件の住宅ローン審査と買主に関する疑問
違反状態のままの家は、誰が買主になりますか?
融資を使わない現金購入の実需層か、買取を行う事業者になります。一般の買主は重要事項説明を受けた後の融資相談でつまずくためです。
- 現金購入の実需層:一定数いるが値段には敏感になる
- 事業者:是正費用と再販までの期間を引いた金額を出す
- 一般の買主:違反事実の説明を受け融資相談でつまずく
「既存不適格と違法建築で、売却の結果が分かれる5つの点」について、そのまま聞けます。
違法建築か 既存不適格かを 判別し、 売却を 決めるまでの 5手順

順番を間違えると、費用だけが先に出ます。図面を作る前、工事を発注する前に、書類で状態を確定させてください。5つの手順で足ります。
1. 建築計画概要書と 台帳記載事項証明書を 取る
| 取る資料 | 請求先 | 分かること |
|---|---|---|
| 建築計画概要書 | 特定行政庁の建築指導の窓口 | 確認を受けた時期、建築面積、延べ面積、配置 |
| 建築確認台帳記載事項証明書 | 同じ窓口 | 確認と完了検査の記録があるか |
| 建築確認済証・検査済証 | 手元の書類、権利証の袋の中 | 確認番号、検査を受けた日 |
| 登記事項証明書・建物図面 | 法務局 | 登記されている床面積と建物の形 |
| 課税明細書 | 手元の納税通知書 | 課税されている床面積と構造 |
建築計画概要書は、建築基準法93条の2により特定行政庁が閲覧に供している書類です。古い建物ほど、記録が見つからないことがあります。記録が無い場合、確認を受けずに建てた可能性と、保存期間を過ぎた可能性の両方があります。窓口でどちらなのかを聞いてください。
2. 検査済証の 有無を 確かめる
検査済証が見当たらない、という相談は多くあります。台帳に完了検査の記録があれば、検査済証そのものの再交付はできませんが、記録の証明は取れます。記録も無い場合、適合していることを書類で示す手段がありません。
国土交通省は、検査済証のない建築物について、指定確認検査機関などを使って基準への適合状況を調べる手順を示しています。費用と期間はかかります。増築や用途変更を予定する買主がいる場合に意味を持つ調査です。現況のまま買い取る相手に売るのであれば、そこまでの調査は要りません。
3. 登記・課税・概要書の 床面積を 突き合わせる
登記事項証明書の床面積、課税明細書の床面積、建築計画概要書の延べ面積を並べます。3つがそろっていれば、無断の増築が残っている可能性は下がります。ずれていれば、そこが増築部分です。
増築して床面積が変わったときは、不動産登記法51条により、変更があった日から1か月以内に建物の表題部の変更登記を申請する義務があります(不動産登記法(e-Gov法令検索))。未登記のままなら、決済までに登記を整える必要が出ます。増築の時期が分かる資料も探してください。工事の請求書、当時の写真、確定申告の控えなどが手がかりになります。
違法建築か既存不適格かを判別し売却を決めるための行動順序
売却を決めるまでの手順
- 1
3つの書類を集める
登記・課税・建築計画概要書の床面積を並べる
- 2
数字を比べる
3つの書類に記載された面積が揃っているか確認する
- 3
揃っている場合
無断の増築が残っている可能性は下がる
- 4
ずれている場合
数字が合わない部分が無断で増築された箇所とわかる
4. 建築指導の 窓口で 5点を 聞く
窓口で確かめるのは、次の5点です。
- 前面道路の種別(建築基準法42条のどの項にあたる道路か)
- 前面道路の幅員と、後退が必要かどうか
- 敷地が接道の条件を満たしているか
- この建物について、指導や命令の記録があるか
- 増築部分について、是正を求められる見込みがあるか
違反かどうかを判断するのは行政です。不動産会社の見立てではありません。電話で地番を伝えれば、道路の種別だけなら答えてもらえることが多くあります。窓口が開いているのは平日なので、先にここだけ済ませておくと、その後の話が仮定の上で進みません。
5. 手取りの 金額を 2つ 作って 比べる
ここで金額を2つ作ります。1つは、是正してから仲介で売った場合の手取りです。除却や工事の見積を取り、想定成約額から工事費と仲介手数料を引きます。周辺で実際に成約した価格の水準は、国土交通省の不動産情報ライブラリで自分でも調べられます。
もう1つは、現況のまま買取で売った場合の手取りです。提示額から登記の実費と売買契約書の印紙代を引きます。工事は発生しません。片づけも要りません。
2つを並べたとき、差が工事費を下回ることがあります。その場合は、直さずに売るほうが手元に残ります。逆に、後退部分の塀を撤去するだけで融資が付く状態に戻るなら、直してから仲介に出すほうが有利です。判断の材料は、工事の見積書と、2つの手取りの金額です。
なお、この記事の法務・税務に関する記載は一般的な情報提供であり、個別の事案についての判断ではありません。違反にあたるかどうかの最終的な判断は特定行政庁、譲渡所得の計算は税務署または税理士、登記は司法書士、隣地との境界や越境は土地家屋調査士や弁護士にご確認ください。当社は不動産の買主であり、これらの代理はできません。
「違法建築か既存不適格かを判別し、売却を決めるまでの5手順」について、そのまま聞けます。
当社が 既存不適格・違法建築を 買い取る 条件と、 断る 場合
当社が買い取る条件・買い取れない条件と、実際の買取事例は「当社の買取基準」にまとめています。
「当社が既存不適格・違法建築を買い取る条件と、断る場合」について、そのまま聞けます。
既存不適格と 違法建築の 違いで、 売却前に 確定させる こと
- 分かれ目は時点です。 建てたあとに基準が変わったなら既存不適格、建てた時点で基準に反していたなら違法建築です。前者は建築基準法3条2項で現行規定の適用を受けず、後者は9条の是正命令の対象になり得ます。検査済証が無いことだけでは、どちらかは決まりません。
- 先に取るのは書類で、工事ではありません。 建築計画概要書と台帳記載事項証明書を窓口で取り、登記と課税明細の床面積を並べます。ずれた部分が増築です。指導や命令の記録の有無も、同じ窓口で確認できます。
- 比べる数字は2つです。 是正してから仲介で売った場合の手取りと、現況のまま買取で売った場合の手取り。前者から工事費と手数料を引いたとき、差が工事費を下回るなら、直さずに売るほうが残ります。
当社は買主として、増築部分が残ったまま、検査済証が無いままの建物を買い取ります。そのぶん価格は仲介での成約想定額より低くなります。是正の範囲が決まっていない物件と、隣地への越境が整理されていない物件は、価格を下げてもお引き受けできません。
通話料無料・全国対応
時間外と定休日のお電話も担当の携帯に転送されるので、直接責任者につながります。
この先は、当社の買取窓口「買取くん」のページです(運営は同じ株式会社リアテクスです)。
既存不適格と 違法建築の 売却で よく ある 質問
Q1. 検査済証が 見つかりません。 この 家は 違法建築ですか
それだけでは決まりません。完了検査を受けていない建物は、適合を示す書類が無いというだけで、内容が基準に反しているとは限らないためです。まず建築確認台帳記載事項証明書を取り、確認と完了検査の記録があるかを見てください。確認の記録があり、概要書の延べ面積と現況が一致していれば、違反の疑いは薄くなります。記録も一致も確かめないまま、違法だと決めて安く売る必要はありません。
Q2. 既存不適格の 家に、 買主の 住宅ローンは 使えますか
内容によります。用途地域の変更が理由で、現況が建築時の基準どおりであれば、審査に乗ることがあります。旧耐震の建物は築年数の基準で断られることがあり、すでに容積率を超えている建物は厳しく見られます。同じ既存不適格でも、原因が容積率か用途地域かで扱いが変わります。 金融機関に相談する前に、建築計画概要書で建築時の数値を確認しておくと、話が早く進みます。
Q3. 違反した 増築部分は、 壊してから 売るべきですか
壊したあとの価格を先に確かめてください。撤去によって融資の付く状態に戻り、その価格差が除却費を上回るなら、直してから仲介に出す判断が成り立ちます。戻らない場合、費用だけが出て買主の層は変わりません。接道を満たしていない敷地では、増築部分を壊しても再建築の可否は変わりません。比べ方は、上の「違法建築か既存不適格かを判別し、売却を決めるまでの5手順」の章にある「5. 手取りの金額を2つ作って比べる」に書いています。当社が買う場合、撤去は引渡し後に当社が行うため、売主が工事費を立て替える必要はありません。
Q4. 違反が ある ことを 買主に 言わずに 売ったら、 どうなりますか
契約不適合責任を負わない特約を結んでいても、売主が知りながら告げなかった事実については責任が残ります。民法572条の定めです(民法(e-Gov法令検索))。引渡しのあとに解除や損害賠償を求められる可能性があります。隠して高く売っても、その価格が確定しません。 増築の履歴、役所から届いた文書、過去に受けた指導は、査定の段階で出してください。金額が下がることはあっても、あとで覆る形にはなりません。
Q5. 既存不適格の 家を 建て 替えると、 同じ 大きさの 家が 建ちますか
多くの場合、小さくなります。建て替えは新築として扱われ、現行の容積率・建ぺい率・斜線制限が適用されるためです。容積率の指定が下がっていれば、延べ面積はその分だけ減ります。いま住んでいる家の大きさは、建て替え後の設計の根拠になりません。 相続した家で建て替えと売却を迷っている場合の比べ方は、「再建築不可の家を相続してしまったら」の記事にも書いています。
Q6. 役所から 是正を 求める 文書が 届きました。 売却できますか
文書の段階によって答えが変わります。報告を求める通知や指導の段階であれば、内容を整理したうえで現況のまま売る選択肢が残ります。除却や改築の命令が出ている段階では、是正の範囲と期限が決まっていることが前提になります。命令が出た物件を、内容を確認しないまま買う事業者はいません。 まず窓口で、何をどこまで戻せば命令が解けるのかを確認してください。その回答が出てから、金額の話を始めるほうが早く終わります。
当社の 見方
建てた当時から外れていたのか、あとから基準のほうが変わったのか。この区別を当社がどう扱っているかを書いておきます。値の付け方としては、どちらであっても同じです。当社が見るのは、今の状態のままで使える建物かどうかと、直すとしたらいくらかかるかの二点だけで、呼び名によって扱いを変えてはいません。
増築した部分を、売主さまのほうで先に取り壊していただく必要もありません。是正の工事をご負担いただいたうえで引き取る、という進め方は取っていないためです。当社が買主として自ら買い取る以上、その後の扱いを引き受けるのは当社になります。ですから、増築の時期と、そこで何をしたかを、ご存じの範囲でお話しいただくほうが値を組み立てやすくなります。分からない部分は、分からないままお伝えください。
当社が買い取る物件・お断りする物件と、買取価格の決まり方は、当社の買取事例76件の内訳とあわせて当社の買取基準にまとめています。
この記事について
- 執筆・編集
- リアテクス編集部株式会社リアテクス当社(宅地建物取引業 東京都知事(1)第107888号)は物件を直接買い取る買主の立場から、売却を検討する方の判断材料となる記事を企画・編集しています。
- 監修
鶴野 博之株式会社リアテクス 執行役員宅地建物取引士(東京)第257503号/賃貸不動産経営管理士/2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)この区分の監修を担当しています。記事の公開判断は当社が行っています(代表が定めた手順による)。確認・公開判断:藤山 大二郎(株式会社リアテクス 代表取締役CEO)- 公開・更新
- 公開 更新 内容を見直したときは、この日付と改訂の内容を更新しています。情報の確認日 (出典の公的資料を開いて内容を確かめた日)
- この記事の事実確認の方法
- 法令:建築基準法、不動産登記法、民法出典:住宅金融支援機構
- 記事の作り方
- この記事は、当社の担当者が事実確認を行ったうえで公開しています。
出典(7件・に確認)
更新履歴
- 第1版公開
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