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不動産の一括査定のデメリット|営業電話と届く情報

公開 更新

執筆
株式会社リアテクス リアテクス編集部
監修
株式会社リアテクス 取締役COO 薩摩 賢幸
不動産の一括査定のデメリット|営業電話と届く情報

「一括査定に申し込むと営業電話が何件も来ると聞いて、送信ボタンを押せずにいる」。送信した情報は提携先の不動産会社へ同時に渡るため、連絡をどこで受けるかを決めてから申し込むかどうかを選ぶことになります。並ぶ数字は売れる価格ではなく、各社が売り出してよいと考える価格です。

当社は買主として直接買い取るため、ご相談先は1社で、建物の傷みと残置物はそのままで金額をお出しします。期限がなく建物が住める状態の家は、仲介で時間をかけた方が手取りは多くなります。この家が買い取れるかどうかだけ、先に聞く(無料)

目次(9章)

先にこの家の買取価格のめどだけ知りたい方へ。

約1分で簡単査定を申し込む

この先は当社の買取窓口「買取くん」です。

取引態様:買主(当社が自ら買い取ります)/媒介(当社で買い取れない物件は、仲介で売却をお手伝いします)

不動産の一括査定のデメリットの要点を、定義・この記事でわかること・よくある質問の順に短くまとめた動画です。

不動産の一括査定を送信した直後に動き出すもの

送信ボタンを押した時点で、氏名と電話番号、物件の所在地が、提携する複数の不動産会社へ同時に渡ります。

夜に思い立って入力し、翌朝には着信が何件も入っていた。一括査定を使った方から最初に聞くのは、だいたいこの話です。画面に査定額の一覧が返ってくると思って送信すると、返ってくるのは数字ではなく人からの連絡になります。順番が逆なのです。先に連絡が来て、数字はその会話の中で出てきます。

入力した情報は、サイトではなく不動産会社へ渡る

一括査定サイトは、自分で現地を見て価格を出す会社ではありません。入力された内容を、提携している宅地建物取引業者へ取り次ぐ仕組みです。申込フォームで聞かれるのは、おおむね次の内容です。

  • 物件の所在地(丁目や番地まで入れる欄があります)
  • 種別(戸建て・マンション・土地)と土地と建物の面積
  • 築年と間取り
  • 現在の状況(空き家か、人が住んでいるか)
  • 所有者の氏名・電話番号・メールアドレス
  • 売却を考えている時期

会社側がまず見るのは、所在地と面積と築年です。この3つがあれば、周辺で実際に成約した事例と照らして、おおよその数字は作れます。現地を見ずに出すこの数字が、机上査定と呼ばれるものです。図面も写真もない段階の数字なので、雨漏りも傾きも残置物も反映されていません。査定の種類ごとに何が見られているかは「空き家の査定」の記事に書いています。

申込フォームで入力する主な項目

  • 物件の基本情報

    所在地、種別、土地と建物の面積

  • 建物の詳細

    築年、間取り、空き家か人が住んでいるか

  • 所有者の連絡先

    氏名、電話番号、メールアドレス

  • 売却の希望

    売却を考えている時期

この段階の数字は、各社の中では「この価格なら預かれる」という見立てに近いものです。現地で雨漏りや傾きが見つかれば下がり、室内が使える状態で設備も新しければ上がることがあります。机上の数字と訪問後の数字が2割前後動くのは、珍しいことではありません。届いた一覧は保存しておき、訪問査定が終わった後にどこがどう動いたかを並べてください。数字が動いた理由を説明できる会社と、理由を言わずに下げる会社の差が、ここで出ます。

同意のチェック欄が、情報の渡る範囲を決めている

申込画面の下にある小さなチェック欄が、情報の行き先を決めています。個人情報保護法第27条第1項は、本人の同意を得ないで個人データを第三者へ提供することを原則として禁じています(個人情報保護委員会)。サイトが提携先へ情報を渡せるのは、申込者がこのチェックで同意しているからです。

同意の範囲は利用規約に書かれています。渡る相手が「提携不動産会社」とだけ書かれ、社名は送信画面で初めて並ぶ形も多くあります。何社に送るかを選べるサイトもあれば、地域と物件の種別から自動で割り振られるサイトもあります。送信してから「やはり1社だけに」と戻すことはできません。ここは、押す前にしか選べない部分です。

社名の一覧が出る画面まで進んだら、そこで手を止めて会社名を控えておいてください。あとで連絡を止めるときに、どの会社に伝えればよいかの手がかりになります。

一括査定サイトから会社へ情報が渡る流れ

  1. 1

    売主がサイトへ入力

    所在地や面積などの情報を送信する

  2. 2

    サイトから複数社へ転送

    サイトは価格を出さず、提携会社へ情報を取り次ぐ

  3. 3

    各社から売主へ直接連絡

    会社から電話が入り、会話の中で査定額が提示される

サイトの収入は、申し込み1件ごとに発生する

売主は無料で使えます。では誰が費用を出しているかというと、情報を受け取る不動産会社です。申し込みが1件届いた時点で会社側に費用が発生する形(反響課金)と、媒介契約や売買が成立した時点で費用が発生する形(成約課金)があり、どちらを採るかはサイトごとに違います。

この構造を知っておくと、電話の早さの理由がわかります。反響課金の形では、費用をかけて受け取った1件を媒介契約まで運べなければ会社の持ち出しになります。だから折り返しが早く、回数も多くなります。担当者の人柄の問題ではありません。仕組みがそう動くようにできています。

同じ理由で、連絡の密度は物件の条件によっても変わります。駅に近い整形地なら各社が動きますが、山あいの集落にある築50年の家なら、連絡が1社も来ないこともあります。連絡が来ない場合、その会社が扱える範囲の外にあったということです。

氏名や電話番号を伏せたまま相場だけを見られる、匿名査定をうたうサービスもあります。連絡先を渡さずに済む代わりに、返ってくるのは周辺の取引から機械的に出した幅のある数字です。自分の家の傷み具合も、残っている家財の量も反映されません。相場の見当をつける用途では足りますが、その価格で買う相手がいるかどうかは別の話になります。連絡先を渡す前に地価の水準だけ知りたいのであれば、「1. 査定額・売出価格・成約価格は、別の数字である」の節で挙げる不動産情報ライブラリでも同じことができます。

返事をしないまま一括査定の連絡が続くとどうなるか

返事をしなくても、登録した情報は各社の見込み客の記録に残り、時期を変えた電話とダイレクトメールが続きます。

申し込みから1週間ほどで、最初の波は収まります。問題はそのあとです。送った情報は消えません。半年後、売り出し中の近隣物件のチラシに手書きのメモが添えられて届いたり、年明けに「その後いかがですか」と電話が入ったりします。売る気がないなら放っておけばよい、とは言いにくい状態が続きます。

連絡が重なったときの対応の違い

観点そのまま放置する留守番電話を設定する
着信履歴番号だけが積み上がる会社名と用件が残る
相手の特定どの会社からの連絡か分からない番号検索や録音で特定できる
その後の対応気力がなくなり全部無視しがち進めない相手にはメールで断れる

最初の数日は、電話の時間帯が重なる

複数社が同じ日に情報を受け取るので、架電の時間帯も重なります。平日の昼、夕方の帰宅時間、土曜の午前。どの会社も、売主がつかまりやすい時間を狙います。1社あたりの電話は常識的な回数でも、4社が同じ判断をすれば4倍になります。

勤務中に出られないまま着信だけが積み上がると、どの番号がどの会社かもわからなくなります。折り返す気力がなくなり、全部を無視する形になりがちです。この状態がいちばん消耗します。連絡を受ける手段を先に決めておけば、ここは避けられます。

着信に出られない時間が長い方は、留守番電話の応答を先に設定しておいてください。会社名と用件が残るので、折り返す相手をこちらで選べます。番号をそのまま検索すれば、どの会社からの連絡かも分かります。全社に折り返す必要はありません。進める気のない相手には、電話を返さずにメールで一度断れば足ります。

高い数字を出した会社から、話が先へ進む

数字が並ぶと、人は高い方へ気持ちが動きます。会社側もそれを知っています。査定の数字は売買の約束ではないので、高めに出すこと自体に法的な制限はかかりません。ここで結ばれるのが媒介契約です。

専任媒介契約と専属専任媒介契約の有効期間は、3か月を超えることができません(宅地建物取引業法第34条の2第3項)。専任媒介なら契約日から7日以内、専属専任媒介なら5日以内(いずれも休業日を除く)に、指定流通機構へ物件を登録する義務もあります。販売状況の報告は、専任媒介で2週間に1回以上、専属専任媒介で1週間に1回以上と決められています。

高い数字で媒介契約を結ぶと、その価格では反応が出ないまま1か月が過ぎ、2か月目に値下げの相談が来る、という流れになることがあります。3か月の期間が終わるころには、最初の数字より下がった価格で売り出している。珍しい話ではありません。数字の高さだけで選んだときに起きやすい形です。

媒介契約には3つの型があります。一般媒介は複数社に同時に頼める形、専任媒介は1社に任せたうえで自分が見つけた相手とは直接契約できる形、専属専任媒介は自分で見つけた相手とも直接契約できない形です。報告や登録の義務は、縛りの強い型ほど重くなります。どの型を選ぶかで、途中で方針を変えたくなったときの身動きの取りやすさが変わります。期間が終われば更新しない選択もできますので、まずは3か月をひと区切りと考えてください。

一括査定を申し込んだ後の連絡の時期

  1. 申し込みから1週間

    最初の波が収まる

    複数社からの電話が重なる期間が過ぎる

  2. 半年後

    チラシと手書きメモ

    近隣物件のチラシにメモが添えられて届く

  3. 年明け

    状況確認の電話

    その後いかがですかと再架電がある

断ったあとも連絡が続くとき、どこで線を引くか

宅地建物取引業法第47条の2第3項は、売買などの契約の勧誘に関して相手方の保護に欠ける行為を国土交通省令で定めるとしています。その省令(同法施行規則第16条の12)には、契約を結ばない意思を示した相手に勧誘を続ける行為が挙げられています(宅地建物取引業法(e-Gov法令検索))。ただし、ここで定められているのは宅地や建物の売買・交換・貸借の契約の勧誘についてです。媒介契約の勧誘にそのまま当てはまるかどうかは、場面によります。

実務の上で効くのは、記録に残る形で断ることです。電話口で「今は結構です」と言っても、担当者が代わると引き継がれないことがあります。メールか問い合わせフォームで「今後の連絡は不要です」と伝え、送信日時を残してください。文面は一行で足ります。

伝える先は、担当者の個人アドレスではなく、会社の問い合わせ窓口にしておくと残ります。件名に物件の所在を入れ、本文には申し込んだ日付と、電話とダイレクトメールのどちらも止めてほしい旨を書きます。担当者が代わっても、会社の記録に当たれば経緯をたどれる形になります。送ったメールは、やり取りが完全に終わるまで消さずに置いてください。

それでも続く場合は、その会社の免許を出している都道府県の宅地建物取引業の担当窓口に相談できます。行政処分を受けた業者の記録は、国土交通省のネガティブ情報等検索システムで誰でも確認できます。

「返事をしないまま一括査定の連絡が続くとどうなるか」について、そのまま聞けます。

不動産の一括査定に申し込まない方がよい3つの状況

名義が故人のままの実家、再建築ができない土地、人に知られたくない事情がある売却では、数字が並んでも話が前へ進みません。

ここで言う「進まない」は、価格が安いという意味ではありません。査定を受ける前提がそろっていないため、各社が動くほど手間と気まずさだけが増える、という意味です。順番を変えれば解決するものと、そもそも仲介の土俵に乗りにくいものが混ざっています。

1. 名義が亡くなった親のままになっている

査定は受けられます。契約はできません。売主になれるのは登記上の所有者なので、名義が故人のままなら、まず相続登記が必要です。

期限の方が、査定の数字を集めるより先に来ます。相続登記の申請は2024年4月1日に義務となり、不動産を相続で取得したと知った日を起点に3年が申請の期限です。施行の日より前に相続を知っていた方も外れず、その場合の区切りは2027年3月31日になります。正当な理由なく過ぎれば、10万円以下の過料の対象です(相続登記の申請義務化(法務省))。登記に要る戸籍の取り寄せは、本籍地が何度か変わっていると郵送のやり取りだけで1か月前後かかることがあります。先に司法書士へ相談し、集める戸籍の範囲と費用の見積りを取ってから相談先を考える順番の方が、手戻りがありません。

一括査定に申し込まない方がよい状況

  • 遺産分割と窓口の決定

    家族で話し合い、誰が窓口になるかを決める

  • 戸籍の取り寄せ

    郵送のやり取りで1か月前後かかることがある

  • 相続登記の申請

    売主になるために必須。期限は3年以内

  • 一括査定への申し込み

    名義変更が終わってから申し込むと手戻りがない

相続人が複数いる場合は、もう一つ困ることが起きます。遺産分割が済んでいないと、誰が窓口になるかが決まりません。兄が一括査定に申し込み、各社が登記簿から相続人を調べて妹にも電話をかける、という形になることがあります。家族の話し合いの前に外から連絡が入ると、売る売らないの議論が感情の話に変わります。名義変更から売却までの順番は「相続した空き家の名義変更と売却の事例」の記事にまとめています。

2. 再建築ができない、または仲介に乗りにくい土地である

申込フォームには、接道の幅を入れる欄がないことがほとんどです。所在地と面積と築年だけで数字が出るため、前面道路が2メートルしかない敷地でも、周辺の相場に近い金額が返ってくることがあります。現地調査で接道がわかった時点で、その数字は消えます。

敷地が道路に接する長さは2メートル以上必要だと建築基準法第43条が定めており、これを下回る土地では建て替えの確認が下りません。買主側の住宅ローンも通らないことが多く、現金で買える相手にしか渡せなくなります。仲介で売り出しても、問い合わせが入らないまま数か月が過ぎることが起こります。同じことは、連棟式の長屋、借地権付きの建物、市街化調整区域内の土地でも起こります。くわしい理由は「再建築不可物件はなぜ売りにくいのか」の記事で、接道義務とその先の出口まで書いています。

この類型では、一括査定の数字の高さは判断材料になりません。見るべきは、その条件の物件を実際に買った実績がある相手かどうかです。

申し込む前に、法務局で取れる公図と、手元にある測量図を見ておいてください。道路に接している部分の長さと、前面道路のおおよその幅が読み取れます。幅が4メートルに満たない道でも、建築基準法第42条第2項の道路に当たれば、後退したうえで建て替えられる場合があります。道路の種別は、市区町村の建築指導を担当する窓口で確認できます。ここを押さえてから数字を見ると、どの会社の金額が現実的かを自分で判断できます。

相続登記の期限と戸籍集めの期間

  1. 相続を知った日

    申請期限の起点

    ここから3年が相続登記の申請期限となる

  2. 手続き開始時

    戸籍の取り寄せ

    本籍地が変わっていると1か月前後かかる

  3. 2027年3月31日

    過去の相続の期限

    義務化前に相続を知っていた場合の区切り

  4. 期限を過ぎた後

    過料の対象

    正当な理由なく過ぎると10万円以下の過料

3. 近所や親族に知られたくない事情がある

訪問査定になると、各社の担当者が別々の日に現地へ来ます。社名の入った車が狭い路地に停まり、巻き尺を持った人が敷地の周りを歩きます。近隣への聞き込みをする会社もあります。売り出し前の段階で、近所に話が伝わるのはここからです。

離婚にともなう売却、滞納があって急いでいる場合、室内で人が亡くなった家。どれも、誰が知っているかを自分で決めたい状況です。複数社に同時に情報を渡すと、その管理ができなくなります。訪問の日程を1日にまとめる、現地では社名を出さないよう先に伝える、といった手当てはできますが、相手の数だけ約束が必要になります。

期限が先に決まっている売却では、買主を探す期間そのものが制約になります。住宅ローンの滞納が続けば、代位弁済の後に債権者が競売を申し立て、開始決定が出ると裁判所の執行官が現地を調査します。物件の所在と間取り図、室内の写真を含む資料は、不動産競売物件情報サイトで誰でも閲覧できる形になります。知られたくないという条件と、競売まで時間を置く進め方は両立しません。

買主である会社に直接売る形なら、広告も内見もないため、現地に人が入るのは査定の1回だけで、契約から決済までは2週間ほどで組めます。その代わり、仲介で時間をかけて売れた場合の想定額よりは金額が下がります。

期限までに残っている月数、その間に出ていく税と保険と交通費、仲介との金額差の3つを並べて、どちらで進めるかを決めてください。知る人の範囲を狭く保ちたいなら、情報を渡す相手をはじめから1社にしておく方が確実です。

一括査定で並ぶ数字と、手取りが減るデメリット

居間のソファに座り、家族で身振り手振りを交えて話し合っている

並んだ数字は売れる価格の約束ではなく、各社が売り出してよいと考える価格なので、手取りを知るには費用と期間を引きます。

数字が4つ届いて、いちばん高いものと低いものが800万円違う。この差を見て「低い方は安く買い叩こうとしている」と受け取る方がいます。実際には、前提が違うだけということがほとんどです。現況のままか、更地にした後か。3か月で売り切る前提か、1年かけてよい前提か。前提を聞かずに数字だけ並べても、比べたことになりません。

1. 査定額・売出価格・成約価格は、別の数字である

査定額は、その会社が「この価格なら売れるだろう」と考えた意見です。売出価格は、売主が決めて広告に出す価格です。成約価格は、買主が実際に払った金額です。この3つは一致しません。

売り出してから成約するまでに価格が下がることは普通に起こります。だから、判断の土台にするのは査定額ではなく、周辺で実際に成約した価格です。国土交通省の不動産情報ライブラリでは、実際に行われた取引の価格情報を地域と用途と面積帯で検索できます(不動産情報ライブラリ)。自分の家の近くで、似た面積の土地がいくらで動いているかを先に見ておくと、届いた数字のどれが浮いているかが自分でわかります。

査定額と実際に手元に残る金額の違い

  • 高い査定と低い査定の差800万円
  • 売買価格400万円

2. 仲介で売り切るまでに、手元から出ていくもの

査定額がそのまま手取りになるわけではありません。売買契約が成立してから引渡しまでの間に、次のものが出ていきます。

費目出ていく時期と中身
仲介手数料売買契約の成立後。宅地建物取引業法第46条に基づく国土交通大臣の告示で上限が定められ、売買価格が400万円を超える場合は価格の3%に6万円を加えた額と消費税が上限
印紙税売買契約書に貼る。契約金額の区分で税額が変わる
抵当権の抹消と住所変更の登記決済の日。登録免許税と司法書士の報酬
相続登記名義が故人のままなら決済より前。登録免許税と司法書士の報酬
残置物の処分と室内の清掃引渡しまで。量と搬出経路で金額が変わる
測量・境界の確定契約で求められた場合。資料がそろわないと数か月かかる
売れるまでの保有費固定資産税と都市計画税、火災保険料、電気と水道の基本料金、現地へ通う交通費

売買価格が800万円以下の空き家等では、2024年7月1日から、媒介の報酬の上限を税込33万円までとできる特例が適用されています(宅地建物取引業法第46条に基づく国土交通大臣の告示)。安い物件ほど、手数料の割合は上がる形になります。印紙税は、契約金額が1,000万円を超え5,000万円以下の契約書であれば、租税特別措置法の軽減措置により1通1万円です(2027年3月31日までに作成されるもの)。

表の最後の行は、期間が読めないぶん見落とされます。売り出して半年かかれば、その半年分の税と保険と交通費が、査定額から目減りした分になります。

売れた代金に税がかかる場合もあります。買ったときの価格や費用を差し引いて残った利益が譲渡所得で、所有していた期間が5年を超えるかどうかで税率の区分が変わります。相続した家では、親が買った当時の契約書が残っているかどうかで計算の土台が変わります。取得費が分からないときは売却価格の5%を取得費とみなす扱いがあり、この場合は税額が大きく出ます。要件に当てはまれば控除の制度もありますので、手取りを出す前に税務署か税理士にご確認ください。

3. 買取の金額が仲介の想定より低くなる理由

買取では、買主である会社が代金を払って所有権と管理の責任を引き取ります。そのあと、解体するか、修繕して次の買主に渡すところまでを自分の費用で行います。残置物の処分費、屋根と外壁の工事費、保有している間の税金、次の買主が見つかるまでの期間。これらを引いた残りが、提示できる金額です。

だから、仲介で時間をかけて売れた場合の想定額よりは低くなります。ここは、どの会社に頼んでも構造として同じです。下がる代わりに、仲介手数料も、売れない期間の費用も、買主を探す時間も発生しません。この差をどう受け止めるかは「空き家を買取で売るデメリット」の記事に書きました。

比べるときは、査定額どうしではなく、手元に残る金額どうしで並べてください。仲介の数字からは費用と保有期間を引き、買取の数字からは引くものがほとんどない。そこまで並べて、初めて同じ土俵になります。

並べ方の例を挙げます。仲介の想定が1,200万円で、仲介手数料に約46万円(消費税を含む)、印紙と登記に数万円、残置物の処分に30万円かかるとします。保有費は、固定資産税と都市計画税が年に15万円、火災保険料が年に2万円、電気と水道の基本料金と現地への交通費が年に5万円という前提で、売れるまでの8か月分がおよそ15万円です。手元に残るのは1,100万円前後です。買取が1,000万円なら差は100万円ほどで、売れるまでの期間が延びれば差はさらに縮みます。逆に、半年以内に買主が付く立地なら、差は開いたままです。立地と期間の読みで答えが変わるので、どちらが正しいとは一概に言えません。

査定額から成約価格までの推移

  1. 1

    査定額

    不動産会社が「この価格なら売れる」と考えた意見

  2. 2

    売出価格

    売主自身が決めて広告に出す価格

  3. 3

    成約価格

    買主が実際に払った金額。判断の土台にする数字

「一括査定で並ぶ数字と、手取りが減るデメリット」について、そのまま聞けます。

不動産の一括査定に申し込む前に決める2つのこと

住宅街に建つ木造の一軒家と、その前の道を歩いている家族の後ろ姿

申し込む前に決めるのは、連絡を受ける窓口を誰のどの手段にするかと、いつまでにいくら残したいかの2つです。

この2つを先に決めておくと、届いた数字に振り回されなくなります。決めずに送信すると、電話に出られるかどうかで会社を選ぶことになります。

1. 連絡を受ける窓口を、人と手段の両方で決める

誰が受けるかを決めます。相続人が3人いるなら、窓口を1人にして、他の2人には「連絡が来たら私に回して」と伝えておきます。これだけで、各社が相続人それぞれに電話をかける事態を防げます。

手段も決めます。申込フォームには連絡方法と希望時間帯を選ぶ欄があることが多いので、メールのみ、または平日の19時以降と指定します。指定しても電話が来ることはありますが、そのときに「メールでとお願いしています」と一度言えば、以降は文面でのやり取りに切り替わります。文面でやり取りすると、提示された前提が後から読み返せるという利点もあります。

遠方に住んでいる場合は、現地の鍵を誰が持っているかも先に決めてください。訪問査定の日程は、鍵の所在で決まります。不在のまま各社に合鍵を渡すのは避けた方がよく、立ち会えないなら日を1日にまとめます。

窓口を決めたら、その内容を家族の全員に伝えておきます。別の相続人のところへ電話が入ったときに、連絡は兄に一本化していると答えてもらえば、そこで話は止まります。伝え忘れたまま各自が別々に応じると、会社側は検討が進んでいると受け取り、連絡の回数が増えます。

一括査定に申し込む前に決めること

  • 窓口を1人に絞る

    各社が相続人それぞれに電話をかけるのを防ぐ

  • 連絡手段を指定する

    メールのみ、または平日の19時以降などと指定する

  • 現地の鍵の管理者を決める

    遠方の場合、訪問査定の日程を決めるために必要

  • 決めた内容を家族に伝える

    別の相続人に電話が来ても窓口へ誘導してもらう

2. 期限と、手元に残したい金額を数字にする

「高く売れるなら売る」という決め方では、どの数字が来ても判断できません。決めるのは2つです。いつまでに現金化したいか。最低いくら残れば、売る目的を果たせるか。

期限の方は、理由から逆算すると決まります。相続税の申告は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内です。固定資産税は毎年1月1日時点の所有者に課されるので、次の1月1日をまたぐかどうかも区切りになります。建物が建っていれば、200平方メートル以下の部分の課税標準は6分の1に下がる住宅用地の特例が効いています(地方税法第349条の3の2)。更地にすればこの特例は外れます。

最低額の方は、1年分の持ち出しを出すところから始めます。固定資産税と都市計画税、火災保険料、電気と水道の基本料金、年に数回の草刈りの費用、現地までの往復の交通費。この合計が年に20万円なら、売るのが3年遅れると60万円が消えます。保有を続ける場合との分かれ目は「空き家の固定資産税を払い続ける損益分岐点」の記事で数字にしています。

決めた2つは、紙かスマートフォンのメモに書いて手元に置いてください。口頭で聞いた金額は、会話の勢いのまま記憶に残ります。書いた期限と最低額に照らせば、届いた数字が条件を満たすかどうかはその場で判断できます。満たす会社が複数あるなら、あとは説明の中身と日程の都合で選べます。1社も満たさないのであれば、持ち続けた場合の年間の持ち出しと見比べる段階に戻ります。

一括査定の数字が届いてからの進め方と断り方

キッチンで飲み物を用意しながら、家族で言葉を交わしている

届いた数字は高い順ではなく、根拠として示された事例と、価格が動く条件の説明で並べ替えます。

各社から連絡が入り始めたら、同じ4つを全社に聞いてください。質問をそろえると、答えの質の差がはっきり出ます。数字の差より、この差の方が後の進み方を分けます。

1. 根拠として何を見たかを、全社に同じ言葉で聞く

聞くのは次の4点です。どの成約事例を見たのか(所在と時期と面積)。その数字は現況のままの前提か、片付けや解体をした後の前提か。売れなかった場合、いつ価格を見直すのか。売主の負担になる費用は何か。

宅地建物取引業法第34条の2第2項は、媒介契約を結ぶにあたって価額について意見を述べるときは、その根拠を明らかにしなければならないと定めています。根拠を聞くのは、売主として当然にできることです。事例の所在と時期をすぐ出せる会社と、「経験上このくらいです」で止まる会社では、その後の説明の精度も変わります。

同時に、免許の実在も確認してください。名乗られた免許番号を国土交通省の建設業者・宅建業者等企業情報検索システムで照会し、商号と所在地が一致するかを見ます(宅地建物取引業者の検索(国土交通省))。確認の手順は「空き家買取業者の見分け方7つ」の記事に整理しています。

聞いた答えは、口頭のままにせず文面で残してもらってください。査定の根拠を書面にして渡す会社もあります。出せないと言われたら、こちらからメールで理解した内容を送り、違っていれば返信をお願いする形でも足ります。後から価格の前提が変わったときに、どこが変わったのかを指せるようになります。

査定額が届いたとき、各社へ何を聞けばよいですか?

全社に同じ4つの質問をして回答の精度を比べ、後から前提が変わるのを防ぐため文面で残します。

  • どの成約事例を見たか(所在・時期・面積)
  • 数字の前提(現況のままか、片付け後か)
  • 売れない時の見直し時期と売主負担の費用

2. 断るときと、情報を止めたいときの手順

進めない会社には、早めに伝えた方がお互いに時間を使わずに済みます。メールで「他社に依頼することにしました。今後のご連絡は不要です」と送れば足ります。理由を細かく説明する必要はありません。

連絡そのものを止めたい場合は、各社へ個別に伝えます。サイトを退会しても、すでに各社へ渡った情報は各社の側に残っているためです。本人は、事業者に対して保有個人データの開示を求めることができ(個人情報保護法第33条)、法令に違反した取扱いなど一定の場合には利用の停止や消去を求めることもできます(同法第35条)。請求の窓口は、各社のサイトの個人情報の取扱いに関するページに書かれています。

なお、この記事の税務・法務に関する記載は一般的な情報提供であり、個別の事案についての判断ではありません。適用の可否や具体的な税額については、税務署または税理士、登記については司法書士、境界や隣地との権利関係については弁護士や土地家屋調査士など、それぞれの専門家にご確認ください。当社は不動産の買主であり、税務や法律の代理はできません。

「一括査定の数字が届いてからの進め方と断り方」について、そのまま聞けます。

一括査定を使わずに当社へ直接ご相談いただく場合と、買い取れない物件

当社が買い取る条件・買い取れない条件と、実際の買取事例は「当社の買取基準」にまとめています。

「一括査定を使わずに当社へ直接ご相談いただく場合と、買い取れない物件」について、そのまま聞けます。

不動産の一括査定のデメリットを踏まえて先に決める3つ

  • 連絡を受ける窓口を、人と手段の両方で先に決めます。 相続人が複数いるなら窓口を1人にし、申込時に連絡方法と時間帯を指定します。送信したあとで行き先を減らすことはできません。
  • 数字は高い順ではなく、前提と根拠で並べ替えます。 どの成約事例を見たのか、現況のままか片付けた後か、売れなかった場合にいつ価格を見直すのか、売主の負担になる費用は何か。この4点を全社に同じ言葉で聞けば、差が見えます。
  • 申し込まない方がよい状況が3つあります。 名義が故人のままの実家、再建築ができない土地、人に知られたくない事情がある売却です。順番を変えるか、相手を絞る方が早く終わります。

当社は買主として直接買い取り、現況のまま、残置物を残したままで引き取ります。期限がなく建物が住める状態の家は、仲介で時間をかけた方が手取りは多くなります。

査定は無料・売却の義務なし
0120-996-748受付時間10:00〜19:00(水・日曜定休)

通話料無料・全国対応

この先は、当社の買取窓口「買取くん」のページです(運営は同じ株式会社リアテクスです)。

不動産の一括査定のデメリットについてよくある質問

Q1. 一括査定はやめたほうがいいと言われるのはなぜですか

複数社から連絡が重なることと、数字の高さで会社を選びやすくなることの2つが理由として挙がります。高い数字で媒介契約を結んでも、反応がなければ2か月目に値下げの相談になる、という流れが起きます。 一方で、周辺の価格帯を知る手段としては機能します。やめた方がよいのは、窓口と期限を決めずに送信する場合と、本文の「不動産の一括査定に申し込まない方がよい3つの状況」に挙げた3つに当てはまる場合です。

Q2. 不動産会社が一番嫌がることは何ですか

会社によって違うので、一般の答えは持っていません。当社として困るのは、現地で初めて分かる事実を後から知ることです。未登記の増築、隣地との越境、2階に残された家財の量。先に聞いていれば金額に織り込めるものでも、契約の後に出てくると金額の見直しの話になります。 伝えにくい事情ほど早く言っていただいた方が、最終的な金額のぶれは小さくなります。

Q3. 4000万円で買った家は、20年後にいくらになりますか

土地と建物を分けて考えます。建物は時間とともに評価が下がり、築20年を超えた木造戸建てでは、建物の価格がほとんど付かない形で取引されることがあります。土地の値は地域によって上がることも下がることもあり、年数では決まりません。自分の家に当てはめるなら、不動産情報ライブラリで近隣の土地の取引価格を面積で割り、坪単価から土地の値を出すところから始めてください。 購入時の4000万円のうち、いくらが土地でいくらが建物だったかは、当時の売買契約書に書かれています。

Q4. 家は何年で価値がなくなりますか

税の計算に使う法定耐用年数は、減価償却資産の耐用年数等に関する省令で決まっていて、木造の住宅用の建物は22年です(国税庁)。これは減価償却のための年数で、建物が使えなくなる年数ではありません。22年を過ぎた家でも、雨漏りがなく構造に傷みがなければ、住む人は住めます。 市場での値が付くかどうかは、築年数より、接道と間取りと傷みの程度で決まります。

Q5. 査定額がいちばん高い会社に頼めば、その金額で売れますか

査定額は売れる価格の約束ではないので、高い数字がそのまま手取りになるとは限りません。見るのは数字の大きさではなく、その数字の根拠として示された成約事例と、価格を見直す時期の説明です。 高い数字が出る理由と、その後に起きることは「不動産買取の査定額が高い理由」の記事に書いています。

Q6. 一括査定に申し込んだ後、電話を止めることはできますか

各社へ個別に伝えれば止まります。メールで「今後のご連絡は不要です」と送り、送信日時を残してください。サイトを退会しても、すでに各社へ渡っている情報はそのまま残るので、サイトと各社の両方に手を打つ必要があります。 本人は保有個人データの開示を求めることができ(個人情報保護法第33条)、一定の場合には利用の停止や消去を求めることもできます(同法第35条)。それでも勧誘が続くときは、その会社の免許を出している都道府県の宅地建物取引業の担当窓口が相談先になります。

当社の見方

戸建て・築20年以上で、空き家の物件を当社が買い取り、販売まで終えました。

2024年に当社が買い取った、横浜市港南区にある築20年を超える戸建ての例です。買取金額は1,000万円台前半でした。

戸建て・築50年以上で、再建築不可・空き家の物件を当社が買い取り、販売まで終えました。

東京都練馬区の戸建て(築50年以上)を、買取金額300万円台で買い取りました(2025年に取引)。

相続した物件では、戸籍などの書類が追加で必要になります。

ご用意いただく書類は、個別のご案件によります。

ご負担いただく費用は、個別のご案件によります。

リースバック(売却後も賃借人として住み続ける形)も積極的にお受けしています。

買い取れない物件や、売らないほうがよい場合は、正直にそうお伝えしています。

当社が買い取る物件・お断りする物件と、買取価格の決まり方は、当社の買取事例76件の内訳とあわせて当社の買取基準にまとめています。

この記事について

執筆・編集
リアテクス編集部株式会社リアテクス当社(宅地建物取引業 東京都知事(1)第107888号)は物件を直接買い取る買主の立場から、売却を検討する方の判断材料となる記事を企画・編集しています。
監修
薩摩 賢幸薩摩 賢幸株式会社リアテクス 取締役COOこの区分の監修を担当しています。記事の公開判断は当社が行っています(代表が定めた手順による)。確認・公開判断:薩摩 賢幸(株式会社リアテクス 取締役COO)
公開・更新
公開 更新 内容を見直したときは、この日付と改訂の内容を更新しています。情報の確認日 (出典の公的資料を開いて内容を確かめた日)
この記事の事実確認の方法
法令:宅地建物取引業法出典:法務省、国土交通省、国税庁
記事の作り方
この記事は、当社の担当者が事実確認を行ったうえで公開しています。

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