古家付き土地は、家を壊さずにそのままでも売れます。壊してから売るかどうかは、更地にしたその土地に家を建て直せるか、解体費と翌年から増える固定資産税を売値の上がり幅が上回るか、の2点で決まります。順番を逆にすると、解体費を払ったあとで買主が付かない、という形になります。
空き家
古家付き土地の 売却|壊さず 売るか、 更地に するかの 手取り比較
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「古い家が建ったままの土地を売りたいが、壊してから売るべきか迷っている」。古家付き土地は壊さずそのままでも売れ、壊すかどうかは、更地にした土地に建て直せるか、解体費と増える固定資産税を売値の上がり幅が上回るかで決まります。
当社は古家付きのまま買主として直接購入し、解体も片づけも売却の条件にしません。そのぶん価格は仲介での成約想定額より低く、進入路の通行の権利が無い土地はお断りしています。この家が買い取れるかどうかだけ、先に聞く(無料)
目次(9章)
先にこの家の買取価格のめどだけ知りたい方へ。
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古家付き土地の 売却で 先に 確かめる 前提
「古家」という言葉に法律上の定義はなく、広告の実務では、建物としての価値をほとんど見込まず、土地の価格で売り出す物件をそう呼んでいます。築年数の線引きも一律ではなく、木造住宅の法定耐用年数である22年を過ぎたあたりから、査定では建物の評価がほぼゼロに近づいていきます。
ここで大事なのは、評価がゼロだからといって、建物が無い方が良いとは限らない点です。建物が建っていることで受けられる税の軽減があり、壊した瞬間にそれが外れますし、接道の条件次第では、壊すと「建てられない土地」だけが残ります。
住宅が建っている土地は200平米以下の部分の課税標準が6分の1になる
住宅用地特例による税の軽減割合
- 固定資産税(200㎡以下)1/6
- 固定資産税(200㎡超)1/3
- 都市計画税(200㎡以下)1/3
- 都市計画税(200㎡超)2/3
建物が あるうちは 土地の 税が 軽くなっている
住宅が建っている土地には固定資産税の課税標準を軽くする仕組みがあり、地方税法第349条の3の2により、200平方メートル以下の部分は価格の6分の1、それを超える部分は3分の1になります(地方税法(e-Gov法令検索))。都市計画税にも同様の軽減があり、こちらは3分の1と3分の2です。
賦課期日は毎年1月1日で、年内に解体して更地のまま年を越すと、翌年度の土地の固定資産税は軽減が外れた額になります。建物分の税が消える一方で土地分が増えるため、合計でどう動くかは物件ごとに違いますが、土地の評価額が大きい都市部ほど負担は跳ね上がります。
もうひとつ、建物を残していても、空家等対策の推進に関する特別措置法に基づき市町村から「特定空家等」または「管理不全空家等」として勧告を受ければ、軽減が外れます。管理不全空家等は、そのまま放置すれば特定空家等になるおそれのある状態を指す区分です。庭木が道路にかぶさっている、屋根材が浮いている、といった状態で近隣から市に連絡が入ると、指導の対象になり得ます。
壊した あとに 建てられるか どうかを 先に 調べる
建築基準法は、敷地が道路(原則幅員4メートル以上・第42条)に2メートル以上接していることを求めています(第43条)。既存の家は、この規定が今の形になる前に建てられていることがあり、現に建っているからといって建て直せるとは限りません。
接道が足りない土地で解体すると、解体費を払ったうえで、建物を建てられない更地が残ります。買主は資材置き場か駐車場としての利用を前提に価格を考えるため、古家付きのまま売る場合より安くなることさえあります。判断の枠組みは「再建築不可物件はなぜ売りにくいのか」の記事に整理しました。
確かめる先は、物件所在地の市区町村の建築主管課です。前面道路が建築基準法上の何号道路か、幅員はいくつで扱われているか、セットバックの後退距離はどれだけか。この3つは電話でも聞けます。地番と住居表示の両方を手元に置いてから架けてください。
建て替えの可否や住宅用地特例など、売却前に確認すべき前提条件
古家付き土地の売却で確かめる3点
建て替えの可否
接道の条件次第で、壊すと建てられない土地だけが残る
税の軽減が外れる時期
年内に解体して更地で年を越すと翌年の土地の税が上がる
特定空家等の勧告
建物を残していても勧告を受ければ税の軽減が外れる
解体費は 建物だけの 金額ではない
見積書を1枚だけ見て「木造30坪でこのくらい」と判断すると、後から追加が出ます。金額を動かすのは、建物本体よりも周辺の条件です。
- 前面道路の幅と長さ:4トン車が横付けできない現場は、小型車での積み替えが必要になり運搬の回数が増えます
- 隣家との距離:手壊しの範囲が広がると、人工(にんく)が増えます
- 残置物の量:家財が入ったままだと、廃棄物の区分が変わり処分費が別に立ちます
- 付帯物:ブロック塀、門柱、物置、井戸、浄化槽、樹木の根は、本体工事と別行に載ります
- 地中の埋設物:旧建物の基礎やコンクリート塊が出た場合、追加費用の扱いになるのが通例です
見積書の行ごとの読み方と、自治体の補助の申請時期については「空き家の解体費用はいくらかかるか」の記事に書いています。補助は着工前の申請を条件にしている制度が多く、壊してから申請しても対象外になります。
「古家付き土地の売却で先に確かめる前提」について、そのまま聞けます。
古家付き土地の 売却で 現況渡しと 更地渡しが 分かれる 点

現況渡しとは建物も残置物も今の状態のまま引き渡す契約で、更地渡しは売主の負担で建物を解体し、更地の状態で引き渡す契約を指します。
| 比べる項目 | 現況渡し | 更地渡し |
|---|---|---|
| 解体費の負担 | 買主(価格に織り込まれる) | 売主(決済前に支出) |
| 翌年の土地の固定資産税 | 軽減が続く | 軽減が外れる |
| 買主の層 | 事業者、建て替え前提の個人 | 住宅を建てる個人、建売業者 |
| 決まるまでの期間 | 調査後すぐに確定できる | 解体の工期と近隣調整が加わる |
1. 解体費を 誰が いつ払うかで 手元の 現金が 変わる
更地渡しでは解体費を売主が先に払いますが、売却代金が入るのは決済日ですから、その間の資金を用意しなければなりません。相続した家で、相続人が複数いる場合は、誰が立て替えるかという話が先に出ます。立て替えた人と、あとで代金を分ける人の負担がずれると、売値の議論より手前で止まります。
現況渡しでは解体費の持ち出しがない代わりに、買主は自分が壊す前提で金額を組み立てます。解体費と、工事の途中で追加が出たときの負担の分が、価格から引かれます。引かれる額が実際の解体費より大きいか小さいかは、その土地の需要で決まります。
2. 更地に すると 翌年の 税額が 上がる
前掲の住宅用地特例が外れると土地の課税標準は最大で6倍になり、土地の固定資産税が年間4万円だった敷地で24万円になる、といった動き方です。実際には負担調整の仕組みがあるため一気に6倍にならない年もありますが、上がる方向であることは変わりません。
賦課期日が1月1日なので、いつ壊すかで1年分が変わります。年内に解体して翌年3月に引き渡すなら増えた額を売主が納めますが、買主が決まってから解体する段取りにすれば、この1年分を避けられる場合があります。
年内に解体して更地で年を越すと、翌年の土地の固定資産税が上がる
解体時期と固定資産税の負担
年内
売主による解体
買主が決まる前に更地にすると、住宅用地特例が外れる。
1月1日
固定資産税の賦課期日
この時点で更地だと、翌年の土地の税額が上がった状態で確定する。
翌年3月
買主への引渡し
年内に解体して年をまたぐと、増えた税額を売主が納めることになる。
3. 買える 人の 数が 変わる
住宅ローンを使う個人の買主にとって、古家付き土地は融資の審査が通りにくい対象です。金融機関によっては担保評価を土地だけで見たうえで解体費を自己資金で用意できるかを確認し、解体を前提とした費用を組み込めるローンもありますが、取り扱いは一律ではありません。
一方、更地なら建築の計画を立てやすく、建売業者も検討に入ります。ただし業者が買う場合は、その業者の仕入れ基準に合う面積・形状・接道でなければ話が進みません。間口が狭い、旗竿地で有効宅地が小さい、といった敷地では、更地にしても買い手の数は増えません。
「専門の買取業者なら古家付き土地でも高額売却できる」という広告を見かけますが、買取業者の提示額は、土地の相場から解体費・残置物の処分費・再販までの保有費用と業者の利益を引いた金額です。一般の買主が付く立地なら、仲介の成約価格を上回ることは多くありません。買取業者が向くのは、住宅ローンを使う買主が付きにくい、解体費を先に用意できない、契約不適合責任を負いたくない、引渡しまでの期間を1か月前後に縮めたい、といった条件が2つ以上重なるときです。高額売却という言葉より、提示額の内訳を書面で出してもらえるかで業者を比べてください。
4. 契約不適合責任の 扱いが 変わる
建物を残して売ると、引渡し後に雨漏りやシロアリ、給排水の不具合が見つかったときに、売主が責任を問われるかどうかという論点が残ります。民法第562条から第564条までは、引き渡された目的物が種類・品質・数量について契約の内容に適合しない場合、買主が修補などの追完、代金の減額、損害賠償、契約の解除を求められると定めています(民法(e-Gov法令検索))。
売主が個人で、買主が事業者や個人の場合、この責任を負わない旨を特約で定めることは可能ですが、知っていて告げなかった事実については免責が効きません。雨漏りを知りながら「不具合なし」と伝えれば、免責特約があっても争いになります。建物を解体して更地で引き渡せば建物についてのこの論点は消えますが、土地の地中埋設物や土壌汚染は別に残ります。
5. 古家を 残したまま 貸す、と いう 別の 出口
建物に手を入れれば住める状態なら、売らずに貸す選択もあります。ただし、修繕費の回収に何年かかるか、空室の月をどう見るか、退去時の精算を誰が担当するかまで決めないと、収支の話になりません。相続人が複数いる状態で賃貸を始めると、合意が必要な場面が毎年続きます。
売る・貸す・解体する・国に引き取ってもらうという出口全体の比べ方は「空き家の処分方法」の記事にまとめています。
古家付き土地を 現況で 売る ときに 起きやすい 行き違い

現況渡しという言葉は便利ですが、範囲が決まっていません。「今のまま」が何を指すのかを契約書で詰めないまま進むと、決済の直前や引渡し後に食い違いが出ます。
1. 残置物の 範囲が 決まっていない
家財は買主が処分する、という合意があっても、対象が曖昧だと止まります。仏壇、神棚、位牌、写真やアルバム、まだ使える家電、車両、庭の物置、灯篭、植木。買主の側にも、宗教的な物や個人の記録を勝手に処分したくないという事情があります。
契約書には「引渡し時の現況有姿のまま、室内外の動産を含めて引き渡す」と書いたうえで、売主が持ち出す物を別紙で列挙するのが確実です。持ち出しの期限も決めておかないと、決済後に「あれを取りに行きたい」と連絡しても、鍵が替わっていて入れません。
2. 境界標が 無いまま 話が 進む
古い敷地では、境界標が土に埋もれている、塀の位置が図面と合わない、隣家の物置が越境している、という状況がよくあります。境界を確定して引き渡す条件にすると、土地家屋調査士による測量と隣地所有者の立会いが必要で、数か月と数十万円がかかります。
現況有姿で、境界の確定は行わない条件にすることもできますが、その不確かさは価格に入ります。どちらにしても、契約書に「測量を行うか」「境界明示をどこまで行うか」「費用を誰が負担するか」を書いておかないと、決済の直前に負担の押し付け合いになります。
残置物の範囲や境界の扱い、建物の登記など、現況渡しで揉めやすい項目
現況渡しで決めておくべき主な項目
持ち出す残置物の特定
売主が持ち出す物を別紙で列挙しておく
持ち出しの期限
決済後は鍵が替わるため事前に期限を決める
境界明示の範囲と費用負担
測量の有無や費用を誰が負担するか決める
建物登記と現況の確認
未登記の増築や取り壊し済みの登記がないか
3. 建物の 登記が 現況と 合っていない
増築した部分が登記されていない、逆にすでに取り壊した離れの登記が残っている、という物件があります。未登記の増築部分があると、買主は建物の全体を把握できず、金融機関の担保評価も止まります。取り壊し済みの建物の登記が残っていれば、滅失登記を申請しないと土地だけの取引にできません。
登記事項証明書と建物図面を法務局で取り、現地の建物と突き合わせてください。相続した家では、そもそも名義が亡くなった方のままという場合が多くあります。相続登記の申請は2024年4月1日に義務となり、自分が相続で取得したと知った日から数えて3年が申請の期限です。2024年4月より前に相続した古家も例外ではなく、申請は2027年3月31日までに済ませます(相続登記の申請義務化について(法務省))。
名義が動いていない限り決済で所有権を移せないため、買主が誰であってもこの工程だけは飛ばせません。相続人が多い場合の進め方は「数次相続で相続人が多い実家の売却」の記事にあります。
4. 「解体してから 引き渡す」の 期限が 曖昧
更地渡しの契約で、解体の完了期限と、遅れた場合の扱いを書かないまま結ぶことがあります。近隣から工事の苦情が入って工期が延びる、アスベストの事前調査で含有が判明して処理が加わる、地中から基礎が出て撤去に日数がかかるといったことは、どれも実際に起きます。
解体工事では、着工前に石綿の有無を調査し、一定規模以上の工事では結果の報告が義務づけられています。調査で含有が判明すれば除去の方法と費用が追加されるので、更地渡しを選ぶなら、見積の段階でこの調査費が入っているかを確かめてください。
「古家付き土地を現況で売るときに起きやすい行き違い」について、そのまま聞けます。
古家付き土地の 売却を 手取りで 比べる 準備
売値の高低ではなく、最後に口座に残る金額で比べます。
1. 土地の 価格水準を 自分で 確かめる
国土交通省の不動産情報ライブラリを開くと、成約した取引の価格を、市区町村と用途と面積の区分で絞り込んで見られます。近隣で似た面積の土地がいくらで取引されたかを見れば、提示された金額が土地値のどのあたりにあるかを自分で判断できます。
ここに出ている価格の多くは一般の買主が購入した価格なので、事業者が買い取る金額はこれより低くなります。解体費、保有中の税と管理費、再販できなかった場合の損失を、買った側が抱えるためです。
2. 解体費の 見積を 2社から 取る
解体するかどうかを決める前でも、見積は取れます。金額が分からないまま「解体費はこのくらいだろう」と仮定して比べると、結論が仮定の上に乗ります。見積を依頼するときに伝えるのは、所在地、建物の構造と延床面積、階数、前面道路の幅、残置物の有無、ブロック塀や物置の有無です。
2社の見積を並べて、行の構成が違う部分を見てください。片方に載っていて片方に無い行(残置物処分、付帯物撤去、アスベスト事前調査、届出費用)があれば、そこが後から追加になる候補です。
価格水準の確認から解体費の見積、差し引く項目の書き出しまでの手順
手取り額を比較するための準備手順
- 1
条件を伝えて依頼する
所在地や建物の構造、面積、残置物の有無などを伝えて見積を取る。
- 2
2社の見積を並べる
金額だけでなく、見積書の行の構成に違いがないかを見比べる。
- 3
片方に無い行を探す
残置物処分や事前調査など、後から追加費用になり得る項目を見つける。
3. 差し引く 項目を 2列で 書き出す
| 差し引く項目 | 現況渡し/更地渡しでの扱い |
|---|---|
| 解体費(付帯物・残置物を含む) | 現況は0円/更地は売主負担 |
| 固定資産税・都市計画税の増加分 | 現況は増えない/更地は年をまたぐと増額 |
| 測量・境界確定の費用 | 契約条件で決める(どちらでも生じ得る) |
| 仲介手数料 | 仲介なら成約価格に応じて発生/買取は不要 |
| 譲渡所得にかかる所得税・住民税 | 利益が出た場合に両方で発生 |
| 待つ期間の保有費用(税・保険・管理・交通費) | 買主が決まるまでの月数×月額 |
この6項目を入れたうえで、売値から引いた残りを並べます。更地の想定成約価格が現況より300万円高くても、解体費が180万円、税の増加分が20万円、待つ期間が長ければその分の保有費用が乗るため、差は思ったより小さくなります。
古家付き土地の 売却で 税の 特例と 契約条項を 照合する

1. 税の 特例に 当ては まるかを 照合する
亡くなった親が一人で暮らしていた古家なら、建物を付けたまま土地を売る場合でも、相続した人が譲渡所得から最大3,000万円を差し引ける特例に当たることがあります。古家付き土地で最初に見るのは建物の築年で、昭和56年5月31日以前に建てられていることが前提です。相続してから売るまで人に貸したり事業や住まいに使ったりしていないこと、代金が1億円以下であることも条件で、区分所有の登記がある建物は外れます。その家と敷地を兄弟など3人以上で相続して売ると、令和6年1月1日以後の譲渡では控除が1人2,000万円までになるので、手取りの試算は相続した人数から始めます。
この特例は、家屋を耐震基準に適合させて売る場合か、家屋を取り壊して敷地だけを売る場合が対象になります。ただし令和6年1月1日以後の譲渡については、譲渡の日の属する年の翌年2月15日までに買主が耐震改修または取壊しを行った場合も対象に加わりました。古家付きのまま売ると使えないと思い込んで、先に解体する必要はありません。 要件は国税庁の被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例で確認してください。
なお、この記事の税務・法務に関する記載は一般的な情報提供であり、個別の事案についての判断ではありません。適用の可否や具体的な税額については、税務署または税理士、登記については司法書士、境界や隣地との権利関係については弁護士や土地家屋調査士など、それぞれの専門家にご確認ください。当社は不動産の買主であり、税務や法律の代理はできません。
2. 同じ 条件を 同じ 文面で 各社に 伝える
査定を比べるなら、各社に渡す情報をそろえてください。片方に「残置物あり」を伝え、もう片方に伝えなければ、返ってきた数字の差が条件の違いによるものか、見立ての違いによるものか分かりません。各社に送る内容は次のとおりです。
- 地番(登記上の所在と番地)
- 土地の地積と建物の延床面積
- 建物の構造・階数・築年
- 残置物の有無と、おおよその量
- 雨漏り・傾き・シロアリの有無
- 前面道路の幅と、敷地が接している長さ
- 境界標の有無と、越境物の有無
- 現況渡しと更地渡しの両方で金額が欲しいこと
最後の1行を入れると、同じ会社から2つの数字が返ってきます。会社ごとに解体費の見立てが違うので、その差も判断材料になります。査定額の高低だけで選ぶと別の問題が起きる理由は「不動産買取の査定額が高い理由」の記事に書きました。
地番や面積、残置物の有無など、査定依頼時に各社へ共通して伝える情報
査定依頼時に各社へ伝える主な項目
| 情報の性質 | 項目 | 伝える内容 |
|---|---|---|
| 書類上の情報 | 物件の特定 | 地番(登記上の所在と番地) |
| 書類上の情報 | 面積と建物概要 | 土地の地積、建物の延床面積、構造・階数・築年 |
| 現地の状況 | 残置物 | 有無とおおよその量 |
| 現地の状況 | 不具合 | 雨漏 |
3. 契約書の ひな形を 契約日より 前に もらう
金額が合意できてから契約日に初めて条文を読むと、その場で判断することになります。古家付き土地の契約で読む項目は、契約不適合責任を免責とするか期間を区切るか、残置物の処分を誰が負担するか、境界明示と測量の範囲と費用を誰が持つかの3つです。加えて、引渡しの時期と解体を行う場合の完了期限、買主が融資を使う場合の白紙解除の条項も同じ場で読みます。
宅地建物取引業法第32条は、実際のものより著しく有利であると人を誤認させる表示を誇大広告等として禁じています。広告や査定書に断定的な表現が並んでいる場合は、書面の条項と照らし合わせてください。署名前に見る点は「不動産買取で悪徳業者が使う手口8選」の記事にまとめています。
「古家付き土地の売却で税の特例と契約条項を照合する」について、そのまま聞けます。
当社が 古家付き土地を 買う ときの 価格の 内訳と 段取り
当社が買い取る条件・買い取れない条件と、実際の買取事例は「当社の買取基準」にまとめています。
当社が 買う 古家付き土地と 買えない 古家付き土地
現況の ままで 買える 条件
- 家財や家電が残っていて、片づけが済んでいない
- 雨漏り、傾き、シロアリの痕跡がある
- 名義が亡くなった方のままで、相続登記をこれから進める
- 遠方に住んでいて、現地の立会いができない
どれも価格の内訳に入れたうえで金額を出します。名義の件は、決済までに相続登記が済むことが前提です。
誰が 売主で、 どこまで 売るかが 決まっていない 物件
価格を下げても解決しない条件があり、次に当たる場合は金額を出さずにお断りしています。
- 相続人の一部と連絡が取れず、誰が売主か確定していない
- 共有者の一部が売却に反対し、持分だけの売買も希望されていない
- 境界や越境について隣地と係争中で、当事者間の整理がついていない
- 敷地への進入路に通行の権利が確保されておらず、承諾も得られない
- 連棟・長屋の建物で、切り離しについて隣接所有者の同意が見込めない
- 建物の除却費と土壌や埋設物の処理費の見込みが、土地の評価を明らかに超える
この6つに共通するのは、誰が売主で、どこまでが売る範囲で、どう出入りするかが決まっていない点です。決めるのは司法書士・弁護士・土地家屋調査士で、当社が代われる部分はありません。共有者の同意が取れない場合に持分だけを売る選択肢は「共有持分は自分の持分だけ売却できる」の記事にあります。
売主が未確定な場合や通行権がない場合など、買い取りをお断りする条件
当社が買い取れない古家付き土地
売主が確定していない
相続人の一部と連絡が取れない、共有者の同意がない
権利関係が未整理
境界や越境で係争中、進入路の通行権利が確保されていない
切り離しの同意なし
連棟・長屋で隣接所有者の同意が見込めない
費用が評価を超える
建物の除却費や埋設物の処理費が土地の評価を明らかに超える
仲介や 隣地への 売却の 方が 手取りが 上回る 場合
駅から近く、更地にすれば住宅用地として一般の買主が付く立地では、時間をかけて仲介で売った方が、手数料を引いても手取りが上回ることがあります。隣地の所有者が取得の意向を示している場合、敷地が一体になることの価値はその方にとって当社より高くなります。接道が足りないと言われていても窓口で確認していない場合は、先に建築主管課で道路の種別を聞いてください。古家付き土地で当社への売却が向かない例は、「リアテクスに買取を頼むデメリット」の記事にまとめています。
「当社が買う古家付き土地と買えない古家付き土地」について、そのまま聞けます。
古家付き土地の 売却で 最後に 残る 判断
- 建て直せる土地かどうかが、解体の意味を決めます。 前面道路の幅員と接している長さを建築主管課で確認してください。接道が足りない敷地では、解体費を払っても建てられない更地が残り、買主の幅は広がりません。
- 比べるのは売値ではなく、差し引いた後の手取りです。 解体費、翌年の固定資産税の増加分、測量費、仲介手数料、譲渡所得にかかる税、買主が決まるまでの保有費用という6項目を両方の条件で書き出すと、更地の高い売値が手元に残る金額に直結しないことが見えます。
- 現況渡しでも、契約書で決める項目は残ります。 残置物のうち売主が持ち出す物、境界明示の範囲と費用、契約不適合責任を免責とするかの3つを、契約日より前のひな形で読んでください。
通話料無料・全国対応
時間外と定休日のお電話も担当の携帯に転送されるので、直接責任者につながります。
この先は、当社の買取窓口「買取くん」のページです(運営は同じ株式会社リアテクスです)。
古家付き土地の 売却に ついて よく ある 質問
Q1. 古家付き土地は、 解体してから 売った 方が 手取りは 増えますか
売値は上がることが多い一方、手元に残る金額まで増えるとは限りません。解体費が先に出ていき、年をまたげば住宅用地特例が外れた土地の固定資産税を負担します。接道が足りない敷地では、更地にしても新築の確認が下りないため、売値の上がり幅そのものが小さくなります。解体費と税の増加分を上回る価格差が見込めるかどうかで判断してください。 数字が揃わないうちは、現況のままでも金額は出せます。
Q2. 「古家付き土地」と 「中古住宅」は、 どう 使い分けられていますか
法律上の区分ではなく売り出し方の違いで、建物にまだ居住の価値があると見て住宅として売るのが中古住宅、建物の評価をほとんど見込まず土地の価格で売るのが古家付き土地です。同じ建物でも、リフォーム前提の買主が付く地域なら中古住宅として売れることがあります。どちらで出すかで、内覧の準備も、契約不適合責任の扱いも変わります。 建物の設備を直してから売るかどうかは、修繕費と売値の差を並べてから決めてください。
Q3. 現況渡しなら、 引渡し後の 雨漏りの 責任は 負わずに 済みますか
契約書に免責の特約があるかどうかで決まり、売主が個人の場合は契約不適合責任を負わない旨を定めることが可能で、買取の実務では免責とすることが多い形です。ただし、知りながら告げなかった事実については免責が効きません。雨漏り、傾き、シロアリ、給排水の不具合、過去の浸水は、分かっている範囲を書面で伝えてください。伝えたことは価格に反映されますが、隠したことは後で争いになります。
Q4. 残置物は どこまで 置いたまま 売れますか
当社が買う場合は、家財や家電、物置、庭の植木も含めて現況のまま引き取れます。決めていただきたいのは逆にご自身で持ち出す物で、仏壇、位牌、写真、通帳や権利証のような書類は、引渡しの前に出しておいてください。契約書には持ち出す物を別紙で列挙し、期限を入れます。決済が済むと鍵が替わるため、後から取りに戻ることはできません。
Q5. 相続した 古家付き土地で、 登記が 親の 名義の ままです。 売れますか
契約は結べますが、決済で所有権を移すには名義を動かす必要があります。相続登記の申請義務化は2024年4月1日の施行で、施行日より前に相続を知っていた不動産も対象になり、その場合の期限は2027年3月31日です。相続人が多い場合、戸籍の収集と遺産分割協議だけで数か月かかります。査定と並行して司法書士に依頼すると、決済日を後ろにずらさずに済みます。 費用と必要書類は、依頼する司法書士に見積を求めてください。
Q6. 古家付き土地を 売らずに 持ち続けると、 何が 増えますか
毎年の固定資産税と火災保険料、草刈りや通水の費用、現地へ行く交通費が続きます。人が住まない家は換気が止まり、雨漏りは天井裏から柱へ広がるため、修繕が必要になる範囲は年々大きくなります。屋根材が飛んで隣家を傷つけた、塀が倒れて通行人がけがをした、という場合には工作物の責任を問われる可能性もあります。1年分の金額を実際に足し合わせたうえで残すと決めるなら、判断として成り立ちます。 空き家の保険の引受条件は「空き家に火災保険はかけられるか」の記事にまとめました。
当社の 見方
土地だけを見て、建物を邪魔なものとして差し引く見方は取っていません。屋根と構造が持っていれば、直して使う出口が残るからです。逆に、建物の使い道が無いと判断したときは、撤去にかかる見込みを織り込んだうえで、土地の側から値を組み立てます。
どちらの見方になるかは、築年数だけでは決まりません。前面の道の広さ、敷地の形、周りに何が建っているかで変わります。ですので、家財が残ったままでも、鍵の開かない部屋があっても、その状態をそのままお知らせください。当社が買主として自ら買い取る場合は、仲介手数料をいただくこともありません。片付けや修繕にかかる分をどちらがどう持つかは金額の内訳の話になりますので、手を入れる前にご相談ください。
当社が買い取る物件・お断りする物件と、買取価格の決まり方は、当社の買取事例76件の内訳とあわせて当社の買取基準にまとめています。
この記事について
- 執筆・編集
- リアテクス編集部株式会社リアテクス当社(宅地建物取引業 東京都知事(1)第107888号)は物件を直接買い取る買主の立場から、売却を検討する方の判断材料となる記事を企画・編集しています。
- 監修
薩摩 賢幸株式会社リアテクス 取締役COOこの区分の監修を担当しています。記事の公開判断は当社が行っています(代表が定めた手順による)。確認・公開判断:藤山 大二郎(株式会社リアテクス 代表取締役CEO)- 公開・更新
- 公開 更新 内容を見直したときは、この日付と改訂の内容を更新しています。情報の確認日 (出典の公的資料を開いて内容を確かめた日)
- この記事の事実確認の方法
- 法令:地方税法、民法出典:法務省
- 記事の作り方
- この記事は、当社の担当者が事実確認を行ったうえで公開しています。
出典(7件・に確認)
更新履歴
- 第3版題名と冒頭を検索する方の言葉に寄せ、当社の買取記録の実額の表と当社の条件の節を足しました(既存の数字・法令・日付は変えていません)。
- 第2版買取業者に頼むと高く売れるのか、向く条件と比べ方を書き足しました(既存の数字・法令・日付は変えていません)。
- 第1版公開
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