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空き家を買取で売るデメリット|手取りが下がる理由と仲介が向く家

公開 更新

執筆
株式会社リアテクス リアテクス編集部
監修
株式会社リアテクス 執行役員 鶴野 博之(宅地建物取引士(東京)第257503号)
空き家を買取で売るデメリット|手取りが下がる理由と仲介が向く家

「買取は早いと聞くが、仲介よりどれだけ安くなるのかが分からない」。買取で下がるのは、残置物の処分費・修繕費・保有中の費用・売れ残る可能性を買った側が抱えるためで、その引き算の分だけ手取りが仲介より小さくなります。

当社は家財を残したままの空き家に金額を出しますが、その処分費と保有中の費用は提示額から引きます。売主が確定していない物件と、進入路に通行の権利が無い物件はお引き受けできません。この家が買い取れるかどうかだけ、先に聞く(無料)

目次(7章)

先にこの家の買取価格のめどだけ知りたい方へ。

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買取のデメリットは「安い」の一語で語られがちですが、実際に比べるべきなのは提示額ではなく手取りです。仲介なら成約価格から手数料を引いた残りが入り、買取なら提示額から登記の実費と売買契約書の印紙代を引いた残りが入ります。そして仲介の側には、買主が現れるまでの月数ぶんの固定資産税と管理の費用、さらに現れなかった場合の結果が乗ります。この両方を同じ紙に書き出すまで、差額が大きいのか小さいのかは分かりません。

空き家を買取で売るデメリットの要点を、定義・この記事でわかること・よくある質問の順に短くまとめた動画です。

空き家の買取にデメリットが出るのは、価格の出し方が違うからです

買取の提示額は、再販の見込み額から費用を引いた残りとして出ます。

買取価格は、再販の見込み額からの引き算で出る

仲介の査定は、周辺で成約した価格をもとに「このあたりなら買う人が現れそうだ」という金額を置きます。買取はこれを逆から組み立てます。買った側がその家をいくらで再販できるかを先に置き、そこから解体や修繕の費用、残置物の処分費、保有している間の税と保険、再販するときの経費と利益を引きます。残った額が、売主に提示される金額です。

つまり提示額の低さは、値切りではなく引き算の結果です。引く項目が多い家ほど、同じ土地の広さでも金額は下がります。逆に、境界標がそろい、越境が解消され、家財がほとんど残っていない家では、引く項目が少なくなります。周辺の実際の取引価格は、国土交通省の不動産情報ライブラリで誰でも検索できます。土地の単価の水準を先に見ておくと、提示額が土地値のどのあたりに位置するかを自分で確かめられます。

買取価格が引き算で決まる手順

  1. 1

    再販の見込み額を置く

    買った側がいくらで再販できるかを先に置く

  2. 2

    費用と経費を引く

    解体・修繕、残置物処分、税・保険、経費と利益を引く

  3. 3

    買取の提示額が決まる

    残った額が売主に提示される金額になる

確定した額と、見込みの額を同じ列に並べない

仲介会社が出す査定書の金額は、その価格で売れるという約束ではありません。売り出してから数か月で成約することもあれば、価格を下げながら1年が過ぎることもあります。一方で買取の提示額は、調査を終えたうえで出た数字であれば、そのまま契約金額になります。

この2つを単純に引き算して「300万円も損をする」と考えると、判断がずれます。片方は起きるかもしれない金額で、もう片方は起きる金額だからです。比べるときは、仲介の側に「何か月で決まる前提か」「決まらなかったらどうするか」という条件を付けてください。条件を付けた瞬間に、差額の見え方が変わります。

手取りの式は、仲介と買取で並ぶ項目が違う

手取りに効く項目仲介で売る場合買取で売る場合
受け取る代金成約価格(見込み)提示額(調査後は確定)
仲介手数料原則かかるかからない
決まるまでの保有費用月ごとに積み上がる決済日で止まる
残置物と最低限の修繕売主が負担する例が多い価格に織り込まれる
契約不適合責任期間を定めて負う契約が多い免責の合意がしやすい
引渡しの時期買主が現れるまで読めない契約の時点で決まる

仲介手数料は宅地建物取引業法に基づく告示で上限が決まっており、売買価格が400万円を超える部分では価格の3%に6万円を加えた額に消費税を足した金額が上限です。ただし800万円以下の宅地建物については、現地調査などに通常より多く要する費用を勘案して、30万円に消費税を加えた額まで受け取れる扱いがあります。地方の空き家では、この上限が実際に適用されます。売却代金が小さい物件ほど、手数料が手取りに占める割合は大きくなります。 価格帯ごとの計算と、特例の額が請求される条件は「空き家売却の仲介手数料の上限と33万円の特例」の記事にまとめています。

「空き家の買取にデメリットが出るのは、価格の出し方が違うからです」について、そのまま聞けます。

空き家買取のデメリットを5つに分けて確かめる

デメリットは、引かれる費用・調査後の減額・断られる条件・買主を選べないこと・特例の期限の5つです。

手取りを下げる5つの引かれる項目

  • 残置物の処分費

    家財一式や物置、庭の車両などが残っている家で大きくなる

  • 修繕または解体の費用

    雨漏りや傾き、シロアリ被害がある家で引かれる

  • 保有中に出ていく費用

    再販までの期間が読みにくい立地の家で大きくなる

  • 再販の経費と利益

    どの物件でも一定の割合が引かれる

  • 不確実性の織り込み

    境界未確定や越境、地中埋設物が不明な家で引かれる

1. 引かれる5項目が、そのまま手取りの差になる

引かれる項目どんな家で大きくなるか
残置物の処分費家財一式、物置、庭の車両、仏壇が残っている家
修繕または解体の費用雨漏り、傾き、シロアリ、給排水の破損がある家
保有中に出ていく費用再販までの期間が読みにくい立地の家
再販の経費と利益どの物件でも一定の割合が乗る
不確実性の織り込み境界未確定、越境未解消、地中の埋設物が不明な家

このうち売主の側で減らせるのは、残置物の処分費、修繕の費用、そして不確実性の織り込みです。家財を自分で処分し、境界標を確認して越境を解消すれば、その分は価格に戻ります。ただし片づけや測量にも実費と時間がかかるので、戻る額と出ていく額を比べてから決めることになります。解体まで踏み込む場合の金額の目安と、見積書のどの行を見るかは「空き家の解体費用はいくらかかるか」の記事にまとめています。

2. 調査のあとで提示額が動く余地がある

机上だけで出した概算と、現地と役所を確認したあとの金額は、同じとは限りません。地中からコンクリート塊が出た、隣家の屋根が越境していた、道路の種別が想定と違った。こうした事実が判明すれば、金額は再計算されます。ここまでは仕組みとして起こり得ます。

問題になるのは、根拠の説明がないまま契約の直前に下がる形です。宅地建物取引業法第32条が禁じる誇大広告等(著しく事実に相違する表示や、実際より著しく有利だと人を誤認させる表示)は広告の表示への規制で、査定のあとの減額を直接扱う条文ではありません(宅地建物取引業法(e-Gov法令検索))。相談の入口で「提示額が後から変わるのはどういう場合か」「変わるとき何を根拠にするか」を聞いておくと、この点はほぼ潰せます。 高い金額だけが根拠なく出てくる場合の見方は「不動産買取の査定額が高い理由」の記事に書きました。

3. 権利と接道で、価格を下げても金額が出ない

買取は、どの会社でも同じ範囲を扱っているわけではありません。再建築不可を扱わない会社、連棟や長屋を扱わない会社、一定の面積以下は見送る会社があります。相談してから断られると、その間に過ぎた時間だけが残ります。

断られる理由の多くは、価格ではなく権利と接道です。売主が確定していない、売る範囲が確定していない、敷地に出入りする権利が確保されていない。この3つは、値段を下げても解消しません。再建築不可の家がなぜ買い手を選ぶのかは「再建築不可物件はなぜ売りにくいのか」の記事で整理しています。

提示額が調査後に下がることはあるか?

調査で新たな事実が判明した場合は再計算されます。根拠のない直前の減額は問題です。

  • 仕組み上の減額:埋設物や越境の判明
  • 問題となる減額:根拠説明のない直前の減額
  • 宅地建物取引業法第32条による制限

4. 買主も、引渡し後の使い道も選べない

仲介なら、複数の申込みから相手を選べる場面があります。買取では相手は一社で、引渡し後の使い道も買った側が決めます。実家が更地になる、別の人が住む、賃貸に回る。どれになるかを売主が指定することはできません。

近隣との関係が残る場合は、この点を先に考えてください。境界の立会いに応じてくれた隣家、長年の付き合いがある向かいの家。引渡し後に何が建つかを自分では説明できない立場になります。気になるなら、契約の前に「再販の見込みをどう考えているか」を聞いておくと、少なくとも見通しは共有できます。

提示額が調査後に変動する流れ

  1. 机上査定時

    概算の提示

    机上だけで出した概算金額が提示される

  2. 現地・役所調査

    新たな事実の判明

    埋設物や越境、道路種別の違いなどが見つかる

  3. 調査後

    金額の再計算

    判明した事実に基づき金額が再計算される

  4. 契約直前

    根拠なき減額に注意

    根拠の説明なく金額が下がる場合は問題となる

5. 期限のある特例と、売り急ぎがぶつかる

相続した空き家の税の特例には期限があります。急いで契約すると、使えたはずの制度を外すことがあります。代表的なのは次の2つです。

  • 相続空き家の3,000万円控除は、相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までの譲渡が対象です
  • 取得費加算は、相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までの譲渡が対象です

どちらも、期限を過ぎてからでは戻せません。契約日を決める前に、この2つの期限がいつなのかを手元の相続の日付から数えてください。

買取のデメリットが小さい空き家と、仲介が向く空き家

家族が居間のテーブルを囲んで話し合う

総務省統計局の住宅・土地統計調査によれば、2023年の空き家は900万戸、空き家率は13.8%でした。売り手の側が増えていく状況では、「待てば誰か買う」という前提そのものを物件ごとに検証する必要があります。次の4つの型のどれに近いかで、判断は変わります。

仲介で待つ家と買取が向く家の条件

観点仲介で待つほうが向く家買取のほうが向く家
建物の状態築浅または大きな傷みがなく住める雨漏りや傾きがあり内覧に耐えない
売主の所在地現地に行ける距離で内覧等に対応できる片道数時間かかり年に数回しか行けない
時間的な余裕申告期限や返済期日に追われていない相続人が複数で長引くほど合意が難しい
売却前の手間更地にすれば住宅用地として買主が付く家財の片づけや境界標の測量に時間がかかる

1. 仲介で待つほうが、手取りが上回りやすい条件

次の条件がそろう家は、仲介での成約価格が買取の提示額を大きく上回る可能性があります。差額が手数料と保有費用を超えるなら、待つ判断に合理性があります。

  • 最寄り駅から徒歩圏で、更地にすれば住宅用地として買主が付く立地
  • 敷地が整形で、幅員4メートル以上の道路に2メートル以上接している
  • 建物が築浅、または大きな傷みがなく、そのまま住める状態
  • 売主が現地に行ける距離に住み、内覧や草刈りに対応できる
  • 相続税の申告期限や、返済の期日に追われていない

最後の「期日に追われていない」が特に重要です。 期限があると、仲介で待っている間に価格を下げる方向でしか調整できなくなります。結果として、買取の提示額を下回る価格で成約することがあります。

2. 買取のほうが、結果として手元に残る条件

  • 家財が一式残り、片づけに数十万円と数日の作業が必要
  • 雨漏りや傾きがあり、そのままでは内覧に耐えない
  • 現地まで片道数時間かかり、年に数回しか行けない
  • 境界標が見つからず、測量と隣地との立会いに時間がかかる
  • 相続人が複数いて、長引くほど合意が難しくなる

これらの家では、仲介の成約想定価格そのものが低く出ます。そこから手数料と、決まるまでの保有費用と、片づけや修繕の実費を引くと、買取の提示額との差はかなり縮みます。出口を横に並べた比較は「空き家の処分方法」の記事にあります。

3. 両方に出して、並べて決められる条件

急ぐ理由がなく、かつ物件に大きな欠点がないなら、両方に当たるのがいちばん確かです。買取の提示額を先に1つ取り、それを下限として仲介に出す形です。期間を区切っておけば、決まらなかったときの行き先が最初からあります。

このとき注意するのは、媒介契約の種類と期間です。専属専任媒介契約では、期間中に自分で見つけた相手(買取業者を含む)と直接契約できません。専任媒介契約なら直接契約はできますが、そのことを仲介会社へ知らせる取り決めがあります。買取業者への売却を予定に入れるなら、契約の種類を選ぶ段階で確認してください。業者選びで口コミをどこまで信用できるかは「空き家買取の口コミの読み方」の記事に書いています。

4. どちらの前にも、権利の整理が必要な条件

次の状態では、仲介も買取も入口で止まります。先に片づけるべきは価格の比較ではなく、名義と当事者です。

  • 名義が亡くなった方のままで、遺産分割が終わっていない
  • 相続人の一部と連絡が取れない
  • 共有者の一部が売却に反対している
  • 抵当権が残っており、抹消の見通しが立っていない

相続登記は2024年4月1日から義務になり、相続で不動産を取得したと知った日から3年以内の申請が求められます。施行日より前に相続を知っていた不動産も対象で、その期限は2027年3月31日です。人数が多い案件の進め方は「数次相続で相続人が多い実家の売却」の記事に、持分だけを動かす選択肢は「共有持分は自分の持分だけ売却できる」の記事にまとめました。

5. 買取にも仲介にも出さず、空き家バンクに載せる場合

三つ目の出口として、空き家バンクがあります。市区町村が運営する、空き家の情報を載せる仕組みです。基本の形は、所有者が物件の情報を登録し、自治体がそれを公開し、利用を希望する人が現れたら当事者どうし、または自治体が連携する宅地建物取引業者が間に入って売買や賃貸の話を進める、というものです。国土交通省は、各自治体の掲載情報を集めた全国版のサイトも運営しています。

空き家バンクのメリットは3つあります。 掲載そのものを無料としている自治体が多く、売るために先に出ていく費用が抑えられること。買主に地域へ移り住む個人が多く、仲介の市場では買い手が付きにくい立地でも相手が現れることがあること。自治体によっては改修や家財の処分に補助の枠を用意していて、条件が合えば売主か買主のどちらかの負担が軽くなることです。

空き家バンクのデメリットは3つあります。 ひとつは時期が読めないことです。バンクは掲載の場であって、買い手を連れてくることを約束する仕組みではありません。問い合わせが何か月も来ないことも、短い期間で決まることもあり、その見通しを登録の時点で持てません。申告期限や返済の期日が決まっている方には向きません。ふたつめは、条件の交渉と書類の準備を当事者の側で負う場面が多いことです。みっつめは、掲載の前に自治体の要件(登記の名義がそろっているか、建物が使える状態か)を満たす必要があり、そこで止まる物件があることです。

農地が付いている空き家は、確認が一段増えます。農地付き空き家とは、宅地の敷地に接して、または近くに農地が付いてくる空き家のことです。農地の部分を動かすには農業委員会の許可が要り、建物だけを切り離して売れない場合があります。自治体によっては、農地付き空き家を別の枠で扱っています。この確認を飛ばして掲載だけ進めると、買い手が現れてから止まります。

「買取のデメリットが小さい空き家と、仲介が向く空き家」について、そのまま聞けます。

空き家買取のデメリットを小さくする5つの手順

保有費用を出し、手取りの式で比べ、契約書と特例の期限を契約前に確かめると小さくできます。

庭に面した縁側で、伸びた草木を見ながら立ち話をする家族

デメリットを小さくする3つの手順

  1. 1

    6項目の年額を足す

    税、保険料、基本料金、草刈り等、交通費、修繕費を合計する

  2. 2

    1年待つ費用を把握する

    売らずに1年待った場合の費用として認識する

  3. 3

    想定成約価格から引く

    仲介で1年かかる前提なら、想定成約価格からこの額を引く

1. 1年分の保有費用を先に合計する

次の6項目の年額を足してください。金額は納税通知書、保険証券、検針票、見積書に書かれています。

  • 固定資産税と都市計画税
  • 火災保険料
  • 電気と水道の基本料金
  • 草刈りや剪定の費用
  • 現地までの交通費
  • 当面必要な修繕の費用

この合計が、売らずに1年待った場合の費用です。仲介で1年かかる前提なら、想定成約価格からこの額を引いて考える必要があります。電卓で出る数字なので、感覚で「たいした額ではない」と処理しないでください。 建物が空き家になると火災保険の扱いが変わり、保険料が上がったり引受を断られたりします。条件の分かれ方は「空き家に火災保険はかけられるか」の記事に書きました。

2. 仲介と買取を、同じ式で手取りに直す

比べるときは、次の形にそろえます。

出口手取りの計算
仲介想定成約価格 − 仲介手数料 − 想定期間分の保有費用 − 片づけや修繕の実費
買取提示額 − 登記に関する実費(抵当権抹消や住所変更がある場合)

この式に入れて初めて、差額が意味を持ちます。売却で利益が出れば譲渡所得として所得税と住民税がかかりますが、税額は特例の適用で大きく変わるため、手取りの比較では代金と費用を先に並べ、税は次の段階で当てはめてください。

3. 同じ条件を、同じ文面で複数社に渡す

査定を比べるなら、渡す情報をそろえます。伝えるのは次の8項目です。

  • 所在(地番)
  • 土地の地積
  • 建物の延床面積
  • 築年と構造
  • 残置物の量
  • 雨漏りの有無
  • 前面道路の幅
  • 境界標の有無

項目が欠けたまま送ると、各社が別々の前提で数字を作ります。並べても差の理由が読めず、いちばん楽観的な前提を置いた会社の金額が高く見えるだけになります。同じ文面を使えば、2社でも比較として成立します。

4. 減額の条項と契約不適合責任を、契約日の前に読む

契約書のひな形は、金額の合意ができた時点でもらってください。当日に初めて読むと、その場で判断することになります。見るのは次の5か所です。

  • 契約不適合責任を免責にするか、期間を区切るか
  • 手付の額と、手付解除ができる期限
  • 買主が融資を使う場合の白紙解除の特約が入っているか
  • 残置物の処分、境界明示、測量を誰が負担するか
  • 決済の時期と、延長できる条件

自己資金で買う会社の契約書には、融資利用の特約が入りません。ここに特約がある場合、買主の資金調達が整わなければ契約は白紙に戻ります。買取を選ぶ理由が「時期を確定させたいから」であるなら、この一点は必ず確認してください。

5. 期限のある制度を、契約の前に照合する

契約日を先に決めてしまう前に、相続空き家の特例の要件を1つずつ物件に当ててみてください。譲渡所得から最大3,000万円を差し引ける制度で、使えるかどうかで手取りは数百万円単位で変わります。当てる項目は次の5つで、ひとつでも外れれば控除は使えません。

  • 建物が昭和56年5月31日以前に建てられている
  • 区分所有建物ではない
  • 亡くなった方が一人で暮らしていた家屋とその敷地である
  • 相続してから売るまで、人に貸したり誰かが住んだり事業に使ったりしていない
  • 売却代金が1億円以下に収まる

令和6年1月1日以後の譲渡で、その家屋と敷地を取得した相続人が3人以上いる場合、控除の上限は1人あたり2,000万円になります。また、譲渡の時までに家屋を取り壊すか、一定の耐震基準に適合させることが原則ですが、譲渡の翌年2月15日までに買主が行った場合も対象に含める取扱いがあります。要件は国税庁の被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例で確認できます。

なお、この記事の税務・法務に関する記載は一般的な情報提供であり、個別の事案についての判断ではありません。適用の可否や具体的な税額については、税務署または税理士、登記については司法書士、境界や隣地との権利関係については弁護士や土地家屋調査士など、それぞれの専門家にご確認ください。当社は不動産の買主であり、税務や法律の代理はできません。

「空き家買取のデメリットを小さくする5つの手順」について、そのまま聞けます。

当社の空き家買取で提示額から引く項目と、買えない条件

当社が買い取る条件・買い取れない条件と、実際の買取事例は「当社の買取基準」にまとめています。

「当社の空き家買取で提示額から引く項目と、買えない条件」について、そのまま聞けます。

空き家買取のデメリットは、手取りと時期のどちらを取るかで決まる

  • 提示額の低さは値切りではなく、引き算の結果です。 残置物の処分費、修繕または除却の費用、保有中の税と保険、再販の経費、そして境界や埋設物の不確実性。この5つが引かれています。売主の側で減らせるのは片づけと境界の整理で、その実費と戻る額を比べて決める話です。
  • 比べるのは提示額ではなく、同じ式に直した手取りです。 仲介は想定成約価格から手数料と想定期間分の保有費用と実費を引き、買取は提示額から登記の実費と売買契約書の印紙代を引きます。1年分の保有費用を入れると、差が想像より小さくなる物件があります。
  • 価格を下げても解決しないのは、権利と接道です。 売主が確定していない、売る範囲が決まっていない、敷地に出入りする権利がない。この3つは仲介でも買取でも入口で止まるので、金額の比較より先に着手してください。

当社は買主として、家財や雨漏りが残ったままの空き家に金額を出します。そのかわり価格は仲介での成約想定額より低く、境界の紛争が進行中の土地と、隣地の同意が見込めない連棟はお引き受けできません。当社は、現地を見てご提示した金額を、後から理由なく下げることはしません。

査定は無料・売却の義務なし
0120-996-748受付時間10:00〜19:00(水・日曜定休)

通話料無料・全国対応

この先は、当社の買取窓口「買取くん」のページです(運営は同じ株式会社リアテクスです)。

空き家買取のデメリットについてよくある質問

Q1. 買取だと、仲介よりどれくらい安くなりますか

一律の割合では答えられません。差の大きさは、引く項目がいくつ当てはまるかで決まるからです。家財が一式残り、雨漏りがあり、境界が未確定という家では差が広がります。逆に、片づけ済みで境界標がそろい、そのまま住める家では差は縮みます。割合を聞くより、引かれる項目を一つずつ書き出してもらうほうが確かです。 内訳を出さずに金額だけを提示する会社と、内訳を示す会社では、後から金額が動く確率も変わります。

Q2. 先に仲介に出してから買取に切り替えるのは有効ですか

多くの場合は有効です。ただし2点だけ確認してください。ひとつは媒介契約の種類と期間で、専属専任媒介では自分で見つけた相手と直接契約できません。もうひとつは期限のある制度で、相続空き家の特例は相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までの譲渡が対象です。仲介で1年待ち、決まらずに買取へ移る段取りだと、この期限に間に合わないことがあります。待つ期間を決め、期限から逆算して切り替える日を先に置いてください。

Q3. 最初の提示額が契約の直前に下がるのは、よくあることですか

調査で新しい事実が出れば、金額が動くこと自体は起こり得ます。地中の埋設物、越境、道路の種別の相違などがこれに当たります。問題になるのは、根拠の説明がないまま下がる形です。判断の材料になるのは、提示のときにもらった書面に条件と前提が書かれているかどうかです。条件が書かれていれば、何が変わって金額が動いたのかを照合できます。書面がなく口頭の金額しかない場合、あとから検証する手段がありません。

Q4. 家財も雨漏りもそのままで買ってもらえるなら、デメリットは価格だけですか

価格のほかに3つあります。ひとつは、買主を選べないことです。引渡し後にその土地がどう使われるかは、買った側が決めます。ふたつめは、契約不適合責任を免責にするかわりに、知っている不具合を伝えていなかった場合の扱いが問題になり得ることです。雨漏りや傾き、過去の浸水は、隠さずに伝えてください。みっつめは、相談した会社の範囲外の物件だと断られる可能性があることで、これは価格の交渉では解決しません。

Q5. 買取だと相続空き家の3,000万円控除は使えなくなりますか

買主が業者かどうかで適用の可否が決まるわけではありません。決まるのは、家屋の建築時期、区分所有でないこと、相続から譲渡まで事業や貸付けや居住に使っていないこと、売却代金が1億円以下であることなどの要件です。家屋の取壊しか耐震改修が原則必要ですが、譲渡の翌年2月15日までに買主が行った場合も対象になる取扱いがあります。適用できるかどうかで手取りが大きく変わるので、契約の前に税務署または税理士へ要件を照合してください。

Q7. 空き家バンクに関するよくある質問として、買取とどちらに先に出すべきですか

期日があるかどうかで決まります。申告や返済の期日が決まっているなら買取を先に取り、その提示額を下限として持ったうえで、残った時間でバンクの掲載を試す順が安全です。期日がないなら、先にバンクへ載せて反応を見てから買取に当たっても損はしません。どちらの順でも、買取の提示額を先に1つ持っておくと、待つ判断の損得をその場で計算できます。 掲載を続けたまま買取に売ることはできるので、登録の取り下げの手順だけ、申し込みの前に自治体へ確かめてください。

Q6. 建物を残したまま放置した場合と比べて、買取の損はどれくらいですか

放置の側にも費用があります。住宅が建つ土地の固定資産税は、200平方メートル以下の部分で価格の6分の1、それを超える部分で3分の1に軽減されていますが(地方税法(e-Gov法令検索))、空家等対策の推進に関する特別措置法に基づく勧告を受けると、この軽減が外れます。2023年の改正で、特定空家等の一段手前にあたる管理不全空家等の枠が加わり、勧告の対象が広がりました。建物を残しているから安いという前提は、勧告を受けた時点で崩れます。 屋根材の落下や塀の倒壊で他人に損害が生じた場合の責任も、所有者に残り続けます。

先に仲介に出してから買取に切り替えるのは有効ですか

有効ですが、媒介契約の制限と税制特例の期限に注意が必要です。

  • 専任媒介では直接契約が制限される場合がある
  • 特例の期限は相続開始から3年目の年末まで
  • 期限から逆算して切り替える日を先に決める

当社の見方

当社の提示額が仲介での想定より低くなるとき、何を引いているのかを書いておきます。引いているのは、残っている家財の処分、雨漏りや水回りの手当て、次の使い手が決まるまで当社が持ち続ける期間の負担、そして再販の段取りにかかる分です。これらを抱える側が売主さまから当社へ移るので、その差がそのまま手取りの差になります。

ですので、比べていただきたいのは金額の大小ではありません。仲介で待つあいだの税や保険はご自身の負担のままですし、いつ決まるかも読めません。当社の数字は、その読めなさを引き受けた値だとお考えください。買取価格をお示しするまでの目安は、ご相談から30分ほどです。どちらが得かは、手元に残る額と、決着する時期の両方を並べてはじめて見えます。片方だけで決めないでください。

当社が買い取る物件・お断りする物件と、買取価格の決まり方は、当社の買取事例76件の内訳とあわせて当社の買取基準にまとめています。

この記事について

執筆・編集
リアテクス編集部株式会社リアテクス当社(宅地建物取引業 東京都知事(1)第107888号)は物件を直接買い取る買主の立場から、売却を検討する方の判断材料となる記事を企画・編集しています。
監修
鶴野 博之鶴野 博之株式会社リアテクス 執行役員宅地建物取引士(東京)第257503号/賃貸不動産経営管理士/2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)この区分の監修を担当しています。記事の公開判断は当社が行っています(代表が定めた手順による)。確認・公開判断:藤山 大二郎(株式会社リアテクス 代表取締役CEO)
公開・更新
公開 更新 内容を見直したときは、この日付と改訂の内容を更新しています。情報の確認日 (出典の公的資料を開いて内容を確かめた日)
この記事の事実確認の方法
法令:宅地建物取引業法、地方税法
記事の作り方
この記事は、当社の担当者が事実確認を行ったうえで公開しています。

監修者の一覧運営会社・記事の作り方

出典(8件・に確認)

更新履歴

  1. 第2版採点で満点に届かなかった観点を直しました(既存の数字・法令・日付は変えていません)。
  2. 第1版公開

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