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空き家

土壌汚染の土地を売却する|調査を求められる条件

公開 更新

執筆
株式会社リアテクス リアテクス編集部
監修
株式会社リアテクス 取締役COO 薩摩 賢幸
土壌汚染の土地を売却する|調査を求められる条件

「工場の跡地だった土地やクリーニング店だった実家を売ろうとしたら、土壌汚染の調査を求められて話が止まっている」。汚染のある土地でも売買そのものは禁じられておらず、止まる原因は調査義務の有無ではなく、費用と責任の負担先が決まっていないことにあります。

汚染の可能性がある土地は、調査前の現況でも買い取ります。調査費用と対策費用の見込みを価格から引くため、調査済みで汚染なしと確認された土地より価格は低くなります。この家が買い取れるかどうかだけ、先に聞く(無料)

目次(12章)

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工場やクリーニング店、ガソリンスタンドの跡地を相続した方から、買主側に調査を求められて話が止まっているというご相談をいただきます。土壌汚染がある土地でも、売買そのものは法律で禁じられていません。止まるのは、誰が調べ、誰が費用を出し、後から出たときに誰が負うかが決まっていないからです。

土壌汚染の土地を売却するの要点を、定義・この記事でわかること・よくある質問の順に短くまとめた動画です。

土壌汚染のある土地は法律上も売却可能で、止まるのは費用の負担先

土壌汚染のある土地の売却は、法律上可能です。取引を止めるのは禁止規定ではなく、調査費用と対策費用を売主と買主のどちらが負うかという一点です。

売買契約が止まる3つの原因

  • 調査の有無

    法律の義務か、買主や金融機関が担保価値を保つために求める任意のものかの違い

  • 費用の負担先

    調査や対策の費用を売主と買主のどちらが負うか。手取り額に直結する分かれ目

  • 契約後の責任

    原則として現在の所有者が負う。価格を下げて売るか、調べて価格を維持するかの選択

汚染があっても所有権の移転は制限されない

土壌汚染対策法は、土地の売買を禁じる条文を置いていません。区域に指定された土地でも、所有権を移すこと自体は制限されていません。制限がかかるのは掘削や盛土といった土地の形質の変更です。要措置区域内での形質変更は土壌汚染対策法第9条により原則として禁止され、汚染の除去等の実施措置として行う行為、通常の管理行為や軽易な行為、非常災害のための応急の措置として行う行為が例外として認められています。許可を取れば掘れる、という仕組みではありません。形質変更時要届出区域では、着手の14日前までに都道府県知事へ届け出ることが求められます(土壌汚染対策法(環境省))。

つまり、汚染が出た土地でも売れます。売れないのではなく、買った人が使いにくいぶん、価格が下がるという形で表に出ます。買主が住宅を建てる目的であれば、掘削を伴う基礎工事ができるかどうかが価格に直結します。駐車場のように形質を変えない使い方であれば、区域の指定が残っていても差し支えないこともあります。

買主が求めるのは義務の履行ではなく、後から出ないという安心

売主が調査を求められる場面のほとんどは、法律上の義務が発生したからではありません。買主や、買主に融資する金融機関が、担保価値の毀損を避けるために求めています。金融機関は、汚染が判明した土地に対して評価を下げるか、融資そのものを見送ることがあります。

ここが分かりにくいところです。法律の義務がないのに調べろと言われる。義務がないなら断れるはずだと考えて、話が止まります。実際には、断ったうえで価格を下げて売るか、調べて汚染なしを示して価格を維持するかの選択です。どちらが手取りで有利かは、土地の面積と過去の用途で変わります。

責任を負うのは、原則として現在の所有者

土壌汚染対策法が調査や措置の名宛人としているのは、原則としてその土地の所有者・管理者・占有者です。汚染の原因を作ったのが先代でも、前の事業者でも、いま持っている人に調査命令や措置命令が来ます。汚染の原因者が明らかで、その者に措置を講じさせることが相当と認められる場合には原因者に命じる仕組みもありますが、まずは所有者側に向くという構造です。

相続で受け取った土地も同じです。親が営んでいた工場の操業を自分は見ていなくても、名義が自分に移れば、名宛人は自分になります。相続してから何年経っているかは関係ありません。

土壌汚染対策法で調査が必要になる3つの場面と、条例・任意の調査

実家の居間で、家族が向かい合って話し合っている

土壌汚染対策法が調査を義務づけるのは、法第3条・第4条・第5条の3つの場面だけです。売却そのものは契機に含まれず、条例による上乗せは同法とは別枠の決まりです。多くの取引で行われている調査は、買主との合意にもとづく任意のものです。

調査が必要になる入口と義務の有無

調査の契機法律上の義務主な対象・条件
有害物質使用特定施設の廃止あり(法第3条)メッキ工場やクリーニング店などの廃止時
一定規模以上の形質変更あり(法第4条)原則3,000㎡以上(特定施設跡地は900㎡以上)
健康被害のおそれあり(法第5条)地下水汚染などで知事が命じた場合
買主や金融機関からの求めなし(任意)担保価値の維持や取引の条件として

有害物質使用特定施設の廃止(法第3条)

水質汚濁防止法に定める特定施設のうち、有害物質を使用していた施設を廃止したとき、その土地の所有者等に調査の義務が生じます。メッキ工場、半導体工場、ドライクリーニング設備を備えた店舗などが該当し得ます。この調査は、廃止から一定期間内に実施し、都道府県知事へ報告します。

ただし、引き続き工場等の敷地として使用されるなどして、人の健康に被害が生ずるおそれがないと都道府県知事の確認を受けた場合には、調査の実施が猶予されます(法第3条第1項ただし書の確認)。猶予されたまま土地を売る場合、猶予が解除されるきっかけは、その土地の用途が変わるときです。住宅用地として売る話が進んだ時点で調査が必要になる、という順番になります。

3,000平方メートル以上の土地の形質変更(法第4条)

一定規模以上の土地の形質の変更をしようとする者は、着手の30日前までに都道府県知事へ届け出ることが求められます。この規模は原則3,000平方メートル以上です。線が900平方メートル以上に下がるのは、有害物質使用特定施設が現に設置されている工場等の敷地と、施設の廃止にあたって上に書いた法第3条第1項ただし書の確認を受け、調査が猶予されている土地に限られます。操業をやめて廃止時の調査を済ませた跡地は、この例外に当たらず、原則どおり3,000平方メートルの線で見ます。いま操業中か、廃止後に調査の猶予を受けたままか、調査を済ませてあるか。この3つのどれに当たるかで、届出の面積の線が変わります。届出を受けた知事が、汚染のおそれがあると認めるときに調査命令が出ます。

住宅1棟の建て替えでこの規模に達することはまれです。一方、工場跡地をまとめて分譲地にする、アパートを建てるといった計画では届出の対象になり得ます。売主が更地にして売るつもりで解体を発注する場合、解体に伴う基礎の撤去が形質変更に当たるかどうかを、先に自治体の環境部局へ確認してください。

健康被害のおそれがある場合の調査命令(法第5条)

地下水の汚染が確認されるなどして、人の健康に係る被害が生ずるおそれがあると都道府県知事が認めるとき、土地の所有者等に調査が命じられます。近隣の井戸から基準を超える物質が出た、という形で表に出ることがあります。この入口は売主の予定と無関係に来ます。

土壌汚染対策法とは別枠の条例の上乗せと、買主からの任意の求め

都道府県や政令市の条例が、土壌汚染対策法とは別に独自の調査契機を置いている地域があります。条例にもとづく調査は同法が課す義務ではありませんが、その区域では従う必要があります。東京都は環境確保条例で、工場や指定作業場の廃止時、一定規模以上の土地の改変時に調査と報告を求める仕組みを持っています。売る土地の所在地の条例を確認しないと、法律だけ読んで「義務なし」と判断して後で覆ることがあります。

残るのが任意調査です。取引の実務ではこれが最も多く、売買契約の条件として「引渡しまでに売主の費用で表層調査を行う」と書かれる形になります。義務ではないので断れますが、断れば買主が降りるか、価格が下がります。

「土壌汚染対策法で調査が必要になる3つの場面と、条例・任意の調査」について、そのまま聞けます。

土壌汚染のおそれがある土地の特徴を、過去の用途から見分ける

汚染のおそれは、土地の過去の使われ方で分かれます。同じ住宅地でも、40年前に何があったかで調査を求められる確率が変わります。

過去の用途と想定される物質

過去の用途想定される主な物質見分ける手がかり
工場・作業場重金属、揮発性有機化合物コンクリート土間の溝、天井のクレーン跡
クリーニング店テトラクロロエチレン溶剤の保管場所や機械の設置場所の記録
ガソリンスタンド・整備工場ベンゼン、鉛地下タンク撤去時の土壌入れ替え記録
農地・果樹園砒素、有機塩素系の物質過去の農薬使用歴

1. 工場・作業場の跡地

金属加工、メッキ、塗装、印刷、半導体の工程では、六価クロムやカドミウム、鉛といった重金属や、トリクロロエチレンなどの揮発性有機化合物が使われてきました。操業当時の排水や洗浄の方法が今と違うため、敷地の一部に染み込んでいることがあります。

見分ける手がかりは、建物の構造と床です。コンクリートの土間に、排水の溝や桝が切ってある。天井にクレーンのレールが残っている。こうした痕跡がある建物を住宅として使っていた家は、実家であっても過去に作業場だった可能性があります。

2. クリーニング店とその跡地

ドライクリーニングの溶剤として、かつてテトラクロロエチレンが広く使われていました。この物質は水より重く、地下へ下がって帯水層に達することがあります。店舗併用住宅として建て替えられ、外からは分からなくなっている土地が各地にあります。

現在も営業しているかどうかは関係ありません。過去に使用していた期間があれば、そのときの取り扱いが問題になります。溶剤の保管場所、機械の設置場所、排水の経路を、当時の図面や写真から追うことになります。

3. ガソリンスタンド・自動車整備工場の跡地

地下タンクからの漏えいで、ベンゼンや鉛が土壌に入ることがあります。タンクを撤去した際に周辺の土を入れ替えていれば記録が残っているはずで、その記録の有無が調査の要否を分けます。整備工場では、廃油やブレーキ関係の部材の扱いが問われます。

4. 農地・果樹園だった土地

農薬として砒素や有機塩素系の物質が使われていた時期があります。果樹園の跡地で砒素が出る例が知られており、住宅地に転用されるときに問題になります。農地を相続して宅地として売る場合、ここが盲点になります。農地の転用そのものの手続は「農地を相続したが売れない」の記事に整理しています。

5. 埋立地・造成地と、外から持ち込まれた土

谷や池を埋めて造成した土地では、埋め立てに使われた土や廃材が問題になることがあります。建設発生土に混ざって、基準を超える物質が持ち込まれる場合があるためです。造成の年代が古いほど、記録が残っていません。

地形の古い姿は、国土地理院の地図・空中写真閲覧サービスや、自治体の図書館にある旧版地図で確かめられます。この確認は無料でできる部分が多く、調査を発注する前の第一歩になります。

どこまで調べるかで、費用の桁と分かることが変わる

調べ方は資料調査・表層土壌調査・ボーリング調査の3段階で、上から順に進みます。費用の桁は段階ごとに1つずつ上がるため、どこで止めるかが売却費用を左右します。

土壌汚染調査の3段階と費用の上がり方

  • 過去の記録からおそれの有無を判定
    1段階: 数万円〜数十万円(2週間〜1か月)
  • 地表から50cmの土を採取し分析
    2段階: 数十万円〜百万円超(数週間)
  • 帯水層まで掘り汚染の広がりを把握
    3段階: 費用がさらに1桁上がる

1. 資料調査(地歴調査・フェーズ1)

登記記録、旧版地図、空中写真、住宅地図、閉鎖登記簿、自治体に残る許認可の記録を突き合わせ、その土地で過去に何が行われていたかを追います。土を掘らないため、結果は「おそれがあるか・ないか」までです。

期間は2週間から1か月程度が目安で、費用は数万円から数十万円の範囲に収まることが多いところです。ここで「おそれなし」という整理ができれば、買主との交渉材料になります。逆に、おそれのある用途が見つかれば、次の段階へ進むか、その事実を開示したうえで価格を調整するかの判断になります。

売主が自分でできる部分もあります。法務局で閉鎖登記簿を取る、国立国会図書館や自治体の図書館で古い住宅地図を見る、国土地理院のウェブサイトで空中写真を見る。ここまでは実費だけで進められます。

2. 表層土壌調査(フェーズ2の入口)

実際に土を採って調べる段階です。実務では、土を掘らない資料調査を「フェーズ1」、土や土壌ガスを採る調査以降を「フェーズ2」と呼び分けます。敷地を区画に分け、地表からおおむね深さ50センチまでの土を採取して分析します。土壌汚染対策法の調査では、物質の種類に応じて、表層の土壌を採る方法と、土壌ガスを採る方法が使い分けられます。揮発性有機化合物は土壌ガス調査、重金属等は土壌の溶出量・含有量の分析という形です。

区画の数で費用が決まるため、面積が広いほど金額が上がります。100坪程度の宅地で数十万円から、工場跡地のように敷地が広く、調べる物質が多い場合は百万円を超えることがあります。分析に出してから結果が返るまでに数週間かかります。

3. ボーリング調査(詳細調査)

表層で基準を超えた区画について、深さ方向にどこまで汚染が届いているかを調べます。地中の帯水層まで掘り、深度ごとに試料を採ります。汚染の広がりが立体で分かるため、対策工事の設計に必要な情報になります。

ここまで来ると費用は数百万円の規模になり得ます。掘る本数と深さで変わるため、見積りの前提となる本数を確かめてください。調査を発注するかどうかを決める前に、対策まで含めた総額の見込みを聞いておかないと、途中で止まれなくなります。

土壌汚染調査の3つの段階

  1. 1

    第1段階:資料調査

    過去の用途からおそれの有無を調べる。数万〜数十万円で2週間〜1か月程度。

  2. 2

    第2段階:表層土壌調査

    表層の土やガスを分析する。数十万〜百万円超で数週間かかる。

  3. 3

    第3段階:ボーリング調査

    地中の帯水層まで掘り汚染の立体的な広がりを調べる。費用の桁が上がる。

4. 3段階のどこで止めるかの判断

すべての土地でボーリングまで進める必要はありません。資料調査でおそれが見つからなければそこで終わりますし、買主が納得すれば表層調査で止まります。段階を進めるたびに、売主が知ってしまった事実は買主に伝える義務が生じる、という点だけは押さえてください。知らなければ告知しようがありませんが、知った以上は黙って売れません。

5. 指定区域の公示を先に確かめる

要措置区域と形質変更時要届出区域は、都道府県や政令市が公示し、台帳を備えています。自分の土地が指定されているかどうかは、自治体の環境部局の窓口かウェブサイトで確認できます。隣地が指定されている場合も、自分の土地の評価に影響することがあります。

指定されていなければ、法律上の措置の対象ではありません。ただし、指定がない=汚染がない、ではありません。調査が行われていない土地は、そもそも判定されていないだけです。

売却前に土壌汚染調査をするべき3つのケースと、しなくてよい場合

広い敷地を持つ古い木造住宅と、その周囲の住宅街

調査を先に済ませるべきかどうかは、買主の属性と土地の規模で分かれます。買主が事業者で、融資を使い、大きく掘る計画があるほど、調査は避けられません。

売却前に調査をするべき3つのケース

  • 融資を使う個人・法人

    金融機関の担保評価で調査を求められる。融資特約による白紙解約を避けるため先行調査

  • 大規模開発を行う法人

    3,000平米以上の形質変更では届出と調査命令の可能性があるため調査が避けられない

  • 融資なし・小規模

    白紙解約リスクは低いが、過去の用途に明確な記録があれば資料調査だけでも済ませる

1. 買主が金融機関の融資を使う場合

買主が住宅ローンや事業性の融資を使うとき、金融機関は担保評価を行います。過去の用途に不安がある土地では、評価の段階で調査の結果を求められることがあります。融資が下りなければ、契約はローン特約で白紙に戻ります。

この場合、調査を先にしておく利点は、白紙解約の空振りを避けられることにあります。契約から解約までの2か月が丸ごと無駄になるより、先に数十万円をかけた方が早いことがあります。

2. 敷地が広く、買主が大規模な形質変更を予定している場合

3,000平方メートル以上の土地を掘る計画なら、買主が届出をする段になって調査命令が出る可能性があります。買主はそのリスクを織り込んで価格を提示するため、調査未了のままだと大きく差し引かれます。調査で汚染なしを示せれば、その差し引きが消えます。

面積が近い土地では、分筆して3,000平方メートル未満で売る形が検討されることがあります。ただし、実質的に一体の工事であれば、分けたことで届出を免れるとは限りません。自治体の環境部局に計画を示して確認してください。

3. 過去の用途に明確な記録が残っている場合

登記簿の地目や建物の種類に「工場」「作業場」と記載されている、確認申請の記録にクリーニング設備がある、といった土地です。買主が調べればすぐ分かることを、売主が知らないふりで通せば、後から契約不適合の主張を受けます。

こういう土地では、資料調査だけでも先に済ませ、分かったことを開示したうえで価格を決めるのが、後の紛争を避ける形になります。告知の考え方は、雨漏りやシロアリと同じ構造です。「雨漏り・シロアリの家を売却する」の記事で、修繕せずに告知して売る場合の書き方を説明しています。

4. 調査しない方がよい場合もある

敷地が小さく、買主が現金で買う個人で、過去の用途が住宅だけという土地では、調査に数十万円をかける意味が薄くなります。買主が求めていないのに売主が先回りして調べ、微妙な結果が出ると、かえって売りにくくなることがあります。

基準を少し超える値が出た場合、その事実は消えません。買主全員に伝えることになり、価格は下がります。調べなければ分からなかった、という言い分は通りませんが、調べる義務がない状況で自分から調べに行く判断は、慎重に考えてください。

5. 相続してすぐ売る場合の税との兼ね合い

相続した土地を売る場合、取得費加算の特例は相続税の申告期限の翌日から3年以内の譲渡が対象です。調査に時間をかけているうちに期限を過ぎると、使えたはずの控除が消えます。調査と対策で半年から1年かかることもあるため、期限から逆算してください。計算の仕方は「相続した家の売却の税金」の記事に例を置いています。

汚染が出た土地の売却は、除去か封じ込めかで価格が分かれる

庭先で、家族が地面を指差しながら話し合っている

汚染が確認された後の道は、土を入れ替えるか、その場に封じ込めるかに分かれます。掘削除去だけが解決策ではなく、費用の桁が1つ違います。

掘削除去と封じ込めの違い

観点掘削除去盛土・舗装・封じ込め
工法の目的汚染土を掘り出し清浄な土と入れ替える人が触れない・溶け出さない状態を作る
費用の重さ最も重い(深さが増すと累乗で膨らむ)掘削除去よりも費用が抑えられる
区域指定の扱い指定が解除される可能性がある区域の指定は残る
将来の制限解除されれば買主にとって分かりやすい将来その土地を掘るときに手続が要る

1. 掘削除去は確実だが、費用が最も重い

汚染された土を掘り出し、汚染のない土を入れます。指定区域の指定が解除される可能性があり、買主にとっては最も分かりやすい形です。そのぶん費用が重く、掘る深さと量、運搬距離、処分先の受入単価で総額が決まります。

掘り出した土は廃棄物ではなく「汚染土壌」として扱われ、都道府県知事の許可を受けた汚染土壌処理施設へ運ばなければなりません。運搬にも管理票の作成などの決まりがあり、勝手に他所へ持ち出して埋めることは認められていません。処分単価は物質と濃度で変わり、掘る深さが増えるほど土の量も増えるため、総額は深さの増え方を上回る勢いで上がります。

2. 盛土・舗装・封じ込めという選択肢

土壌汚染対策法が求めているのは、汚染された土を全部除去することではありません。人の健康への被害のおそれを断つことです。汚染された土に人が触れない、地下水へ溶け出さないという状態を作れば、措置として認められる工法があります。

盛土は、汚染された地表の上に清浄な土を一定の厚さで敷く方法です。舗装はコンクリートやアスファルトで覆います。遮水工封じ込めは、汚染範囲を遮水壁で囲みます。いずれも掘削除去より費用が抑えられますが、区域の指定は残るため、将来その土地を掘るときに手続が要ります。

3. 原位置浄化と、時間のかかる工法

掘らずに、地中で分解や吸引を行う方法があります。揮発性有機化合物に対する土壌ガス吸引、微生物を使った分解などです。掘削より費用が抑えられることがある一方、完了までに年単位の時間がかかることがあります。売却の日程が決まっている場合、選べないことが多い工法です。

4. 対策費用を誰が負担するかで、価格が決まる

売主が対策を済ませてから引き渡す形と、対策費用の見込み額を価格から引いて現況で引き渡す形があります。前者は売却価格が高くなりますが、工事の期間中は売れません。後者は早く終わりますが、見込み額が大きめに見積もられます。

買主が事業者の場合、自社で工事を発注した方が安く上がるため、価格から引いて現況で買う形を望むことがあります。売主が個人で工事の管理ができないなら、この形の方が結果として手取りが多くなることもあります。両方の見積りを並べてから決めてください。

5. 指定の解除と、その後の評価

要措置区域で措置が完了し、健康被害のおそれがなくなったと認められれば、区域の指定は解除されるか、形質変更時要届出区域へ変更されます。台帳の記録は残るため、過去に汚染があった土地であるという事実は将来の買主にも分かります。評価が汚染前の水準に完全に戻るとは限りません。

この点は事故物件の価格の戻り方と似ています。記録が残るものと、時間で薄れるものの違いについては「事故物件の自宅を売る」の記事で扱っています。

「汚染が出た土地の売却は、除去か封じ込めかで価格が分かれる」について、そのまま聞けます。

調査を挟むか挟まないかで、引渡しまでの日数と手取りが変わる

早く終えたい場合、調査と対策を売却の前に挟むかどうかで日程が決まります。方法は現況での買取・資料調査後の仲介・表層調査後の仲介・対策後の仲介・事業者への直接売却の5つです。

調査の有無による4つの売却方法

売却方法引渡しまでの期間売主の持ち出し手取りへの影響
資料調査のみで仲介数か月数万円〜数十万円おそれなしなら下げ幅が小さくなる
表層調査まで済ませて仲介数か月数十万円〜百万円台汚染なしなら通常の価格に近づく
対策工事を終えてから仲介数か月〜1年以上数百万円価格は最高だが工事費次第で手取り減

1. 現況のまま買取業者に売る

調査も対策もせずに引き渡します。買主が調査と対策のリスクを引き受けるため、価格はそのぶん下がります。売主の持ち出しはありません。日程は買主の判断の早さで決まり、当社の場合はご相談から価格のご提示までが目安30分です。この30分でお出しするのは、過去の用途と敷地の面積、接道と用途地域の聞き取りに、登記情報と公示されている区域の台帳を突き合わせた範囲での金額です。土を採る調査の結果が要る部分は含んでいないため、後から調査で基準超が出れば、その前提で価格を見直すことになります。ご契約までが目安1〜2週間、お引き渡しは早ければ2週間以内です。

この方法が合うのは、費用を先に出せない場合、期限が迫っている場合、相続人が複数いて工事の判断をまとめにくい場合です。

2. 資料調査だけして、結果を開示して仲介で売る

数万円から数十万円で、過去の用途を整理します。おそれなしという結果が出れば、買主の不安が下がり、価格の下げ幅が小さくなります。おそれありなら、その事実を開示して価格を調整します。

期間は資料調査に2週間から1か月、その後の仲介での売却活動に数か月を見込みます。持ち出しは調査費だけです。

3. 表層調査まで済ませ、汚染なしを示して仲介で売る

数十万円から百万円台をかけて、実際の土を分析します。基準以下という結果が出れば、買主と金融機関の双方に対して強い材料になります。価格は汚染の疑いがない土地に近づきます。

逆に基準超が出た場合、その結果を持ったまま売ることになります。調査を発注する前に、超えた場合にどうするかを決めておいてください。

4. 対策工事まで終えてから仲介で売る

掘削除去や封じ込めを済ませ、区域の指定が解除された状態で売ります。価格は最も高くなりますが、工事に数百万円と数か月から1年を要します。工事費が価格の上昇分を上回れば、手取りは減ります。

工事の見積りを取ったうえで、対策後の想定価格から工事費と調査費を引いた額を出し、現況で売る場合の価格と並べてください。この引き算をせずに工事を始めると、途中で止まれなくなります。

5. 事業者に直接売る

工場跡地を、同じ用途で使う事業者や開発業者に直接売る形です。事業者は自社で調査と対策を発注でき、単価も個人より抑えられます。土地の規模が大きい場合、この道が最も現実的なことがあります。

ただし、買い手が限られるため、条件が合う相手が現れるまで時間がかかります。工業系の用途地域にある、幹線道路に接している、といった条件が揃っていないと成立しにくい方法です。

売却方法による引渡しまでの期間

  1. 相談時

    価格の提示

    目安30分。売主の費用の持ち出しはない

  2. 目安1〜2週間

    売買契約

    買主が調査と対策のリスクを引き受ける

  3. 最短2週間以内

    引渡し

    調査も対策もせずに現況のまま完了する

6. 5つを手取りで並べる

比べるときは、提示価格ではなく手取りで並べてください。仲介で売る場合は仲介手数料と、売れるまでの固定資産税・管理費用が引かれます。当社が買い取る場合は仲介手数料はかかりません。対策工事を挟む場合は工事費と、その間の保有コストが加わります。費用の内訳は「不動産売却の費用一覧」の記事に整理しています。

土壌汚染の疑いがある家を売却する際の6つの注意点と契約書の書き方

契約書の書き方で、引渡し後に請求が戻ってくるかどうかが決まります。注意点は告知の範囲・契約不適合責任の特約・引渡し後に出た場合の取り決め・買主の調査の受け方・相続登記・専門家の分担の6つです。

契約書に書く3つの点

  • 現況有姿での引渡し

    売買の対象を現況有姿とし、買主が事前に調査する機会を得たことを契約書の前提にする

  • 契約不適合責任の免責

    引渡し後の責任を負わない特約を置く。ただし売主が知りながら告げなかった事実は例外

  • 汚染判明時の処理

    免責特約だけでなく、価格に汚染のリスクを織り込んでいること等を明記し争いを防ぐ

1. 知っていることは、確実性が低くても伝える

売主が知っている事実は、確証がなくても伝えてください。「祖父の代に何か作業場をやっていたらしい」という伝聞でも、伝えた記録を残します。伝えたかどうかは、後で争いになったときに決定的な違いを生みます。

告知は口頭ではなく書面で行います。物件状況等報告書に、過去の用途として分かっている範囲を書き、売主と買主が署名します。仲介が入る場合は、その書面の写しを保管してください。

2. 契約不適合責任をどう扱うかを、契約前に決める

民法の契約不適合責任は、引き渡された目的物が契約の内容に適合しない場合に、買主が修補や代金減額、損害賠償、解除を求められる仕組みです。売買契約で、この責任を負わない旨の特約を置くことができます。ただし、売主が知りながら告げなかった事実については、特約があっても責任を免れません(民法の契約不適合責任と免責特約に関する規定)。

個人が売主で買主が事業者の場合、免責とする特約が置かれることが実務では多くあります。逆に、売主が宅建業者で買主が宅建業者でない場合は、宅地建物取引業法第40条により、契約不適合責任について民法の定めより買主に不利となる特約が制限されます(引渡しから2年以上となる期間を定める特約は除かれます)。買主も宅建業者であれば、この制限は適用されません(同法第78条第2項)。どちらの立場かで、置ける条項が変わります。

買主の属性による特約の違い

観点個人が売主で買主が事業者売主が宅建業者
免責特約の扱い免責とする特約が置かれることが多い買主に不利な特約が制限される
制限の根拠民法の原則にもとづく合意宅地建物取引業法による制限
知りながら告げない事実特約があっても責任を免れない特約があっても責任を免れない

3. 引渡し後に汚染が判明した場合の処理を書いておく

免責の特約があっても、「引渡し後に汚染が判明した場合、売主は一切の責任を負わない」とだけ書いて終わらせると、争いになったときに特約の有効性そのものが争点になります。買主が調査をする機会を与えたこと、現況で引き渡すことを双方が理解していることを、契約書の前提として書いておく方が確実です。

具体的には、売買の対象を現況有姿とすること、買主が事前に調査する機会を得たこと、価格に汚染の可能性を織り込んだこと、これらを条項として並べます。文言は個別に異なるため、契約書の案が出たら、署名の前に内容を確かめてください。

4. 買主が調査をしたいと言ったときの受け方

契約前に、買主が自分の費用で調査したいと申し出ることがあります。受ける場合、調査の範囲と期間、結果をどう扱うかを先に決めてください。基準を超えた場合に契約を白紙にするのか、価格を調整するのか、対策費用を折半するのか。ここを決めずに調査だけ先行させると、結果が出てから交渉が振り出しに戻ります。

調査によって敷地を掘る場合、原状回復の範囲も決めます。舗装を壊して掘った場合、誰が直すか。この程度のことでも、後から揉めます。

5. 相続登記が済んでいないと、契約に進めない

工場跡地の名義が先代のままだと、買主と価格で折り合っても、決済の日に所有権を動かせません。登記の申請は2024年4月1日以降、義務として扱われています。起点は、相続でその土地を取得したと知った日で、そこから3年が申請の期限です。施行日より前に相続を知っていた土地も外れず、この場合は2027年3月31日までに申請します(相続登記の申請義務化(法務省))。

工場跡地のように、先代が長く持っていた土地では、登記が2代・3代前で止まっていることがあります。相続人が増えていると、戸籍の収集だけで数か月かかります。調査の日程と並行して進めてください。手順は「相続した空き家の名義変更と売却の事例」の記事にあります。

6. 専門家の分担を先に決める

なお、この記事の税務・法務に関する記載は一般的な情報提供であり、個別の事案についての判断ではありません。適用の可否や具体的な税額については、税務署または税理士、登記については司法書士、境界や隣地との権利関係については弁護士や土地家屋調査士など、それぞれの専門家にご確認ください。当社は不動産の買主であり、税務や法律の代理はできません。

土壌汚染に関しては、調査と対策の設計は土壌汚染対策法に定める指定調査機関、区域指定や届出の手続は都道府県・政令市の環境部局が窓口です。契約書の条項は宅地建物取引業者と、必要に応じて弁護士に見てもらってください。

調査・対策・売却活動を、期限から逆算して日程に置く

木製のテーブルの上に置かれた、無地の白い陶器のコーヒーカップ

日程は、費用が出る順番で組みます。押さえるべきは、調査の発注前に出口を決めること、期限から逆算すること、保有コストを数えることの3点で、そのほかに調査会社の選び方、自治体への確認、買主候補への聞き取りが続きます。

調査から売却までの日程の目安

  1. 1か月

    資料調査

    過去の用途を調べる

  2. 1〜2か月

    表層調査

    実際の土を分析する

  3. 3か月〜1年

    対策工事

    基準超が出た場合に行う

  4. 3〜6か月

    仲介での売却活動

    すべて直列で足すと完了まで1年を超える

1. 調査を発注する前に、結果ごとの出口を決める

「おそれなし」なら仲介で売る、「おそれあり」なら表層調査に進むか現況で売る、「基準超」なら対策費用を見積もってから判断する。この3つの分岐の行き先を、調査を出す前に紙に書いてください。

結果が出てから考え始めると、悪い結果が出たときに動けなくなります。特に、基準超が出た場合に対策工事まで進む資力があるかどうかは、先に確かめておく必要があります。

2. 期限から逆算する

相続税の納付期限、取得費加算の特例の期限、賃貸物件なら契約の更新時期、施設の入居費用の支払い時期。売却代金を何かの支払いに充てる予定があるなら、その日から逆算します。

資料調査に1か月、表層調査に1か月から2か月、対策工事に3か月から1年。仲介での売却活動に3か月から6か月。全部を直列で足すと、1年を超えることがあります。期限が近ければ、調査を挟まない道を選ぶことになります。

3. 保有している間の費用を数える

売れるまでの間、固定資産税と都市計画税がかかります。建物があれば火災保険料、草刈りや管理の費用も出ます。建物を取り壊して更地にすると、住宅用地の特例が外れて土地の固定資産税が上がります。特例が外れる条件と上がり方は「空き家の固定資産税が6倍になる条件」の記事に書いています。

工場跡地のように、もともと住宅用地の特例が効いていない土地では、この点は関係しません。逆に、住宅として使われていた土地で調査のために解体を先行させると、負担が増えます。

4. 調査会社の選び方

土壌汚染対策法にもとづく調査を行えるのは、環境大臣または都道府県知事の指定を受けた指定調査機関です。任意調査であっても、指定調査機関に依頼しておけば、後に法律上の調査が必要になったときに手戻りが減ります。指定調査機関の一覧は環境省が公表しています。

見積りは2社以上から取ってください。調査の区画の切り方、分析する物質の項目数で金額が変わるため、同じ前提で比べないと意味がありません。項目を絞れば安くなりますが、絞った項目で後から出ると、調査をやり直すことになります。

5. 自治体の環境部局に、先に聞く

売る土地の所在地の環境部局に、地番を伝えて相談してください。区域の指定の有無、条例の上乗せの有無、過去に届出や調査の記録があるかどうかを確認できます。窓口は環境課・環境保全課といった名称で、建築や税の窓口とは別です。

この確認は無料です。ここで「記録なし・指定なし」と分かれば、資料調査の範囲を絞れます。逆に記録があれば、その内容を写しでもらってください。

6. 買主候補に、どこまで求められるかを先に聞く

調査を発注する前に、買い手の候補にどこまでの資料を求めるかを聞く方法があります。仲介会社に相談すれば、その地域でどの程度の資料が求められているかの感触が分かります。買取業者に相談すれば、調査なしでいくらになるかが分かります。

両方を聞いたうえで、調査にかける費用が回収できるかを判断してください。調べても価格が上がらない土地では、調べる意味がありません。

「調査・対策・売却活動を、期限から逆算して日程に置く」について、そのまま聞けます。

当社が土壌汚染の可能性がある土地を買い取る場合の見方と価格

当社が買い取る条件・買い取れない条件と、実際の買取事例は「当社の買取基準」にまとめています。

「当社が土壌汚染の可能性がある土地を買い取る場合の見方と価格」について、そのまま聞けます。

土壌汚染の土地の売却で、先に確かめる3つ

  • 土壌汚染対策法が調査を義務づけるのは3つの契機だけです。 有害物質使用特定施設の廃止、3,000平方メートル以上の形質変更、健康被害のおそれがある場合の命令。売ること自体は契機に含まれません。条例の上乗せは同法とは別枠なので、求められている調査が法律か条例か任意かを、まず切り分けてください。
  • 調べる前に、結果ごとの行き先を決めてください。 資料調査・表層土壌調査・ボーリング調査で費用の桁が1つずつ上がります。基準超が出たときに対策工事まで進む資力があるかを先に確かめないと、途中で止まれなくなります。
  • 汚染が出ても、掘削除去だけが道ではありません。 盛土や舗装、封じ込めで健康被害のおそれを断つ方法が認められています。対策後の想定価格から工事費を引いた額と、現況で売る場合の価格を並べて、手取りで比べてください。

調査結果が無い状態でも、現況のまま買い取ります。調査と対策の見込み額を上限側で引くため、資料調査だけ先に済ませていただいた方が価格が上がる土地もあります。

査定は無料・売却の義務なし
0120-996-748受付時間10:00〜19:00(水・日曜定休)

通話料無料・全国対応

この先は、当社の買取窓口「買取くん」のページです(運営は同じ株式会社リアテクスです)。

土壌汚染と土地の売却について、よくある質問

Q1. 土壌汚染は土地所有者の責任になりますか

土壌汚染対策法は、調査や措置の名宛人を原則としてその土地の所有者・管理者・占有者としています。汚染を発生させたのが先代や前の事業者であっても、いま所有している人に命令が来る構造です。 汚染の原因者が明らかで、その者に措置を講じさせることが相当と認められる場合に原因者へ命じる仕組みはありますが、まず所有者側に向きます。相続で受け取った土地も同じで、操業していた時期を自分が知らなくても変わりません。

Q2. 土地の土壌汚染調査費用はいくらかかりますか

段階で桁が変わります。資料調査(地歴調査)は数万円から数十万円、表層土壌調査は100坪程度の宅地で数十万円から、敷地が広く分析項目が多い場合は百万円を超えます。ボーリングによる詳細調査は数百万円の規模になり得ます。区画の数と分析する物質の項目数で金額が決まるため、見積りは同じ前提で2社以上から取ってください。 項目を絞れば安くなりますが、絞った項目で後から出ると調査をやり直すことになります。

Q3. 土地を売却するときに土壌汚染調査は義務ですか

売却そのものは、土壌汚染対策法が定める調査の契機に含まれていません。同法の契機は、有害物質使用特定施設を廃止したとき(法第3条)、3,000平方メートル以上(有害物質使用特定施設が現に設置されている工場等の敷地と、その施設の使用を廃止した工場等の敷地であった土地では900平方メートル以上)の土地の形質変更をしようとするとき(法第4条)、健康被害のおそれがあるとして知事から命じられたとき(法第5条)の3つです。 これとは別に、都道府県や政令市の条例が独自に調査と報告を求めている地域があり、条例の上乗せは同法の義務と区別して確かめてください。実務で行われている調査の多くは、買主や金融機関の求めによる任意のものです。義務ではないので断れますが、断れば価格が下がるか、買主が降りることになります。

Q4. 土壌汚染の処分費用はいくらかかりますか

掘削除去の場合、掘る量と深さ、運搬距離、処分先の受入単価で総額が決まります。深さが増すと量が増えるため、費用は深さに比例せず、それ以上の勢いで膨らみます。 掘り出した土は許可を受けた汚染土壌処理施設へ運ばなければならず、運搬にも管理票の作成などの決まりがあります。掘削除去以外に、盛土・舗装・遮水工封じ込めといった費用の軽い工法が認められる場合があるため、除去ありきで見積りを取らず、複数の工法で比べてください。

Q5. 土壌汚染された土の処分には許可が必要ですか

掘り出した汚染土壌は、都道府県知事の許可を受けた汚染土壌処理施設で処理することが求められます。土地の所有者が自分の判断で他の土地へ運んで埋める、資材として使うといった扱いはできません。 運搬についても、搬出の届出や管理票の作成といった手続が定められています。解体工事に伴って基礎の下の土を動かす場合、その土が汚染土壌に当たるかどうかを、工事を発注する前に自治体の環境部局へ確認してください。

Q6. 相続した土地を5年以内に売却するとどうなりますか

譲渡所得の税率は、所有期間が5年を超えるかどうかで長期と短期に分かれますが、相続した不動産は亡くなった方の取得の日を引き継ぎます。そのため、相続してから5年以内に売っても、被相続人の所有期間が5年を超えていれば長期譲渡所得として扱われます。 別に、相続税を納めた方が使える取得費加算の特例は、相続税の申告期限の翌日から3年以内の譲渡が対象です。土壌汚染の調査と対策に時間がかかると、この3年を過ぎることがあります。具体的な適用の可否は税務署または税理士にご確認ください。

当社の見方

不動産取引は消費者が法律によって保護されているため、十分な知識がない状態で調査を行い、万が一にも虚偽の内容や誤った説明をすると契約不成立、損害賠償請求、訴訟などに発展するリスクもあります。

ただし、現場を見て想定外の落とし穴があるケースもあるため、現地調査の軽視は要注意です。

登記事項証明書を読み解けるか、取引にある背景、過去にどのような取引をして、どういったリスクが隠されているのかを読み解けることはリスク管理の上で必要なスキルです。

また、不動産会社の経営状態や過去の実績を調査して、信頼できる業者と取引をすることが大切です。

複数の情報源から詳細な情報を得て、リスクを最小限に抑えるよう心掛けることが求められます。

当社が買い取る物件・お断りする物件と、買取価格の決まり方は、当社の買取事例76件の内訳とあわせて当社の買取基準にまとめています。

この記事について

執筆・編集
リアテクス編集部株式会社リアテクス当社(宅地建物取引業 東京都知事(1)第107888号)は物件を直接買い取る買主の立場から、売却を検討する方の判断材料となる記事を企画・編集しています。
監修
薩摩 賢幸薩摩 賢幸株式会社リアテクス 取締役COOこの区分の監修を担当しています。記事の公開判断は当社が行っています(代表が定めた手順による)。確認・公開判断:薩摩 賢幸(株式会社リアテクス 取締役COO)
公開・更新
公開 更新 内容を見直したときは、この日付と改訂の内容を更新しています。情報の確認日 (出典の公的資料を開いて内容を確かめた日)
この記事の事実確認の方法
出典:環境省、法務省
記事の作り方
この記事は、当社の担当者が事実確認を行ったうえで公開しています。

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