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空き家

訳あり物件の売却方法|状態別・事情別に出口を選ぶ

公開 更新

執筆
株式会社リアテクス リアテクス編集部
監修
株式会社リアテクス 執行役員 鶴野 博之(宅地建物取引士(東京)第257503号)
訳あり物件の売却方法|状態別・事情別に出口を選ぶ

「再建築不可で隣と壁がつながった実家を相続したが、どこから手を付ければいいのか分からない」。訳あり物件の出口は建物の傷み具合ではなく、誰が売主として署名できるか、そしてその物件を買える相手が一般の買主か隣地か事業者かで先に絞られます。

当社は再建築不可や連棟、人の死があった物件を現況のまま買い取り、解体や片づけを条件にしません。そのかわり価格は仲介での成約想定額より低く、売主が確定していない物件と進入路に通行の権利がない物件はお断りしています。この家が買い取れるかどうかだけ、先に聞く(無料)

目次(7章)

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訳あり物件の売却方法は、建物の傷み具合では決まりません。先に決まるのは、誰が売主として署名できるかと、その物件を買える相手が誰かです。再建築不可なら住宅ローンを使う買主が付きにくくなります。連棟なら切り離しの同意が要ります。共有なら全員の合意か、自分の持分だけを売るかの二択です。同じ「訳あり」という言葉でも、出口はこの条件で分かれます。

訳あり物件の売却方法の要点を、定義・この記事でわかること・よくある質問の順に短くまとめた動画です。

訳あり物件とは何か、売却で先に固まる前提

居間のソファに座り、これからの家のことについて話し合う家族

訳あり物件の定義は法令になく、価格が下がる理由を指す

「訳あり物件」は法律上の用語ではありません。取引で問題になる欠点は、大きく4つに整理できます。雨漏りや傾き、シロアリのような建物と土地そのものの不具合。接道や用途地域の制限で使い方が縛られる状態。人の死のように、住む人の受け止め方に関わる事情。騒音、臭気、近隣の施設といった周辺環境です。

このうち、買える相手の範囲を狭める欠点が判明している物件が「訳あり」と呼ばれます。売主が知っている欠点は、買主に伝える必要があります。伝えたうえで価格に織り込むのが取引の形で、隠したまま引き渡すと、後で契約不適合責任の話になります。

「訳あり」と呼ばれる物件は5つに分かれる

現場で「訳あり」と言うとき、指しているのは値が下がる理由です。理由ごとに、買える相手が変わります。まず自分の物件がどれに当たるかを決めてください。

類型売りにくくなる理由
再建築不可接道の条件を満たさず、建て替えの確認が下りない
連棟式建物(長屋・テラスハウス)隣戸と壁を共にし、単独での建て替えが難しい
人の死があった建物買主への告知が必要で、買う人の範囲が狭い
共有・持分全部を売るには共有者全員の合意が要る
借地権・底地地主か借地人の関与なしに話が完結しない

このほかに、越境、傾いた擁壁、地中の埋設物、市街化調整区域、賃借人が住んだままといった事情もあります。それらは単独では現れません。たいてい上の5つのどれかに重なって出てきます。実家が再建築不可で、しかも兄弟3人の共有、という形が典型です。

総務省統計局の住宅・土地統計調査では、2023年の空き家が900万戸、空き家率は13.8%でした。欠点のある家は、条件の整った家と並べて値段を比べられます。

売主として署名できる人が決まっているか

登記の名義が亡くなった方のままだと、契約は結べても決済で所有権を移せません。相続登記は2024年4月1日に義務となりました。期限は、自分がその不動産を相続したと知った時点から3年です。起算点は亡くなった日ではありません。施行日より前に相続を知っていた不動産も対象で、その期限は2027年3月31日です。

署名できる人は、権利の形で変わります。単独名義なら本人です。共有名義なら、全部を売るには共有者全員です。判断能力が低下した成年の方が名義人なら、成年後見人が就いていても、居住用の不動産の処分には民法第859条の3により家庭裁判所の許可が必要です。

訳あり物件の欠点4分類

  • 建物と土地の不具合

    雨漏りや傾き、シロアリなど物理的な状態

  • 使い方が縛られる制限

    接道や用途地域の制限など法的な条件

  • 受け止め方に関わる事情

    人の死など、住む人の心理に影響する事情

  • 周辺環境

    騒音や臭気、近隣の施設など外部の環境

ここが決まっていない段階では、どの会社に相談しても金額は仮のものになります。

未成年者は単独で不動産を売却できない。民法第5条は、未成年者が法定代理人の同意を得ずにした法律行為を取り消せると定めています。18歳未満の共有者が自分で署名した契約は、無効ではありませんが、後から取り消される余地が残ります。買う側は、その状態の契約を結べません。名義人に18歳未満の方が含まれているなら、代理するのが親権者か、特別代理人か、未成年後見人かを先に確定させてください。どれに当たるかで、家庭裁判所への申立てが必要かどうか、監督人の同意が必要かどうかが変わります。

決めない1年で出ていく現金を先に出す

  • 固定資産税・都市計画税:手元の納税通知書の額です。空家等対策の推進に関する特別措置法は、2023年12月13日に施行された改正で「管理不全空家等」の枠を設けました。そのまま放置すれば特定空家等になるおそれのある状態が対象で、市区町村から勧告を受けると、その後の賦課期日(1月1日)の判定で住宅用地特例から外れます。
  • 火災保険:人が住まない家は一般物件の扱いになり、保険料が上がります。更新時に引受を断られることもあります。
  • 管理の費用:草刈り、剪定、通水。頼めば実費、自分で行えばその時間と交通費です。
  • 修繕:雨漏りを1年放置すると、直す範囲が柱まで広がります。

訳あり物件の欠点はどのように扱えばよいですか?

売主が知っている欠点はすべて買主に伝え、価格に織り込んで取引します。隠して引き渡すと契約不適合責任に問われます。

  • 建物や土地の不具合(雨漏りなど)
  • 法律上の制限や周辺環境の問題
  • 人の死など心理的な事情

この合計が、判断を先送りした場合の年あたりの費用です。

「訳あり物件とは何か、売却で先に固まる前提」について、そのまま聞けます。

訳あり物件の状態別に、売却方法はこう分かれる

古い木造住宅が立ち並ぶ住宅街の通りを歩きながら、建物の外観を見上げる家族

1. 再建築不可の物件は、買える相手が事業者と隣地に絞られる

建築基準法第43条は、建築物の敷地が幅員4メートル以上の道路に2メートル以上接することを求めています。これを満たさない敷地では、建物を取り壊すと新築の確認が下りません。金融機関は担保評価を低く見るため、住宅ローンを前提にした一般の買主は付きにくくなります。

5類型別の主な買主候補

物件の類型主な買主候補売却の前提・特徴
再建築不可事業者・隣地一般の買主は住宅ローンが付きにくい
連棟式建物事業者・隣戸全戸一括なら一般の買主も対象になる
人の死があった建物事業者など告知が必要で買う人の範囲が狭まる
共有・持分事業者・他の共有者全員の合意で売るか、持分だけを売るか
借地権・底地事業者・地主・借地人地主か借地人の関与と承諾が前提になる

打てる手は、売り先を選ぶものと、接道の条件そのものを動かすものに分かれます。売り先は2つです。現況のまま事業者に売る形と、隣地の所有者に売る形。隣地と一体にすれば接道を満たす場合、隣地の所有者は当社より高く買える相手になります。条件を動かす側の確認も2つです。建築基準法第43条第2項の認定または許可の余地があるかを建築主管課で聞くこと、セットバックや私道の位置指定で条件を解消できるかを確かめること。後者の2つは、窓口で聞くだけなら費用がかかりません。 判断の順序は「再建築不可物件はなぜ売りにくいのか」の記事に整理しています。

2. 連棟式建物は、切り離しの同意が価格を決める

連棟式建物とは、複数の住戸が界壁を共にして横に連なった建物です。建築基準法は、共用の廊下や階段を持たず各戸が直接外部に出入りするものを長屋として扱い、分譲マンションのような共同住宅と区分しています。

売りにくさの中身は3つです。自分の住戸だけ建て替えるには、隣戸から切り離す工事が必要になります。切り離すと隣の住戸の壁と防水に手を入れることになるため、隣接する所有者の承諾が事実上の条件になります。そして切り離した結果、残る建物や自分の敷地が接道や建ぺい率の条件を満たさなくなる場合があります。

登記を先に見てください。一棟の建物を区分して登記しているのか、各戸が別棟として登記されているのか。敷地が単独所有か、共有持分か。この2点で進め方が変わります。全戸をまとめて売る形がまとまるなら、手取りは最も大きくなります。まとまらない場合の現実的な出口は、自分の住戸を現況で事業者に売る形か、隣戸の所有者に売る形です。

3. 人の死があった物件は、告知の範囲を先に決める

心理的瑕疵と呼ばれる類型です。国土交通省は2021年10月に、宅地建物取引業者が人の死をどう告げるかについてのガイドラインを公表しました。老衰や病気による自然死、家庭内の不慮の事故による死は、原則として告げなくてよいとされています。ただし特殊清掃や大規模なリフォームが必要になった場合は、この原則から外れます。

賃貸借については、特段の事情がない限り、おおむね3年が経過した後は告げなくてよいという目安が示されています。売買については、この期間の目安が置かれていません。 期間が経ったから告げなくてよい、とは読めない書き方です。事件性や周知性が高い場合も別に扱われます。範囲の読み方は「事故物件の告知義務はどこまでか」の記事に書きました。

告げるべき事実を隠して売ると、契約不適合責任や損害賠償の問題になります。買主が事業者なら、内容を把握したうえで価格に織り込みます。知っていることを全部伝えたほうが、後から金額が動く余地は小さくなります。

4. 共有の物件は、全部を売るか持分だけを売るか

共有物の処分には、共有者全員の合意が必要です。民法第252条は、共有物の管理に関する事項を持分の価格の過半数で決めると定めています。一方で、共有物そのものの売却は全員の同意が要る行為です。ここを混同すると、過半数が賛成しているのに契約が結べないという場面になります。

自分の持分だけは、他の共有者の同意なしに売れます。ただし価格は、全部を売った代金に持分割合を掛けた額にはなりません。買った側が他の共有者との協議を引き継ぐためです。合意が取れないまま年数が過ぎると、共有者の死亡で当事者が増えていきます。選択肢の比較は「共有持分は自分の持分だけ売却できる」の記事にまとめています。

5. 借地権と底地は、相手の承諾が手順に入る

借地上の建物を売るには、地主の承諾が必要です。民法第612条が、賃借権の譲渡には賃貸人の承諾を要すると定めているためです。承諾料の水準は契約と地域の慣行で決まります。承諾が得られない場合は、借地上の建物を第三者へ譲渡しようとする場面に限り、借地借家法第19条により、地主の承諾に代わる許可を裁判所に求める道があります。地代の滞納を解消する場面や、建物を手元に残したまま借地権だけを譲る場面の救済ではありません。

底地を持っている側の出口は3つです。借地人に売る、業者に売る、借地権と底地をまとめて第三者に売る。手取りがいちばん大きくなるのは、たいてい借地人に売る形です。ただし借地人に買う資力と意向がなければ成立しません。立場ごとの比較は「底地と借地権の出口」の記事に書いています。

事情別に見る訳あり物件の売却方法

和室の畳の上に座り、手元にある1枚の書類を確認しながら相談する家族

物件の状態が同じでも、売主の事情で順番が変わります。

売主の事情先に動かすもの
相続したが名義が動いていない戸籍の収集と遺産分割、相続登記
共有者に未成年者がいる法定代理人の確認と、必要な場合の申立て
ローンの滞納が始まっている債権者への連絡と残債額の確認
遠方で現地に行けない書類の郵送取得と委任状の準備
住み続けたい賃料負担と手取りの比較

1. 相続したが名義が動いていない

遺産分割が終わらないうちは、売買の決済ができません。相続人が多い案件では、戸籍の収集だけで数か月かかります。先に着手すべきはこの工程です。査定を受けること自体は財産の処分に当たらないため、協議と並行して金額を確かめられます。

人数が多い状態からの進め方は「数次相続で相続人が多い実家の売却」の記事にあります。確定した金額を1つ持ってから話し合うと、合意までの往復が減ります。

2. 共有者に未成年者がいる

通常は親権者が代理して契約します。成年年齢は2022年4月1日から18歳になりました。18歳と19歳の相続人は、現在は成年です。

問題になるのは利益が相反する場合です。親権者自身も相続人で、未成年の子と遺産分割協議をする場合、民法第826条により子ごとに特別代理人の選任が必要になります。子が2人なら2人分です。親権者がいない場合は未成年後見人が選任されます。未成年後見人が代理するときは、未成年後見監督人が選任されている場合にその同意が必要で、根拠は民法第864条です。居住用の不動産の処分に家庭裁判所の許可を求める民法第859条の3は成年後見の規定で、未成年後見には準用されていません。名義人に判断能力が低下した成年の方が含まれる場合は、そちらの許可が入ります。

申立ての手続と必要書類は裁判所の案内で確認できます。特別代理人の選任にかかる期間は家庭裁判所の運用によりますが、戸籍、遺産分割協議の案、親権者と子の利益が相反する関係を示す資料を初回の申立てでそろえておくと、照会のやり直しが入りません。代理する人が確定するまでは、当社も契約日を入れられません。 売却の話を始める前に、申立てを済ませてください。

未成年者がいる場合の売却手順

  1. 1

    年齢の確認

    18歳以上は成年として単独契約が可能。未満なら法定代理人が必要。

  2. 2

    親権者の有無と立場の確認

    親権者も相続人なら特別代理人、親権者がいない場合は未成年後見人が必要。

  3. 3

    家庭裁判所への申立て

    民法第826条による特別代理人の選任や、居住用不動産処分の許可を得る。

  4. 4

    代理人による売買契約

    選任や許可が下りた後、代理人が関与して契約と決済を進める。

3. ローンの滞納が始まっている

滞納が続くと期限の利益を失い、保証会社の代位弁済を経て競売の申立てに進みます。売却代金で残債を返せない場合は、債権者の同意を得て抵当権を抹消する形になります。時間の余裕は、滞納が何か月分たまっているかで決まります。

期間の見通しは「住宅ローン滞納から差し押さえまでの流れ」の記事にまとめました。訳あり物件で、かつ滞納がある場合、動かせる期間は短くなります。残債額と延滞額を先に確かめてください。 数字がないと、どの出口も選べません。

4. 遠方に住んでいて現地に行けない

登記事項証明書と公図はオンラインで取れます。名寄帳は郵送で請求できる自治体が多くあります。現地の確認は、鍵をお預かりして当社のみで行う形も取れます。決済の場に行けない場合は、司法書士の本人確認を受けたうえで委任する形になります。

郵送と委任で終える段取りは「遠方の実家を行かずに売却する方法」の記事に書いています。ただし、道路の種別と建築の可否を判断するのは物件所在地の窓口です。電話で道路の号数だけ先に聞いておくと、その後の話が仮定の上を進みません。

5. 住み続けたい

売って現金にしたいが、いまの家を出たくない場合です。リースバックは売却後に賃借人として住み続ける形で、家賃が発生します。手取りだけで比べると、売却代金は通常の買取より低くなる傾向があります。判断材料は、月々の賃料と、住み続ける年数です。

比較の手順は「リースバックと買取の違い」の記事に書きました。再建築不可や連棟の物件では、そもそもリースバックの引受先が限られます。先に「この物件で引受先があるか」を聞いてください。

「事情別に見る訳あり物件の売却方法」について、そのまま聞けます。

訳あり物件の売却を進める方法と順番

1. 登記事項証明書と公図を取り、名義と担保を見る

法務局で土地と建物の登記事項証明書、公図、地積測量図を取ります。見るのは4点です。現在の所有者、地積と床面積、抵当権や差押えの登記、そして敷地が接している道の形です。

4つの書類から読み取れること

  • 登記事項証明書

    現在の所有者と、抵当権や差押えの登記

  • 公図

    敷地が接している道の形

  • 地積測量図

    地積と床面積

  • 名寄帳

    私道の持分、裏の細長い土地、山林の有無

市区町村の税務課で名寄帳も取ってください。私道の持分、裏の細長い土地、山林がここで初めて出てくることがあります。私道持分の有無は、接道の判断に直接効きます。

2. 役所で道路と建築の可否を確かめる

建築主管課で聞く項目は3つです。前面の道が建築基準法上の何号道路か、セットバックの必要と後退の幅、そして第43条第2項の認定や許可の余地があるかどうか。あわせて都市計画課で用途地域、建ぺい率、容積率、市街化調整区域かどうかを確認します。

窓口で確認すると条件が違っていることがあります。再建築が可能だと分かれば、買える相手の範囲が変わり、価格も変わります。

3. 告知すべき事実を書き出す

紙に書いて手元に置いてください。項目は次のとおりです。

  • 建物内や敷地内での人の死と、特殊清掃を行ったかどうか
  • 雨漏り、傾き、シロアリ、給排水の不具合
  • 境界標の有無と、隣地との越境の状況
  • 浸水、土砂災害の履歴
  • 地中の埋設物、以前の建物の基礎の残り
  • 隣地や近隣との口約束(通行、水道管、塀の所有)

役所での確認手順

  1. 1

    建築主管課での道路確認

    前面道路の種類、セットバックの幅、第43条第2項の余地を確かめる。

  2. 2

    都市計画課での制限確認

    用途地域、建ぺい率、容積率、市街化調整区域に当たるかを聞く。

  3. 3

    再建築の可否の判定

    窓口の回答を基に、再建築不可のままか可能かを判断する。

  4. 4

    買主と価格の見直し

    再建築が可能と分かれば、買える相手の範囲が広がり価格も変わる。

隠して売ると、引渡し後に契約不適合責任の問題になります。事業者に売る場合でも同じです。先に全部出したほうが、契約直前に金額が動く余地は小さくなります。

買主に告知すべき事実にはどのようなものがありますか?

建物の不具合や過去の災害履歴、隣地との口約束などを紙に書き出して整理します。事業者に売却する場合でも告知は必須です。

  • 雨漏りやシロアリなどの物理的欠陥
  • 境界や越境、隣地との口約束
  • 人の死や浸水などの履歴

4. 出ていく費用と、税の期限を並べる

保有を続けた場合の年あたりの費用を合計します。そのうえで、売った場合の税を見ます。確認する制度は3つです。

  • 譲渡所得の税率:所有期間が5年を超えるかどうかで税率が変わります。
  • 相続財産を売った場合の取得費加算:相続税の申告期限の翌日から3年を経過する日までの譲渡が対象です。
  • 相続空き家の特例:昭和56年5月31日以前の建築、区分所有建物でないこと、代金1億円以下などの要件があります。

被相続人が一人で住んでいた家屋とその敷地を相続した相続人が、一定の要件を満たして売却した場合、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる制度があります。令和6年1月1日以後の譲渡では、その家屋と敷地を相続した相続人が3人以上いる場合、控除額は1人あたり2,000万円までになります。要件は国税庁の被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例に載っています。取得費が分かる資料が見つからないと、収入金額の5%を取得費とする計算になり、税額が増えます。

税務・法務の記載は一般的な情報提供で、個別の判断ではありません。適用の可否や税額は税務署か税理士、登記は司法書士、境界や隣地との権利関係は弁護士や土地家屋調査士にご確認ください。

5. 同じ条件を同じ文面で複数社に出す

各社に伝える情報をそろえてください。訳あり物件では、次の項目が価格を左右します。

  • 地番と土地の地積
  • 建物の延床面積、構造、築年
  • 前面道路の幅と、道路の種別
  • 再建築の可否について窓口で聞いた内容
  • 連棟かどうか、連棟なら戸数
  • 共有かどうか、共有なら持分割合と共有者の人数
  • 借地か所有権か、借地なら地代と契約の残期間
  • 告知すべき事実(手順3で書き出したもの)
  • 残置物の有無と量

項目が欠けたまま送ると、各社が別々の前提で数字を作ります。並べても差の理由が分かりません。周辺で実際に取引された価格の水準は、国土交通省の不動産情報ライブラリで自分でも見られます。ただし取引価格情報の多くは一般の買主が買った価格で、買取価格はこれより低くなります。

契約書のひな形を、契約日より前にもらう。金額の合意ができてから契約日に初めて条文を読むと、その場で判断することになります。訳あり物件では、次の4点を先に読んでください。

  • 契約不適合責任:免責とするか、期間を区切るか。告知した事実が条文または別紙に書かれているか
  • 融資利用の特約:買主が融資を使う場合、不成立で契約が白紙に戻る
  • 引渡しの条件:残置物の処分、境界の明示、測量の費用を誰が負担するか
  • 決済の時期:契約から何日以内か。延ばす場合の条件は何か

自己資金で買う事業者の契約書には、融資利用の特約が入りません。特約が入っている契約は、買主が資金を調達できなければ白紙に戻ります。再建築不可や連棟の物件では、融資が付かずに破談になる例があります。

6. 買い取る相手を、金額以外の項目でも比べる

訳あり物件を買う会社は、扱う類型で分かれます。まず次の区分で相手を絞ってください。

買主の種類扱う物件と、確かめる欄
再建築不可を扱う事業者接道を満たさない土地。第43条第2項の申請の経験を聞く
共有持分を扱う事業者持分のみの買取。他の共有者への対応方針を聞く
事故物件を扱う事業者告知事項のある建物。再販先と告知の書き方を聞く
隣地の所有者・地元の工務店一体にできる土地。資金の出どころを聞く
仲介を主とする会社一般の買主向け。決済時期が相手方の融資に左右される

そのうえで、免許番号(かっこ内は免許の回数で(1)が新規)、取引態様が自ら買うのか仲介か、どの状態なら断るのかを答えられるか、契約書のひな形を契約日より前に出すかを確かめます。「高く買う」とだけ言い、断る条件を挙げない相手の提示額は、現地を見た後で下がる余地があります。現地調査の前の数字と、調査後の書面の数字を、両方記録しておいてください。

「訳あり物件の売却を進める方法と順番」について、そのまま聞けます。

当社が訳あり物件を買い取る条件と、買えない場合

当社が買い取る条件・買い取れない条件と、実際の買取事例は「当社の買取基準」にまとめています。

「当社が訳あり物件を買い取る条件と、買えない場合」について、そのまま聞けます。

訳あり物件の売却方法で、手元で確定させること

  • 署名できる人を先に確定させてください。 登記の名義が動いていなければ決済ができません。共有者に未成年者がいれば、法定代理人の確認と、場合によっては家庭裁判所への申立てや監督人の同意が先に入ります。この工程が終わるまで、契約日は入れられません。
  • 状態別に、買える相手が違います。 再建築不可は隣地か事業者、連棟は隣戸か事業者か全戸一括、共有は全員合意か持分売却、借地は地主の承諾が前提です。自分の物件がどの類型に、いくつ重なっているかを紙に書いてください。
  • 窓口で聞くだけで価格が変わる項目があります。 道路の種別、セットバックの幅、建築基準法第43条第2項の余地。費用はかかりません。再建築が可能だと分かれば、相談できる相手の数が増えます。

当社は買主として、再建築不可や連棟、人の死があった物件を現況のまま買い取ります。価格は仲介で売れた場合の想定額を下回ります。誰が売主かと、どこまでを売るのかが決まっていない物件には、金額を出せません。

査定は無料・売却の義務なし
0120-996-748受付時間10:00〜19:00(水・日曜定休)

通話料無料・全国対応

この先は、当社の買取窓口「買取くん」のページです(運営は同じ株式会社リアテクスです)。

訳あり物件の売却方法についてよくある質問

Q1. 不動産会社に断られました。他に売却する方法は残っていますか

断られた理由を聞いてください。理由は2種類に分かれます。1つは、その会社が扱わない類型だという理由です。再建築不可を扱わない会社、連棟を扱わない会社、一定の面積以下を扱わない会社があります。この場合は、その類型を扱う買主を探せば話が進みます。もう1つは、売主か売る範囲が確定していないという理由です。こちらは会社を変えても結果が変わりません。 登記と代理権の整理が先になります。

Q2. 連棟式建物は、隣の家と一緒でないと売却できませんか

自分の住戸だけでも売れます。全戸をまとめて売るほうが手取りは大きくなりますが、全所有者の合意が要ります。人数が多いほど、まとまるまでの時間は読めません。自分の住戸だけを売る場合、買った側は切り離しの同意が取れない前提で使い方を考えます。そのぶん価格は下がります。判断の材料は、隣戸の所有者が誰で、連絡が取れるかどうかです。

Q3. 相続人に中学生の子がいます。親が代わりに売却できますか

親権者が代理して契約します。ただし親権者自身も相続人で、その子と遺産分割協議をする場合は、子ごとに特別代理人の選任を家庭裁判所に申し立てる必要があります。民法第826条の定めです。子が2人いれば、特別代理人も2人分です。親権者がいない場合は未成年後見人が代理し、未成年後見監督人が選任されているときはその同意(民法第864条)が必要になります。代理する人と必要な同意が整うまで、決済日は設定できません。

Q4. 20年前に人が亡くなった家です。いまも告知が必要ですか

国土交通省のガイドラインは、賃貸借についておおむね3年という目安を示しましたが、売買については同じ期間の目安を置いていません。年数が経ったから告げなくてよい、とは読めない書き方です。判断の軸は、買主が契約するかどうかの判断に重要な影響を及ぼすかどうかです。当社に売る場合は、内容をお聞きしたうえで価格に織り込みます。買主が事業者であっても、伝えていない事実が後から出ると契約の話に戻ります。

Q5. 更地にすれば、訳あり物件でも売却しやすくなりますか

接道の条件を満たす土地なら、更地にすると買主の幅は広がります。逆に、満たさない土地では更地にしても新築ができません。解体費が先に出ていき、使い道が駐車場や資材置き場に限られる形になります。さらに、住宅用地の課税標準の軽減は地方税法第349条の3の2に定めがあり、建物を取り壊すとこの軽減が外れます。壊すかどうかは、建築主管課で道路の種別を聞いたあとに決める判断です。

Q6. 訳あり要素が3つ重なっています。どの順番で解消しますか

まず、お金のかからない確認から済ませてください。登記の取得、名寄帳、役所での道路と用途地域の確認。次に、時間がかかる手続に着手します。相続登記、特別代理人の選任、地主の承諾。測量や解体のように費用の出る工程は、金額の見通しが立ってからで間に合います。順番を逆にすると、支出だけが先に出ていきます。 重なり方によって手取りが変わるため、書面での提示を見てから工事の発注を決めてください。

当社の見方

訳あり物件と一口に言っても、当社の扱いは事情ごとに変わります。物の問題(傷み・残置物・越境)と、人の問題(共有者・相続人・借主)と、紙の問題(境界・書類の欠落)では、解きほぐす順番が違います。当社がまず伺うのは、どの種類の事情なのかという点です。

物の問題は、価格に織り込めば進みます。紙の問題も、時間はかかりますが道筋は見えます。いちばん読みにくいのは人の問題で、ここだけは当社の努力では動かせません。複数の事情が重なっている場合は、動かせるものから順に整理します。ご相談のときは、事情を一つにまとめず、思い当たるものを全部挙げていただけると助かります。当社がお受けできる地域は全国47都道府県です。遠方であることは、それ自体では断る理由になりません。

当社が買い取る物件・お断りする物件と、買取価格の決まり方は、当社の買取事例76件の内訳とあわせて当社の買取基準にまとめています。

この記事について

執筆・編集
リアテクス編集部株式会社リアテクス当社(宅地建物取引業 東京都知事(1)第107888号)は物件を直接買い取る買主の立場から、売却を検討する方の判断材料となる記事を企画・編集しています。
監修
鶴野 博之鶴野 博之株式会社リアテクス 執行役員宅地建物取引士(東京)第257503号/賃貸不動産経営管理士/2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)この区分の監修を担当しています。記事の公開判断は当社が行っています(代表が定めた手順による)。確認・公開判断:藤山 大二郎(株式会社リアテクス 代表取締役CEO)
公開・更新
公開 更新 内容を見直したときは、この日付と改訂の内容を更新しています。情報の確認日 (出典の公的資料を開いて内容を確かめた日)
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法令:宅地建物取引業法、地方税法出典:裁判所
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