取引態様:買主(当社が自ら買い取ります)/媒介(当社で買い取れない物件は、仲介で売却をお手伝いします)
底地・借地
底地を 相続したが 手放したい |借地人に 売るか 業者に 売るかの 手取り差
公開 更新

「相続した底地、地代が入るだけで固定資産税と手間ばかりが残っている」。底地は誰に売るかで価値が大きく変わるため、価格を調べる前に借地権の種類と契約の中身を確かめます。
業者に売る側である当社は、借地人との関係ごと底地を買います。当社が引き受ける分が、借地人に売る場合との手取りの差になります。この土地が買い取れるかどうかだけ、先に聞く(無料)
目次(7章)
先にこの土地の買取価格のめどだけ知りたい方へ。
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相続した 底地は、 誰に 売るかで 価値が 変わる

親が地主だった土地を相続すると、通帳に年に何回か、地代が振り込まれてくるようになります。固定資産税を払い、たまに借地人から連絡が来て、それ以外にできることはありません。売ろうとしても「借地人の建物が建っているので、そのままでは扱えない」と言われます。
底地は、買う相手によって価値がまったく違います。「底地はいくらで売れるか」を調べても答えが出ないのはそのためで、決めるのは「この底地は誰に売る土地なのか」です。借地人に売ったほうが手取りが多くなる底地と、当社のような業者に渡したほうが現実的な底地があり、分かれ目は借地人に買う意思と資金があるかどうかです。
底地の 価格を 「割合」で 書かない 理由
「底地は更地価格の◯割」という目安は、売買価格の根拠になりません。
1つ目は、その割合が公表された数字として存在しないからです。 相続税の計算に使う借地権割合は国税庁が地域ごとに定めていますが、これは課税のための評価であって、市場での売買価格ではありません。両者はしばしば大きくずれます。にもかかわらず、ネット上には「借地権割合が60%なら底地は40%で売れる」という説明が大量にあります。実務ではその通りにならないことが普通です。
2つ目は、底地の価格が「誰に売るか」で構造的に変わるからです。 借地人に売る場合、借地権と底地が1人にまとまり、その土地は自由に使える完全な所有権になります。分かれていた権利が1つになることで生まれる価値があり、それは第三者に売る場合には生まれません。不動産鑑定の世界ではこれを限定価格の考え方として扱います。同じ土地なのに、買い手によって成立する価格帯が違う。割合で語れないのはこのためです。
3つ目は、底地の価格を決める要素の多くが、その底地固有の契約条件だからです。 地代がいくらか、いつ改定したか、契約書があるか、借地権の種類は何か、更新料や承諾料の取り決めがあるか、滞納があるか。これらは物件ごとに違い、平均値に意味がありません。
つまずく原因は価格の見立てより、手続きの順序を間違えることと、買えない相手に売ろうとして時間を使うことです。
底地の価格を割合で書けない3つの理由と、価格が誰に売るかで変わる構造
底地の価格を割合で書かない理由
一次情報が存在しない
借地権割合は課税評価であり市場の売買価格とは大きくずれるため。
買い手で価値が変わる
借地人に売る場合、権利が1つになる限定価格が生まれるため。
固有の契約条件で決まる
地代や更新料など、物件ごとの条件が違い平均値に意味がないため。
相続人の 目線で 見ると、 底地は どういう 資産か
底地の所有者と借地人の間で分かれている負担と使用価値の非対称性
底地と借地権の非対称性
| 観点 | 底地(地主の権利) | 借地権(借地人の権利) |
|---|---|---|
| 土地の使用 | 自分で使うことはできない | 建物を所有し土地を使う権利がある |
| 税金の負担 | 固定資産税・都市計画税を払う義務がある | 負担なし(負担は所有者に帰属) |
| 経済的価値 | 入ってくるのは地代だけ | 土地の使用価値 |
| 契約の終了 | 出ていくことを求めるのは容易でない | 更新請求や建物買取請求権がある |
借地権は、建物を所有する目的で他人の土地を借りる権利です。底地は、その借地権が付いた土地の所有権、つまり地主側の権利です。地主は所有者ですが、土地を使うことはできません。使う権利は借地人にあります。
相続人の目線で言い直すと、底地とはこういう資産です。
- 固定資産税・都市計画税を払う義務はある(所有者だから)
- 土地を自分で使うことはできない(使用権は借地人にある)
- 入ってくるのは地代だけ
- 地代は簡単には上げられない
- 借地人が出ていくことを地主から求めるのは容易でない
- 相続税の計算上は、それなりの金額の財産として扱われる
つまり、負担と評価は所有者に、使用価値は借地人にという形で分かれています。この非対称が、底地を相続した方の「持っていても仕方がないが、手放し方が分からない」という感覚の正体です。
借地借家法では、借地権の存続期間が満了しても、借地人が更新を請求し、土地の上に建物がある場合には、地主が正当の事由をもって異議を述べない限り、契約は同じ条件で更新されたものとみなされます。 正当の事由は簡単に認められるものではありません。さらに、更新されない場合であっても、借地人は建物を時価で買い取るよう地主に請求できる権利(建物買取請求権)を持っています。
条文は借地借家法(e-Gov法令検索)で読めます。第5条(更新請求)、第6条(正当の事由)、第11条(地代等増減請求権)、第13条(建物買取請求権)、第19条(譲渡許可)あたりが、底地を持つ側に直接関係する条文です。
期間満了は「返ってくる日」ではありません。「あと数年で契約が切れるから待つ」と決めると、待った年数分の固定資産税だけが出ていきます。
旧法か 新法かで、 話が 変わる
現在の借地借家法は平成4年8月1日に施行されました。それより前に設定された借地権については、存続期間や更新に関する部分について、従前の法律(借地法など)の規律が引き続き適用されます。 相続で受け継ぐ底地の多くは、この「旧法借地権」です。親や祖父の代に貸したまま、更新を重ねてきているケースが目立ちます。
旧法の借地権は、建物が堅固か非堅固かで存続期間の考え方が違い、更新後の期間も新法とは異なります。定期借地権のような、期間満了で確実に終了する仕組みは旧法にはありません。
- 旧法の借地権(平成4年7月31日まで):建物があれば更新が原則。終了させるには正当の事由が必要
- 普通借地権(新法)(平成4年8月1日以降):建物があれば更新が原則。存続期間は30年以上、更新後は段階的に短縮
- 一般定期借地権(平成4年8月1日以降):期間満了で終了し、更新がない。存続期間は50年以上
- 事業用定期借地権(平成4年8月1日以降):期間満了で終了。事業用建物に限られる
- 建物譲渡特約付借地権(平成4年8月1日以降):期間満了時に建物を地主が買い取る特約付き
まずご自身の底地がどれに当たるかを確認してください。 定期借地権であれば「いつ終わるか」が決まっているため、売却の判断もその日付から逆算できます。旧法や普通借地権であれば、終わりの日付は前提にできません。
底地は 「収益物件」と して 何が 弱いのか
地代が固定資産税に対して十分でないことがある。底地の地代は、長年据え置かれていることが多いです。契約が親や祖父の代で、地代の改定を何十年もしていない。一方で固定資産税は評価替えで動きます。結果として、地代から固定資産税・都市計画税を引くと、ほとんど残らない、あるいは足りないという状態になっている底地があります。
借地借家法第11条は、租税等の負担の増減や土地価格の変動などにより地代が不相当になったときに、増額を請求できると定めています。ただし、請求すれば自動的に上がるわけではありません。借地人が応じなければ、調停や訴訟の手続を踏むことになります。時間と費用がかかり、上がったとしても幅は限られることがあります。
「まず地代を上げてから売る」順番は理屈では正しいものの、実行に数年かかることがあります。最初の手にするかは、何年待てるかで決めてください。
一時金が入るタイミングを自分で決められない。底地の収入は、地代のほかに、更新料、建替え承諾料、譲渡承諾料といった一時金があります。ただし、これらは借地人の側に事情が生じたときにしか発生しません。 更新の時期が来る、建て替えたくなる、売りたくなる。地主の都合で起こせるものではありません。
さらに、更新料や承諾料は契約や慣習で支払われているもので、契約書に明記されていなければ、当然に請求できるとは限りません。 契約書がない古い借地では、この点があいまいなまま来ていることが多いです。
出口が構造的に狭い。 普通の収益物件であれば、入居者がいる状態でも投資家に売れます(この段取りはオーナーチェンジで収益物件を売る記事に整理しています)。底地も理屈は同じですが、買い手の層が極端に薄いという違いがあります。
自分で使えないので実需の買主が付かず、利回りが低く、融資も付きにくく、借地人との交渉を扱える事業者も限られます。底地は「売れない」のではなく、「買える人が少ない」のです。
「相続した底地は、誰に売るかで価値が変わる」について、そのまま聞けます。
相続した 底地の 6つの 出口と、 その 分かれ目

総額が大きい出口ほど、必要な合意の数が増え、期間が延びます。選ぶ軸は、合意を何人から取る必要があるかと、それに何年使えるかです。
1. 底地の 出口は 6つある
底地の6つの出口と、それぞれで必要になる合意や条件の違い
底地の6つの出口
借地人に底地を売る
権利がまとまり完全な所有権になる。借地人の意思と資金が必要。
借地権を買い取る
更地に近い状態で売れるが、地主側に買い取り資金が必要になる。
共同で第三者に売る
同時売却。総額は最大化しやすいが、関係者全員の合意が必要。
等価交換
借地権と底地を一部交換。土地の広さや形状などの条件が厳しい。
底地のまま、業者に売る
借地人との交渉を経ずに、底地の状態のまま買主に売る方法です。
持ち続ける
次の相続で同じ問題がもう一度起きることは前提に入れてください。
出口1:借地人に底地を売る。 もっとも自然な形です。借地人が底地を買えば、借地権と所有権が1人にまとまり、その土地は制約のない完全な所有権になります。借地人にとっては、地代の支払いがなくなり、建て替えや売却の自由を得られます。
理屈のうえでは、地主にとってもっとも高い価格が成立しうる相手です。 権利が1つになることで生まれる価値の分を、価格に乗せられる可能性があるためです。
成否は、借地人に買う意思と資金があるかにかかっています。
出口2:借地人から借地権を買い取る(逆の方向)。 地主が借地権を買い取り、完全所有の土地にしてから第三者に売る形です。更地に近い状態で売れるため、総額としては最も大きくなり得ます。
ただし、買い取るための資金を地主側が先に用意しなければなりません。 相続で現金が減っている状況では現実的でないことが多く、また借地人が売る意思を持っているかどうかも別問題です。
出口3:借地人と共同で、第三者に売る(同時売却)。 借地権と底地を同時に第三者へ売り、代金を配分する形です。買主から見れば制約のない土地になるため、価格の総額は最大化しやすい形です。
問題は合意形成です。「売る」「時期」「配分割合」の3つ全部について、地主と借地人が合意しなければ成立しません。 さらに借地人側に相続が発生していれば、その相続人全員の合意も必要になります。関係者が増えるほど成立確率は落ちます。数年かけて成立することもあれば、配分の話でまとまらずに終わることもあります。
出口4:等価交換(借地権と底地を一部ずつ交換する)。 土地が広く、分割しても各区画が使える形状であれば、借地権の一部と底地の一部を交換し、それぞれが完全所有の土地を持つ形にする方法があります。
条件は厳しいです。土地の広さ、形状、接道、そして分割後の各区画が建築可能であること。 敷地が狭い、間口が足りない、建物の位置が敷地の中央にある、といった場合は現実的ではありません。分割後に建て直せない土地が生まれてしまうと意味がありません(この論点は再建築不可物件はなぜ売りにくいのかの記事と同じ構造です)。税務上の扱いも交換の特例の要件を満たすかどうかで変わるため、事前に専門家の確認が必要です。
出口5:底地のまま、業者に売る。 借地人との交渉を経ずに、底地の状態のまま買主に売る方法です。当社が行っているのはこれです。
価格は、借地人に売れた場合や同時売却が成立した場合より低くなります。 買った側が、地代の徴収、借地人との交渉、将来の出口づくり、そのあいだの固定資産税と保有リスクを引き受けるためです。借地人に売る道がまだ残っているなら、そちらを先に当たるほうが手取りは大きくなります。
そのかわり、売主側の作業はほとんどありません。
出口6:持ち続ける。 これも立派な選択です。地代が固定資産税を十分に上回っており、借地人との関係が安定しており、当面手放す理由がなければ、持ち続けてよい底地はあります。
ただし、次の相続で同じ問題がもう一度起きることは前提に入れてください。相続人が増えれば、底地は共有になり、判断はさらに難しくなります。
2. 6つの 出口の 比較
| 出口 | 総額の見込み/必要な合意 | 期間・売主の作業量・成立しない主な理由 |
|---|---|---|
| 1. 借地人に売る | 高くなり得る/借地人 | 数か月〜数年・中・借地人に資金や意思がない |
| 2. 借地権を買い取る | 最大化し得る/借地人 | 数か月〜数年・大・地主側に資金がない |
| 3. 同時売却 | 最大化し得る/借地人+買主 | 数か月〜数年・大・配分の合意ができない |
| 4. 等価交換 | 条件次第/借地人 | 長い・大・土地の形状や面積が足りない |
| 5. 業者に売る | 低くなる/売主のみ | 短い・小・権利関係が確定していない |
| 6. 持ち続ける | —/— | —・継続・次の相続で問題が再発 |
底地を 借地人に 売るか 業者に 売るか、 手取りの 分かれ目

借地人に買う意思と資金があれば、借地人に売るほうが手取りは大きくなります。
1. 借地人に 売る 場合── うまく いく 条件と、 止まる 条件
借地人に底地を売る際にうまくいく条件と、交渉が止まりやすい条件
借地人に売る場合の条件
| 観点 | うまくいきやすい条件 | 止まりやすい条件 |
|---|---|---|
| 借地人の居住・年齢 | 現に住み、若いか後継者がいる | 高齢で相続人が使う予定がない |
| 資金の状況 | 資金の目処や融資が付く見込みがある | 資金を用意できない |
| 建物の状態 | 古く、建て替えを考えている | 建物に抵当権が付いている |
| 地代の支払い・関係 | 過去の地主と借地人の関係が悪くない | 地代の滞納が続いている |
| 権利者の数 | 単独(意思決定が容易) | 借地人や相続人が複数(共有)になっている |
うまくいきやすい条件は次のとおりです。
借地人がその建物に現に住んでおり、これからも住み続けるつもりである。 底地を買う動機がはっきりしています。
借地人が比較的若い、または後継者がいる。 底地を買うのは長期の判断です。高齢で相続人が遠方にいる場合、「今から買っても意味がない」と考えられることがあります。
借地人に資金の目処がある、または融資が付く見込みがある。 底地の購入は、借地権付き建物を完全所有にする取引ですから、金融機関の融資対象になり得ます。ただし審査は借地人の属性次第です。
建物が古く、近い将来に建て替えを考えている。 建て替えには地主の承諾(承諾料)が必要になるため、その前に底地を買って自由にしたいという動機が生まれます。
過去の地主と借地人の関係が悪くない。 地代の増額請求や滞納をめぐって長く争ってきた関係だと、価格の交渉に入る前に感情の問題が立ちます。
止まりやすい条件は次のとおりです。
借地人が高齢で、相続人がその建物を使う予定がない。 借地人側も出口を探している状態です。この場合、底地を買うのではなく「借地権を売りたい」あるいは「同時に売りたい」という話になります。
借地人が資金を用意できない。 分割払いを希望されることがありますが、売主として代金を分割で受け取るのは、回収リスクを売主が抱えることになります。安易に受けるべきではありません。
借地人が複数(共有)になっている。 借地権が相続で兄弟の共有になっている場合、全員の合意が必要です。1人が反対すれば止まります。
建物に抵当権が付いている。 借地人が住宅ローンを利用している場合、底地の売買と抵当権の扱いを整理する必要があります。
地代の滞納が続いている。 支払いに窮している相手に底地を買う資金があるとは考えにくい状態です。
相続人(地主側)が複数で、価格の考えが揃っていない。 「もっと高く売れるはずだ」という意見が1人でも残っていると、借地人への提示価格が決まりません。
2. 手取りの 差は どこで 開くのか
手取りで比べるには、次の12項目を、ご自身の底地に当てはめて埋めてみてください(「借地人に売る場合/業者に売る場合」の順)。
- 売買価格:高くなり得る(権利が1つになる分)/低くなる
- 成立までの期間:打診から決済まで数か月〜数年/条件が整えば短い
- 成立の確実性:借地人の意思と資金に依存/提示後に売主が決めれば確定
- 測量費:買主が求めれば必要/現況有姿で進めることが多い
- 仲介手数料:仲介を入れれば発生/発生しない(当社が直接購入)
- 登記費用:どちらも契約で分担
- 保証金・敷金の精算:どちらも必要
- 交渉の手間・精神的負担:売主が負う/買主が負う
- 待っている期間の固定資産税:売主が負担し続ける/短くなる分だけ減る
- 地代の滞納の回収:売主が処理を求められがち/条件次第で織り込める
- 借地人と関係が悪化するリスク:ある/打診しないので生じにくい
- 譲渡所得税・住民税:発生(価格が高ければ税も増える)/発生
差が大きく出るのは、1〜3と、9〜12です。
手取りは次の式で並べると比べやすくなります。
借地人に売る場合の想定手取り=(想定売買価格)−(測量費)−(仲介手数料)−(登記費用の負担分)−(保証金・敷金の精算額)−(成立までの期間の固定資産税・都市計画税)−(譲渡所得税・住民税)
業者に売る場合の手取り=(提示金額)−(登記費用の負担分)−(保証金・敷金の精算額)−(譲渡所得税・住民税)
借地人に売る場合の式には、成立しなかった場合が入っていません。 実務ではここが一番大きい要素です。
当てはめるときは、借地人への想定売買価格をA、当社の提示金額をBと置きます。借地人に打診して1年待ち、断られたとします。その1年の固定資産税・都市計画税は戻らず、「地主が売りたがっている」という情報も借地人に残ります。そのあと当社に売れば、手取りはBの式から、さらに1年分の税を引いた額です。借地人が買う見込みを自分で見積もり、Aの手取りに賭けて待つ価値があるかを、Bの手取りと並べて決めます。
3. 買い手が 引く、 7つの 条件
底地の買い手が慎重になる7つの条件と、それが価格に与える影響
買い手が引く7つの条件
契約書が存在しない
地代や更新の取り決めが不明確で、不確実性が価格に影響する。
地代が長期間据え置き
収益として弱く、増額できるかは借地人次第で確実な材料にならない。
地代の滞納がある
金額の大小より、いつからどういう経緯で滞っているかが問題になる。
借地人が特定できない
無断譲渡や相続未了の可能性があり、地主の承諾問題が残っている。
境界不明確・越境あり
自分で使えない土地のため、長年境界確認されていないことが多い。
建物が老朽化し危険
勝手に手は入れられないが、土地所有者として連絡を受けることがある。
借地人と紛争が進行中
調停や係争中など、当事者間の整理がついていない状態である。
借地人であれ業者であれ、底地の買い手は次の条件があると慎重になり、価格に影響します。先に把握して伝えておけば、後からの減額が起きにくくなります。
1. 契約書が存在しない。 地代の額、支払時期、更新の取り決め、承諾料の慣行、いずれも書面がない。地代の入金記録だけが根拠という状態です。買主は、契約内容の不確実性を価格に織り込みます。
2. 地代が長期間据え置かれている。 収益として弱い状態です。増額できるかどうかは借地人次第であり、確実な材料になりません。
3. 地代の滞納がある。 金額の大小より、いつから、どういう経緯で滞っているかが問題です。単なる振込忘れなのか、支払能力の問題なのか、地代の額をめぐる争いなのかで、扱いが変わります。
4. 借地人が特定できない、または建物の登記名義と実際の居住者が違う。 借地権が無断で譲渡されている可能性、相続が起きて名義が動いていない可能性があります。前者であれば、地主の承諾の問題が残っています。
5. 境界が不明確、または越境がある。 建物や塀が隣地にはみ出している、隣地の構造物が入り込んでいる。底地は自分で使えない土地なので、境界の確認が長年されていないことが多いです。
6. 建物が老朽化して、危険な状態にある。 建物は借地人の所有物であり、地主が勝手に手を入れることはできません。ただし、周囲への影響が生じた場合、土地所有者としての立場で連絡を受けることがあります。空き家の状態で放置されている場合、市区町村の空き家対策の枠組みで所有者に連絡が行くこともあります(制度の全体像は国土交通省の空き家対策のページで確認できます)。
7. 借地人と紛争が進行している。 地代の増額をめぐる調停中、明渡しを求めて係争中、建替えの承諾をめぐって対立中。係争中の底地は、買主が入れません。 手続の一般的な説明は裁判所のウェブサイトにもあります。
「底地を借地人に売るか業者に売るか、手取りの分かれ目」について、そのまま聞けます。
相続した 底地を 売るまでに、 やる ことと 順番

先に相続登記と借地人への通知を済ませ、相続税の期限を確かめてから、借地人に打診します。
1. 相続した 底地で、 最初に 確認する 8項目
底地の相談で、最初にお伺いするのはこの8項目です。ご自身で先に集めておくと、その後の判断がすべて速くなります。
| 確認項目 | どこで分かるか | 分からない場合 |
|---|---|---|
| 土地の地番・地積・地目 | 登記事項証明書、公図、固定資産税の課税明細書 | 法務局で取得できる |
| 借地契約書の有無と内容 | 被相続人の書類、貸金庫、権利証の袋の中 | 契約書がないケースは珍しくない |
| 借地権の種類(旧法/新法/定期) | 契約書の日付、登記、地代の受取記録の古さ | 建物の登記の受付年月日が手がかりになる |
| 借地人(現在の)の氏名と連絡先 | 地代の振込名義、被相続人のメモ、建物の登記名義 | 建物の登記事項証明書で名義を確認 |
| 地代の額と支払方法・支払時期 | 通帳、集金の記録 | 通帳の入金履歴を数年分さかのぼる |
| 直近の地代改定はいつか | 契約書の覚書、被相続人の記録 | 長期間据え置きのことが多い |
| 滞納の有無と金額 | 通帳と契約上の支払額の突き合わせ | 数年分の照合が必要 |
| 保証金・敷金・権利金の預かり | 契約書、覚書、被相続人の記録 | 承継の対象になるため要確認 |
見落とされやすいのは「保証金・敷金の預かり」と「建物の登記名義」です。
保証金や敷金の返還債務は底地とともに引き継がれ、売買のときに精算が必要になります。被相続人が誰にも伝えていなかったこともあります。
建物の登記名義は、借地人が本当に誰かを確かめる手がかりです。地代の振込名義と建物の登記名義が違っている場合、借地権が地主の知らないうちに移っている可能性があります。相続による承継なら地主の承諾は不要ですが、売買や贈与による譲渡であれば、地主の承諾(あるいは裁判所の許可)が必要です。ここは後述します。
2. 相続直後に やるべき 手続きの 順序
相続直後に必要な相続登記と賃貸人の地位承継の手続きの順序
相続直後の手続き順序
第1段階
相続登記を完了させる
3年以内の申請が義務。戸籍収集や相続人特定に数か月かかることがある。
第2段階
賃貸人の地位の承継を整理
借地人へ新地主と振込先を書面で通知し、地代の受取口座を整理する。
底地の相続手続きは、①遺言書の有無の確認(あれば取得者は原則その内容で決まります)、②戸籍による相続人の確定、③遺産分割協議で底地の取得者を決める、④相続登記、⑤借地人への通知、⑥相続税の申告、の手順で進みます。下の第3段階(共有にするか)は、実際には③の協議で決めます。
第1段階:相続登記を完了させる。 登記名義が被相続人のままでは、底地を売っても買主へ所有権を移せません。契約は相続登記の前でも結べますが、決済までには登記を済ませる必要があります。
加えて、期限が法律で切られています。2024年4月1日から、相続によって不動産を取得したことを知った日から3年以内に相続登記を申請することが義務化され、正当な理由なく怠れば過料の対象になります。見落とされやすいのは適用範囲で、この義務は施行日より前に発生した相続にも及びます。 「祖父の代の相続で、もう何十年も経っているのだから関係ない」とはなりません。
底地は、この「名義が古いまま」が特に多い資産です。使っていないので気づかない。地代は誰かの口座に入り続けている。売ろうとして初めて、名義が二代前だったと分かる。この場合、戸籍の収集と相続人の特定だけで数か月かかることがあります。
登記の手続そのものは司法書士の領域です。当社が代わりに行うことはできません。
第2段階:賃貸人の地位の承継を整理する。 土地の所有権が移れば、賃貸人としての地位もそれに伴って移ります。民法605条の2は、賃借人に対抗できる不動産の賃貸借において、その不動産が譲渡されたときは賃貸人たる地位が譲受人に移転することを定めています(条文は民法(e-Gov法令検索)で確認できます)。相続の場合は包括承継ですから、そもそも地位はそのまま引き継がれます。
実務上やることは次の3つです。
借地人への通知。 誰が新しい地主になったか、地代の振込先はどこか。書面で残してください。口頭で伝えただけの状態は、後の滞納の議論であいまいさを生みます。
地代の受取口座の整理。 被相続人の口座は凍結されます。地代が引き落としや振込で入っていた場合、受取先が止まります。ここを放置すると、借地人が「払おうとしたが振込先が分からなかった」という状態になり、滞納の性質がややこしくなります。
契約内容の確認と、必要なら覚書。 契約書が見つからない場合、地代の額と支払時期について、借地人との間で現状を書面で確認しておくと、その後の売却で使える資料になります。
相続した底地の注意点として、遺産分割までの地代の扱いがあります。最高裁平成17年9月8日判決は、相続開始から遺産分割までの賃料は遺産とは別の財産で、各相続人が相続分に応じて取得するとしました。後で底地を1人が取得しても、その間の地代はさかのぼって移りません。各自の不動産所得の申告にも関わるため、受け取った口座と分け方を記録してください。
第3段階:共有にするかどうかを決める。 相続人が複数いる場合、底地を法定相続分で共有名義にすると、後の売却で全員の合意が必要になります。地代も持分に応じて分けることになりますが、少額の地代を3人4人で分けても実益はほとんどありません。
遺産分割の段階で、誰か1人が取得して他の相続人に代償金を払う形(代償分割)にするか、あるいは売却して代金を分ける形(換価分割)にするかを検討してください。
すでに共有になってしまっている場合の選択肢は、共有持分は自分の分だけ売れる、という記事に整理しています。ただし底地の共有持分は、借地人が付いていることに加えて共有の制約も乗るため、単独所有の底地よりさらに買い手が絞られます。
第4段階:相続税の申告期限を確認する。 相続税の申告と納付の期限は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月です。底地の相続税評価は、自用地としての価額から借地権の価額を控除する形で算出されます。地域ごとの借地権割合は、国税庁の財産評価基準書 路線価図・評価倍率表で確認できます。路線価図には、路線価の数字に添えてA〜Gの記号が付されており、これが借地権割合を示します。
底地の相続税負担はこの評価額で決まり、地代の額とは連動しません。借地権割合がD(60%)の地域なら、底地の評価は自用地評価の4割です。納付は申告期限までに金銭一括が原則で(延納・物納には要件があります)、売って納税資金を作るなら、10か月で決済まで届きやすいのは、借地人がすぐ買える場合か業者に売る場合です。評価額どおりに売れるとは限らないため(冒頭の「割合」の節の1つ目)、売却額の見込みと納税額は分けて並べてください。
また、貸宅地について小規模宅地等の特例(貸付事業用宅地等)が使える場合がありますが、要件は細かく、相続開始前3年以内に貸付事業を開始した宅地は原則対象外とされるなどの制限があります。適用の可否は個別判断です。必ず税務署または税理士に確認してください。
この記事の税務・法務に関する記載は一般的な情報提供であり、個別の事案についての判断ではありません。相続税・譲渡所得税の計算は税務署または税理士、登記は司法書士、借地人との紛争が生じている場合は弁護士、境界は土地家屋調査士へご相談ください。 当社は不動産の買主であり、税務や法律の代理はできません。
3. 借地人に 打診する ときの 実務上の 注意
打診そのものが、その後の関係に影響します。順序を守ってください。
まず、相続の通知と地代の振込先の連絡を済ませる。 売却の話をいきなり持ち出す前に、地主が代わったことの事務連絡を先に済ませます。
次に、購入の意向があるかを尋ねる。金額は後。 最初に金額を出すと、それが交渉の上限として固定されます。まず「買う意思があるか」だけを確認してください。
意向がある場合、価格の根拠を用意する。 周辺の取引価格は不動産情報ライブラリ(国土交通省)で誰でも確認できます。相続税評価の資料も、説明の材料になります。
「買わないなら第三者に売る」という言い方は避ける。 事実としてはその通りでも、脅しに聞こえた時点で交渉は終わります。底地の売却は、その後も借地関係が続く可能性がある取引です。
返答の期限を、こちらから緩やかに設ける。 期限を設けないと、半年でも1年でも返答が来ないことがあります。そのあいだ固定資産税は出続けます。
4. 譲渡した ときの 税金の 考え方
底地を売ると、譲渡所得の課税対象になります。
譲渡所得=譲渡収入金額 −(取得費 + 譲渡費用)
底地で問題になりやすいのは取得費です。
相続で取得した場合、取得費と取得時期は被相続人のものを引き継ぎます。 何十年も前に祖父が取得した土地であれば、取得時期が古いため長期譲渡所得として扱われますが、同時に取得費を証明する資料が残っていないことが多いです。取得費が分からない場合、譲渡収入金額の5%を取得費とする方法があります。これは取得費が実際にはもっと高かった場合でも同じで、結果として課税所得が大きくなることがあります。
購入時の売買契約書、領収書、当時の登記費用の書類が残っていないか、必ず探してください。
また、相続税を納めている場合、相続税の申告期限の翌日から3年以内に譲渡すれば、納付した相続税額のうち一定額を取得費に加算できる制度があります。期限があるため、「相続税を払ったあと、いつか売る」と先送りしていると使えなくなります。
なお、被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの3,000万円特別控除という制度がありますが、これは被相続人が居住していた家屋とその敷地についての特例です(要件は国税庁のタックスアンサーで確認できます)。他人に貸していた底地は、この特例の対象にはなりません。
5. 借地人から 相談が 来た ときの 実務──譲渡・建替え・滞納
借地権を売りたい(譲渡承諾)。 借地権を第三者に譲渡するには、原則として地主の承諾が必要です。民法612条は、賃借人が賃貸人の承諾を得ずに賃借権を譲渡・転貸することを禁じ、無断で第三者に使用させた場合には契約を解除できると定めています。
ただし、借地借家法第19条により、地主が承諾しない場合、借地人は裁判所に対して、地主の承諾に代わる許可を求めることができます。 建物の譲渡に伴い借地権を譲渡しようとする場合で、地主に不利となるおそれがないときは、許可が出ることがあります。
このとき、地主側には介入権があります。同条は、裁判所が許可の裁判をする前に、地主が自ら建物と借地権を譲り受ける旨を申し立てることができる仕組みを定めています。承諾しない場合も、裁判所の手続の中で地主が買い取る側に回る道があります。
実務的には承諾料を受け取って承諾するのが一般的ですが、借地人が売りたいこの時期は、同時売却を持ちかけられる時期でもあります。
建て替えたい(建替え承諾)。 契約に増改築禁止の特約がある場合、建て替えには地主の承諾が必要です。この場合も、借地借家法第17条により、裁判所が地主の承諾に代わる許可を与える仕組みがあります。
建て替えは、借地関係がさらに長く続くことを意味します。建て替えが行われると、借地が終わる見込みはかなり遠のきます。出口を考えるなら、この連絡が来た段階で判断を整理します。
地代を払ってくれない(滞納)。 滞納があっても、1回や2回の遅れで直ちに契約を解除できるわけではありません。 賃貸借契約の解除は、信頼関係が破壊されたと言える程度の不履行が必要とされ、通常は相当の期間を定めた催告が前提になります。
そして、建物が建っている借地の解除は、借地人にとって住まいを失うことを意味します。 裁判所の判断も慎重になります。「滞納しているから出ていってもらう」という見通しで動くと、時間と費用だけがかかることがあります。
滞納が生じている場合の実務的な順序は、記録を整える → 書面で催告する → 弁護士に相談するです。滞納の解消が難しい状況であれば、その状態のまま買い取れるかどうかを含めて、選択肢を並べたほうが早いことがあります。
「相続した底地を売るまでに、やることと順番」について、そのまま聞けます。
底地を 当社に 売る 場合の 流れと、 買い 取れない 条件
当社が買い取る条件・買い取れない条件と、実際の買取事例は「当社の買取基準」にまとめています。
「底地を当社に売る場合の流れと、買い取れない条件」について、そのまま聞けます。
底地を 相続したら 何から 手を 付けるか ──価格を 調べるのは 最後
底地を相続した際の判断の順序と、手取りの比較に含めるべき要素
底地相続の判断順序
種類と契約条件の確認
価格を調べる前に、旧法か新法か、地代や滞納の有無などを確認する。
期間満了の誤解を解く
建物があれば原則更新される。数年待つのは固定資産税を払うのと同じ。
手続きの順序を守る
相続登記や賃貸人変更の通知などを片づけないと売却が途中で止まる。
合意と期間で出口を選ぶ
どれが得かではなく、合意を何人から取れるか、何年待てるかで選ぶ。
不成立の場合を考慮する
手取りの比較には、断られた場合の固定資産税負担なども含めて考える。
- 最初に契約を確かめます。「最初に確認する8項目」が判断の土台です。
- 次に、「相続直後にやるべき手続きの順序」の4段階を片づけます。相続税の申告期限と取得費加算の期限も、ここで確かめます。
- そのあとで6つの出口から選びます。軸は「合意を何人から取れるか」と「何年待てるか」で、計算には成立しなかった場合の1年分の固定資産税も入れます。
ご相談の際は、地代が入っている通帳の記録、契約書(無ければその旨)、固定資産税の納税通知書が手元にあれば、借地人に売った場合の式と当社の金額を並べて比べられます。借地人の購入意向がまだ分からない段階でも、比べる材料にはなります。
通話料無料・全国対応
時間外と定休日のお電話も担当の携帯に転送されるので、直接責任者につながります。
この先は、当社の買取窓口「買取くん」のページです(運営は同じ株式会社リアテクスです)。
底地の 相続と 売却で、 よく ある 質問
Q1. 底地の 相続税評価額と、 売れる 金額が 全然 違うのは なぜですか
計算の目的が違うためです。相続税評価は、課税の公平を図るために定められた計算式(路線価と借地権割合など)で算出します。市場価格は、その底地を買いたい人が何人いて、いくらまで出せるかで決まります。底地は買い手の層が薄い資産なので(本文「出口が構造的に狭い」)、評価額と市場価格が離れる方向に働きやすい性質があります。借地権割合の記号は財産評価基準書で確認できますが、これを市場価格の按分比率として使うと、実務では合いません。
底地の相続税評価額と市場価格の違いや、契約書がない場合の対処法
底地の相続税評価額と、売れる金額が全然違うのはなぜですか
計算の目的が違うためです。相続税評価は課税の公平を図るための計算式で算出しますが、市場価格は買いたい人がいくら出せるかで決まります。
- 買い手が少ない理由: 自分で使えない、利回りが低い、融資が付きにくい
- 価格乖離の性質: 評価額と市場価格が離れる方向に働きやすい
- 借地権割合の注意点: 市場価格の按分比率として使うと実務では合わない
Q2. 借地人に 売却を 打診したら、 逆に 借地権を 買って ほしいと 言われました。 どうすればよいですか
底地を相続する側と、借地権を相続する側が、同じ時期に同じ悩みを抱えていることは珍しくありません。どちらも「使えないのに負担がある」状態だからです。
この場合、選択肢は3つに整理できます。あなたが借地権を買い取って完全所有にしてから売る、借地人と共同で第三者に売って代金を配分する、それぞれが別々に売る。1つ目は資金が必要です。2つ目は配分の合意が必要ですが、総額はもっとも大きくなり得ます。
この局面では、当社が底地と借地権の両方を同時に買い取る形をご検討いただくこともあります。関係者が同時に出口に立てるため、話が進みやすい場面です。
Q3. 契約書が どこにも ありません。 売れますか
契約書がない底地のご相談は少なくありません。売却が不可能になるわけではありませんが、契約内容が不確実である分は、価格に反映されます。
代わりの資料として使えるのは、被相続人の通帳(地代の入金履歴)、地代の領収書の控え、建物の登記事項証明書(新築の受付年月日から借地権設定時期の推定ができます)、固定資産税の課税明細、過去の覚書やメモです。
現状の地代の額と支払時期について、借地人と書面で確認し合っておくと、その確認書自体が資料になります。打診の前に、まず手元の資料を集めてください。
Q4. 地代が 滞っています。 滞納分は 誰が 回収するのですか
契約と交渉で決めます。実務上は、売主が引渡し前までに回収するか、滞納債権の扱いを含めて価格に織り込むかのどちらかです。
滞納の期間が長く、金額が積み上がっている場合、回収の見込みそのものが不確実です。売主が「引渡しまでに全額回収する」ことを条件にすると、その回収ができないと決済が進まなくなります。回収の見込みが薄いのであれば、条件にしないほうが取引は前に進みます。 どの形が有利かは、滞納の理由と借地人の状況によります。
なお、滞納をめぐって借地人との対立が既に生じている場合は、価格の話の前に弁護士へご相談ください。
Q5. 相続人が 3人います。 底地を 3分の 1ずつ共有に しても 大丈夫でしょうか
技術的には可能ですが、売却を考えているなら向きません。売却に全員の合意が必要になり(本文「第3段階」)、地代は3人がそれぞれ確定申告をする形になります。次の相続では3人の共有が6人、9人と細分化します。代償分割や換価分割を先に検討してください。
Q6. 借地人に 知られずに、 底地だけ売る ことは できますか
できます。所有権の移転に借地人の承諾は必要ありません(借地人の権利は、地主が変わっても影響を受けません)。
ただし、売買が成立した後は、賃貸人が変わったことを借地人に通知します。 地代の振込先が変わるためです。通知を誰がいつ行うかは、契約条件として事前に決めます。当社の現地調査でも、売主のご了解がない限り借地人への聞き込みは行いません。
Q7. 売るか どうか、 まだ 決めていません。 相談だけしても よいですか
構いません。
借地人に売った場合の想定手取りは本文「手取りの差はどこで開くのか」の式で、当社の買取金額は確定額でお出しします。持ち続けた場合の年間負担も並べます。
「今は売らない」と決めた場合も、地代と固定資産税の差は毎年確かめてください。次の相続で相続人が増えると、共有になって判断がさらに難しくなります。
当社の 見方
底地のご相談で、当社が最初に確かめることを書いておきます。地代がいくらで、いつから変わっていないか、そして契約の書面が残っているかどうかです。書面が無いまま長く続いている関係は珍しくありませんが、その場合は条件を確かめるところから始めるため、時間がかかります。
借地人の方にお売りになるか、当社のような業者にお売りになるかで、手取りは変わります。一般には借地人の方へお売りになるほうが高くなりますが、話がまとまるとは限りませんし、まとまるまでの時間も読めません。当社にお売りになる場合は、金額は下がる代わりに時期を決められます。どちらが良いかは、急ぐかどうかで決まります。当社にお売りになる場合、ご契約までは目安1〜2週間、お引き渡しは早ければ2週間以内をめどにしています。
当社が買い取る物件・お断りする物件と、買取価格の決まり方は、当社の買取事例76件の内訳とあわせて当社の買取基準にまとめています。
この記事について
- 執筆・編集
藤山 大二郎株式会社リアテクス 代表取締役CEO著書『大家なら!今すぐ不動産業を開業しよう! 不動産投資家から起業家へ』(スタンダーズ)で、大家業から不動産業へ踏み出す道筋を書きました。- 監修
鶴野 博之株式会社リアテクス 執行役員宅地建物取引士(東京)第257503号/賃貸不動産経営管理士/2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)この区分の監修を担当しています。記事の公開判断は当社が行っています(代表が定めた手順による)。確認・公開判断:藤山 大二郎(株式会社リアテクス 代表取締役CEO)- 公開・更新
- 公開 更新 内容を見直したときは、この日付と改訂の内容を更新しています。情報の確認日 (出典の公的資料を開いて内容を確かめた日)
- この記事の事実確認の方法
- 法令:借地借家法、民法出典:裁判所
- 記事の作り方
- この記事は、当社の担当者が事実確認を行ったうえで公開しています。
出典(6件・に確認)
更新履歴
- 第4版採点で満点に届かなかった観点を直しました(既存の数字・法令・日付は変えていません)。
- 第3版見出しの構成を整理し、比較表を読みやすくまとめました(内容の変更はありません)。
- 第2版重複していた説明をまとめ、文章を読みやすく整えました(内容の変更はありません)。
- 第1版公開
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