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空き家

茨城県の別荘は「あげます」で手放せる?無償譲渡と買取の手順

公開 更新

執筆
株式会社リアテクス リアテクス編集部
監修
株式会社リアテクス 執行役員 鶴野 博之(宅地建物取引士(東京)第257503号)
茨城県の別荘は「あげます」で手放せる?無償譲渡と買取の手順

「親から相続した茨城県の別荘が空き家のまま。値段が付かないなら、ただであげてでも手放したい」。0円でも、もらう人が決まって名義が移るまでは、固定資産税と管理の責任は相続したあなたに残ります。

当社は茨城県の別荘も自己資金で直接買い取り、代金はお引き渡しの日にお支払いします。農地を農地のまま取得することは当社にはできないため、畑や田の付いた敷地は宅地と建物の部分だけのお取引になることがあります。この家が買い取れるかどうかだけ、先に聞く(無料)

目次(9章)

無償で手放す前に、売れるか確かめる(当社の買取条件)

約1分で簡単査定を申し込む

この先は当社の買取窓口「買取くん」です。

茨城県の別荘は「あげます」で手放せます。ただ、手放したことになるのは、もらう人が決まり、登記の名義がその人に移った時点です。値段を0円にしても受け取る人が現れなければ、翌年も固定資産税の通知は相続したあなたに届きます。建物が建ったままの土地は、国に引き取ってもらう制度にも申請できません。敷地に畑が付いていれば、農業委員会の許可まで要ります。どの手放し方が残るかは、建物の状態、農地の有無、名義、もらい手の当ての4つでほぼ決まります。

茨城県の別荘は「あげます」で手放せる?無償譲渡と買取の手順の要点を、定義・この記事でわかること・よくある質問の順に短くまとめた動画です。

茨城県の別荘は「あげます」で手放せる?名義が移るまで固定資産税は1月1日の所有者に残る

無料で手放すことはできますが、もらう人への名義の移転が終わるまで、税金も管理の責任も所有者であるあなたに残ります。

無償でも、受け取る人がいなければ所有者のまま

不動産を一方的に捨てるための届出の窓口はありません。「あげます」は相手が受け取ると答えて初めて成り立つ契約です。民法第549条は、贈与を契約として定めています。片方がただで財産を与える意思を示し、相手がそれを受け入れることで効力が生じます。掲示板や空き家バンクに出した段階では、まだ何も動いていません。

いま手元にあるのは、親の名前が書かれた固定資産税の納税通知書かもしれません。固定資産税は毎年1月1日時点で登記上の所有者とされている人に課されます(地方税法第343条・第359条)。12月に話がまとまっても、名義の書き換えが年明けにずれ込めば、その年の1年分はあなたの負担になります。

もらう人が決まらないまま年を越すたびに、同じ通知が届きます。相手探しを始める前に、いつまでに名義を移したいかという日付を、まず決めておいてください。

贈与と固定資産税に関わる法令の条文

  • 贈与の成立549条
  • 固定資産税の納税義務者343条
  • 固定資産税の賦課期日359条

茨城県の空き家の数と、別荘がもらい手を待つ間に起きること

全国の空き家は900万戸、住宅全体に占める割合は13.8%で、いずれも総務省統計局の住宅・土地統計調査(令和5年)の数字です(総務省 住宅・土地統計調査・令和6年4月公表/総務省統計局)。茨城県の総住宅数・空き家数・空き家率は、同じ調査の都道府県別の付表に載っています。県の数字はその付表の値で確かめてください。同じ調査では、別荘のように普段は人が住まない家を「二次的住宅」という区分で数えています。

茨城県の別荘は、県北の山あいや筑波山のふもと、海沿いの町など、週末に通う前提で建てられたものが多いです。親が亡くなった時点で何年も使われていないことがよくあります。笠間市・常陸太田市・石岡市のように、市が空き家と空き地の情報を載せる仕組みを持っている町もあります。相手探しの窓口は市町村ごとに違います。

使われない期間が長くなるほど、もらい手の側から見た条件は悪くなります。電気や水道を止めて数年たった家は、通水したときに配管の漏れが見つかることがあります。それが、見に来た人がその場で断る理由になります。

別荘を放置した場合のリスクと、早期に手放す理由

放置した別荘でいま起きているのは、雨水の浸入、浄化槽や井戸の傷み、庭木の伸びといった、外から見えにくい傷みです。人が入らない家は換気されません。屋根や外壁の小さな隙間から入った水が、数年かけて床や柱を傷めます。

この段階を過ぎると、責任の話に変わります。塀や屋根材が崩れて通行人や隣の家に損害を与えれば、所有者が賠償を負う場面があります。民法第717条は土地の工作物の設置や保存の不備による損害について、占有者や所有者の責任を定めています。どこから責任が問われるかは「空き家の放置で責任と賠償を負う条件」の記事にあります。

固定資産税の住宅用地の課税標準の特例(地方税法第349条の3の2)は、人が住むための家屋の敷地に付くものです。ふだん住まない別荘の敷地は、もともとこの特例の対象になりません。別荘として課税されているなら、勧告を受けても、それを理由に土地の税額が上がることはありません。どちらで課税されているかは、課税明細書の土地の欄で見分けられます。「小規模住宅用地」「一般住宅用地」といった住宅用地の記載があるかを見てください。分からなければ、別荘のある市町村の税務の窓口に聞いてください。

親が晩年に住んでいたなど、住まいとして課税されている場合に限って話が変わります。管理されていない状態が続くと、市町村から管理不全空家等や特定空家等として勧告を受けることがあります。勧告を受けると、その土地は住宅用地の特例から外れます(空家等対策の推進に関する特別措置法第13条・第22条)。この場合に税がどれだけ上がるかの仕組みは「空き家の固定資産税が6倍になる条件」の記事に書かれています。

早期に手放す理由は、ここに尽きます。「あげます」でもらってくれる人が現れるのは、建物がまだ使えるうちです。傷みが進んで建物が使えなくなると、もらう人にとっては解体費を背負うだけの話になります。そうなると、無償でも引き取り手がいなくなります。

譲渡の流れと固定資産税の負担

  1. 募集段階

    「あげます」と出す

    相手が受け取ると答えるまで契約は成り立たない

  2. 承諾

    もらう人の承諾と契約

    片方が与える意思を示し相手が受け入れて効力が生じる

  3. 1月1日

    固定資産税の課税

    1月1日時点の登記上の所有者に1年分が課される

  4. 年明け

    名義の移転

    名義の書き換えが年明けにずれ込めばあげる側の負担

「茨城県の別荘は「あげます」で手放せる?名義が移るまで固定資産税は1月1日の所有者に残る」について、そのまま聞けます。

茨城県の別荘を手放す方法は4つ?無償譲渡・空き家バンク・国庫帰属・買取

手放す方法は、個人への無償譲渡、市町村の空き家バンク、相続土地国庫帰属制度、買取業者への売却の4つです。

どの方法が実現するかは、建物が使えるか、相手の当てがあるか、解体の費用を出せるかで分かれます。順に見ていくと、上の方法ほど費用は小さく、相手が見つかるかどうかは読みにくくなります。

無償譲渡と空き家バンクの特徴

  • 個人への無償譲渡

    費用は最も小さいが、相手が見つかるかは最も読みにくい

  • 市町村の空き家バンク

    費用は小さいが、相手が見つかるかは読みにくい

  • 相続土地国庫帰属制度

    費用は大きいが、相手が見つかるかは読みやすい

  • 買取業者への売却

    費用は最も大きいが、相手が見つかるかは最も読みやすい

1. 近所の人や知人に「あげます」と無償で譲る

いちばん費用がかからないのは、隣の家や地元の知人、親戚に直接譲る方法です。隣の土地の持ち主は、敷地を広げたい、畑の続きとして使いたいといった理由で、建物ごと引き受けてくれることがあります。

ただ、知り合い同士の話ほど、口約束で済ませて名義の移転が後回しになりがちです。登記が親の名前のまま、使っているのは隣の人という状態が何年も続くと、固定資産税の通知はあなたに届きます。何かあったときの責任の所在もはっきりしません。相手が見つかった時点で、契約書と登記の段取りまで一気に進めてください。

2. 市町村の空き家バンクに載せて、使いたい人を待つ

空き家バンクは、市町村が空き家を使いたい人に向けて物件の情報を載せる仕組みです。茨城県では笠間市の空家・空地バンク、常陸太田市の空き家・空き地バンク「じょうづるホーム」、石岡市の空家・空地バンクのように、市ごとに窓口があります。呼び名は「空家バンク」「空き家・空き地バンク」と町によって違います。別荘のある市町村の担当課に登録の条件を聞くのが入口です。

載せてから問い合わせが来るまでの期間は、物件と時期によってまちまちです。市が登録を受けても、条件の交渉や契約は所有者と使いたい人の間で進めることになります。仲介に入る不動産会社が決まっている町もあります。

笠間市の空家活用支援補助金や、日立市の空き家利活用促進事業(令和8年度版)のように、空き家を使う側を後押しする補助を設けている市もあります。対象や金額は年度と市ごとに違います。もらい手に伝える前に、市の窓口で使える補助があるかを確かめておくと、相手が決めやすくなります。

3. 相続土地国庫帰属制度で国に引き取ってもらう(建物は取り壊してから)

相続した土地を国に引き取ってもらう相続土地国庫帰属制度は、建物がある土地では申請そのものができません。相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律の第2条第3項第1号が、建物のある土地を申請できない土地として挙げているためです。

別荘でこの制度を使うには、建物を取り壊してから申請することになります。法務省「相続土地国庫帰属制度について」によれば、審査手数料は土地一筆あたり14,000円、承認された後に納める負担金は原則20万円です。土地が何筆に分かれているかで審査手数料が変わるので、登記簿で筆の数を数えておいてください。

別荘を手放す4つの方法と費用

順番手放す方法費用の大きさ相手探しの読みやすさ
1個人への無償譲渡小さい読みにくい
2市町村の空き家バンク↓↓
3相続土地国庫帰属制度↓↓
4買取業者への売却大きい読みやすい

ここに解体費が加わります。木造の別荘でも、重機が入るかどうかや残っている家財の量で金額が変わります。そのため、相場を一律に言うことはできません。費用の決まり方は「空き家の解体費用はいくらかかるか」の記事を見てください。使えるのは、相続か相続人への遺贈で土地を取得した人に限られます。相続人でない人が遺贈で受けた土地や、親から買った土地、自分で買った土地は対象外です。

4. 買取業者に売って、代金を受け取る

買取は、不動産会社が自分で買主になり、代金を払って物件を引き取る方法です。相手を待つ期間がなく、建物を壊さずにそのまま引き渡せる点で、ほかの3つと違います。

その代わり、買取の金額は、買った後に直すか壊すかの費用と、次に使う人が見つかるまでの期間を差し引いて組み立てられます。0円で譲るよりは手元に残りますが、一般の人が住むために買う値段よりは低くなります。どの条件の別荘なら買取の方が残る額が多いかは、「無償譲渡より買取が向く別荘は?「あげます」と買取で手元に残る額の違い」の節で、当社の例の金額とともに見てください。

別荘の「あげます」を実行する前の注意点は?譲渡で起きる問題と費用の目安

あげる側に残りやすい支出は、名義が移るまでの固定資産税、相続登記の費用と期限、引き渡し後の契約不適合の責任です。敷地に畑があれば、農地法の許可も加わります。

いま「ただなら誰か受け取るだろう」と考えている段階でも、譲渡の契約を結ぶ前に次のお金と手続きを数えておきます。そうすれば、話が途中で止まりません。

1. 固定資産税:名義が移るまで毎年かかり、課税標準額300万円なら年4.2万円

固定資産税の標準税率は1.4%と定められています(地方税法第350条)。課税標準額が仮に300万円の別荘なら、年に4.2万円がかかる計算になります。実際の課税標準額と税率は、手元の納税通知書の課税明細書で確かめてください。

もらい手が見つからないまま3年たてば、その3年分を払い続けたことになります。年の途中で譲る場合、1月1日の所有者に1年分が課されるのは変わりません。引き渡し日から年末までの分をもらう人と日割りで分けるかどうかは、当事者同士の取り決めです。「あげます」の話では精算をしないことも多いので、契約書に一行入れて、どちらが持つかを決めておきます。

譲渡前に確認すべき費用と手続き

  • 固定資産税の負担

    名義が移るまで毎年かかり、1月1日の所有者に課される

  • 相続登記の期限

    相続を知った日から3年以内。怠ると10万円以下の過料

  • 契約不適合の責任

    引き渡し後に不具合が見つかった場合の責任の所在

  • 農地法の許可

    敷地に畑や田がある場合、もらい手が限られる

2. 相続登記:知った日から3年以内、怠ると10万円以下の過料

いずれ誰かに譲るつもりの別荘でも、親の名義のままにしておける期間には区切りがあります。相続登記は2024年4月1日から義務になりました。期限は、親の別荘を自分が受け継いだと知った日から3年です。制度が始まる前に相続を知っていた人も対象で、その場合は2027年3月31日が期限になります。正当な理由がないまま期限を過ぎると、10万円以下の過料を科されることがあります(法務省「相続登記の申請義務化について」)。

別荘を譲るときに困るのは、登記の名義が亡くなった親のままだと、あなたが譲る側として所有権の移転を申請できないことです。親から直接もらい手へ名義を移すことはできないので、先に相続登記を済ませる必要があります。費用は、相続登記の登録免許税(固定資産税評価額の0.4%・登録免許税法の別表第一)と、司法書士に頼む場合の報酬です。

親が亡くなってから何年もたっている場合、戸籍を集めるだけで数週間かかることがあります。もらい手が見つかってから慌てないよう、相手探しと並行して進めてください。

相続登記の期限と、別荘を譲る際の手順は?

相続を知った時期によって期限が分かれます。また、親から直接もらい手へ名義は移せないため、先に自分への登記が必要です。

  • 制度開始後に知った:知った日から3年以内
  • 制度開始前に知っていた:2027年3月31日まで
  • 譲る順番:先に自分へ相続登記、次にもらい手へ

3. 契約不適合:ただで譲っても、条件付きの贈与なら売主と同じ責任を負う

ただで譲る契約では、あげる側の責任は売買より軽く扱われます。根拠は民法第551条第1項です。別荘をあげる人は、譲ると決めた時点の状態で引き渡す約束をしたものと推定されます。見たままの状態で渡せばよい、というのが出発点です。

ところが、「解体はもらう側がする」「固定資産税の精算分は払ってもらう」のように、もらう側に何かを負わせる贈与(負担付贈与)になると話が変わります。民法第551条第2項により、その負担の限度で、あげる側も売主と同じように契約不適合の責任を負うことになります。

仮に、引き渡した後で浄化槽の交換が要ると分かり、50万円の見積りが出たとします。何も書いていない契約だと、この50万円を誰が持つかで揉めます。知っている不具合は一覧にして契約書に添え、現状のまま引き渡すことと、引き渡し後の修理はもらう側が行うことを、文章で残してください。

4. 敷地に畑や田がある:農地法第3条の許可が要り、もらい手が限られる

敷地の一部が畑や田なら、その部分は農地として扱われます。譲るあなたともらう人が市町村の農業委員会の許可を受けなければ、所有権は移りません(農地法第3条第1項)。許可の申請は、原則として当事者の双方が連署して出します(農地法施行規則第10条)。許可を受けずに結んだ譲渡は効力を生じないと同じ条で定められています。契約書を交わしても名義は移りません。

許可の審査では、もらう人がその農地で農業を営むかどうかが見られます。週末の家として使いたい人に建物と畑をまとめて譲る、という話は、畑の部分で止まることが多いのです。登記簿の地目が宅地でも、実際に耕していれば農地と扱われることがあります。迷ったら農業委員会に現況を伝えて確かめてください。

建物と宅地はもらい手に、畑は近くで耕作している人や農地中間管理機構(農地バンク)に、と別々に手放すこともできます。手続きが2本に分かれる分だけ期間は延びますが、建物の側の話を先に進められます。

5. 4つの問いで、茨城県の別荘に向く手放し方を診断する

次の4つの問いに答えると、無償譲渡・空き家バンク・国庫帰属・買取のうち、どこから手を付けるかが絞れます。

診断の問い「はい」なら「いいえ」なら
建物は雨漏りや大きな傷みがなく、すぐ使える状態か無償譲渡か空き家バンクで、使いたい人を探せる解体して国庫帰属か、そのまま買取かを比べる
敷地に畑や田(農地)が含まれているか農地は農業委員会の許可を前提に、建物と分けて相手を探す宅地だけなので、4つの方法がすべて候補になる
相続登記は済んでいるかすぐに相手探しや査定に進めるどの方法を選ぶにしても、先に相続登記を申請する
近所や知人に、もらってくれそうな当てがあるか個人への無償譲渡から話を始める空き家バンクへの登録か、買取の査定から始める

建物が使えて、もらってくれる当てもあるなら、まず無償譲渡で話を進め、相続登記の申請を並行させます。建物が使えず、当ても無いなら、まず解体費と国庫帰属の費用を足します。その額と、そのまま買取に出した場合の金額を比べるところから始めます。農地が含まれる場合は、どの答えであっても、畑の部分だけは別の手続きとして段取りを組んでください。

「別荘の「あげます」を実行する前の注意点は?譲渡で起きる問題と費用の目安」について、そのまま聞けます。

別荘をあげる側(譲る側)の手順は?相続登記から空き家バンク登録まで3つの書類をそろえる

居間のテーブルで1枚の紙を広げ、家族で話し合っている

あげる側は、名義を自分に移し、物件の情報と不具合を書き出してから、空き家バンクや知人に「あげます」と出す順で進めます。

手元にそろえる書類は、登記事項証明書、固定資産税の課税明細書、不具合の一覧の3つです。相続から何年もたった別荘では、この3つを集めるところで最初の数週間を使います。

あげる側が最初にそろえる3つの書類

  • 登記事項証明書

    所有者の名義を確認し、親のままなら相続登記の期限を意識する

  • 課税明細書

    土地の筆数や地目を確認し、畑や山林が含まれていないか見る

  • 不具合の一覧

    雨漏りや設備の状況をまとめ、もらい手への説明材料にする

1. 名義を確かめ、物件の情報と不具合を書き出す

最初に、法務局で土地と建物の登記事項証明書を取り、所有者の欄が誰になっているかを見ます。親の名前のままなら、上の「別荘の「あげます」を実行する前の注意点は?譲渡で起きる問題と費用の目安」の節で書いた相続登記の期限を、ここで手帳に書き込んでください。

次に、固定資産税の課税明細書で、土地が何筆に分かれているか、地目が何になっているかを確かめます。畑や山林が別の筆で含まれていることに、ここで初めて気づく人も少なくありません。

現地で分かっている不具合は、次の項目ごとに書き出します。

  • 雨漏りの跡がある部屋と、その時期
  • 浄化槽か下水か、井戸か水道か、それぞれ使えるかどうか
  • 電気・水道を止めた時期
  • 家具や家財をどこまで残すか
  • 測量図や建築時の図面が手元にあるか
  • 鍵がいくつあり、誰が持っているか

この一覧が、もらい手への説明の材料になり、そのまま契約書に添える不具合の一覧になります。遠方に住んでいて現地に行けないなら、親戚や近所の人に写真を撮ってもらってください。それだけでも、もらい手の判断は早くなります。

2. 空き家バンクや知人に出し、贈与契約書を交わして引き渡す

情報がそろったら、別荘のある市町村の空き家バンクに登録を申し込むか、近所や知人に声をかけます。常陸太田市の空き家・空き地バンク「じょうづるホーム」のように、市のページに登録の手順が載っている町もあります。笠間市のように、令和8年度に空家等の無料相談会を開いている市もあります。進め方に迷ったら、市の相談の場を使ってください。

もらう人が決まったら、贈与契約書を交わします。書いておく項目は次のとおりです。

  • 譲る土地と建物(登記簿のとおりの所在・地番・家屋番号)
  • 現状のまま引き渡すことと、添付した不具合の一覧
  • もらう側に負担を付けるかどうか(解体・家財の処分など)
  • 登記の費用と税金をどちらが払うか
  • その年の固定資産税を精算するかどうか
  • 引き渡しの日と、鍵を渡す方法

譲る相手が個人ではなく会社(法人)の場合は、注意が要ります。所得税法第59条により、法人への贈与は時価で売ったものとみなされます。そのため、あげる側に譲渡所得の税がかかることがあります。0円で譲ったのに翌年に申告が要る、という形になるので、法人に譲る話が出たら、契約の前に税務署か税理士に確かめてください。

別荘をもらう側の手順は?贈与税の基礎控除110万円と登記の費用を先に確かめる

木造の別荘の建物を、少し離れた場所から見上げている後ろ姿

もらう側は、贈与税の基礎控除110万円を超えるかと、登記や取得にかかる税を確かめてから、所有権の移転の登記を申請します。

「ただでもらえる」と聞いて現地を見に来た人も、名義を受け取る日までに、自分の側で払うお金を数えることになります。あげる側も、この順番を知っておくと、相手が途中で迷う場面を先に埋められます。

1. 現地と書類を確かめ、贈与税の基礎控除110万円を超えるか見る

国税庁によれば、個人から1年間にもらった財産の合計が基礎控除額の110万円を超えると、もらった人に贈与税がかかります(国税庁「No.4402 贈与税がかかる場合」)。0円で譲られた別荘でも、税の計算では、土地は路線価や倍率で、建物は固定資産税評価額をもとに値が付きます。

同じ年に別の人から現金などをもらっていれば、それも合計に入ります。110万円を超えるかどうかは、課税明細書の評価額を見せてもらえば見当がつきます。あげる側は契約前に明細書の写しを渡しておくと話が早く進みます。

不動産をもらった人には、県の税である不動産取得税もかかることがあります(地方税法第73条の2)。茨城県の別荘なら、課税するのは茨城県で、県税事務所から通知が届きます。敷地に農地が含まれるなら、この段階で農業委員会への許可の申請も並行させます。

もらう側が確かめる3つのお金

  1. 1

    贈与税

    1年間の合計が110万円を超えると課税される

  2. 2

    不動産取得税

    不動産をもらった後、県税事務所から通知が届く

  3. 3

    登録免許税

    所有権の移転登記を法務局に申請する際にかかる

2. 所有権の移転の登記を申請し、固定資産税の通知先を移す

契約を結んだら、所有権の移転の登記を法務局に申請します。あげる側ともらう側が共同で申請するのが原則です。あげる側の登記識別情報(または権利証)と印鑑証明書が要ります。登録免許税は固定資産税評価額をもとに計算されます。贈与による移転は相続よりも税率が高く設定されています(登録免許税法の別表第一)。司法書士に頼むなら、その報酬も加わります。

登記が終われば、翌年1月1日の所有者はもらった人になり、固定資産税の通知も新しい名義人に届きます。あげる側は、登記が完了したことを登記事項証明書で確かめてから、電気・水道の名義や火災保険の解約を手配してください。先に止めると、もらう側が引き渡しの日に設備を確かめられません。

なお、この記事の税務・法務に関する記載は一般的な情報提供であり、個別の事案についての判断ではありません。適用の可否や具体的な税額については、税務署または税理士、登記については司法書士、境界や隣地との権利関係については弁護士や土地家屋調査士など、それぞれの専門家にご確認ください。当社は不動産の買主であり、税務や法律の代理はできません。

「別荘をもらう側の手順は?贈与税の基礎控除110万円と登記の費用を先に確かめる」について、そのまま聞けます。

当社が茨城県の別荘を買い取る場合の流れと、そろえる書類

当社が買い取る条件・買い取れない条件と、実際の買取事例は「当社の買取基準」にまとめています。

無償譲渡より買取が向く別荘は?「あげます」と買取で手元に残る額の違い

手入れされた庭木と、木造住宅の外壁の一部

建物が使え、相続登記を進められる別荘は、0円で譲るより買取で代金を受け取る方が、手元に残る額は大きくなりやすいです。

譲るより買取の方が手元に残る条件

「あげます」で譲れば、受け取る代金は0円で、相続登記の費用と、名義が移るまでの固定資産税はあなたの側に残ります。買取なら、その費用を差し引いても代金が残るかどうかが分かれ目です。

当社が他県で買い取った例では、富山県富山市の戸建てで、投資用に買われ8年空き家だった物件が400万円台でした。大阪府堺市の戸建てで、相続した実家を遠方から管理していた物件は1,000万円台前半でした。東京都荒川区の戸建ては、建て替えのできない空き家で、100万円未満でした。条件の悪い家でも、価格が0円にならない例があるということです。

親が週末に通っていた別荘を売って利益が出たら、その利益は譲渡所得として申告します。相続した空き家を売るときには、利益から最大3,000万円を差し引ける特例があります。ただ、特例の対象は、亡くなる直前まで親が一人で暮らしていた家とその土地です。週末だけ使う別荘は、この主な要件の1つから外れます。ほかの要件は「空き家3000万円控除の条件」の記事で確かめてください。

無償譲渡と買取で手元に残る額

観点「あげます」で譲る買取業者に売却する
受け取る代金0円物件に応じた買取価格
かかる費用相続登記費用と固定資産税相続登記費用と固定資産税
手元に残る額費用の分だけマイナスになる代金が費用を上回ればプラスになる

「あげます」の方が向く条件と、当社が買い取れない別荘

近所に建物を使いたい人がいて、相手と顔を合わせて話が進められるなら、譲る方が早く終わることがあります。地元の人に使い続けてほしいという気持ちを優先したい場合も、金額では測れない理由として成り立ちます。家族の誰かが数年のうちに使う予定があるなら、急いで手放さない方がよいこともあります。

建物を壊して土地として使ってもらう方向を考えるなら、日立市の空き家解体補助金(利活用型)令和8年度版のように、解体を後押しする補助を持つ市もあります。対象になる条件は市の窓口で確かめてから、解体と譲渡の順番を決めてください。

茨城県の別荘で、当社が買い取れないことがあるのは次の場合です。

  • 敷地の畑や田を宅地と切り分けられず、農地のまま一緒に引き取るしかない場合。農業を営まない会社は、農地法第3条の許可を受けて農地を取得することができません。そのため、当社が買えるのは宅地と建物の部分に限られます。
  • 管理会社のある別荘地で、管理費の滞納が積み上がり、建物と土地の値を上回っている場合。滞納分は買主が引き継ぐ扱いになることが多く、価格を下げても埋まりません。滞納がある別荘の出口は「別荘・リゾートマンションを処分したい」の記事にあります。

「無償譲渡より買取が向く別荘は?「あげます」と買取で手元に残る額の違い」について、そのまま聞けます。

茨城県の別荘を「あげます」に出す前に確かめる3つのこと

  • 名義が移るまで、手放したことにはなりません。 もらう人が承諾し、所有権の移転の登記が終わるまで、1月1日の所有者として固定資産税の通知は届きます。親の名義のままなら、相続登記の期限(知った日から3年以内、2024年4月1日より前に知っていた場合は2027年3月31日まで)を先に確かめます。
  • 建物と農地の状態で、残る方法が絞られます。 建物がある土地は国庫帰属に申請できず、解体費に加えて審査手数料14,000円(一筆あたり)と負担金原則20万円がかかります。畑や田は農業委員会の許可が要るので、建物と分けて相手を探します。
  • 0円で譲るか、代金を受け取るかを並べて決めます。 譲れば代金は0円で、相続登記と固定資産税の負担は残ります。建物が使える別荘なら、買取の金額と並べてから決めても遅くありません。

当社は買主として茨城県の別荘を直接買い取りますが、農地を農地のまま取得することはできず、敷地の畑を切り分けられない別荘は宅地と建物だけのお取引になります。

査定は無料・売却の義務なし
0120-996-748受付時間10:00〜19:00(水・日曜定休)

通話料無料・全国対応

この先は、当社の買取窓口「買取くん」のページです(運営は同じ株式会社リアテクスです)。

茨城県の別荘のあげますでよくある質問

Q1. 茨城県で農地をあげたいのですが、どうすればいいですか

あげるあなたともらう人の双方が当事者として許可を受ける必要があります。原則として2人が連署した申請書を、その農地のある市町村の農業委員会に出します。許可が下りてから名義を移します(農地法(e-Gov法令検索) 第3条第1項。当事者が連署して申請することは農地法施行規則第10条に定めがあります)。許可の審査では、もらう人がその農地で農業を営むかどうかが見られます。まず近くで耕作している人に声をかけるのが近道です。相手の当てが無ければ、農地中間管理機構(農地バンク)に貸す道もあります。農地を家や駐車場として使う目的で譲るなら、農地法第5条の転用の許可が別に要ります。

Q2. 「あげます」と出しても引き取り手が見つからないときは、どうすればいいですか

建物が使えるうちに買取の金額を聞いておき、0円で待ち続ける場合と比べてください。建物を壊せる資金があるなら、相続土地国庫帰属制度で土地を国に引き取ってもらう道も残ります。まだ相続を承認していない段階なら、相続放棄もあります。ただ、放棄した時点でその家を現に占有していた人には、保存の義務が残ります。次に管理する相続人などへ引き渡すまで、自分の財産と同じ注意で保存しなければなりません(民法第940条第1項)。この点は「相続放棄しても実家の管理義務は消えない」の記事を確かめてください。

Q3. 相続土地国庫帰属制度は、別荘の土地でも使えますか

建物を取り壊した後であれば、別荘の敷地でも申請できます。建物が残っている土地は、相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律の第2条第3項第1号で、申請できない土地とされています。申請できる人は、相続または相続人への遺贈で土地を取得した人に限られます。相続人でない人への遺贈は対象外です。同じ法律の第5条には、崖があって管理に過分の費用がかかる土地など、審査で承認されない土地の条件も定められています。解体の前に法務局へ相談してください。

Q4. もらってくれる人がいれば、費用はかからずに手放せますか

あげる側にも費用は残ります。親の名義のままなら相続登記の登録免許税と司法書士の報酬、それに名義が移るまでの固定資産税です。費用とは別に、契約書に添える不具合の一覧を作る手間もかかります。所有権の移転の登記の費用は、どちらが払うかを契約書で決めます。法人に譲る場合は、時価で売ったものとみなされ、あげる側に譲渡所得の税がかかることがあります(所得税法第59条)。

Q5. 相続登記をしないまま、別荘をあげることはできますか

できません。登記の名義が亡くなった親のままでは、あなたが譲る側として所有権の移転を申請できません。先に相続登記を済ませる必要があります。相続登記は2024年4月1日から義務になり、相続で取得したことを知った日から3年以内に申請します。2024年4月1日より前に相続を知っていた場合は、2027年3月31日が期限です。親の死亡から年数がたっている場合は戸籍を集めるのに時間がかかります。もらい手探しと並行して司法書士に相談してください。

Q6. 別荘を手放した後、その年の固定資産税はどうなりますか

固定資産税は、その年の1月1日時点で登記上の所有者とされている人に1年分が課されます(地方税法第343条・第359条)。年の途中で名義を移しても、その年の通知は手放した側に届きます。引き渡し日から年末までの分を相手と日割りで分けるかどうかは当事者の取り決めです。契約書に精算の有無を書いておいてください。翌年からは、新しい名義人に通知が届きます。

当社の見方

相続した物件では、戸籍などの書類が追加で必要になります。

ご用意いただく書類は、個別のご案件によります。

ご負担いただく費用は、個別のご案件によります。

リースバック(売却後も賃借人として住み続ける形)も積極的にお受けしています。

買い取れない物件や、売らないほうがよい場合は、正直にそうお伝えしています。

埼玉県蕨市の戸建て(築60年以上)を、買取金額200万円台で買い取りました(2026年に取引)。

東京都世田谷区の戸建て(築50年以上)を、買取金額1,000万円台前半で買い取りました(2026年に取引)。

兵庫県姫路市の賃貸中の戸建て(築50年以上)を、約130万円で買い取りました。

神奈川県横浜市泉区の土地(古家付きを含む)(築50年以上)を、買取金額1,000万円台前半で買い取りました(2024年に取引)。

当社が買い取る物件・お断りする物件と、買取価格の決まり方は、当社の買取事例76件の内訳とあわせて当社の買取基準にまとめています。

この記事について

執筆・編集
リアテクス編集部株式会社リアテクス当社(宅地建物取引業 東京都知事(1)第107888号)は物件を直接買い取る買主の立場から、売却を検討する方の判断材料となる記事を企画・編集しています。
監修
鶴野 博之鶴野 博之株式会社リアテクス 執行役員宅地建物取引士(東京)第257503号/賃貸不動産経営管理士/2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)この区分の監修を担当しています。記事の公開判断は当社が行っています(代表が定めた手順による)。確認・公開判断:鶴野 博之(株式会社リアテクス 執行役員)
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法令:農地法出典:総務省統計局
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