取引態様:買主(当社が自ら買い取ります)/媒介(当社で買い取れない物件は、仲介で売却をお手伝いします)
任意売却
住宅ローンが 払えない |滞納1ヶ月目から 競売までに できる こと
公開 更新

「ローンの引き落としができなかった。この家はどうなるのか」。選べる手段は滞納の段階が進むほど減っていきます。まず手元に届いている書面がどの段階のものかを確かめ、残債と相場の差を知ることが先です。
当社は債権者でも競売を申し立てる側でもなく、買主として関わります。当社が買主なら買主側のローン審査で不成立になることはありませんが、その分、価格は相場より低くなります。この家が買い取れるかどうかだけ、先に聞く(無料)
目次(6章)
先にこの家の買取価格のめどだけ知りたい方へ。
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住宅ローンが 払えない とき、 滞納から 競売までに 起きる こと
先月分が、引き落とせなかった。銀行から封書が来たが、まだ開けていない。妻(夫)には、まだ言っていない。住宅ローンが払えないという最初のご連絡は、この3つが重なった状態でいただきます。
この問題で最も価値があるのは、金額ではなく時間です。 滞納が始まってから競売の開札までの間、あなたが選べる手段は段階的に減っていきます。減り方には順番があり、その順番は法律と金融機関の実務でおおよそ決まっています。順番が分かれば、今日やるべきことが1つに絞れます。
1ヶ月の滞納ですぐに売却は不要で、競売開始後も交渉の余地はある
1ヶ月滞納しただけで、家を売らなければいけませんか
その必要はありません。この段階では返済条件の変更や追納で立て直せる可能性が最も高い時期です。
- 金融機関へ連絡: 自分から連絡し、残債と相場を数字で把握する
- 売却は最終手段: 立て直せない場合の選択肢として頭の片隅に置く
- 放置は厳禁: 何も動かないまま数ヶ月が過ぎると選べる手が減る
売っても 残債は 消えない (この 記事の 前提)
この記事を書いているのは買取業者です。
任意売却や買取は、万能の解決策ではありません。 売却しても住宅ローンの残債が消えるわけではなく、売却代金で返し切れない部分は残ります。残債の扱いは債権者との協議次第で、分割弁済の合意になることもあれば、話がまとまらないこともあります。「売れば全部終わる」という説明をする相手には、注意してください。
この記事は一般的な情報提供です。 個別の債務整理、税務、家族間の権利関係については、弁護士や税理士、司法書士といった専門家の判断が必要です。金額と期限に関わる論点は、必ず専門家に確認してください。当社は法律相談や税務相談を行う立場にはありません。
残債と売却可能額を比較し、諸費用を引いて手取り額を確認する
オーバーローンの判定手順
- 1
残債を確定する
返済予定表等で元金残高を確認します。抵当権が複数の場合はすべて合計します。
- 2
売却できる水準を掴む
公的なサイトで直近1〜2年の取引価格を調べ、一点ではなく幅として捉えます。
- 3
諸費用を引く
仲介手数料や登記費用、印紙税などを引き、実際の手取り額を算出します。
- 4
差を見る
手取り見込みと残債を比較し、アンダーローンかオーバーローンかを判定します。
滞納から 競売までの 8つの 段階
まず地図を渡します。細かい日数は契約や金融機関、裁判所の混み具合で変わりますので、「順番」と「その段階で使える手」に注目してください。日数の断定は避け、幅で示します。
| 段階(だいたいの時期) | 起きること | この段階で使える主な手 |
|---|---|---|
| 第0段階(滞納の前) | 引き落とし不能が予想できる状態 | 金融機関への事前相談、返済条件の変更(リスケ)、家計の組み替え |
| 第1段階(滞納1ヶ月目) | 引き落とし不能の通知、電話・はがきでの連絡 | 遅れた分の追納、条件変更の申し出。ここが最も選択肢が多い |
| 第2段階(滞納2〜3ヶ月目) | 督促状。信用情報への影響が出始める | 条件変更の交渉、売却の検討開始(相場と残債の突き合わせ) |
| 第3段階(滞納3〜6ヶ月目) | 催告書、期限の利益喪失の予告 | 一括請求前の交渉。任意売却の準備を始める最後の余裕がある時期 |
| 第4段階(期限の利益喪失後) | 残債の一括請求。保証会社の代位弁済 | 債権者(保証会社・サービサー)との協議による任意売却 |
| 第5段階(競売申立〜開始決定) | 裁判所からの通知、差押えの登記 | 任意売却はまだ可能(取下げを前提とした協議) |
| 第6段階(現況調査〜期間入札の公告) | 執行官の調査、物件情報の公開 | 任意売却の期限が実質的に迫る |
| 第7段階(開札〜売却許可〜代金納付) | 最高価買受申出人が決まり、売却許可決定と代金納付を経て所有権が移る | 明渡しの条件交渉のみ。売却の選択権は失われる |
この表で押さえていただきたいのは1点だけです。あなたが「いくらで売るか」「誰に売るか」を選べるのは、第6段階までです。 開札で最高価買受申出人が決まった後は、価格も相手も選べません。差し押さえから競売開始に至る流れをもう少し細かく追いたい方は、住宅ローン滞納から差し押さえまでの流れも併せてご覧ください。
「住宅ローンが払えないとき、滞納から競売までに起きること」について、そのまま聞けます。
住宅ローンの 滞納が 続くと、 どこで 何が 変わるか

1. 督促・ 催告から、 期限の 利益の 喪失へ
滞納が続くと、書面の性質が変わります。
督促状は「遅れているので払ってください」という通知です。催告書は「一定期日までに払わなければ契約上の措置を取ります」という警告で、内容証明で届くこともあります。そして次に来るのが期限の利益喪失です。
期限の利益とは、「毎月○円ずつ、○年かけて返せばよい」という分割払いの権利です。これを失うと、残債の全額を一度に請求されます。 何ヶ月の滞納で喪失するかは金銭消費貸借契約の条項によって定められており、金融機関ごとに違います。一般には数ヶ月の滞納が目安とされますが、契約書の条文を読んで確認するのが唯一正しい方法です。 手元の契約書か、金融機関に照会してください。
2. 代位弁済で、 交渉の 相手と 中身が 変わる
期限の利益を失うと、次の変化が起きます。
- 月々の返済という枠組みが消え、残債全額が支払期限を迎える
- 遅延損害金の対象が、遅れた回の返済額から残債全額に広がる(利率は契約による。遅延損害金そのものは、期限の利益の喪失を待たず、返済期日に払えなかった時点から遅れた分について生じています。民法(e-Gov法令検索)第412条第1項)
- 保証会社が付いている場合、保証会社が金融機関に代位弁済を行い、債権者が保証会社に移る
- 以後の交渉相手は、元の銀行ではなく保証会社または債権回収会社(サービサー)になる
ここで交渉の性質が変わります。 銀行の窓口は「返済を続けてもらう」ことを前提に話をしますが、代位弁済後の債権者は「回収する」ことを前提に動きます。回収の手段として競売を選ぶか、任意売却に同意するかは、回収額の見込みで判断されます。つまり、任意売却のほうが回収額が多くなると示せるかどうかが、協議の中身になります。
3. 競売の 申立てから、 開札・ 明渡しまで
申立てから現況調査を経て、期間入札と開札へと進む
競売申立てから売却までの流れ
申立て
競売の申立て
債権者が管轄の地方裁判所に競売を申し立てます。
開始決定
競売開始決定と差押えの登記
裁判所が開始決定を出し、対象不動産に差押えの登記が入ります。
現況調査
執行官による現況調査
執行官が現地に来て、写真撮影や占有状況の確認を行います。
資料公開
3点セットの作成と公開
物件の写真や間取り、占有状況が公開情報になります。
公告
期間入札の公告
入札の期間と売却基準価額が公告されます。
開札以降
開札と売却許可決定
最高価買受申出人が決まり、売却許可決定と代金納付へ進みます。
任意の回収が進まないと、債権者は抵当権に基づいて不動産競売の申立てをします。ここから先は、金融機関ではなく裁判所の手続です。
流れは大まかに次のとおりです。入札から開札・売却決定までの流れは、裁判所の不動産競売物件情報サイト(BIT)の入札等の手続の説明で確認できます。
申立て。 債権者が管轄の地方裁判所に競売を申し立てます。
競売開始決定と差押えの登記。 裁判所が開始決定を出し、対象不動産に差押えの登記が入ります。所有者にも通知が届きます。この登記は誰でも登記事項証明書で確認でき、オンラインでも請求できます(登記・供託オンライン申請システム(法務省)。利用時間は平日が8時30分から23時まで、休日が8時30分から18時までで、12月29日から1月3日までは利用できません。メンテナンス等で予告なく止まることがあるとも案内されています)。
現況調査。 執行官が現地に来ます。室内に入り、写真を撮り、占有の状況を確認します。同時に評価人(不動産鑑定士)が評価を行います。居住中でも調査は行われます。
物件明細書・現況調査報告書・評価書の作成と公開。 3点セットと呼ばれる資料が作られ、閲覧の対象になります。物件の写真や間取り、占有状況が公開情報になります。 近隣に知られたくないという理由で任意売却を選ばれる方が多いのは、この段階を避けたいからです。
期間入札の公告。 入札の期間と売却基準価額が公告されます。
開札。 執行官が開札し、最も高い価格で入札した人が「最高価買受申出人」と定められます。原則としてその後の売却決定期日に、裁判所が売却を許可するかどうかを決めます。
売却許可決定と代金納付。 売却許可決定を受けた人が「買受人」となり、買受人が代金を納付すると、所有権が移ります。抵当権や差押えの登記は抹消されます。
引渡命令・明渡し。 代金納付後、なお占有している場合は引渡命令の対象となり、強制執行に至ることがあります。
競売の期間は事件ごとに大きく異なります。取り下げや停止、再度の売却実施などで長引くこともありますし、逆に淡々と進むこともあります。「まだ時間があるはず」という自己判断は危険です。 通知の日付を基準に、裁判所または専門家に確認してください。
4. 相続が 絡む 場合
親が組んだローンが残った家を相続した、あるいは相続放棄を考えている、という相談もあります。相続登記は2024年(令和6年)4月1日から義務化されており、相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内に申請する必要があります(制度の説明は所有者不明土地の解消に向けた民事基本法制の見直し(法務省)にまとまっています)。実務上、登記名義が被相続人のままでは売却そのものができません。
相続放棄をすれば債務も引き継がないという理解は基本的に正しいのですが、建物との関係が放棄の時点で完全に切れるとは限りません。民法(e-Gov法令検索)第940条第1項は、放棄の時にその財産を現に占有している相続放棄者は、他の相続人または相続財産の清算人に引き渡すまで、自己の財産と同一の注意をもってその財産を保存しなければならない、と定めています。義務がかかるのは「現に占有している」場合で、たとえばその家に住んでいる、鍵を管理して出入りしている、といった事情があるときに問題になります。この点は誤解が多いので、相続放棄しても実家の管理義務は消えないを確認してください。
相続すれば登記をして売れるが債務も引き継ぎ、放棄しても家を占有していれば保存の義務が残る
ローンが残る家を、相続する場合と放棄する場合
| 観点 | 相続する | 相続放棄する |
|---|---|---|
| ローンの債務 | 引き継ぐ | 基本的に引き継がない |
| まずやること | 相続登記。取得を知った日から3年以内(2024年4月1日から義務) | その家を現に占有しているか(住んでいる・鍵を管理している等)を確かめる |
| 家に残る責任 | 名義を移せば売却できる。被相続人の名義のままでは売れない | 占有していれば、引き渡すまで自己の財産と同一の注意で保存する |
5. 破産・個人再生を 検討する 場合
債務全体の整理が必要な段階では、自己破産や個人再生が選択肢に入ります。個人再生には、住宅ローンについて特別の条項(住宅資金特別条項)を用いて住宅を残す枠組みがありますが、適用の要件は厳格です。 時間の面で特に重要なのは、保証会社が代位弁済した後の扱いです。民事再生法(e-Gov法令検索)第198条第2項は、保証会社が保証債務の全部を履行した日から6か月を経過する日までに再生手続開始の申立てがされた場合に限って、住宅資金特別条項を定められるとしています。代位弁済から6か月を過ぎると、この枠組みで家を残す道は原則として閉じます。これは完全に弁護士の領域です。当社が助言できることではありません。売却を先にするか、法的整理を先にするかで結論が変わる場面があるため、オーバーローンで返済の見込みが立たない方は、売却の相談と並行して弁護士に相談してください。
6. 定年後に 返済が 続けられなくなる 場合
定年後に払えなくなる原因は、定年を過ぎる返済期間、退職金での繰上げ返済の誤算、年金生活での収入減が典型です。前もって見えるので、回避の方法は「滞納の前」の連絡を早めることです。返済が続かない見込みなら、期限の利益を失う前の売却も有効です。
「住宅ローンの滞納が続くと、どこで何が変わるか」について、そのまま聞けます。
住宅ローンが 払えない ときに、 段階ごとに やること
1. 滞納の 前:借入先に 自分から 連絡する
もっとも成果が出やすいのが、この段階です。そして、もっとも相談が少ない段階でもあります。
やることは1つ、借入先の金融機関に自分から連絡することです。 収入が減った、勤務先が変わった、病気で休職している、離婚で世帯収入の前提が変わった。こうした事情があるとき、返済期間の延長、一定期間の元金据置き、ボーナス返済の見直しといった返済条件の変更が検討できる場合があります。実行できるかどうかは審査次第で、断られることもあります。それでも、滞納してから申し出るより、滞納前に申し出たほうが選択肢は広いのが実務です。
金融機関の側にも、借り手の申し出に応じて条件変更を検討する枠組みがあります。フラット35など住宅金融支援機構の融資を利用している方向けには、機構が、返済期間の延長や一定期間の元金の支払いの一時休止といった返済方法の変更メニューを案内しており、具体的な相談はご返済中の金融機関で受け付けるとしています(住宅金融支援機構「月々の返済でお困りになったとき」・「タイプ別返済方法変更メニュー」)。まずご自身の借入がどこの、どの商品なのかを確認してください。
2. 滞納1ヶ月目:5つの 手順を 順番に
封書を開け、借入先に連絡し、残高と相場と家計を確認する
滞納1ヶ月目にやる5つの手順
- 1
封書を開ける
書面の種類と到着日をメモし、現在の段階を示す客観的情報を把握します。
- 2
借入先に電話をする
滞納の理由、いつ何円払えるか、今後の連絡先の3つを伝えます。
- 3
残高を確定させる
返済予定表等で現在の元金残高、遅延損害金、抵当権の設定内容を確認します。
- 4
相場を調べる
自分の物件が今いくらで取引される水準なのかを、自分で掴んでおきます。
- 5
家計の固定費を並べる
住宅を維持したまま返済を続ける前提が成り立つのかを月単位で確認します。
引き落としができなかった月です。ここでの行動が、その後の選択肢の数を決めます。順番はこうです。
手順1:封書を開ける。 金融機関からの郵便を開けずに積んでいる方が本当に多いです。督促状か、催告書か、期限の利益喪失の予告か、代位弁済の通知か。書面の種類が、今あなたがどの段階にいるかを示す唯一の客観的な情報です。 到着日を書面ごとにメモしてください。後で専門家に相談するとき、この時系列がそのまま資料になります。
手順2:借入先に電話をする。 自分から連絡すると、担当者が「連絡が取れる債務者」として扱います。連絡が取れない状態が続くと、書面は督促から催告へ、そして一括請求へと機械的に進みます。伝えるのは3つだけです。滞納の理由、いつなら何円払えるか、そして今後の連絡先。
手順3:残高を確定させる。 返済予定表または残高証明で、現在の元金残高、遅延損害金の有無、抵当権の設定内容を確認します。連帯債務者や連帯保証人がいるかも、この段階で確認してください。
手順4:相場を調べる。 自分の物件が今いくらで取引される水準なのかを、他人に聞く前に自分で掴んでおきます。方法は次の節に書きます。
手順5:家計の固定費を並べる。 住宅ローン、管理費・修繕積立金(マンション)、固定資産税、保険料、通信費、車。住宅を維持したまま返済を続ける前提が成り立つのかを、月単位で確認します。ここが成り立たないなら、売却を含めて検討する時期が来ています。
この5つは、平日の日中でなくても進められます。時間の取れない方向けの段取りは夜間・土日に不動産の相談はできるかに手順としてまとめています。
3. 残債と 相場の 差で、 オーバーローンか どうかを 判定する
売却の検討に入る前に、必ずこの判定をしてください。判定の結果で、話す相手が変わります。
手順1:残債を確定する。 返済予定表または残高証明で、元金残高を確認します。期限の利益を喪失している場合は、遅延損害金を含む請求額を債権者に照会してください。抵当権が2つ以上付いている場合は、すべての債権の合計が必要です。
手順2:売却できる水準を掴む。 不動産の実際の取引価格は国土交通省が公表しており、不動産情報ライブラリで地図から確認できます。地価公示や都道府県地価調査の価格、都市計画や災害リスクの情報も重ねて見られます。無料で、曜日や時間帯の制約なく閲覧できます。
見方の手順は4つです。同じ市区町村・できれば同じ地区名で絞る。直近1〜2年の取引に限る。平方メートル単価または坪単価に直す。一点の数字ではなく幅として捉える。 マンションなら同一建物・同規模の住戸、戸建てなら土地面積と駅距離が近い事例を選んでください。
手順3:諸費用を引く。 売却時には、仲介で売るなら仲介手数料、抵当権抹消の登記費用、印紙税、必要に応じて測量費、残置物の処分費がかかります。マンションでは管理費・修繕積立金の滞納分の精算も出てきます。手取り額は、売却価格そのものではありません。
手順4:差を見る。
| 判定 | 状態 | まず話す相手 |
|---|---|---|
| アンダーローン | 手取り見込み > 残債 | 通常の売却で完済できる。仲介と買取の両方を比較する。返済が続いているなら急ぐ必要は薄い |
| ほぼ同額 | 手取り見込み ≒ 残債 | 諸費用の見積り精度で結論が変わる。売却手段の比較を早めに行う |
| オーバーローン | 手取り見込み < 残債 | 債権者との協議が前提になる。任意売却の枠組みと、債務整理の可能性を並行して検討する |
アンダーローンなら、話は「売るか売らないか」です。オーバーローンなら、話は「誰の同意を、いつまでに取るか」になります。同じ「払えない」でも、進め方が完全に別です。
4. 任意売却を 選ぶときの 条件と 限界
競売を避ける手段として一般に語られるのが任意売却です。定義はシンプルで、抵当権が付いたまま、債権者の同意を得て、通常の売買として売ることです。売却代金から抵当権を抹消し、残った債務の扱いを債権者と協議します。
任意売却は「売主が希望すればできる」ものではありません。少なくとも次が必要です。
債権者の同意。 抵当権者が複数いる場合(銀行のほか、リフォームローン、税金の差押えなど)、関係する全員の同意が必要になります。1人が同意しなければ成立しません。
配分の合意。 売却代金をどう配分するか(各抵当権者への弁済額、仲介手数料、登記費用、滞納している管理費や固定資産税の扱い、引越費用の控除を認めるか)を、書面で詰めます。
期限内の決済。 競売の手続が進んでいる場合、取下げに間に合う時期に決済まで終える必要があります。契約はできても決済が間に合わなければ意味がありません。
共有者・連帯債務者の協力。 夫婦共有名義や親子リレー返済の場合、名義人全員の署名が必要です。離婚後に相手方と連絡が取れない、という状況が最大の障害になります。
任意売却には限界もあります。
残債は消えません(この記事の前提のとおりです)。債務そのものの整理が必要な場合は、任意売却ではなく債務整理の領域です。
信用情報への影響は残ります。 滞納の事実そのものが記録されますので、「任意売却にしたから記録が消える」ということはありません。
買主が見つからなければ成立しません。 一般の実需の買主を探す形で進める場合、内覧対応が必要で、住宅ローンの審査期間も加わります。期限が迫っている案件では、この時間が取れないことがあります。
費用を負担する余力がない場合、進め方に制約が出ます。 測量が必要な土地、越境や再建築の制約がある物件では、通常の売買として売るのに手間と時間がかかります。
5. 税金の 話(一般的な 情報です)
不動産を売れば、原則として譲渡所得の計算が必要になります。任意売却でも、競売でも、売却であるという点は同じです。取得費より安く売れて譲渡損失になる場合は課税されないことが多いですが、購入時期や取得費の把握状況によって結論が変わります。
また、住宅ローン控除を受けている方は、売却によって適用の前提が変わります。保証債務の履行のために資産を譲渡した場合の取扱いなど、この分野には個別の特例があり、要件を1つ外すと適用されません。
ここは記事で断定できる領域ではありません。売買契約を結ぶ前に、税理士または税務署に確認してください。 確認すべき論点を整理してお渡しすることは当社でもできますが、適用の可否を判断するのは専門家の役割です。
6. 今日から 3日で できる こと
郵便物の確認から相場調査、債権者への連絡と弁護士相談までを3日間で進める手順
今日から3日でできる判断の順序
1日目
郵便物の確認と残債の把握
未開封の郵便を開け書面と到着日を一覧化。残債と抵当権の設定内容を確認する。
2日目
相場と滞納・名義の確認
周辺の取引価格を調べ幅で把握。管理費等の滞納の有無、名義や連帯債務者を確認する。
3日目
債権者への連絡と相談予約
借入先に現状を伝える。任意売却の確認や、弁護士へ債務整理の相談予約を入れる。
順番だけ守ってください。
1日目。 第1段階の手順1と手順3を済ませる(書面の種類と到着日の一覧、残債と抵当権の設定内容の確認)。登記事項証明書は、競売の節に書いた利用時間内ならオンラインでも請求できます。
2日目。 手順4の相場調べを不動産情報ライブラリで行い、単価に直して幅で把握する。あわせて、管理費・修繕積立金や固定資産税の滞納の有無と、名義(単独/共有)を確認する。
3日目。 借入先または債権者に連絡し、現状と今後の連絡先を伝える。オーバーローンの見込みが立つなら、任意売却の枠組みが取れるかを確認し、並行して弁護士に相談する予約を入れる。
この3日で揃う情報が、すべての選択肢を検討するための最小の材料です。ここが揃っていない状態で誰かに相談すると、相談の初日は事実確認だけで終わります。
「住宅ローンが払えないときに、段階ごとにやること」について、そのまま聞けます。
住宅ローンが 払えない とき、 当社に 頼む 場合の 流れと 条件
当社が買い取る条件・買い取れない条件と、実際の買取事例は「当社の買取基準」にまとめています。
「住宅ローンが払えないとき、当社に頼む場合の流れと条件」について、そのまま聞けます。
住宅ローンの 滞納から 競売まで、 どこで 何を 決めるか
- 段階には順番があり、価格と相手を選べるのは開札の前までです。
- 今日やることは、封書を開けて、残債を確定させ、相場を自分で調べることです。 残債と相場の差が、アンダーローンかオーバーローンかを決め、それによって話す相手が変わります。
- どの道を選んでも、残債は消えません。 売却は債務を消す手段ではなく、残債を小さくし、明渡しの時期を自分で決めるための手段です。
当社は買主として直接購入する立場です。 価格と、お引き受けできない条件は「当社が買主になる場合の限界」のとおりですが、期限が迫っていて時間を買う必要がある場面では、選択肢の1つになります。
通話料無料・全国対応
時間外と定休日のお電話も担当の携帯に転送されるので、直接責任者につながります。
この先は、当社の買取窓口「買取くん」のページです(運営は同じ株式会社リアテクスです)。
住宅ローンが 払えない ときの、 よく ある 質問
Q1. 1ヶ月滞納しただけで、 家を 売らなければいけませんか
その必要はありません。1ヶ月の滞納で売却が決まることはなく、返済条件の変更や追納で立て直せる可能性が最も高い時期です。やることは「滞納1ヶ月目:5つの手順を順番に」の節のとおりで、売却は「立て直せない場合の選択肢」として置いておくだけで足ります。
Q2. 競売の 開始決定が 届きました。 もう 売れませんか
開始決定が届いた後でも、任意売却として売却する道は残る場合があります。申立てが取り下げられれば手続は止まるため、債権者が取下げに同意するかどうかが要点です。ただし、期間入札の公告や開札が近づいていると、決済まで間に合わないことがあります。通知に書かれた日付をそのままお伝えください。 間に合う見込みがない場合は、そうお答えします。
Q3. 売っても 残債が 残るなら、 売る 意味は ありますか
意味があるかどうかは、比較の対象によって変わります。競売では売却価格が市場水準より低くなりやすく、その分、残債は多く残る傾向があります。また、明渡しの時期を自分で調整できません。任意売却では、価格と時期に交渉の余地があり、引越費用の控除を配分に含める協議ができる場合もあります。「残債が残るか」ではなく、「どちらの道のほうが残債が少なく、生活の再建が早いか」で比べてください。 その比較の材料として、当社が買主になる場合の金額をお出しします。
Q4. 家族に まだ話していません。 それでも 相談できますか
できます。ご連絡の方法と時間帯を指定していただければ、それに従います。郵送物を送らないでほしいというご希望にも対応します。ただし、共有名義や連帯債務の場合、契約の段階では必ず全員の署名が必要になります。査定と情報収集の段階までは一人で進められるとお考えください。そして、家族に伝える時期は早いほうが有利です。期限が迫ってから伝えると、選べる手段が減った状態で話し合うことになります。
Q5. 売った 後も、 そのまま 住み続けられますか
制度としては、売却後に賃借人として住み続ける形(リースバック)があります。ただし、賃料の水準、契約期間、更新できるかどうか、将来買い戻せるかどうかで結果が大きく変わります。賃料を払い続けられるかどうかを、家計の数字で検証してから判断してください。 家賃が払えなくなれば、退去を求められます。住宅ローンの返済が難しい状況で、それより高い賃料を負担する計画になっていれば、遠くない時期に同じ問題が起きます。当社はリースバックもお受けし、条件は案件ごとに個別にお出しします。
Q6. 任意売却を すると、 信用情報には どう 記録されますか
記録の内容と保有期間は各信用情報機関の定めによりますので、当社が断定的にお答えできる事項ではありません。貸金業法に基づく指定信用情報機関としては、株式会社日本信用情報機構(JICC)と株式会社シー・アイ・シー(CIC)が指定されています(金融庁「指定信用情報機関制度」)。このほか、銀行が加盟する信用情報機関として、全国銀行協会が設置する全国銀行個人信用情報センターがあります。どの機関に登録されるかは、借入時に署名した個人情報の取扱いに関する同意書面に書かれています。ご自身の情報は、登録先の機関に開示請求すれば確認できます。一般的な理解としては、滞納の事実そのものが記録されるという点が重要です。「任意売却を選べば記録が残らない」という説明は正確ではありません。
Q7. 弁護士に 相談すべきか、 不動産会社に 相談すべきか、 どちらが 先ですか
論点によって分かれます。債務全体の整理(破産・個人再生・残債の減額交渉)が必要かどうかは、弁護士の領域です。 一方、その不動産が今いくらで売れるのかは、不動産会社にしか出せない数字です。 そして債務整理の方針も、不動産の価値が分からないと立てられません。実務では、両方に並行して当たるのが最短です。当社にご相談いただいた場合、金額と手順をお出ししたうえで、法的整理が必要と見える案件については専門家への相談をお勧めしています。
当社の 見方
滞納が始まった段階でご相談をいただいたときに、当社がまず確かめることを書いておきます。残っている借入の額と、いま何か月分が滞っているか、そして督促がどこまで来ているかの三つです。この三つで、動かせる時間がどれくらい残っているかが決まります。金額の話はその後です。
時間が残っているほど、選べる道は多くなります。逆に、手続きが進んでしまうと、金額の交渉の余地は小さくなります。ご相談が早いほど有利になる、というのはこの意味です。まだ決めていない段階でも構いませんので、督促の書面が届いたら、その時点で一度ご相談ください。相談の段階で費用はいただきません。当社は買主として自ら買い取りますので、買主を探す期間がありません。時間が読めることが、この場面では効きます。
当社が買い取る物件・お断りする物件と、買取価格の決まり方は、当社の買取事例76件の内訳とあわせて当社の買取基準にまとめています。
この記事について
- 執筆・編集
藤山 大二郎株式会社リアテクス 代表取締役CEO著書『大家なら!今すぐ不動産業を開業しよう! 不動産投資家から起業家へ』(スタンダーズ)で、大家業から不動産業へ踏み出す道筋を書きました。- 監修
鶴野 博之株式会社リアテクス 執行役員宅地建物取引士(東京)第257503号/賃貸不動産経営管理士/2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)この区分の監修を担当しています。記事の公開判断は当社が行っています(代表が定めた手順による)。確認・公開判断:藤山 大二郎(株式会社リアテクス 代表取締役CEO)- 公開・更新
- 公開 更新 内容を見直したときは、この日付と改訂の内容を更新しています。情報の確認日 (出典の公的資料を開いて内容を確かめた日)
- この記事の事実確認の方法
- 法令:宅地建物取引業法
- 記事の作り方
- この記事は、当社の担当者が事実確認を行ったうえで公開しています。
出典(10件・に確認)
- bit.courts.go.jp/guidance/guidance03/index.html
- jhf.go.jp/hensai/hensai/komatta.html
- jhf.go.jp/hensai/hensai/type.html
- fsa.go.jp/koueki/s_houjin/07.pdf
- reinfolib.mlit.go.jp
- touki-kyoutaku-online.moj.go.jp/condition.html
- moj.go.jp/MINJI/minji05_00343.html
- laws.e-gov.go.jp/law/327AC1000000176
- laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089
- laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000225
更新履歴
- 第4版定年後に返済が続けられなくなる場合の節(原因・回避の方法・売却)を足し、重なっていた言い回しを短くしました。
- 第3版見出しの並びを組み替え、一部の節を整理した
- 第2版重複していた説明をまとめ、文章を読みやすく整えました(内容の変更はありません)。
- 第1版公開
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