借家人が住んだままでも、家は売れます。賃貸人の立場ごと、買主に引き継ぐ形です。借家人の承諾は要りません。ただし価格は、空き家として売る場合より下がります。買える相手が、賃料で採算を見る人に限られるからです。
空き家
借家人が いる 家の 売却|立退料と 賃借人 付きで 売る 条件
公開 更新

「親が貸していた実家を相続したが、借家人がまだ住んでいて、売れるのかどうかが分からない」。借家人が住んだままでも売却できます。賃貸人の地位が買主へ移るため、借家人の承諾は要りません。
借家人が住んだままの状態で、賃貸借契約と敷金を引き継いで買い取ります。賃料の滞納が長く続き、督促も解除の通知も出していない家はお断りすることがあります。この家が買い取れるかどうかだけ、先に聞く(無料)
目次(6章)
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借家人が いる 家を 売却できる 理由は、 賃貸人の 地位が 買主へ 移るから

売主から買主へ移る賃料の受領権や修繕義務、敷金の返還義務
買主へ引き継がれる賃貸人の権利と義務
賃料を受け取る権利
相続人が引き継ぐ。複数いるなら分割が決まるまで扱いを先に決める。
建物の修繕義務
雨漏りや給湯器の故障を直す負担。民法第606条で定められている。
敷金の返還義務
退去時に返す相手になる。売る場合は決済で買主に渡して引き継ぐ。
建物の所有権が移れば、賃貸人としての立場も新しい所有者に移ります。根拠は民法第605条の2です。借家人の承諾は要件になっていません。前提として、借家人が建物の引渡しを受けていることが要ります。借地借家法第31条は、賃借権の登記がなくても、引渡しがあれば後から所有権を取得した人に効力が及ぶとしています。鍵を渡して住まわせていれば、この条件は満たしています。売った後の大家は買主です。借家人から見れば、賃料の振込先が替わるだけです。
相続した 時点で、 賃貸人の 立場は もう 引き継いでいる
親が結んだ賃貸借契約は、親が亡くなっても終わりません。相続人がそのまま賃貸人になります。登記の名義を書き換えていなくても同じです。相続が起きたことは、借家人に出て行ってもらう理由にもなりません。
引き継ぐのは、賃料を受け取る権利だけではありません。建物を使える状態に保つ義務も付いてきます。雨漏りや給湯器の故障を直すのは賃貸人の負担です。民法第606条が、賃貸人の修繕義務を定めています。空き家だと思って放っていた家で、売却の相談より先に修繕の請求が届くことがあります。
敷金の返還義務も引き継ぎます。親が受け取った敷金が、手元に残っていないことも多いです。それでも、退去のときに返す相手は、その時点の賃貸人です。売る場合は、敷金の残額を決済で買主に渡して引き継ぎます。民法第605条の2は、敷金の返還の債務も譲受人に移るとしています。
相続人が複数いるなら、分割が決まるまでの賃料の扱いを先に決めてください。毎月の入金が続くため、後から話がこじれやすいところです。入金された口座と、誰がいくら受け取ったかを、月ごとに記録に残します。
退去を 求めるなら、 6か 月前の 通知と 正当事由の 2つが 要る
出て行ってもらう話は、通知を出すだけでは終わりません。期限を守った通知と、正当事由の両方が揃って初めて進みます。借地借家法第28条が、更新拒絶と解約申入れの要件として正当事由を求めています。
| 契約の形 | 終わらせるために要ること | 根拠 |
|---|---|---|
| 期間の定めがない | 解約の申入れから6か月の経過。別に正当事由が要る | 借地借家法第27条・第28条 |
| 期間の定めがある普通借家 | 満了の1年前から6か月前までに更新しない旨の通知。別に正当事由が要る | 借地借家法第26条・第28条 |
| 定期借家 | 期間の満了で終了。期間が1年以上なら満了の1年前から6か月前までに終了の通知 | 借地借家法第38条 |
正当事由は、いくつかの事情を総合して判断されます。貸す側と借りる側の、どちらが建物を必要としているか。これまでの貸し借りの経過。建物の利用状況と現在の傷み具合。そして、立退料の申出です(借地借家法(e-Gov法令検索))。売りたいから、という事情だけでは足りません。建物が倒壊しかけているなど、使い続けることに危険がある場合は、事情として重く見られます。
通知を出し忘れると、契約は同じ条件で更新されたものとみなされます。更新後は、期間の定めのない契約になります。そこからは、解約の申入れと6か月の経過が必要です。満了の日を手帳に書き、1年前の月から逆算してください。
通知は、届いたことを後から示せる形で出します。配達証明付きの内容証明郵便なら、文面と到達の日の両方が記録に残ります。宛先は契約書の賃借人です。同居の家族に口頭で伝えただけでは、通知を出したことにはなりません。6か月の期間は、通知が届いた日から数えます。投函した日ではありません。借家人が転居先を告げずに不在にしている場合は、公示による意思表示という手続きが民法第98条にあります。弁護士に相談する場面です。
親が 貸していた家は、 相続した 空き家の 特例が 使えない
相続した空き家を売ったときの3,000万円の特別控除は、この家には使えません。対象になるのは、相続の開始の直前に被相続人が居住していた家屋です。親が第三者に貸していた家は、入口の要件で外れます。これは主な要件の1つで、要件の全部ではありません。細目は国税庁のページと税務署でご確認ください。要件の並びは「空き家3000万円控除の条件」の記事に整理しています。
代わりに使える可能性があるのが、相続税を納めた人の取得費加算です。納めた相続税の一部を取得費に足せます。使える期間には区切りがあり、相続税の申告期限の翌日から3年を経過する日までに売ることが条件です。計算の形は「相続した家の売却の税金」の記事にあります。
固定資産税の面では、借家人がいることが有利に働きます。人の住む家屋が建つ土地は住宅用地として扱われ、課税標準が下がります。空き家で傷んだ家のように、市区町村から助言や指導を受ける話にもなりません。貸している間は、持ち続ける費用が抑えられている状態です。
「借家人がいる家を売却できる理由は、賃貸人の地位が買主へ移るから」について、そのまま聞けます。
借家人が いる 家の 売却で、 手取りと 期間が 分かれる 5つの 条件

契約の種類や賃料の額、立退料の見込みなど売却を左右する条件
手取りと期間が分かれる5つの条件
借家人が住んでいるか
売る時点の状況。住んだままか明け渡すかで出口が変わる。
契約の種類
普通借家か定期借家か。書類と入金の記録を見て判定する。
賃料の額
書類と入金の記録を見て判定し、順に当てはめる。
立退料の見込み
書類と入金の記録を見て判定し、順に当てはめる。
滞納や転貸の有無
書類と入金の記録を見て判定し、順に当てはめる。
分かれ目は、売る時点で借家人が住んでいるか、契約の種類、賃料の額、立退料の見込み、滞納や転貸の有無の5つです。どれも、書類と入金の記録を見れば判定できます。順に当てはめてください。
1. 住んだまま 売るか、 明け渡してから 売るか
出口は3つあります。住んだまま売る。明け渡してもらってから売る。借家人本人に買ってもらう。どれを選ぶかで、入る金額も、かかる時間も変わります。
| 出口 | 価格と費用 | 向く条件 |
|---|---|---|
| 借家人が住んだまま売る | 賃料から逆算した金額。立退料も空室期間の費用も出ない | 賃料が相場どおりに入っている/早く手放したい |
| 明け渡してから売る | 自分で住む人向けの相場。立退料と空室期間の費用が先に出る | 土地の値段が高い/賃料が低いまま据え置かれている |
| 借家人に買ってもらう | 明渡しが要らない。価格は相手の資力次第 | 長く住んでいて、買う意思と資金がある |
住んだまま売る形は、オーナーチェンジと呼ばれます。契約も敷金もそのまま引き継がれます。借家人に伝えるのは、所有者が替わったことと、新しい振込先です。段取りは「収益物件をオーナーチェンジで売却」の記事に書いています。
借家人本人に買ってもらう道は、見落とされやすいところです。長く住んでいる人ほど、住み続けたい気持ちがあります。ただ、古い木造の家を買うための住宅ローンは通りにくくなります。現金で払える相手かどうかを、早い段階で確かめてください。
借家人に打診するなら、売る意思を固めてからにしてください。断られた後に第三者へ売ると、話が替わったと受け取られます。伝えるのは、売却を考えていること、買う意思があるかどうか、返事をいただきたい期限の3つです。期限は1か月をめどに切ります。買う意思があるなら、資金の裏づけを先に確かめます。現金なら残高の確認、融資なら金融機関の事前審査の結果です。築年数が古い木造では、建物に担保の価値が付かず、土地だけで評価されることがあります。
2. 普通借家か 定期借家かで、 終わり方が 変わる
定期借家なら、期間が来れば契約は終わります。更新はありません。明渡しを求めるのに正当事由も要りません。ただし、定期借家として成立しているかどうかは形式で決まります。書面または電磁的記録で契約すること。更新がない旨を記した別の書面を、契約の前に渡して説明していること。この2つが要件です(借地借家法第38条)。
普通借家は、正当事由がなければ終わりません。期限までに更新しない旨の通知を出さなければ、同じ条件で更新したものとみなされます。更新後は期間の定めのない契約になります。そこから先は、解約の申入れと6か月の経過が必要です。
定期借家の制度が始まったのは平成12年3月1日です。それより前から続いている契約は、すべて普通借家です。親の代から20年、30年と住んでいる借家人なら、普通借家の前提で考えてください。契約書の表題だけでは判定できません。説明の書面が残っているかを見ます。
3. 賃料の 額が、 価格の 上限を 決める
住んだまま買う相手は、賃料で採算を見ます。月の賃料に12を掛けて年の収入を出し、何年分で元を取れるかを考えます。年60万円の賃料が入る家を500万円で買えば、賃料だけで8年と少しです。ここに固定資産税と、これから出る修繕費が乗ります。
親の代から続く貸家は、賃料が低いまま据え置かれていることが多いです。月3万円なら年36万円です。同じ考え方で見ると、300万円前後でも手が伸びにくくなります。一方、更地にできる土地であれば、近隣の取引価格で売れます。賃料から見た金額が土地の値段を下回る家は、明け渡してから売った方が高くなります。
総務省統計局の令和5年住宅・土地統計調査では、空き家900万戸のうち賃貸用の空き家は443万戸でした(住宅・土地統計調査(総務省統計局))。借り手がつかない賃貸の家が多い地域では、賃料を上げにくくなります。収益で見た価格も、そこで頭打ちになります。
明け渡した後に、修繕も片付けもせずに売る方法は「空き家をそのまま売る方法」の記事に書いています。室内の状態が読めないうちは、この道の金額も仮置きのままになります。
賃料の額を見るときは、契約書の数字だけでなく、何が含まれているかも確かめます。共益費や駐車場代を別に受け取っていれば、年の収入はその分増えます。逆に、町会費や水道料を賃貸人がまとめて払っていれば、手元に残る額は賃料より少なくなります。更新料を2年ごとに受け取っている家では、それも収入に数えられます。入金の名目が通帳で分かれていない場合は、月々の合計額を基準にしてください。
住んだまま売るかや契約の種類、賃料の額など手取りと期間を分ける5つの条件
手取りと期間を分ける5つの条件
- 1
借家人が住んでいるか
売る時点で借家人が住んでいるかを確認する
- 2
契約の種類
書類を見て契約の種類を判定する
- 3
賃料の額
入金の記録を見て賃料の額を判定する
- 4
立退料の見込み
立退料の見込みを判定する
- 5
滞納や転貸の有無
書類と入金の記録から有無を判定する
4. 立退料を いくら 見込むか
立退料に、法律で決まった計算式はありません。借地借家法第28条は、明渡しの条件として財産上の給付を申し出たことを、正当事由の判断で考慮するという立て付けです。金額の基準は置かれていません。公表された統計から相場を示すこともできません。見込むべきは、積み上げの中身です。
積み上げるのは次の項目です。引越しの費用。移転先の敷金と礼金、仲介手数料。今の賃料と移転先の賃料の差額の、一定期間分。借家人が店舗や工場として使っていれば、休業の補償も入ります。それぞれの金額は、借家人の移転先を具体的に当たってみないと出ません。
金額が膨らむのは、賃料が長く据え置かれている家です。周辺の相場より安く住み続けている場合、移転先との差額が大きくなります。高齢の借家人で、保証人を立てにくい事情があるとさらに上がります。逆に、賃料が相場どおりで、同じ家賃の部屋が近所にある地域では、話が早く進みます。
進め方は書面で残します。最初に解約の申入れまたは更新しない旨の通知を、配達証明付きの内容証明郵便で出します。次に、移転先の候補と、積み上げた立退料の内訳を示します。合意ができたら、明渡しの期日、立退料の額と支払いの時期、原状回復をどちらが負担するかを合意書に書きます。立退料は明渡しと引換えに払う形にしておくと、受け取った後に居座られる事態を避けられます。
相続税の評価では、貸している家屋から借家権割合を差し引きます。借家権割合は現在、全国一律で30パーセントです(国税庁の財産評価基本通達)。ただしこれは相続税を計算するための数字です。立退料の金額とも、売却の価格とも別のものです。評価が下がったからといって、売値が同じ比率で下がるわけではありません。
話し合いがまとまらなければ、調停や訴訟に進みます。弁護士に依頼する費用と、決着までの年数が乗ります。立退料の額だけでなく、その期間も費用として数えてください。待っている間も、固定資産税と修繕の負担は続きます。
5. 滞納・ 無断転貸・契約書の 不在
賃料が入っていない家は、売る前に状況を整理します。滞納があっても、すぐに契約を解除できるわけではありません。解除できるかどうかは、賃貸人と賃借人の信頼関係が壊れたといえるかで判断されます。1か月の遅れでは足りないのが通常です。督促の記録と入金の履歴を、日付順に残してください。
借家人が別の人に又貸ししていることもあります。賃貸人に無断の転貸は、民法第612条で解除の理由になり得ます。ただし、背信的な行為と認めるに足りない事情があれば、解除は認められないとされています。実際に誰が住んでいるのかを、先に確かめてください。表札と郵便受けの名前が手がかりになります。
契約書が見つからないことも珍しくありません。その場合は、賃料の入金記録、更新のときの領収書、借家人への聞き取りで内容を補います。書面がなければ、期間の定めのない普通借家として扱うのが出発点です。賃料の額と、いつから住んでいるかは必ず押さえてください。この2つが分からないと、買う側は金額を出せません。
契約の名義人が亡くなっている家もあります。借家人が死亡しても賃借権は消えず、その相続人に引き継がれます。実際に住んでいるのが子や内縁の配偶者で、契約書の名前は親のまま、ということがあります。その場合は、誰を相手に賃料を請求し、誰に通知を出すのかを先に決めてください。相続人が複数いれば、全員が賃借人の立場です。入金が続いているなら、その口座の名義人が手がかりになります。
「借家人がいる家の売却で、手取りと期間が分かれる5つの条件」について、そのまま聞けます。
借家人が いる 家の 売却を、 契約の 確認から 決済まで 進める 手順

賃貸借契約書や通帳の写し、登記事項証明書など集めるべき書類
価格の話を始めるために集める5つの書類
| 集める書類 | 確認のポイント・無い場合の代わり |
|---|---|
| 賃貸借契約書と覚書 | 見当たらない場合は通帳の入金履歴が代わりになる |
| 通帳の写し(直近1年分) | 毎月同じ日・額の入金があれば賃料の額が固まる |
| 敷金や保証金の額が分かる書類 | 価格の話を始めるために揃える |
| 建物と土地の登記事項証明書 | 価格の話を始めるために揃える |
| 固定資産税の納税通知書と課税明細書 | 価格の話を始めるために揃える |
最初にするのは賃貸借契約の中身と入金の確認です。次に相続登記で売主を確定し、最後に住んだままの価格と明渡し後の価格を並べて決めます。この順番を入れ替えると、やり直しが出ます。
1. 賃貸借契約の 中身と、 入金の 記録を 集める
集めるのは紙です。次の5点が揃えば、価格の話を始められます。
- 賃貸借契約書と、更新のたびに交わした覚書
- 賃料の入金が分かる通帳の写し(直近1年分)
- 敷金や保証金の額が分かる書類
- 建物と土地の登記事項証明書
- 固定資産税の納税通知書と課税明細書
契約書が見当たらない場合は、通帳の入金履歴が代わりになります。毎月同じ日に同じ額が入っていれば、賃料の額はそこで固まります。親の家に残された書類の束に、古い契約書が紛れていることもあります。仏壇の引き出しと、金庫の中は一度見てください。
借家人への連絡は、この段階ではまだ要りません。所有者が替わったことを知らせるのは、名義が移ってからです。順番を間違えると、借家人が不安になり、話が止まります。売る前に状況を聞きたい場合は、賃料の振込先の確認という形で連絡すると角が立ちません。
管理会社が間に入っている家では、管理委託契約の中身も確かめます。契約の期間、解約の予告の時期、滞納の督促をどこまで任せているかの3点です。売却で所有者が替われば、管理の委託先を引き継ぐかどうかは買主が決めます。解約に3か月の予告が要る契約なら、決済日から逆算して通知の時期を押さえます。火災保険も同じです。建物の保険は所有者が替われば引き継がれません。解約して返戻金を受け取るか、決済日まで残すかを決めておきます。
2. 相続登記を 済ませて、 売主を 自分の 名義に する
登記が親の名義のままでは、決済ができません。相続登記の申請は2024年4月1日から義務になりました。期限は、相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内です。2024年4月1日より前に知っていた場合も対象で、その分の期限は2027年3月31日です(相続登記の申請義務化(法務省))。借家人が住んでいるかどうかで、この期限は変わりません。
登記は、売却の実務でも効いてきます。賃貸人の地位が移ったことを借家人に主張するには、所有権の移転の登記が必要です(民法第605条の2)。登記が済んでいなければ、買主は賃料を請求できません。だからこそ、買う側は登記の状態を先に確認します。名義を放置した場合に何が起きるかは「土地の名義変更をしないとどうなるか」の記事に書いています。
名義が移ったら、借家人に書面で知らせます。知らせるのは、所有者が替わったこと、新しい振込先、問い合わせ先の3つです。敷金がそのまま引き継がれることも、一行添えると安心されます。この通知を怠ると、旧口座への振込が続き、精算が面倒になります。
3. 住んだままの 価格と、 明け渡した後の 価格を 同じ紙に 並べる
決め手は金額の比較です。仮の数字で形を見ます。明け渡した後に売れる見込みが900万円。立退料が150万円。空室の間の固定資産税と管理で10万円。差し引くと740万円です。住んだまま売れる金額が600万円なら、差は140万円になります。
契約内容の確認から相続登記、価格の決定を経て決済に至る順番
契約の確認から決済まで進める手順
ステップ1
契約と入金の確認
賃貸借契約の中身と入金の記録を集める
ステップ2
相続登記で売主を確定
登記を済ませて売主を自分の名義にする
ステップ3
2つの価格を並べて決める
住んだままの価格と明渡し後の価格を比較する
ステップ4
決済
手続きを終えて売却を完了する
ここに時間を足します。半年で明渡しが終わるなら、140万円の差には意味があります。話がまとまらず2年かかるなら、その間の管理と、弁護士に頼んだ場合の費用が乗ります。差の140万円は、そこで消えることもあります。明渡しの時期を自分で決められないことが、この道のいちばんの費用です。
紙に並べるのは金額だけではありません。明渡しの道を選ぶなら、立退料を払う時期も書き出してください。多くの場合、立退料は明渡しと引換えに現金で払います。売却の代金が入る前の持ち出しです。手元の資金で賄えないなら、この道は選べません。固定資産税の負担も続きます。住宅用地の特例は、人の住む家屋が建っている間だけです。明け渡して建物を取り壊せば、翌年からは課税標準が上がります。
仲介で売る場合は、成約した価格から仲介手数料が引かれます。上限は宅地建物取引業法にもとづいて決まっています。買主を探す期間も見込んでください。当社が買い取る場合は仲介手数料はかかりません。そのかわり、金額は仲介で売れた場合の想定より低くなります。差がどこから出るのかは「空き家を買取で売るデメリット」の記事に書いています。
比べるときは、必ず手取りに直してください。仲介の査定額は売れた場合の見込みです。そこから手数料、測量の費用、明渡しに関わる費用を引いた後の数字が、手元に残る金額です。
なお、この記事の税務・法務に関する記載は一般的な情報提供であり、個別の事案についての判断ではありません。適用の可否や具体的な税額については、税務署または税理士、登記については司法書士、境界や隣地との権利関係については弁護士や土地家屋調査士など、それぞれの専門家にご確認ください。当社は不動産の買主であり、税務や法律の代理はできません。
「借家人がいる家の売却を、契約の確認から決済まで進める手順」について、そのまま聞けます。
当社が 借家人の 住む家を 買い取る 場合の 価格と 決済の 段取り
当社が買い取る条件・買い取れない条件と、実際の買取事例は「当社の買取基準」にまとめています。
「当社が借家人の住む家を買い取る場合の価格と決済の段取り」について、そのまま聞けます。
借家人が いる 家の 売却で、 先に 確かめる 3つの こと
- 借家人の承諾がなくても売れます。 賃貸人の地位は買主に移り、敷金の返還義務も一緒に移ります。名義を移したうえで、所有者が替わったことと新しい振込先を借家人に知らせます。
- 退去を求めるなら、通知の期限と正当事由の両方が要ります。 期間の定めのない契約は、解約の申入れから6か月で終わります。立退料は、正当事由が足りない分を補う材料です。
- 住んだまま売るか、明け渡してから売るかは、金額を並べて決めます。 明渡し後に売れる見込みから立退料と空室期間の費用を引き、住んだまま売れる金額と比べてください。差が小さければ、待つ時間の分だけ損になります。
当社は、借家人が住んだままの状態で、契約と敷金を引き継いで買い取ります。室内に入らずに価格を出すため、金額は空き家として売る場合より低くなります。
通話料無料・全国対応
時間外と定休日のお電話も担当の携帯に転送されるので、直接責任者につながります。
この先は、当社の買取窓口「買取くん」のページです(運営は同じ株式会社リアテクスです)。
借家人が いる 家の 売却に ついて、 よく ある 質問
Q1. 借家人が いる 家は、 退去して もらわないと 売却できませんか
売却できます。賃貸人の地位は買主に移るためです(民法第605条の2)。借家人の承諾も要りません。ただし、買う側は賃料と建物の状態で金額を見ます。空き家として売る場合より、価格は下がるのが通常です。 敷金は決済で買主へ引き継ぎ、残額を精算します。引渡しの後、新しい振込先を借家人に書面で知らせてください。
Q2. 借家人に 退去して もらうには、 何を すればよいですか
期間の定めのない契約なら、解約の申入れから6か月で終了します(借地借家法第27条)。期間の定めがある普通借家なら、満了の1年前から6か月前までに、更新しない旨を通知します(同法第26条)。どちらの場合も、別に正当事由が要ります(同法第28条)。 売りたいという事情だけでは足りません。立退料の申出は、その不足を補う材料として考慮されます。話し合いがまとまらなければ調停や訴訟になり、期間は年単位で見ることになります。
Q3. 借家人には どんな 権利が ありますか
建物を使う権利、つまり賃借権です。引渡しを受けていれば、新しい所有者にも主張できます(借地借家法第31条)。正当事由がなければ、更新拒絶も解約の申入れも認められません(同法第28条)。賃料の滞納が1か月あっただけで、契約が切れるわけではありません。 解除できるかどうかは、信頼関係が壊れたといえるかで判断されます。借家人の側には、賃料を払い、決められた用法で使い、退去のときに原状に戻す義務があります。
Q4. 家を 売却したら 確定申告は 必要ですか
売って利益が出たら必要です。申告の時期は、売った年の翌年2月16日から3月15日までです。貸していた家では、売った年の賃料も不動産所得として申告します。取得費が分からない場合の扱いや、特例を使う場合の書類は、国税庁のページで確認できます。特例を使うときは、税額が0円でも申告しなければ適用されません。 対象になる人の線引きは「不動産売却で確定申告が必要な人」の記事に書いています。
Q5. 借地権の 売却に かかる 費用は いくらですか
建物が他人の土地の上に建っている場合の話です。借地権を譲るには、地主の承諾が要ります(民法第612条)。承諾の際に譲渡承諾料を求められることが多く、金額は地主との協議で決まります。法律に決まった率はありません。承諾が得られない場合は、裁判所に代わる許可を求める道があります(借地借家法第19条)。ほかに、仲介で売るなら仲介手数料、売買契約書の印紙代、測量の費用、譲渡所得にかかる税がかかります。 立場ごとの出口は「底地と借地権の出口」の記事に整理しています。
Q6. 賃貸人とは 誰の ことですか。 親が 亡くなった後は 誰に なりますか
建物を貸している側、つまり大家のことです。契約書では賃貸人と書かれます。親が亡くなれば、相続人が賃貸人になります。遺産分割で建物を取得した人が、その後の賃貸人です。 分割が決まるまでは、相続人がそろって引き継いでいる状態です。売却した後の賃貸人は買主になります。借家人への通知は、所有権の移転の登記を済ませてから出すのが確実です(民法第605条の2)。
当社の 見方
戸建て・築30年以上で、空き家の物件を当社が買い取り、販売まで終えました。
千葉県市川市の戸建て(築30年以上)を、買取金額400万円台で買い取りました(2026年に取引)。
戸建て・築50年以上で、空き家・事故物件・残置物ありの物件を当社が買い取り、販売まで終えました。
神奈川県秦野市の戸建て(築50年以上)を、買取金額500万円台で買い取りました(2025年に取引)。
相続した物件では、戸籍などの書類が追加で必要になります。
ご用意いただく書類は、個別のご案件によります。
ご負担いただく費用は、個別のご案件によります。
リースバック(売却後も賃借人として住み続ける形)も積極的にお受けしています。
買い取れない物件や、売らないほうがよい場合は、正直にそうお伝えしています。
当社が買い取る物件・お断りする物件と、買取価格の決まり方は、当社の買取事例76件の内訳とあわせて当社の買取基準にまとめています。
この記事について
- 執筆・編集
- リアテクス編集部株式会社リアテクス当社(宅地建物取引業 東京都知事(1)第107888号)は物件を直接買い取る買主の立場から、売却を検討する方の判断材料となる記事を企画・編集しています。
- 監修
鶴野 博之株式会社リアテクス 執行役員宅地建物取引士(東京)第257503号/賃貸不動産経営管理士/2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)この区分の監修を担当しています。記事の公開判断は当社が行っています(代表が定めた手順による)。確認・公開判断:鶴野 博之(株式会社リアテクス 執行役員)- 公開・更新
- 公開 更新 内容を見直したときは、この日付と改訂の内容を更新しています。情報の確認日 (出典の公的資料を開いて内容を確かめた日)
- この記事の事実確認の方法
- 法令:借地借家法出典:総務省統計局、法務省、国土交通省
- 記事の作り方
- この記事は、当社の担当者が事実確認を行ったうえで公開しています。
出典(6件・に確認)
更新履歴
- 第1版公開
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