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空き家のゆくえ買取くん

空き家

相続した空き家の売却はどう進める?名義・費用・税金

公開 更新

執筆
株式会社リアテクス リアテクス編集部
監修
株式会社リアテクス 取締役COO 薩摩 賢幸
相続した空き家の売却はどう進める?名義・費用・税金

「空き家になった実家の名義人が亡くなった親のままで、このまま売却できるのか分からない」。名義を親から相続人に移す相続登記が先で、そのあと建物の傷みと3,000万円控除の期限を見て、仲介・解体・買取のどれで売るかを決めます。

雨漏りや家財が残った空き家も現況のまま買い取り、修繕と片付けの費用を差し引いた額を内訳つきでお出しします。敷地に田や畑が残り、転用の許可の見込みが立たない家は買い取りません。この家が買い取れるかどうかだけ、先に聞く(無料)

目次(6章)

片付けていない空き家も、そのまま売却の相談ができます

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相続した空き家の売却はどう進める?名義・費用・税金の要点を、定義・この記事でわかること・よくある質問の順に短くまとめた動画です。

相続した空き家の売却は、親の名義のままでもできるか?

実家の居間で、複数の家族がテーブルを囲んで話し合っている

亡くなった親の名義のままでも、相続人が売主になって売買契約は結べます。ただし、相続登記で相続人の名義に移すまで、買主へ名義を移す決済はできません。

まず法務局で、実家の土地と建物の登記事項証明書を取ってください。見るのは甲区の所有者の欄です。親の名前が残っていれば、売る前の作業が1つ増えます。祖父母の名前が残っている家もあります。その場合は、相続が2回分たまっています。

亡くなった親の名義のままでは、空き家の決済に進めない

所有権の移転の登記は、登記簿の名義人から買主へ移す形で申請します。名義人が亡くなっていると、売主として署名できる人が登記簿の上にいません。そこで、親から相続人へ移す登記を先に1本はさみます。

相続人は、親が亡くなった時点で実家の権利を受け継いでいます(民法第896条)。ただし相続人が2人以上いると、遺産を分けるまでは全員の共有です(民法第898条)。誰が実家を受け継ぐかは、相続人の話し合いで決めます(民法第907条)。

売るつもりなら、名義の決め方は2通りです。1人の名義にして、その人が売る。全員の名義にして、全員が売主になる。前者は、契約や決済の書類を集める相手が1人で済みます。後者は、代金を相続分で分ける話が付いていれば進めやすい形です。

名義の決め方は、税額にも響きます。相続した空き家の3,000万円の特別控除は、売った相続人ごとに使う制度です。誰が売主になるかで、控除を使える人の数が変わることがあります。名義を決める前に、税理士に一度見てもらうと後で困りません。

遺言書があれば、そこに書かれた人へ名義を移します。自分で書いた遺言書は、法務局に預けていたものを除き、家庭裁判所の検認を経てから使います。検認の日程は裁判所が決めます。売却の段取りは、その後に組みます。

空き家の相続登記の期限は、相続を知った日から3年以内

売るかどうかをまだ決めていなくても、名義を移す登記には期限があります。起点は、実家を相続で取得したと知った日です。そこから3年のうちに申請します(不動産登記法第76条の2第1項)。この決まりは2024年4月1日に動き出しました。期限を過ぎ、遅れた正当な理由も示せないとします。その場合、10万円以下の過料を科されることがあります(不動産登記法第164条第1項)。制度の全体は法務省の相続登記の申請義務化の案内で確かめられます。

2024年4月1日より前に始まった相続も対象です。こちらの期限は、施行日の2024年4月1日と、相続で取得したと知った日の遅い方から3年です。自分の期限は、次のように当てはめます。

  • 2023年に父が亡くなり、その時から知っていた人は、2027年3月31日までに申請します。
  • 2022年に父が亡くなっていたことを、2026年に初めて知った人は、知った日から3年です。
  • 2025年6月10日に母が亡くなり、その日に知った人は、2028年6月10日までが期限です。

空き家の相続登記の期限

  1. 売る前の準備

    登記事項証明書の確認

    法務局で取り、甲区の所有者欄に親の名前が残っていないか見る。

  2. 先に

    相続登記

    売主として署名するため、親から相続人へ名義を移す登記をはさむ。

  3. 次に

    売買契約と所有権移転

    相続人の名義にしてから売却に進み、買主へ所有権を移す登記をする。

期限に間に合わない事情もあります。そのときは相続人申告登記(不動産登記法第76条の3第1項)で、自分が相続人であると登記官に申し出る方法があります。ただし、これは名義を移す登記ではありません。申し出ただけでは、実家は売れません。売るなら、結局は相続登記が要ります。

名義を移すときに集める書類と、空き家の売却までの段取り

相続登記の書類は、相続人のうち1人が窓口になって集めると早く進みます。集める先は書類ごとに違います。

  • 亡くなった親の、生まれてから亡くなるまでの戸籍(本籍があった市区町村へ請求)
  • 親の住民票の除票(最後に住んでいた市区町村。登記簿の住所と最後の住所をつなぐ)
  • 相続人それぞれの、今の戸籍(各自の本籍地で取る)
  • 遺産分割協議書(実家を1人の名義にする場合)
  • 相続人全員の印鑑証明書(協議書に押した実印の証明として)
  • 実家の固定資産評価証明書(実家のある市区町村。登記の税額を出す元になる)

戸籍がそろったら、法務局で法定相続情報一覧図の写しを出してもらう方法があります。相続人の関係を1枚にまとめた書類です。銀行の解約や登記で、戸籍の束の代わりに使えます。

登記は自分で申請しても、司法書士に頼んでも構いません。申請が終わると、新しい名義人に登記識別情報が通知されます。売却のときに使うのは、この新しい登記識別情報です。親の代の権利証は、もう使いません。

売却の日程は、この登記の見通しから逆に組みます。親が何度も本籍を移していると、郵送の往復が何回か入ります。協議書への押印も、相続人が離れて住んでいれば郵送です。決済日を先に約束するのは、登記の完了日が読めてからにしてください。実際の順番は「相続した空き家の名義変更と売却の事例」の記事で追えます。

「相続した空き家の売却は、親の名義のままでもできるか?」について、そのまま聞けます。

空き家はそのまま売却するか、解体するか、買取に出すか?

周囲の景色と調和する、古い木造住宅の全体的な外観

空き家の売り方は、仲介・解体・買取の3つです。どれが手取りを残すかは、建物の傷みと家財の量、3,000万円の特別控除を使うかで分かれます。

どの売り方でも、手元に残るのは売値から費用と税を引いた額です。売値がいちばん高い方法が、手取りもいちばん多いとは限りません。売れるまでの月数も数えます。その間の固定資産税や草刈りの費用も、手取りから消えるからです。

解体して更地で売るかの判断基準

  • 解体費の支払い

    解体費を先に払えるかどうか

  • 固定資産税の負担

    更地にした後の固定資産税をいつまで払うか

1. 仲介で買主を探して空き家を売却する

建物が住める状態で、住宅ローンを使う買主が付く地域なら、仲介はいちばん高く売れやすい売り方です。不動産会社と媒介契約を結び、広告を出して、一般の買主を探します。

時間がかかるのは、買主が現れるまでです。いつ現れるかは、誰にも約束できません。内覧のたびに、窓を開け、水を流し、庭を整える手間がかかります。実家が遠方なら、鍵の受け渡しも不動産会社に任せる形になります。

相続人ならではの難しさもあります。実家に住んでいなかったので、雨漏りの跡や給湯器の故障を知らないことです。売主は、知っている不具合を買主に伝える告知書を書きます。引き渡しの後に、知らなかった不具合が見つかることもあります。その場合、修補や代金の減額を求められることがあります。

個人が売主の取引では、この責任を負わない特約も結べます。ただし、知っていながら伝えなかった事実は、特約があっても責任を免れません(民法第572条)。相続人が知らない部分は、売る前に建物の調査で埋めておく方法もあります。

仲介で売れたときは、仲介手数料がかかります。上限は宅地建物取引業法第46条に基づき、国土交通大臣が定めています。売り出しが長引くほど、待った月の固定資産税と管理費も手取りから消えます。

2. 古家付きで売るか、解体して更地で空き家を売却するか

解体するかどうかは、2つで決まります。解体費を先に払えるかと、更地にした後の固定資産税をいつまで払うかです。建物が古くても、壊さずに古家付き土地として売る道は残っています。

解体費は、壊す前に売主が払います。重機が入れない細い道、隣家との近さ、石綿を含む建材があると上がります。見積りの見方は「空き家の解体費用はいくらかかるか」の記事に整理されています。

更地にすると、土地の固定資産税が変わります。住宅が建っている土地は、200平方メートル以下の部分なら課税標準が価格の6分の1です(地方税法第349条の3の2)。建物を壊すと、この特例から外れます。

税額は、その年の1月1日の状態で決まります(地方税法第359条)。年末に壊して、翌年に売れ残ったとします。すると更地の税額で、1年分を払うことになります。壊す時期と売り出す時期は、この日付を挟んで決めてください。

仲介で空き家を売却する流れ

  1. 1

    媒介契約と広告

    不動産会社と契約を結び、一般の買主を探し始めます。

  2. 2

    内覧と買主待ち

    待つ間は固定資産税や管理費がかかり続けます。

  3. 3

    契約と決済

    売れたら仲介手数料を払い、物件を引き渡します。

建物を壊したら、1か月以内に建物の滅失の登記を申請します(不動産登記法第57条)。登記簿に建物が残ったままでは、更地として引き渡せません。

3,000万円の特別控除を使うときも、解体が候補に上がります。控除には、古い家を耐震基準に合わせるか、取り壊すかのどちらかが要ります。2024年1月1日以後の売却なら、売った年の翌年2月15日までに買主が取り壊しても対象になります(国税庁 No.3306)。解体費を先に払えるなら、自分で壊して更地で売ります。払えないなら、買主が取り壊す約束で建物ごと売ります。控除の要件は「相続した実家を売ると、出ていくお金と税はいくら残るか?」の章で確かめてください。

3. 雨漏りや家財が残る空き家を、そのまま売却する

雨漏りや家財が残ったままでも、空き家は売れます。ただし、直す費用と片付ける費用は、買主の側で価格から引かれます。

雨漏りは、天井にしみが出る前から、屋根裏の木材や柱を傷めていることがあります。仲介で一般の買主に売ると、内覧で見つかった跡が値引きの材料になります。住宅ローンの審査で、建物の評価が低く出ることもあります。

売る前に直す手もあります。ただ、修繕費がそのまま売値に乗るとは限りません。直したからといって、雨漏りがあった事実を伝えなくてよくなるわけでもありません。告知と価格の関係は「雨漏り・シロアリの家は直さずに売却できる?告知と価格の決まり方」の記事にまとまっています。

家財は、遺品の仕分けとごみの処分で性格が違います。写真、通帳、権利証、位牌のように、相続人しか判断できない物は売る前に持ち出してください。残りの家具や家電は、買取なら残したまま引き渡せることがあります。その場合、処分費は買主が見込み、提示額から差し引かれます。

片付けを自分でするか、買主に任せるかは、手間と時間を誰が持つかの話です。遠方から何度も通う交通費と日数も、費用として数えてください。週末ごとに通って半年かかるなら、その間の固定資産税も足します。

空き家をそのまま売却する方法はありますか?

片付けや修繕をせず、現況のまま買取業者に売却する方法があります。

  • 修繕費や片付け費用は価格から差し引かれる
  • 相続人しか判断できない遺品は事前に持ち出す

4. 買取業者に空き家を直接売却する

買取は、仲介より価格が低くなる売り方です。その代わり、買主を探す期間がなく、引き渡しの日を売主の都合で置けます。

価格が低くなる理由は、買主が負う仕事にあります。買主は修繕や解体をし、次の買主に売るまでの費用と期間を自分で抱えます。提示額は、次に売れる見込みの額から、その費用と期間の分を引いて決まります。

空き家の売却を頼む業者の選び方では、次の4つを見てください。

  • 宅地建物取引業の免許番号を、国土交通省の業者の検索や都道府県の名簿で確かめる
  • 提示額の内訳を、書面で受け取る
  • 契約書に、融資の特約が入っていないかを読む
  • 決済の日に、代金の支払いと所有権の移転の登記を同じ日に行うかを聞く

売り方を建物の状態で分けると、仲介3通りと買取の次の4つになります。

売り方向く空き家手取りを削るもの
古家付きで仲介住める状態で、住宅ローンを使う買主が付く地域仲介手数料と、売れるまでの固定資産税・管理費
解体して更地で仲介建物が古く、控除を使い、解体費を先に払える解体費、滅失の登記、更地の固定資産税
直さず現況で仲介傷みはあるが、立地が良い修繕費を見込んだ値引きと、長い売り出し期間
買取業者に直接雨漏り・家財が残り、遠方で通えない修繕と片付けの費用を引いた分の価格差

表の4行目(雨漏り・家財が残り、遠方で通えない)に当たる家は、仲介でも値引きと長い期間が避けにくい家です。買取との差は縮まりやすい家です。反対に、表の1行目(住める状態で、住宅ローンを使う買主が付く地域)に当たる家もあります。これを買取に出すと、仲介との価格差がそのまま手取りの差になります。

5. 空き家が売れない理由と、放置したまま持ち続ける責任

売れ残る空き家は、価格・建物・道路のどれかが買主の条件と合っていません。放置すると、管理の責任と税の負担が重くなります。

売れない理由のうち、自分で動かせるのは価格です。売り出し価格が、近所で実際に取引された水準より高い家はよくあります。国土交通省の不動産情報ライブラリで、地域と面積を指定すると、成約の水準を確かめられます。

建物の傷みは、直すか、直す前提の買主に売るかで合わせます。動かせないのは道路です。建築物の敷地は、道路に2m以上接しなければなりません(建築基準法第43条第1項)。これを満たさない土地は建て替えができません。一般の買主は、住宅ローンを組みにくくなります。

放置した空き家にも、所有者の義務があります。空家等対策の推進に関する特別措置法の第5条は、所有者や管理者に管理の努力を求めています。周りの生活環境に悪い影響を与えないよう、適切に管理することです(空家等対策の推進に関する特別措置法(e-Gov法令検索))。

管理が行き届かないと、市町村長から管理不全空家等として指導を受けることがあります。改善しなければ、勧告を受けることがあります(空家等対策の推進に関する特別措置法第13条)。勧告が出ると、土地の課税標準6分の1の扱いが、その敷地には使えなくなります(地方税法第349条の3の2)。親の家が建っているだけで受けられていた扱いです。危険がさらに大きい特定空家等には、命令や代執行まで進むことがあります(空家等対策の推進に関する特別措置法第22条)。税の上がり方は「空き家の固定資産税が6倍になる条件」の記事で確かめてください。

他人に損害を与えたときの責任もあります。古い瓦やブロック塀が崩れて、通行人がけがをしたとします。建物の所有者が、賠償を求められることがあります(民法第717条)。台風の前に見に行けない家ほど、この心配は重くなります。責任が及ぶ範囲は「空き家の放置で責任と賠償を負う条件」の記事にあります。

早めに売却したほうがよい理由は、税の期限にもあります。3,000万円の特別控除は、相続の開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ることが要件の1つです。2023年8月に親が亡くなった家なら、2026年12月31日が期限です。この期限は、遺産の話し合いが長引いても延びません。

「空き家はそのまま売却するか、解体するか、買取に出すか?」について、そのまま聞けます。

相続した実家を売ると、出ていくお金と税はいくら残るか?

机に向かって、紙にペンを走らせている人の手元

空き家売却の費用は、印紙代と登記費用が中心です。税は売却益が出たときだけで、所有期間5年超なら所得税15%(租税特別措置法第31条)などがかかります。

1. 空き家売却にかかる費用を、売り方ごとに書き出す

売主が払う費用は、どの売り方でもかかる分と、売り方で増える分に分かれます。先に全部を紙に書き出すと、提示額どうしを同じ物差しで比べられます。

どの売り方でもかかるものは、次のとおりです。

  • 売買契約書に貼る印紙代
  • 相続登記の費用(登録免許税と、司法書士に頼む場合の報酬)
  • 住所変更登記の費用(登記簿の住所が今の住所と違う場合)
  • 抵当権の抹消登記の費用(親のローンの担保が残っている場合)

売り方によって増えるものは、次のとおりです。

  • 仲介で売る場合の仲介手数料(当社が買い取る場合は仲介手数料はかかりません)
  • 解体して売る場合の解体費と、建物の滅失の登記の費用
  • 境界をはっきりさせる測量の費用(仲介の買主から求められることが多い)
  • 片付けを自分で手配する場合の家財の処分費
  • 売れるまでの固定資産税、火災保険料、草刈りや見回りの費用

親の抵当権が残っている家は珍しくありません。ローンを完済していても、抹消の登記をしないまま亡くなっていることがあります。その場合は、当時の金融機関に書類の再発行を頼むところから始まります。金融機関が合併していると、問い合わせ先を探す時間も入ります。

費用の項目ごとの見方は「不動産売却の費用一覧」の記事にあります。買取で出ていかない費用も、そこで見分けられます。

空き家売却にかかる費用の内訳

  • どの売り方でもかかる費用

    印紙代や相続・住所変更・抵当権抹消の登記費用

  • 仲介で売る場合

    仲介手数料や測量費、売れるまでの維持費など

  • 解体して売る場合

    解体費と建物の滅失の登記の費用

  • 自分で片付ける場合

    家財の手配にかかる処分費

家を売却して得たお金に税金はかかりますか?

代金そのものではなく、取得費と売るための費用を引いて残った利益に対してかかります。

  • 利益が出なければ税金はかからない
  • 特別控除を使う場合は税金が0円でも確定申告が必要

2. 空き家の売却益にかかる税金を、100万円・300万円で売った場合で計算する

税金がかかるのは、売った代金から取得費と売るための費用を引いて、なお残る譲渡所得があるときだけです。代金そのものに税がかかるわけではありません。

譲渡所得 = 売った代金 -(取得費 + 売るための費用)- 特別控除

売却代金ごとの譲渡所得と所得税の比較

  • 売値100万円の譲渡所得65万円
  • 売値100万円の所得税9万7,500円
  • 売値300万円の譲渡所得245万円
  • 売値300万円の所得税36万7,500円

相続した家の取得費は、親が買ったときの代金を引き継ぎます。持っていた期間も、親の分を引き継いで数えます(所得税法第60条第1項)。親が家を買ったときの契約書を探すのは、このためです。

契約書が見つからないときは、売った代金の5%を取得費にできます(国税庁タックスアンサー No.3258「取得費が分からないとき」)。親が昔に高く買った家でも、書類が無ければこの5%で計算します。押し入れや金庫の書類は、捨てる前に一度見てください。

税率は、売った年の1月1日に所有期間が5年を超えていれば、所得税15%です(租税特別措置法第31条)。ここに住民税と復興特別所得税が加わります。親が長く持っていた家なら、たいていこちらに当たります。

100万円で売った場合を考えます。取得費が分からず、5%(国税庁 No.3258)の5万円としました。売るための費用が仮に30万円なら、譲渡所得は65万円です。所有期間が5年を超えていれば、所得税は15%で9万7,500円です(租税特別措置法第31条)。住民税5%と復興特別所得税を加えると、合計は約13万2,000円です。親が買った代金が分かっていても、建物の分は減価償却費を引いた額が取得費になります。そのうえで取得費と費用の合計が売値を超えれば、譲渡所得は出ません。税金もかかりません。

300万円で売った場合も同じ式です。取得費が分からず15万円、費用が仮に40万円なら、譲渡所得は245万円です。所得税は15%で36万7,500円になります(租税特別措置法第31条)。住民税5%と復興特別所得税を加えた合計は、約49万8,000円です。

ここで3,000万円の特別控除を使えれば、どちらの例も譲渡所得は0円です。対象は、被相続人が一人で住んでいた家屋とその敷地を相続した相続人です。一定の要件を満たして売却すると、譲渡所得から最大3,000万円を控除できます(租税特別措置法第35条第3項)。主な要件は次のとおりです。

  • 家屋が昭和56年5月31日以前に建てられていること
  • 家屋がマンションのような区分所有の建物でないこと
  • 相続の直前に、亡くなった人のほかに住んでいた人がいないこと
  • 相続から売るまで、貸したり、住んだり、事業に使ったりしていないこと
  • 売った代金が1億円以下であること
  • 相続の開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること
  • 売るのが令和9年12月31日までであること
  • 家屋を耐震基準に合わせるか、取り壊すこと

全部の要件と添える書類は、国税庁の「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」で確かめてください。家屋と敷地を相続で取得した人が3人以上いると、1人あたりの控除の上限は2,000万円です(国税庁 No.3306)。

数えるのは、家屋と敷地の両方を相続で取得した人です。預金だけを受け継いだきょうだいは、この人数に入りません。この上限は、2024年1月1日以後の売却に当てはまります。たとえば実家を3人の共有名義にして3人で売ると、1人あたりの控除は2,000万円までです。2人の共有名義なら、1人あたり3,000万円までです。共有にした人のうち1人だけが売る場合も、人数は家屋と敷地を取得した人の数で数えます。売却益が大きい家では、名義を何人で持つかで税額が変わることがあります。遺産分割協議書に判を押す前に、税理士に見てもらってください。売却益の見込みと、名義の人数です。名義を何人で持つかを決める前の段取りは、「実家の売却は何から始める?名義・税金・3年の期限」の記事にまとめています。

親が老人ホームに入っていた家も、一定の条件のもとで対象になります。判定の順番は「空き家3000万円控除の条件」の記事で追えます。

相続税を納めた人には、納めた相続税の一部を取得費に足せる制度もあります(租税特別措置法第39条)。こちらを使うと、3,000万円の特別控除は使えません。どちらが有利かは、両方で税額を出して比べます。控除で税金が0円になっても、確定申告は必要です。

譲渡所得が赤字になることもあります。相続した空き家の損失は、給与などほかの所得と差し引けません。自分が住んでいた家を売った損失とは、扱いが違います。

なお、この記事の税務・法務に関する記載は一般的な情報提供であり、個別の事案についての判断ではありません。適用の可否や具体的な税額については、税務署または税理士、登記については司法書士、境界や隣地との権利関係については弁護士や土地家屋調査士など、それぞれの専門家にご確認ください。当社は不動産の買主であり、税務や法律の代理はできません。

3. 診断表で、相続した空き家の売り方を決める

名義、建物の傷み、3,000万円の特別控除の条件の順に確かめます。すると空き家の売り方は、仲介・解体して売る・そのまま買取のどれかに絞れます。

当てはまるものに印を付けてください。

  • □ A 登記簿の所有者が、すでに相続人の名義に移っている
  • □ B 遺産をどう分けるか、相続人の話がまとまっている
  • □ C 雨漏りや床の沈みがなく、手を入れずに住める
  • □ D 家財の片付けが済んでいる、または自分で片付けられる
  • □ E 家屋が昭和56年5月31日以前に建てられている
  • □ F 相続の直前、親が一人で住んでいた
  • □ G 相続の開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売り終えられる
  • □ H 解体費を先に払える手元の資金がある(印がなくても、売った後に買主が取り壊す道があります)

印の付き方を、次の表に当てはめます。複数の行に当たるときは、表の上の行から順に見てください。

診断の結果向く売り方次の一手
AかBに印がないまだ売り方を選べない戸籍を集め、相続登記を先に済ませる
E・F・Gに全部印がある控除を使って売るHに印があれば解体して売る。なければ、売った年の翌年2月15日までに買主が取り壊す約束で売る
CとDに印がある古家付きで仲介近所の成約の水準を調べ、媒介を頼む
CかDに印がないそのまま買取提示額の内訳を書面で受け取る

AとBは、ほかのどの印より先に来ます。名義が移らなければ、どの売り方も契約まで進めないからです。話し合いが長引いている間も、Gの期限は進みます。

EからGがそろう家は、控除で税が大きく減る見込みがあります。Hに印がなくても、控除をあきらめる必要はありません。2024年1月1日以後の売却なら、売った年の翌年2月15日までに買主が耐震改修か取り壊しをすれば対象になります(国税庁 No.3306)。売値が多少下がることもあります。それでも税を引いた後の手取りで比べると、控除を使える売り方の方が残ることがあります。

Gに印がなくても、売れないわけではありません。控除を使わない計算になるだけです。その場合は、仲介と買取の差を、待つ月数の費用込みで比べます。

CかDに印がない家は、仲介に出しても値引きと長い期間が避けにくい家です。片付けと修繕の費用、通う回数を書き出してください。その合計が買取との価格差を超えるなら、現況のまま売る方が手元に残ります。

「相続した実家を売ると、出ていくお金と税はいくら残るか?」について、そのまま聞けます。

当社に空き家の売却を頼むと、入金まで何日かかるか?

当社が買い取る条件・買い取れない条件と、実際の買取事例は「当社の買取基準」にまとめています。

「当社に空き家の売却を頼むと、入金まで何日かかるか?」について、そのまま聞けます。

相続した空き家の売却で先に決める3つ

  • 名義を親から相続人に移す日です。相続登記は、相続で取得したと知った日から3年以内が期限です。2024年4月1日より前から知っていた人は、2027年3月31日までです。登記が済むまで、決済・引き渡しはできません。
  • 売り方です。住める状態で立地が良ければ、仲介が向きます。3,000万円の特別控除を使うなら、解体して売るか、買主が売った後に取り壊す約束で売ります。雨漏りや家財が残り通えないなら、そのまま買取が向きます。比べるのは売値ではなく、費用と待つ期間を引いた手取りです。
  • 税の期限です。控除は、相続の開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ることが要件の1つです。申告の書類まで含めて逆算し、売る月を決めます。

当社は雨漏りや家財が残った空き家も現況のまま買い取り、相続登記が済む日に合わせて決済の日を組みます。

査定は無料・売却の義務なし
0120-996-748受付時間10:00〜19:00(水・日曜定休)

通話料無料・全国対応

この先は、当社の買取窓口「買取くん」のページです(運営は同じ株式会社リアテクスです)。

空き家の売却でよくある質問

Q1. 空き家を売るのにかかる費用は何ですか?

一般には、売買契約書の印紙代と登記の費用です。相続した空き家では、相続登記の費用が加わります。仲介なら仲介手数料、解体して売るなら解体費も出ていきます。当社が買い取る場合は仲介手数料はかかりません。

Q2. 空き家をそのまま売却する方法はありますか?

片付けも修繕もせず、現況のまま買取業者に売る方法があります。直す費用と片付ける費用は、買主の側で価格から差し引かれます。相続人しか判断できない遺品だけは、売る前に持ち出してください。

Q3. 空き家が売れない理由は何ですか?

多いのは、売り出し価格が近所の成約の水準より高いことです。建物の傷み、家財の多さも買主を減らします。道路に2m以上接していない敷地(建築基準法第43条第1項)は建て替えができず、価格では埋めにくくなります。

Q4. 家を100万円で売却した場合、税金はいくらですか?

譲渡所得が出なければ0円です。取得費を代金の5%の5万円(国税庁 No.3258)、売るための費用を30万円とすると、譲渡所得は65万円です。所有期間が5年を超えていれば税率は15%(租税特別措置法第31条)で、所得税は9万7,500円になります。3,000万円の特別控除を使えれば0円になります。

Q5. 300万円で家を売却した場合、税金はいくらですか?

代金の5%にあたる15万円を取得費とし(国税庁 No.3258)、売るための費用が40万円なら、譲渡所得は245万円です。売った年の1月1日に持っていた期間が5年を超えるとします。所得税は15%の税率(租税特別措置法第31条)で36万7,500円です。住民税なども加わります。親が買った代金が分かれば、税額が下がる家は多くあります。

Q6. 家を売却して得たお金に税金はかかりますか?

代金そのものではなく、取得費と売るための費用を引いて残った利益にかかります。利益が出なければ、税金はかかりません。特別控除を使うときは、税金が0円でも確定申告が要ります。

Q7. 名義人が亡くなったままの空き家でも売れますか?

相続人が売主になれば、親の名義のままでも売買契約は結べます。ただし、相続登記で相続人の名義に移すまで、決済・引き渡しはできません。名義が親のままの段階でも、買取価格の相談はできます。

Q8. 解体費用は売主が払う必要がありますか?

解体して更地で売るなら、売主が先に払います。古家付きのまま売れば、解体は買主の側で行い、その費用は価格に織り込まれます。2024年1月1日以後の売却なら、売った年の翌年2月15日までに買主が取り壊せば、3,000万円の特別控除の対象になります(国税庁 No.3306)。どちらが手元に残るかは、控除の有無と更地の固定資産税で変わります。

当社の見方

相続した空き家の売却のご相談では、名義が亡くなった方のままになっているという方が多く、当社ではまず相続登記が必要かどうかを一緒に確かめるところから始めています。書類は一般に、登記識別情報または権利証・本人確認書類・印鑑証明書・固定資産税の納税通知書をご用意いただき、相続した物件では戸籍などの書類が追加で必要になります。費用は一般に、売買契約書の印紙代、抵当権の抹消登記の費用、住所変更登記の費用、相続した物件では相続登記の費用がかかり、書類も費用も個別のご案件によります。税金は相続の時期やご家族の事情で扱いが変わるため、売ると決める前に確かめておきたいという方もいます。日数で言うと、当社が買い取る場合は買取価格をお伝えするまでに30分ほど、ご契約までに1〜2週間ほどが目安で、早ければ2週間以内にお引き渡しとなり、代金はお引き渡しの日にお支払いします。遠方の空き家でも全国(47都道府県)に対応しており、買い取れない物件や売らないほうがよい場合は、正直にそうお伝えしています。

当社が買い取る物件・お断りする物件と、買取価格の決まり方は、当社の買取事例76件の内訳とあわせて当社の買取基準にまとめています。

この記事について

執筆・編集
リアテクス編集部株式会社リアテクス当社(宅地建物取引業 東京都知事(1)第107888号)は物件を直接買い取る買主の立場から、売却を検討する方の判断材料となる記事を企画・編集しています。
監修
薩摩 賢幸薩摩 賢幸株式会社リアテクス 取締役COOこの区分の監修を担当しています。記事の公開判断は当社が行っています(代表が定めた手順による)。確認・公開判断:薩摩 賢幸(株式会社リアテクス 取締役COO)
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法令:空家等対策の推進に関する特別措置法出典:法務省、国税庁
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