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空き家

親が亡くなった後の家の手続き|期限順の全体像と売却

公開 更新

執筆
株式会社リアテクス リアテクス編集部
監修
株式会社リアテクス 執行役員 鶴野 博之(宅地建物取引士(東京)第257503号)
親が亡くなった後の家の手続き|期限順の全体像と売却

「親が亡くなって、何から手をつければいいのか分からないまま実家だけが残っている」。実家の名義変更と売却は、相続人が確定して遺産分割がまとまってからでないと進みません。先に動かすのは、7日以内の死亡届と、3か月以内に決める相続放棄の判断です。

当社は買主として直接買い取るため、相続登記が途中でも決済日から逆算して司法書士と日程を組みますが、税務や登記そのものの代理はできません。この家が買い取れるかどうかだけ、先に聞く(無料)

目次(12章)

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葬儀の前後に動かせるのは、死亡届や火葬許可のように窓口と日数が決まっているものだけです。実家をどうするかという話は、相続人がそろって遺産の中身が見えてからでないと決められません。順番を取り違えると、片づけや解体にお金を使ったあとで分割協議がまとまりません。支払った人だけが損をする形で止まります。

親が亡くなった後の手続きは、期限のある届出と家に関する手続きに分かれる

期限が決まっているのは役所・年金・税の届出で、実家の名義変更と売却はその後ろに並びます。

分かれ目になるのは、その手続きが「誰でも単独で出せるもの」なのか「相続人の全員が関わるもの」なのかという点です。死亡届や火葬許可は、亡くなった事実だけで進められるため日数を区切れます。家の名義を動かす手続きはそうはいきません。相続人が誰で、そのうち誰が引き継ぐのかが決まらないかぎり、申請そのものができません。

亡くなった後の手続きの順番

  1. 当日

    書類の確保と家の保全

    死亡診断書のコピーを取り、家の施錠とガスの元栓を確認する

  2. 2週間ほど

    役所と年金の手続き

    誰でも単独で出せる死亡届や年金停止などの届出を済ませる

  3. その後

    家の名義変更と売却

    戸籍を集めて相続人を確定させてから、家の手続きを進める

先に動くのは役所と年金、家の話は後ろに並ぶ

亡くなってから2週間ほどの間に片づくのは、死亡届、火葬許可、年金の受給を止める届出、健康保険と介護保険の資格喪失、世帯主の変更といった、窓口が決まっている届出です。どれも提出する人が限られておらず、同居の家族や葬儀社が動けば終わります。一方で、実家の登記名義を変える、預金を解約する、売却の契約を結ぶといった手続きは別です。相続人の範囲が戸籍で確定してからでなければ受け付けられません。順番としては、期限の短い届出を先に済ませます。その裏側で、戸籍を集め始める形になります。

亡くなった当日から動かせることは、書類の確保と家の保全に限られる

当日に実際に動かせるのは、死亡診断書を受け取ること、葬儀社を決めること、親族に連絡することです。あとは、誰も住まなくなる家の鍵と戸締りを確かめることぐらいです。死亡診断書は死亡届と一体の用紙になっていて、役所に出すと手元から離れます。提出の前に数部コピーを取っておくと、保険や年金の請求で使い回せます。家については、その日のうちに窓の施錠とガスの元栓を見ておきます。仏壇のろうそくと線香の後始末まで済ませれば、しばらく人が入らなくても大きな事故になりません。

手続きをする人は、相続人が確定するまで決まらない

亡くなった方の財産は、遺産分割が終わるまで相続人全員のものとして扱われます。ですから、実家の片づけや売却の話を誰か一人で進めると、後から他の相続人に同意を求め直す場面が出てきます。先にやるのは、亡くなった方の出生から死亡までの戸籍をたどる作業です。子が何人いるか、先に亡くなった子がいて孫に権利が移っていないかを確かめます。ここで人数が想定より増えるのは珍しくありません。前妻との間の子や、認知された子が出てくることもあります。

親が死亡して家の名義変更をしないとどうなるか

申請の義務に反すると過料の対象になります。それ以前に、名義が亡くなった方のままの家は、売ることも担保に入れることもできません。

郊外の住宅地に建つ木造住宅と、周囲の道路や隣家の様子

どこで差がつくかというと、放置した年数ではなく、その間に相続人の人数が増えたかどうかです。名義を止めている間にも、固定資産税の通知は毎年届き、建物は傷みます。相続人の誰かが亡くなれば、その人の相続人が新しく権利者として加わります。

相続を知った時期と登記の期限

観点2024年4月1日より前に知った場合2024年4月1日以降の相続
対象となるか義務化の対象になる義務化の対象になる
相続登記の期限2027年3月31日まで取得を知った日から3年以内
申請しない場合過料の対象になる過料の対象になる

相続登記の期限は、取得を知った日から3年

相続登記の申請は、いつまでに出すかが法律で決まっています。期限は、不動産を相続で取得したと知った日から3年です。義務が始まったのは2024年4月1日ですが、対象はそれ以降の相続に限りません。施行の前に相続で取得したと知っていた場合も義務の対象で、その場合の期限は2027年3月31日です。正当な理由がないまま申請をしないでいると、不動産登記法の定めにより過料の対象になります(相続登記の申請義務化について(法務省))。手続きの進め方と、過去の相続がどこまで対象になるかは「相続登記の義務化と過去の相続」の記事にまとめています。

名義を止めたまま年を越すと、固定資産税の通知だけが届き続ける

固定資産税は、毎年1月1日時点の所有者に課されます。登記が亡くなった方のままでも、課税がなくなるわけではありません。現に所有している相続人が、連帯して納税義務を負います。市区町村には相続人代表者を届け出る制度があり、届を出せば通知の宛先は決まります。ただし、義務を負う人が一人に絞られるわけではありません。通知が長男に届き、支払いを次男が立て替えるという形が何年も続くこともあります。いざ売却代金を分けるとき、立て替えた額をどう清算するかで話が止まります。

放置した名義は、次の相続で人数が増える

名義を動かさないまま相続人の一人が亡くなると、その人の配偶者と子が新しく権利者になります。兄弟3人で話がついていたはずの家が、次の代ではいとこ同士の話になります。面識のない相手に、印鑑をお願いすることになります。人数が増えるほど、一人あたりの取り分は小さくなるのに、必要な書類と連絡の手間だけが増えます。相続人が多くなったあとで進める方法は「数次相続で相続人が多い実家の売却」の記事にあります。

「親が死亡して家の名義変更をしないとどうなるか」について、そのまま聞けます。

亡くなった親の家に住むか、貸すか、売るかで何が変わるか

毎年出ていく費用と、税の特例が使える期限と、他の相続人との精算の額が変わります。

分かれ目は、そこに住みたい人がいるかどうかではありません。家の価値を誰がいくらで引き受けるかを決められるかどうかです。住む人が現れても、他の相続人の取り分を現金で用意できなければ、話はまとまりません。

亡くなった親の家に住む利点と負担

観点住むメリット住むデメリット
毎月の費用家賃も住宅ローンもかからない断熱の弱さによる光熱費の増加がある
建物の維持と修繕傷みが進みにくく火災保険も通りやすい屋根や外壁、給湯器などの修繕負担が移る

1. そもそも住むことは可能か、他の相続人と相続財産による

遺産分割が終わるまで、実家は相続人全員のものとして扱われます。亡くなった親の家に住むこと自体は可能です。ただし前提として、他の相続人が納得する形で取り分を確保できるかどうかが問われます。預金や生命保険金が十分にあるなら、話は早く進みます。家の評価額に見合う現金を他の相続人へ渡せれば、住み続ける選択はすぐ現実になります。遺産が実家しかない場合は、住む人が代償金を用意するか、他の相続人が取り分を譲るかのどちらかです。

2. 亡くなった親の家に住むメリット

家賃も住宅ローンもかからない住まいが手に入ることが、いちばん大きな利点です。借りている家を引き払って移れば、その家賃分が毎月そのまま浮きます。さらに、住み続ければ建物の傷みが進みにくくなります。通水や換気を気にする必要もなくなります。人が住んでいる家は、火災保険の引受も通りやすくなります。空き家として扱われる場合より、条件がよくなることがあります。将来その家を売るとき、自分が住んでいた家として譲渡の特例を検討できる余地も生まれます。

3. 亡くなった親の家に住むデメリット

築年数の古い家を引き継ぐと、修繕の負担がそのまま自分に移ります。屋根と外壁の塗り替え、給湯器や配管の交換、断熱の弱さによる光熱費の増加は、住み始めてから順に出てきます。通勤や通学の距離が変わることも軽くありません。加えて、他の相続人との間に「あの家をタダで使っている」という感情が残ることがあります。そうなると、分割協議が長引きます。家の評価額を出し、住む人が代償金を払う形にしておくほうが無難です。結果として、関係が保てます。

4. 相続登記をしないまま住むとどうなるか

住んでいることと、登記の名義が自分になっていることは別です。名義が亡くなった親のままでも、事実として住み続けることはできます。ただし、リフォームのローンを組むことも、売ることも、担保に入れることもできません。住んでいる本人が亡くなれば、その家はさらに複雑な共有状態のまま次の世代へ渡ります。住むと決めたのなら、名義を自分に寄せる手続きを先に済ませてください。固定資産税の通知先も保険の契約者も、そこで整理できます。

遺産の内訳と代償金の出どころ

  1. 1

    遺産に十分な預金がある

    家の評価額に見合う現金を他の相続人へ渡せればすぐ現実になる

  2. 2

    遺産が実家しかない

    住む人が代償金を用意するか、他の相続人が取り分を譲る

5. 住むか迷ったときの判断基準

  • 他の相続人に渡す代償金を、いま手元の現金で用意できるか
  • 10年以内に必要になる修繕(屋根・外壁・給湯器・配管)の見積を取れているか
  • 勤め先や学校との距離が変わっても、その家から生活が回るか
  • 住まなくなったときに、賃貸に出せる立地か、売れる立地か

この4つのうち、代償金の用意と修繕費の見通しが立たないときは要注意です。住む前提での話し合いが、途中で崩れやすくなります。住まない場合に残るのは、貸す、売る、更地にする、管理だけ続けるといった形です。費用の比べ方は「空き家の処分方法」の記事に整理しています。

空き家のまま実家を持ち続けると、毎年いくら出ていくか

固定資産税と都市計画税のほかに、火災保険料、水道と電気の基本料金、草刈りと見回りの費用が毎年出ます。

金額を分けるのは建物の大きさより、遠方かどうかと、敷地に木や塀がどれだけあるかです。年に何往復するかで、同じ家でも年間の総額が大きく変わります。

空き家を持ち続けると毎年出る費用

  • 固定資産税と都市計画税

    毎年1月1日時点の所有者に課される

  • 火災保険料

    誰も住まない家は一般物件として扱われることがある

  • 水道と電気の基本料金

    通水のために契約を残せば使わなくてもかかる

  • 草刈りと見回りの費用

    遠方だと年に何往復するかで総額が大きく変わる

1. 固定資産税は1月1日の所有者に課される

納税通知書は毎年春に届きます。名義が亡くなった方のままなら、通知は相続人の代表者宛に届くか、亡くなった方の住所に届き続けます。支払いを止めても、課税がなくなるわけではありません。延滞金が積み上がるだけです。金額を確かめるには、通知書に同封された課税明細書で、土地の課税標準額と家屋の評価額を別々に見ます。家屋の評価額は、築年が進んでも下限で止まります。建物を残すかぎり、家屋分の税は毎年発生します。

2. 住宅用地の特例と、勧告で外れる時期

実家に誰も住んでいなくても、住宅用地の軽減はすぐには外れません。判定の基準は、居住の有無ではなく、住宅として使える家屋が建っているかどうかです。軽減の中身は、地方税法第349条の3の2に定めがあります。敷地のうち200平方メートルまでは課税標準が価格の6分の1、それを超える部分は3分の1です(地方税法(e-Gov法令検索))。外れる引き金は2つです。建物を取り壊すことと、市町村から勧告を受けることです。勧告を受けたまま1月1日を迎えれば、建物が建っていても対象から外れます。

3. 税以外に毎年出る費用

誰も住まない家は、火災保険の引受条件が変わります。住宅物件ではなく、一般物件として扱われることがあります。通水のために水道の契約を残せば、使わなくても基本料金がかかります。庭木は毎年伸びます。放っておくと隣地や道路へ越え、苦情の起点になります。遠方であれば、見回りのたびに交通費と、場合によっては宿泊費が出ます。これらを1年分たし合わせた額が、家を空き家のまま持ち続ける値段です。

固定資産税の課税と通知の時期

  1. 1月1日

    所有者に課税される

    名義が亡くなった方のままでも課税はなくならない

  2. 毎年春

    納税通知書が届く

    相続人代表者か、亡くなった方の住所に通知が届き続ける

4. 持ち続けるか手放すかの分岐点

判断に使うのは、これまでに払った総額ではありません。これから1年で出ていく額と、いま売ったときに手元に残る額の2つです。待つ判断が有利になるのは、数年後に売った手取りが、いまの手取りと待つ間の費用の合計を上回るときだけです。周辺の取引価格が横ばいの地域では、待った年数がそのまま手取りの減少になります。この比べ方は「空き家の固定資産税を払い続ける損益分岐点」の記事で数字の並べ方まで書いています。

遺産分割の決め方で、実家の出口が変わる

分け方は現物分割・代償分割・換価分割・共有のまま残すの4つです。どれを選ぶかで、売る時期も税の特例も変わります。

選び方を分けるのは、実家以外に分けられる財産がどれだけあるかという点です。預金が十分にあれば、家を一人が取れます。遺産が家だけの場合は、売って分けるか、共有のまま残すかに絞られます。

遺産分割の4つの方法と特徴

分け方遺産が家だけの場合売却前の相続登記
現物分割難しい(一人が大きく得をするため)(売却しない)
代償分割代償金を用意できれば選べる(売却しない)
換価分割選べる(争いが起きにくい)必要(全員か代表者の名義にする)
共有のまま残す選べる(記載なし)

1. 現物分割

土地は長男、預金は次男、といった形で、財産ごとに引き継ぐ人を決める方法です。手続きが単純で、家をそのまま使いたい人がいる場合に向きます。難しいのは、実家の価値が遺産全体の大半を占めるときです。誰か一人だけが大きく得をする形になります。土地が広ければ、分筆して分ける方法もあります。ただし、分けた後の各区画が道路に接していないと、その土地には建物を建てられません。分け方は、先に建築の担当窓口で確かめておきます。

2. 代償分割

実家を一人が取得し、その人が他の相続人へ現金を渡す方法です。住み続けたい相続人がいる場合の基本形になります。問題になるのは、渡す現金の額です。固定資産税評価額、相続税評価額、実際に売れる価格のどれを基準にするかで金額が変わります。実際に売れる価格を目安にするなら、国土交通省の不動産情報ライブラリを使います。近隣の成約価格を数年分並べて見ると、話し合いの土台になります。買取業者の提示額を1つ持ち込むと、条件と期限のついた確定した数字として使えます。

3. 換価分割

実家を売って、代金を相続人で分ける方法です。遺産が家しかない場合に、いちばん争いが起きにくい形になります。この場合、売却の前に相続登記を済ませる必要があります。相続人全員の名義にしてから売るか、代表者一人の名義にしてから売って代金を分けるかを決めます。代表者名義にするなら、遺産分割協議書の書き方に注意が要ります。「換価のために便宜上その者の名義とし、売却代金を分配する」という趣旨を残さないと、後で贈与だと見られる余地があります。

4. 共有のまま残す場合に起きること

決められないまま法定相続分どおりの共有にしておくと、その時点では全員が平等に見えます。ただし、売るときは共有者の全員が売主になります。賃貸に出すにも、管理の方針を決める必要が出ます。共有者の誰かが亡くなるたびに権利者が増えます。十数年後には、連絡先の分からない相手が混じります。決めにくいから共有にする、という選択は、次の世代に決めにくさごと引き渡すことになります。

実家を売ると決めた場合、仲介と買取で分かれるもの

金額が確定する時期と、決まるまでに出ていく費用と、引き渡し後に責任が残るかどうかが分かれます。

居間のテーブルを挟んで、家族が話し合っている様子

差が出るのは築年数ではなく、買主が住宅ローンを使えるかどうかです。再建築ができない土地や、接道の条件が足りない土地では、融資を使う買主が審査を通りません。そのため、仲介の期間が読めなくなります。

仲介と買取で変わる手取りの計算

観点仲介で売る場合買取で売る場合
提示される金額このくらいで売れそうだという見込みの額その金額で契約する前提の確定した額
売却額から引かれるもの仲介手数料と実費解体費や残置物の処分費が先に引かれている
手取りの計算想定価格から手数料・実費・保有費用を引く提示額から登記の実費を引く

1. 仲介は見込みの額、買取は確定した額

仲介会社が出す査定価格は「このくらいで売れそうだ」という見込みです。その金額で買う人が現れる保証はありません。買取業者が出すのは、その金額で契約する前提の提示額です。金額の大小を比べる前に、その数字が確定しているのか見込みなのかを分けてください。仲介で売れた場合は、仲介手数料と実費が引かれます。買取では、解体費や残置物の処分費が先に金額から差し引かれています。

2. 決まるまでの期間に出る費用

仲介で売り出している間も、固定資産税、火災保険料、水道と電気の基本料金、草刈りの費用は出続けます。売り出しから成約までに1年かかれば、その1年分が手取りから目減りします。相続人が遠方に散らばっている場合は、内覧のたびに鍵を開けに行く人の交通費も積み上がります。手取りで比べるなら、2つの数字を同じ紙に書き出します。仲介の想定価格から手数料と実費と保有費用を引いた額と、買取の提示額から登記の実費を引いた額です。

3. 相続した家を売るときの3つの留意点

  • 雨漏り、傾き、シロアリの跡など、知っている不具合は隠さずに伝える。告知していれば、引き渡し後に責任を追及される場面を減らせます。
  • 残置物を先に自費で片づけない。処分費を立て替えた人と、後で代金を受け取る人がずれると、そこが最初の揉めどころになります。
  • 税の期限を先に確かめる。相続税を納めた人が3年以内に売った場合、納めた相続税のうち一定額を取得費に加算できる仕組みがあります。期限は、相続税の申告期限の翌日から3年以内です(相続財産を譲渡した場合の取得費の特例(国税庁))。

4. 現況で売るか、解体してから売るか

更地にすれば買主の幅は広がります。ただし解体費が先に出ていき、1月1日に建物がなければ、土地の税は住宅用地の軽減から外れます。前面道路が狭くて重機が入らない、隣家との距離が近くて手壊しの割合が増える、屋根材にアスベストを含む疑いがあるといった条件が重なると、同じ広さでも費用が変わります。壊す前提で見積を取り、その額を差し引いても手取りが増えるかどうかで決めます。見栄えの問題ではありません。

「実家を売ると決めた場合、仲介と買取で分かれるもの」について、そのまま聞けます。

親が亡くなった当日から14日以内にする手続きの順番

死亡診断書の確保から始まり、死亡届、年金、健康保険、世帯主の変更、家の保全の順に進みます。

居間の座卓で、兄弟が手続きの書類を広げて順番を話し合っている様子

早く動くものと、後でも間に合うものを分ける基準は1つです。窓口が受け付ける期限が、法律で決まっているかどうかです。ここで挙げる手続きは、どれも提出先と日数が決まっています。

14日以内に進める手続きの期限

  1. 当日

    死亡診断書の確保

    役所に出す前にコピーを取り、家の施錠とガスを確認する

  2. 7日以内

    死亡届と火葬許可

    死亡を知った日から7日以内に提出し、火葬許可証を受け取る

  3. 10日または14日以内

    年金を止める届出

    厚生年金は10日以内、国民年金は14日以内が目安

1. 当日:死亡診断書を受け取り、コピーを取る

病院で亡くなった場合は、医師から死亡診断書を受け取ります。自宅で亡くなった場合は、かかりつけ医か警察を通じて死体検案書が発行されます。この用紙は左半分が死亡届の記入欄になっていて、役所に提出するとそのまま手元を離れます。生命保険の請求、勤務先への提出、遺族年金の手続きで、同じ書類を求められます。提出の前に、数部コピーを取っておきます。あわせて、葬儀社への連絡、親族への連絡、実家の施錠とガスの元栓の確認まで、この日のうちに済ませます。

2. 7日以内:死亡届と火葬許可

死亡届は、死亡の事実を知った日から7日以内に、亡くなった方の本籍地、死亡地、または届出人の所在地の市区町村へ提出します。提出と引き換えに火葬許可証が交付されます。これがないと火葬ができません。実務では葬儀社が代わりに提出することが多く、家族が窓口に行かないまま済む場合もあります。その場合でも、火葬許可証は手元に戻ってきます。火葬後に返される埋葬許可証は、納骨のときに墓地へ提出します。なくさないように保管してください。

3. 10日または14日以内:年金を止める届出

年金を受け取っていた場合、受給権者死亡届は、厚生年金で10日以内、国民年金で14日以内が目安とされています。日本年金機構にマイナンバーが登録されていれば、届出そのものを省略できる場合があります。止まるまでの間に振り込まれた分は、後で返すことになります。まだ受け取っていない分がある場合は、生計を同じくしていた遺族が未支給年金として請求できます。遺族年金の対象になるかどうかは、加入していた制度と遺族の続柄で変わります。年金事務所で一度にまとめて聞くほうが、早く終わります。

4. 14日以内:健康保険、介護保険、世帯主の変更

国民健康保険や後期高齢者医療の被保険者証は返却し、資格喪失の届出を14日以内に行います。介護保険の被保険者証も同じ窓口で返します。世帯主が亡くなり、残った世帯員が2人以上いる場合は、世帯主変更届を14日以内に出します。亡くなった方が会社の健康保険に入っていて、家族がその扶養に入っていた場合は、別の手続きが要ります。扶養から外れるため、国民健康保険への切り替えか、他の家族の扶養に入る届出をします。葬祭費や埋葬料の給付を受けられる制度もあります。申請しないかぎり支給されません。

5. 公共料金と火災保険を、誰が払う形にするか決める

誰も住まなくなる家でも、通水と換気のために水道と電気を残すかどうかを決めます。残すなら口座引き落としの名義を変え、止めるなら停止の連絡をします。忘れやすいのが火災保険です。契約者が亡くなっても、保険が自動で切れるわけではありません。ただし住む人がいなくなれば用途が変わるため、保険会社への通知が要ります。通知をしないまま火災が起きると、支払いの判断で争いになることがあります。満期が近い場合は、更新するのか、誰の名義で更新するのかを相続人で決めておきます。

6. 現金・通帳・権利証の所在を確かめ、銀行への連絡を決める

現金、通帳、印鑑、登記識別情報の通知や権利証、保険証券、固定資産税の納税通知書を集めます。一か所にまとめて、誰かが預かります。誰が預かったかを他の相続人にも伝えておくと、後で疑いが生まれません。金融機関へ死亡を伝えると口座は凍結され、引き落としも止まります。葬儀費用の支払いに充てたい場合は、勝手に引き出すのではなく、民法第909条の2の仮払い制度を使います。この制度では、同一の金融機関ごとに上限150万円まで単独で払戻しを受けられます。枠は、預貯金額の3分の1に自分の法定相続分を掛けた額です。

3か月・4か月・10か月の期限で決める相続の手続き

相続人の確定と財産の洗い出しを先に終えると、相続放棄、準確定申告、相続税の申告の判断が順に決まります。

庭先で草むしりをしている後ろ姿

この区間で結果が分かれるのは、借金を含めた財産の全体像を3か月以内につかめたかどうかです。つかめないまま期限を過ぎると、選べる道が一つ減ります。

相続人を戸籍で確定する手順

  1. 1

    亡くなった方の戸籍集め

    出生から死亡までの戸籍謄本を、本籍を移した回数だけさかのぼる

  2. 2

    相続人の書類集め

    相続人それぞれの戸籍謄本と住民票を集める

  3. 3

    法定相続情報一覧図の作成

    法務局で1枚作ると、金融機関ごとに戸籍を出し直す手間が減る

1. 相続人を戸籍で確定する

亡くなった方の出生から死亡までの戸籍謄本を、本籍を移した回数だけさかのぼって集めます。転籍を繰り返していると、複数の市区町村に請求することになります。あわせて、相続人それぞれの戸籍謄本と住民票も必要です。法務局では、法定相続情報一覧図の保管と交付を受けられます。これを1枚作っておくと、銀行や証券会社ごとに戸籍の束を出し直す手間が減ります。相続から引き渡しまでの全体の順番は「実家 空き家 売却の順番」の記事に並べています。

2. 財産の一覧を作る

預金は各金融機関に残高証明書を請求し、亡くなった日時点の残高を押さえます。不動産は、市区町村の税務課で名寄帳を取ります。その市区町村内にある名義の不動産が、一覧で出ます。実家の裏の細長い土地や、私道の持分が、ここで初めて出てくることがあります。借入金は、信用情報機関への開示請求で確認できます。保証人になっていた契約は、書面が残っていないかぎり見つけにくいものです。郵便物と通帳の入出金を、数年分さかのぼって確かめます。

3. 3か月以内:相続放棄か限定承認かを決める

相続放棄は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に、家庭裁判所へ申述します(民法第915条)。借金が財産を上回る場合の選択肢です。放棄すると、実家も含めて一切を引き継がなくなります。財産の調査が終わらない場合は、期間の伸長を家庭裁判所に申し立てる方法があります。放棄しても、次に管理する人が決まるまで一定の管理の義務が残る場面があります。この点は「相続放棄しても実家の管理義務は消えない」の記事で整理しています。

4. 4か月以内:準確定申告

相続人が代わりに確定申告をする場面があります。亡くなった方に事業所得や不動産所得があった場合、給与以外の収入が一定額を超えていた場合、医療費控除で還付を受けられる場合です。期限は、相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内です。年金収入だけで源泉徴収が完結していた方なら、申告が要らないこともあります。ただし年内に多額の医療費を払っていた場合は、申告して還付を受けられることがあります。判断に迷う場合は税務署で確認してください。

5. 遺産分割協議書を作る

相続人の全員が合意した内容を書面にし、全員が署名して実印を押し、印鑑証明書を添えます。実家については、どの不動産かを登記事項証明書のとおりに特定して書きます。所在、地番、地目、地積、建物の家屋番号と床面積まで、登記の表示を写します。売って分ける場合は、誰の名義で売るのかまで書きます。代金から何を差し引いてから分けるのかを残しておくと、引き渡し後の清算で揉めません。遺言書がある場合は、自筆証書遺言なら家庭裁判所の検認を先に受けます(法務局で保管されていた場合を除きます)。

6. 10か月以内:相続税の申告と納税資金

相続税の申告と納付の期限は、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内です。基礎控除の範囲に収まれば、申告は要りません。ただし小規模宅地等の特例や配偶者の税額軽減で税額がゼロになる場合は、申告が適用の条件になります。現金が足りず、実家を売って納税資金を作る場合は逆算が要ります。売却の話は、相続開始から半年ほどで動かし始めないと間に合いません。売れずに期限を迎えたときの延納や物納の考え方は、税務署か税理士に早めに相談してください。

家の名義変更から売却と入金までの手順

相続登記を終え、担保と住所の登記を整え、価格を2種類取ってから契約と決済に進みます。

ここで時間がかかるのは登記そのものではなく、その前に必要な戸籍と印鑑証明書がそろうまでの待ち時間です。遠方の相続人がいる場合は、郵送のやり取りの回数が日程を決めます。

相続登記の申請に必要な書類

  • 遺産分割協議書

    申請時に法務局へ提出する

  • 相続人全員の印鑑証明書

    遺産分割協議書とあわせて必要になる

  • 亡くなった方の戸籍

    出生から死亡までのすべてをさかのぼって集める

  • 相続人の戸籍と住民票

    相続人それぞれの分をそろえる

  • 固定資産評価証明書

    登録免許税の計算に使う評価額を確かめる

1. 相続登記を申請する

書類をそろえて、不動産の所在地を管轄する法務局へ申請します。遺産分割協議書、相続人全員の印鑑証明書、亡くなった方の出生から死亡までの戸籍、相続人の戸籍と住民票、不動産の固定資産評価証明書です。自分で申請する場合にかかるのは、登録免許税と書類の取得実費です。相続による所有権移転登記の登録免許税は、固定資産税評価額の0.4パーセントです。税率は、登録免許税法の別表に定められています。司法書士に依頼する場合の報酬は事務所ごとに違うため、見積もりで確認してください。

2. 抵当権の抹消と住所変更の登記を確かめる

古い住宅ローンが完済されているのに、抵当権の登記だけが残っている家は珍しくありません。完済時に金融機関から渡された書類が、実家のどこかに眠っていることが多いです。見つからない場合は、金融機関に再発行を依頼します。また、親が引っ越したまま登記上の住所を変えていない場合は、住所変更の登記が要ります。どちらも、売却の決済までに終えておく必要があります。買主側の司法書士と同じ日に、まとめて処理するのが通例です。

名義変更から売却準備までの手順

  1. 1

    相続登記の申請

    遺産分割協議書や戸籍をそろえ、法務局へ所有権移転登記を出す

  2. 2

    担保と住所の登記確認

    古い抵当権の抹消や、親の住所変更登記が必要か確かめる

  3. 3

    家の現況の記録

    雨漏りや傾き、残置物の量などを写真で残し、状態を把握する

3. 家の現況を記録する

雨漏りの跡、床の傾き、外壁の割れ、残置物の量、庭木の越境の有無を写真で残します。撮る日は分けず、同じ日にまとめます。後から状態を比べやすくなります。電気と水道が使えるか、鍵が何本あるか、物置や井戸、浄化槽、古い車両が敷地にないかも確かめます。ここで把握した内容をそのまま伝えると、査定の段階で不確定の幅として差し引かれる分が小さくなります。

4. 価格を2種類取る

買取の提示額と、仲介の想定成約価格の両方を取ります。買取の提示額は、その金額で契約できる確定した数字です。相続人の話し合いで、そのまま使えます。仲介の査定価格は、売り出してから決まるまでの期間と、その間に出る費用を差し引いてから比べます。金額のない話し合いは、「安く売りたくない」と「早く終わらせたい」が根拠なしに対立します。確定した数字を1つ持ち込むだけで、議論の形が変わります。

5. 契約と決済を組む

売買契約を結び、決済日に代金の受け取りと所有権移転の登記を同じ日に行います。売主が遠方にいる場合は、契約を郵送で持ち回り、決済に司法書士が立ち会う形で進められることがあります。相続人が複数で全員が売主になる場合は、代表者に委任する方法もあります。その場合、委任状と印鑑証明書の有効期限に注意が要ります。行かずに進める場合の書類の流れは「遠方の実家を行かずに売却する方法」の記事にまとめています。

6. 売却後の税を確かめる

売って利益が出れば、譲渡所得に所得税と住民税がかかります。納めるのは、売った翌年の確定申告です。相続した家では、亡くなった方の取得時期と取得費を引き継ぎます。取得費が分かる書類がない場合は、収入金額の5パーセントを取得費として計算します。その分だけ、税額が増えます。被相続人が一人で住んでいた家屋とその敷地には、譲渡所得の特別控除があります。一定の要件を満たせば、控除額は最大3,000万円です。相続人が3人以上いる場合は上限が変わります。令和6年1月1日より後の譲渡では、一人が引ける額は2,000万円までです。昭和56年5月31日以前に建築されたことは、主な要件の1つです(被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例(国税庁))。残りの要件と適用の期限は「空き家3000万円控除の条件」の記事と、「相続した家の売却の税金」の記事で確認できます。

なお、この記事の税務・法務に関する記載は一般的な情報提供であり、個別の事案についての判断ではありません。適用の可否や具体的な税額は、税務署または税理士にご確認ください。登記は司法書士、境界や隣地との権利関係は弁護士や土地家屋調査士が窓口になります。当社は不動産の買主であり、税務や法律の代理はできません。

「家の名義変更から売却と入金までの手順」について、そのまま聞けます。

当社が親の残した家を買い取る場合の進み方と、買い取れない場合

相続登記が途中の段階でも、ご相談は受けます。ただし所有権を移す決済の日までには、登記を終えている必要があります。

木造住宅の外壁と、手入れされた庭の植え込みの様子

買取の前に確かめる3つの状況

  • 戸籍と遺産分割の進み具合

    引き渡し希望日から逆算して決済日を決める起点

  • 建物の傷み方と残置物

    放置された傷みの範囲が解体か修繕かの判断を分ける

  • 日割りで精算する費目

    固定資産税や火災保険など引き渡し日を境に分ける

取引態様:買主(当社が自ら買い取ります)/媒介(当社で買い取れない物件は、仲介で売却をお手伝いします)

先に確かめる3点

戸籍と遺産分割がどこまで進んでいるかを最初に伺います。ここが、決済日の逆算の起点になります。登記がまだであれば、引き渡し希望日から戻して司法書士と日程を組みます。次に建物の傷み方と残置物を見ます。親が亡くなって人の出入りが止まった家は、雨漏りが進んでも誰も気づきません。年単位で放置されていることがあり、傷みの範囲が解体か修繕かの判断を分けます。最後に、固定資産税や火災保険など、引き渡し日を境に日割りで精算する費目の状況を確認します。納税通知書が手元にあれば、その場で年額を確かめられます。

ご相談から入金までの進み方

日程の目安は、ご相談の当日に買取価格をお出しするところから始まります。価格のご提示までは30分ほど、ご契約までは1〜2週間が目安です。お引き渡しは早ければ2週間以内で、その日に売買代金をご入金します。購入は自己資金で行うため、融資の特約は付けません。決済日は、売主さまのご都合に合わせます。遠方にお住まいなら、鍵をお預かりして当社だけで現地を見ることもできます。書類は、登記識別情報または権利証、本人確認書類、印鑑証明書、納税通知書が基本です。相続した物件では、戸籍などが追加で要ります。売主さまのご負担は、印紙代と、抵当権抹消や住所変更の登記費用です。相続した物件では、相続登記の費用も加わります。いずれも個別のご案件によります。当社が買い取る場合、仲介手数料はいただきません。買い取った例としては、東京都立川市の築40年以上・再建築不可の空き家が200万円台、東京都東大和市の同様の空き家が100万円台です。

当社が買い取れない場合と、他の道のほうが向く場合

  • 仏壇、位牌、遺骨が家に残っていて、引き取り先や納骨の予定が決まっていない場合。祭祀の承継が決まるまで動かせないものがあります。引き渡し日を確定できません。
  • 故人以外の名義の物が家に残り、持ち主の引き取りが決まっていない場合。親族が預けた車両や、リース契約中の介護用品などは、当社が処分の判断をできません。
  • 宅地と地続きの農地が一体で、農地の部分だけを切り分けられない場合。農地の売買には農地法の許可が別に要ります。許可の見通しが立たないと、価格を出せません。

仲介のほうが手取りが多くなる家もあります。建物がまだ住める状態で、前面道路に問題がなく、住宅ローンを使う買主が普通に審査を通る立地です。この条件なら、時間をかけて買主を探す価値があります。相続人の一人が住み続けたいと言っている段階や、遺産分割の調停が続いている段階は別です。売らずに弁護士へ相談を進めたほうが、結果は早くまとまります。買取を選ぶと手取りがどう下がるかは「空き家を買取で売るデメリット」の記事に書いているので、比べてからお決めください。

「当社が親の残した家を買い取る場合の進み方と、買い取れない場合」について、そのまま聞けます。

親が亡くなった後の家の手続きは、期限の順に片づける

  • 期限の短い届出と、家の手続きは層が違います。 死亡届は7日以内、年金と健康保険と世帯主の変更は10日から14日以内です。ここは、誰かが動けば終わります。実家の名義と売却はその後です。戸籍で相続人が確定し、遺産分割がまとまってからでないと、申請そのものができません。
  • 相続登記には3年の期限があります。 相続で取得したことを知った日から3年以内で、2024年4月1日より前に知っていた場合は2027年3月31日までです。名義を止めている間に相続人が亡くなれば、次の代で権利者が増えます。同じ家を売るために必要な同意の数も増えます。
  • 住むか、貸すか、売るかは、代償金と修繕費で決まります。 他の相続人に渡す現金を用意できるか、10年以内に出る修繕の見積を持っているかが分かれ目です。空き家のまま置くなら、税と保険と水道と草刈りと交通費を1年分たし合わせた額が、待つことの値段になります。

当社は買主として直接買い取るため、片づけや解体をしていただく必要はありません。処分費や解体費を差し引いている場合は、その内訳を提示のときにお示しします。

査定は無料・売却の義務なし
0120-829-594受付時間10:00〜19:00(水・日曜定休)

通話料無料・全国対応

この先は、当社の買取窓口「買取くん」のページです(運営は同じ株式会社リアテクスです)。

親が亡くなった後の家の手続きについてよくある質問

Q1. 親が死亡して家の名義変更をしないとどうなりますか

相続登記の申請は義務です。正当な理由がないまま期限を過ぎると、過料の対象になります。それ以上に困るのは、名義が亡くなった方のままだと売ることも担保に入れることもできない点です。固定資産税の通知だけは、相続人に届き続けます。支払いを立て替える人と、後で代金を分ける人がずれていきます。さらに、放置している間に相続人の一人が亡くなると、その配偶者と子が権利者に加わります。必要な同意の数が増えます。

Q2. 親が亡くなったら、まず何の手続きから始めればよいですか

まず死亡診断書を受け取り、数部コピーを取ります。7日以内に死亡届を出し、火葬許可を受けるところまでが最初です。その後、年金の受給を止める届出、健康保険と介護保険の資格喪失、世帯主の変更を2週間ほどで片づけます。家については、当日のうちに施錠とガスの元栓を確かめます。通帳や権利証、納税通知書の所在もまとめておきます。並行して、亡くなった方の出生から死亡までの戸籍を集め始めると、3か月以内の相続放棄の判断に間に合います。

Q3. 家の名義変更を自分でやるといくら費用がかかりますか

自分で申請する場合にかかるのは、登録免許税と、戸籍や住民票などの書類の取得実費です。登録免許税は、固定資産税評価額の0.4パーセントです。税率は、登録免許税法の別表に定められています。評価額は、市区町村で取得する固定資産評価証明書に記載があります。書類の取得実費は、請求先の数だけ増えます。転籍を繰り返していた場合は、郵送の費用も見込んでください。司法書士に依頼する場合の報酬は事務所ごとに違うため、複数から見積もりを取って比べるのが確実です。

Q4. 死亡後、銀行口座をそのままにしておくとどうなりますか

金融機関に連絡をしなければ口座は凍結されず、公共料金などの引き落としもそのまま続きます。ただし、引き落とされた分は亡くなった方の財産から出ています。後で遺産分割のときに、清算が必要になります。長期間、取引も残高照会もない状態が続くと、休眠預金として扱われます。それでも、手続きをすれば払い戻しを受けられます。相続税の申告では亡くなった日時点の残高証明書が要るため、いずれにしても金融機関とのやり取りは避けられません。

Q5. 銀行に死亡の連絡をしないとどうなりますか

連絡をしないこと自体に罰則はありません。ただし口座が動く状態のまま相続人の誰かが引き出すと、後から使途を説明する場面が出てきます。遺産分割が終わる前に引き出された分は、最終的に取り分から差し引いて調整します。金額そのものより、勝手に動かしたという事実が話し合いを長引かせます。葬儀費用に使いたい場合は、引き出す前に仮払い制度を検討してください。立替払いと領収書の保管で対応したほうが、後の説明も楽になります。

Q6. 亡くなった人のATMからお金を引き出せますか

凍結される前なら、物理的にはカードで引き出せてしまいます。ただし相続財産を使ってしまうと、相続を単純承認したものとみなされる場合があります(民法第921条)。後から借金が見つかっても、相続放棄ができなくなるおそれがあります。葬儀費用のためであっても同じです。当座の資金が要る場合は、民法第909条の2の仮払い制度を使ってください。枠は預貯金額の3分の1に法定相続分を掛けた額で、上限は150万円です。

Q7. 亡くなった親の家に、そのまま住み続けることはできますか

遺産分割が終わるまで、実家は相続人全員のものとして扱われます。関係を整理しないまま住み続けると、取り分の話が後回しになります。生前から同居していた相続人について、分割が終わるまで無償で使えるものとして扱った裁判例があります。ただしそれは、住む権利が確定したという意味ではありません。住むと決めたなら、家の評価額を出して代償金の額を決めます。相続登記で名義を自分に移すところまでを、一続きで進めてください。

Q8. 空き家のまま置いておくと、税金はいつから上がりますか

上がる引き金は、市町村から勧告を受けることと、建物を取り壊すことの2つです。勧告を受けた状態のまま1月1日を迎えると、建物が建っていても住宅用地の特例から外れます。その年度の課税で、軽減がなくなります。勧告の前には指導の段階があります。草刈りや窓の補修で改善すれば、勧告には進みません(空き家対策(国土交通省))。役所から封書が届いたら、開封して日付と求められている内容を確かめてください。

当社の見方

抵当権とは、「金融機関が融資を行う際に、返済ができなくなったときのために、不動産を担保に取る権利」です。

ただし、購入する際には引き渡しまでに売主の責任と負担で抵当権を抹消する必要があります。

注意すべきは、完済すれば抵当権はなくなるものの、登記簿謄本から抵当権が自動的に消えるわけではありません。

なので、抹消する手続きを行わない限りローンを完済したあとでも抵当権は登記簿上残ることになります。

そして、所有権移転の時期までに抵当権等を抹消しなければいけません。

基本的に、決済日当日に買主はその費用で一括返済するため、その際に抵当権が抹消することとなります。

そのため、「抵当権付物件」であっても仲介業者や司法書士が段取りをするので特に心配する必要はないです。

この記事について

執筆・編集
リアテクス編集部株式会社リアテクス当社(宅地建物取引業 東京都知事(1)第107888号)は物件を直接買い取る買主の立場から、売却を検討する方の判断材料となる記事を企画・編集しています。
監修
鶴野 博之鶴野 博之株式会社リアテクス 執行役員宅地建物取引士(東京)第257503号/賃貸不動産経営管理士/2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)この区分の監修を担当しています。記事の公開判断は当社代表が行っています。
公開・更新
公開 更新 内容を見直したときは、この日付と改訂の内容を更新しています。
この記事の事実確認の方法
法令:地方税法出典:法務省、国税庁、国土交通省
記事の作り方
この記事は、当社の担当者が事実確認を行ったうえで公開しています。

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