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空き家

空き家売却の仲介手数料はいくら?上限と33万円の特例

公開 更新

執筆
株式会社リアテクス リアテクス編集部
監修
株式会社リアテクス 執行役員 鶴野 博之(宅地建物取引士(東京)第257503号)
空き家売却の仲介手数料はいくら?上限と33万円の特例

「相続した実家の土地を500万円で売るとしたら、仲介手数料はいくらぐらいかかるのか知りたい」。仲介手数料の上限は、400万円を超える家なら価格の3%に6万円を足した額(税別)で、800万円以下の家は特例で消費税込み33万円まで上がります。

当社が買い取る場合は仲介手数料はかかりませんが、価格は一般の方に売れる見込みより低くなります。800万円前後で一般の買主がローンを組める家は、仲介の方が手取りが多く残ることがあります。この家が買い取れるかどうかだけ、先に聞く(無料)

目次(6章)

相続した空き家の売却は、仲介手数料を払う前に手取りで比べられます

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相続した空き家を500万円で売ると、仲介手数料の上限は消費税込みで23万1,000円です。ただし800万円以下の家は、2024年7月に始まった特例で、上限が33万円まで上がります。どちらの額になるかは、媒介契約を結ぶ前の説明と合意で決まります。手元に残るのは、そこから印紙代と登記の費用を引いた額です。

空き家売却の仲介手数料はいくら?上限と33万円の特例の要点を、定義・この記事でわかること・よくある質問の順に短くまとめた動画です。

空き家の売却で仲介手数料はいくら?上限は3段階の率の足し算で、800万円以下は最大33万円

実家の居間で、夫婦が向かい合って話し合っている(空き家の売却について)

空き家の売却で払う仲介手数料には、上限があります。400万円を超える家なら、売却価格の3%に6万円を足し、消費税を加えた額です。上限の根拠は宅地建物取引業法第46条です。額そのものは、同条にもとづく国土交通大臣の告示が決めています。

仲介手数料は、売れたときにだけ払う成功報酬です。媒介契約を結んでも、買主が見つからずに終われば払いません。売主は自分が頼んだ仲介会社に払います。買主は、買主が頼んだ会社に払います。1社が両方から頼まれていれば、その会社は売主と買主の両方から受け取ります。

上限は「これより多くは受け取れない」という線です。同条は、告示の額を超えて報酬を受け取ることを禁じています(宅地建物取引業法(e-Gov法令検索))。下回る額で契約するのは自由です。実際には、上限の額をそのまま示されることが多くあります。自分の家の上限を先に出しておくと、話が早く進みます。

価格帯ごとに率が変わる、仲介手数料の上限の計算式

上限の額は、売却価格を3つの部分に切り、それぞれに違う率を掛けて足します。宅地建物取引業法第46条にもとづく国土交通大臣の告示(昭和45年建設省告示第1552号)は、200万円以下の部分に5%、200万円を超え400万円以下の部分に4%、400万円を超える部分に3%を掛けると定めています。ここまでは消費税を含まない額です。

500万円の家で計算してみます。宅地建物取引業法第46条の告示の率に当てはめると、200万円までの部分が10万円、次の200万円の部分が8万円、残る100万円の部分が3万円です。合計は21万円で、消費税を加えると23万1,000円になります。

毎回3つに切るのは手間です。そこで、宅地建物取引業法第46条にもとづく同じ告示の率から導いた速算式がよく使われます。400万円を超える家は、価格の3%に6万円を足す。200万円を超え400万円以下の家は、価格の4%に2万円を足す。200万円以下の家は、価格の5%をそのまま使う。どれも結果は、3つに切って足した額と同じです。

土地だけを売る場合も、計算は同じです。土地の代金には消費税がかかりません。それでも、仲介会社に払う手数料には消費税がかかります。代金と手数料で扱いが違うので、見積りを読むときに混同しないでください。

計算の元になるのは、売り出し価格ではなく、実際に売買契約を結んだ価格です。個人が自分の家を売るときは、建物の代金にも消費税はかかりません。そのため、成約価格がそのまま計算の元になります。値下げをして売れたなら、下げたあとの価格で計算し直します。

500万円の家の仲介手数料の内訳

  • 200万円以下の部分10万円
  • 200万超400万円以下8万円
  • 400万超500万円以下3万円

低廉な空き家の仲介手数料特例の概要と、最大33万円になる条件

2024年7月1日から、価格が800万円以下の宅地や建物には別の上限ができました。仲介するときは、通常の計算の額を超えて、消費税込み33万円まで受け取れます。告示の中で「低廉な空家等」と呼ばれる特例です。名前に空家とあります。それでも国土交通省の解説では、実際に空き家かどうかは問いません。線を引いているのは価格だけです。

特例で上がるのは、上限の額です。33万円を必ず払うという決まりではありません。仲介会社がこの額を受け取るには、条件があります。媒介契約を結ぶときに、報酬の額を前もって依頼者に説明し、合意を得ることです。説明も合意も無ければ、上の計算式で出した額が上限のままです。

この特例は、売主の側だけでなく買主の側にも使えます。同じ会社が両方から頼まれていれば、それぞれから33万円まで受け取れることになります。売主が気にするのは、自分が払う分だけで構いません。

800万円ちょうどの家は、通常の計算でも消費税込み33万円です。特例があってもなくても、上限は変わりません。800万円を少しでも超えれば特例の対象から外れ、通常の計算に戻ります。特例で負担が増えるのは、800万円より安い家だけです。安い家ほど、通常の上限との差が開きます。

仲介手数料の上限を求める速算式

売却価格帯速算式(税抜)
400万円超売却価格 × 3% + 6万円
200万円超〜400万円以下売却価格 × 4% + 2万円
200万円以下売却価格 × 5%

特例が改正された理由と、低廉な空き家を売却する側のメリット

価格の安い物件ほど、仲介会社の報酬は少なくなります。改正の理由は、その報酬で調べる手間の費用をまかなえなかったことです。300万円の家なら、通常の上限は消費税込みで15万4,000円です。遠方への現地調査や役所での確認、境界の立会いを重ねると、報酬が費用に届かないことがあります。そのため安い家は、仲介会社に引き受けてもらいにくい状態が続いていました。

特例はもともと、2018年に400万円以下の物件で、売主から受け取る分に限って始まったものです。それでも安い空き家の流通は進みませんでした。2024年の改正で、対象が800万円以下に広がり、買主から受け取る分にも使えるようになりました。

売主の側のメリットは、引き受け手が見つかりやすくなることです。地元の会社に「その価格では扱えない」と言われた家でも、報酬が見合えば話を聞いてもらえる余地が出ます。相続した実家が地方にあり、売り先がなかなか決まらないこともあります。そのときの選び方は、「田舎の実家が売れないときの処分」の記事がつなげています。

反対に、負担も増えます。300万円の家で特例の上限まで払えば、通常の上限より17万6,000円多くなります。その分だけ手取りが減ります。引き受けてもらえることと、手取りが減ることを並べて、どちらを取るかを決める話です。800万円を超える家なら、この改正の影響はありません。

「空き家の売却で仲介手数料はいくら?上限は3段階の率の足し算で、800万円以下は最大33万円」について、そのまま聞けます。

空き家の売却価格で仲介手数料はいくら変わる?300万・500万・800万円で最大17.6万円の差

木造の空き家と、その周囲の住宅街

同じ空き家でも、特例の33万円が使われるかどうかで、300万円の家では手数料が17万6,000円変わります。

差が出るのは、価格が安い家です。価格が上がるほど通常の上限が33万円に近づき、800万円で並びます。どの価格帯にいるかで、手数料について確かめることも変わります。

1. 300万・500万・800万円の仲介手数料の早見表

売却価格ごとの上限を並べると、次のとおりです。どちらも消費税込みの額です。

売却価格通常の計算の上限特例に合意した場合の上限
300万円15万4,000円33万円
500万円23万1,000円33万円
800万円33万円33万円(変わらない)
1,000万円39万6,000円対象外(通常の計算のみ)

300万円の家では、特例の上限が通常の倍を超えます。500万円の家では、差は9万9,000円です。800万円の家では差がありません。1,000万円の家は特例の対象外で、通常の計算だけになります。

同じ相続した実家でも、建物の状態や立地で価格は大きく変わります。売り出す前に自分の家がどの行に近いかを見当づけると、仲介会社の説明を待たずに上限の額が分かります。

売り出しの途中で値下げをすると、表の行が変わることがあります。850万円で売り出した家を780万円に下げて売れれば、特例の対象に入ります。最初の媒介契約では、通常の額に合意していたとします。それでも値下げのときに、特例の額を改めて示されることがあります。価格を変える書面に署名するときは、報酬の欄も一緒に読み直してください。

2. 33万円を請求されるかは、媒介契約を結ぶ前の説明と合意で決まる

特例の額を払うかどうかは、媒介契約を結ぶ前の段階で決まります。仲介会社には、契約の前に報酬の額を説明し、合意を得ることが求められているからです。契約書に署名したあとで「実は33万円でした」となる形は、本来ありません。

媒介契約を結ぶと、仲介会社は契約の内容を書いた書面を依頼者に渡します(宅地建物取引業法第34条の2)。報酬の額はこの書面に入ります。署名の前に、報酬の欄が通常の計算の額なのか、特例の額なのかを読んでください。

確かめる問いは2つで足ります。「この家の仲介手数料は、消費税込みでいくらですか」。「その額は、通常の計算ですか、特例ですか」。特例の額を示されたら、なぜその額になるのかも聞けます。遠方で現地へ何度も行く、境界の資料がそろっていないなど、理由が具体的なら判断の材料になります。

署名は、合意したという意味になります。納得できなければ、署名する前に通常の額を求めるか、別の会社に相談するかを選べます。

実家を兄弟で共有しているときは、手数料の数え方に注意が要ります。家全体を1つの取引として売るので、手数料は持分ごとではなく、家全体の価格で1回分を計算します。500万円の家を3人で共有していても、上限は家全体で23万1,000円です。媒介契約には、共有者全員の同意が要ります。手数料を誰がいくら負担するかに、法律で決まった分け方はありません。持分の割合で分けるか、代表の1人が払って代金の分配で調整するかです。契約の前に共有者の間で決めておくと、決済の日にもめません。

売却価格による特例と通常計算の差額

  • 特例が通常の倍を超える300万17.6万円
  • 差が縮まる500万9.9万円
  • 通常計算と並ぶ800万0万円

3. 上限は上限なので、仲介手数料の値引きは交渉できる

宅地建物取引業法第46条が禁じているのは、上限を超えて受け取ることだけです。上限より低い額で契約することは禁じていません。値引きを頼むこと自体は、売主の自由です。

頼むなら、媒介契約を結ぶ前です。売れたあとで減額を求めても、契約書に書いた額が基準になります。複数の会社に同じ条件で相談し、手数料の額も並べて比べると、交渉の土台ができます。

ただし、値引きには裏側があります。安い家ほど、もともとの報酬が少ないからです。さらに下げると、写真の撮り直しや現地の案内、遠方への立会いが後回しになることがあります。売れるまでの期間が延びれば、その間の固定資産税や草刈りの費用がかさみます。手数料で数万円下がっても、期間で数万円出ていけば同じことです。

「手数料無料」「半額」をうたう会社もあります。多くは、買主の側から手数料を受け取るなど、別のところで収入を得る形です。仕組みそのものは違法ではありません。気にしたいのは、売主の側に立って価格を交渉してくれるかどうかです。

媒介契約の書面には、手数料のほかに、広告や遠方への出張の費用を別に請求するかが書かれることがあります。仲介手数料とは別に受け取れるのは、売主が特別に頼んだ広告など、依頼者の依頼で生じた費用に限られます。頼んでいない費用の項目があれば、署名の前に消してもらうか、理由を聞いてください。

特例の適用に必要な条件

  • 対象の価格か

    売却価格が800万円以下であること

  • 事前の説明を受けたか

    媒介契約を結ぶ前に報酬額の説明を受けること

  • 事前に合意したか

    媒介契約を結ぶ前に特例の額に合意すること

  • 書面の記載は正しいか

    署名前に契約書の報酬欄が特例の額か確認する

4. 仲介で売るか買取にするかは、手数料の額より買主が付くかで分かれる

仲介と買取のどちらが多く残るかは、手数料の有無ではなく、一般の買主が付く家かどうかで決まります。仲介で売れば手数料がかかります。それでも、一般の買主が住宅ローンを組んで買える家なら、成約価格が買取の価格を上回ります。手数料を引いても、多く残ることがあります。

逆の家もあります。雨漏りや傷みがひどい家、家財が残ったままの家、建て替えに制限がある土地です。こうした家は、一般の買主が付くまでに時間がかかります。値下げを重ねるうちに、成約価格が買取の価格に近づくことがあります。

比べるときは、仲介の想定価格から手数料と、売れるまでの期間の費用を引いた額を出します。その額と、買取の提示額を並べてください。周辺で実際に取引された価格は、国土交通省の不動産情報ライブラリで、地域や面積を指定して調べられます。そこに出るのは一般の買主が買った価格で、傷んだ家が建ったままの価格ではありません。

買取にしたときに何を失うかは、「空き家を買取で売るデメリット」の記事で、仲介が向く家の条件と合わせて確かめられます。

5. 媒介契約の3つの種類で、手数料の扱いと縛りが変わる

仲介を頼むときの契約は、一般媒介・専任媒介・専属専任媒介の3つです。どれを選んでも、手数料の上限の計算は同じです。違うのは、何社に頼めるか、どれだけ報告を受けられるかです。

一般媒介は、複数の会社に同時に頼めます。売れたときに手数料を払うのは、買主を見つけた1社だけです。ただし、どの会社も「他社で決まるかもしれない」と考えるので、安い家では力を入れてもらいにくくなります。

専任媒介と専属専任媒介は、1社だけに頼む契約です。宅地建物取引業法第34条の2は、この2つの有効期間を3か月以内としています。仲介会社には、販売の状況を売主へ報告するよう求めています。報告は、専任媒介なら2週間に1回以上、専属専任媒介なら1週間に1回以上です。物件をレインズ(指定流通機構)に登録する期限も、契約の日から専任媒介は7日以内、専属専任媒介は5日以内(休業日を除く)です。専属専任媒介では、売主が自分で見つけた相手とも、その会社を通さずに契約することができません。

相続した実家が遠方にあるなら、報告を受けられる専任の形が向くことがあります。期間が3か月で区切られるので、売れなければ別の会社に切り替える判断もしやすくなります。

値下げで特例の対象になる場合

  1. 1

    800万円超で売り出す

    最初の媒介契約では通常の額に合意する

  2. 2

    800万円以下に値下げ

    売り出しの途中で価格を下げると特例の対象に入る

  3. 3

    特例の額が示される

    値下げのときに特例の額を改めて示されることがある

  4. 4

    報酬欄を読み直す

    価格を変える書面に署名する前に報酬の欄を確認する

「空き家の売却価格で仲介手数料はいくら変わる?300万・500万・800万円で最大17.6万円の差」について、そのまま聞けます。

空き家を仲介で売ると、手数料のほかにいくら引かれる?手取りを出す3つの手順

役所の待合室のベンチに座って、手続きの順番を待っている人

仲介手数料のほかに売主が払う主な費用は、印紙代と登記の登録免許税です。評価額300万円の家を500万円で売る例では、合計1万5,000円です。

これに司法書士への報酬と、翌年の税が加わります。司法書士の報酬は事務所や手続きの数で変わるので、見積りで確かめます。手取りの見当は、次の3つの手順でつけられます。

1. 登記簿で、名義・抵当権・住所の3か所を確かめる

最初に、法務局で土地と建物の登記事項証明書を取ります。見るのは名義・抵当権・住所の3か所です。どれが当てはまるかで、引かれる費用の項目が変わります。

名義は、甲区の所有者の欄で見ます。そこに亡くなった親の名前が残っていると、買主へ名義を移す登記ができません。売る前に、相続人の名義に移す相続登記を済ませます。この登記には、売るかどうかと関係なく期限があります。不動産登記法第76条の2第1項は、相続で家を取得したと知った日から3年以内の申請を相続人に求めています。この決まりは2024年4月1日に始まり、それより前に親が亡くなった実家にも及びます。その場合、3年を数え始めるのは、施行日と取得を知った日のうち遅い方です。施行日より前から実家を継いだと分かっていたなら、期限は2027年3月31日です。売り出しを先に延ばしていても、登記の期限は止まりません。

抵当権は、乙区の欄で見ます。親がローンを完済していても、抹消の登記をしないまま残っていることがよくあります。残っていれば、売る前か引き渡しの日に抹消します。当時の金融機関から書類が出るまでに日数がかかるので、早めに問い合わせてください。

住所は、すでに相続登記を済ませた家で見ます。登記したあとに引っ越していれば、登記簿の住所が古いままです。その場合は、売る前に住所の変更登記をします。名義の確かめ方から売却までの順番は、「相続した空き家の名義変更と売却の事例」の記事で一続きに追えます。

登記簿で確かめる項目

  • 名義(甲区)

    親の名前なら売る前に相続登記が必要

  • 抵当権(乙区)

    残っていれば売る前か引き渡しの日に抹消する

  • 住所

    引っ越して古ければ売る前に変更登記が必要

2. 印紙代と登録免許税を足し、空き家の手取りを試算する

手取りの計算は、売却価格から引く費用を順に足していくだけです。式にすると、売却価格 −(仲介手数料+印紙代+登録免許税)= 手取り(司法書士報酬と税を引く前)です。

試算の前提は次のとおりです。

  • 仲介手数料は、通常の計算の上限で置きます
  • 売買契約書の印紙代は、2027年3月31日までに作る契約書に使える軽減措置の額で、300万円と500万円の契約書は1,000円、800万円の契約書は5,000円です(国税庁タックスアンサー No.7108)
  • 抵当権の抹消は、土地と建物の2つで2,000円です(不動産1個につき1,000円)
  • 相続登記の登録免許税は、固定資産税評価額の0.4%です(国税庁タックスアンサー No.7191 登録免許税の税額表)
  • 評価額は仮に、300万円の家で200万円、500万円の家で300万円、800万円の家で400万円と置きます

この前提で計算した早見表が次の表です。

売却価格引く費用の合計(内訳)手取り(司法書士報酬と税を引く前)
300万円16万5,000円(手数料15万4,000円・印紙1,000円・抵当権抹消2,000円・相続登記8,000円)283万5,000円
500万円24万6,000円(手数料23万1,000円・印紙1,000円・抵当権抹消2,000円・相続登記1万2,000円)475万4,000円
800万円35万3,000円(手数料33万円・印紙5,000円・抵当権抹消2,000円・相続登記1万6,000円)764万7,000円

特例の33万円に合意した場合は、手数料の行を入れ替えます。300万円の家なら引く費用は34万1,000円で、手取りは265万9,000円です。500万円の家なら引く費用は34万5,000円で、手取りは465万5,000円です。800万円の家は変わりません。

相続登記を以前に済ませ、そのあと引っ越した家では、相続登記の欄が住所変更の登録免許税に替わります。土地と建物の2つで2,000円です。抵当権が残っていない家なら、抹消の2,000円は引きません。

表の手取りは、仲介で売れた時点の額です。売れるまでの間にも、空き家を持つ費用は出ていきます。固定資産税は、毎年1月1日の所有者に1年分がかかります(地方税法第359条)。年をまたいで売れ残れば、もう1年分の納税通知書が届きます。電気や水道を止めずにいれば、基本料金もかかります。遠方なら、草刈りや見回りを頼む費用も加わります。比べるときは、売れるまでの月数を見込んでください。その月数分の持つ費用を、表の手取りからさらに引きます。

表の額には、司法書士の報酬が入っていません。抹消や相続登記を頼めば、その報酬がさらに引かれます。戸籍を集める実費も同じです。測量や解体、家財の処分が要る家では、その費用も別に引きます。項目の全体は、「不動産売却の費用一覧」の記事で、買取では発生しない費用と並べて確かめられます。

3. 3,000万円特別控除と解体の要否を、空き家を売り出す前に決める

翌年の税を軽くできるかは、売り出す前に決まります。被相続人が一人で住んでいた家屋とその敷地を相続した相続人が、一定の要件を満たして売却した場合、譲渡所得から最大3,000万円を控除できるからです(国税庁 No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例)。令和6年1月1日以後の譲渡では、その家屋と敷地等を相続で取得した人の数を数えます。取得した人が3人以上なら、控除の上限は1人あたり2,000万円に下がります。

主な要件の1つは、家屋が昭和56年5月31日以前に建てられたものであることです。売る期限は、相続開始の日から3年を経過する日の属する年の12月31日までです。売却の代金は1億円以下でなければなりません。家屋は、耐震基準に適合させるか、取り壊す必要があります。ほかにも要件があるので、国税庁のページで全部を確かめてください。

控除を使うかどうかにかかわらず、譲渡所得は売却価格から取得費と譲渡費用を引いて出します。仲介手数料と、売主が負担した印紙代は、この譲渡費用に入ります(国税庁タックスアンサー No.3255)。特例の33万円を払ったときも、払った額をそのまま入れます。親が買った当時の価格が分からなければ、売却価格の5%を取得費にできます(同 No.3258)。媒介契約の書面と手数料の領収書は、翌年の申告まで残してください。

仲介で売るか買取にするかと、この控除は関わります。令和6年1月1日以後の売却では、買主が工事をする形も対象に入りました。売った年の翌年2月15日までに、買主が耐震改修か取壊しをした場合です。つまり、売主が先に解体しなくても控除を使える道があります。そのかわり、買主との間で、誰がいつ取り壊すかを契約で決めておく必要があります。使えるかどうかの判定は、「空き家3000万円控除の条件」の記事で項目ごとに追えます。

解体してから売るかどうかも、ここで決めます。更地にすると、買主が建て替えを考えやすくなります。その一方で、解体費は売主が先に払います。住宅用地の特例が外れて、翌年度から土地の固定資産税が上がります。費用の見当は、「空き家の解体費用はいくらかかるか」の記事で、現況のまま売る場合と比べられます。

なお、この記事の税務・法務に関する記載は一般的な情報提供であり、個別の事案についての判断ではありません。適用の可否や具体的な税額については、税務署または税理士、登記については司法書士、境界や隣地との権利関係については弁護士や土地家屋調査士など、それぞれの専門家にご確認ください。当社は不動産の買主であり、税務や法律の代理はできません。

手取り額を出す手順

  1. 1

    登記事項証明書を取る

    最初に法務局で土地と建物の証明書を取得する

  2. 2

    甲区で名義を見る

    亡くなった親の名前なら売る前に相続登記をする

  3. 3

    乙区で抵当権を見る

    残っていれば売る前か引き渡しの日に抹消する

  4. 4

    住所を見る

    登記後に引っ越していれば売る前に変更登記をする

「空き家を仲介で売ると、手数料のほかにいくら引かれる?手取りを出す3つの手順」について、そのまま聞けます。

当社が相続した空き家を買い取る場合、仲介手数料の代わりに何が価格から引かれるか

当社が買い取る条件・買い取れない条件と、実際の買取事例は「当社の買取基準」にまとめています。

「当社が相続した空き家を買い取る場合、仲介手数料の代わりに何が価格から引かれるか」について、そのまま聞けます。

空き家の売却と仲介手数料で、契約の前に確かめる3つ

  • 仲介手数料の上限は、400万円を超える家なら価格の3%に6万円を足し、消費税を加えた額です。800万円以下の家は特例で33万円まで上がり、300万円の家なら通常の15万4,000円との差は17万6,000円です。
  • 特例の額を払うのは、媒介契約の前に報酬の説明を受け、合意したときだけです。署名の前に、媒介契約の書面の報酬の欄が通常の額か特例の額かを読み、値引きの交渉も契約の前に済ませます。
  • 手取りは、手数料に印紙代と登録免許税を足して売却価格から引けば見当がつきます。司法書士の報酬と翌年の税は別に引くので、3,000万円特別控除が使えるかを売り出す前に確かめます。

当社が買い取る場合は仲介手数料はかかりませんが、一般の方がローンを組んで買える家は、仲介の方が手取りが残ることがあります。

査定は無料・売却の義務なし
0120-996-748受付時間10:00〜19:00(水・日曜定休)

通話料無料・全国対応

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低廉な空き家の売却と仲介手数料でよくある質問

Q1. 800万円以下の空き家の仲介手数料はいくらですか

通常の計算で出した額が上限です。そのうえで、仲介会社が契約の前に説明して合意を得れば、消費税込み33万円まで上がります。800万円ちょうどの家は、通常の計算でも33万円なので、特例があっても変わりません。差が出るのは、それより安い家です。条件は「低廉な空き家の仲介手数料特例の概要と、最大33万円になる条件」の見出しの節にまとめています。

Q2. 仲介手数料はいつ支払う必要がありますか

売買契約が成立して初めて、支払いの義務が生じます。買主が見つからなければ払いません。実際には、売買契約のときに半分、引き渡しのときに残りを払う形が多く見られます。引き渡しの日に受け取る代金から払えば、手元の現金を先に用意しなくて済みます。買主の住宅ローンが通らず、ローン特約で売買契約が白紙に戻ったときは、一般に手数料も払わずに済み、先に払った分は返してもらう形です。いつ・いくら払うかは媒介契約の書面に書かれるので、署名の前に確かめてください。

Q3. 土地の仲介手数料が33万円になるのは、どのような場合ですか

売却価格が800万円以下の土地が対象です。そのうえで、仲介会社が媒介契約の前に報酬の額を説明し、売主が合意した場合です。建物の有無は問いません。更地でも、古家付きでも対象です。土地の代金に消費税はかかりませんが、33万円は消費税込みの額です。合意していなければ、通常の計算の額が上限のままです。

Q4. 300万円の空き家を売ると、仲介手数料はいくらですか

通常の計算の上限は、消費税込みで15万4,000円です。200万円までの部分で10万円、残る100万円の部分で4万円、合わせて14万円に消費税を加えた額です。特例に合意すれば、33万円まで上がります。手取りは、そこから印紙代と登記の費用を引いた額です。目安は「2. 印紙代と登録免許税を足し、空き家の手取りを試算する」の見出しの節の表に載せています。

Q5. 土地を500万円で売却する場合、仲介手数料はいくらぐらいかかりますか

通常の計算なら、消費税込みで23万1,000円が上限です。根拠は、宅地建物取引業法第46条にもとづく国土交通大臣の告示です。速算式で、500万円の3%に6万円を足した21万円に、消費税を加えた額です。500万円は800万円以下なので、特例に合意すれば33万円まで上がり、差は9万9,000円です。媒介契約の前に、どちらの額で頼むのかを決めてください。

Q6. 不動産屋が一番嫌がることは何ですか

買主の立場から言えば、売り出したあとで価格の前提が変わることです。境界標が無い、家財が想定より多い、地中に古い基礎が残っていた。こうした事実が契約の直前に分かると、価格を組み直すことになります。売主にとっても、時間と手取りの損です。分かっている不具合は、最初に全部伝える方が話は早く進みます。手数料の交渉そのものは、契約の前であれば正当な話です。

Q7. 仲介手数料が無料や半額の会社に頼んでも、問題はありませんか

違法ではありません。多くは、買主の側から手数料を受け取るなど、別の形で収入を得ています。確かめたいのは、売主の側に立って売り出してもらえるかです。専任媒介や専属専任媒介なら、物件が指定流通機構(レインズ)に登録されたことを示す書面を受け取れます。広く売り出されているかを、その書面で確かめてください。安い家を長く持ち続けると、固定資産税の負担も続きます。管理が行き届かない家で税が重くなる流れは、「空き家の固定資産税が6倍になる条件」の記事で勧告までの順に確かめられます。

当社の見方

ご相談の中では、仲介手数料の上限を調べたうえで「手元にいくら残るのか」を気にされる方がとても多いです。当社では、仲介手数料だけでなく、売買契約書の印紙代、抵当権の抹消登記の費用、住所変更登記の費用、相続した物件では相続登記の費用も一緒に確認していただくようお伝えしています。ご負担いただく費用は個別のご案件によりますので、売却を決める前に、手取りの見通しを立てておくことをおすすめしています。当社の買取では、ご相談から買取価格のご提示までが目安30分、ご契約までが目安1〜2週間で、お引き渡しと同時にご入金しますので、費用と入金の時期をあわせて見通しやすくなります。全国(47都道府県)に対応していますので、遠方にお住まいで、現地の仲介会社選びに迷っている方からのご相談も多いです。空き家の状態によっては、買い取れない場合や売らないほうがよい場合もあり、そのときは手数料の比較より先に、正直にそうお伝えしています。

当社が買い取る物件・お断りする物件と、買取価格の決まり方は、当社の買取事例76件の内訳とあわせて当社の買取基準にまとめています。

この記事について

執筆・編集
リアテクス編集部株式会社リアテクス当社(宅地建物取引業 東京都知事(1)第107888号)は物件を直接買い取る買主の立場から、売却を検討する方の判断材料となる記事を企画・編集しています。
監修
鶴野 博之鶴野 博之株式会社リアテクス 執行役員宅地建物取引士(東京)第257503号/賃貸不動産経営管理士/2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)この区分の監修を担当しています。記事の公開判断は当社が行っています(代表が定めた手順による)。確認・公開判断:鶴野 博之(株式会社リアテクス 執行役員)
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