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空き家のゆくえ買取くん

空き家

愛知県の空き家は「あげます」で手放せる?無償譲渡と買取の費用

公開 更新

執筆
株式会社リアテクス リアテクス編集部
監修
株式会社リアテクス 執行役員 鶴野 博之(宅地建物取引士(東京)第257503号)
愛知県の空き家は「あげます」で手放せる?無償譲渡と買取の費用

「名義人の父が死亡したまま空き家になった愛知の実家を、誰かにあげてでも手放したい」。名義人が亡くなったままの空き家は相続登記を済ませるまで誰にもあげられず、名義が移ってからも、もらい手の当てが無い建物付きの家に残る出口は空き家バンクと買取です。

片付けの済んでいない愛知県の空き家も当社が買主として査定し、代金はお引き渡しと同じ日にお支払いします。すでに贈与契約書を交わした家と、農地法の許可の見込みが立たない田畑を含む家は買い取れません。この家が買い取れるかどうかだけ、先に聞く(無料)

目次(12章)

愛知県の空き家は「あげます」の前に、そのままの状態で相談できます

約1分で簡単査定を申し込む

この先は当社の買取窓口「買取くん」です。

愛知県の空き家を「あげます」で手放すことはできますが、それが成り立つのは、家の名義が相続した人に移っていて、受け取ってくれる人が決まったときに限られます。名義が亡くなった親のままの家はその状態では誰にも渡せず、もらい手の当てが無い建物付きの家なら、市町村の空き家バンクで愛知の田舎暮らし格安物件を探す人に届けるか、買主に売るかを比べることになります。

愛知県の空き家は「あげます」で手放せる?無償譲渡と買取の費用の要点を、定義・この記事でわかること・よくある質問の順に短くまとめた動画です。

愛知県の空き家は名義人が死亡したままでも「あげます」で譲れる?相続登記の期限は3年

居間で家族が向かい合い、うなずきながら話し合っている

名義が亡くなった方のままの空き家はそのままでは誰にもあげられず、相続登記で相続人の名義に移してから、もらう人への名義の移転を申請します。

分かれ目になるのは、相続人の中で誰がこの家を引き継ぐかが決まっているかどうかと、自分に課された相続登記の期限がいつ切れるかで、どちらも法務局へ行く前に、手元の書類と家族への確認で見当をつけられます。

「あげます」は贈与の約束で、もらう人が受け入れて初めて成り立つ

0円物件の募集や地域の掲示板で見かける「あげます」は、法律の上では贈与の契約にあたります。民法第549条は、一方がただで財産を与える意思を示し、相手がそれを受け入れたときに贈与の効力が生じる、という趣旨を定めています。あげる側がどれだけ早く手放したくても、受け取る人が応じない限り、家の所有も固定資産税の納付も、相続した人のところに残り続けます。

ここが、粗大ごみを出すような感覚と違うところです。土地や建物について、持ち主が一方的に権利を投げ出して誰のものでもない状態にする手続きは用意されておらず、手放す道は、誰かに受け取ってもらうか、国に引き取ってもらう制度を使うかに限られます。国に引き取ってもらう制度には建物がある土地では使えないという制約があり、その中身は「建物付きの空き家は相続土地国庫帰属制度を使えず、解体が先になる」の節にあります。

もらう側から見れば、家と土地を受け取ることは財産を受け取ることなので、評価額によっては贈与税がかかり、名義を移す登記の費用も出ていきます。ただで渡すのだから誰でも喜んで受け取る、とはならないのはこのためで、もらう人が現れるまでの間も、固定資産税と草刈りの費用は相続した側に積み上がっていきます。

親の名義のままでは、もらう人へ名義を移す登記が出せない

登記簿の甲区に載っている所有者が亡くなった親のままだと、相続人が「この家をあなたにあげます」と約束しても、法務局はもらう人への所有権の移転の登記を受け付けません。贈与の登記は今の名義人からもらう人へ名義を移す手続きなので、名義人が亡くなっている以上、先に相続人の名義へ移す相続登記を経て、それから相続人からもらう人への贈与の登記を申請するという二段の順番になります。

相続人が複数いる場合は、誰がこの家を引き継ぐかを遺産分割協議で決めて1人の名義にするか、全員の共有として登記してから全員で贈与するかのどちらかです。共有のままあげようとすると、贈与契約書にも登記の申請にも相続人全員の署名と実印が要るため、兄弟の1人が遠方に住んでいるだけで、もらう人を長く待たせることになります。

名義を確かめるには、法務局で土地と建物の登記事項証明書を取るのがいちばん確実で、毎年届く固定資産税の納税通知書の宛名だけで判断しないでください。納税通知書は相続人の代表者宛てに届くことがあり、宛名が自分でも登記簿の名義は親のまま、という状態は起こりえます。名義をそのままにしたときに何が起きるかは、「土地の名義変更をしないとどうなるか」の記事が売却までの順番とあわせて扱っています。

空き家を無償で譲る際の名義変更の順

  1. 1

    親のままでは登記不可

    名義人が亡くなったままでは、もらう人へ名義を移せない

  2. 2

    相続登記で名義を移す

    法務局へ行く前に確認し、まず相続人の名義に変更する

  3. 3

    もらう人へ移転申請

    相続人の名義にしてから、もらう人への移転を申請する

相続登記の期限は、知った日と2024年4月1日の遅い方から3年

相続登記の申請は2024年4月1日から義務になり、相続で不動産を取得したと知った日から3年以内に申請することが求められています(不動産登記法第76条の2)。この義務は2024年4月1日より前に始まった相続にもかかるため、何年も前に親が亡くなって空き家のまま置いてある実家も対象に入ります。法務省の相続登記の申請義務化についての案内は、その場合の期限を、施行日の2024年4月1日と、相続で取得したと知った日の遅い方から3年としています。

自分の期限を判定するときは、親が亡くなった日ではなく、この家を相続で取得したと自分が知った日を起点に置きます。2024年4月1日より前からそれを知っていた人なら期限は2027年3月31日で、相続そのものは施行日より前でも、取得を知ったのが施行日より後だった人は、知った日から3年が期限です。

兄弟の間で誰が実家を引き継ぐか決まらないまま3年が迫るなら、相続人申告登記(不動産登記法第76条の3)が使えます。法務局に「この家の相続人の1人です」と申し出る手続きで、これで期限内の義務は済んだ扱いになります。それでも登記簿の名義は亡くなった親のまま動かず、もらう人へ名義を移す二段目の登記には進めません。誰かに譲る日までに、話し合いをまとめて相続登記を終えておく必要があります。

愛知県の空き家はどれだけある?全国は900万戸・空き家率13.8%

住宅が立ち並ぶ郊外の街並みと、その中に混ざる古い木造住宅の外観

総務省統計局の住宅・土地統計調査(令和5年)では全国の空き家が900万戸、空き家率が13.8%で(総務省 住宅・土地統計調査・令和6年4月公表)、愛知県の数は同じ調査の都道府県別の表にあります。どちらも過去最多・過去最高の値で、統計局の住宅・土地統計調査のページから結果の表を開けます。

もらい手が見つかるかどうかを分けるのは空き家の総数ではなく、相続した実家がその中でどの区分に数えられ、もらい手が付きにくい条件をいくつ抱えているかです。

900万戸のうち、相続した実家が数えられる区分

住宅・土地統計調査は空き家を使い道で分けて数えていて、貸すために空いている家、売るために空いている家、別荘のようにふだんは人が住まない家と、そのどれにも当たらない家に区分しています。親が亡くなってから誰も住まず、貸しにも売りにも出していない実家は、最後の区分に入ります。

この区分は、持ち主が使い道を決めかねている家の集まりです。貸す・売るために空いている家は、借り手や買い手を探す仕組みにすでに載っていますが、使い道の決まっていない家は持ち主が動かない限り表に出てきません。「あげます」で手放したいと考えている実家も統計の上ではこの動かない側にいて、もらい手を探す動きを自分で起こさない限り、空き家の数の中にとどまり続けます。

愛知県の行で見る3つの数(総住宅数・空き家数・空き家率)

愛知県の状況を確かめるなら、総務省統計局の住宅・土地統計調査(令和5年)の都道府県別の結果で愛知県の行を開き、総住宅数、空き家数、空き家率の3つを並べて見ます。総住宅数は県内の住宅の総数、空き家数はそのうち人が住んでいない住宅の数、空き家率は空き家数を総住宅数で割った割合で、同じ行で見ると、全国の13.8%より高いか低いかがその場で分かります。

あわせて見ておきたいのが、使い道の区分ごとの内訳です。愛知県は名古屋市のように住宅が密集した都市部と、三河の山あいの町のように人口の少ない地域を同じ県の中に抱えているため、県の平均の空き家率だけでは、自分の実家のある地域でもらい手が見つかりやすいかどうかは読めません。

実家のある市町村の空き家の相談窓口で、その地域で空き家バンクへの登録や問い合わせがどれくらいあるかを聞くほうが、県全体の数字を眺めるより判断の役に立ちます。窓口の一覧は、「あげる側(譲る側)は何から始める?名義を移してから引き渡すまでの手順」の節の表にあります。

もらい手が見つかりにくい空き家の条件

もらう人は家をただで受け取る代わりに、住める状態にする費用、名義を移す費用、受け取ったあとの固定資産税を引き受けるので、そのどれかが重い家ほど手が挙がりません。雨漏りや床の沈みがあって住む前に大きな改修が要る家、前の道が狭くて車が入れない家、家財が残ったままで片付けの費用がかかる家、敷地に田や畑が含まれていて農地の許可が要る家は、話がまとまりにくくなります。

逆に話が早いのは、手を入れずに寝泊まりでき、もらう人の生活圏の中にある家です。隣の人が駐車場や畑として使いたい、近くに住む親族が子どもの住まいにしたいなど、もらう側にはっきりした使い道があれば、建物が古くても話は進みます。

住宅・土地統計調査による全国の空き家

  • 全国の空き家数900万戸
  • 全国の空き家率13.8%

「愛知県の空き家はどれだけある?全国は900万戸・空き家率13.8%」について、そのまま聞けます。

愛知県の空き家は「あげます」で手放せる?名義・建物・もらい手・費用の4つで診断する

名義が相続人に移り、建物がそのまま使え、使う目的を持つもらい手がいて、費用の分担を決められるなら、「あげます」で手放せます。

4つのうち欠ける項目によって、残る道が空き家バンク・相続土地国庫帰属制度・買取のどれになるかが決まり、費用の分担では、もらう人の贈与税が評価額の110万円を超える部分にかかるかどうかが話し合いの中心になります。

当てはまるものに印を付けてください(診断の項目)。

  • □ 登記簿の土地と建物の所有者が、相続した自分になっている
  • □ ほかに相続人がいる場合、その全員がこの家を手放すことに同意している
  • □ 雨漏りや床の沈みが無く、手を入れずに寝泊まりできる
  • □ 家財の片付けが済んでいるか、片付けの費用を誰が出すか決まっている
  • □ 隣の人や親族、知人の中に、受け取ってくれそうな人がいる
  • □ その人が、住む・畑や駐車場に使うなどの目的を持っている
  • □ もらう人が、贈与税と登記の費用を自分で払うと承知している
  • □ もらい手が決まるまでの固定資産税と草刈りの費用を払い続けられる

印の付き方で、向く出口は次のように分かれます。

  • 8つすべてに印が付く:知っている人に直接あげる(無償譲渡)
  • もらい手の2つに印が付かず、ほかには付く:市町村の空き家バンクに載せて、もらう人を探す
  • 建物の2つに印が付かない:解体してから国庫帰属を考えるか、そのままの状態で買主に売る
  • 費用の2つに印が付かない:買取で、費用を差し引いた金額を受け取って手放す
  • 名義の2つに印が付かない:どの出口を選ぶにしても、相続登記と相続人の同意を先に済ませる

空き家を無償で手放せるか診断する項目

  • 登記簿の所有者

    土地と建物の名義が相続した自分になっているか

  • 相続人全員の同意

    ほかに相続人がいる場合、全員が手放すことに同意しているか

  • 建物の状態

    雨漏りや床の沈みが無く、手を入れずに寝泊まりできるか

  • 家財の片付け

    片付けが済んでいるか、費用の負担者が決まっているか

  • もらい手の有無

    隣の人や親族、知人の中に受け取ってくれそうな人がいるか

  • もらい手の目的

    その人が住む、畑や駐車場に使うなどの目的を持っているか

  • 費用の承知

    もらう人が贈与税と登記の費用を自分で払うと承知しているか

  • 維持費の負担

    もらい手が決まるまでの固定資産税と草刈りの費用を払えるか

1. 名義:相続登記が済み、相続人がそろっているか

名義の2つは、どの出口を選んでも最後に名義を移す登記の前提になるので、出口を選ぶより先に片付けておく項目です。空き家バンクに載せる場合も、市町村から所有者であることを確かめる書類を求められることがあり、名義が親のままでは登録の段階で止まります。

相続人がほかにいるときは、手放すこと自体に全員が納得しているかが、名義そのものより時間を食います。1人でも「思い出のある家を他人に渡したくない」と考えている相続人がいると、無償でも有償でも契約書に判を押してもらえないので、もらい手を探し始める前に、手放すかどうかの話し合いを終えておく方が、結果として早く進みます。

2. 建物:手を入れずに使えるか

建物の状態は、もらい手が付くかどうかをいちばん大きく左右します。もらう人にとって、受け取った日から住める家と、住む前に屋根や水回りを直さなければならない家とでは、ただで受け取ることの意味がまるで違い、後者では改修費が受け取る価値を上回ることもあります。

建物の2つに印が付かない家は、空き家バンクに載せても問い合わせが入りにくく、国庫帰属は建物があるうちは使えません。残る道は、自分で解体してから更地として扱うか、改修や解体の費用を差し引いた金額で買主に引き取ってもらうかで、どちらが手元に残るかは「空き家は無償譲渡と買取のどちらが向く?あげますより買取で手元に残る条件」の節で比べています。

診断結果から選ぶ空き家の手放し方

  1. 1

    すべて満たす場合

    知っている人に直接あげる無償譲渡を選ぶ

  2. 2

    もらい手がない場合

    市町村の空き家バンクに載せて、もらう人を探す

  3. 3

    建物に難がある場合

    解体して国庫帰属を考えるか、そのままの状態で買主に売る

  4. 4

    費用負担が難しい場合

    買取を選び、費用を差し引いた金額を受け取って手放す

3. もらい手:使う目的を持つ人がいるか

もらい手として話がまとまりやすいのは、隣の土地の持ち主、近くに住む親族、地元で畑や作業場を探している人のように、家の場所と使い道が先に決まっている人です。見ず知らずの人に「あげます」と呼びかけると、問い合わせは来ても、現地を見てから辞退される流れになりがちで、そのたびに鍵の受け渡しや立ち会いの手間がかかります。

知り合いの中に当てが無いときは、市町村の空き家バンクに載せて、その市町村で暮らす家を探している人に届けるのが次の手です。空き家バンクでも、移り住む先を探している人は、住める状態かどうかと生活の便を見てから決めるので、建物の2つに印が付いていることが前提になります。

4. 費用:誰が何を負担するか

あげる場合でも、相続登記の費用、片付けの費用、もらい手が決まるまでの固定資産税はあげる側に残り、贈与の登記の費用、贈与税、不動産取得税はもらう側にかかります。誰が何を払うかを口約束で済ませると、登記の当日になって費用の負担で揉めるので、贈与契約書に書いて決めておきます。

相手が個人ではなく会社だと、扱いが変わります。会社に無償で不動産を渡すと、渡した側が時価で売ったものとみなされ、譲渡所得の税がかかることがあります(所得税法第59条)。「無料で引き取ります」と声をかけてくる相手が会社の場合は、税務署で自分に税がかかるかを確かめてから応じてください。

5. そろわないときの別の道:相続放棄・市町村への寄付・掲示板

相続放棄なら実家を引き継がずに済みますが、家だけを選んで放棄することはできません。市町村への寄付は、使い道の無い家だと受け付けてもらえないことが多い道です。

どれが使えるかは、相続が始まったと知ってから3か月が過ぎていないか、預貯金など家以外の財産も手放してよいか、実家のある市町村がその土地を使う予定を持っているかで分かれます。

  • 相続放棄:相続を知った時から3か月以内で、家以外の財産も受け取らないときに使えます。手放したあとも、実家を占有している間の保存の義務が残ります。
  • 市町村への寄付:市町村がその土地を使う予定を持っているときに使えます。受け付けられなければ、負担はそのまま残ります。
  • 掲示板・0円物件の紹介サイトで個人に譲る:相続登記が済み、使う目的を持つ相手が見つかるときに使えます。相手の確認と贈与契約書づくりは自分で行います。

6. 相続放棄:3か月以内に、家以外の財産も含めて手放す

相続放棄は、自分のために相続が始まったと知った時から3か月以内に、家庭裁判所へ申述する手続きです(民法第915条・第938条)。申述先は、亡くなった方の最後の住所地を受け持つ家庭裁判所です。手続きの流れと必要な書類は、裁判所の相続の放棄の申述の案内で確かめられます。

放棄した人は初めから相続人でなかったものとみなされます(民法第939条)。実家だけでなく預貯金も受け取れません。放棄の前に預金を引き出して使ったり、家を誰かに「あげます」と約束して処分したりすると、相続を承認したものとみなされ、放棄できなくなることがあります(民法第921条)。

放棄すれば相続登記の義務からは離れますが、放棄の時に実家を現に占有している人は、ほかの相続人か相続財産清算人に引き渡すまで、自分の財産と同じ注意で保存しなければなりません(民法第940条)。相続人全員が放棄すると家の行き先が決まらず、清算人の選任を家庭裁判所に申し立てるときに予納金を求められることがあります。遺産分割協議を終えて相続登記を済ませた人や、3か月を過ぎた人は、原則としてこの道を使えないので、ほかの出口から選びます。

7. 市町村への寄付:使う予定の無い土地は受け付けられにくい

実家を寄付したいと市町村の窓口に申し出ることはできます。ただ、市町村は受け取った土地と建物の管理の費用を負い、その土地の固定資産税も入らなくなります。道路の拡幅や公園など使う予定のある土地でない限り、受け取ってもらえないことが多いと考えておく方が無難です。建物が残っている家は、市町村が解体の費用まで負うことになるので、さらに受け付けられにくくなります。

寄付を考えるなら、空き家バンクの相談に行くついでに、その土地を市町村が使う予定があるか、寄付を受け付ける条件があるかを同じ窓口で聞いておくと手間が省けます。受け付けられないと分かった時点で、あげる相手探しか買取の比較に移ってください。

8. 掲示板や0円物件の紹介サイトで、知らない人に譲るとき

地域の掲示板や0円物件の紹介サイトに「あげます」と載せると、空き家バンクの無い地域でも問い合わせが入ることがあります。その代わり、間に市町村も不動産業者も入らないので、相手の確かめ方から書面づくりまでを自分で引き受けます。

現地を案内する前に、氏名と住所を運転免許証などで確かめ、登記に使う住民票の住所と合うかを見ておきます。あわせて、住む・畑に使う・倉庫にするなど、受け取ったあとの使い道を聞いてください。名義が移れば家は相手のものになり、資材置き場のような使い方で近所と揉めても、あげた側は口を出せません。贈与契約書を交わして登記を申請する日までは、鍵を渡さないでおきます。

愛知県の空き家バンクで、愛知で田舎暮らしの格安物件を探す人に届ける条件

空き家バンクに載せれば、実家のある市町村で暮らす家を探す人の目に届きますが、載せられるかどうかは市町村ごとの決まりで決まります。

届くかどうかは、実家のある市町村に空き家バンクがあるか、家と所有者が登録の条件に合うか、もらう人が改修の費用を工面できるかで分かれ、愛知県内では名古屋市、新城市、西尾市などが空き家バンクのページを設けています。

1. 実家のある市町村に空き家バンクがあるか

空き家バンクは国や県がひとつにまとめた仕組みではなく、市町村が自分の地域の空き家を登録して、そこに住みたい人に紹介する仕組みです。名古屋市には「名古屋市空き家バンク」、新城市には「空き家バンクポータルサイト」、西尾市には「西尾市空き家バンク」のページがあり、登録の申込み先も、物件を見に来る人も、その市の中で完結します。

実家のある市町村に空き家バンクが無い場合でも、空き家の相談窓口を置いている市町村はあり、もらい手探しの手がかりや、近くの市町村の制度を教えてもらえることがあります。実家の市町村名と「空き家バンク」で市町村の公式ページを探し、見つからなければ空き家の担当課に電話で聞くのが早い方法です。

空き家バンクに登録する際の主な条件

  • 登録の形態

    売る・貸すのどちらか、無償で譲る形を受け付けるか

  • 建物の状態

    市町村が求める建物の状態の基準を満たしているか

  • 必要書類の準備

    所有者を示す書類、建物の写真、間取りの分かる資料があるか

  • 交渉の進め方

    当事者どうしで進めるか、不動産業者が間に入るか

  • 業者の手数料

    業者が間に入る場合、手数料がかかるか

2. 家と所有者が登録の条件に合うか

登録の条件は市町村ごとに違い、売る・貸すのどちらで載せるか、無償で譲る形を受け付けるか、建物の状態をどこまで求めるかも、それぞれの市町村の決まりで変わります。登録の前に、所有者であることを示す書類、建物の写真、間取りの分かる資料などを求められることがあるので、窓口で何を用意するかを先に聞いておくと、申込みが一度で通ります。

登録したあとの話し合いを当事者どうしで進めるのか、市町村と協力している不動産業者が間に入るのかも、市町村によって違います。業者が間に入る形なら、その業者への手数料がかかるかどうかと、無償で譲る場合にどう扱われるかを、登録の前に確かめておいてください。

3. もらう人が改修の費用を工面できるか(新城市空き家改修事業補助金の例)

空き家バンクで家を探している人の多くは、受け取ったあとに水回りや屋根を直すことを前提にしているので、改修の費用を工面できるかどうかが、受け取るかどうかの決め手になります。市町村によっては、空き家バンクの物件を改修する人を支える補助金を設けていて、新城市には新城市空き家改修事業補助金のページがあります。

補助金は、申し込む年度(2026年10月時点なら令和8年度)の募集の内容で使えるかどうかが決まるので、対象になる工事、上限の額、申し込める時期は、その年度のページで確かめます。工事の契約を先に結ぶと対象から外れる仕組みかどうかも、申し込む前に窓口で聞いておくことで、もらう人に余計な負担をかけずに済みます。

4. 登録しても決まらないときの見切り

空き家バンクに載せたあとも、もらい手が決まるまでの間の固定資産税、草刈り、雨戸の開け閉めや通水は、所有者の負担として続きます。登録すれば片付くと考えて何年も置いておくと、その間に建物が傷み、空き家バンクで紹介できる状態からも外れていきます。

見切りの時期は、自分で決めておく方が判断がぶれません。たとえば「次の固定資産税の納税通知書が届くまでに問い合わせが無ければ、買取の金額を取って比べる」のように、通知書や季節の区切りを目安にすると、家族の間でも話がまとまりやすくなります。

空き家バンクで譲渡を進める手順

  1. 1

    所有者の登録

    所有者を示す書類や建物の写真を用意し、窓口に申し込む

  2. 2

    公開と問い合わせ

    市町村の空き家バンクに載せ、住みたい人からの連絡を待つ

  3. 3

    内見と話し合い

    物件を見に来た人と、当事者どうしや業者を交えて話し合う

建物付きの空き家は相続土地国庫帰属制度を使えず、解体が先になる

相続土地国庫帰属制度は建物がある土地では申請できないため、実家を国に引き取ってもらうには、先に建物を解体して更地にする必要があります。

国庫帰属まで進むかどうかは、解体費を先に払えるか、更地にしたあとも制度の要件を満たせるか、解体している間にあげる相手か買主が見つからないかで分かれます。

1. 建物があるうちは申請そのものが受け付けられない

相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律は、建物のある土地を、申請の段階で受け付けない土地に挙げています(第2条第3項第1号)。法務省の相続土地国庫帰属制度の案内でも、建物がある土地は申請できないと説明されており、古家を残したまま国に引き取ってもらう道はありません。

建物が無いことは、この制度を使うための主な要件の1つにすぎず、ほかにも担保の権利が付いていないこと、境界が明らかであることなど、受け付けない土地や承認しない土地の条件がいくつも定められています。解体を決める前に、更地にしたあとの土地がほかの条件に当たらないかを、法務省の案内と法務局の相談で確かめておかないと、解体費を払ったのに申請できない、という結果になりかねません。

2. 解体してから申請するまでに、先に出ていくお金

国に引き取ってもらう道では、解体業者への支払いを所有者が全額済ませてからでないと、申請の入口に立てません。古家が無くなったら、その日から1か月以内に法務局へ建物の滅失の登記を申請します(不動産登記法第57条)。愛知の実家を壊すといくらかかりそうか、壊さずに今のまま買主に渡す場合とどちらが得かは、「空き家の解体費用はいくらかかるか」の記事で見積もりの中身から確かめられます。

そのうえで、申請するときの審査の手数料と、承認されたときに納める負担金がかかり、金額は法務省の案内で確かめます。解体で住宅が無くなった土地は、住宅用地として固定資産税の課税標準を下げる特例(地方税法第349条の3の2)の対象から外れ、翌年度から税額が上がることがあるので、申請から承認までの間の税も見込んでおく必要があります。

建物がある土地を国庫帰属させる順序

  1. 申請前

    建物の解体と支払いを済ませる

    解体業者への支払いを全額済ませてからでないと申請できない

  2. 解体後1か月以内

    建物の滅失の登記を申請

    古家が無くなったら法務局へ建物の滅失の登記を申請する

  3. 申請時

    審査の手数料を払う

    申請するときに審査の手数料を払う

  4. 承認時

    負担金を納める

    承認されたときに負担金を納める

3. 国庫帰属より先に、あげるか売るかを試す順番

国庫帰属は、あげる相手も買主も見つからなかった土地の最後の受け皿として考えるのが現実的です。解体費と負担金を払って国に渡すよりも、建物が残っている今の状態で受け取ってくれる人や、建物ごと買い取る買主が見つかれば、解体費の分だけ手元の負担は軽くなります。

順番としては、建物があるうちに、知り合いへの声かけと空き家バンク、それと並行して買取の金額を取り、どれも成り立たなかったときに解体と国庫帰属を検討します。解体してしまうと、建物ごと使いたい人という選択肢がその時点で消えるので、解体の判断は最後に回してください。

空き家は無償譲渡と買取のどちらが向く?あげますより買取で手元に残る条件

家族2人で縁側に腰掛け、庭を眺めている後ろ姿

値段がつく家なら買取の方が手元に現金が残り、値段がつかずもらい手が決まっている家なら、無償譲渡の方が早く負担から抜けられます。

比べるのは、買取の提示額から相続登記と片付けの費用を差し引いて、手元にいくら残るかです。愛知県外で当社が引き取った家でも、その桁は家ごとにまるで違いました。相続した堺市(大阪府)の実家は1,000万円台前半、富山市(富山県)で8年誰も住まなかった投資用の家は400万円台、建て替えのできない荒川区(東京都)の空き家は100万円未満です。

1. 無償で譲る方が向く家

もらい手がすでに決まっていて、その人が住む・使う目的をはっきり持っているなら、無償譲渡は話が早く、あげる側の手間も少なく済みます。隣の人が庭や駐車場として使いたいと言っている家、近くの親族が改修して住むと決めている家がこれにあたります。

買取の金額がつく家でも、提示額から相続登記の費用や片付けの費用を引くとほとんど残らない場合は、知っている人に譲ってその後の付き合いを保つ方が、気持ちの面でも納得しやすいことがあります。東京都荒川区の再建築不可の空き家のように買取の金額が100万円未満になる家では、譲る相手がいるかどうかで答えが変わります。

2. 買取の方が手元に残る家

大阪府堺市の相続した実家のように、買取でも1,000万円台の金額がつく家を無償で譲ると、その金額をそのまま手放すことになります。相続人が複数いる場合は、遺産として分けられたはずのお金が消えることになり、ほかの相続人の同意を得るのも難しくなります。

堺市の実家のように値段がつく家を売るなら、税の扱いも手取りを左右します。亡くなった親が一人で暮らしていた家なら、相続した人が売って得た利益から最大3,000万円を差し引ける特例があります(租税特別措置法第35条第3項)。令和6年1月1日以後の譲渡で、家と敷地を相続した人が3人以上なら、1人あたり2,000万円までです。家を耐震基準に合わせるか、取り壊すことが主な要件の1つです。ただであげてしまえば、この特例を使う場面そのものがありません。自分の実家が当たるかどうかは、「空き家3000万円控除の条件」の記事で確かめられます。

富山県富山市の投資用の戸建ては、8年空き家だったうえに建物の傷みも進んでいましたが、400万円台の金額で引き取りました。空き家のまま長く置いた家でも金額がつくことはあるので、もらい手を探す前に、その家の値段を一度確かめておく意味はあります。

無償譲渡と買取のどちらが向くかの条件

観点無償譲渡が向く家買取が向く家
費用を引いた後の手残りほとんど残らない(100万円未満など)まとまった現金が残る
もらい手の状況使う目的を持つ相手がすでにいるもらい手を探す必要がない
複数の相続人の同意遺産が減るため同意を得にくい現金で分けられるため同意を得やすい
譲渡所得の特例特例を使う場面がない要件を満たせば税負担を減らせる

3. 買取業者を選ぶときに確かめる点

買取を比べるときは、提示額の大きさより先に、宅地建物取引業の免許番号、金額が書面で出るか、契約のあとに減額される条件が何か、代金をいつ受け取れるかを確かめてください。口頭で高い金額を言っておいて、現地を見たあとで理由をつけて下げる業者もいるので、減額の条件が書面に書かれているかが分かれ目になります。

業者の見分け方は、「空き家買取業者の見分け方7つ」の記事が、査定額を吊り上げる手口と確認先をまとめています。無償で引き取ると申し出る相手の場合も、会社なら税の扱いが変わることを、「愛知県の空き家は「あげます」で手放せる?名義・建物・もらい手・費用の4つで診断する」の節の費用の項で確かめてから応じてください。

「空き家は無償譲渡と買取のどちらが向く?あげますより買取で手元に残る条件」について、そのまま聞けます。

あげる側(譲る側)は何から始める?名義を移してから引き渡すまでの手順

あげる側は、相続登記で名義を自分に移し、窓口でもらい手を探し、贈与契約書を交わして、引き渡しと名義の移転を同じ日に済ませる順番で進めます。

時間がかかるかどうかは、相続登記が済んでいるかと、もらい手が知り合いか空き家バンク経由の初対面の人かで分かれ、相続登記の期限の3年は、この手順の外側でも走り続けます。

1. 相続登記を済ませ、市町村の空き家バンクか相談窓口に相談する

相続登記の期限と数え方は「相続登記の期限は、知った日と2024年4月1日の遅い方から3年」の項にあり、名義が自分に移ったら、次は実家のある市町村の窓口です。愛知県内では、少なくとも次の市が空き家バンクや所有者・相続人向けの相談窓口のページを設けています。

市町村空き家バンク・窓口確認日
名古屋市名古屋市空き家バンク2026-10-28
名古屋市専門家による相談窓口2026-10-28
新城市空き家バンクポータルサイト2026-10-28
新城市空き家の総合相談窓口2026-10-28
西尾市西尾市空き家バンクを利用する2026-10-28
西尾市【所有者・相続人向け】空家等の相談窓口2026-10-28

窓口に行く前に、登記事項証明書、固定資産税の納税通知書、建物の外観と室内の写真をそろえておくと、登録できるかどうかの返事が一度で出やすくなります。表に無い市町村でも、空き家の担当課で同じ相談ができることがあるので、実家の市町村の代表番号から担当課を聞いてください。

知り合いにもらい手の当てがある場合でも、窓口で相談しておく意味はあります。市町村の補助金や、譲るときに確かめておくべき点を、もらう人に伝える材料になるからです。

2. 贈与契約書を交わし、引き渡しと名義の移転を同じ日に済ませる

もらい手が決まったら、口約束で鍵を渡さず、贈与契約書を作ります。民法第550条は、書面によらない贈与は、引き渡しなどが済んでいない部分について各当事者が解除できる、という趣旨を定めているので、書面にしないままでは、もらう人も途中で気が変わって手を引くことができ、あげる側も安心して片付けを進められません。

贈与契約書には、土地と建物を登記簿のとおりに書いた物件の表示、引き渡しの日、登記の費用と贈与税をどちらが負担するか、その年の固定資産税をどう分けるか、残っている家財をどう扱うか、建物の状態をもらう人が現地で確かめたことを書きます。引き渡したあとに雨漏りなどが見つかったときの扱いは、「愛知県の空き家の譲渡で起きる問題と費用の目安は?固定資産税・相続登記・契約不適合」の節の契約不適合の項を読んでから文言を決めてください。

譲る側が最初に行う手続きと相談先

  1. 1

    相続登記を済ませる

    まず相続登記を行い、家の名義を自分に移す

  2. 2

    窓口でもらい手探し

    実家のある市町村の空き家バンクや相談窓口に相談する

  3. 3

    贈与契約書を交わす

    もらい手が見つかったら、書面で贈与契約書を交わす

  4. 4

    引き渡しと名義移転

    引き渡しと名義の移転の登記を同じ日に済ませる

名義を移す登記は、あげる側の登記識別情報または権利証と印鑑証明書、もらう側の住民票などを使い、司法書士に頼むか、当事者が自分で法務局に申請します。鍵の引き渡しと登記の申請を同じ日にそろえると、鍵は渡したのに名義は自分のまま、という宙ぶらりんの期間が生まれず、その間に起きた事故の責任を誰が負うかで揉めずに済みます。

空き家を譲る側が引き渡すまでの手順

  1. 最初

    相続登記で名義を自分に移す

    相続登記を済ませて名義を自分に移す

  2. 名義変更後

    窓口でもらい手を探す

    市町村の空き家バンクや相談窓口でもらい手を探す

  3. もらい手決定後

    贈与契約書を交わす

    もらい手が見つかったら贈与契約書を交わす

  4. 引き渡し日

    引き渡しと名義移転を同日に

    引き渡しと名義の移転を同じ日に済ませる

空き家をもらう側は何を払う?愛知の田舎暮らし格安物件でも贈与税は110万円超の部分に

もらう側には、評価額の合計から基礎控除の110万円を引いた残りに贈与税がかかり、ほかに不動産取得税と名義を移す登記の費用がかかります。暦年課税の贈与税の仕組みは、国税庁のNo.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)で確かめられます。

いくらになるかは、土地と建物の評価額、同じ年にほかの贈与を受けていないか、受け取ったあとに改修や解体が要るかで分かれます。

1. 贈与税・不動産取得税・登記の費用を見込む

暦年課税の贈与税は、1月1日から12月31日までの1年間にもらった財産の合計で計算し、そこから基礎控除の110万円を引いた残りに税率をかけます。同じ年に親から現金の贈与を受けていれば、その分も合計に入るので、空き家だけなら110万円以下でも、合わせると基礎控除を超えることがあります。

不動産の評価は、国税庁の財産評価の取扱いで、土地は路線価か固定資産税評価額に倍率をかけた額、建物は固定資産税評価額を基に決まります。あげる側から固定資産税の課税明細書の写しをもらえば、もらう前に大まかな評価を見積もれるので、話がまとまる前に見せてもらってください。

不動産取得税は、不動産を取得した人にかかる県の税で(地方税法第73条の2)、相続で受け取ったときはかからず、贈与で受け取ったときはかかります。愛知県内の不動産なら、県税事務所が課税の窓口です。名義を移す登記には登録免許税がかかり、司法書士に頼めばその報酬も加わります。0円で受け取る家に、どんな費用と税が付いてくるかは、「0円物件とは?探し方と、もらう前に確かめる費用・税金」の記事が、もらう側の立場で詳しく扱っています。

空き家をもらう側にかかる税と費用の順

  1. 1

    贈与税

    評価額の合計から基礎控除の110万円を引いた残りに懸かる

  2. 2

    不動産取得税

    不動産を贈与で取得した人にかかる県の税

  3. 3

    登録免許税と報酬

    名義を移す登記にかかる税と、司法書士に頼んだ場合の報酬

2. 引き取る前に、建物と前の道と家財を見ておく

もらう側の手順で欠かせないのが、受け取る前の現地の確認です。屋根と外壁、床下の湿り、水回りの傷み、電気と水道が止まっているかを見て、住めるまでに何をどれだけ直すかを見積もってから返事をします。

建物を建て替えるつもりなら、敷地が道路に2m以上接しているか(建築基準法第43条)を、市役所の建築の担当課で確かめます。接していないと建て替えができず、受け取ったあとに使い道が限られてしまうからです。敷地に田や畑が含まれている場合は、その部分を受け取るのに農業委員会の許可が要る(農地法第3条)ので、許可が出る見込みかどうかも先に聞いておきます。

家財が残っている家では、どこまでをあげる側が片付け、どこからをもらう側が引き受けるかを、贈与契約書に書く前に現地で一緒に決めておきます。仏壇や写真のように処分に迷うものは、あげる側が引き取るのか、もらう側が処分してよいのかを1つずつ確かめておくと、引き渡しの当日に揉めずに済みます。

愛知県の空き家の譲渡で起きる問題と費用の目安は?固定資産税・相続登記・契約不適合

庭の隅にある古い水道の蛇口と、その周りに伸びた雑草

譲渡で起きやすい問題は、名義が移るまでの固定資産税、期限を過ぎた相続登記、引き渡し後に見つかった欠陥の契約不適合の3つです。

目安になる金額は、固定資産税の免税点(土地30万円・家屋20万円)、相続登記を怠ったときの10万円以下の過料、そして1万円でも代金を受け取ると贈与が売買に変わる境目です。

1. 固定資産税と相続登記:名義が移るまで誰が払い、期限を過ぎると何が起きるか

毎年1月1日の時点で登記簿に所有者として載っている人に、その年度の固定資産税がかかります(地方税法第343条・第359条)。年の途中で名義を移しても、その年度の税は1月1日の所有者に1年分の納税通知書が届くので、引き渡しの日で日割りして精算するかどうかを、贈与契約書で決めておきます。

課税標準となる額が、同じ市町村の中で持つ土地の合計で30万円未満、家屋の合計で20万円未満なら、原則として固定資産税はかかりません(地方税法第351条の免税点)。山あいの小さな家と土地では免税点を下回ることもあり、その場合はもらう人に固定資産税の負担はかかりませんが、もらう人がすでに同じ市町村に土地や家を持っていれば合計で判定されるので、評価額だけで「税はかからない」と言い切らないでください。

空き家の管理が行き届かず、市町村から勧告を受けると、建物が建っていても住宅用地の特例(地方税法第349条の3の2)が外れ、土地の税額が上がります。勧告に至るまでの流れは、「空き家の固定資産税が6倍になる条件」の記事にあり、もらい手を探している間も草刈りや通水を続ける理由はここにあります。

相続登記の期限を正当な理由なく過ぎると、10万円以下の過料の対象になります(不動産登記法第164条)。期限そのものは「相続登記の期限は、知った日と2024年4月1日の遅い方から3年」の項にあり、譲る場合でも売る場合でも、相続登記が済まないうちは次の名義の移転に進めないので、過料の心配より先に、手放す日程そのものが止まることの方が実害は大きくなります。

空き家の譲渡で起きやすい主な問題

  • 固定資産税の精算

    1月1日の所有者にかかるため、引き渡しの日で日割り精算するか

  • 免税点の判定

    土地30万円・家屋20万円未満か、他の不動産との合計で判定

  • 勧告による税額増

    管理不足で市町村から勧告を受けると住宅用地の特例が外れる

  • 相続登記の過料

    期限を正当な理由なく過ぎると10万円以下の過料の対象になる

  • 名義移転の停滞

    相続登記が済まないうちは次の名義の移転に進めない

2. 契約不適合:1万円でも代金を受け取ると売買になる

贈与と売買では、引き渡したあとに欠陥が見つかったときの責任の重さが違います。民法第551条は、贈与した人は贈与の目的として特定した時の状態で引き渡すことを約束したものと推定する、という趣旨を定めていて、受け取った家に雨漏りがあっても、その状態のまま渡す約束だったと扱われるのが原則です。

ところが、代金を1万円でも受け取ると、契約は贈与ではなく売買になり(民法第555条)、売った側は契約不適合の責任(民法第562条)を負います。買った側は、修理などの追完を求められるほか、代金の減額(第563条)、損害賠償や解除(第564条)を求めることもでき、民法(e-Gov法令検索)で条文を確かめられます。「ただでは気が引けるから1万円で」と軽く決めると、無償で渡すより重い責任を背負うことになります。

無償で渡す場合でも、「解体してくれるならあげる」のように、もらう人に何かをさせる条件を付けた贈与は負担付贈与にあたり、その負担の限度で売主と同じ責任を負います(民法第551条第2項)。売買の形をとって責任を負わない特約を付けても、知っていながら告げなかった欠陥については責任を免れない(民法第572条)ので、雨漏りの跡、シロアリの跡、境界の杭が見当たらないことなど、知っていることはすべて書面に書いて渡してください。

なお、この記事の税務・法務に関する記載は一般的な情報提供であり、個別の事案についての判断ではありません。適用の可否や具体的な税額については、税務署または税理士、登記については司法書士、境界や隣地との権利関係については弁護士や土地家屋調査士など、それぞれの専門家にご確認ください。当社は不動産の買主であり、税務や法律の代理はできません。

「愛知県の空き家の譲渡で起きる問題と費用の目安は?固定資産税・相続登記・契約不適合」について、そのまま聞けます。

愛知県の空き家を当社が買い取るときは、何を確かめて何日で入金する?

当社が買い取る条件・買い取れない条件と、実際の買取事例は「当社の買取基準」にまとめています。

「愛知県の空き家を当社が買い取るときは、何を確かめて何日で入金する?」について、そのまま聞けます。

愛知県の空き家を「あげます」で手放す前に決める3つ

  • 名義を先に整えます。登記簿の名義が亡くなった親のままなら、あげることも売ることもできません。相続で取得したと知った日と2024年4月1日の遅い方から3年が、相続登記の期限です。
  • もらい手と費用の分担で出口を選びます。使う目的を持つ人がいて費用を話し合えるなら無償譲渡、もらい手の当てが無いなら空き家バンク、建物の傷みや費用の重さで話が進まないなら買取が残ります。建物があるうちは国庫帰属は使えません。
  • 渡すときは書面にします。贈与契約書で費用の負担と家財の扱いを決め、1万円でも代金を受け取れば売買になって契約不適合の責任を負うことを踏まえて、知っている欠陥はすべて書きます。

片付けの済んでいない空き家もそのままの状態で金額をお出ししますが、贈与契約書を交わした家と、許可の見込みが立たない田畑を含む家は買い取れません。

査定は無料・売却の義務なし
0120-996-748受付時間10:00〜19:00(水・日曜定休)

通話料無料・全国対応

この先は、当社の買取窓口「買取くん」のページです(運営は同じ株式会社リアテクスです)。

愛知県の空き家を「あげます」で手放すときによくある質問

Q1. 空き家の名義人が亡くなったままでも、愛知県の家を手放せますか

名義人が亡くなったままでは、あげる場合も売る場合も名義を移せないので、先に相続登記で相続人の名義にします。期限の数え方は「相続登記の期限は、知った日と2024年4月1日の遅い方から3年」の項にあります。名古屋市内の家なら、市が設けている専門家による相談窓口のような場で、相続登記の進め方を相談できます。当社に売る場合は、お引き渡しの日から逆算して司法書士と登記の日程を組めます。

Q2. もらい手が見つからないときは、どうすればよいですか

知り合いに当てが無ければ、実家のある市町村の空き家バンクに載せます。それでも問い合わせが無い場合は、買取の金額を取り、もらい手を待つ間の固定資産税と管理の費用と比べてください。建物が無ければ使える国庫帰属は、解体費と負担金を払う最後の受け皿として考えるのが現実的です。

Q3. 愛知県外に住んでいても、あげたり売ったりする手続きはできますか

贈与契約書や売買契約書への署名、登記に使う書類の受け渡しは、愛知県外からでも郵送で進められ、現地の確認だけを家族や相手に任せる形も取れます。当社に売る場合は鍵をお預かりし、当社だけで現地を見ることもできます。行かずに進める手順は、「遠方の実家を行かずに売却する方法」の記事にまとめています。

Q4. 家財が残ったままでも、あげたり売ったりできますか

あげる場合は、どこまでを誰が片付けるかをもらう人と現地で決め、贈与契約書に書いておけば、残したまま渡すこともできます。売る場合は、片付けの費用を買主が見込んだ金額になるので、自分で片付けた方が手元に残るかどうかを比べてください。比べ方は「実家の残置物の処分はどこまで?売り方3つの分かれ目」の記事にあります。

Q5. 解体してから譲った方が、もらい手は見つかりやすいですか

更地を欲しがる人には見つかりやすくなりますが、建物ごと使いたい人という選択肢は解体した時点で消えます。解体費は先に自分で払い、住宅用地の特例が外れて翌年度の固定資産税が上がることもあるので、建物があるうちに、あげる相手と買主の両方を探してから決めてください。

Q6. 空き家バンクに登録したまま、買取の相談をしてもよいですか

相談そのものはできます。ただ、登録したまま別の相手に売るときの扱いは市町村ごとの決まりで違うので、売ると決めたら登録先の窓口に知らせ、登録の取り下げ方を確かめてください。空き家バンクを通じて、もらい手と贈与契約書をすでに交わしている場合は、当社ではその家を買い取れません。

当社の見方

相続した物件では、戸籍などの書類が追加で必要になります。

ご用意いただく書類は、個別のご案件によります。

ご負担いただく費用は、個別のご案件によります。

リースバック(売却後も賃借人として住み続ける形)も積極的にお受けしています。

買い取れない物件や、売らないほうがよい場合は、正直にそうお伝えしています。

新潟県長岡市の賃貸中の戸建て(築50年以上)を、約140万円で買い取りました。

神奈川県川崎市宮前区の土地(古家付きを含む)(築50年以上)を、買取金額600万円台で買い取りました(2024年に取引)。

北海道札幌市南区の賃貸中の戸建て(築40年以上)を、約250万円で買い取りました。

広島県尾道市の賃貸中の戸建て(築60年以上)を、約80万円で買い取りました。

当社が買い取る物件・お断りする物件と、買取価格の決まり方は、当社の買取事例76件の内訳とあわせて当社の買取基準にまとめています。

この記事について

執筆・編集
リアテクス編集部株式会社リアテクス当社(宅地建物取引業 東京都知事(1)第107888号)は物件を直接買い取る買主の立場から、売却を検討する方の判断材料となる記事を企画・編集しています。
監修
鶴野 博之鶴野 博之株式会社リアテクス 執行役員宅地建物取引士(東京)第257503号/賃貸不動産経営管理士/2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)この区分の監修を担当しています。記事の公開判断は当社が行っています(代表が定めた手順による)。確認・公開判断:鶴野 博之(株式会社リアテクス 執行役員)
公開・更新
公開 更新 内容を見直したときは、この日付と改訂の内容を更新しています。情報の確認日 (出典の公的資料を開いて内容を確かめた日)
この記事の事実確認の方法
法令:民法出典:暦年課税
記事の作り方
この記事は、当社の担当者が事実確認を行ったうえで公開しています。

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  1. 第2版検索する方が知りたい論点の見出しを足しました(既存の数字・法令・日付は変えていません)。
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