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空き家のゆくえ買取くん

空き家

静岡県の古民家は「あげます」で譲れる?無償譲渡と買取の差

公開 更新

執筆
株式会社リアテクス リアテクス編集部
監修
株式会社リアテクス 執行役員 鶴野 博之(宅地建物取引士(東京)第257503号)
静岡県の古民家は「あげます」で譲れる?無償譲渡と買取の差

「相続した静岡の古民家を、別荘にでも使ってくれる人にあげてしまいたい」。相続登記で名義を自分に移し、建物の傷み・道への接し方・敷地の地目を確かめた時点で、あげるか、空き家バンクに載せるか、買取に出すかが決まります。

当社は、雨漏りや家財が残ったままの古民家を現況のまま買い取り、お引き渡しと同じ日に代金をお支払いします。土地の値から解体と片付けの費用を引くと額が残らない古民家は、あげますや空き家バンクの方が手元の負担が軽くなります。この家が買い取れるかどうかだけ、先に聞く(無料)

目次(9章)

無償で手放す前に、売れるか確かめる(当社の買取条件)

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この先は当社の買取窓口「買取くん」です。

静岡県の古民家を「あげます」と言って誰かに渡すことは、法律の上では無償の贈与契約で、売るのと同じように成り立ちます。違うのは、お金が入らない代わりに、名義を移す登記の税や、もらう側の贈与税・不動産取得税を誰が持つかを、当事者どうしで決めなければならない点です。相続した実家の名義が亡くなった親のままなら、相手を探すより前に相続登記が要ります。建物の傷み、家の前の道、敷地に畑が混じっているかどうかで、あげる相手が見つかるか、空き家バンクや買取の方が早いかが分かれます。

静岡県の古民家は「あげます」で譲れる?無償譲渡と買取の差の要点を、定義・この記事でわかること・よくある質問の順に短くまとめた動画です。

静岡県で古民家を「あげます」と出す前に確かめることは?相続登記の期限は3年

確かめるのは、あげることが贈与の契約になる点、登記簿の名義が誰か、置いたままの家に何が起きるかの3つです。

親を見送って半年ほどがたち、静岡の実家は雨戸を閉めたまま、法事のときに風を通すだけになっている。この時期に「誰かもらってくれないか」と考え始める方は少なくありません。ただ、掲示板に写真を出すのはまだ先です。あげるという行為が法律でどう扱われ、今の名義のままでは何ができないのかを押さえておくと、相手が見つかったあとで話が止まりません。

あげます・売る・寄付は、契約の中身と税が違う

「あげます」は民法第549条の贈与にあたり、あげる側が無償で渡すと言い、もらう側が受けると答えた時点で契約になります。口約束でも成り立ちます。ただし書面にしていない贈与は、引き渡しや登記が済んでいない部分について、どちらからでも解除できます(民法第550条)。鍵を渡したのに登記の直前で「やはりやめる」と言われる余地が残るわけです。贈与契約書を作り、引き渡しの日と登記の日を書いておくのは、この余地を消すためです。

1円や10万円のように値段を付けて渡すと、それは贈与ではなく売買です。売買になると、あとで見つかった不具合への責任が贈与より重くなります。また、時価より著しく低い値段で個人に売ると、差額を贈与とみなして買った側に贈与税がかかることがあります(相続税法第7条)。値段を付けるか付けないかで、税と責任の両方が動きます。

相手が会社やNPOなどの法人だと、扱いがさらに変わります。個人が法人へ無償で渡すと、時価で売ったものとみなされ、あげた側に譲渡所得の課税が出ることがあります(所得税法第59条第1項)。お金を1円も受け取っていないのに税が来るので、相手が法人なら話を進める前に税務署か税理士に確かめてください。市や町への寄付は、受け取るかどうかを市町が決めます。使い道の決まっていない建物つきの土地を、受け取ってもらえる前提で計画を立てない方が安全です。

静岡県の空き家の数と、古民家が「あげます」に回る背景

総務省統計局の令和5年住宅・土地統計調査(令和6年4月公表)では、全国の空き家は900万戸、住宅全体に占める割合は13.8%で、どちらも過去最多でした。このうち、貸す予定も売る予定も無く別荘としても使われていない空き家が385万戸あり、相続したまま使い道の決まっていない実家はこの区分に数えられます。静岡県の総住宅数・空き家数・空き家率は、同じ調査の都道府県別の付表に県の行として載っており、住宅・土地統計調査(総務省統計局)の結果のページから確かめられます。

静岡県内では、市や町がそれぞれ空き家バンクを開き、移り住む家を探す人に物件を紹介しています。静岡市は市全体の空き家情報バンクとは別に、中山間地域(オクシズ)向けの空き家バンクのページを設けています。伊豆半島の南伊豆町・西伊豆町・河津町、県西部の浜松市も空き家バンクや空き家情報のページを持っています。窓口と確認日は「あげる側(譲る側)の手順は?静岡県の空き家バンクで相手を探すまで」の節に表でまとめました。

古民家という言葉には法令上の定義が無く、築年数で線が引かれているわけでもありません。それでも、土壁や太い梁を持つ古い木造の家は、直して住みたい人には魅力があります。一方で、相続した子の世代が首都圏や名古屋で暮らしていると、通って手入れを続けるのは重い負担です。売りに出しても値段が付きにくい家ほど、「せめてタダで使ってくれる人に」という考えに行き着きます。別荘として建てた家を譲る場合の進め方は、「静岡県の別荘あげますは可能?無償譲渡と買取の分かれ目」の記事に書いています。

あげますと出す前に確かめること

  • 個人に無償で渡す

    贈与契約になる。書面がないと直前で解除される余地がある。

  • 値段を付けて渡す

    売買になり不具合への責任が重い。買った側に税が来ることも。

  • 法人に無償で渡す

    お金を受け取っていなくても、あげた側に課税が出ることがある。

  • 市や町へ寄付する

    受け取るかは市町が決める。前提にして計画しない方が安全。

置いたままにすると、1年後・3年後に起きること

いま実家が閉め切りでも、すぐに何かの手続きが動くわけではありません。動き始めるのは、名義の期限と、管理の状態に対する市町の手続きです。

名義を移す期限は、親を見送った時期によって数え方が変わります。親が亡くなったのが2024年4月より前で、そのころから実家が自分のものになると分かっていたなら、締め切りは2027年3月31日です。それより後に亡くなった場合は、実家を受け継いだと分かった日から数えて3年が締め切りです。どちらも、名義の変更が義務になった2024年4月1日と、受け継いだと分かった日のうち遅い方から3年、という同じ決まりで数えています。期限を過ぎても正当な理由なく名義を移さずにいると、10万円以下の過料を科されることがあると、法務省の相続登記の案内は説明しています。

管理の側では、空家等対策の推進に関する特別措置法第13条により、市町は管理の足りない空き家を管理不全空家等として指導できます。それでも改善されず、特定空家等になるおそれが大きいと判断されると、勧告に進みます。勧告を受けた土地は、住宅が建つ土地の固定資産税の課税標準を6分の1(200㎡以下の部分)にする地方税法第349条の3の2の特例から外れます。税がどう増えるかは「空き家の固定資産税が6倍になる条件」の記事で計算しています。

古民家は、閉め切って湿気がこもると床下から傷みが進みます。静岡は台風が通る年も多く、瓦のずれや雨どいの外れを1シーズン放っておくと、一度の大雨で天井に染みが出ます。もらう側がいちばん気にするのは「直せば住めるか」です。傷みが進むほど相手の候補は減ります。決める順番は、名義を確かめ、建物の状態から出口を選び、そのあとで相手を探す、です。

無償譲渡と売却の契約と税の違い

観点無償で譲る(0円)値段を付けて渡す
法律上の扱い贈与売買
不具合への責任売買より軽い贈与より重くなる
個人相手の税金もらう側に贈与税著しく安いと買った側に贈与税

「静岡県で古民家を「あげます」と出す前に確かめることは?相続登記の期限は3年」について、そのまま聞けます。

古民家の手放し方は5つ。静岡の空き家バンクとあげますのどちらが向く?

向く出口は、建物が住めるか、名義が整っているか、道に2m以上接しているかで、5つのうちのどれかに絞れます。

手放そうと考え始めた段階では、選択肢が「売る」と「あげる」しか無いように見えがちです。実際には、市町の空き家バンクに載せる道、国に土地を引き取ってもらう道、壊して土地として売る道もあります。どれが使えるかは、家の条件で先に決まっています。はい/いいえで、当てはまる行に印を付けてください。

  • □ 電気と水道を戻せば、雨漏りの修理をしないまま寝泊まりできる(はい→1か2が候補)
  • □ 登記簿の所有者が、自分か、自分を含む相続人になっている(いいえ→どの出口でも相続登記が先)
  • □ 建築基準法上の道路(第42条)に、敷地が2m以上接している(第43条)(いいえ→建て替えができず、1と2の相手が限られる)
  • □ 敷地のどこにも、地目が田や畑の部分が無い(いいえ→農地法の許可の手続きが入る)
  • □ 建物を壊す費用を自分で出せる(はい→4か5が候補)
  • □ 手元にお金を残したい、または期日までに現金が要る(はい→3を比べる)

印が多く付くほど、選べる出口は増えます。名義・接道・地目のどれかに「いいえ」が付いた家は、あげる相手を探しても途中で話が止まりやすくなります。その場合は、相手探しと並行して3か5の金額を見ておくと、判断が早くなります。

手放し方を決めるための家の条件

  • 向いている家の条件

    少し手を入れれば住める古民家。景色や庭の広さが決め手になる。

  • あげる側に残る負担

    無償でも、相続登記と家財の片付けの費用はあげる側に残る。

  • もらう側にかかる負担

    登記の税、贈与税、不動産取得税などの税金がかかる。

1. 個人に無償で譲る(あげます掲示板・マッチングの場)

向くのは、少し手を入れれば住める古民家です。移住や二拠点の暮らしを考える人、自分で直したい人、畑付きの家を探す人が、無償の家を探しています。景色や庭の広さが相手の決め手になることもあります。

あげる側の費用は少なく見えますが、相続登記と家財の片付けは残ります。もらう側には、登記の税、贈与税、不動産取得税がかかります。宅地建物取引業者が間に入らない個人どうしの譲渡では、重要事項の説明もありません。道や水道の状態、ほかに使っている人がいないかは、当事者が自分で確かめます。もらう側が確かめる費用の考え方は、「0円物件とは?探し方と、もらう前に確かめる費用・税金」の記事が参考になります。

掲示を出してから相手が決まるまでの期間は読めません。問い合わせが来ても、現地を見て辞退されることもあります。その間も固定資産税の通知は届きます。

2. 市町の空き家バンクに載せる

空き家バンクは、市や町が空き家の情報を集めて、住む家を探す人に紹介する仕組みです。移住の相談と組み合わせている市町もあり、個人の掲示より相手の目的がはっきりしています。登録の条件、無償での譲渡を載せられるか、話し合いや契約に宅地建物取引業者が入るかどうかは、市町ごとに違います。

補助金も市町ごとです。たとえば南伊豆町には、空き家バンクを通した家の【リフォーム】と【家財処分】を対象にした南伊豆町空き家バンクリフォーム補助金のページがあります。誰が申請でき、いくら出るかは、そのページで確かめてください。補助金は年度ごとに予算と受付期間が決まるので、令和8年度の受付が続いているかも申し込みの前に町へ確かめます。

登録の申し込みから掲載までには、市町の担当による現地の確認が入ることがあります。載せたあとは、問い合わせを待つ時間になります。

3. 買取に出す

不動産会社が買主になって、そのまま買い取る方法です。家財が残っていても、雨漏りがあっても、現況で引き渡せます。当社が買い取る場合は仲介手数料はかかりません。

価格は、土地として売れる見込みの額から、解体や片付けの費用と、次に売れるまでの期間の分を引いて決まります。古民家は建物が大きく、敷地の奥まで重機が入りにくいことも多いので、解体の費用が重くのしかかります。どんな家で買取が手元に残るかは、「無償譲渡より買取が向く古民家は?静岡県で手元に残る額の比べ方」の節で比べています。

4. 相続土地国庫帰属制度を使う(建物があると申請できない)

相続した土地を、一定の条件で国に引き取ってもらう制度です。建物がある土地は申請できません。古民家の場合は、壊して更地にしてからの話になります。

法務省の相続土地国庫帰属制度の案内では、審査手数料は土地一筆あたり14,000円、負担金は原則20万円とされています。負担金は土地の種類や面積で算定が変わります。担保が付いている土地や、他人が通路として使っている土地なども申請できません。解体費に負担金が加わるので、手元からお金が出ていく出口だと考えてください。

家の条件から主な手放し方へ分かれる流れ

  1. 1

    名義は自分か相続人か

    いいえなら、どの手放し方でも相続登記が先になる。

  2. 2

    修理なしで寝泊まり可能か

    はいなら、個人に譲るか空き家バンクが候補になる。

  3. 3

    道路に2m以上接しているか

    いいえなら建て替えできず、譲る相手が限られる。

  4. 4

    建物を壊す費用を出せるか

    はいなら、国庫帰属制度か解体して売るのが候補になる。

  5. 5

    手元に現金を残したいか

    はいなら、買取に出す場合の金額を並行して比べる。

5. 解体して土地として売る

建物を壊して、更地で売る方法です。解体費は売主の負担です。建物を取り壊したら、1か月以内に滅失の登記を申請します(不動産登記法第57条)。

古民家の解体は、土壁や瓦、太い梁が多く、出る廃材の量で費用が膨らみます。中山間地の細い道の奥にある家では、小さな重機と手作業の範囲が増えます。費用の組み立ては「空き家の解体費用はいくらかかるか」の記事に整理しています。

解体した年の翌年の1月1日に住宅が建っていなければ、土地の固定資産税の特例が外れます。売れるまでの期間が読めない土地ほど、この差が手元から出ていきます。相続した家を壊して売るなら、使える控除があるかも同時に確かめます(「無償譲渡より買取が向く古民家は?静岡県で手元に残る額の比べ方」の節)。

あげますの古民家、譲渡で起きる問題と費用の目安は?

問題が出るのは固定資産税・相続登記・契約不適合の3か所で、評価額300万円の古民家なら登記の税だけで1.2万円と6万円がかかります。相続登記の登録免許税は固定資産税評価額の0.4%、贈与で名義を移す登記は2%と、登録免許税法の別表第一が定めているためです。

相手の候補から連絡が来て、「いつ名義を移せますか」と聞かれた時点で、費用の話は急に具体になります。誰が何を払うかを決めないまま進めると、引き渡しの直前で止まります。3つを、出てくる順に見ていきます。

1. 固定資産税は、1月1日の名義人に1年分が届く

固定資産税は、登記簿に所有者として載っている人に課されます(地方税法第343条)。誰が払うかは、毎年1月1日時点の名義で決まります(地方税法第359条)。年の途中で名義を移しても、その年の分はあげた側に届きます。

目安を置いてみます。固定資産税評価額が土地200万円(200㎡以下の住宅用地)、建物100万円の古民家だとします。土地は地方税法第349条の3の2で課税標準が6分の1になり、地方税法第350条の標準税率1.4%を掛けると約0.5万円です。建物は約1.4万円で、合わせて年に約1.9万円になります。実際の額は市町の計算や負担の調整で変わるので、手元の納税通知書の額が正本です。

売買では、引き渡しの日で日割りして精算するのが慣行です。贈与には決まった精算のやり方がありません。12月に登記を移せば翌年分からはもらう側、1月に入ってから移せばその年の1年分はあげた側、と分かれます。契約書に、どちらがどの年の分を持つかを書いておいてください。勧告を受けて特例が外れた家だと、土地の分の税は数倍に増え、もらう側の負担感も変わります。

登記時期による固定資産税の負担の違い

登記完了の時期1月1日時点の名義年額約1.9万円の負担者
年内の12月もらう側へ変更済み翌年分からもらう側が支払う
年明けの1月あげる側のまま移した年の1年分をあげる側が支払う

2. 相続登記は、贈与の登記の前に済ませる

亡くなった親の名義のままでは、もらう側へ直接名義を移せません。まず相続登記で相続人に移し、次に贈与の登記でもらう側へ移す、の2段階です。評価額300万円の例なら、登録免許税は相続登記で1.2万円、贈与の登記で6万円です。司法書士に頼むなら報酬が別にかかり、額は事務所ごとに違います。

相続人が複数いる場合は、遺産分割の協議で誰が実家を取得するかを決めます(民法第907条)。決めずに全員の共有で登記すると、贈与の契約にも全員が加わることになります。相続人申告登記(不動産登記法第76条の3)を出せば申請の義務は果たせますが、名義は移らないので、あげる手続きには使えません。

市町の資産税の窓口で名寄帳を取ると、亡くなった親の名義の土地が一覧で分かります。古民家には、家の裏の山林や、離れた場所の畑が付いていることがあります。名義が残った土地をあげ忘れると、固定資産税はあげた側に届き続けます。

3. 契約不適合の責任は、贈与と売買で重さが違う

贈与では、あげる側は、あげると決めた時点の状態で引き渡すと約束したものと推定されます(民法第551条第1項)。引き渡したあとに雨漏りが見つかっても、直す義務を負わないのが原則です。ただし、片付けや解体を条件にしてあげる負担付きの贈与では、その負担の限度で売主と同じ責任を負います(民法第551条第2項)。

1円でも値段を付ければ売買です。売買では、引き渡した家が契約の内容に合わなければ、買った側は修補を求められます。これが契約不適合の責任(民法第562条)で、修補しなければ代金の減額(第563条)、損害賠償や解除(第564条)へ進むことがあります。たとえば白蟻の被害で修補に50万円かかると言われれば、その50万円をどうするかの話になります。条文は民法(e-Gov法令検索)で確かめられます。

売買で責任を負わない特約を付けても、知っていて伝えなかった不具合は免れません(民法第572条)。あげる場合でも、雨漏りの跡、白蟻、傾き、井戸や浄化槽の状態を書面に書いて渡しておくと、あとで言った言わないになりません。

登記の時期と固定資産税の負担

  1. 1月1日

    固定資産税の課税

    1月1日時点の名義人に1年分(約1.9万円)が届く

  2. 12月に登記を移す

    翌年分からもらう側

    翌年の1月1日にはもらう側の名義になるため

  3. 1月に登記を移す

    その年はあげた側

    1月1日時点であげた側の名義なら1年分を負担

「あげますの古民家、譲渡で起きる問題と費用の目安は?」について、そのまま聞けます。

あげる側(譲る側)の手順は?静岡県の空き家バンクで相手を探すまで

家族が家財の整理に向けて話し合っている(古民家の居間で)

あげる側は、名義と書類と家財の扱いを先に決め、そのあとで静岡県内の空き家バンクか個人向けの掲示で相手を探します。

一周忌を過ぎたころに動き出すと、戸籍を集めるだけで数週間かかることもあります。相手が見つかってから準備を始めると、その間に相手の気が変わります。先に準備を終え、相手探しはそのあとに回します。

あげる側の相手を探すまでの手順

  1. 1

    名義の確認と相続登記

    登記事項証明書を確認し親のままなら登記する

  2. 2

    書類の取得

    名寄帳と公図を取りあげる土地の範囲を確定する

  3. 3

    家財の扱いと状態メモ

    残す家財を決め雨漏りなどの状態をメモする

  4. 4

    相手探し

    準備を終えてから空き家バンクや掲示板に出す

1. 名義・書類・家財を、相手を探す前にそろえる

最初に法務局で登記事項証明書を取り、所有者の欄を見ます。名義が亡くなった親のままなら、相続登記の準備から入ります。申請の進め方と必要な書類は法務省の相続登記の案内にまとまっています。あわせて市町で名寄帳を、法務局で公図を取っておくと、あげる土地の範囲が地番で確定します。

家財は、残すものと処分するものを決めます。仏壇や古い箪笥、農機具は、もらう側が使うかどうかで扱いが変わります。残置物の処分の範囲と費用は、「実家の残置物の処分はどこまで?売り方3つの分かれ目」の記事で、売り方ごとに分けて整理しています。

もう1つは、家の状態のメモです。雨漏りの場所、白蟻の跡、床の傾き、水が井戸か簡易水道か、トイレが汲み取りか浄化槽か。古民家では、ここが相手の判断を左右します。写真を添えたメモが、そのまま贈与契約書の別紙になります。

2. 静岡県の空き家バンクに載せるか、個人の掲示に出すかを決める

静岡県内の主な空き家バンクの窓口は次のとおりです。

市町村空き家バンク・窓口確認日
静岡市静岡市空き家情報バンク2026-10-28
静岡市(中山間地域)空き家バンク(静岡市 中山間地域)2026-10-28
浜松市浜松市空き家バンク2026-10-28
南伊豆町南伊豆町「空き家バンク」2026-10-28
西伊豆町西伊豆町 空き家情報バンク2026-10-28
河津町河津町空き家情報一覧2026-10-28

実家のあった市町が表に無ければ、その市町の空き家や移住の担当課に、空き家バンクがあるかを問い合わせます。空き家バンクに載せると、相手は住む家を探して市町に相談してきた人に絞られます。そのぶん、登録の書類や現地の確認があり、掲載までに時間がかかります。

個人の掲示は、出した日から問い合わせが来る可能性があります。その代わり、相手の身元や、本当に住むつもりなのかを確かめるのは自分です。どちらを選んでも、内見の日程、契約書の作成、登記の段取りはあげる側が主導することになります。迷うなら空き家バンクに先に載せ、決まらなければ掲示を足す順にすると、相手を確かめる手間が少なく済みます。

もらう側の手順は?古民家の贈与税は年110万円を超えた分にかかる

古民家の縁側と、手入れされた庭先

もらう側は、贈与契約を書面で交わし、登記を移したうえで、年110万円を超えた分の贈与税を翌年に申告します。

相手の候補が内見を終えると、「登記の費用はどちらが持つのか」「税はいくらかかるのか」と聞かれる段階に入ります。あげる側がもらう側の手順を知っていると、ここで話が止まりません。

1. もらう側は、内見と書面の契約で引き渡す中身を決める

内見では、屋根裏と床下、水回り、敷地の境目、車が入れる道かどうかを見てもらいます。古民家は、見た目より床下や小屋組の傷みで直す費用が決まります。もらう側が建物の調査を頼みたいと言えば、日程に応じます。

贈与契約書には、次の6点を書きます。

  • あげる土地と建物(地番と家屋番号で特定する)
  • 家財をどこまで残すか
  • 引き渡しの日と、登記を申請する日
  • 登記の税と司法書士の報酬をどちらが持つか
  • その年と翌年の固定資産税をどちらが持つか
  • 片付けや解体などの条件を付けるかどうか

条件を付けると負担付きの贈与になり、あげる側の責任が変わります。その違いは「あげますの古民家、譲渡で起きる問題と費用の目安は?」の節の3番目に書いています。

もらう側の引き渡しから申告までの手順

  1. 1番目

    内見と建物の調査

    屋根裏や床下などを確認。希望があれば調査を頼む

  2. 2番目

    贈与契約書を交わす

    引き渡し日や登記の税の負担など6点を書面にする

  3. 3番目

    登記を移す

    もらう側とあげる側が共同で申請する

  4. 翌年

    贈与税の申告

    年110万円を超えた分の贈与税を申告する

2. 登記を移し、贈与税と不動産取得税の手続きをする

贈与の登記は、もらう側とあげる側が共同で申請します(不動産登記法第60条)。司法書士に頼めば、双方の書類を集めて同じ日に申請できます。

贈与税は、もらった側にかかります。1年間にもらった財産の合計から基礎控除の110万円を引き、残りに税率を掛けます。古民家の評価が300万円なら、残り190万円に一般の税率10%を掛けて19万円です(国税庁の贈与税の計算と税率)。土地は路線価か固定資産税評価額に倍率を掛ける方法で、建物は固定資産税評価額で評価するのが原則です。申告と納付は、もらった年の翌年2月1日から3月15日までです(相続税法第28条)。

不動産取得税は県の税で、もらう側に静岡県から納税の通知が届きます(地方税法第73条の2)。評価が低い古民家でも、通知は登記からしばらくたって届くので、もらう側にあらかじめ伝えておきます。個人どうしの無償の贈与なら、あげた側には譲渡所得の申告は生じません。

なお、この記事の税務・法務に関する記載は一般的な情報提供であり、個別の事案についての判断ではありません。適用の可否や具体的な税額については、税務署または税理士、登記については司法書士、境界や隣地との権利関係については弁護士や土地家屋調査士など、それぞれの専門家にご確認ください。当社は不動産の買主であり、税務や法律の代理はできません。

「もらう側の手順は?古民家の贈与税は年110万円を超えた分にかかる」について、そのまま聞けます。

無償譲渡より買取が向く古民家は?静岡県で手元に残る額の比べ方

当社が買い取る条件・買い取れない条件と、実際の買取事例は「当社の買取基準」にまとめています。

静岡県の古民家を当社が買い取る流れは?価格のご提示まで目安30分

静岡県の山間部にある、周囲の自然に囲まれた木造住宅

ご相談から買取価格をお伝えするまでが目安30分、ご契約までが目安1〜2週間で、代金はお引き渡しと同時にお支払いします。

取引態様:買主(当社が自ら買い取ります)/媒介(当社で買い取れない物件は、仲介で売却をお手伝いします)

静岡から離れて暮らしていて、実家に行けるのは年に数回という相続人の方からのご相談も多くあります。現地に何度も通えない前提で、日程を組みます。

相談からお引き渡しまでの進み方

当社は全国(47都道府県)に対応しており、静岡県の古民家も買い取ります。自己資金で買うので、契約に融資の特約は付けません。決済の日に、代金のお支払いと所有権の移転の登記を同じ日に行います。お引き渡しは、早ければご相談から2週間以内です。

決済日は売主さまのご都合に合わせます。相続登記が済んでいない古民家では、決済日から逆算して、司法書士と登記の日程を組みます。遠方にお住まいなら鍵をお預かりし、当社だけで現地を見ることもできます。家財が残ったままでも、そのまま引き取ります。

当社が古民家を買い取るまでの手順

  1. 1

    ご相談と価格のご提示

    ご相談から目安30分で買取価格をお伝えする

  2. 2

    ご契約

    ご相談から目安1〜2週間でご契約となる

  3. 3

    お引き渡しとご入金

    決済日に代金のお支払いと登記を同じ日に行う

ご用意いただく書類と、売主さまの費用

書類は、一般には登記識別情報か権利証、本人確認の書類、印鑑証明書、固定資産税の納税通知書の4つです。古民家を相続されたのであれば、これに戸籍などの書類が加わります。どこまで要るかは、ご案件ごとに変わります。

費用は、一般には売買契約書に貼る印紙代、抵当権が残っていればその抹消の登記、登記簿の住所が古いままなら住所を変える登記の費用です。相続された古民家では、相続登記の費用もかかります。昔の借入れの抵当権が消されないまま残っている古民家もあるので、登記事項証明書の乙区も見てください。実際にかかる費用は、ご案件ごとに変わります。

当社が買い取れない古民家と、他に相談したほうがよい場面

古民家ならではの条件で、当社が金額をお出しできないのは次のような場合です。

  • 敷地の一部の地目が田や畑で、農地法第3条や第5条の許可の見通しが立たないとき。その部分は買い取れず、家の建つ宅地と分けられなければ全体の金額が出せないことがあります。
  • 文化財として指定や登録を受けていて、壊したり手を入れたりするのに文化財保護法の手続きが要るとき。使い道が限られるため、金額をお出しできないことがあります。
  • 土砂災害特別警戒区域に入り、建物も住める状態に無いとき。建て直しに構造の制限がかかり、解体と片付けの費用が土地の値を上回って、金額が残らないことがあります。

親族の誰かが住むか残すかを、まだ決めかねている段階なら、当社より先に公的な窓口で考えを整理する方が向いています。静岡県は住まいに関する相談窓口を案内しています。手放すと決めたあとで、あげる・載せる・売るの金額を並べてください。

「静岡県の古民家を当社が買い取る流れは?価格のご提示まで目安30分」について、そのまま聞けます。

静岡県の古民家をあげますで手放す前に決める3つのこと

  • 名義を先に移します。 亡くなった親の名義のままでは、相手が決まっても登記を移せません。相続登記の期限は、施行日と知った日の遅い方から3年です。名寄帳で、あげ忘れる土地が無いかも確かめます。
  • 出口は、建物と道と地目で選びます。 住める状態で、道に2m以上接し、畑が混じらない古民家なら、あげますや空き家バンクで相手が見つかる見込みがあります。どれかが欠けるなら、買取や解体の金額を並行して見ておきます。
  • 費用の持ち方を書面にします。 登記の税、その年の固定資産税、もらう側の贈与税と不動産取得税を、誰が持つかを贈与契約書に書きます。値段を付ければ売買になり、責任の重さが変わる点も含めて決めます。

当社は静岡県の古民家も家財や傷みがあるまま買主として買い取りますが、敷地の畑の部分に農地法の許可の見通しが無い場合などは、金額をお出しできないことがあります。

査定は無料・売却の義務なし
0120-996-748受付時間10:00〜19:00(水・日曜定休)

通話料無料・全国対応

この先は、当社の買取窓口「買取くん」のページです(運営は同じ株式会社リアテクスです)。

静岡県の古民家の無償譲渡でよくある質問

Q1. 古民家をタダで譲ったあと、雨漏りが見つかったら責任は残りますか

無償であげた場合、あげると決めた時点の状態で渡すと約束したものと推定されるので、直す義務は原則として負いません。片付けなどの条件を付けた場合や、1円でも値段を付けた場合は、責任の重さが変わります。違いは「あげますの古民家、譲渡で起きる問題と費用の目安は?」の節の3番目にまとめています。知っている雨漏りは、契約書の別紙に書いて渡しておくのが安全です。

Q2. 借地に建つ古民家や、再建築不可の古民家でも譲れますか

借地に建つ古民家をあげるには、建物と一緒に借地権を渡すことになり、地主の承諾が要ります(民法第612条)。承諾が得られないときは、裁判所に代わりの許可を求める手続きがあります(借地借家法第19条)。地主側から見た出口は「底地と借地権の出口」の記事にあります。再建築不可の古民家もあげることはできますが、建て替えられないので相手は限られます。理由は「再建築不可物件はなぜ売りにくいのか」の記事にあります。

Q3. 静岡県外に住んでいても、譲る手続きはできますか

できます。贈与契約書は郵送でやり取りでき、登記は司法書士に頼めば現地の法務局へ出向かずに申請できます。内見の立ち会いだけは、親族か近くの知人に頼むか、日程を合わせて一度帰ることになります。売る場合も含めた進め方は、「遠方の実家を行かずに売却する方法」の記事で手順ごとに書いています。

Q4. 建物を壊せば、国に土地を引き取ってもらえますか

壊して更地にすれば申請はできますが、承認されるかは審査で決まります。担保が付いている、他人が通路に使っている、といった土地は申請できません。承認されたあとも負担金の納付が要ります。申請の前に法務省の相続土地国庫帰属制度の案内で、自分の土地が申請できない条件に当たらないかを確かめてください。解体費が先に出ていくので、売れる見込みの額と並べてから決めます。

Q5. 1円で売るのと、あげるのとでは何が違いますか

1円でも値段があれば売買で、あげるのは贈与です。売買では、引き渡したあとに契約と合わない不具合が見つかると、修補や減額を求められることがあります。また時価より著しく低い値段で個人に売ると、差額がもらう側への贈与とみなされ、贈与税がかかることがあります(相続税法第7条)。税も責任も軽くなるわけではないので、1円にする理由が無ければ、贈与契約書で無償と書く方が話は単純です。

Q6. 市や町に寄付することはできますか

申し出ること自体はできますが、受け取るかどうかは市町が決めます。公園や道路のように使い道がある土地でなければ、建物つきの古民家をそのまま受け取ってもらえる前提にはできません。寄付を考えるなら、まず実家のあった市町の空き家の担当課に、受け入れの考え方を問い合わせてください。断られたときに備えて、空き家バンクや買取の金額も同じ時期に確かめておくと、次の固定資産税の通知が届く前に動けます。

当社の見方

相続した物件では、戸籍などの書類が追加で必要になります。

ご用意いただく書類は、個別のご案件によります。

ご負担いただく費用は、個別のご案件によります。

リースバック(売却後も賃借人として住み続ける形)も積極的にお受けしています。

買い取れない物件や、売らないほうがよい場合は、正直にそうお伝えしています。

新潟県長岡市の賃貸中の戸建て(築50年以上)を、約140万円で買い取りました。

神奈川県横須賀市の戸建てを、買取金額300万円台で買い取りました(2024年に取引)。

北海道の賃貸中の戸建て(築50年以上)を、約50万円で買い取りました。

神奈川県厚木市の土地を、約150万円で買い取りました。

埼玉県川越市の土地(築50年以上)を、約760万円で買い取りました。

当社が買い取る物件・お断りする物件と、買取価格の決まり方は、当社の買取事例76件の内訳とあわせて当社の買取基準にまとめています。

この記事について

執筆・編集
リアテクス編集部株式会社リアテクス当社(宅地建物取引業 東京都知事(1)第107888号)は物件を直接買い取る買主の立場から、売却を検討する方の判断材料となる記事を企画・編集しています。
監修
鶴野 博之鶴野 博之株式会社リアテクス 執行役員宅地建物取引士(東京)第257503号/賃貸不動産経営管理士/2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)この区分の監修を担当しています。記事の公開判断は当社が行っています(代表が定めた手順による)。確認・公開判断:鶴野 博之(株式会社リアテクス 執行役員)
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公開 更新 内容を見直したときは、この日付と改訂の内容を更新しています。情報の確認日 (出典の公的資料を開いて内容を確かめた日)
この記事の事実確認の方法
法令:民法出典:総務省統計局、法務省、静岡市 中山間地域
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