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空き家

実家の買取査定はいつ頼む?相続登記と3か月の期限

公開 更新

執筆
株式会社リアテクス リアテクス編集部
監修
株式会社リアテクス 執行役員 鶴野 博之(宅地建物取引士(東京)第257503号)
実家の買取査定はいつ頼む?相続登記と3か月の期限

「親から継いだ実家が空き家のまま。査定を頼みたいけれど、名義も片付けも手つかずで、何から始めればいいのか分からない」。査定は名義が親のままでも受けられ、契約とお引き渡しは相続登記を済ませてから進むので、3か月の熟慮期間と登記の段取りを先に決めておくと、金額が出たあとに話が止まりません。

相続した実家は、家財や仏壇が残ったままでも当社が自己資金で買い取り、お引き渡しの日に代金をお支払いします。相続放棄を考えている間は、契約の日を置きません。この家が買い取れるかどうかだけ、先に聞く(無料)

目次(9章)

名義が親のままの実家も、買取査定から相談できます

約1分で簡単査定を申し込む

この先は当社の買取窓口「買取くん」です。

相続した実家の買取査定は、登記の名義が亡くなった親のままでも受けられます。金額を聞くだけなら、相続登記も家の片付けも先に済ませる必要はありません。話が止まりやすいのはその先です。売買契約とお引き渡しには相続した人の名義への登記が要ります。相続放棄を考えている間は契約書に署名できません。査定を頼む日を決める前に、この2つの期限がどこまで進んでいるかを確かめてください。金額が出たあとに日程が宙に浮きません。

実家の買取査定はいつ頼む?相続登記と3か月の期限の要点を、定義・この記事でわかること・よくある質問の順に短くまとめた動画です。

親名義の実家は買取査定に出せる?相続登記の3年の期限

親の名義のままでも査定は受けられますが、契約と入金に進むには、相続した人の名義への登記が要ります。

四十九日を過ぎ、実家の鍵を誰が預かるかが決まったころ、親の名前が入った固定資産税の書類が届きます。宛名を見て初めて、この家をどうするかを考え始める方は少なくありません。この時点の登記簿の名義は、たいてい亡くなった親のままです。

査定は名義が親のままでも受けられ、契約は登記の後になる

査定は、この家がいくらで売れそうかを見積もる作業で、所有権はまったく動きません。そのため名義が親のままでも、所在地と土地・建物の大きさが分かれば金額は出せます。登記事項証明書が手元に無ければ、納税通知書に添えられた課税明細書でも足ります。

一方で、売買契約を結び、お引き渡しの日に所有権を移すには、売主が登記簿の上で所有者になっている必要があります。買主への移転の登記は、親から相続人へ名義を移す登記の上に積む形で申請するからです。相続人が何人かいる場合は、誰が実家を継ぐかを遺産分割の話し合いで決め、その人の名義で登記します。

ここを後回しにすると何が起きるか。査定額に納得して契約の日取りを決めようとした段階で、話が止まります。戸籍がそろっていない、分け方が決まっていない、といった理由で数か月かかります。その間も固定資産税や庭木の手入れの負担は続き、空き家の傷みも進みます。

無駄の少ない順番は、査定を受けるのと並行して、司法書士に相続登記の見通しを聞いておくことです。聞くのは、戸籍がそろうまでの週数と、相続人全員の署名と押印を集めるのに何往復かかるかの2点です。この答えがあれば、査定額を聞いた日からお引き渡しまでの日数を、おおよそ描けます。

査定と並行して司法書士に聞くこと

  • 戸籍がそろうまでの週数

    査定と並行して司法書士に確認し、日程の土台にする

  • 署名と押印の往復回数

    相続人全員から集める手間を確認し、引き渡しまでの日数を描く

実家の相続登記の期限は、取得を知った日から3年

相続登記は2024年4月1日から義務になりました。相続で実家を取得したと知った日から3年以内に申請します(不動産登記法第76条の2第1項)。正当な理由がないまま申請しないと10万円以下の過料の対象になると、法務省「相続登記の申請義務化について」は案内しています。

自分の期限を出すときは、親が亡くなった日ではなく、実家を相続したと知った日から数えます。一人っ子で、2025年6月10日に父が亡くなり、その日のうちに実家を継ぐと知ったなら、期限は2028年6月10日です。兄弟で話し合い、実家を継ぐ人が後から決まることもあります。その場合は、分割が成立した日から別に3年の期限が走ります。

義務が始まる前に親を亡くしていた方も、この義務の対象から外れません。2024年4月1日より前に相続を知っていたなら、期限は2027年3月31日です。2022年に母を亡くし、実家をそのままにしている方は、この日付が自分の期限になります。

話し合いがまとまらず期限に間に合いそうにないときは、相続人申告登記という手続きがあります。登記官に、相続が始まったことと自分が相続人であることを申し出るものです(不動産登記法第76条の3第1項)。これで申請の義務は果たせます。ただし名義が相続人に移るわけではないため、実家を売るときは、改めて相続登記を済ませることになります。

実家の名義が親から買主へ動く順序

  1. 査定時

    親名義のまま査定

    所有権は動かないため、親名義でも金額は出せる

  2. 査定と並行

    遺産分割と登記の準備

    誰が継ぐか決め、司法書士に登記の見通しを聞く

  3. 契約前

    相続人へ名義変更

    親から相続人へ名義を移す相続登記を済ませる

  4. 引き渡し時

    買主へ名義変更

    売主である相続人から買主へ所有権を移す登記を行う

名義が祖父母の代のまま止まっている実家

登記事項証明書の甲区を開き、最後の所有者が親ではなく祖父や祖母になっていたら、相続登記を2代分まとめて行うことになります。親が祖父から実家を継いだとき、登記をしないまま暮らしていた、という例は珍しくありません。

この場合、祖父の相続人とその後の相続人がそろって関わります。話し合いの相手が叔父や叔母、いとこにまで広がります。戸籍も、祖父の出生までさかのぼって集めます。集める戸籍の束が厚くなるほど、司法書士が相続人を確定させるまでの日数も延びます。

祖父の代から止まっている名義も、義務が始まる前の相続として期限がかかります。相続人が増えるほど、署名と押印の往復に月単位の時間がかかります。査定より先に司法書士へ相談した方が、結果として早く売れることがあります。人数が多いときの進め方は「数次相続で相続人が多い実家の売却」の記事にまとめてあり、全員の同意が取れない場合に何ができるかもそこで確かめられます。

相続して何か月で実家の買取査定を頼む?3か月の熟慮期間と査定額の決まり方

相続放棄を選ぶ余地があるなら、査定は3か月の熟慮期間のうちに受け、契約はその判断の後に置きます。

葬儀のあと、通帳や郵便物を整理していると、親に借入れがあったと分かることがあります。実家を売ったお金で返せるのか、それとも相続そのものを放棄した方がよいのか。この判断に使える時間は、法律で区切られています。

3か月のうちに決める、実家を含めた承認か放棄か

民法第915条第1項は、相続人に3か月の期間を与えています。自分のために相続が始まったと知った時から3か月以内に、相続をそのまま受けるか、限定承認をするか、放棄をするかを選ぶよう定めています(民法(e-Gov法令検索))。何もしないまま3か月が過ぎると、相続をそのまま受けた扱いになり、実家と一緒に借入れも引き継ぎます。

実家の査定額は、この判断に使う数字の1つになります。預金と実家の値打ちを足した額が、借入れの残りを上回るのかどうか。比べる材料として金額を知ることは、放棄を考えている方にとっても意味があります。

3か月では財産の全体がつかめないときは、家庭裁判所に申し立てて期間を延ばしてもらえます。申立ては期限の内にする必要があるので、延ばすかどうかの判断も早めに要ります。

放棄をすれば実家のことが全部終わる、とはなりません。放棄をした人でも、責任が残ることがあります。放棄の時に実家を現に占有していれば、次に管理する人へ引き渡すまで、自分の物と同じ注意で保存します(民法第940条第1項)。鍵を持っている、時々泊まりに行っている、という方は「相続放棄しても実家の管理義務は消えない」の記事で、自分が当てはまるかを確かめてください。

相続放棄後の実家の管理義務の有無

観点相続をそのまま受ける相続を放棄する
期限と手続き何もしないまま3か月過ぎるとこの扱い3か月以内に選ぶ(延長の申立ても可)
親の借入れ実家と一緒に引き継ぐ引き継がない
実家の管理義務実家を引き継ぐ現に占有していれば保存義務が残る
管理の基準所有者として管理する自分の物と同じ注意で保存(民法第940条第1項)

実家を売る・壊すと、相続を受けた扱いになり得る

熟慮期間のうちに実家の売買契約を結ぶと、相続をそのまま受けると決めたものとみなされます。民法第921条第1号は、相続人が相続財産を処分したときは単純承認をしたものとみなすと定めています。売却はこの処分に当たります。

建物を取り壊す、値打ちのある家財をまとめて売る、といった行為も、処分と判断されることがあります。いったん単純承認とみなされると、あとで借入れが見つかっても放棄はできません。

査定を受けること、金額を聞いて複数社で比べることは、処分には当たりません。訪問査定で家の中を見せるのも同じです。放棄の可能性が少しでも残っているうちは、査定までにとどめます。契約書への署名と片付けの業者の手配は、判断の後に回してください。

同じ第921条第1号のただし書は、保存行為を処分から除いています。雨漏りに応急の手当てをする、割れた窓をふさぐ、といった家を傷めないための作業がこれに当たり得ます。どこまでが保存でどこからが処分かは個別の事情で変わるので、迷ったら司法書士か弁護士に確かめてから手を付けます。

実家の査定額を計算する2つの方法

実家の査定額は、近所で売れた価格から比べる方法と、次の買主に売れる見込み額から費用を引く方法の、2つで計算されます。

前者は、仲介の会社が使う考え方です。近くで最近売れた家のうち、土地の広さや駅からの距離、建てられた年が近いものを選びます。違いを足し引きして金額を出します。出てくるのは、一般の買主が住宅ローンを組んで買うならこのあたり、という見込みの価格です。

後者は、買取の会社が使う考え方です。買い取った家を直して売るのか、取り壊して土地で売るのかを決めます。その出口で売れる見込みの額を置きます。そこから改修か解体の費用、家財の処分費、測量の費用、売れるまでの税や保険料、販売にかかる期間の分を引いたものが提示額になります。

同じ実家でも、2つの方法で出た金額は意味が違います。前者は「この値段なら買主が付くかもしれない」という見込みで、後者は「この値段で買う」という申し出です。並べるときは、前者から仲介手数料と売れるまでの維持費を引いた額を、後者と比べてください。

相続を知ってから3か月で決めること

  1. 1

    相続を知った時

    3か月の熟慮期間がスタートする

  2. 2

    財産と借入れを比べる

    預金と実家の査定額を足し、借入れと比較する

  3. 3

    3か月以内に選ぶ

    そのまま受けるか、限定承認か、放棄かを選ぶ

  4. 4

    期限を過ぎた場合

    何もしないと実家と一緒に借入れも引き継ぐ

「相続して何か月で実家の買取査定を頼む?3か月の熟慮期間と査定額の決まり方」について、そのまま聞けます。

実家の査定額に影響する評価のポイントは?買取価格を分ける3つの条件

買取の査定額を分けるのは、建物を直して使えるか、家財が残っているか、建て替えられる土地か、の3つです。

訪問査定の日、査定する側が最初に見るのは、建てられた年と、屋根や床下の傷み、それに家の前の道です。昭和56年に今の耐震の基準が始まる前の建物か後の建物かで、直して使う話になるのか、壊す話になるのかの見当が付きます。

1. 実家の建物を直して使えるか、壊す前提か

建物が使えるかどうかは、建築の時期、雨漏りとシロアリの有無、空き家になってからの年数の3点で見ます。昭和56年6月1日より前に建築確認を受けた建物は、今の耐震の基準より前の基準で建てられています。こうした建物は、補強をして住む前提で直すか、取り壊して土地として売るかに分かれやすくなります。どちらでも費用が査定額から引かれます。

空き家になってから換気をしない年が続くと、床下の湿気で土台が傷みます。天井には雨漏りの染みが広がります。建物を残す値打ちがなくなると、査定は土地の値から解体費を引いた額に近づきます。解体費が敷地の条件で何に左右されるかは「空き家の解体費用はいくらかかるか」の記事に整理しています。

ここで売主の側が気をつけたいのは、直すか壊すかを先に決めてしまわないことです。壊してから査定を受けると、建物を直して住みたい買主を自分で外すことになります。翌年度からは住宅用地の特例も使えなくなり、土地の税が上がります。熟慮期間のうちであれば、取り壊しが処分と判断されるおそれもあります。

査定額に影響する実家の残置物

  • 処分の費用を誰が負担するか

    残したまま売れるかではなく、費用負担が査定額に入る

  • 自分たちで片付ける手間

    親が長く暮らした家ほど量が多く、週末を何度も使うことになる

2. 家財と仏壇が実家にどれだけ残っているか

家財は、残したまま売れるかどうかではなく、処分の費用を誰が負担するかの話として査定額に入ります。たんす、布団、食器、物置の農機具。親が長く暮らした家ほど量が多く、自分たちで片付けると週末を何度も使います。片付けの業者に頼めば、量と運び出しの手間に応じた費用がかかります。

買取では、家財が残ったままでも引き取れることが多くあります。その場合は処分の費用が買主の計算に入り、そのぶん査定額が下がります。自分で片付けて金額が戻るかどうかは、片付けの見積りと、片付けた後の査定額の差を比べれば分かります。差が見積りより小さければ、残したまま売った方が手元に残る額は多くなります。

仏壇や位牌、アルバムのように、お金に換えられないものだけは、査定の前に相続人の間で行き先を決めてください。引き渡しの後で取り出したいと言われても、工事が始まっていれば戻せません。熟慮期間のうちは、値打ちのある家財をまとめて売ることにも注意が要り、その理由は「相続して何か月で実家の買取査定を頼む?3か月の熟慮期間と査定額の決まり方」の章の「実家を売る・壊すと、相続を受けた扱いになり得る」に書きました。

3. 実家の土地は建て替えられるか、前の道と敷地の形

土地として買う側にとっていちばん重いのは、今の建物を取り壊したあとに新しい家を建てられるかどうかです。建築基準法第43条は、建物の敷地が道路に2m以上接していることを求めています。その道路は同法第42条で定められています。幅が4mに満たない道は、特定行政庁が指定したもの(いわゆる2項道路)でなければ道路として扱われません。

実家が細い路地の奥にある、敷地が道路に接していない、という場合は建て替えができず、買える相手が限られます。田舎の実家で多いのは、市街化調整区域の中にあり、建て替えに許可が要るという形です。どちらも、建物を直しても土地の条件は変わらないため、査定額の低さが時間で戻ることはありません。

前の道の扱いは、市区町村の建築指導の窓口で確かめられます。査定を頼む前に聞いておけば、提示された金額がなぜその水準なのかを、自分の言葉で問い直せます。

実家の建物を直して使うか壊すかの分かれ道

  1. 1

    建築の時期を見る

    昭和56年6月1日より前の建築確認か確かめる

  2. 2

    建物の傷みを見る

    雨漏りやシロアリ、空き家の年数を確認する

  3. 3

    直して使う場合

    補強して住む前提で査定額が出される

  4. 4

    壊す前提の場合

    土地の値から解体費を引いた額に近づく

実家の買取と仲介、査定をどちらに頼む?期間と手取りの比べ方

家族が背を向けて草むしりの支度をしている、草の伸びた遠方の実家の庭先

遠方で通えず管理の負担を早く止めたいなら買取、時間をかけられて建物も使えるなら仲介の査定を取ります。

実家が新幹線や飛行機の距離にあり、月に1回の換気にも通えない。そうした方にとって、査定の比較は金額だけでは決まりません。当社の場合、金額の提示からご契約までは目安1〜2週間で、仲介のように買主を探す期間は入りません。

1. 遠方で通えない実家は、買取の査定から

通えない実家では、持ち続けるあいだの費用と手間が、査定額の差を少しずつ食っていきます。固定資産税は、毎年1月1日の時点で登記簿に所有者として載っている人に課されます(地方税法第343条・第359条)。12月に引き渡すか年明けに引き渡すかで、その年の税の通知がどちらに届くかが変わります。

管理が行き届かず、市町村から管理不全空家等として勧告を受けると、住宅用地の特例が外れ、土地の税が上がります(地方税法第349条の3の2)。勧告に至るまでに何が起き、どの段階で手を打てるかは「空き家の固定資産税が6倍になる条件」の記事に順を追って書いています。

草が伸びて隣から連絡が来る、台風のあとに瓦が落ちていないか気になる。こうした出来事のたびに現地へ向かう負担も、買取なら最初の査定の段階で、終わる日を決められます。手取りの額では仲介に届かなくても、通う交通費と時間を足すと差が縮む実家は少なくありません。

勧告による固定資産税の負担増

  • 特例適用時の固定資産税1倍
  • 管理不全空家等の勧告後6倍

2. 時間をかけられる実家は、仲介の査定と並べる

建物がまだ使え、売れるまで待てる実家なら、仲介の査定を取り、買取の提示額と並べてから決めます。違いを並べると次のとおりです。

比べる点買取(当社が買主)仲介(買主を探す)
買う人当社広告で探す一般の方
金額が決まる時提示額で契約する買主の申込みで決まる
入金の日お引き渡しの日買主の融資の実行日に合わせる
家財残したまま引き取れることが多い片付けてから内覧に入るのが通例
仲介手数料買主が当社なので、手数料は発生しない売買が成立すると、法の定める上限内で支払う
価格の水準再販の費用を引くぶん低くなる一般の買主の水準に近い

仲介手数料の上限は、宅地建物取引業法第46条にもとづいて国が定めています。仲介の査定額は、その金額で売れることを約束するものではありません。売り出して反応が無ければ値を下げることになり、その間の固定資産税と管理の費用も手取りから減ります。

並べるときは、仲介の査定額から手数料と待つ期間の費用を引き、買取の提示額と同じ条件にそろえてください。そのうえで差が大きく、待つ期間を受け入れられるなら、仲介を選ぶ理由があります。

3. 机上査定と訪問査定、どちらを先に頼むか

相続したばかりで家の中を見せる準備ができていないなら、まず机上査定で金額の幅を知り、訪問査定は売る方向が決まってから頼むのが順当です。机上査定は、所在地と土地・建物の大きさ、建てられた年から、近所の取引価格をもとに出します。早く出る代わりに、建物の傷みや家財の量は入りません。

訪問査定では、屋根や床下、家財の量、前の道の幅を現地で見ます。契約に使える金額は、この訪問の後に出るものだと考えてください。遠方で立ち会えない場合は、鍵を預けて見てもらう方法もあります。

机上の金額と訪問後の金額がずれるのは、傷みと家財の量が訪問で初めて分かるからです。ずれた理由を項目ごとに聞き、説明が返ってこなければ、別の会社にも訪問査定を頼んで比べます。

「実家の買取と仲介、査定をどちらに頼む?期間と手取りの比べ方」について、そのまま聞けます。

実家を売却する手順は?査定前に自分で調べる2つのこと

家族が向かい合って話し合う実家の居間と、テーブルの上の1枚の紙

査定を頼む前に済ませるのは、近所の取引価格を調べることと、名義と期限を表で確かめることの2つです。

相続した実家を売却する手順を大きく見ると、価格を調べる、名義と期限を確かめる、査定を受ける、遺産分割と相続登記を済ませる、契約する、お引き渡しと入金、の流れになります。2024年4月に相続登記が義務になってからは、名義の確認を後回しにできなくなりました。このうち最初の2つは、誰にも頼まずに今日から始められます。

1. 実家の近所の取引価格を、不動産情報ライブラリで調べる

国土交通省の不動産情報ライブラリでは、地域ごとの不動産の取引価格を誰でも調べられます。地図から実家のある市区町村を選び、価格の情報の中から取引価格を表示させ、土地だけの取引と土地と建物の取引を分けて見ます。

見るのは、土地の面積、建物が建てられた年、最寄り駅からの距離、取引の時期です。実家と条件の近いものを3件から5件選ぶと、土地の値の見当が付きます。田舎の実家では件数が少ないことがあり、その場合は期間を広げるか、隣の地区まで範囲を広げて探します。

ここに出るのは、一般の買主が買った価格です。買取の提示額はこれより低くなり、その理由は「相続して何か月で実家の買取査定を頼む?3か月の熟慮期間と査定額の決まり方」の章の「実家の査定額を計算する2つの方法」に書いた費用の引き方にあります。自分で調べた水準を知ってから査定を聞くと、差の理由を具体的に尋ねられます。

不動産情報ライブラリで取引価格を調べる手順

  1. 1

    市区町村を選ぶ

    地図から実家のある市区町村を選ぶ

  2. 2

    取引の種類を分ける

    土地だけの取引と土地と建物の取引を分けて見る

  3. 3

    条件の近い取引を探す

    面積や建築年、駅からの距離が近いものを見る

  4. 4

    3から5件選んで比べる

    実家と条件の近い取引を選び、値の見当を付ける

2. 実家の査定前の注意点を、準備のチェック表で確かめる

査定前の注意点は、金額より先に期限と名義を確かめることです。次の11項目を上から順に確かめれば、どこで話が止まりそうかが見えます。

□ 登記事項証明書を取り、甲区の最後の所有者が親か、祖父母の代かを見た□ 相続を知った日を書き出し、相続登記の期限(知った日から3年、2024年4月1日より前に知っていたなら2027年3月31日)を出した□ 相続を知った日から3か月の日付を出し、相続放棄を考える余地があるかを決めた□ 相続人が誰で何人かを、戸籍で確かめる段取りを付けた□ 乙区に、抵当権や根抵当権が残っていないかを見た□ 課税明細書で、敷地に「畑」や「田」の地目が含まれていないかを見た□ 建物が昭和56年5月31日以前に建てられたものかを確かめた□ 親が亡くなる直前まで一人で暮らしていたか、施設に入っていたかを書き出した□ 空き家の特例の期限(相続の開始から3年を経過する日の属する年の12月31日と、令和9年12月31日の早い方)を出した□ 仏壇・位牌・写真の行き先を、相続人の間で決めた□ 相続登記の費用と集める書類の見積りを、司法書士に聞いた

埋まらない項目が残っても、査定は受けられます。止まるのは契約の段階なので、空いた項目には、誰がいつまでに確かめるかを書き込んでおきます。建築の年と一人暮らしの項目は、「査定額が出たあと、実家の買取契約までに揃える書類と費用」の章の「実家を売る人が負担する費用と、空き家の3,000万円控除」で書く特例を使えるかどうかに関わります。

表の中でいちばん早く来るのは、たいてい3か月の期限です。次に空き家の特例、最後に相続登記の期限という順になることが多くあります。日付を出したらカレンダーに早い順で書き込み、それに合わせて査定と契約の日を置きます。

査定額が出たあと、実家の買取契約までに揃える書類と費用

実家の和室のテーブルで、ペンを持って手続きの書類に向かう家族

相続した実家では、ふだんの売却の書類に戸籍などが加わり、費用には相続登記の分が加わります。

金額に納得し、契約の日を決めようとしたこの時点で、書類の取り寄せに何週間かかるかが日程を左右します。戸籍を郵送で取り寄せる場合は、本籍地の役所とのやり取りだけで日が過ぎていきます。

1. 相続した実家で増える書類と、集める順番

当社の買取でご用意いただく書類は、一般には次のとおりで、実際に何が要るかは個別のご案件によって変わります。

  • 登記識別情報または権利証(相続登記が済むと、実家を継いだ方の名前で登記識別情報が出ます)
  • 本人確認書類
  • 印鑑証明書
  • 固定資産税の納税通知書
  • 相続した物件で加わる、戸籍などの書類

集める順番は、時間のかかるものからです。戸籍は、親の出生から亡くなるまでの分と、相続人全員の今の分が要り、本籍地が何度も移っていると請求先も増えます。相続登記の申請も、この戸籍がそろってからになります。

法務局には、戸籍の束をもとに相続人の一覧を証明してもらう法定相続情報証明の制度があります。一覧の写しがあると、銀行の手続きや登記のたびに戸籍の束を出し直さずに済む場面があるので、使えるかどうかを法務局か司法書士に確かめてください。印鑑証明書は、使う日から逆算して取ると、期限切れで取り直す手間が省けます。

契約日から逆算する実家の書類集めの段取り

  1. 1番目

    戸籍の取り寄せ

    親の出生から死亡までと相続人全員の戸籍を集める

  2. 2番目

    遺産分割の署名と押印

    相続人全員で実家の分け方を決め、署名と押印をする

  3. 3番目

    相続登記の申請

    集めた戸籍を使い、相続人への名義変更を済ませる

  4. 契約直前

    印鑑証明書の取得

    期限切れを防ぐため、使う日から逆算して取得する

2. 実家を売る人が負担する費用と、空き家の3,000万円控除

実家を当社に売る場合、売主さまの出費として見込むのは、相続登記の費用が最初です。そのほか、売買契約書に貼る印紙代がかかります。親の代の借入れが残っていれば抵当権の抹消登記、住所が親の登記のときと変わっていれば住所変更登記の費用も加わります。当てはまる項目と金額は、ご案件ごとに違います。買主が当社なので、仲介手数料は発生しません。仲介で売ったときの費用との差は、「不動産売却の費用一覧」の記事に並べてあります。

手取りを大きく変えるのは、売った後の税です。被相続人が一人で住んでいた家屋とその敷地を相続した相続人が、一定の要件を満たして売却した場合、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例があります(国税庁 No.3306)。相続した人が3人以上なら、令和6年1月1日以後に売ったものは控除の上限が2,000万円になります。

主な要件の1つは、昭和56年5月31日以前に建てられた家屋であることです。売るときは家屋に耐震の改修をするか、取り壊すことが求められ、令和6年1月1日以後の譲渡では、売った年の翌年2月15日までに買主の側で改修や取り壊しをした場合も対象になり得ます。売る価格が1億円以下であることなども要件で、残りの要件は国税庁のページで確かめてください。

期限は2つあり、早い方に間に合わせます。1つは相続の開始から3年を経過する日の属する年の12月31日まで、もう1つは特例の対象になる譲渡が令和9年12月31日までという期限です。2025年6月に親が亡くなった場合、前者は2028年12月31日、後者は2027年12月31日になり、先に来るのは2027年12月31日の方です。使えるかどうかの細かな判定は「空き家3000万円控除の条件」の記事で一つずつ確かめられます。

なお、この記事の税務・法務に関する記載は一般的な情報提供であり、個別の事案についての判断ではありません。適用の可否や具体的な税額については、税務署または税理士、登記については司法書士、境界や隣地との権利関係については弁護士や土地家屋調査士など、それぞれの専門家にご確認ください。当社は不動産の買主であり、税務や法律の代理はできません。

「査定額が出たあと、実家の買取契約までに揃える書類と費用」について、そのまま聞けます。

当社に実家の買取査定を頼む場合の流れと、お受けできない条件

当社が買い取る条件・買い取れない条件と、実際の買取事例は「当社の買取基準」にまとめています。

「当社に実家の買取査定を頼む場合の流れと、お受けできない条件」について、そのまま聞けます。

実家の買取査定の前に決める3つ

  • 査定は親の名義のままでも受けられますが、契約とお引き渡しは相続登記の後です。相続を知った日から3年、2024年4月1日より前に知っていたなら2027年3月31日という自分の期限を先に出し、司法書士に登記の見通しを聞いておきます。
  • 相続放棄の余地があるうちは、査定までにとどめます。3か月の熟慮期間のうちに売買契約を結ぶと、相続をそのまま受けたとみなされ、あとで借入れが見つかっても放棄できません。
  • 査定額は、建物を使えるか、家財が残るか、建て替えられる土地か、で分かれます。買取の提示額と仲介の査定額は、手数料と待つ期間の費用、空き家の特例の期限までそろえてから比べます。

当社は相続した実家を家財ごと買い取り、敷地の畑の転用が見通せない場合と、根抵当権を代金で消せない場合はお引き受けできません。

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この先は、当社の買取窓口「買取くん」のページです(運営は同じ株式会社リアテクスです)。

実家の買取査定でよくいただく質問

Q1. 実家の処分にかかる費用は、何がかかりますか

売って処分する場合にかかるのは、売買契約書の印紙税、登記の費用、片付けや解体を自分で頼むならその費用、仲介で売るなら仲介手数料です。印紙税は契約書の金額で決まり、令和9年3月31日までに作る不動産の売買契約書には軽減の措置があります(国税庁 No.7108)。

登記の費用は、抵当権が残っているか、相続登記が済んでいるかで変わります。片付けと解体は、自分で頼むか買主の計算に入れるかで、売主の財布から出るかどうかが変わります。金額は物件ごとに違うので、見積りを並べて比べてください。

Q2. 田舎の実家を売るにはどうすればいいですか

田舎の実家は近所の取引が少なく、取引価格を調べても比べる材料が集まりにくいことがあります。まず市区町村の空き家の窓口で空き家バンクの有無を聞き、登録して買い手を待つか、買取で日程を決めて売るかを選びます。

田舎で特に見ておきたいのは、敷地の地目と市街化調整区域かどうかの2点です。庭先の畑が登記の上で農地のままだと、売る前に農地法の手続きが要ることがあります。親が亡くなってからの手続きの全体を期限の順に確かめたいときは、「親が亡くなった後の家の手続き」の記事が役に立ちます。

Q3. 家の査定の仕方は?自分でもできますか

大まかな水準は自分でも調べられます。国土交通省の不動産情報ライブラリで、近所の土地と建物の取引価格を、面積や建築年の近いものに絞って見れば、一般の買主が払った額の見当が付きます。

ただし、その家の傷みや家財の量、前の道の扱いは、現地を見ないと金額に入りません。自分で調べた水準を手元に置いたうえで、会社に訪問査定を頼み、出てきた金額との差を項目ごとに尋ねるのが、いちばん確かな方法です。

Q4. 相続した不動産の評価は、誰に依頼すればよいですか

何に使う評価かで頼む相手が変わります。相続税の申告に使う評価は、路線価などを使って計算するので、税理士に頼むのが一般的です。相続人の間で実家の値打ちに争いがあり、根拠の示せる価格が要るなら、不動産鑑定士に鑑定を頼みます。

実家をいくらで売れるかを知りたいなら、不動産会社の査定です。相続税の評価額と、実際に売れる価格や買取の提示額は、計算の考え方が違うため一致しません。どの数字を何に使うのかを決めてから頼むと、無駄な費用をかけずに済みます。

Q5. 相続の三ヶ月ルールとは何ですか

相続が始まったと知った時から3か月のうちに、相続をそのまま受けるか、限定承認か、放棄かを決めるという民法の決まりです。決めないまま過ぎると、そのまま受けた扱いになります。

実家の査定との関係で大事なのは、この期間に売買契約を結ぶと、相続をそのまま受けたとみなされる点です。期間の延ばし方を含めた中身は、「相続して何か月で実家の買取査定を頼む?3か月の熟慮期間と査定額の決まり方」の章の「3か月のうちに決める、実家を含めた承認か放棄か」に書いています。

Q6. 相続登記を司法書士に頼むと、いくらかかりますか

かかるのは、司法書士の報酬、登記のときに納める登録免許税、戸籍や証明書を取る実費の3つです。報酬は事務所ごとに決まっていて、相続人の人数や名義が何代止まっているかで手間が変わるため、同じ実家でも見積りに差が出ます。

祖父母の代から名義が動いていない実家では、戸籍の量も話し合いの相手も増え、費用も期間も膨らみます。2つ以上の事務所に、報酬と実費を分けた見積りを出してもらい、決済の日に間に合う日程も一緒に聞いてください。

当社の見方

当社では、実家の買取査定は相続登記が終わってからでないと頼めないと思い込み、期限が近づいてから慌ててご相談に来られる方が多いと感じています。ご相談から買取価格のご提示までは目安30分ですので、手続きの見通しを立てる材料として、早い段階で査定だけ先に受けていただいて構いません。一般には、登記識別情報または権利証・本人確認書類・印鑑証明書・固定資産税の納税通知書に加え、相続した物件では戸籍などの書類が追加で必要になり、相続登記の費用もかかります。ご用意いただく書類やご負担いただく費用は個別のご案件によりますので、ご相談の中で、何がいつ必要になるかを一緒に整理するようにしています。ご契約までは目安1〜2週間、お引き渡しは早ければ2週間以内で、お引き渡しと同時にご入金しますので、期限から逆算して段取りを組みやすくなります。買い取れない物件や売らないほうがよい場合は正直にそうお伝えしていますので、まだ迷っている段階でも、全国(47都道府県)どこからでもお気軽にご相談ください。

当社が買い取る物件・お断りする物件と、買取価格の決まり方は、当社の買取事例76件の内訳とあわせて当社の買取基準にまとめています。

この記事について

執筆・編集
リアテクス編集部株式会社リアテクス当社(宅地建物取引業 東京都知事(1)第107888号)は物件を直接買い取る買主の立場から、売却を検討する方の判断材料となる記事を企画・編集しています。
監修
鶴野 博之鶴野 博之株式会社リアテクス 執行役員宅地建物取引士(東京)第257503号/賃貸不動産経営管理士/2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)この区分の監修を担当しています。記事の公開判断は当社が行っています(代表が定めた手順による)。確認・公開判断:鶴野 博之(株式会社リアテクス 執行役員)
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