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相続

相続登記の義務化と過去の相続|対象範囲と過料の条件

公開 更新

執筆
株式会社リアテクス リアテクス編集部
監修
株式会社リアテクス 執行役員 鶴野 博之(宅地建物取引士(東京)第257503号)
相続登記の義務化と過去の相続|対象範囲と過料の条件

「10年前に親から相続した実家の名義を、まだ動かしていない」。2024年4月1日より前に相続した不動産も義務の対象で、期限は2027年3月31日です。協議がまとまらない場合は相続人申告登記で期限内の義務を果たせます。

当社は相続登記が終わっていない家も現況のまま買い取り、決済日から逆算して司法書士との日程を組みます。相続人の一部と連絡が取れず売主が確定しない物件は、価格を下げてもお引き受けできません。相続した家が買い取れるかどうかだけ、先に聞く(無料)

目次(6章)

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相続登記の義務化は、これから起きる相続だけの話ではありません。何年も前に相続して名義を動かしていない家や土地にも義務がかかり、いつまでに申請するかは相続を知った時期で分かれます。

相続登記の義務化で、過去の相続はどこまで対象か

和室の座布団に座り、1枚の書類を手に持って相談している家族

2024年4月1日から、相続登記の申請が義務になりました。不動産を取得したことを知った日から3年以内に申請します。この日より前に起きた相続も、対象から外れません。20年前に亡くなった祖父名義の土地も、義務の範囲に入ります。

ただし期限の数え方が違います。施行日(2024年4月1日)より前に相続を知っていた場合は違います。期限は2027年3月31日です。相続を知った日から3年ではありません。1990年の相続でも2020年の相続でも、期限は同じ日です。

期限は2つの起算点で分かれる

相続を知った時期申請の期限
2024年3月31日まで2027年3月31日
2024年4月1日以後知った日から3年以内

施行日(2024年4月1日)より前に相続を知っていた場合を考えます。施行日以後も登記していないなら、上の行が当てはまります。施行日をまたぐ形になります。実際には施行日から3年の猶予です。根拠は不動産登記法第76条の2と、改正法の附則です(相続登記の申請義務化について(法務省))。

「知った日」の意味も押さえてください。亡くなった日ではありません。自分が相続人であると知ったこと。その不動産が遺産に含まれると知ったこと。この両方がそろった日です。戸籍を取り寄せて初めて土地の存在を知ったとします。その日が起算点になります。

遺産分割の協議で不動産を取得した場合は、別の期限も生じます。協議が成立した日から3年以内という期限です。その内容を反映した登記を申請します。法定相続分での登記を先に済ませていても、この義務は残ります。

数次相続では、誰にどの期限がかかるか

祖父が亡くなり、相続の登記をしないままだったとします。そのあいだに父も亡くなりました。この場合、祖父名義の不動産に義務がかかります。義務を負うのは、いまの相続人です。父が果たさなかった義務が消えるわけではありません。

「自分は祖父の相続を知らなかった」という場合もあります。その場合の起算点は、その人が知った日です。ただし施行日(2024年4月1日)より前に知っていた場合は別です。期限はやはり2027年3月31日です。相続人が何人いても期限は同じ日に来ます。

進め方は「数次相続で相続人が多い実家の売却」の記事に整理しました。人数が増えるほど、協議より先に期限が来ます。

過去の相続における登記期限

  1. 1次相続

    祖父が死亡

    祖父名義の不動産の相続登記をしないまま放置される

  2. 2次相続

    父が死亡

    父が登記の義務を果たさないまま亡くなる

  3. 現在

    今の相続人に義務が移る

    父が果たさなかった義務は消えず、今の相続人にかかる

義務がかからない場合もある

対象は不動産の所有権です。相続で取得したのが借地権のような権利だとします。所有権以外なら、この義務の対象外です。相続放棄をして相続人でなくなった人も同じです。申請の義務は生じません。

申請すべき人がいない状況もあります。相続人が1人で、その人も亡くなり権利が国庫に帰属した場合です。放棄と管理義務の関係は「相続放棄しても実家の管理義務は消えない」の記事にあります。放棄をしても、現に占有していた人には保存の義務が残ります。

「相続登記の義務化で、過去の相続はどこまで対象か」について、そのまま聞けます。

過去の相続で登記をしない場合、何がどう分かれるか

庭の草木が伸びた古い木造住宅の全景

登記をしないまま期限を過ぎたとします。起きることは1つではありません。過料の話が先に出回っています。実務で困るのは別の場面です。分けて見ていきます。

1. 過料は10万円以下だが、直ちに課されるわけではない

不動産登記法第164条第1項に過料の定めがあります。正当な理由なく申請を怠った者に10万円以下です(不動産登記法(e-Gov法令検索))。刑罰ではなく行政上の秩序罰です。前科にはなりません。

手続の順番があります。登記官が義務に違反したと認めたとします。まず相当の期間を定めて申請を催告します。その催告に応じて申請すれば、裁判所への通知は行われません。期限を過ぎたことが自動で過料につながる仕組みではありません。

法務省は、正当な理由がある例を示しています。相続人が極めて多数で、戸籍等の収集に多くの時間を要する場合。遺言の有効性や遺産の範囲が争われている場合。申請義務を負う人自身に重病等の事情がある場合。経済的に困窮して登記費用を負担できない場合。該当すると考えるなら、その事情を登記官に伝える場面が来ます。

登記を怠った場合の過料までの流れ

  1. 1

    登記官による催告

    義務に違反したと認めたとき、相当の期間を定めて申請を催告する

  2. 2

    催告に応じて申請

    催告に応じて申請すれば、裁判所への通知は行われない

  3. 3

    正当な理由の伝達

    極めて多数の相続人や経済的困窮などの事情を登記官に伝える

2. 名義が動かないと、売ることも担保に入れることもできない

こちらが実際の支障です。売買契約は結べても、決済で買主へ所有権を移せません。登記を申請する前提として、所有者が誰かの確定が必要です。

金融機関から借りるときも同じです。抵当権を設定する相手が亡くなった人の名義では進みません。解体の発注も同じです。遺産分割が終わるまでは相続人全員の合意が必要です。

3. 時間が経つと、権利者が一方向に増える

相続登記をしない期間が長いほど、法定相続人の数は増えます。兄弟3人だった共有が、次の代でいとこ同士になります。面識のない相手から署名と印鑑証明書をもらう話になります。

さらに次の代に進むと、事情が混ざります。相続人の一部が海外に住んでいる。認知症で判断能力がない。連絡先が分からない。この段階では、協議そのものが成立しません。持分だけを動かす選択肢は「共有持分は自分の持分だけ売却できる」の記事にあります。

登記の有無による権利者の変化

観点登記を済ませた場合登記をしない場合
法定相続人の数増えない期間が長いほど増える
共有者の関係兄弟3人など次の代でいとこ同士になる
手続の相手面識のある親族面識のない相手
さらに次の代影響を受けない海外居住や認知症、連絡先不明

4. 空き家の管理責任は、登記の有無に関係なく残る

登記をしていないことを理由に、管理の責任は免れません。塀が倒れて通行人がけがをしたとします。工作物の占有者または所有者としての責任です。問われる可能性があります。

市町村が管理不全な空き家に指導や勧告を行う場合も同じです。所有者として特定されれば対象になります。勧告を受けると住宅用地特例が外れます。翌年の固定資産税が上がります。空き家そのものの出口の比べ方は「空き家の処分方法」の記事にまとめています。

5. 相続土地国庫帰属制度を使うにも、登記が前提になる

土地を国に引き取ってもらう制度があります。申請できるのは、相続や遺贈で所有権を取得した相続人です。建物が建っていると申請自体が却下されます。境界が明らかでない土地も対象外です。

要件と負担金(宅地は原則20万円)の考え方は法務省が示しています。「相続土地国庫帰属制度について」のページです。「国に返せばいい」という考えは、順番が合いません。登記を動かすのが先です。

6. 相続した空き家は、名義を動かさないだけで手続の入口が塞がる

空き家では、売買以外の場面でも名義が理由で止まります。自治体の除却費補助を使う場合を考えます。申請書に添えるのは、所有者であることが分かる書類です。名義が亡くなった方のままなら、追加の書類を求められます。戸籍一式や相続人全員の同意書です。

火災保険も同じです。契約者と建物の所有者が食い違う状態です。継続や新規の引受けを断られることがあります。空き家の保険の引受条件は「空き家に火災保険はかけられるか」の記事に整理しました。電気や水道の解約も同じです。隣地との境界の立会い、近隣からの苦情への対応も同じです。窓口に出る人が「所有者として誰なのか」を説明できるか。そこで進み方が変わります。

名義が動いていない間、自治体からの通知は届きます。相続人代表者の届出をもとに送られます。届出をした人のもとに通知だけが届きます。権限は相続人全員に分かれたままです。これを解消できるのは、遺産分割か法定相続分での登記です。

「過去の相続で登記をしない場合、何がどう分かれるか」について、そのまま聞けます。

過去に相続した不動産の登記義務を果たす手順

市役所の窓口に向かって歩いている男性の後ろ姿

期限までに何をするか。協議がまとまるかどうかで道が分かれます。最初の2手順は共通です。

1. 登記事項証明書と名寄帳で、対象の不動産を洗い出す

法務局で登記事項証明書を取り、名義を確認します。オンラインでも請求できます。所有者の欄が亡くなった方のままだとします。その不動産に義務がかかっています。

見落としが出やすいのは、把握していない土地です。市区町村の税務課で名寄帳を取ります。その市区町村内にある被相続人名義の不動産が一覧で出ます。実家の裏の細長い土地、私道の持分、山林。ここで初めて出てくることがあります。

名寄帳は市区町村ごとです。被相続人が複数の市区町村に不動産を持っていた可能性があります。それぞれに請求してください。義務は不動産ごとにかかります。

登記手続きに必要な主な書類

  • 不動産の洗い出しに使う書類

    登記事項証明書と名寄帳で対象物件を把握する

  • 相続人の確定に使う書類

    被相続人の出生から死亡までの戸籍と相続人の戸籍

  • 戸籍の提出負担を減らす書類

    法務局で認証を受けた法定相続情報一覧図の写し

  • 遺産分割の登記に使う書類

    遺産分割協議書、印鑑証明書、住民票、評価証明書

2. 相続人を戸籍で確定させる

被相続人の出生から死亡までの戸籍を集めます。相続人全員の戸籍も必要です。数次相続では、間に入った人の戸籍もすべて必要です。取り寄せ先が複数の市区町村にまたがることもあります。これだけで数か月かかります。

法定相続情報一覧図を法務局で認証してもらう制度もあります。認証を受けた写しは、金融機関の手続でも使えます。何度も戸籍の束を提出する手間が減ります。

過去の相続不動産の登記義務を果たす手順

  1. 1

    不動産の洗い出し

    法務局の登記事項証明書と市区町村の名寄帳で対象を確認する

  2. 2

    相続人の確定

    被相続人と相続人全員の戸籍を集め、誰が相続人かを確定させる

  3. 3

    遺産分割の登記申請

    協議がまとまれば、遺産分割協議書と印鑑証明書を添えて申請する

3. 協議がまとまるなら、遺産分割の登記を申請する

誰がその不動産を取得するかを合意します。次に遺産分割協議書を作ります。相続人全員が実印を押し、印鑑証明書を添えます。これで単独名義の登記を申請できます。

申請に添えるのは、戸籍一式と遺産分割協議書です。相続人全員の印鑑証明書も添えます。取得する人の住民票と固定資産評価証明書も要ります。国に納める登録免許税もあります。相続による所有権移転なら、固定資産税評価額の1000分の4です。司法書士に依頼するときの報酬は事務所ごとに異なります。不動産の数と相続人の数で変わります。

登録免許税は評価額に対する率で決まります。評価額が低い土地なら数千円で済むこともあります。一方、相続人が多い案件は別です。戸籍の取得実費と司法書士の報酬が積み上がります。見積は不動産の数と相続人の人数を伝えて取ってください。

4. まとまらないなら、相続人申告登記を単独で申し出る

協議がまとまらないまま期限が近づく場合もあります。その受け皿が相続人申告登記です。2024年4月1日から設けられました。自分が相続人であることを法務局に申し出ます。登記簿にその氏名と住所が記録されます。

特徴は3つあります。相続人が1人で単独で申し出られること。他の相続人の同意も戸籍の全部もそろえる必要がないこと。そして、これで申請義務を果たしたと扱われることです。制度の概要は法務省の相続登記の義務化に関するページに載っています。

ただし、持分を取得したことを公示する登記ではありません。申し出をしても、その不動産を売ることはできません。過料を避けるための手当てであって、処分の準備にはなりません。協議が成立したら、新たな義務が生じます。その日から3年以内に本来の登記を申請します。

法定相続分での登記を先に入れる選択もある。協議を待たない方法もあります。法定相続分どおりの共有名義で登記します。この申請は相続人の1人が単独でできます。これでも申請義務は果たされます。

ただし共有名義になると、売るには全員の合意が必要です。あとで遺産分割が成立したら、持分の移転登記を入れ直します。登録免許税がもう一度かかります。協議の見込みがある案件では、待ってから一度で済ませます。その方が費用は少なくなります。

5. 売却を予定しているなら、決済日から逆算する

売る予定があるなら、先に決めることがあります。登記の完了と決済日の関係です。決済の日に所有権移転登記を申請します。その時点で売主の名義になっていなければなりません。

遠方にお住まいで法務局や役所に行けない場合もあります。段取りは「遠方の実家を行かずに売却する方法」の記事に書きました。委任状と郵送で進められる部分は多くあります。

6. 空き家の名義変更に必要な費用の内訳と、増える条件

費用は大きく3つに分かれます。国に納める登録免許税、書類を集める実費。それに司法書士に頼む場合の報酬です。

費目決まり方
登録免許税(相続による所有権移転)固定資産税評価額の1000分の4。評価額500万円の土地なら2万円
登録免許税(相続人申告登記の申出)かかりません
戸籍・除籍・改製原戸籍1通ごとに市区町村の定める手数料。除籍と改製原戸籍は通常の戸籍謄本より高い
登記事項証明書・固定資産評価証明書・住民票・印鑑証明書通数分。法務局と市区町村がそれぞれ定めています
司法書士報酬事務所ごと。不動産の数、相続人の数、戸籍の収集まで頼むかで変わる

金額が膨らむのは、登録免許税より書類と報酬の側です。数次相続で被相続人が2人3人と重なります。集める戸籍の通数が一気に増えます。不動産が複数の市区町村にまたがる場合もあります。評価証明書も市区町村ごとに取ります。

避けられる出費が1つあります。法定相続分で登記を入れたあとに遺産分割が成立したとします。持分の移転で登録免許税をもう一度納めます。協議がまとまる見込みがあるなら、そこまで待ちます。その方が総額は下がります。なお、土地には免税措置があります。価額が一定額以下の場合で、適用の期間も定められています。該当しそうなら、申請前に管轄の法務局で確認してください。

なお、この記事の税務・法務に関する記載は一般的な情報提供です。個別の事案についての判断ではありません。適用の可否や具体的な税額は、税務署または税理士にご確認ください。登記は司法書士です。境界や隣地との権利関係は弁護士や土地家屋調査士です。それぞれの専門家にご確認ください。当社は不動産の買主であり、税務や法律の代理はできません。

「過去に相続した不動産の登記義務を果たす手順」について、そのまま聞けます。

過去の相続で登記が未了の物件を当社に相談する場合

当社が買い取る条件・買い取れない条件と、実際の買取事例は「当社の買取基準」にまとめています。

「過去の相続で登記が未了の物件を当社に相談する場合」について、そのまま聞けます。

過去に相続した不動産の登記義務化で押さえる3点

  • 施行日(2024年4月1日)より前の相続も対象です。期限は2027年3月31日です。 相続を知った日から3年ではありません。20年前の相続でも同じ日に来ます。施行日以後に知った場合だけ、知った日から3年です。
  • 過料は10万円以下です。登記官の催告に応じれば通知されません。 相続人が極めて多数の場合。遺言の有効性が争われている場合。経済的に困窮している場合。こうした事情は正当な理由の例として示されています。
  • 協議がまとまらない場合もあります。相続人申告登記を単独で申し出られます。 これで申請義務は果たされます。ただし、その不動産を売ることはできません。処分の準備としては、遺産分割か法定相続分での登記が必要です。

当社は名義が亡くなった方のままの家も査定します。決済日から逆算して、登記の日程を組みます。そのかわり価格は仲介での成約想定額より低くなります。相続人の一部と連絡が取れない物件はお引き受けできません。

査定は無料・売却の義務なし
0120-996-748受付時間10:00〜19:00(水・日曜定休)

通話料無料・全国対応

この先は、当社の買取窓口「買取くん」のページです(運営は同じ株式会社リアテクスです)。

相続登記の義務化と過去の相続に関する質問

Q1. 30年前に相続した土地でも、今から登記すれば過料は避けられますか

2027年3月31日までに申請すれば、期限内です。施行日(2024年4月1日)より前に相続を知った場合の期限です。何年前の相続かは問いません。申請が間に合わない見込みの場合もあります。期限を過ぎたことが自動で過料になる仕組みではありません。登記官が催告します。それに応じて申請すれば、裁判所への通知は行われません。放置して催告にも応じない場合が、通知の対象になります。

Q2. 相続人の1人が海外にいて、印鑑証明書が取れません

海外に住んでいる相続人の場合です。居住国の日本大使館や領事館で署名証明を取得します。印鑑証明書の代わりとして使えます。住民票の代わりには在留証明を用います。取得までに時間がかかるため、早めに連絡してください。

協議自体がまとまらない見込みの場合もあります。相続人申告登記で期限内の義務を果たせます。ただし、この申し出だけでは売却はできません。売る予定があるかどうかで、選ぶ手順が変わります。

Q3. 固定資産税は亡くなった親の名義で届いています。誰が払うのですか

固定資産税は毎年1月1日時点の所有者に課税されます。名義が動いていない場合です。市区町村は相続人代表者に通知を送る扱いが一般的です。誰が代表者になるかは、届出によって決まります。

通知が届いていても、登記の義務が果たされたことにはなりません。課税の記録と登記は別の仕組みです。納税通知書には建物の構造や床面積、課税標準額が載っています。査定でも使う資料なので、保管しておいてください。

Q4. 登記の費用がどうしても出せません。正当な理由になりますか

経済的に困窮して登記費用を負担する能力がない場合です。法務省が示す正当な理由の例に含まれています。ただし、事情を自分から登記官に伝える場面が必要です。黙って放置した状態とは扱いが違います。

費用の負担が問題なら、別の順番も検討できます。売却代金から登記費用を出す形です。当社が買う場合、決済の代金から司法書士の費用を精算できます。相続人の誰かが立て替えて、あとで代金を分ける形もあります。そこで揉める原因になります。

Q5. 相続人申告登記をすれば、その土地を売れますか

売れません。相続人申告登記は、自分が相続人だと登記簿に記録する手続です。持分を取得したことを公示するものではありません。所有権の移転登記の前提にもなりません。

売却を前提にするなら、別の登記が必要です。遺産分割協議による登記か、法定相続分での共有の登記です。後者は相続人の1人が単独で申請できます。ただし売るには共有者全員の合意が必要です。

Q6. 相続登記を済ませたあと、売るまでにどれくらいかかりますか

登記が完了していれば、登記待ちの期間は入りません。当社の場合、現地調査から書面での条件提示までを行います。ご了解をいただいてから、契約と決済の日程を決めます。決済日は売主のご都合で設定できます。

登記が未了のまま相談された場合もあります。戸籍の収集と協議にかかる期間が前に乗ります。相続人が多い案件では、ここが最も時間を食う工程です。実家を売る場合の全体の順番は「実家 空き家 売却の順番」の記事にまとめています。

当社の見方

登記の名義が古いままの家について、当社の実務をお伝えします。名義が先代のままでも、ご相談をお受けすること自体はできます。ただし、契約の当事者を決められないため、お引き渡しまでには名義を整えていただく必要があります。ここを飛ばして進むことはできません。

よくあるのは、整えるのに時間がかかりそうだから相談を後回しにする、という形です。順番としては逆で、先に金額の見込みを持っていただいたほうが、手続きに費用と時間をかける価値があるかどうかを判断できます。いちどお出しした金額は、登記を整えている期間中も据え置く扱いにしています(物件の状態が変わった場合を除きます)。どなたに頼めばよいか分からない場合は、当社から司法書士をご紹介することもできます。費用は別途かかります。

当社が買い取る物件・お断りする物件と、買取価格の決まり方は、当社の買取事例76件の内訳とあわせて当社の買取基準にまとめています。

この記事について

執筆・編集
リアテクス編集部株式会社リアテクス当社(宅地建物取引業 東京都知事(1)第107888号)は物件を直接買い取る買主の立場から、売却を検討する方の判断材料となる記事を企画・編集しています。
監修
鶴野 博之鶴野 博之株式会社リアテクス 執行役員宅地建物取引士(東京)第257503号/賃貸不動産経営管理士/2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)この区分の監修を担当しています。記事の公開判断は当社が行っています(代表が定めた手順による)。確認・公開判断:藤山 大二郎(株式会社リアテクス 代表取締役CEO)
公開・更新
公開 更新 内容を見直したときは、この日付と改訂の内容を更新しています。情報の確認日 (出典の公的資料を開いて内容を確かめた日)
この記事の事実確認の方法
法令:不動産登記法出典:法務省
記事の作り方
この記事は、当社の担当者が事実確認を行ったうえで公開しています。

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