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共有物分割請求とは|現物分割・代金分割・価格賠償の3つの結末

公開 更新

執筆
株式会社リアテクス リアテクス編集部
監修
株式会社リアテクス 執行役員 鶴野 博之(宅地建物取引士(東京)第257503号)
共有物分割請求とは|現物分割・代金分割・価格賠償の3つの結末

「共有名義の不動産を持っているが、共有物分割請求が何をする手続きなのか分からない」。共有物分割請求は共有者の一人がいつでも起こせる手続きで、協議が調わなければ裁判所が現物分割・賠償分割・競売のどれかを選び、誰も買い取れない物件は競売で終わります。

当社は共有者の一人からその持分だけを買い取りますが、他の共有者との話し合いを引き受ける立場には立ちません。持分だけの価格は、物件全体の価格に持分割合を掛けた額より低くなります。この家が買い取れるかどうかだけ、先に聞く(無料)

目次(7章)

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共有物分割請求は、ひとつの不動産を複数人で持っている状態を終わらせる手続きです。民法256条が各共有者に分割を請求する権利を認めているため、他の共有者が反対しても、請求そのものを止めることはできません。協議が調わなければ、最後は地方裁判所が分け方を決めます。裁判所が命じる結末は現物分割・賠償分割・競売の3つで、どれになるかは土地の形と、取得を望む共有者に代金を払う資力があるかどうかで決まります。

共有物分割請求とはの要点を、定義・この記事でわかること・よくある質問の順に短くまとめた動画です。

共有のままでできないことと、分割を請求できる人

実家の居間で、きょうだいがテーブルを囲んで家の扱いについて話し合っている

共有のままでは、一人で決められることが限られる

共有している不動産について何ができるかは、行為の重さで3段階に分かれています。令和3年の民法改正でこの区分がはっきり書き分けられ、共有に関する規定は令和5年4月1日から施行されています。

行為の種類必要な同意具体例
保存(252条5項)各共有者が単独でできる雨漏りの応急修理、不法占有者への明渡し請求
管理(252条1項)持分の価格の過半数短期の賃貸、著しい変更を伴わない改修
変更・処分(251条1項)共有者全員の同意売却、建物の取り壊し、抵当権の設定

売却は最も重い区分に入るため、持分を9割持っていても、残り1割の共有者が反対すれば不動産そのものを売ることはできません。賃貸に回す場合も、期間の上限が決まっています。持分の過半数で決められる賃借権は、土地なら5年、建物なら3年が上限です(民法252条4項)。それより長い期間の契約は、全員の同意が要ります。

費用の負担も共有者全員に及びます。各共有者は持分に応じて管理費用と負担を負い(民法253条1項)、固定資産税もその分担の対象です。さらに、共有者の一人が1年以内にこの義務を果たさないときは、他の共有者が相当の償金を払ってその者の持分を取得できる規定があります(同条2項)。共有者の一人だけが建物に住んでいる場合については、持分を超える使用の対価を他の共有者に償還する義務が定められています(民法249条2項)。条文の全文は民法(e-Gov法令検索)で確認できます。

分割を請求する権利は、各共有者が単独で持っている

民法256条1項は、各共有者がいつでも共有物の分割を請求できると定めています。相手の同意も、正当な理由の説明も要りません。 持分が10分の1でも、請求できる点は変わりません。

例外は、共有者間で分割をしない旨の契約を結んでいる場合です。この不分割特約の期間は5年が上限で、更新するときも更新の時から5年を超えられません(同条2項)。特約は登記事項として記録でき、記録しておけば持分を買った第三者にも主張できます。ただし、期限が来れば効力は切れます。5年ごとに更新の合意を取り直せる関係なら、そもそも分割請求には至っていないはずです。

分割請求の対象にならないものもあります。分譲マンションの共用部分や、専有部分と切り離して処分できない敷地利用権は、区分所有法が別の扱いを定めています。自分の物件がどちらに当たるかは、登記事項証明書の表題部と、敷地権の登記の有無で見分けます。

分割請求に必要な条件は?

相手の同意も正当な理由も不要で、各共有者が単独でいつでも請求できます。

  • 根拠:民法256条1項
  • 持分の大小:10分の1でも請求可能
  • 必要な同意:相手の同意は不要

相続で共有になった持分は、遺産分割が先に来る

亡くなった方の名義の不動産を相続人が共同で持っている状態は、通常の共有とは別に「遺産共有」と呼ばれます。この状態にある物件は、原則として共有物分割請求ではなく、家庭裁判所の遺産分割で分けます(民法258条の2第1項)。窓口も手続きも別です。

ただし、相続開始の時から10年を経過したときは、遺産共有持分についても共有物分割請求の対象にできます(同条2項)。この場合でも、相続人が請求のあった旨の通知を受けた日から2か月以内に異議を申し出れば、遺産分割の方へ戻ります(同条3項)。手続きの選択は、相続の開始日と、他の相続人が異議を出すかどうかで変わります。

相続人の数が多く、世代が下って面識のない親族が共有者に入っている場合は、当事者を確定する作業だけで数か月かかります。進め方は「数次相続で相続人が多い実家の売却」の記事にまとめています。

「共有のままでできないことと、分割を請求できる人」について、そのまま聞けます。

共有物分割請求が行き着く結末と、その分かれ目

協議が調わずに訴訟になった場合、裁判所が命じる分け方は民法258条2項と3項に列挙されています。順番に優先度があり、現物分割と賠償分割で分けられないとき、または分割によって価格が著しく減少するおそれがあるときに、初めて競売が出てきます。

1. 現物分割:土地を切って、別々の名義にする

土地を分筆して、共有者それぞれの単独所有にする方法です。分けた後の各土地が使える形で残ることが条件になります。具体的には、分筆した各画地が道路に2メートル以上接しているか、建物を建てられる面積と形状が残るか、自治体の条例で敷地面積の最低限度が定められていないか、という点を見ます。

間口が狭い旗竿状の土地や、奥行きが浅い土地では、分けた結果どちらも建てられない土地になることがあります。その状態は「分割によって価格を著しく減少させる」場合に当たり得ます。接道が足りない土地の扱いは「再建築不可物件はなぜ売りにくいのか」の記事で整理しました。

建物は物理的に切り分けられないため、建物が建ったままの土地では現物分割が選ばれにくくなります。一方、共有者が5人いて、そのうち1人だけが抜けたいという場合に、その1人の持分に相当する部分だけを切り出す一部分割の形も、条文上は現物分割に含まれます。

全面的価格賠償が認められる要件

  • 取得させる相当性

    その物件を特定の共有者に取得させるのが相当であること

  • 価格の適正な評価

    対象となる物件の価格が適正に評価されていること

2. 賠償分割:一人が取得して、他の共有者に金銭を払う

民法258条2項2号の「共有者に債務を負担させて、他の共有者の持分の全部又は一部を取得させる方法」がこれに当たります。実家に住み続けたい相続人が他の兄弟の持分を買い取る形が、典型です。

共有者の一人に全部を取得させる全面的価格賠償については、最高裁が平成8年10月31日の判決で要件を示しています。その物件を特定の共有者に取得させるのが相当であり、価格が適正に評価され、取得する者に支払能力があり、他の共有者に持分の価格を取得させても共有者間の実質的公平を害しないと認められる特段の事情があるとき、という枠組みです。

実務で壁になるのは、この中の支払能力です。裁判所が命じるのは一括の金銭給付で、分割払いは原則として認められません。取得を望む共有者が、判決時点で代金を用意できることを示せなければ、賠償分割は選ばれません。また、賠償額の基礎になるのは不動産鑑定士による評価であり、当事者が主張する金額ではありません。

3. 競売:現物でも賠償でも分けられないとき

裁判所が競売を命じると、民事執行法195条に基づく形式的競売として売却され、代金から手続費用を差し引いた残りを持分割合で分けます。共有者の誰かが買受人になることもできますが、他の入札者と同じ条件で競り合う立場です。

競売では、裁判所が定めた売却基準価額の8割にあたる買受可能価額が下限になります。内覧ができず、引渡しも買受人の負担で行う前提の売却なので、一般の市場で売る場合より低い金額に落ち着きやすい仕組みです。入札がなければ価額を下げて再度実施され、それでも買い手が現れなければ手続きが取り消され、共有関係はそのまま残ります。時間をかけて訴訟を続けた結果、手元に残る金額がいちばん小さくなるのがこの結末です。 手続の一般的な説明は裁判所のウェブサイトにあります。

現物分割ができるかの判断手順

  1. 1

    建物の有無を確認

    建物が建ったままの土地は物理的に切り分けられないため選ばれにくい。

  2. 2

    接道要件を満たすか

    分筆した各画地が道路に2メートル以上接しているかを見る。

  3. 3

    面積と形状が残るか

    建物を建てられる面積と形状か、条例の敷地面積の最低限度に触れないかを見る。

  4. 4

    現物分割の可否

    条件を満たせば可能。満たさなければ価格を著しく減少させる場合に当たり得る。

4. どの結末になりやすいかを分ける条件

物件と当事者の状態選ばれやすい結末
面積が広く、分筆しても各画地が接道する更地現物分割
建物に共有者の一人が住み、その人に資力がある賠償分割
建物付きで、取得を望む共有者がいない競売
共有者が多数で、評価額の主張が大きく割れている競売または和解

裁判の途中で和解が成立し、共有者の一人が持分を買い取る、あるいは全員で任意売却して代金を分ける、という形で終わる例もあります。判決まで進むかどうかは、結局のところ金額の折り合いがつくかどうかです。

共有物分割請求の費用と期間、分割後の税金

和室で、家族がこれからの生活について相談している

1. 裁判所に納める手数料は、訴額から計算する

訴えを起こすときは、収入印紙で手数料を納めます。金額は訴訟の目的の価額(訴額)で決まり、その計算方法は民事訴訟費用等に関する法律の別表第一に定められています(民事訴訟費用等に関する法律(e-Gov法令検索))。訴額の区分ごとの計算は次のとおりです。

  • 100万円まで:10万円ごとに1,000円
  • 100万円超500万円まで:20万円ごとに1,000円
  • 500万円超1,000万円まで:50万円ごとに2,000円
  • 1,000万円超10億円まで:100万円ごとに3,000円

共有物分割請求訴訟の訴額は、裁判所の実務では、目的物の価額に原告の持分割合を掛けた額の3分の1として扱われています。物件全体の評価額が3,000万円で持分が2分の1なら、1,500万円の3分の1にあたる500万円が訴額になり、手数料は3万円です。このほかに、書類の送達に使う郵便切手を数千円分予納します。最終的な算定は申立て先の裁判所が行うので、提出前に窓口で確認してください。

2. 鑑定と測量の費用は、手数料とは別に出ていく

賠償分割を求める場合も、競売の基礎になる評価を出す場合も、不動産鑑定士の鑑定が必要になることがあります。鑑定人は裁判所が選任し、費用は申し出た当事者が予納します。金額は対象不動産の種類や調査の範囲で変わり、数十万円の単位になることも珍しくありません。

現物分割を求めるなら、分筆のための測量が要ります。土地家屋調査士に依頼し、隣地所有者との立会いを経て境界を確定する作業で、こちらも実費がかかります。境界標が見当たらない、古い測量図と現況の塀の位置が合わない、といった状態だと、立会いの日程調整だけで数か月かかります。

3. 弁護士に頼むかどうかの分かれ目

共有物分割請求訴訟は、共有者全員が当事者にならなければ成り立たない訴訟です。原告以外の共有者を一人でも欠くと、訴え自体が不適法になります。共有者の把握と、被告全員への送達を成立させる作業が、最初の関門です。

次の状態に当たるなら、代理人を立てた方が進みます。

  • 共有者が4人以上いる、または面識のない親族が共有者に入っている
  • 共有者の一部の住所が分からず、通常の方法では書面が届かない
  • 共有者の一人が無償で住み続けており、使用の対価や明渡しも争いになっている
  • 遺産共有の持分と通常の共有持分が同じ物件に混ざっている
  • 相手方にすでに代理人の弁護士が付いている

所在の分からない共有者がいる場合、令和5年4月1日から使えるようになった制度として、裁判所の裁判で所在等不明共有者の持分を取得する方法(民法262条の2)と、その持分を第三者に譲渡する権限を付与してもらう方法(同262条の3)があります。いずれも公告と一定期間の経過、供託が必要で、申立ては地方裁判所に行います。

弁護士費用は自由化されているため、一律の基準はありません。着手金と報酬金を経済的利益に応じて算定する事務所が多く、共有物分割では対象となる持分の評価額が基準になります。見積りを取るときは、鑑定費用や登記費用を含むのか、和解で終わった場合の報酬はどうなるのかを、着手前に書面で確認してください。収入と資産が一定以下なら、法テラスの民事法律扶助で費用の立替えを受けられる場合があります。

訴額の計算例と必要な手数料

  • 不動産全体の評価額3,000万円
  • 原告の持分に応じた額1,500万円
  • 算定基準となる訴額500万円
  • 申し立て時の手数料3万円

手数料以外にかかる主な実費

  • 鑑定費用(数十万円単位)

    賠償分割や競売の評価で不動産鑑定士に払う予納金

  • 分筆のための測量費

    現物分割で土地家屋調査士に依頼し境界を確定する実費

4. 判決までの時間の見積もり方

期日はおおむね1か月から2か月に1回のペースで入ります。争点が分割方法だけなら回数は少なく済みますが、評価額、使用の対価、過去の固定資産税の精算まで争いになると、そのぶん回数が増えます。鑑定を実施すれば、鑑定人の作業期間として数か月が加わります。

判決に不服があれば控訴でき、その場合はさらに期間が延びます。この間も、固定資産税と火災保険料と管理の手間は、共有者に発生し続けます。 訴訟を選ぶかどうかは、結末の金額差と、解決までに積み上がる保有費用を並べて判断する場面です。

5. 分割の結果にかかる税金

結末譲渡所得の扱いあわせて出る税
現物分割(持分どおり)所得税の取扱い上、譲渡に当たらない登録免許税、不動産取得税は持分相当分が非課税
賠償分割で金銭を受け取る側持分の譲渡として譲渡所得が生じる譲渡した年の翌年に申告
賠償分割で取得する側生じない登録免許税、持分を超える部分の不動産取得税
競売売却代金に応じて譲渡所得が生じる各共有者がそれぞれ申告

土地を共有者が持分に応じて現物分割した場合、その取得は譲渡所得のもとになる資産の譲渡には当たらない、というのが所得税の取扱いです。分割後の各土地の価額の比が持分割合とおおむね等しいことが前提になります。差が出て金銭で精算すると、精算を受けた側に譲渡所得が生じます。

不動産取得税は、共有物の分割による取得のうち分割前の持分割合に相当する部分が非課税とされています。超えた部分は課税対象です。登録免許税は、共有物分割による所有権移転登記について通常の売買と異なる税率の定めがあり、持分を超える部分の扱いも分かれます。適用の判定は登記の内容で変わるため、司法書士に登記原因を示して確認してください。

「共有物分割請求の費用と期間、分割後の税金」について、そのまま聞けます。

共有物分割請求を起こす前に踏む6つの順番

1. 登記事項証明書で、共有者と持分を確定する

法務局で土地と建物の登記事項証明書を取り、権利部の甲区に並んでいる名義と持分を書き出します。持分が「3分の1」「6分の1」と分数で記録されているので、合計が1になるかを確かめてください。合計が合わない場合、登記されていない相続が挟まっています。

名義に亡くなった方が残っていれば、相続登記が必要です。相続登記は2024年4月1日に義務化されました。起算点は、不動産を相続で取得したと知った日で、そこから3年以内に申請します。施行日より前に相続を知っていた不動産も対象で、その期限は2027年3月31日です(相続登記の申請義務化について(法務省))。名義が動くまでは、分割の話し合いも訴訟も、相手が確定しません。

空き家の維持にかかる主な費用

  • 固定資産税

    毎年発生する税金。誰が払ってきたかの記録も必要

  • 火災保険

    空き家のまま置いている場合に毎年出ていく現金

  • 電気と水道の基本料金

    空き家でも契約を残している場合に発生する費用

  • 草刈りや交通費

    現地の維持管理や、現地へ赴くためにかかる費用

2. いま誰が使い、誰が費用を払っているかを書き出す

共有者の一人が住んでいるのか、賃貸に出しているのか、空き家なのかで、争点の数が変わります。固定資産税の納税通知書が誰に届き、実際に誰が払ってきたのかも記録してください。管理費用の分担は民法253条1項の問題で、過去の負担の精算を分割と一緒に持ち出すかどうかは、方針の分かれ目になります。

空き家のまま置いている場合、毎年出ていく現金を先に合計しておくと判断が早くなります。固定資産税、火災保険、電気と水道の基本料金、草刈り、現地までの交通費です。項目ごとの確認の仕方は「空き家の処分方法」の記事に書いています。

3. 希望する分け方を、1枚の書面にして出す

口頭のやり取りだけでは、何が合意できていないのかが残りません。誰がその不動産を取得し、他の共有者にいくら払い、いつまでに登記を移すのか。この3点を書いた書面を、共有者全員に同じ内容で送ります。返答の期限も入れてください。

訴訟になった場合、この書面は「協議が調わない、または協議をすることができない」という民法258条1項の要件を示す材料になります。相手が返答しない状態が続いたことも、記録として残ります。

4. 調停を挟むか、訴訟に進むかを決める

遺産共有の状態なら家庭裁判所の遺産分割調停、通常の共有なら簡易裁判所の民事調停という選び分けになります。調停は話し合いの場なので、相手が出てこなければ成立しません。相手が話し合いに応じる姿勢を見せているときに使う手続きです。

訴訟は地方裁判所に起こします。訴額が140万円以下なら簡易裁判所が管轄です。裁判所の判断で調停に付されることもあり、その場合は訴訟の中で話し合いの期日が設定されます。

5. 訴訟の前に、3つの出口を金額で並べる

裁判所に持ち込む前に、比べておくものがあります。共有者全員で合意して市場で売る場合の手取り、他の共有者に自分の持分を買ってもらう場合の金額、そして自分の持分だけを第三者に売る場合の金額です。3つ目は、他の共有者の同意なしに単独でできます。

持分だけの売却は、物件全体の価格に持分割合を掛けた額より低くなります。買った側も単独では使えず、結局は同じ分割の問題を引き継ぐためです。それでも、訴訟の期間と費用を負担せずに共有から抜けられる点で、選択肢に入ります。手順と注意点は「共有持分は自分の持分だけ売却できる」の記事にまとめました。遠方に住んでいて現地に行けない場合の進め方は「遠方の実家を行かずに売却する方法」の記事にあります。

分割請求を起こす前の準備手順

  1. 1

    登記事項証明書の取得

    法務局で土地と建物の証明書を取り、権利部の甲区を見る。

  2. 2

    名義と持分の書き出し

    甲区に並んでいる名義と、分数で記録された持分を書き出す。

  3. 3

    持分の合計を確認

    合計が1になるか確かめる。合わない場合は未登記の相続が挟まっている。

  4. 4

    亡くなった方の確認

    名義に亡くなった方が残っていれば、相続登記が必要になる。

  5. 5

    相手の確定

    名義が動くまでは、分割の話し合いも訴訟も相手が確定しない。

6. 誰に何を頼むかを決める

専門家頼めること頼めないこと
弁護士協議の代理、調停と訴訟の追行不動産の買取、税額の計算
司法書士相続登記、分割後の所有権移転登記訴訟の代理(認定範囲を超えるもの)
土地家屋調査士境界の確定、分筆の測量と登記価格の評価
税理士譲渡所得の計算と申告登記、法律上の主張

なお、この記事の税務・法務に関する記載は一般的な情報提供であり、個別の事案についての判断ではありません。適用の可否や具体的な税額については、税務署または税理士、登記については司法書士、境界や隣地との権利関係については弁護士や土地家屋調査士など、それぞれの専門家にご確認ください。当社は不動産の買主であり、税務や法律の代理はできません。

「共有物分割請求を起こす前に踏む6つの順番」について、そのまま聞けます。

共有物分割請求を避けて持分を売る場合の当社の条件

当社が買い取る条件・買い取れない条件と、実際の買取事例は「当社の買取基準」にまとめています。

「共有物分割請求を避けて持分を売る場合の当社の条件」について、そのまま聞けます。

共有物分割請求で先に確かめる3点

  • 請求は単独でできますが、結末は選べません。 民法256条により各共有者がいつでも分割を請求でき、相手の同意は不要です。ただし協議が調わず訴訟になれば、現物分割・賠償分割・競売のどれになるかを決めるのは裁判所です。取得を望む共有者がいない建物付きの物件は、競売に向かいやすい類型です。
  • 費用は手数料だけでは終わりません。 訴額は持分に対応する価額の3分の1として扱われ、500万円なら手数料は3万円です。これに郵便切手、鑑定の予納金、測量費、代理人を立てるならその費用が加わります。期日は1か月から2か月に1回で、その間も固定資産税と管理の負担は続きます。
  • 訴訟の前に、3つの金額を並べてください。 全員で売った場合の手取り、他の共有者に持分を買ってもらう場合の金額、持分だけを第三者に売る場合の金額です。いちばん高いのは通常、全員の合意で売る形です。合意が取れないときに、残りの2つと訴訟を比べることになります。

当社は買主として、共有者の一人からその持分だけを買い取ります。持分の価格は全体の価格に持分割合を掛けた額より低くなり、名義が亡くなった方のままの持分と、遺産分割が終わっていない持分はお引き受けできません。

査定は無料・売却の義務なし
0120-996-748受付時間10:00〜19:00(水・日曜定休)

通話料無料・全国対応

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共有物分割請求についてよくある質問

Q1. 共有者から共有物分割請求の書面が届きました。無視するとどうなりますか

協議に応じないままでいると、相手は「協議をすることができないとき」に当たるとして訴訟を起こせます。訴状が届いてからも答弁書を出さず期日にも出頭しなければ、相手の主張に沿った判決が出る可能性があります。分割そのものを拒む主張は通りません。 争えるのは分け方と金額です。自分がその不動産を取得したいのか、金銭で受け取りたいのか、競売だけは避けたいのか。この3つのどれを望むかを決めて、期限内に書面で返してください。

Q2. 持分が少なくても、共有物分割請求はできますか

できます。民法256条の請求権は持分の大小で差がありません。10分の1の持分でも、単独で分割を請求できます。ただし、請求できることと、自分の望む結末になることは別です。持分が小さい共有者が全部を取得する賠償分割を求める場合、他の共有者全員に払う代金を用意できることが前提になり、その資力を示せなければ認められません。

Q3. 共有物分割請求訴訟の費用は、最終的に誰が負担しますか

訴訟費用の負担は裁判所が判決で定めます。通常の民事訴訟では敗訴した側が負担する原則ですが、共有物分割は共有者全員のために分け方を決める手続きという性格があるため、持分割合に応じて各当事者に分担させる例があります。ここでいう訴訟費用に弁護士費用は含まれません。代理人の費用は、判決の内容にかかわらず、依頼した当事者が負担します。

Q4. 競売になると、いくらで売れますか

事前に確定した金額をお示しできる性質のものではありません。裁判所が定めた売却基準価額の8割にあたる買受可能価額が下限になり、入札の結果で決まります。内覧ができず、占有者がいれば引渡しの手間も買受人が負う条件なので、一般の市場で売る場合より低い水準に落ち着きやすい仕組みです。入札がなければ価額を下げて再度実施され、それでも買い手が現れなければ手続きは取り消されます。建物の状態が価格に与える影響については「空き家の解体費用はいくらかかるか」の記事も参考になります。

Q5. 建物が建っている土地でも、現物分割はできますか

建物そのものを切り分けることはできないため、建物付きの土地で現物分割が命じられる例は限られます。考えられるのは、敷地が広く、建物が建っている区画とそれ以外の区画に分けても、双方が接道して使える形が残る場合です。分けた結果どちらかが建築できない土地になるなら、価格を著しく減少させるおそれがある場合として、賠償分割か競売に向かいます。判断の入口は、分筆後の各画地が幅員4メートル以上の道路に2メートル以上接するかどうかです。

Q6. 分割請求をされないようにする方法はありますか

共有者全員で、5年を超えない期間で分割をしない旨の契約を結び、登記に記録する方法があります(民法256条1項ただし書)。更新もできますが、更新の時から5年が上限です。全員の合意が要るため、すでに分割を求めている共有者がいる場面では使えません。現実的な予防策は、共有のまま長く持たないことです。 共有者が亡くなるたびに相続が起きて当事者が増え、合意はさらに難しくなります。相続をきっかけに共有になった実家の進め方は「実家 空き家 売却の順番」の記事にまとめました。

Q7. 分割で金銭を受け取ったら、税金はかかりますか

賠償分割で他の共有者から金銭を受け取る場合、持分を譲渡したものとして譲渡所得の対象になります。競売で代金の配当を受けた場合も同じです。取得費が分かる資料が見つからないときは、収入金額の5%を取得費として計算することになり、税額が増えます。相続した家屋とその敷地を売る場合、要件を満たせば相続空き家の特例で譲渡所得から控除できることがあり、内容は国税庁の被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例で確認できます。持分どおりの現物分割であれば譲渡には当たらない取扱いですが、精算金のやり取りがあると結論が変わるため、分け方が固まった段階で税務署か税理士に照合してください。

当社の見方

分割の話が出ているご相談で、まず当社がどこまで関わるのかを整理しておきます。当社がお引き受けするのは、ご相談者さまの持分を買うところまでです。他の共有者との協議や、裁判所での手続きの代理を当社が担うことはありません。そこは弁護士にご依頼いただく領域で、当社が法律上の判断を申し上げることもしません。

当社からお伝えできるのは、手続きに進む前と進んだ後とで、手元に残る額と時期がどう変わるかという見込みだけです。当社にお売りになる場合、金額は下がる代わりに、決済の日をご自身の都合で決められます。手続きを選べば結論は第三者が決め、終わる時期も読めません。金額の見込みは、ご相談から30分ほどをめどにお伝えしています。ご連絡の際は、ご自身の持分の割合と、共有者が何人いらっしゃるかをお知らせください。

当社が買い取る物件・お断りする物件と、買取価格の決まり方は、当社の買取事例76件の内訳とあわせて当社の買取基準にまとめています。

この記事について

執筆・編集
リアテクス編集部株式会社リアテクス当社(宅地建物取引業 東京都知事(1)第107888号)は物件を直接買い取る買主の立場から、売却を検討する方の判断材料となる記事を企画・編集しています。
監修
鶴野 博之鶴野 博之株式会社リアテクス 執行役員宅地建物取引士(東京)第257503号/賃貸不動産経営管理士/2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)この区分の監修を担当しています。記事の公開判断は当社が行っています(代表が定めた手順による)。確認・公開判断:藤山 大二郎(株式会社リアテクス 代表取締役CEO)
公開・更新
公開 更新 内容を見直したときは、この日付と改訂の内容を更新しています。情報の確認日 (出典の公的資料を開いて内容を確かめた日)
この記事の事実確認の方法
法令:民法、民事訴訟費用等に関する法律出典:裁判所、法務省
記事の作り方
この記事は、当社の担当者が事実確認を行ったうえで公開しています。

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