共有持分を買取業者に売ったとき、他の共有者に話が届くのは、契約より前に打診が入る場合、決済と登記が終わった直後に書面が届く場合、協議がまとまらず訴状が届く場合の3つに分かれます。どの順になるかを決めているのは法律ではなく、売買契約で連絡の時期をどう取り決めたかです。持分を売ること自体に同意は要らないため、売主が動かせるのは、この連絡の時期と、価格の前提として何をどこまで開示するかまでになります。
共有持分
共有持分の 買取業者を 選ぶ前に |他の 共有者に 連絡が 行く 時期
公開 更新

「共有持分の買取業者に売りたいが、他の共有者に知られるのがいつなのか分からない」。持分の売却そのものに他の共有者の同意は要らず、代わりに登記が移った後は買主が分割の協議を始めるため、他の共有者に連絡が届く前提で進みます。
当社は持分だけを買主として直接買い取り、取得したあとは当社が当事者として他の共有者と話し合います。分割や賃料の訴訟が進行している持分と、相続登記が済んでいない持分はお断りしています。自分の持分が買い取れるかどうかだけ、先に聞く(無料)
目次(7章)
先に自分の持分の買取価格のめどだけ知りたい方へ。
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共有持分の 買取業者に 売れる 範囲と、 同意が 要らない 理由
ご相談の入口で必ず出てくる質問は2つです。ひとつは「自分だけで売って後から問題にならないか」、もうひとつは「いつ兄弟に分かるのか」です。前者は条文で答えが決まっており、後者は契約書の書き方で決まります。
自分の 持分を 売る ことと、 共有物を 売る ことの 違い
共有の不動産では、持分ごとに単独でできることと、他の共有者を巻き込まないとできないことが分かれています。混同されやすいので、行為ごとに並べます。
| 行為 | 必要な同意 | 根拠 |
|---|---|---|
| 自分の持分を売る・担保に入れる | 不要(単独でできる) | 民法206条 |
| 共有物そのものを売る・取り壊す | 共有者全員の同意 | 民法251条1項ほか |
| 建物を3年以内で貸す・修繕する | 持分の価格の過半数 | 民法252条 |
| 共有物の分割を求める | 不要(いつでも請求できる) | 民法256条1項 |
持分は所有権の一部であり、その使用・収益・処分は持分を持つ人の権限に属します(民法(e-Gov法令検索))。一方、建物を取り壊す、土地を丸ごと売るといった行為は共有物そのものに手を加えるため、全員の同意が必要だと扱われます。「持分は売れるが、家は売れない」という言い方は、この線引きを指しています。
ひとつ例外に近い取り決めがあります。共有者の間で5年を超えない範囲で分割をしない契約を結ぶことができ、それが登記されていれば、持分を買った人もその期間は分割を請求できません。遺産分割協議書や覚書に「当面は分割しない」という条項が入っている場合、登記の有無と期間を先に確かめてください。
他の 共有者への 通知は、 売却の 要件に なっていない
持分売却は単独でできるが、建物全体の売却や取り壊しには全員の同意が要る
持分単独でできることの範囲
売却前
他の共有者への事前の通知や同意は不要
売却後1:登記
移転登記により登記事項証明書に記録が残る
売却後2:税金
翌年度から固定資産税の課税の扱いが変わる
売却後3:買主の行動
買主が取得後に他の共有者へ打診を始める
売る前に他の共有者へ知らせる義務は、民法にも宅地建物取引業法にもありません。ですから「反対されたから売れない」ということは、持分に限れば起こりません。ただし、売った事実が伝わらないまま終わることもありません。
伝わる経路は3つあります。第1に登記です。持分の移転登記が入れば登記事項証明書に買主の名前が載り、誰でも取得できます。第2に固定資産税です。共有不動産の納税通知は代表者に届く扱いが一般的で、所有者が変われば翌年度の課税台帳と通知の内容が変わります。第3にマンションの場合の管理組合で、組合員の変更届を出すことになります。
覚書で「持分を第三者に譲渡しない」と約束していた場合はどうなるか。この約束に反しても持分の移転そのものは有効に成立しますが、約束をした相手との間では債務不履行の問題が残ります。書面で何を約束したかは、価格より先に確認する項目です。
持分を 買った 業者が、 次に 始める こと
事前通知は不要だが、登記や課税台帳の変更を通じて事後に他の共有者へ伝わる
事後に他の共有者へ伝わる経路
- 1
売却前
他の共有者への事前通知は不要
- 2
売却後(登記)
持分の移転登記により伝わる
- 3
売却後(課税台帳)
翌年度の固定資産税の扱いの変更で伝わる
- 4
売却後(管理組合)
管理組合への届出を通じて伝わる
買取業者は持分を保有し続けるために買うわけではありません。取得後は、持分を単独所有に近づけるか、費用を回収するために動きます。順序はおおむね次のとおりです。
他の共有者へ、持分を買い取る意向があるか、逆に持分を売る意向があるか、物件全体で売る意向があるかを書面で打診します。まとまらなければ共有物分割を請求し、話し合いで決まらないときは裁判所の手続に移ります。建物に共有者が住んでいる場合は、自己の持分を超える使用の対価を求める話も並行します(民法249条2項)。管理費用を立て替えた分の清算も、民法253条を根拠に主張の対象になります。
ここで売主に残るものがあります。売主が過去に受け取っていた賃料の分け方、売主が立て替えていた修繕費の清算、境界や増築の経緯についての確認です。持分を手放すと分割の当事者からは外れますが、売主と他の共有者の間の過去の貸し借りは、売買では消えません。 持分だけを売るという選択肢そのものの整理は「共有持分は自分の持分だけ売却できる」の記事に書いています。
「共有持分の買取業者に売れる範囲と、同意が要らない理由」について、そのまま聞けます。
共有持分の 買取業者に 売った あとの 結果を 分ける 5つの 条件

同じ持分割合、同じ建物でも、手取りとその後の関係は次の5つで変わります。価格の高低より先に、この5つのどこに自分が当たるかを見てください。
1. 他の 共有者への 連絡が、 決済の 前か 後か
| 連絡の段階 | 他の共有者に届く形 | 売主に起きること |
|---|---|---|
| 契約より前 | 業者からの打診の書面や電話 | 売却前に反対され、契約が流れることがある |
| 決済と登記の直後 | 業者名の通知書と登記の記載 | 売主は当事者から外れ、問い合わせだけが来る |
| 協議が不成立のとき | 裁判所から届く訴状 | 事情の確認を求められることがある |
売主にとって差が大きいのは、1段目を通るかどうかです。契約前の打診は、他の共有者が買い取る意向を持っていた場合には売主の手取りが上がる方向に働きますが、売る前に話が広がるため、まとまらなかったときは関係だけが壊れます。決済までは他の共有者へ連絡しない、という取り決めを契約書に入れられるかは、業者によって答えが違います。 先に聞いておく質問です。
2. 他の 共有者が 持分を 買い取る 意向を 示すか
根拠なく切り出すと対立しやすいため、業者の提示額を得てから共有者に伝える
業者より先に他の共有者へ打診すべきですか?
手取りの面では、先に他の共有者へ打診する順序が合理的です。単独所有に戻ることで選択肢が広がるため、業者より高く買える余地があります。
- 金額の根拠を持たずに切り出すと話がこじれる
- 業者の提示額を書面で持ってから伝えるとよい
他の共有者にとって、あなたの持分の取得は、使えない状態の不動産を単独所有に戻す手段です。建物を建て替える、担保に入れる、丸ごと売る、といった選択肢が戻るため、支払える上限は業者より高くなる余地があります。
ですから、業者に売ると決める前に他の共有者へ打診する順序は、手取りの面では合理的です。うまくいかない典型は、金額の根拠を持たずに切り出す形で、「いくらなら買うのか」という話が「なぜ売るのか」という話に変わってしまいます。書面の提示額を1つ持ってから伝えると、議論が金額の一点に収まります。
3. 分割の 形が 現物・賠償・競売の どれに なるか
協議で決まらない場合、共有物分割の裁判では、まず次の2つの形が検討されます(民法258条2項)。
- 現物分割:土地を分けても各区画が使え、それぞれに接道が確保できるときに成り立ちます。
- 賠償分割(価格賠償):1人が不動産の全部を取得し、他の共有者へ持分に見合う金銭を払う形で、取得する人に資力があることが前提です。
どちらでも分けられない、あるいは分けると価値が著しく下がる場合に、競売による換価へ進みます。手続の案内は裁判所の各庁の窓口で確認できます。
競売まで行くと、売却の価格は一般の市場での取引より低い水準になりやすく、共有者全員の取り分が目減りします。分割の見通しは、建物が1棟だけ建った1筆の土地なのか、分けても使える広さがあるのかで、ほぼ決まります。 一棟のアパートを共有している場合の出口は「老朽アパート・一棟物件をどう手放すか」の記事も併せてご覧ください。
4. 建物に 住んでいる 共有者が いるか
契約前、決済直後、協議不成立時の3つの段階で売主に生じる負担が変わる
他の共有者へ連絡が届く時期
契約前(事前打診あり)
業者から共有者へ打診
共有者が買えば手取り増の可能性。まとまらなければ関係悪化のリスク。
決済・登記後(事前打診なし)
業者名の通知と登記で発覚
売主は当事者を外れる。共有者からの問い合わせ対応のみ残る。
業者と共有者の協議不成立時
裁判所から訴状が届く
業者の協議が決裂した場合、売主に事情確認が求められることがある。
母が実家に住み続けている、離婚した相手が住んでいる、という状態は共有持分の相談で多い形です。ここで押さえておきたいのは、持分を買った人が当然に明渡しを求められるわけではない、という点です。少数の持分しか持たない共有者でも共有物の全部を使用する権原があり、他の共有者は当然には明渡しを請求できないという判断が、最高裁昭和41年5月19日の判決で示されています。
代わりに動くのは対価です。自己の持分を超えて使用している共有者は、他の共有者に対価を償還する義務を負うため、買主は家賃相当額の負担を求めることができます。つまり、売った翌月に家族が家を出るという流れではなく、金銭の請求と分割の話が先に立ち上がります。 ただし分割の結論として住み続けられなくなる可能性は残るので、同居している方がいる場合は、売る前にその見通しを共有しておくほうが後の説明が短くなります。
5. 固定資産税や 修繕費の 未清算が あるか
管理の費用は、各共有者が持分に応じて負担します(民法253条1項)。誰か1人が固定資産税を払い続け、屋根の修繕費も立て替えてきた状態は、清算されていない債権が積み上がっている状態です。
同条2項には、共有者が1年以内にこの義務を果たさないとき、他の共有者が相当の償金を払ってその持分を取得できる、という定めがあります。長く負担を他人に任せてきた場合、持分を売る前にこの主張が出てくることもあります。未清算の金額を先に確定させておくと、売買代金から差し引かれる形ではなく、共有者間の精算として整理できます。
「共有持分の買取業者に売ったあとの結果を分ける5つの条件」について、そのまま聞けます。
共有持分の 買取業者へ 査定を 頼む前に そろえる 書類と 数字

査定を頼む前に手元で終えられる作業があります。ここを飛ばすと、提示された金額が仮の数字になり、契約の直前で条件が動きます。
1. 登記事項証明書で、 持分と 共有者を 確定する
登記事項証明書から現在の名義人と持分割合、住所の変更がないかを確かめる
登記から持分と人数を読む手順
- 1
共有者の特定
共有者の氏名と住所を見る
- 2
持分の確定
各人の持分割合を見る
- 3
権利関係の確認
担保の設定や差押えの登記の有無を見る
売買の対象は、登記に記載された持分割合です。遺産分割で「3分の1もらう」と口頭で決まっていても、登記が亡くなった方の名義のままなら、決済で持分を移せません。相続登記の申請は、2024年4月1日以降、義務になりました。期限は、不動産を相続で取得したと知った日から3年です。施行日より前に相続を知っていた不動産も対象で、その場合の期限は2027年3月31日です(相続登記の申請義務化について(法務省))。
登記事項証明書では、共有者の氏名と住所、各人の持分、担保の設定、差押えの登記の有無を見ます。住所が古いままの共有者がいる場合、その人への連絡は買主にとっての手間になり、価格に反映されます。相続人が代を重ねて増えている場合の整理は「数次相続で相続人が多い実家の売却」の記事にまとめています。
2. 固定資産税と 管理費を、 誰が いくら 払ってきたかで 整理する
| そろえる資料 | 請求先 | 読み取れること |
|---|---|---|
| 固定資産税の納税通知書・課税明細書 | 手元の通知、または市区町村の税務課 | 評価額、課税の状況、納税代表者が誰か |
| 名寄帳 | 市区町村の税務課 | 同じ市区町村内にある共有名義の不動産の一覧 |
| 管理費・修繕積立金の残高証明 | マンションの管理会社 | 滞納の有無と金額、滞納分の承継 |
| 修繕の見積書・請求書・領収書 | 手元の保管分 | 誰が立て替えたか、清算が済んでいるか |
マンションの持分では、管理費の滞納が買主に承継されるため、金額がそのまま価格から引かれます。名寄帳は、実家の裏の細長い土地や私道の持分が同じ共有関係で残っていることを見つけるために取ります。私道の持分が別の共有者の名義になっていると、分割後に出入りの権利が問題になり、価格の前提が変わります。
3. 建物の 使用に ついて、 共有者間の 取り 決めが あるか 調べる
住んでいる共有者から地代や家賃をもらっている、無償で使わせる約束をしている、駐車場だけ貸している。こうした取り決めは、書面になっていなくても持分の価値に影響します。買主は、取得後にその約束に縛られるかどうかを判断しなければならないためです。
遺産分割協議書、覚書、賃貸借契約書、共有者間で交わした手紙やメールを探してください。告知せずに売り、あとで無償使用の約束が判明した場合、契約不適合として減額や解除の話になります。 不利になりそうな事実でも、契約前に書面で出したほうが、最終的な手取りは安定します。
4. 他の 共有者と、 全員での 売却を 先に 打診する
同じ不動産でも、売り方によって手元に残る金額の順序はおおむね決まっています。共有者全員で1つの物件として売る形がいちばん大きく、次に他の共有者へ自分の持分を売る形、そして業者へ持分だけを売る形です。逆に、決まるまでの期間と必要な合意の数は、この順で少なくなります。
全員での売却は、代金の分け方、片づけの費用、売り出す価格、値下げの判断のすべてで合意が必要です。1人でも連絡が取れない共有者がいると成立しません。立場が異なる相手と金額の差を突き合わせる進め方は、「底地を相続したが手放したい」の記事の手取り比較と構造が同じです。
5. 譲渡所得の 見込みを 出す
持分を売って利益が出れば、譲渡所得として所得税と住民税がかかります。相続で取得した持分は、亡くなった方の取得の時期と取得費を引き継ぐため、所有期間が5年を超える長期の区分になることが多い類型です。購入時の契約書が見つからない場合は、収入金額の5%を取得費として計算することになり、税額が増えます。
居住用財産の3,000万円の特別控除は、その家屋に住んでいた共有者ごとに判定されます。家屋を所有せず土地の持分だけを持っている場合は、原則として使えません。なお、この記事の法務・税務に関する記載は一般的な情報提供であり、個別の事案についての判断ではありません。分割の見通しは弁護士、持分の登記は司法書士、譲渡所得の計算は税務署または税理士へご確認ください。当社は買主であり、代理人にはなれません。
共有持分の 買取業者と 契約する 段階で 決める 条項

宅地建物取引業者が買主になる取引では、重要事項の説明は売主に対して行われません。説明義務の相手は買主だからです。つまり、条文を読んで条件を確かめる作業は、売主側に残ります。読む場所は多くありません。
1. 他の 共有者へ 連絡する 時期と 方法を 条項に する
連絡を開始する時期と方法、売主の連絡先を伝えるかの3点を契約書に盛り込む
契約書で決めるべき連絡の条項
連絡を開始する時期
決済前か後かなど連絡を始める時期を定める
連絡の方法
他の共有者へ連絡する具体的な手段を決める
売主の連絡先の扱い
他の共有者に売主の連絡先を伝えるか決める
売却後の窓口
売却後の問い合わせを買主が受けるか決める
打診不成立時の扱い
契約前の打診が不成立の場合の契約の扱い
口頭で「決済までは連絡しません」と言われた内容は、契約書に入っていなければ確かめようがありません。入れる内容は、連絡を開始する時期、連絡の方法、売主の連絡先を他の共有者に伝えるかどうかの3点です。
売主が売却後に窓口にならない取り決めも書けます。他の共有者からの問い合わせは買主が受ける、という一文があるだけで、売った後の負担は変わります。逆に、契約前の打診を認めるなら、打診が不成立だった場合に契約がどうなるかを同時に決めてください。 白紙に戻るのか、価格を見直すのかが書かれていないと、その時点で条件を出し直されます。
2. 契約不適合責任と、 告知する 事項の 範囲
持分の売買で問題になるのは、雨漏りのような建物の不具合より、権利の状態です。分割をしない特約があるか、共有者との間に係争があるか、使用の対価について取り決めがあるか、未清算の費用があるか。これらは売主しか知らない情報です。
売主が個人の場合、契約不適合責任を免責とする合意や、期間を区切る合意は可能です。ただし、知っていて告げなかった事実は免責の対象になりません。告知書に書くべきことを書ききってから免責を付ける、という順序にしてください。
3. 手付 解除・決済の 時期・融資利用の 特約
| 決めておく条項 | 見る点 |
|---|---|
| 手付金の額と解除の期限 | いつまで、いくらで解除できるか。放棄と倍返しの対応 |
| 融資利用の特約 | 買主が融資を使うか。不成立で白紙に戻る条項があるか |
| 決済の時期 | 契約から何日以内か。延長できる条件と回数 |
| 代金の受け取り方 | 全額を決済日に受け取るか、分割の予定があるか |
融資の特約が入る契約は、買主が資金を調達できなければ白紙に戻ります。持分の担保評価は低く出るため、この特約は持分の売買では実質的な不確定要素です。自己資金で買う業者の契約書には、この特約が入りません。 決済の時期に幅を持たせた条項も、売主側からは進み方が読めなくなります。
4. 免許番号と 取引態様を、 書面で 照合する
宅地建物取引業者は、取引の相手方に対して、自ら売買の当事者となるのか媒介するのかを明示しなければなりません(宅地建物取引業法第34条)。誇大広告の禁止は第32条、契約の勧誘に際して断定的な判断を提供する行為の禁止は第47条の2に定めがあります(宅地建物取引業法(e-Gov法令検索))。
名乗られた免許番号と商号、所在地が一致するかは、その場で照会できます。口コミや体験談の読み方は「空き家買取の口コミの読み方」の記事、提示額だけが高い場合に何を聞くかは「不動産買取の査定額が高い理由」の記事に書きました。持分の買取では、金額の根拠として「他の共有者との協議をどう見込んでいるか」を説明できるかが分かれ目になります。
「共有持分の買取業者と契約する段階で決める条項」について、そのまま聞けます。
共有持分の 買取業者と して 当社が 出す条件と、 断る 持分
当社が買い取る条件・買い取れない条件と、実際の買取事例は「当社の買取基準」にまとめています。
「共有持分の買取業者として当社が出す条件と、断る持分」について、そのまま聞けます。
共有持分の 買取業者を 選ぶ前に 決めて おく 3つ
- 同意は要らず、連絡の時期は決められます。 自分の持分の売却に他の共有者の同意は不要ですが、登記が移れば買主が協議を始めるため、話は他の共有者へ届きます。契約前に打診させるか、決済まで連絡を止めるかを、契約書の条項として決めてください。
- 手取りの順序は、売り方でおおむね決まります。 共有者全員で1つの物件として売る形、他の共有者に持分を売る形、業者に持分だけを売る形の順で、手元に残る金額は小さくなり、必要な合意の数と待つ期間は短くなります。業者の提示額を1つ持ってから、前の2つを試す順序が現実的です。
- 売る前に確定させる数字は2つです。 ひとつは登記に記載された持分割合、もうひとつは固定資産税・修繕費・管理費の未清算額です。この2つが曖昧なままだと、提示額は仮の数字になり、決済前に条件が動きます。
当社は持分だけを買主として直接買い取り、取得後は当社が当事者として他の共有者と話し合います。そのかわり価格は全体評価に持分割合を掛けた額より低く、係争が進行している持分と、相続登記が済んでいない持分はお引き受けできません。
通話料無料・全国対応
時間外と定休日のお電話も担当の携帯に転送されるので、直接責任者につながります。
この先は、当社の買取窓口「買取くん」のページです(運営は同じ株式会社リアテクスです)。
共有持分の 買取業者に ついて よく ある 質問
Q1. 他の 共有者に 知られないまま、 持分を 売り 切れますか
売る段階では知らせずに進められますが、売った後に知られない形にはなりません。持分の移転登記は登記事項証明書に残り、固定資産税の課税の扱いも翌年度に変わります。買主は取得後に他の共有者へ打診を始めるため、そこで必ず接触が生じます。売主が決められるのは、その連絡が決済の前か後かという時期だけです。 後にしたい場合は、契約書にその時期を書き込んでください。
Q2. 売った あとで、 他の 共有者から 自分に 請求が 来る ことは ありますか
持分を移した後の分割や使用の対価については、当事者が買主に代わります。ただし、売主が過去に受け取った賃料の分配、売主が立て替えた修繕費の清算、共有者間で交わした覚書に反した場合の損害賠償は、売主と他の共有者の間の問題として残ります。売買契約は、売主の過去の貸し借りを消す書面ではありません。 未清算の項目がある場合は、売る前に金額を確定させ、誰と誰の間で精算するのかを書面にしておくほうが安全です。
Q3. 持分 割合ど おりの 金額に ならないのは、 安く 買い 叩かれているのですか
持分の価格は、全体の評価に割合を掛けた額から、単独では使えない状態、協議や裁判にかかる期間と費用、承継する滞納分を引いた水準になります。判断の材料は、その引き算の内訳を業者が説明できるかどうかです。金額だけを比べるのではなく、「協議が不成立だった場合にどこまで進める想定か」を聞いてください。 内訳を示さずに高い数字だけが出てくる場合、契約直前の減額の余地を残していることがあります。周辺の取引価格の水準は、国土交通省の不動産情報ライブラリで売主自身も確認できます。
Q4. 母が 実家に 住んでいます。 売ると 母は すぐに 家を 出る ことになりますか
持分を持つ共有者が現に住んでいる建物について、他の共有者からの明渡し請求は当然には認められません。最高裁昭和41年5月19日の判決がその判断を示しています。先に立つのは、自己の持分を超える使用の対価を求める話です(民法249条2項)。そのため、売った翌月に退去という流れにはなりません。一方で、共有物分割の結論として建物を売ることになれば、住み続けられなくなる可能性は残ります。住んでいる方に何も伝えないまま売ると、最初の連絡が業者からの書面になります。 順序として、そこは先に共有しておくほうが説明が短く済みます。
Q5. 相続登記が 済んでいませんが、 持分だけ先に 売れますか
法定相続分に相当する持分は相続開始の時から持っていますが、決済で持分を移すには登記が前提になります。ですから、相続登記を先に済ませるか、遅くとも決済日に間に合う日程で司法書士と組む必要があります。相続人の間で遺産分割が終わっていない場合、法定相続分での登記を入れる方法と、分割協議をまとめてから登記する方法で、その後の売り方が変わります。申請の期限は、取得を知った日から3年(2024年4月1日より前に相続を知っていた場合は2027年3月31日)です。 当社は、登記が亡くなった方の名義のままという段階でのご相談もお受けしますが、名義が動く見込みが立たない案件はお断りしています。
Q6. 共有物分割の 裁判に なると、 どれくらい 時間と 費用が かかりますか
期間は、共有者の人数、住所が分かっているか、物件が分けられる形か、鑑定を行うかで変わります。訴状の送達から第1回の期日までに数週間、その後は期日を重ねるため、鑑定が入る案件では長くなります。費用は、申立ての手数料と郵便費、鑑定を行う場合の鑑定費用、代理人を頼む場合の弁護士費用です。手続の概要と申立ての窓口は、各地の裁判所で確認できます。税の面では、相続税を納めた財産を申告期限の翌日以後3年を経過する日までに売った場合に取得費へ加算できる特例があり、要件は国税庁の相続財産を譲渡した場合の取得費の特例で確認できます。裁判の見通しそのものは弁護士の判断で、当社が示せるのは、当社が持分を買う場合の金額と時期までです。
当社の 見方
共有持分のご相談で、他の共有者への連絡を当社がどう扱っているかを書いておきます。ご相談いただいた段階では、こちらから他の共有者へ連絡することはしません。まだ売ると決めていない方の名前が、家族や親族に先に伝わってしまうからです。連絡が必要になる場面と、その前にご本人の了解をいただくことは、必ず分けてお話しします。
業者を選ぶときに確かめていただきたいのは、この順番です。「いつ、誰に、何を伝えるのか」を先に説明できる相手かどうかで、その後の進み方が変わります。持分だけを買う取引は、他の共有者との関係が残ったまま進みます。買った後に他の共有者とどう話すつもりなのかまで聞いておくと、進め方の違いが見えます。金額の多寡よりも、連絡の順番を先に決められるかどうかを見てお選びください。
当社が買い取る物件・お断りする物件と、買取価格の決まり方は、当社の買取事例76件の内訳とあわせて当社の買取基準にまとめています。
この記事について
- 執筆・編集
- リアテクス編集部株式会社リアテクス当社(宅地建物取引業 東京都知事(1)第107888号)は物件を直接買い取る買主の立場から、売却を検討する方の判断材料となる記事を企画・編集しています。
- 監修
鶴野 博之株式会社リアテクス 執行役員宅地建物取引士(東京)第257503号/賃貸不動産経営管理士/2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)この区分の監修を担当しています。記事の公開判断は当社が行っています(代表が定めた手順による)。確認・公開判断:藤山 大二郎(株式会社リアテクス 代表取締役CEO)- 公開・更新
- 公開 更新 内容を見直したときは、この日付と改訂の内容を更新しています。情報の確認日 (出典の公的資料を開いて内容を確かめた日)
- この記事の事実確認の方法
- 法令:民法、宅地建物取引業法出典:裁判所、法務省
- 記事の作り方
- この記事は、当社の担当者が事実確認を行ったうえで公開しています。
出典(7件・に確認)
更新履歴
- 第1版公開
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