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空き家

実家が売れないのはなぜ?原因4つと相続から3年の期限

公開 更新

執筆
株式会社リアテクス リアテクス編集部
監修
株式会社リアテクス 取締役COO 薩摩 賢幸
実家が売れないのはなぜ?原因4つと相続から3年の期限

「相続した実家の後始末で、やってはいけないことを先に知っておきたい」。実家が売れない原因は土地・値段・名義・家財の4つに分かれ、相続登記と空き家の3,000万円控除の期限から逆に数えると、仲介を続けるか買取に切り替えるかが決まります。

家財が残っていても名義が親のままでも、当社は現況のままの実家に金額をお出しし、お引き渡しと同じ日にご入金します。相続登記が年内に終わる見込みが無いときは、控除の期限に合わせた年末の引き渡しをお約束できません。この家が買い取れるかどうかだけ、先に聞く(無料)

目次(6章)

家財が残ったままの実家も、売れない理由ごと相談できます

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相続した実家が売れないとき、値下げを重ねる前に見るものが2つあります。売れない原因が、土地・値段・名義・家財のどこにあるか。そして、相続から数える期限があと何か月残っているかです。原因が分かれば、仲介を続けるか、買取に切り替えるか、売る以外で手放すかが決まります。期限が分かれば、決めるまでに使える月数が決まります。

実家が売れないのはなぜ?原因4つと相続から3年の期限の要点を、定義・この記事でわかること・よくある質問の順に短くまとめた動画です。

相続した実家が売れないのはなぜ?原因は4つのどれか

実家の居間で、残された古い家具を前にして、片付けの相談をしている家族

相続した実家が売れない原因は、土地の形と道路、売り出しの値段、名義、残った家財の4つのどれかにあります。

建物が古いことは、それだけでは原因になりません。古い家でも、土地に使い道があれば買う人は付きます。売れない家では、4つのうちのどれかが買う人を減らしています。田舎の実家ほど、いくつかが重なります。原因が1つなら手の打ちようがあり、重なっていれば売り方そのものを変える話になります。

実家が売れない4つの原因と対策

  • 土地の形と前の道路

    値下げでは動かないため別の対策が必要

  • 売り出しの値段

    近所の成約例に合わせて値下げすれば動く

  • 親のままの名義

    相続登記の手続きをすれば外せる原因

  • 残った家財

    片付けを済ませれば外せる原因

実家の土地の形と前の道路で、買える人が絞られている

旗竿地や袋小路の奥の土地は、売り出しても反響が少なくなりがちです。理由は建て替えにあります。建築基準法第43条は、建物の敷地が道路に2m以上接していることを求めています。何が道路に当たるかは、同法第42条の定義で決まります。この条件を満たさない土地では、今の家を壊すと次の家を建てられないことがあります。

建て替えられない土地には、住宅ローンが付きにくくなります。金融機関は、土地と建物を担保として見るからです。ローンが使えないと、現金で買える人しか残りません。買う人の数は、そこで一気に減ります。

田舎の実家では、前の道が農道や里道のことがあります。車が通れる見た目でも、建築基準法の道路とは限りません。どちらに当たるかは、市町村の建築の担当課で確かめられます。間口が細い土地の見方は「旗竿地が売れない理由」の記事で、測る場所から確かめられます。

この原因は、値下げでは消えません。値段を下げても、建て替えられない事実は残るからです。道路に十分接した四角い土地なら、ここは原因ではありません。残りの3つを見てください。

実家の売り出しの値段が、近所で売れた値段とずれている

問い合わせが少ない実家の多くは、売り出しの値段が成約の水準を上回っています。

ずれる理由は、出発点の数字にあります。売り出し価格は、不動産会社の査定額から決めることが多いはずです。査定額は「この値段で売り出せる」という見立てです。売れた値段ではありません。複数の会社に聞いたとします。いちばん上の数字で売り出すと、ずれは大きくなります。

固定資産税の納税通知書にある評価額を物差しにする人もいます。これは税を計算するための値です。売れる値段とは、別の目的で決まった数字です。

近所で実際に売れた値段は、国土交通省の不動産情報ライブラリで調べられます。地域と面積帯を指定し、土地の広さと建物の古さが近い取引を拾います。それを自分の売り出し価格と並べると、ずれの幅が見えます。取引の時期は直近2〜3年に絞ります。地価が下がっている地域では、古い取引が混じりがちです。すると、今売れる値段とのずれを小さく見積もることがあります。

田舎の実家では、ここで取引そのものが少ないことに気づきます。年に数件しか売買が無い地域では、相場の幅が広くなります。値段を下げても、次の買い手がいつ来るかは読めません。原因が値段なのか、買う人の数なのか。この2つは分けて考えます。値段なら調整で動きます。買う人の数なら、売り方を変えることになります。

親の死後も、実家の名義が亡くなった親のまま

親の死後、登記簿の名義が親のままだと、その実家は引き渡しまでたどり着けません。買主に所有権を移す登記ができないからです。

名義を移すには、誰が実家を受け継ぐかを決め、相続登記を申請します。遺産の分け方は、相続人の話し合いで決めます(民法第907条)。兄弟が離れて暮らしていると、書類の往復だけで月単位の時間がかかります。相続人のうち1人が連絡の窓口になります。話し合いで決まった内容は、遺産分割協議書にまとめます。

仲介で売り出すだけなら、名義が親のままでも広告は出せます。ただ、買い手が付いても引き渡しの日を約束できません。買い手の側はそれを嫌い、別の物件に移ります。名義の手当てが遅れると、値段も土地も問題が無いのに売れない、という状態になります。

申請の期限は「相続した実家が売れないまま、いつまで待てる?締め切りは相続から3年」の章の早見表で、自分の日付から出せます。

相続登記にかかる税は、登録免許税です。相続による名義の移転では、固定資産税の評価額の1,000分の4が目安になります(登録免許税法 別表第一)。評価額が1,000万円の実家なら、4万円ほどです。このほか、戸籍を集める手数料と、司法書士に頼むならその報酬がかかります。正当な理由なく申請の義務を果たさないと、10万円以下の過料の対象になります(不動産登記法第164条)。売らずに持ち続ける場合でも、同じ手続きが要ります。名義の手当ては、売るかどうかを決める前から進めておけます。

家財が残った実家は、内覧で選ばれにくい

家具や衣類、仏壇が残った実家は、内覧に来た人が暮らす姿を思い描けません。

一般の買主は、住む家を探しています。床が見えず、においのこもった部屋では、広さも傷みも測れません。片付けの費用と手間を自分が負うと考え、候補から外します。

片付けには、相続人の時間とお金が要ります。遠方に住んでいれば、帰るたびに交通費がかかります。何度か通ううちに季節が変わり、手が止まる人が多いのがこの段階です。

片付けを急ぐときの落とし穴は、書類を一緒に捨てることです。権利証や登記識別情報、固定資産税の書類は、売るときに使います。箱を1つ決め、家財より先に分けておきます。通帳や保険証券、年金の書類も同じ箱に入れます。相続の手続きで探し直さずに済みます。家財を残したまま売れるかどうかは「ゴミ屋敷を片付けずに売却できるか」の記事で、費用を誰が持つかから確かめられます。

片付けを終えたのに反響が無いなら、原因は家財ではありません。土地か値段の側に戻って見直します。

「相続した実家が売れないのはなぜ?原因は4つのどれか」について、そのまま聞けます。

売れない実家の処分方法は3つ、どれを選ぶ?

郊外の住宅地に建つ古い木造住宅と、その前を通る舗装された道路

売れない実家の処分方法は、仲介を続ける・買取に切り替える・売る以外で手放すの3つで、待てる期間と立地で選びます。

売却方法の間違いは、多くの場合、実家の条件に合わない売り方を続けていることです。値下げだけで動かそうとして、半年、1年と過ぎていきます。選ぶときの判断基準は2つです。

  • 期限まで、あと何か月待てるか
  • 建物を残したまま、住みたい人が現れる立地か

待てる期間が長く、立地もよければ仲介が向きます。どちらかが欠けると、買取か売る以外の方法が候補に入ります。

値下げだけで過ぎていく期間

  • 値下げで待つ期間半年
  • さらに待つ期間1年

1. 仲介を続けてよいのは、待てる期間があり、住みたい人がいる実家

仲介を続けてよいのは、買い手の候補がいて、期限まで余裕がある実家です。駅や買い物の場所、学校に近い。道路に十分接していて、建て替えができる。こうした実家には、住宅ローンを使う一般の買主が付きます。

見分ける材料は、反響の数です。問い合わせや内覧が来ているなら、買う人はいます。決まらない理由は値段か、家財の残り方のどちらかです。担当の会社に、近くの成約の例を出してもらいます。そのうえで値段を合わせれば、動く余地があります。

仲介で売れたときは、仲介手数料がかかります。上限は宅地建物取引業法第46条にもとづき、国土交通大臣が定めています。手取りは、成約価格から手数料を引き、待った間の費用も引いた額です。固定資産税、火災保険、庭木の手入れ、帰省の交通費。待つ月数が延びるほど、この分が積み上がります。

当てはまらないのは、売り出してから問い合わせがほとんど無いまま、媒介契約の期間が一度終わった実家です。値段を下げる前に、買う人の数そのものを疑ってください。

2. 買取に切り替える方がよいのは、田舎の実家と期限が近い実家

買取に切り替える方がよいのは、一般の買主が少ない田舎の実家と、税や登記の期限が近い実家です。買取が向く理由は、買う人を探す工程が無いことにあります。引き渡しの日を、期限から逆算して置けます。家財を残したままでも進められます。

その代わり、価格は仲介で売れる場合より下がります。買主の側が、片付け、修繕や解体、次の買主に売るまでの期間を引き受けるからです。何が下がる分に当たるかは「空き家を買取で売るデメリット」の記事で、仲介が向く家と並べて確かめられます。

当社が買主になる場合で、仲介を続けるときと比べると、違いは次の表のとおりです。

実家で気になる点仲介で売り出し続けた場合当社に売った場合
代金が振り込まれる日買う人が決まるまで、日付が立たない控除の年末など、先に決めた引き渡しの日に受け取れる
手元に残る金額住む家を探す人が払う相場に近い額をねらえる当社が引き受ける片付け・修繕・転売までの費用と月数を差し引いた額になる
仏壇や家具などの残り物見に来る人のために、先に運び出しておく場合が多い運び出さず、そのまま渡せる
不動産会社への手数料売れたときに、成約価格に応じた額を不動産会社へ払う間に入る会社がいない直接の売買なので0円
渡した後に見つかった雨漏りなど契約で決めた範囲は、売主が直したり補ったりする責任を負う売主は責任を負わないと取り決めることが多い

表の最後の行には条件があります。責任を負わない取り決めをしても、売主が知りながら伝えなかった事実は外れません(民法第572条)。雨漏りや傾きを知っているなら、契約の前に書面で伝えます。

どれだけ下がるかは、当社が買った後に引き受ける費用を足し上げると見えます。当社は買い取った実家を片付け、直してから次の買主に売ります。お出しする額は、直した後に売れる見込みの額から、その費用と期間の分を引いた額です。築40年ほどの木造の実家で、家財が残り、屋根と水回りに手が要る場合の試算は次のとおりです。金額はすべて仮の例で、物件ごとに変わります。

  • 直した後に売れる見込みの額:1,200万円(片付けと修繕を終えた状態で、住む人に売る値段)
  • 家財の片付け:−50万円(仏壇・家具・衣類の運び出しと処分)
  • 修繕:−250万円(屋根の葺き替えと、台所・浴室の入れ替え)
  • 売り直すまでの半年の保有:−15万円(固定資産税・火災保険・草刈り)
  • 売り直しの経費と当社の利益:−185万円(広告・登記・仲介の手数料と、売れ残ったときの備え)
  • 当社がお出しする額:700万円(見込みの額から上の4つの費用を引いた額)

同じ実家を、片付けも修繕もせずに仲介で900万円で売れたとします。仲介手数料の上限は、宅地建物取引業法第46条にもとづく国土交通大臣の告示で決まっています。400万円を超える売買では、価格の3%に6万円を足し、消費税を加えた額です。900万円なら36万3,000円になります。片付けを自分で業者に頼めば50万円です。売れるまでの1年の固定資産税・保険・帰省の交通費で30万円かかります。これらを引くと、手元に残るのは約784万円です。この例では、当社に売るより84万円ほど多く残ります。この差額を見ます。あわせて1年待つ間に控除の年末を越えないかを確かめ、どちらにするかを決めます。

買取が合わないのは、立地がよく、期限まで1年以上待てる実家です。その場合は、仲介で手元に残る額の方が多くなることがあります。

3. 売る以外で手放す:相続土地国庫帰属制度と、譲る(贈与)

売れない実家を売る以外で手放す方法は、相続土地国庫帰属制度で国に引き取ってもらうか、誰かに譲るかです。

相続土地国庫帰属制度は、令和5年4月27日に始まりました。相続した土地を、一定の要件のもとで国に引き取ってもらう制度です。要件と手続きは法務省の相続土地国庫帰属制度についてにあります。

実家で使うときに壁になるのは、建物です。建物が建ったままの土地は、申請できません。家を壊して更地にしてから申請します。審査に通れば、負担金を納めて国に引き取られます。負担金の額は土地の種類で決まり、宅地は原則20万円です。解体費がいくらになるかは「空き家の解体費用はいくらかかるか」の記事で、建物の大きさと前の道の幅から見当を付けられます。解体費と負担金を合わせた額が、売ったときの手取りより大きければ、この道は割高です。

譲る相手として多いのは、隣の家や親戚です。庭を広げたい隣家なら、話が進むことがあります。ただ、受け取る側には負担がかかります。贈与税、不動産取得税、名義を移す登記の費用です。この負担を理由に、断られることも少なくありません。

当てはまらないのは、建物を残したまま手放したい実家です。国庫帰属は更地が前提です。建物ごと手放すなら、売る道に戻ります。

実家の条件に合う処分方法の選び方

  1. 1

    期限まで待てるか

    期限まであと何か月待てるかを確認する

  2. 2

    住みたい人が現れる立地か

    建物を残したまま住みたい人が現れる立地か

  3. 3

    両方満たすなら仲介

    待てる期間が長く立地もよければ仲介を続ける

  4. 4

    欠けるなら買取か売る以外

    どちらかが欠けると買取か売る以外の方法になる

「売れない実家の処分方法は3つ、どれを選ぶ?」について、そのまま聞けます。

相続した実家が売れないまま、いつまで待てる?締め切りは相続から3年

机に向かって、今後の予定を話し合っている家族

待てる長さは、相続登記の申請期限と、空き家の3,000万円控除が使える最後の年末で決まり、どちらも相続から3年を軸に数えます。

1. 実家の相続登記は、相続を知った日から3年以内に申請する

相続登記の申請は、2024年4月1日から義務になりました。不動産を相続で取得したと知った日から、3年以内に申請します(不動産登記法第76条の2第1項)。

2024年4月1日より前に始まった相続も、義務の対象です。その場合の期限は、施行日の2024年4月1日と、取得を知った日のうち、遅い方から3年です。施行日より前から相続を知っていた人は、2027年3月31日が期限になります。相続を知ったのが施行日より後なら、知った日から3年です。

遺産の分け方がまとまらず、期限に間に合わない人もいます。その場合は、自分が相続人であることを登記官に申し出る方法があります(不動産登記法第76条の3第1項、相続人申告登記)。法務省の案内では、申し出をすれば申請の義務を果たしたものとして扱われます。ただし名義は親のままです。実家を売るには、別に相続登記が要ります。

2. 実家の3,000万円控除の要件と、2つの締め切りの早見表

空き家の3,000万円控除は、親が1人で暮らしていた家と敷地を相続し、要件を満たして売ったときの特例です。譲渡所得から最高3,000万円を引けます(租税特別措置法第35条第3項)。売る期限は、相続が始まった日から3年を経過する日が属する年の12月31日です。

使えるかどうかを分ける要件は、家屋の扱いです。家屋を耐震基準に適合させて売るか、取り壊して売るかのどちらかが要ります。売る値段が1億円以下であることも要件の1つです。今の制度の対象は、平成28年4月1日から令和9年12月31日までの売却です。家屋が建てられた時期など、ほかの要件は国税庁のNo.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例で確かめます。

家屋の条件は3つあり、全部を満たす必要があります。昭和56年5月31日以前に建てられていること。マンションのような区分所有建物でないこと。相続が始まる直前に、亡くなった親のほかに住んでいた人がいないこと。親が老人ホームなどに入っていた場合も、対象になることがあります。要介護認定を受けていたなどの条件を満たす場合です。この場合は、入所の直前まで親が1人で住んでいたかで判断します。

相続してから売るまでの使い方にも条件があります。その間に人に貸したり、事業に使ったり、誰かが住んだりしていないことです。売れない間だけ賃貸に出すと、この控除は使えなくなります。貸す話が来たら、受け取れる家賃と、控除で減る税の額を比べてから決めます。

令和6年1月1日以後に売る場合は、耐震改修や取り壊しを買主が行う形も認められています。売った年の翌年2月15日までに、買主が家屋を耐震基準に適合させるか、取り壊すことが条件です。建物を残したまま買取に出しても、控除の道が残るのはこのためです。ただし、取り壊しがその日に間に合わなければ要件を満たしません。契約の前に、買主がいつまでに解体するかを契約書に書いてもらいます。

控除を受けるには、売った翌年の確定申告で、市区町村が出す「被相続人居住用家屋等確認書」を添えます。親が1人で住んでいたことや、売るまで空き家だったことを市区町村が確かめる書類です。住民票の除票や、電気・水道の使用が止まっていた記録などを求められます。発行までに日数がかかります。売ると決めた段階で、実家のある市区町村の窓口に必要なものを聞いておきます。親が買ったときの契約書が無いと、取得費を売った値段の5%で計算します。この場合は利益が大きく出やすく、控除の効き目も大きくなります。

家屋と敷地等を取得した相続人が3人以上いる場合は、控除の額が変わります。令和6年1月1日以後に売ったときは、1人あたり2,000万円です(国税庁 No.3306)。数えるのは相続人の総数ではなく、実家の家屋と敷地を相続で取得した人の数です。兄弟3人が相続人でも、実家を1人が受け継げば、その1人は3,000万円までの控除を使えます。この差は、誰が実家を取得するかを決める前に知っておきます。遺産の分け方の話し合いの材料になります。

相続税を納めた人が使える取得費加算の特例(租税特別措置法第39条)とは、同じ売却で重ねて使えません。自分の家が要件に当たるかは「空き家3000万円控除の条件」の記事で、項目ごとに判定できます。

早見表の計算は、次の2本の式です。

  • 相続を知った日 + 3年 = 相続登記の申請期限(2024年4月1日より前から知っていた場合は、2027年3月31日)
  • 相続が始まった日 + 3年 → その日が属する年の12月31日 = 控除を使って売れる最後の日(令和9年12月31日より後にはならない)

相続が始まった日にその事実を知った場合で、この計算をあてはめると次のとおりです。

相続が始まり、その日に知った日相続登記の申請期限控除を使って売れる最後の日
2022年3月15日2027年3月31日2025年12月31日(すでに過ぎている)
2023年11月20日2027年3月31日2026年12月31日
2024年6月10日2027年6月10日2027年12月31日
2025年8月5日2028年8月5日2027年12月31日(制度の終わりが先に来る)

どちらが先に切れるかは、相続した日で入れ替わります。表の2行目(2023年11月20日に相続した人)は、控除を使って売れる最後の日が2026年12月31日です。登記の期限の2027年3月31日より、3か月早く来ます。表の3行目(2024年6月10日に相続した人)は、登記の期限が先です。表の4行目(2025年8月5日に相続した人)は、計算上の年末より前に制度の終わりが来ます。

控除を使うなら、年内に引き渡しまで終えておくと日付で迷いません。売買の日をどこで数えるかは、税務署に確かめてください。

なお、この記事の税務・法務に関する記載は一般的な情報提供であり、個別の事案についての判断ではありません。適用の可否や具体的な税額については、税務署または税理士、登記については司法書士、境界や隣地との権利関係については弁護士や土地家屋調査士など、それぞれの専門家にご確認ください。当社は不動産の買主であり、税務や法律の代理はできません。

3. 売り値の根拠を聞き直し、媒介契約が切れる時に実家の売却方法を見直す

売り方を見直す日は、媒介契約の期間が切れる日に置きます。契約の期間は、契約を結んだときに受け取る書面に書かれています。不動産会社には、媒介契約を結んだらこの書面を渡す義務があります(宅地建物取引業法第34条の2)。

専任媒介契約と専属専任媒介契約は、期間が3か月を超えられません(宅地建物取引業法第34条の2第3項)。3か月ごとに、更新するか売り方を変えるかを選ぶ機会が来ます。この2つの契約では、不動産会社に販売の状況を報告する義務もあります。専任媒介は2週間に1回以上、専属専任媒介は1週間に1回以上です。報告が届いていないなら、次の更新の前に求めてください。一般媒介契約には、法律上の期間の上限も報告の義務もありません。見直す日を、自分で暦に書き込んでおきます。

見直す前に、担当の会社に3つのことを聞きます。

  • 査定額の根拠にした、近くの成約の例
  • 月ごとの問い合わせと内覧の数
  • 値段を変えたら、どの層の買い手が増える見込みか

成約の例が出てこないなら、売り出し価格の根拠は薄いと考えます。問い合わせがあって内覧が無いなら、写真や家財の残り方を疑います。内覧があって申し込みが無いなら、値段か建物の傷みが原因です。

次に、早見表で出した締め切りを、契約が切れる日と同じ暦に並べます。締め切りの手前には、引き渡しまでに要る日数を置きます。相続登記が済んでいなければ、その日数も足します。暦の上で、仲介をもう1期続ける余地が残るか。残らないなら、契約が切れる日に買取の金額を並べて比べます。

空き家の3000万円控除の主な要件

  • 2024年4月1日より前の相続

    施行日と取得を知った日の遅い方から3年が期限

  • 2024年4月1日以後の相続

    不動産取得を知った日から3年が期限

  • 遺産分割が終わらない場合

    相続人申告登記をすれば申請義務を果たせる

  • 実家を売却する場合

    申告登記だけでなく正式な相続登記が必要

契約が切れる日の2週間前までに、3つの答えと締め切りを1枚の暦に書き出します。そのうえで、仲介をもう1期続けるか、買取の金額を取るかを担当の会社に伝えます。

4. 放っておくと、実家が管理不全空家・特定空家として勧告を受ける

売れないまま放っておいた実家は、市町村から指導や勧告を受けることがあります。空家等対策の推進に関する特別措置法は、2つの段階を定めています。

管理が行き届かず、このままでは危ない状態に進むおそれがある家は、管理不全空家等です。市町村長は所有者に指導をします。なお特定空家等になるおそれが大きいときは、勧告できます(空家等対策の推進に関する特別措置法第13条)。

倒壊の危険や衛生上の害が出ている家は、特定空家等です。助言・指導、勧告、命令と段階を踏み、命令に従わなければ代執行もありえます(同法第22条)。

期限に間に合わない時の申告手続き

  1. 1

    遺産分割がまとまらない

    遺産の分け方がまとまらず期限に間に合わない

  2. 2

    相続人であることを申し出る

    自分が相続人であることを登記官に申し出る

  3. 3

    申請義務を果たした扱いに

    申し出をすれば申請の義務を果たした扱いになる

  4. 4

    売るには別に相続登記が必要

    名義は親のままなので売るには別に登記が要る

お金の面で効くのは、勧告です。勧告が出た実家では、それまで土地の固定資産税を軽くしていた住宅用地の特例が使えなくなります(地方税法第349条の3の2)。税がどこまで上がるかは「空き家の固定資産税が6倍になる条件」の記事で、勧告までの流れと一緒に確かめられます。

田舎の実家を誰も継がないで放置すると、危険はもう1つ増えます。次の相続が起きたとき、相続人の数が増えることです。兄弟の子の世代まで話し合いに加わると、名義を移すだけで年単位の時間がかかります。屋根や外壁が傷み、近所に被害が出れば、所有者として責任を問われることもあります。固定資産税の納税通知書が届く時期を、毎年の区切りにします。その年に売るか、国庫帰属を申請するか、持ち続けて誰が草刈りと見回りをするかを、相続人で決めて書面に残します。

相続登記の申請期限の数え方

  1. 2024年4月1日

    義務化の施行日

    これより前に相続を知っていた場合の起点

  2. 2027年3月31日

    申請の期限

    施行日より前に知っていた人の期限

  3. 相続を知った日

    取得を知った日

    施行日より後に相続を知った場合の起点

  4. 知った日から3年

    申請の期限

    施行日より後に知った人の期限

「相続した実家が売れないまま、いつまで待てる?締め切りは相続から3年」について、そのまま聞けます。

売れない実家を当社が買い取ると、入金まで何日かかる?

当社が買い取る条件・買い取れない条件と、実際の買取事例は「当社の買取基準」にまとめています。

「売れない実家を当社が買い取ると、入金まで何日かかる?」について、そのまま聞けます。

売れない実家は、期限から逆に数えて売り方を決める

  • 売れない原因は、土地の形と道路・売り出しの値段・名義・家財のどれかにあります。土地の条件は値下げでは動かず、名義と家財は手を打てば外せます。
  • 処分方法は、仲介を続ける・買取に切り替える・売る以外で手放すの3つです。立地がよく待てるなら仲介、買う人が少ないか期限が近いなら買取が向きます。
  • 締め切りは相続から3年で数えます。相続登記は知った日から3年以内、空き家の3,000万円控除は3年を経過する日が属する年の年末までで、今の制度では令和9年12月31日より後には延びません。

当社は家財が残った実家も現況のまま買い取りますが、敷地の一部が農地で許可の見通しが立たない実家には、その部分を含めた金額をお出しできません。

査定は無料・売却の義務なし
0120-996-748受付時間10:00〜19:00(水・日曜定休)

通話料無料・全国対応

この先は、当社の買取窓口「買取くん」のページです(運営は同じ株式会社リアテクスです)。

実家が売れないときによくある質問

Q1. 売れない実家をタダで譲ると、贈与税はかかりますか

個人に無償で譲ると、受け取った側に贈与税がかかることがあります。税額は、不動産の評価額をもとに計算します。受け取る側には、ほかにも不動産取得税と、名義を移す登記の費用がかかります。タダでもらっても、もらう側の出費はゼロになりません。譲る話が途中で止まるのは、多くがこの負担のためです。譲る前に、受け取る側の税と費用の見込みを税務署で確かめ、相手に伝えてから話を進めてください。

Q2. 相続した実家を売ったら、確定申告は要りますか

売って利益(譲渡所得)が出れば、売った年の翌年に確定申告をします。相続した実家の取得費は、親が買ったときの額を引き継ぎます。古い家で親の契約書が見つからないと、取得費が小さく計算され、利益が大きく出ることがあります。空き家の3,000万円控除を使う場合も、申告が必要です。控除で税がゼロになっても、申告しなければ特例は使えません。税額の計算の例は「相続した家の売却の税金」の記事で、取得費加算と比べて確かめられます。

Q3. 実家の後始末で、やってはいけないことは何ですか

1つは、書類を家財と一緒に捨てることです。権利証や登記識別情報、固定資産税の書類は、売るときに使います。もう1つは、相続放棄を考えている間に家財を売ったり捨てたりすることです。相続を受け入れたとみなされ、放棄できなくなることがあります。最後は、決めないまま放っておくことです。管理が行き届かない家は、空家等対策の推進に関する特別措置法(e-Gov法令検索)にもとづく指導や勧告の対象になります。片付けより先に、書類を分け、相続するか放棄するかを決めてください。

Q4. 認知症の親の実家は売れますか

親が存命で、家の名義が親本人なら、親が契約できる状態かどうかで分かれます。判断する力が失われていると、本人は売買の契約を結べません。家庭裁判所で成年後見人を選び、後見人が売ることになります。親が住んでいた家を売るには、家庭裁判所の許可も要ります。申し立てから選任まで、数か月を見ておきます。手順は「親が認知症で家を売る方法」の記事で、後見が要らない場合と分けて確かめられます。

Q5. 田舎の実家は、買取でしか売れませんか

買取でしか売れないとは限りません。役場の近くや集落の中心で、道路に接した土地なら、仲介で買い手が付くこともあります。自治体が空き家の情報を載せる仕組みを設けている地域では、移住を考える人に届く場合もあります。ただ、取引の数が少ない地域では、買い手が来る時期が読めません。控除や相続登記の期限が近いなら、期限の手前で仲介と買取の金額を並べて比べてください。待てる期間で答えが変わります。

Q6. 実家は解体してから売った方が売れますか

解体すれば売れるとは限りません。更地は買い手に見せやすい反面、解体費が先に出ていきます。解体した翌年度からは、住宅用地の固定資産税の特例が外れます(地方税法第349条の3の2)。売れるまでの期間が延びると、その差額が手取りを削ります。一方で、空き家の3,000万円控除には、家屋を耐震基準に適合させるか取り壊すかの要件があります。控除を使うかどうかで、解体の向き不向きが変わります。解体費の見積りと、現況のままでの買取の金額を並べてから決めてください。

当社の見方

ご相談の中では、実家が売れない理由として、再建築不可や共有持分、底地・借地権のように権利や法律の事情を抱えた物件が多いと当社では感じています。こうした物件は一般の買い手が付きにくく、ほかで断られてからご相談に来られる方もいますが、当社では底地・借地権も買い取っています。相続した実家では、登記識別情報または権利証・本人確認書類・印鑑証明書・固定資産税の納税通知書に加えて戸籍などの書類が必要になり、相続登記の費用もかかります。期限が気になる方には、ご相談から買取価格のご提示までが目安30分、ご契約までが目安1〜2週間、お引き渡しは早ければ2週間以内という流れをお伝えしています。売却後も住み続けたい事情がある方には、売ったあとに借りて住む形のリースバックもご案内しています。全国(47都道府県)に対応しており、買い取れない物件や売らないほうがよい場合は正直にそうお伝えしています。

当社が買い取る物件・お断りする物件と、買取価格の決まり方は、当社の買取事例76件の内訳とあわせて当社の買取基準にまとめています。

この記事について

執筆・編集
リアテクス編集部株式会社リアテクス当社(宅地建物取引業 東京都知事(1)第107888号)は物件を直接買い取る買主の立場から、売却を検討する方の判断材料となる記事を企画・編集しています。
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薩摩 賢幸薩摩 賢幸株式会社リアテクス 取締役COOこの区分の監修を担当しています。記事の公開判断は当社が行っています(代表が定めた手順による)。確認・公開判断:薩摩 賢幸(株式会社リアテクス 取締役COO)
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法令:空家等対策の推進に関する特別措置法
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