任意売却と買取は、同じ列に並ぶ二択ではありません。任意売却は、ローンが残った家を債権者の同意を得て売る枠組みです。買取は、不動産会社が自分で買主になる取引の形です。枠組みの中で、買主を誰にするかという関係にあります。実際の分かれ目は「任意売却か買取か」ではなく、「任意売却で、誰に売るか」です。
任意売却
任意売却と 買取の 違い |頼む前に 確かめる 手数料と 決済日
公開 更新

「任意売却の相談先を探しているが、買取業者とどう違うのかが分からない」。任意売却は債権者の同意で抵当権を外してもらう売り方の枠組みで、買取は不動産会社が自ら買主になる取引の形です。任意売却の買主を買取業者にすることもでき、分かれ目は開札日までに決済できるかと、配分後に残る残債の額です。
当社は買主として直接買い取るため仲介手数料が発生せず、その分を債権者への配分に回せます。債権者が抹消に応じない金額では買えず、開札日までに調査と登記が間に合わない場合もお断りしています。この家が買い取れるかどうかだけ、先に聞く(無料)
目次(7章)
先にこの家の買取価格のめどだけ知りたい方へ。
約1分で簡単査定を申し込むこの先は当社の買取窓口「買取くん」です。
任意売却と 買取の 違いは、 枠組みと 買主の 種類

任意売却の窓口に電話をすると、その会社は多くの場合、媒介として動きます。買主はこれから探します。買取業者に電話をすれば、話している相手が買主です。探す工程がありません。この差が、決済日と配分の中身に出ます。
抵当権を 外して もらう 交渉が、 任意売却です
まず登記事項証明書で、家に抵当権が付いているかを確かめてください。抵当権は、民法第369条のとおり、債権者がほかの債権者に先立って弁済を受けるための権利です。売却代金で残債を返しきれない状態を、この記事ではオーバーローンと呼びます。
オーバーローンでも、債権者が「この金額なら抹消する」と判断すれば売れます。この同意を取りにいく売り方が任意売却です。主役は買主ではありません。判断する側が誰かで、話の進み方が変わります。
相手は一つとは限りません。ローンの契約書と、届いた通知の差出人を見て、いま誰が債権者なのかを確かめてください。登記事項証明書で、抵当権がいくつ付いているかも見ておきます。抵当権が二つ以上あるなら、民法第373条のとおり、その順位は登記の前後で決まります。どの抵当権者と話すのかを一覧にしておいてください。
滞納からどの段階に来ているかで、残っている時間が違います。段階ごとの期限は「住宅ローンが払えない」の記事に整理しました。
売却代金で完済できる場合とオーバーローンの場合で債権者の同意の要否が分かれる
完済とオーバーローンの抵当権抹消
- 1
完済できる場合
代金で残債を完済できるため、抵当権の抹消は単純に進む
- 2
オーバーローンの場合
完済できないため、債権者が抹消に同意するかどうかの交渉が要る
買取は、 買主が 宅地建物取引業者だと いう 意味しか ありません
買取は取引の形を指す言葉です。不動産会社が自社の資金で買います。再販を考える会社が、修繕費や保有中の費用をどう見込んだのかは、提示を受けたときに内訳で確かめてください。
宅地建物取引業法第34条は、業者に取引態様の明示を義務づけています(宅地建物取引業法(e-Gov法令検索))。自ら売買の当事者になるのか、媒介するのか、代理するのか。この3つは別です。相談した相手がどれなのかは、最初の電話で確認できます。
任意売却という枠組みと、買主が誰かという軸は、次のように組み合わさります。
| 買主を誰にするか | 決済日の決まり方 | 仲介手数料 |
|---|---|---|
| 媒介で一般の買主を探す | 買主が現れるまで読めない | 告示の上限の範囲で請求がありうる |
| 買取業者が直接買う | 調査のあとに日付を確定できる | 媒介が入らなければ対象外 |
どちらも任意売却です。債権者の同意が要る点は変わりません。変わるのは、同意を求める書面に載る金額と日付の中身です。
「任意売却業者」と 名乗る 会社が 実際に する こと
任意売却を扱う会社に頼むなら、次の4つのうちどれを引き受けるのかを確かめてください。売主と媒介契約を結ぶこと。債権者との連絡の窓口になること。買主を探すこと。配分案を作って債権者に出すことです。
配分案は、この記事では売却代金から何にいくら充てるかの一覧を指します。一番抵当への弁済、後順位への判子代、仲介手数料、登記の費用、滞納している固定資産税や管理費のうち、どれが載っているかを見てください。
売買の媒介を業として行うには、宅地建物取引業の免許が必要です。「任意売却の専門コンサル」を名乗る相手なら、宅地建物取引業の免許を持っているかを確かめてください。相談料や着手金、成功報酬という名目で、仲介手数料とは別の請求がないかも見ておきます。免許を持つ会社が別にいて、そこにコンサル料が上乗せされていないかも確かめてください。
先に確かめるのは、免許番号と、支払う金銭の名目の総額です。 名目が増えるほど、売主の手元に残る現金は減ります。任意売却では手元に現金がないからこそ、売却代金からの配分で回収する設計になっているかを見てください。
「任意売却と買取の違いは、枠組みと買主の種類」について、そのまま聞けます。
任意売却で 買主を 探すか 買取に 出すかで 変わる 5つの こと

任意売却の枠組みは同じでも、買主の種類で結果が変わります。変わるのは次の5点です。どれを重く見るかは、開札日までにどれだけ残っているかで決まります。
| 比べる項目 | 媒介で買主を探す | 買取業者に直接売る |
|---|---|---|
| 売却の金額 | 買主との交渉で決まる | 業者の提示額で決まる |
| 決済日 | 買主次第で読めない | 調査後に確定できる |
| 仲介手数料 | 上限の範囲で配分に載りうる | 媒介が入らなければ対象外 |
| 内覧・広告 | 必要になる | 不要にできる |
| 家財・傷み | 買主の条件次第 | 現況のまま引き取れる |
1. 決済日を 先に 決められるか どうか
任意売却には締切があります。競売の手続が止まらないからです。債権者が競売を申し立てると、差押えの登記が入り、現況調査が行われ、売却の日時と場所が公告されます(民事執行法第64条第5項)。その後、執行裁判所が売却決定期日に売却の許可か不許可を言い渡します(同法第69条)。
民事執行法第76条第1項は、買受けの申出があった後に競売の申立てを取り下げるには、最高価買受申出人または買受人の同意が必要であり、次順位買受申出人がいるときはその同意も要ると定めています(民事執行法(e-Gov法令検索))。つまり、買受けの申出が入った後は、売主と債権者の合意だけでは止められません。 任意売却で競売を止めるなら、申出が入る前に話をまとめておく必要があります。
媒介で買主を探す場合、この締切に間に合うかどうかは買主次第です。内覧の日程や、買主が住宅ローンを使う場合の審査の時間も、締切から逆算して見ておいてください。審査が通らなかった場合にどうなるかも確かめておきます。開札期日まで残りが1か月なのか2か月なのかを、先に数えておいてください。
買取業者に売るなら、調査のあとに決済日を書面に入れられるかを聞いてください。日付が動く要因は、相続登記や共有者の署名など、売主側に残っている手続だけになります。競売開始から開札までの実際の期間は、「住宅ローン滞納から差し押さえまでの流れ」の記事に段階ごとに書いています。
2. 売却代金からの 配分が 変わる
売却の総額が高くても、配分後の結果が同じとは限りません。媒介では仲介手数料が配分に載るからです。宅地建物取引業法第46条により、報酬の上限は国土交通大臣の告示で定められています。告示では、代金のうち200万円以下の部分に5.5%、200万円を超え400万円以下の部分に4.4%、400万円を超える部分に3.3%を掛け、それを合計した額が上限です。この割合には消費税分が含まれています。
2,000万円で売れた場合、200万円の部分が11万円、次の200万円の部分が8万8,000円、残り1,600万円の部分が52万8,000円で、合計72万6,000円です。この72万6,000円は、債権者への弁済に回らない金額です。なお、宅地建物取引業法第46条の報酬は、代理や媒介に関して受け取るものです。
比べるのは売却価格ではなく、債権者に渡る額です。 媒介の想定価格から手数料を引き、待つ期間にかかる費用も見込んでください。買取の提示額と並べたとき、差が思ったより小さいことがあります。逆に、差が大きいまま残るなら、時間を使って買主を探す判断に根拠が出ます。
相続登記や共有者の署名など売主側に残っている手続で決済日が動く
買取でも決済日が動く主な要因
相続登記
名義が亡くなった方のままの場合に必要
共有者の署名
売主側に残っている手続として日付が動く
競売の申立てから開札までの進行と任意売却を実質的に止められる期限
競売手続の進行と任意売却の期限
競売申立て時
差押えと調査の開始
差押えの登記が入り、現況調査と期間入札の日程が公告される。
開札日の前まで
任意売却の実質的な期限
売主と債権者の合意だけで競売を取り下げられるのはここまで。
入札後・開札後
買受人等の同意が必要
民事執行法第76条第1項により、買受人等の同意がないと止められない。
3. 近隣や 職場に 知られる 度合い
媒介で買主を探すには、物件情報を公開します。写真が出て、間取りが出て、価格が出ます。近所の人が見る可能性はあります。内覧では、知らない人が家に上がります。
一方、競売になれば裁判所が物件情報を公開します。現況調査の際には執行官が訪れます。どちらも避けたい場合、買主を1社に絞る形なら公開の工程が要りません。
ここは金額に換算できない項目です。それでも、同居している家族や勤務先との関係で優先順位が変わることがあります。離婚と重なっている場合の順番は「離婚で家を売る」の記事にまとめました。
4. 残る 残債の 額と、 その 後の 返済
民法第369条のとおり、抵当権は借金の担保として不動産に付けられた権利です。同法第394条第1項は、抵当権者が抵当不動産の代価で弁済を受けられなかった債権の部分について、ほかの財産から弁済を受けられると定めています。担保が外れても、返しきれなかった分の債権は残る前提の規定です。
残った分をどう返すかは、債権者に確かめてください。返済しきれない見通しなら、自己破産や個人再生を含めて弁護士に相談する話になります。
競売になった場合と比べるときも、残債がどれだけ減るかは、最終的にいくらで売れたかで決まります。 買取価格が落札の見込みと近い水準なら、どちらを選んでも残る額の差は小さくなります。
5. 家財や 建物の 傷みを そのままに できるか
任意売却の物件は、片づける現金が手元にないことが多い状態です。仏壇、家電、亡くなった親の荷物。処分費を売主が先に払うのは、現実的ではありません。
媒介で売るなら、家財をどこまで片づけて引き渡すか、建物の傷みをどう伝えるかを、買主との間で決めることになります。当社にも、残置物が残ったままの物件を買い取った事例があります。
建物が古く、そのまま使う見込みがない場合もあります。古家付きの土地として売るか、更地にしてから売るかは、任意売却では選べないことが多い論点です。解体費を立て替える現金がないからです。買取業者に売るなら、建物を残したまま引き取るのか、解体費をどう見込むのかを聞いてください。
任意売却も 買取も 止まる 条件と、 その 違い

任意売却は、頼めば通る手続ではありません。買取も、頼めば買える取引ではありません。止まる場所が違います。止まる条件を先に知っておくと、時間の使い方が変わります。
債権者の不同意や共有者の反対など手続が前に進まなくなる主な条件
任意売却や買取が止まる主な条件
金額への不同意
競売の見込み額を下回る提案は通らない
共有者等の反対
一人でも署名しなければ契約は成立しない
開札の経過
買受人が決まると売る相手を選ぶ場面は終わる
破産手続の開始
買主が誰でも先に進まなくなる
税の滞納処分
差押えがあると買主が誰でも先に進まない
1. 債権者が 金額に 同意しない
任意売却が止まる理由の一つです。抵当権を外すかどうかは債権者が決めるため、提案した金額で債権者が納得しなければ、そこで止まります。
買取の価格が低すぎると、ここで止まります。買取だから話が早いのではなく、債権者の基準を満たした金額でなければ、買主が誰でも同じです。
2. 共有者や 連帯債務者の 一部が 反対している
夫婦の共有名義、親子のペアローン、親が連帯保証人。任意売却では、この組み合わせがよく出てきます。民法第251条は、共有物に変更を加えるには他の共有者の同意が要ると定めています。不動産を丸ごと売るなら、共有者全員がそろって署名する前提で考えてください。
離婚の協議中で連絡が取れない、という状態が最も進みません。話し合いがまとまらない場合の持分の扱いは「共有持分は自分の持分だけ売却できる」の記事に整理しています。
3. 開札の 日を 過ぎている
買受けの申出が入った後は、第76条第1項の同意が無い限り、売主が売る相手を選ぶ場面は終わります。売却許可決定が確定し、買受人が代金を納付すれば、所有権は移ります。その後は引渡命令の手続に進みます。
この段階で「まだ間に合う」と言う相手には、根拠を聞いてください。 最高価買受申出人や買受人、次順位買受申出人の同意が取れる見込みがあるのか、それとも単に契約を取りたいだけなのか。売却の日時と場所は裁判所書記官が公告するので、日程は自分でも確認できます。
4. 破産手続に 入っている
自己破産の申立てをして手続開始決定が出ると、破産財団に属する財産の管理処分権は破産管財人に移ります。自宅の売主は本人ではなく管財人になります。
管財人が不動産を任意売却する場合、裁判所の許可が必要です。破産法第78条第2項第1号がその根拠です(破産法(e-Gov法令検索))。抵当権者は別除権者として、破産手続によらずに権利を行使できます(同法第65条)。応じない担保権者がいる場合、同法第186条以下の担保権消滅許可の申立てという手段もあります。
申立ての前か後かで、誰と話すかが完全に入れ替わります。 破産を検討しているなら、代理人の弁護士に不動産の扱いを先に確認してください。
5. 税金の 滞納で 差押えが 入っている
固定資産税を滞納すると、地方税法第373条により、督促のあとも納めない場合は市区町村が財産を差し押さえます。滞納処分は国税徴収法の例によるとされ、同法第79条では、滞納している税の全額が納付などで消えたときに差押えを解除すると定めています。抵当権者の同意とは別に、滞納額を納める段取りが要ります。
配分から納付できるかどうかは、市区町村の徴収担当に確かめてください。納税通知書と督促状を手元に集め、滞納額の総額を先に出してください。金額が分からないまま配分案は作れません。
「任意売却も買取も止まる条件と、その違い」について、そのまま聞けます。
任意売却の 相談先に、 買取との 違いを 含めて 聞く 6つの こと
相談の電話は、こちらが質問する場にできます。聞く順番を決めておけば、短い電話でも判別がつきます。次の6つを、金額の話より先に聞いてください。
| 聞く内容 | 答えで見る点 |
|---|---|
| 取引態様と免許番号 | 買主なのか媒介なのか、番号が実在するか |
| 費用の名目と総額 | 仲介手数料以外の名目が付いていないか |
| 決済資金の出どころ | 自社資金か、転売先が決まってからか |
| 債権者とのやり取り | 誰が何を作り、誰が署名するのか |
| 引越し費用 | 誰が決めるものだと説明するか |
| 残債と税の扱い | 断定するか、専門家に振るか |
1. 取引態様と 免許番号を 聞く
「御社は買主ですか、媒介ですか」と聞きます。媒介なら、買主を探す期間が発生します。買主なら、その会社の資金で買います。どちらが良いかではなく、どちらなのかを先に確定させてください。
免許番号は、国土交通省の宅地建物取引業者検索システムで照会できます。商号、代表者名、事務所の所在地を確かめられます。宅地建物取引業法第12条により、免許を受けていない会社は宅地建物取引業を営めません。
2. 費用の 名目と 総額を 聞く
「支払う可能性のある金銭を、名目と上限で全部挙げてください」と聞きます。媒介なら仲介手数料です。上限は、代金が400万円を超える取引であれば、代金の3%に6万円を加え、そこへ消費税を足した額になります。
これ以外に、着手金、調査費、書類作成料、コンサルティング料といった名目が出てきたら、根拠を聞いてください。費用を売却代金から払う形にできるかは、配分案の段階で確かめてください。先払いを求められたら、その理由を書面で聞いてください。
取引態様や費用の名目など相談先に金額の話より先に聞くべき項目
相談先に電話で聞くべき主な項目
取引態様と免許の有無
買主か媒介かを確定させ、国交省のシステムで免許番号の実在を照会する。
費用の名目と総額
仲介手数料以外の名目がないか確認。原則として現金の先払いは発生しない。
決済資金の出どころ
自社資金で買い取るのか、転売先が決まってから決済するのかで確実性が分かれる。
債権者とのやり取り
書類の作成者と署名者を明確にし、誰が交渉を主導するのかを把握する。
引越し費用
費用を誰が決めるものとして説明するかで、業者の姿勢を比較する。
残債と税の扱い
業者が断定して答えるか、適切な専門家へ判断を委ねるかで信頼度を測る。
3. 決済の 資金が どこから 出るか 聞く
買取と名乗る会社なら、転売先が決まってから決済する形ではないかを確かめてください。その形だと、決済日は他人の都合に左右されます。開札日が迫っている任意売却では、この差が結果を変えます。
「決済の資金は自社の資金ですか」「融資の特約は付きますか」。この2問で分かります。融資の特約が付くなら、審査が通らなかったときに契約がどうなるかを、契約書で確かめてください。査定額の高さだけで選ぶと起きる問題は「不動産買取の査定額が高い理由」の記事に書きました。
免許を持たない会社や費用の先払いを求める会社への対応と判断基準
任意売却の依頼時に現金の先払いは必要ですか?
原則として不要です。費用は債権者の承諾を得て、売却代金から支払われます。
- 媒介の仲介手数料も売却代金から払う
- 着手金や調査費の先払いは原則ない
- 先払いを求められたら根拠を確認する
4. 債権者との やり取りの 分担を 確認する
配分案を誰が作るのか。債権者への提出は誰の名前で行うのか。返答はどこに来るのか。ここを曖昧にしたまま進むと、締切の直前で作業が止まります。
書類の作成や連絡を不動産会社に任せる場合でも、どの書類に誰が署名するのかは、あなた自身が把握しておいてください。「こちらに任せてもらえば全部片づく」という説明を受けたら、具体的に誰が署名する書類なのかを1枚ずつ聞いてください。 白紙委任状や実印を預けるよう求められた場合は、その場で断って構いません。
5. 引越し費用の 扱いを 聞く
引越し費用が出ると説明されたら、誰が認めるお金なのか、いくらまでなのかを確かめてください。
「必ず出ます」「いくらまで出します」と言い切る相手には、誰の承諾に基づくのかを確認してください。
6. 残債と 税の 確認先を 分ける
残債の返済条件、債務整理の可否、譲渡所得の課税。これらは、不動産会社ではなく専門家に確かめる項目です。
税については、売却しても現金が手元に残らないのに課税されるのか、という点を確かめておきます。所得税法第64条第2項は、保証債務を履行するために資産を譲渡し、求償権を行使できなくなった部分について、所得がなかったものとする扱いを定めています。また、同法第9条第1項第10号は、資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難な場合の、強制換価手続による資産の譲渡などの所得を非課税としています。いずれも要件の判定が必要で、事案ごとに結論が変わります。
なお、この記事の税務・法務に関する記載は一般的な情報提供であり、個別の事案についての判断ではありません。適用の可否や具体的な税額については、税務署または税理士、登記については司法書士、境界や隣地との権利関係については弁護士や土地家屋調査士など、それぞれの専門家にご確認ください。
仲介手数料以外の名目が出た場合に根拠を確認し先払いを避ける手順
費用の名目と総額を確認する手順
- 1
名目と上限を聞く
支払う可能性のある金銭を、名目と上限で全部挙げてもらう
- 2
仲介手数料の場合
代金の3%に6万円を加えた額と消費税が上限となる
- 3
その他の名目の場合
着手金や調査費などが出たら根拠を聞く。原則として先払いは不要
「任意売却の相談先に、買取との違いを含めて聞く6つのこと」について、そのまま聞けます。
当社の 買取の 流れと、 買い 取れない 条件
当社が買い取る条件・買い取れない条件と、実際の買取事例は「当社の買取基準」にまとめています。
「当社の買取の流れと、買い取れない条件」について、そのまま聞けます。
任意売却と 買取の 違いで 先に 決まる 3つ
- 比べる軸が違います。 任意売却は債権者の同意で抵当権を外す売り方の枠組み、買取は不動産会社が自ら買主になる取引の形です。任意売却の買主を買取業者にする組み合わせが成り立ちます。相談先が買主なのか媒介なのかは、最初の電話で確定できます。
- 見るのは売却価格ではなく、債権者に渡る額と決済日です。 媒介では仲介手数料が配分に載り、買主が現れるまで日付が読めません。買取では媒介が入らなければ手数料の対象外で、調査後に日付を確定できますが、価格そのものが下がります。どちらが有利かは、開札日まで何日残っているかで入れ替わります。
- 止まる場所を先に潰してください。 債権者の基準に届かない金額、共有者や連帯債務者の不同意、開札の経過、破産手続の開始、税の滞納処分による差押え。この5つのどれかがあると、買主が誰でも先に進みません。
仲介手数料は、媒介に関して受け取る報酬です。買取業者に直接売る場合も、債権者が抵当権の抹消に同意しない金額では、買主が誰でも売れません。
通話料無料・全国対応
時間外と定休日のお電話も担当の携帯に転送されるので、直接責任者につながります。
この先は、当社の買取窓口「買取くん」のページです(運営は同じ株式会社リアテクスです)。
任意売却と 買取の 違いに ついて よく ある 質問
Q1. 任意売却で 買主を 探すのと 買取に 出すのとでは、 どちらが 金額で 有利ですか
まず、媒介での想定価格と買取の提示額を、両方そろえてください。比べる対象は、手数料を引いたあとに債権者へ渡る額です。媒介の想定価格から仲介手数料(代金の3%に6万円を加えた額と消費税)を引き、待つ期間にかかる費用も見込んでください。その差が小さいなら、日付が確定する方を選ぶ理由が出ます。 差が大きいまま残るなら、時間を使う判断に根拠があります。
Q2. 任意売却の 仲介手数料は、 手元に 現金が なくても 払えますか
仲介手数料を売却代金から払えるかどうかは、配分案に載せて債権者に確かめる点です。契約前の着手金や、仲介手数料とは別のコンサルティング料を現金で求められた場合は、その根拠を書面で示してもらってください。宅地建物取引業法第46条の報酬は媒介や代理に関するものなので、買取業者が直接買う取引で手数料を求められたら、その根拠を聞いてください。会社の調べ方は「リアテクスの評判」の記事にも書いています。
Q3. 競売の 開札日が 決まっています。 まだ間に 合いますか
入札の申出があった後は、民事執行法第76条第1項により、最高価買受申出人または買受人の同意が必要で、次順位買受申出人がいるときはその同意も要ります。買受けの申出が入る前か後かで、止められるかどうかが分かれるということです。残り日数から逆算して、登記の状態と共有者の署名が間に合うかを先に見てください。 名義が亡くなった方のままなら、相続登記の日数も必要です。売却の日時と場所は、裁判所書記官が公告します。
Q4. 任意売却で 売れば、 残った 借金は なくなりますか
なくなりません。任意売却で外れるのは抵当権という担保です。民法第394条第1項も、代価で弁済されなかった債権の部分が残ることを前提にしています。返済の条件は、債権者に確かめてください。返済しきれない見通しなら、売る前に弁護士へ相談してください。 自己破産や個人再生を考えるなら、不動産をいつ売るかも弁護士と相談して決めてください。
Q5. 自己破産を 申し立てた後でも、 任意売却は できますか
手続開始決定が出ると、自宅の処分権は破産管財人に移ります。売主は本人ではなく管財人です。管財人が任意売却する場合、破産法第78条第2項第1号により裁判所の許可が必要です。担保権者が抹消に応じない場合は、担保権消滅許可の申立てという手段もあります。申立ての前と後で、話す相手も進め方も完全に変わります。 申立てを検討している段階なら、不動産の扱いを代理人の弁護士に先に確認してください。
Q6. 任意売却なら 住み続けられると 説明されました
そう説明されたら、売った後に誰から借りて住むのかを確かめてください。任意売却かどうかより、買主がその条件を受け入れるかどうかが先です。確認するのは、賃料の額、契約が定期借家かどうか、期間満了後に退去を求められる条件の3点です。 手取りでの比較は「リースバックと買取、どちらを選ぶか」の記事を参照してください。
Q7. 古い家が 建ったままですが、 解体してから 売る 必要が ありますか
任意売却で解体を考えるなら、解体費を誰がいつ払うのかを先に確かめてください。更地にする場合、工事の費用は売却より先に出ていきます。建築基準法第43条第1項の接道の条件を満たさない敷地では、同条第2項の認定や許可を受けない限り、建て替えができません。建物を残したまま売れる相手を探すほうが、順番として現実的です。 当社にも、古家付きの土地を買い取った事例があります。
Q8. 売っても 手元に 残らないのに、 税金が かかる ことは ありますか
資力を喪失して債務の弁済が著しく困難な場合の強制換価手続による譲渡などは、所得税法第9条第1項第10号により非課税です。連帯保証人として肩代わりした債務のために売った場合は、所得税法第64条第2項の規定も関係します。要件は国税庁の保証債務を履行するために土地建物などを売ったときで確認できます。判定は事案ごとに変わるため、契約の前に税務署または税理士へ照合してください。
当社の 見方
任意売却と当社の買取は、何が違うのかを実務の側から書いておきます。大きな違いは、話を通す相手が増えるかどうかです。同じ「売る」でも、自分たちだけで決められる範囲がまったく違います。
当社は、任意売却のご相談でも自ら買主になります。2025年の1年間に当社が買い取った件数は200〜300件で、物件の所在は全国47都道府県が対象です。金額のご提示はご相談から30分ほどが目安、ご契約まではおよそ1〜2週間、お引き渡しは早ければ2週間を切り、代金はお引き渡しの日にお支払いします。開札日が迫っているときは、この日数を債権者との調整の予定と並べてご確認ください。現地を見たうえでお出しした金額を、あとから理由もなく引き下げることはしません。
一方で、当社では買い取れない物件や、いま売らないほうがよいとみえる場合もあります。その場合は、買えない、売らないほうがよい、と隠さずご本人にお伝えしています。
どちらが得かは、売った後に手元にいくら残るかと、いつまでに決着させたいかの両方で決まります。金額だけを並べて比べると判断を誤りやすいので、期限の側も一緒にお考えください。
当社が買い取る物件・お断りする物件と、買取価格の決まり方は、当社の買取事例76件の内訳とあわせて当社の買取基準にまとめています。
この記事について
- 執筆・編集
- リアテクス編集部株式会社リアテクス当社(宅地建物取引業 東京都知事(1)第107888号)は物件を直接買い取る買主の立場から、売却を検討する方の判断材料となる記事を企画・編集しています。
- 監修
鶴野 博之株式会社リアテクス 執行役員宅地建物取引士(東京)第257503号/賃貸不動産経営管理士/2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)この区分の監修を担当しています。この記事は監修者本人が内容を確認しています(2026年10月3日)。記事の公開判断は当社が行っています(代表が定めた手順による)。確認・公開判断:藤山 大二郎(株式会社リアテクス 代表取締役CEO)- 公開・更新
- 公開 更新 内容を見直したときは、この日付と改訂の内容を更新しています。情報の確認日 (出典の公的資料を開いて内容を確かめた日)
- この記事の事実確認の方法
- 法令:宅地建物取引業法、民事執行法、破産法
- 記事の作り方
- この記事は、当社の担当者が事実確認を行ったうえで公開しています。
出典(11件・に確認)
- laws.e-gov.go.jp/law/327AC1000000176
- laws.e-gov.go.jp/law/354AC0000000004
- laws.e-gov.go.jp/law/416AC0000000075
- etsuran2.mlit.go.jp/TAKKEN/takkenKensaku.do
- nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3220.htm
- mlit.go.jp/common/001307056.pdf
- laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089
- laws.e-gov.go.jp/law/340AC0000000033
- laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000226
- laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000201
- laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000147
更新履歴
- 第1版公開



























