取引態様:買主(当社が自ら買い取ります)/媒介(当社で買い取れない物件は、仲介で売却をお手伝いします)
任意売却
リースバックと 買取、 どちらを 選ぶか |住み続けたい 人の 手取り比較
公開 更新

「リースバックと普通の買取、住み続けたい自分にはどちらが合うのだろう」。先に決めるのは売買代金の大小ではなく、住み続けたい年数と賃料を何から払うかです。
当社は買主として直接購入し、リースバックも積極的にお受けしています(条件は案件ごとに個別)。融資の商品は扱っていません。この家が買い取れるかどうかだけ、先に聞く(無料)
目次(7章)
先にこの家の買取価格のめどだけ知りたい方へ。
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リースバックは 「1つの 契約」ではない

リースバックは、ひとつの取引に見えて、実際には売買と賃貸借の2本(場合によっては3本)の契約でできています。家を売って代金を受け取る契約と、その家を借りて住み続ける契約です。
住宅ローンの返済が苦しくなってきた、老後の生活資金や事業の資金が要る、相続や離婚で名義を整理しなければならない。事情はさまざまでも、住まいを変えずにこの家に住み続けたい、という点は共通しています。
「自分は何年住み続けたいのか」「その期間の賃料を、何を原資に払うのか」。リースバックの一括査定をどこに頼むかより先に、この2つに答えを出してください。ここが決まっていないままリースバックの提示条件を集めると、売却代金の大きさだけで比べることになり、住み始めてから条件のきつさに気づく順番になりかねません。
同じ土俵に載せるには、売却代金・賃料・住む年数を1つの表に置きます。
リースバックと呼ばれる取引は、実際には次の2本、場合によっては3本の契約でできています。
| 契約 | 何が決まるか | 主に効いてくる場面 |
|---|---|---|
| 売買契約 | 売買代金、所有権の移転時期、抵当権の抹消、契約不適合責任の扱い、引渡し | 決済のとき(1回きり) |
| 賃貸借契約 | 賃料、契約期間、普通借家か定期借家か、更新・再契約、賃料の改定、修繕と原状回復の負担、敷金、保証会社 | 住んでいる間ずっと |
| 買戻しに関する合意(付かないこともある) | 買い戻せる価格、期限、条件 | 数年後に資金ができたとき |
多くの方が比較しているのは1本目だけです。 しかし、住み続ける方にとって生活を左右するのは2本目です。売買契約は決済日に終わりますが、賃貸借契約はその日から始まって何年も続きます。
この 記事で 「相場の 賃料」を 出さない 理由
「リースバックの賃料は売却価格の年◯%」という一覧表は、この記事にはありません。事情は2つです。
1つ目は、賃料の水準を示す公的な数値が無いからです。 リースバックは法律上そういう名前の契約類型があるわけではなく、売買契約と賃貸借契約を組み合わせた取引の通称です。取引条件は当事者ごとに自由に決められ、国や自治体が標準的な賃料水準を公表しているわけではありません。ネット上で見かける「利回り◯%が相場」という数字の多くは、事業者側の営業資料か、記事作成者が独自にまとめたものです。検証できない数値を相場として並べることは、この記事ではしていません。
2つ目は、同じ物件でも提示される条件が大きく開くからです。 開く原因はこの記事で順に説明しますが、要点だけ先に言えば、売買代金と賃料はセットで決まるためです。片方だけを高くしたり安くしたりはできません。数字を先に頭に入れると、届いた提示を「相場より高い/安い」でしか見られなくなります。見るべきは金額の大小ではなく、何年住めるのか、その間に総額いくら出ていくのかです。
売買の 部分で 確認する こと
所有権は買主に移ります。ここは通常の売却とまったく同じです。抵当権が設定されていれば、決済時に抹消できる状態にしておく必要があります。売買代金で住宅ローンの残債を完済できるかどうかが、そもそも取引が成立するかどうかの入口になります(残債が上回る場合の扱いは後半で説明します)。
固定資産税・都市計画税の納税義務者も、所有者である買主に移ります。翌年以降、あなたのもとに納税通知書は届きません。火災保険も、建物の保険は所有者側で掛け直すことになり、あなたは家財と借家人賠償責任の保険に切り替えるのが通常です。
賃貸の 部分で 確認する こと (ここが 本体です)
売却したあと、あなたの立場は所有者から借主に変わります。家賃を払って住む人です。
賃貸借の基本ルールは借地借家法に定められています(条文はe-Gov法令検索で「借地借家法」を検索すると読めます)。実務で決定的に効いてくるのは、普通借家契約なのか、定期借家契約なのかという違いです。
- 普通借家契約:期間が満了しても、貸主の側から更新を拒むには正当事由が必要とされています。借主の保護が厚い形です。
- 定期借家契約:あらかじめ定めた期間の満了によって、更新されることなく契約が終了します。書面(電磁的方法を含む)による契約と、事前の説明が要件です。期間満了後も住み続けるには、貸主と改めて再契約をする必要があります。
リースバックでは定期借家契約が使われることが少なくありません。買主側から見れば、いつ空室になるかを読めるほうが計画を立てやすいためです。ここを確認せずに契約すると、「ずっと住めると思っていたが、3年で出ることになった」という食い違いが起きます。 「再契約に応じるつもりです」という口頭の説明は、条項ではありません。書面に、再契約の条件が具体的に書かれているかを見てください。
買戻しの 部分 (付いていない 契約も あります)
「将来お金ができたら買い戻せる」という説明を受けることがあります。この合意は、再売買の予約や買戻しの特約といった形で契約書に落とし込まれます。
確認すべきは3点です。買い戻せる価格はいくらか。期限はいつまでか。誰の判断で実行できるのか。
買戻し価格は、受け取った売買代金に、買主が負担した購入時の費用・保有中の固定資産税・事業の利益を足した金額になる
買戻し価格=売った金額+αの中身
- 1
売った金額
あなたが受け取った売買代金
- 2
+ 購入時の費用
買主が負担した登録免許税・不動産取得税・仲介費用
- 3
+ 保有中の税
買主が払ってきた固定資産税
- 4
+ 事業の利益
買主が事業として見込む分
- 5
= 買戻し価格
この額の原資が見込めないなら、買い戻しは計画ではなく希望
買戻し価格は、あなたが受け取った売買代金より高く設定されるのが通常です。買主側は購入時の登録免許税や不動産取得税、仲介費用、保有中の固定資産税を負担していますし、事業として利益を見込んでいます。つまり、買い戻すには「売った金額+α」を用意する必要があるということです。その原資の見込みがないのであれば、「いつか買い戻す」は計画ではなく希望です。希望を前提に住み続ける期間を短く見積もると、後で苦しくなります。
「リースバックは「1つの契約」ではない」について、そのまま聞けます。
リースバックの 手取りを 分ける、 売買代金と 賃料・ローン残債

1. 売買代金と 賃料は、 片方だけを 動かせない
リースバックの提示条件を複数社から取ると、次のような違いが出ます。
- A社:売買代金は高め、賃料も高め
- B社:売買代金は低め、賃料も低め
「A社のほうが高く買ってくれる」と考えるのは早すぎます。買主は、投資として利回りで見ています。 年間の賃料収入を購入価格で割った数字が、その物件を買う判断の基準になります。したがって、購入価格を上げれば、同じ利回りを保つために賃料も上げることになります。逆に、賃料を抑えたいと言えば、購入価格は下がります。
つまり、「高く売れて、安く住める」は構造上そろいにくいということです。売買代金を上げてもらう交渉は、実質的には将来の賃料の前借りに近い意味を持ちます。
| 比べ方 | 内容 |
|---|---|
| ❌ よくない比べ方 | 各社の売買代金だけを並べて、いちばん高い会社を選ぶ |
| ⭕ 実務的な比べ方 | 「売買代金 −(賃料 × 住みたい年数)」を各社ごとに計算して並べる |
| ⭕ さらに確認 | その年数を、契約期間が実際にカバーしているか |
3つ目が抜けると、計算した年数まで住めない条件で最も良い数字が出る、ということが起こります。
2. 住宅ローンが 残っている 場合
売買代金が残債と諸費用を上回れば通常の売買で進み、下回れば任意売却となり債権者の同意が要る
売買代金と残債の大小で分かれる進み方
| 観点 | 売買代金 ≧ 残債+諸費用 | 売買代金 < 残債 |
|---|---|---|
| 進め方 | 通常の売買として進める | 差額を自己資金で埋めるか、任意売却の手続 |
| 抵当権 | 決済で残債を完済して抹消する | 債権者がこの価格で抹消に応じると判断して初めて外れる |
| 気をつける点 | 手元に現金が残るかは差額次第 | 売却後も住み続ける形に、債権者が難色を示すことがある |
残債が売買代金以内で収まるか。 抵当権が設定されたままでは、売買は実行できません。決済のときに残債を完済し、抵当権を抹消する必要があります。
売買代金 ≧ 残債+諸費用 であれば、通常の売買として進められます。手元に現金が残るかどうかは差額次第です。
売買代金 < 残債 の場合、差額を自己資金で埋められなければ、そのままでは売れません。この場合は債権者(銀行や保証会社)の同意を得て抵当権を外してもらう、いわゆる任意売却の手続になります。
債権者がリースバックを認めるとは限らない。 任意売却は、債権者が「この価格で抹消に応じる」と判断して初めて成立します。売主が売却後もその家に住み続ける形について、債権者が難色を示すことがあります。 親族間の売買と同様に、慎重に見られる場面があるということです。
したがって、返済が滞っている状況で「住み続けたい」を最優先にすると、選択肢が狭まります。滞納が始まってから競売開始までに何が起き、どの時点までなら何ができるのかは、住宅ローンが払えないときの時系列の記事と滞納から差し押さえまでの流れの記事に分けて書いています。先にそちらで自分の位置を確認してください。
競売の手続そのものについては、裁判所が制度の説明を公開しています(裁判所)。競売の開始決定が出た後でも取り下げの余地が残る局面はありますが、進むほど選べる手は減ります。時間は、この局面では味方をしません。
代位弁済の前後で相手が変わる。 滞納が続くと、保証会社が金融機関に残債を立て替えて支払い(代位弁済)、その後の交渉相手は保証会社や債権回収会社になります。窓口が変わると、それまでの経緯を一から説明し直すことになり、時間がかかります。「いつまでに何をするか」を自分で決められる余地は、相手が変わる前のほうが大きくなります。
3. つまずきやすい 5つの 型
賃料の負担や定期借家の期間満了、修繕費用の負担など、リースバックで失敗しやすい5つのパターン
つまずきやすい5つの型
賃料が払えなくなる型
売却代金が尽きるのが何年後かを先に出す
期間満了で退去する型
契約書に再契約の条件が具体的にあるか
買戻しに届かない型
買戻し価格が売却代金より高いか確認する
修繕と原状回復の型
誰が負担するのかを契約書で確認する
合意が後から崩れる型
共有名義の場合、共有者全員の関与が必要
1つ目は、賃料が払えなくなる型です。 収入に対して賃料が重い状態で契約すると、数年で行き詰まります。年金収入が中心の方は、賃料が年金の何割になるかを計算してください。売却代金を賃料に充てる計画は、その資金が尽きた時点で破綻します。「代金が尽きるのが何年後か」を先に出してください。
2つ目は、定期借家の期間満了で退去することになる型です。 契約時には再契約できると考えていたが、期間が来たときに条件が合わなかった、あるいは所有者が変わっていた、という形です。契約書に再契約の条件が具体的に書かれていたかどうかが、後で効いてきます。
3つ目は、買戻しに届かない型です。 資金の目処が立たないまま期限が来ます。買戻し価格が売却代金より高いことを、契約時に理解していなかったというケースもあります。
4つ目は、修繕と原状回復の型です。 所有者だったときは自分の判断で直せばよかったものが、借主になると契約の話になります。給湯器、エアコン、雨漏り。誰が負担するのかを契約書で確認していないと、その都度もめます。
5つ目は、家族・共有者の合意が後から崩れる型です。 名義が共有になっている場合、売却には共有者全員の関与が必要です。相続で持分が分かれている場合は特に注意してください。持分の扱いについては共有持分を自分の分だけ売る場合の記事に整理しています。
なお、住まいに関する契約のトラブルについては、独立行政法人国民生活センターが相談事例や注意喚起を公表しています(国民生活センター)。住宅政策や既存住宅の流通に関する制度の枠組みは国土交通省のサイトで確認できます(国土交通省)。契約を急かされていると感じたときは、いったん止めて、公的な窓口に相談してください。
「リースバックの手取りを分ける、売買代金と賃料・ローン残債」について、そのまま聞けます。
リースバックか 買取かを 決める、 判断の 順序と 手取りの 比べ方
住み続けたい期間と賃料の原資を先に決め、ローン残債や関係者の合意、期限の有無を順に確認していく手順
リースバックを検討する順序
- 1
期間を年数で決める
3年程度か10年以上か等、住み続けたい期間を年数で明確にします。
- 2
賃料の原資を確認する
売却代金を取り崩す場合は、何年で尽きるかを必ず計算します。
- 3
残債と債権者の状況確認
残債が売買代金に収まるか、滞納があるか等、自分の位置を確認します。
- 4
名義と関係者の合意
共有の場合は全員の同意が必要です。合意が多いほど話は止まりやすくなります。
- 5
買戻しを狙うか決める
狙うなら価格と期限と原資を書面で確認します。
次の順番で考えてください。逆から始めると、金額の話で止まります。
判断1:住み続けたい 期間を、 年数で 言えるか
「ずっと」ではなく、年数で答えてみてください。
- 子どもの卒業まであと3年
- 親の介護が一段落するまでの見通しが立たない
- 自分が動けるうちは(10年以上)
3年程度なら、定期借家でも設計しやすく、賃料の総額も読めます。 10年以上を前提にするなら、契約期間と再契約の条件がすべてになります。ここが決まらないうちは、金額の比較に意味がありません。
判断2:賃料の 原資は 何か
給与か、年金か、事業の収入か、それとも売却代金の取り崩しか。
売却代金の取り崩しを前提にする場合は、必ず「何年で尽きるか」を計算してください。 尽きた後にどうするかの答えがないなら、リースバックは選択肢から外したほうが安全です。
判断3:ローン残債と 債権者の 状況
残債が売買代金の範囲に収まるか。滞納があるか。代位弁済が済んでいるか。
滞納が進んでいる場合、「住み続ける」を優先すると選択肢が減り、時間も減ります。 まず自分の位置を時系列で確認してください。
判断4:名義と、 関係者の 合意
単独名義か、共有か。共有なら全員の同意が要ります。離婚に伴う場合は、財産分与の取り決めとの整合も必要です。相続が絡む場合は、決済で所有権を移すまでに相続登記を済ませておく必要があります。
合意を取る回数が多いほど、話は止まりやすくなります。
判断5:買戻しを 本気で 狙うのか
狙うなら、価格と期限と原資を書面で確認してください。狙わないなら、買戻し条項の有無で会社を選ぶ意味は小さくなります。「あるだけで安心」という理由で条件の悪い提示を選ばないでください。
判断6:期限の ある 事情が あるか
競売の期日、離婚の協議期限、相続税の納付期限、転居の期限。
期限が迫っている場合、条件の交渉に使える時間はほとんどありません。この場合は「住み続けられるか」より「期限内に確定できるか」が先の論点になります。
判断7:向く 人、 向かない 人
向くのは、住み続けたい期間を年数で言えて、その年数ぶんの賃料をまかなう原資が売却代金以外にある人です。給与、年金、家族からの援助。原資が別にあるなら、住まいを変えずに現金化する方法として成立します。
逆に、賃料の原資が売却代金そのものになっている人には向きません。取り崩しだけで払う計画は、尽きた時点で行き詰まります。 所有権を失ったうえで退去することになりかねません。「何年で尽きるか」を先に出してください。ローンの滞納が進んでいる人も同じです。債権者の同意が必要な局面では、住み続けることを最優先にすると動けなくなることがあります。まず自分がどの段階にいるかを確認してください。
判断8:分岐の 整理
各行は「リースバック/買取(引っ越す)/仲介」の順です。
- 住み続ける必要が強い(通学・通院・介護):検討の価値がある/負担が大きい/内覧対応が必要
- 住み続けたい期間が3年以内で明確:設計しやすい/選択できる/時期が読めない
- 賃料の原資が安定してある:成立しやすい/選択できる/選択できる
- 賃料の原資が売却代金の取り崩しのみ:お勧めしにくい/こちらが現実的/時間がかかる
- 残債が売買代金の範囲に収まる:進めやすい/進めやすい/進めやすい
- 残債が上回る(オーバーローン):債権者の判断次第/任意売却として検討/時間が足りないことが多い
- 期限のある事情がある:交渉の時間が足りない場合あり/時期を決めやすい/向かない
- 手取りを最大にしたい/時間に余裕がある:賃料が出ていく/確定は早いが価格は下がる/有力
- 共有者が複数で合意が難しい:契約が複雑になる/合意は1回で済む/合意が続く
- 近隣に知られたくない:販売活動がない/販売活動がない/広告が出る
この整理の見方は「どれが得か」ではありません。「住み続けることに、いくらまで払えるか」の選択です。 リースバックは住み続けるための費用を毎月払う仕組みであり、無料で住み続けられる制度ではありません。
判断9: 手取りは 「受け取る 金額」ではなく 「n年後に 残る 金額」で 比べる
リースバックと買取を比べるとき、多くの方が売買代金だけを並べます。しかし住み続ける以上、そのあとに賃料が出ていきます。同じ年数で切って比べないと、比較になりません。
まず「何年後の時点で比べるか」を決めます。5年でも10年でも構いませんが、あなたが住み続けたい期間にしてください。そのうえで、次の2列を埋めます。
| 項目 | リースバック(住み続ける) | 買取(引っ越す) |
|---|---|---|
| 売買代金 | 記入 | 記入 |
| 諸費用(登記費用、印紙、清算金など) | 差し引く | 差し引く |
| 住宅ローン残債の完済 | 差し引く | 差し引く |
| 手元に残る現金(A) | 計算 | 計算 |
| n年間に払う賃料の総額 | 差し引く | ― |
| n年間に払う新居の家賃の総額 | ― | 差し引く |
| 引越し費用・敷金礼金・カーテンや家電の買い替え | ― | 差し引く |
| n年間の固定資産税・都市計画税 | かからない | かからない |
| n年間の修繕費(契約で借主負担とされた分) | 差し引く | ― |
| 退去時の原状回復費 | 差し引く(想定) | ― |
| n年後に残る金額(B) | 計算 | 計算 |
ポイントは、買取(引っ越す)を選んだ場合にも家賃はかかるということです。 リースバックの賃料だけを「余計な出費」として見ると判断を誤ります。比べるべきは、いまの家の賃料と、引っ越し先の家賃の差です。
そして次の2点を、必ず表の外に書き添えてください。
1. リースバックの列は、n年間住み続けられた場合の数字です。 定期借家で期間が n 年より短いなら、再契約できなかった場合の列も作ってください。そのときには引越し費用と新居の家賃が乗ってきます。
2. 買取(引っ越す)の列には、環境が変わる負担が金額として出てきません。 通学、通院、近所付き合い、仏壇や庭木。金額に換算できないものを、金額の表だけで決めないでください。表は判断材料であって、判断そのものではありません。
なお、周辺の取引価格はご自身でも確認できます。国土交通省の不動産情報ライブラリでは、実際の取引価格情報を地域と時期で絞って見ることができます。提示された売買代金が、その地域の水準からどのくらい離れているかの見当をつけるのに使えます。
リースバックの 提示を 受けてから、 契約するまでの 手順

1. 提示を 受ける ときの 進め方
複数の会社に相談する場合、条件を揃えないと比較になりません。次の点をこちらから先に伝えてください。
住み続けたい年数。 これを伝えないと、各社がばらばらの前提で提示します。
希望する賃料の上限。 「これ以上は払えない」という線を先に出したほうが、現実的な提示が返ってきます。
残債の有無と概算額。 抵当権の状況で進め方が変わります。滞納があるなら、それも先に伝えてください。隠しても登記や調査で分かりますし、隠したまま進めると後で条件が変わります。
名義の状況。 共有か単独か。相続登記が済んでいるか。
期限。 いつまでに結論を出したいか。
そのうえで、宅地建物取引業の免許番号を確認してください。 各社のサイトに掲載されているのが通常です。掲載がなく、問い合わせても示されない相手とは取引しないでください。加えて、「自ら買い取るのか(買主)、買主を探す媒介なのか」を必ず確認します。宅地建物取引業法は、広告や注文を受けたときに取引態様を明示することを業者に義務づけています。この一点を確認するだけで、「買取と聞いていたのに買い手探しだった」という食い違いを防げます。
平日の日中に動けない方でも、資料を集める作業はご自身で進められます。手元の書類の確認から始める手順は夜間・土日の相談と準備の記事にまとめています。
2. 契約前に 読む条項チェックリスト
提示を受けたら、金額の前に次の行を確認してください。空欄や口頭説明のままになっている行が、後で問題になります。
| 確認する条項 | 具体的に見ること | 曖昧だと起きること |
|---|---|---|
| 借家契約の種類 | 普通借家か定期借家か | 期間満了で退去を求められる |
| 契約期間 | 何年か。住みたい年数を満たすか | 想定より早く出ることになる |
| 再契約の条件 | 再契約の可否、判断の基準、通知の時期 | 「相談のうえ」で終わり、実質は貸主の裁量 |
| 賃料の改定 | 改定の時期、根拠、上限の有無 | 数年後に賃料が上がる |
| 賃料の支払い方法 | 口座振替か振込か、遅延損害金 | 手続の行き違いで滞納扱いになる |
| 敷金・保証金 | 金額、返還の条件、相殺の範囲 | 退去時に戻らない |
| 家賃保証会社 | 利用の要否、保証料の負担者、審査 | 審査に通らず契約が成立しない |
| 修繕の負担 | 何を貸主が直し、何を借主が直すか | 給湯器やエアコンの故障で揉める |
| 原状回復 | 退去時の負担範囲、経年変化の扱い | 退去時に高額の請求 |
| 建物の用法 | ペット、同居人、事業利用、リフォームの可否 | 生活が続けられない |
| 転貸・所有者の変更 | 買主が第三者に売った場合の扱い | 貸主が変わり、方針も変わる |
| 買戻し | 価格の算定方法、期限、行使の手続 | 実質的に行使できない条件になっている |
| 契約不適合責任 | 売買部分での免責の範囲 | 引渡し後の請求 |
| 引渡しと決済 | 代金の入金時期、抵当権抹消の段取り | 完済できず決済が流れる |
| 解約 | 借主から解約する場合の予告期間・違約金 | 途中で出たくても出られない |
この表でいちばん差が出るのは「借家契約の種類」「再契約の条件」「原状回復」の3行です。ここが曖昧な提示は、売買代金が高く見えることがあります。高く見える理由が、後ろのリスクを書いていないからだという場合があります。
契約書は必ず、署名する前に、時間をとって読める形で受け取ってください。 その場で読んでその場で署名する必要はありません。持ち帰って、家族や専門家に見てもらう時間を求めることは、まったく普通の要求です。断られるようなら、その一点で相手を判断してよいと思います。
3. 税金と 費用の 話(一般的な 情報です)
リースバックでも通常の買取でも、売却したことによる譲渡所得の課税という論点は同じように出てきます。
売却代金から取得費と譲渡費用を差し引いて利益が出れば、譲渡所得として課税されます。所有期間によって税率が変わります。居住用の家屋とその敷地を売った場合には、所有期間の長短に関係なく譲渡所得から最高3,000万円まで控除できる特例があり、要件を満たせば税負担が大きく変わります。ただし要件は細かく、売却後もその家に住み続ける形が要件にどう影響するかは、事案によって判断が分かれる部分があります。 適用の可否は必ず事前に確認してください。制度の内容は国税庁のタックスアンサーで確認できます(マイホームを売ったときの特例(国税庁))。相続した家屋を売る場合の特例については被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例(国税庁のタックスアンサー)に要件がまとまっています。
そのほか、実務上よく確認が必要になる点を挙げます。
- 住宅ローン控除は、そのローンを完済した時点で終わります。 年末調整や確定申告の前提が変わります。
- 固定資産税・都市計画税の負担はなくなります。 決済日で日割り清算するのが通常です。
- 居住用の建物の賃料は消費税が非課税とされています。ただし契約の内容によって扱いが変わることがあります。
- 火災保険は掛け直しになります。 建物の保険は所有者側、あなたは家財と借家人賠償責任の保険を検討することになります。既存の保険は解約返戻金が出る場合があります。
- 売買にかかる登記費用、印紙税は、契約でどちらが負担するかを決めます。
この記事の税務・法務に関する記載は一般的な情報提供であり、個別の事案についての判断ではありません。税額や特例の適用可否は税務署または税理士、登記は司法書士、契約条項の効力や債権者との交渉は弁護士に、それぞれご確認ください。 当社は不動産の買主であり、税務や法律の代理はできません。
「リースバックの提示を受けてから、契約するまでの手順」について、そのまま聞けます。
当社の 立場と、 リースバックが 向かない ケース
当社が買い取る条件・買い取れない条件と、実際の買取事例は「当社の買取基準」にまとめています。
「当社の立場と、リースバックが向かないケース」について、そのまま聞けます。
リースバックと 買取、 比べるのは n年後に 残る 金額

- どちらの場合も、生活を左右するのは売買代金ではなく2本目の賃貸借契約です。
- 売買代金と賃料は片方だけでは動かないため、比較は「売買代金 −(賃料 × 住みたい年数)」で行ってください。
- 比べるのは受け取る金額ではなく、n年後に残る金額です。n を決めてから、2つを並べてください。
当社は買主として直接購入します(リースバックもお受けします)。そのかわり、買取価格は仲介での成約想定価格より低くなりますし、一般にリースバックの売買代金は通常の買取よりさらに低くなることが多いのが実情です。時間・手間・将来の不確実性を買主が引き受けるぶんが、価格の差です。査定は無料です。リースバックの提案と並べられるよう、「売って引っ越した場合のn年後に残る金額」の材料をお出しします。
通話料無料・全国対応
時間外と定休日のお電話も担当の携帯に転送されるので、直接責任者につながります。
この先は、当社の買取窓口「買取くん」のページです(運営は同じ株式会社リアテクスです)。
リースバックか 買取か、 どちらを 選ぶかで よく ある 質問
リースバックでずっと住み続けられるかという問いに、定期借家契約と普通借家契約の違いと、契約書の種類・期間・再契約の条件を確かめることで答える質問と回答
リースバックにすれば、ずっと住み続けられますか
契約の内容によります。定期借家契約は期間満了で終了し、普通借家契約は更新拒絶に正当事由が求められます。
- 口頭の説明ではなく契約書の種類と期間を確認する
- 契約書に何年と書いてあるか確認する
- 再契約に応じる条件が具体的に書かれているか確認する
Q1. リースバックに すれば、 ずっと 住み続けられますか
契約の内容によります。定期借家契約であれば、期間が満了した時点で契約は終了し、その後住み続けるには再契約が必要です。普通借家契約であれば、貸主からの更新拒絶には正当事由が求められます。
「ずっと住めますよ」という口頭の説明ではなく、契約書の種類と期間、再契約の条件を確認してください。 契約書に何年と書いてあるか。再契約について、どういう場合に応じるのかが具体的に書かれているか。この2点が確認できれば、判断の材料になります。
Q2. 売却した あとで、 所有者が 別の 会社に 変わる ことは ありますか
あり得ます。買った側が第三者に売却することは、法律上禁じられているわけではありません。その場合、賃貸人としての地位は新しい所有者に引き継がれるのが原則です。
ただし、新しい所有者の方針が前の所有者と同じとは限りません。 再契約の判断や修繕の対応が変わることがあります。契約書に、所有者が変わった場合の通知や、賃貸条件の引き継ぎについてどう書かれているかを確認してください。この点は契約条項の効力に関わるため、不安があれば弁護士にご相談ください。
Q3. 家族に 知られずに 進める ことは できますか
名義が単独で、抵当権の関係で同意が不要であれば、手続上は進められる場合があります。ただし、実務としてお勧めはしません。
住まいの所有関係が変わることは、同居しているご家族の生活に直接影響します。 また、相続が発生したときに「家は自分のものだと思っていた」という食い違いが起きます。近隣に知られたくないという意味であれば、買取は広告や販売活動を行わないため、その点は仲介と大きく違います。
Q4. 賃料は あとから 上がりますか
契約の改定条項によります。改定の時期と根拠が書かれていないか、「協議のうえ改定できる」とだけ書かれている場合は、将来の負担が読めません。
住み続ける年数が長いほど、この条項の重さは増します。 5年、10年を前提にするなら、改定の考え方を必ず確認してください。上限の定めがあるか、据え置く期間があるか。ここを確認せずに毎月の金額だけで比べると、後で計算が合わなくなります。
Q5. 住宅ローンを 滞納しています。 今から でも リースバックは できますか
段階によります。滞納が始まったばかりで、売買代金で残債を完済できる見込みがあるなら、選択肢として検討できます。残債が上回る場合は債権者の同意が必要で、売主が住み続ける形について債権者が難色を示すことがあります。
すでに競売の手続が進んでいる場合、期日までに決められる事項は限られます。まずご自身がどの段階にいるかを確認してください。時系列は住宅ローンが払えないときの記事にまとめています。遅れるほど選択肢が減るという点だけは、はっきり書いておきます。
Q6. 買戻しは どの くらいの 人が できているのですか
実績の数字は出しません。当社が確認できないデータを、割合として書くことはしていません。
そのかわり、構造だけお伝えします。買戻し価格は、受け取った売買代金より高くなるのが通常です。 買主が負担した取得時の税金や諸費用、保有中の固定資産税、そして事業としての利益が乗るためです。したがって、買い戻すには「売った金額+α」を数年以内に用意できる見通しが要ります。その見通しがない状態で、買戻し条項の有無だけを判断材料にしないでください。
Q7. マンションでも リースバックは できますか
物件の条件次第です。管理費・修繕積立金の負担をどちらが持つか、管理規約上の制約がないか、賃貸として成立する立地かといった点を見ることになります。
一般に、賃貸需要が読める立地のほうが条件はまとまりやすい傾向があります。逆に、退去後に借り手を探しにくい立地では、買主側がリスクを大きく見込むため、売買代金は下がりやすくなります。戸建てかマンションかという区分よりも、この点のほうが影響します。
Q8. まずは 金額だけ知りたいのですが、 相談すると 契約を 勧められませんか
金額だけのご相談で構いません。当社は査定の段階で契約を求めることはしていません。
リースバックと、住み続けない前提の買取の条件を、両方お出しします。 数字を並べたうえで「引っ越したほうが手元に残る」と判断されるなら、それで構いません。「今回は売らない」という結論でも構いません。売らない場合に毎年かかる費用と、返済の見通しについても、分かる範囲でお伝えします。
当社の 見方
簡単に言えば、任意売却物件は所有者と借入をしていた金融機関が数回にわたり、返済が滞った場合に合意のもと(連絡が取れる状態)返済に充てるために売却する物件です。
競売は金融機関が強制的に売却してローン回収することです。
※ 弊社で債権者との交渉(任意売却)、底地権者他との債権債務の整理を行った案件です。
家賃を上げる時には、入居者との信頼関係を大切にしつつ、タイミングや理由を丁寧に伝えることが前提です。
家賃変更を決定した場合は、少なくとも1〜2ヶ月前に通知を行い、突然の変更で驚かせないようにします。
家賃を上げる理由を丁寧に説明するのは必須です。
例えば、「物件の維持管理費用の増加」や「周辺エリアの家賃相場の上昇」など、具体的な背景を伝えると理解を得やすいです。
当社が買い取る物件・お断りする物件と、買取価格の決まり方は、当社の買取事例76件の内訳とあわせて当社の買取基準にまとめています。
この記事について
- 執筆・編集
藤山 大二郎株式会社リアテクス 代表取締役CEO著書『大家なら!今すぐ不動産業を開業しよう! 不動産投資家から起業家へ』(スタンダーズ)で、大家業から不動産業へ踏み出す道筋を書きました。- 監修
鶴野 博之株式会社リアテクス 執行役員宅地建物取引士(東京)第257503号/賃貸不動産経営管理士/2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)この区分の監修を担当しています。記事の公開判断は当社が行っています(代表が定めた手順による)。確認・公開判断:鶴野 博之(株式会社リアテクス 執行役員)- 公開・更新
- 公開 更新 内容を見直したときは、この日付と改訂の内容を更新しています。情報の確認日 (出典の公的資料を開いて内容を確かめた日)
- この記事の事実確認の方法
- 出典:裁判所、国税庁
- 記事の作り方
- この記事は、当社の担当者が事実確認を行ったうえで公開しています。
出典(7件・に確認)
更新履歴
- 第2版重複していた説明をまとめ、文章を読みやすく整えました(内容の変更はありません)。
- 第1版公開
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