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任意売却

差押えの不動産は売却できる?外して売る条件と競売の期限

公開 更新

執筆
株式会社リアテクス リアテクス編集部
監修
株式会社リアテクス 執行役員 鶴野 博之(宅地建物取引士(東京)第257503号)
差押えの不動産は売却できる?外して売る条件と競売の期限

「ローンの返済が遅れて差し押さえられた家でも、まだ売ることはできるのか」。差押えの登記が入っても所有権は競売で買った人が代金を納めるまであなたに残っており、差押えた側が抹消に応じる額を決済の日に売却代金から払えれば売れます。

当社は、差押えた側が抹消に応じる額を決済の日に買取代金から払える家を自己資金で買い取り、その額と抵当権の残りが買取価格を上回って差押えた側も一部の支払いでの抹消に応じない家は買い取れません。この家が買い取れるかどうかだけ、先に聞く(無料)

目次(12章)

差押えが入った不動産の売却も、登記を見ながら相談できます

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この先は当社の買取窓口「買取くん」です。

住宅ローンや税金の滞納で家に差押えの登記が入っても、売る道はまだ残っています。売れるかどうかは、差押えたのが誰なのかと、手続が督促から入札までのどこまで進んだのかで決まります。

差押えが入った不動産は売却できる?所有権は代金納付まであなたにある

差押え後も普段通りできること

  • 普段どおりの生活

    民事執行法第46条第2項により、通常の使い方で不動産を使うことは妨げられない。

  • できないこと

    家を勝手に売却したり、新しく担保に入れたりすることはできない。

  • 住めなくなる時期

    競売で買った人が代金を納めて所有者になり、明け渡しを求められたとき。

差押えから所有権が移るまでの流れ

  1. 差押えの登記

    所有権はまだあなたにある

    普段どおり生活でき、売主として契約を結ぶ立場が残る

  2. 競売の進行

    調査や入札が進む

    代金が納められるまでは、自分で選んだ相手に売却できる

  3. 代金の納付

    買った人に所有権が移る

    民事執行法第79条により、買った人が不動産を取得する

  4. 代金納付の後

    明け渡しを求められる

    所有者になった買った人から求められれば住めなくなる

差押えの登記が入っても家の持ち主はあなたのままです。所有権が移るのは競売で買った人が代金を納めた時です。売却できるかどうかは、差押えた側が登記を外す条件に、売った代金で応えられるかどうかで分かれます。

民事執行法(e-Gov法令検索)の第79条は、競売で買い受けた人は代金を納付した時に不動産を取得すると定めています。差押えの通知が届いた日も、執行官が家を見に来た日も、入札の結果が出た日も、登記簿の所有者はまだあなたです。代金が納められるまでの間は売主として契約を結ぶ立場が残っています。その間に差押えを外す段取りが組めれば、競売ではなく自分で選んだ相手に売ることができます。ただし競売では、開札で最高価の買受申出人が決まった後は、外す条件が一段と厳しくなります。取下げにだれの同意が要るかは、「4. 入札が始まったら、開札の後は買受けを申し出た人の同意も要る」の節に書いています。

差押えの登記が入っても、家に住み続けられる理由

差押えは、その家を勝手に売ったり新しく担保に入れたりできないように固める手続です。住んでいる人をその日のうちに追い出す手続ではありません。民事執行法第46条第2項は、差押えがあっても、債務者が通常の使い方で不動産を使うことは妨げられないと定めています。収益を得ることも同じです。そのため、住宅ローンの競売が始まった家でも、普段どおり寝起きできます。通勤も、子どもを学校へ送り出すことも変わりません。

税の滞納による差押えも考え方は同じで、国税徴収法第69条には、滞納した人が差し押さえられた不動産を原則として使い続けられる定めが置かれています。住めなくなるのは、競売で買った人が代金を納めて所有者になり、そのあと明け渡しを求められたときです。そこまでには段階がいくつも挟まります。裁判所の調査、売却の基準となる価額の決定、入札、開札、売却の許可です。

差押えの通知を見て手が止まってしまう方は多いのですが、生活がその日から変わるわけではありません。まず登記と届いた書類を確かめる時間はあります。入札の期間を知らせる書面がすでに届いているなら話は別です。その場合は残りの日数を数えるところから始めてください。

差押えの後に売買しても、差押えた側の手続は止まらない

差押えの登記が残ったまま売買契約を結び、所有権の移転の登記まで済ませたとします。それでも差押えた側の手続はそのまま進むと考えられています。競売や公売で買った人が現れれば、あなたから家を買った人はその所有権を差押えた側に主張できなくなります。このため、差押えの付いた家に代金を払う買い手はまずいません。買う側は決済の日に差押えが外れることを条件にして、はじめて契約に応じます。

差押えのある家を売るときの論点は、決済の日に差押えを外せるかどうかに集まります。売買そのものが許されるかどうかではありません。売却の代金を差押えた側への支払いに充てます。その支払いと引き換えに差押えを外してもらい、同じ日に買う側へ所有権を移します。この順番が組めるかどうかを確かめることが、売主としての最初の仕事です。差押えの効力がどこまで及ぶかは事案によって変わるため、具体的な扱いは弁護士や司法書士に確かめてください。

差押えを外すのは、差押えた側の取下げや解除の手続

差押えの登記は、持ち主であるあなたが法務局へ行っても消すことはできず、差押えた側が手続をとってはじめて抹消されます。税の差押えなら差押えた役所が差押えを解除します。住宅ローンの競売なら申立てをした銀行や保証会社が裁判所への申立てを取り下げます。仮差押えなら申し立てた債権者が取り下げるか、決められた額を供託して執行を取り消してもらいます。このように、外す手続そのものが差押えの種類ごとに違います。

どの場合でも、差押えた側が手続をとる前提は、差押えの元になった借金や税が払われるか、払われる見通しが書面で示されることです。抹消の登記は、差押えた役所や裁判所が法務局に求める形で進むのが一般的な流れです。ただ、決済の日に抹消まで済むのか、解除の書類だけが先に出て登記の抹消は後日になるのかは手続ごとに違います。差押えた側と、決済に立ち会う司法書士に前もって確かめておきます。

不動産の差押えは何種類?税金・住宅ローン・仮差押えの3つで相手が違う

差押えの種類と交渉相手の違い

差押えの種類外す条件を話す相手売却に向けた特徴
税金の滞納税務署や市区町村の徴収担当滞納した税と延滞金を納める。公売前に相談
住宅ローンの競売銀行・保証会社・債権回収会社競売の申立てを取り下げてもらう
仮差押え判決を待つ前の債権者判決の前に入る手続
ダイニングテーブルで、夫婦が向かい合って話し合っている

不動産に入る差押えは、税金の滞納による差押え、住宅ローンの競売による差押え、判決の前に入る仮差押えの3つに分かれます。どれに当たるかで、外す条件を話す相手と、売却に使える時間が変わります。

税金の滞納による差押えは、税務署や市区町村が相手になる

固定資産税や住民税、所得税を滞納すると、税務署や都道府県・市区町村は財産を差し押さえることができます。裁判所の判決を取らず、自らの手続で行えます。その手続の流れは国税徴収法(e-Gov法令検索)に定められています。地方税の滞納処分も国税徴収法の例によって進むと地方税法が定めています。そのため、市役所の差押えも税務署の差押えも大筋は変わりません。督促状が届き、納めないまま日がたつと差押えに進みます。

税の差押えは裁判所が関わらないぶん、差押えた役所が売却の日程の鍵を握ります。差押えを外す条件は、原則として滞納した税と延滞金を納めることです。売却の代金から納める段取りを役所が受け入れるかどうかは、役所の徴収の担当に確かめることになります。納める額を何日の時点で確定させてくれるかも同じです。差し押さえた後は公売という役所自身の売却に進むことがあります。ただ、公売の手続に入る前の段階のほうが、自分で売った代金で納める相談を持ちかけやすくなります。

住宅ローンの競売による差押えは、銀行や保証会社が相手になる

住宅ローンの返済が止まった家は、借りたときに設定した抵当権にもとづいて競売にかけられます。銀行や、銀行に代わって残りを払った保証会社が裁判所に申し立てます。裁判所が競売の開始を決めた時点で、差押えの登記が入ります。返済の遅れから申立てまでには、督促、分割で返す権利を失ったことの通知、保証会社による代わりの弁済といった段階があります。その途中で、話す相手が銀行から保証会社や債権回収会社に移ることがよくあります。いま誰と話すべきかを最初の通知から順に追い直す必要があります。

この差押えを外す条件は競売の申立てを取り下げてもらうことです。その前提は、残りの借金の返済か、売却の代金での返済に申立てをした側が同意することです。売却の代金がローンの残りに届かない場合の道は、「売っても借金が残る家の差押えと、不動産の売却」の節にあります。抵当権を持つ側の同意の有無ごとに分けています。滞納の何回目でどの通知が来るのかを細かく追いたい方は、「住宅ローン滞納から差し押さえまでの流れ」の記事で通知の順番を確かめてください。

仮差押えは、判決を待つ前の債権者が入れる差押え

仮差押えは、カードの支払いや個人からの借入れなど担保を取っていない債権者が入れるものです。裁判で勝つ前に財産を処分されないよう、裁判所に求めて入れます。登記簿には「仮差押」と記されます。住宅ローンの抵当権とは関係なく入ります。そのため、ローンは払えているのに別の借金で家に仮差押えが入った、という形も起こります。

仮差押えのまま債権者が裁判に勝てば、本来の差押えに移って競売に進むことがあります。反対に話がついて債権者が取り下げれば、裁判所の手続で抹消されます。売りたいときの相手は、登記に名前が載った債権者か、その代理人の弁護士です。借金の額をめぐって争いがあることもあります。その場合、債権者が言う額の全部を払わない限り取り下げないという立場をとられることもあります。そのときに使えるのが、裁判所が決めた仮差押解放金という額を供託して執行を取り消してもらう仕組みです。ただ、供託するお金を売却の前にどう用意するかが別の壁になります。動く前に弁護士へ相談してください。

「不動産の差押えは何種類?税金・住宅ローン・仮差押えの3つで相手が違う」について、そのまま聞けます。

差押えの前か後かで、不動産の売却の進め方はどう変わる?

差押え前と後の売却の進め方の違い

観点差押えの登記前差押えの登記後
売却の手順普通の売却か任意売却を選べる差押えを外す条件をそろえてから契約する
相手の立場貸した側として話を聞いてくれる差押えた側として抹消の条件を出す
日程の調整自分で組める幅が広く残っている相手が書面を出す時期に引きずられる

差押えの進行と選べる売り方の変化

  1. 督促

    普通の売却か任意売却

    差押え前なら、自分で売却の日程を組める幅が広く残る

  2. 差押えの登記

    外す条件をそろえて契約

    抹消に応じる額と約束の書面を契約前に手元にそろえる

  3. 競売の開始

    登記と同時に進む

    住宅ローン競売では、開始決定の時点で差押え登記が入る

  4. 入札

    選べる売り方が狭まる

    段階が進むほど残りの時間が減り、売り方の選択肢が減る

差押えの登記が入る前なら普通の売却や任意売却ができます。入った後は差押えを外す条件をそろえてから売ることになります。進み具合は、督促、差押えの登記、競売の開始、入札の4つの段階で見ます。そうすると、いまどこにいて、残りの時間がどれくらいあるのかが読めます。

1. 督促の段階なら、普通の売却か任意売却を選べる

督促状や催告書が届いていても、登記簿にまだ差押えが無い段階はあります。住宅ローンの残りを売却の代金で返し切れる家は、普通の売却と同じ手順で売れます。残りに届かない家は、抵当権を持つ銀行や保証会社の同意を得て売る任意売却になります。仲介で買い手を探すか、買取の業者に売るかを選ぶことになります。どちらで進めると手数料と決済の日がどう変わるのかは、「任意売却と買取の違い」の記事で比べてから相手を決めてください。

この段階のいちばんの利点は、相手がまだ差押えた側ではなく、貸した側として話を聞いてくれることです。税の滞納でも、差押えの前なら相談を受け付けてもらえる場合があります。分割で納める相談や、売却の予定を伝えて納める日を調整する相談です。差押えの登記が入った後よりも、売却の日程を自分で組める幅が広く残っています。

2. 差押えの登記が入ったら、外す条件をそろえてから契約する

差押えの登記が入った後は、順番が変わります。売買契約を結ぶ前に、差押えた側が抹消に応じる額と、その額を払えば抹消の手続をとるという約束を、書面で手元にそろえます。買う側は、決済の日に差押えが外れる見込みが書面で示されていない家には代金を払えません。そのため、契約の段階でその書面の有無を尋ねてくるのが普通です。

住宅ローンの競売では、裁判所が競売の開始を決めたあと、裁判所書記官が法務局に求めて差押えの登記が入ります。そのため、この段階と次の競売が始まった段階はほぼ同時に来ます(登記の日が開始の決定の日から少しずれることもあります)。税の差押えでは、差押えの登記から公売までに間があることが多いです。その間に売却の代金で納める段取りを役所と詰めることになります。ただ、間があるからといって何もせずにいると、公売の手続に進んだ時点で役所の判断の余地が狭まります。

3. 競売が始まったら、売却には申立てをした側の取下げが要る

競売の開始が決まると、裁判所の執行官が家の状況を調べに来ます(民事執行法第57条の現況調査)。これとは別に、裁判所が選んだ評価人が家の値打ちを評価します(同法第58条)。執行官の現況調査と評価人の評価をもとに、執行裁判所が売却基準価額を定めます(同法第60条)。そのあと入札の期間が公告されるという順に手続が進みます。この間に自分で売るには、申立てをした銀行や保証会社の協力が要ります。売却の代金での返済を前提として、競売の申立てを取り下げてもらう必要があります。決済の日に払う額と、その日に取り下げの手続をとるという約束を取り付けることが、売買契約の前提になります。

競売の進行と任意売却の話し合いは並んで進むのが普通です。話し合いが続いているからといって裁判所の手続が止まるわけではありません。執行官の調査の連絡が来た時点で、入札の期間がいつごろになりそうかを申立てをした側に尋ねます。そのうえで、その日から逆算して買い手と決済の日を決めていきます。

4. 入札が始まったら、開札の後は買受けを申し出た人の同意も要る

民事執行法第76条第1項は、買受けの申出があった後の取下げについて定めています。競売の申立てを取り下げるには、最高価で申し出た人など(売却の許可の後は買受人など)の同意が要ります。期間入札では、最高価で申し出た人は開札の日に札を開けて初めて決まります。そのため実務では、開札の日の前日までなら、申立てをした側の意思だけで取り下げられるとするのが一般的な理解です。

開札で最高価で申し出た人が決まると、その人などが同意しない限り取下げはできません。落とした家を手放す理由が申し出た人には無いので、開札の後に自分で売るのは実務上かなり難しいと考えてください。

とはいえ、開札の前日に決済と取下げをそろえる日程には余裕がありません。差押えた側の書面や取下げの書類が1日遅れるだけで間に合わなくなります。安全側の目安として、入札の期間が始まる前に決済を終える日程を組んでください。その日付は、裁判所から届く書類で確かめられます(「競売や仮差押えが残る不動産の売却は、いつまでに決済する?」の節)。個別の扱いは、担当の裁判所の部署と弁護士に確かめてください。

差押えを外して不動産を売却できるかを診断するチェック表

差押えを外して売却できるかの基準

  • 差押えの種類と相手

    登記簿の甲区を見て、税の滞納か、住宅ローンの競売か、仮差押えかを見分ける。

  • 手続の進み具合

    届いた書類から、差押え前か、入札前か、競売進行中かを確認する。

  • 売却見込み額との比較

    差押えた側が抹消に応じる額と抵当権の残りの合計に、見込み額が届くか照らす。

  • 額が足りない場合

    売却見込み額が届かない場合、抵当権を持つ側が売却代金での抹消に同意しているか。

木目の机の上に置かれた万年筆と、コーヒーの入ったマグカップ

外して売れる見込みは判定できます。登記簿で差押えの種類を読み、届いた書類で進み具合を確かめ、差押えた側が示す額に売却の見込み額が届くかを照らします。結果が分かれるのは、差押えた相手の種類と、入札がもう始まっているかどうかと、額が届くかどうかです。

1. 差押えの種類と進み具合を見分けるチェック表

手元に登記事項証明書と、役所や裁判所、銀行から届いた書類を並べ、当てはまる行に印を付けてください。

差押えの種類(登記事項証明書の権利部の甲区を見る)

  • □ 甲区に「差押」とあり、権利者に財務省や都道府県・市区町村などの名が載っている → 税の滞納による差押え。次に連絡するのは、差押えた税務署や役所の徴収の担当
  • □ 甲区に「差押」とあり、原因が「担保不動産競売開始決定」になっている → 住宅ローンの競売。次に連絡するのは、申立てをした銀行や保証会社(債権回収会社に移っていればその会社)
  • □ 甲区に「仮差押」とある → 判決の前の仮差押え。次に連絡するのは、登記に載った債権者か、その代理人の弁護士

進み具合(届いた書類を見る)

  • □ 督促状や催告書は届いたが、甲区にまだ「差押」も「仮差押」も無い → 差押えの前。普通の売却か任意売却を選べる
  • □ 甲区に差押えがあるが、入札や公売の知らせはまだ届いていない → 差押えた側に外す額を確かめてから売る段階
  • □ 裁判所から競売開始決定の書面が届き、執行官の調査の連絡が来た → 競売の進行中。申立てをした側に取下げの条件と入札の時期を確かめる
  • □ 入札の期間や開札の日を知らせる書面が届いた → 目安は入札の期間より前の決済。法的な境目は開札で、開札で最高価の買受申出人が決まった後の取下げにはその人などの同意が要る

額が届くか(差押えた側の書面と見込み額を見る)

  • □ 差押えた側が抹消に応じる額を、書面か、少なくとも担当者の名前と日付つきで受け取った
  • □ 売却の見込み額が、その額と抵当権の残りの合計に届く
  • □ 届かない場合に、抵当権を持つ側が売却代金での抹消に同意している

税の滞納による差押えと住宅ローンの競売の両方に印が付く家も珍しくありません。その場合は話す相手が2つになり、売却代金をどちらへ先に回すかの順番が、売れるかどうかを左右します。

2. チェックが付いた行から、差押えた側へ確かめること

種類の行で印が付いた相手には、抹消に応じる額をただ尋ねないでください。その額の内訳と、計算の基準になった日と、何日まで有効な額なのかを一緒に尋ねます。住宅ローンの残りには遅延損害金が、税には延滞金が日ごとに加わります。基準日が1か月ずれると額も変わります。決済の日に用意した額が足りないということが起こるからです。

進み具合の行で競売の進行中や入札の知らせに印が付いた方は、額の確認と並行して、取下げの書類の出し方を確かめます。決済の日にどう出してもらえるのかと、それが入札の期間の前に間に合うのかです。仮差押えに印が付いた方は、債権者が言う額に争いが無いかを先に整理します。争いがあるなら額の話を売却の話と切り分けて弁護士に預けるほうが、売却の日程が崩れにくくなります。

3. 売却の見込み額が足りないときに止まる場所

額の行の2行目に印が付かなかった家は、そのままでは決済の日に差押えを外し切れません。話はどこかで止まります。止まる場所は2か所あります。抵当権を持つ側が売却代金での抹消に同意するかどうかと、税の差押えをした役所が全額でなく売却代金から回せる額での解除に応じるかどうかです。どちらかが動かなければ売買契約までたどり着けません。

この場合に残る道は3つに分かれます。足りない分を親族の援助などで用意できるか、差押えた側が額を見直す余地があるか、それとも売却をいったん止めて債務整理を弁護士に相談するかです。見込み額の根拠として、複数の会社から査定や買取価格の書面を取り寄せておくと、差押えた側が競売や公売で回収できる見込みと比べる材料になります。話を前に進めやすくなります。

売っても借金が残る家の差押えと、不動産の売却

売却代金が住宅ローンの残りに届かない家でも、抵当権を持つ銀行や保証会社が売却代金での抹消に同意すれば売れます。分かれ目は2つあります。届かない分を担保の無い借金として残すことに相手が応じるかと、税や後ろの順位の差押えに代金からいくら回せるかです。

1. 抵当権を持つ側が、売却代金での抹消に同意するか

売却代金がローンの残りに届かない家では、抵当権を持つ側が、競売で回収できそうな額と、任意売却で手に入る額を比べて、同意するかどうかを決めます。売却の価格が安すぎると見られれば同意は得られません。価格の根拠となる査定書や買取価格の書面、買う側の名前と決済の予定日を出すよう求められるのが通常の流れです。その書類を早めにそろえておくことが、同意までの日数を縮める近道になります。

同意の可否は、同じ銀行でも案件の状況や保証会社の方針によって変わります。一律の基準が公表されているわけではありません。引越しの費用や売主の手元に残す額を代金から出してもらえるかどうかも相手の判断です。出してもらえることを前提に転居の計画を組まず、書面で認められた額だけを予算に入れてください。

抵当権者が抹消に同意するまでの手順

  1. 1

    価格の根拠となる書類の用意

    査定書や買取価格の書面、買う側の名前と決済予定日をそろえる

  2. 2

    抵当権を持つ側による比較

    任意売却で手に入る額と、競売で回収できそうな額を比べる

  3. 3

    売却代金での抹消への同意

    売却価格が安すぎないと判断されれば、抹消の同意が得られる

2. 税の差押えや後ろの順位の差押えに回せる額

売却代金を誰にどの順で配るかは、登記の順番だけでは決まりません。抵当権の登記の日と税の法定納期限のどちらが先かで決まる仕組みが国税徴収法第16条にあります。地方税にも同じ考え方の定めがあります。ローンを組んだ後に固定資産税を滞納した家では、多くの場合、抵当権を持つ銀行が先に払われ、税の差押えをした役所は後ろに回ります。そのため、売却代金がローンの残りで尽きると役所に回る額がほとんど残りません。

それでも役所の差押えを外さなければ決済できません。抵当権を持つ側に、代金の一部を役所や後ろの順位の債権者に回すことを認めてもらえるかが次の論点になります。全額の納付でなければ解除しない役所もあります。競売になれば自分たちに回る額が無いことを踏まえて、売却代金から回せる額での解除を検討する役所もあります。どちらの扱いになるかは差押えた役所に直接確かめるしかありません。

抵当権と税の差押えの優先順位

観点抵当権の登記の日が先税の法定納期限が先
売却代金の配分順抵当権を持つ銀行が先に払われる税の差押えをした役所が先に払われる
役所に回る額ローンの残りで尽きるとほとんど残らないローンの返済より優先して確保される
決済への影響代金の一部を役所に回す同意が銀行に必要役所への全額納付が優先される

3. 売却の後に残った借金は、返し方を債権者と決める

任意売却で家を手放しても、売却代金で返し切れなかった分の借金は消えず、担保の無い借金として残ります。返し方は債権者との話し合いで決めることになります。残った額を一度に払えないのは債権者も承知していることが多いです。収入と生活費を書き出したうえで、毎月いくらなら払えるかを示して分割の相談をするのが一般的な進め方です。

見落としやすいのが連帯保証人です。配偶者や親が住宅ローンの連帯保証人になっている場合、売却の後に残った借金はその人にも請求されます。毎月の返済が家計に収まらない見込みなら、売却の前の段階で、自己破産や個人再生といった債務整理を弁護士や司法書士に相談しておきます。そうすると、売却と借金の整理の順番を一緒に組み立てられます。

差押えが入っても不動産を売却せずに住み続ける道

リビングのソファに座り、家族で穏やかに会話をしている

家に住み続けたいなら、売る前に検討する道があります。税の差押えは納付の相談、住宅ローンの差押えは個人再生などの債務整理です。どの道が残っているかは、差押えたのが役所か銀行か、そして家計から毎月いくら払えるかで分かれます。

1. 税の差押えなら、納付や換価の猶予を差押えた役所に相談する

税の差押えでは、すぐに納め切れない事情がある人のための仕組みがあります。納付を待ってもらう納税の猶予(国税通則法)や、差し押さえた財産を売るのを待ってもらう換価の猶予(国税徴収法)です。地方税にも同じ趣旨の定めが地方税法(e-Gov法令検索)にあります。認められれば、分割で納めている間は公売に進まずに済みます。家を手放さずに滞納を解消する道が開けます。

使えるかどうか、毎月いくらを何回で納めるかは、差押えた役所が収入や財産の状況を見て判断します。給与明細や家計の収支をそろえて徴収の担当に相談してください。猶予の間も差押えの登記そのものは残ることが多いです。途中で家を売ることになったときは、その時点の残りの税と延滞金を納めて解除してもらう段取りになります。

差押えの種類別に見る住み続ける方法

観点税の差押え住宅ローンの差押え
住み続けるための制度納税の猶予や換価の猶予個人再生の住宅資金特別条項
相談する相手差押えた役所の徴収の担当弁護士か司法書士
判断の材料給与明細や家計の収支借金の総額や安定した収入の有無など
手続の効果分割で納めている間は公売に進まない手続の中で競売を止めるよう裁判所に求める

2. 住宅ローンの差押えなら、個人再生の住宅資金特別条項を弁護士に確かめる

住宅ローンの滞納で家を残したいときに検討するのが、民事再生法の個人再生と、その中の住宅資金特別条項という仕組みです。カードや消費者金融などほかの借金を減らして返しながら、住宅ローンは減らさずに払い続けることで家を残す形になります。競売がすでに始まっていても、手続の中で競売を止めるよう裁判所に求める制度があります。使えるかどうかは借金の総額や安定した収入の有無、保証会社が代わりに払ってからの経過などによって変わります。

時間がたつほど選べる手が減っていく手続です。差押えの通知が届いた段階で弁護士か司法書士に相談し、家を残す道と売る道の両方を並べて比べてもらってください。住み続けたい気持ちが強い方ほど、売却の話を先に進めてしまう前に、この道が残っているかを確かめる意味があります。

3. 売却の後も住むリースバックは、毎月の家賃を払えるかで決まる

家を売って代金で借金を返し、そのまま買った側に家賃を払って住み続けるリースバックも道の一つです。ただ、差押えのある家では、売却の代金で差押えと抵当権を外せることが前提になります。ローンの残りが売却額を大きく上回る家では成り立ちにくくなります。成り立つ場合でも、毎月の家賃がこれまでの返済額と比べて家計に収まるかどうかが続けられるかを決めます。家賃を滞納すれば今度は賃貸の契約として明け渡しを求められることになります。

売却額と家賃と契約の期間の関係は、ふつうの買取と比べると見え方が変わります。「リースバックと買取、どちらを選ぶか」の記事で手取りの違いを確かめてから相手を選んでください。

「差押えが入っても不動産を売却せずに住み続ける道」について、そのまま聞けます。

差押えた側に残りの額を確かめ、不動産の売却に同意をもらう手順

最初の手順は、登記事項証明書で差押えた相手と順番を読み、その相手から抹消に応じる額と期限を書面で出してもらうことです。売却の日程は、この書面がいつ出るかと、書面に書かれた額の有効期限で、大半が決まります。

1. 登記事項証明書の甲区と乙区で、差押えた相手と順番を読む

登記事項証明書は法務局の窓口やオンラインで請求でき、請求の方法は法務局のウェブサイトで確かめられます。届いたら、権利部の甲区で所有者の名前の後ろに「差押」や「仮差押」の記載が無いかを見てください。あればその権利者と原因と受付の日付を、乙区で抵当権の権利者と設定の日付を書き出します。

受付の番号と日付は、どの権利が先に登記されたかを示すので、売却代金を配る順番を読むときの手がかりになります。保証会社が銀行に代わって残りを払った家では、乙区の抵当権の権利者が保証会社に移っていることもあります。手元の通知の差出人と登記の名前が食い違っていることもあります。その場合は通知の差出人に、いまの債権者が誰で、抹消の書類を誰が出すのかを確かめておきます。

2. 差押えた側に、抹消に応じる額と期限を書面で出してもらう

差押えた相手が分かったら、それぞれに、いつの時点でいくら払えば差押えや抵当権を外すのかを書面で出してもらうよう求めます。書面に入っているべきなのは、元金や利息、遅延損害金、延滞金、競売の費用などの内訳です。あわせて、計算の基準日、日ごとに増える額の計算の仕方、その額が有効な期限、振込先も要ります。抹消の書類を決済の日に渡すのか後日になるのかという出し方も確かめます。

相手が複数あるときは、全員の書面がそろってはじめて決済の日に払う総額が決まります。いちばん遅く出る相手の書面に日程全体が引きずられます。差押えた側との話し合いは、売主ご本人か、依頼した弁護士や司法書士が行うものです。買う側から示された買取価格や決済の予定日の書面を添えて相談すると、相手も競売や公売と比べて判断しやすくなります。

差押えの抹消に同意をもらう手順

  1. 1

    差押えた相手の特定

    登記事項証明書で、差押えや抵当権を持つ相手を確かめる

  2. 2

    抹消条件の書面での要求

    いくら払えば外すか、内訳や有効期限、振込先を出してもらう

  3. 3

    全員の書面による総額の確定

    相手が複数の場合、一番遅い書面が出た時点で決済の総額が決まる

決済の日に、不動産の売却代金で差押えを抹消する段取り

決済の日は、買う側の代金から差押えた側へ支払います。それと引き換えに解除や取下げの書類を受け取るか、抹消の手続を約束してもらう形で売却を終えます。段取りが崩れるのは、その日に出る書類と後日になる書類の区別を、契約の前に確かめていないときです。

1. 売買契約に、差押えの抹消を引渡しの条件として書く

差押えのある家の売買契約には、売主が決済の日までに差押えや抵当権を外す手続をとることを書き入れます。差押えた側が抹消に応じず外せなかった場合は契約を白紙に戻し、受け取った手付金を返して違約金はかからないことも、はっきり書き入れておきます。決済の日は、差押えた側の書面に書かれた額の有効期限より前に置きます。期限を過ぎて額が増えたときに誰が差額を負担するのかも、契約の段階で決めておいてください。

差押えのある家を急いで売ろうとする売主に対して、外せなかったときの違約金だけが重い契約書を出してくる相手もいます。署名の前に、どの条項が自分の不利になるのかを一つずつ読み、分からない条項は司法書士や弁護士に見てもらいます。署名の前に確かめる点は、「不動産買取で悪徳業者が使う手口8選」の記事にも具体的な条項の形で並んでいます。

差押え物件の売買契約に入れる条件

  • 差押え抹消の義務

    売主が決済の日までに差押えや抵当権を外す手続をとることを契約に書く。

  • 外せなかった時の扱い

    抹消できなかった場合は契約を白紙に戻し、手付金を返して違約金なしとする。

  • 決済日の設定

    決済の日は、差押えた側の書面に書かれた額の有効期限より前に置く。

  • 期限超過時の負担

    期限を過ぎて額が増えたときに、誰が差額を負担するのかを契約の段階で決めておく。

2. 決済の日は、売却代金の振り分けと抹消の書類を同じ席でそろえる

決済の日には、売主と買う側と、所有権の移転の登記を申請する司法書士がそろいます。抵当権を持つ銀行や保証会社の担当は、抹消の書類を持って立ち会うか、事前に司法書士へ書類を預ける形をとります。買う側の代金は、その場で抵当権を持つ側への返済、差押えた役所への納付、仮差押えの債権者への支払い、登記などの費用に振り分けられます。残りがあれば売主の手元に入ります。

登記は申請のほか、官庁や公署が法務局に求める嘱託によっても行われます。その仕組みが不動産登記法(e-Gov法令検索)に置かれており、差押えの抹消は差押えた役所や裁判所の嘱託で進むのが一般的な流れです。役所が納付を確かめてから差押えの解除と抹消の嘱託をするまでに日数がかかることもあります。決済の日に役所から解除を示す書面が出るのかを確かめます。出ないなら買う側がどの書類で納得できるのかも、司法書士を交えて前もって決めておきます。

競売や仮差押えが残る不動産の売却は、いつまでに決済する?

空の下、住宅街に建つ戸建て住宅と周囲の街並み

競売なら入札の期間が始まる前に決済を終えるのが目安です。仮差押えなら抹消の見通しが書面で立つまで決済しません。法的な境目は開札です。開札で決まった最高価の買受申出人などの同意が無ければ取り下げられないと、民事執行法第76条第1項が定めています。

1. 裁判所から届いた書類で、売却の期限になる入札の期間と開札の日を確かめる

競売の家には、競売の開始を決めたことを知らせる書面が届きます。続いて執行官の調査の日程の連絡、入札の期間と開札の日を知らせる書面が、おおむねこの順で届きます。どの書面にも事件番号と担当の部署が書かれています。まだ日程の知らせが来ていない段階でも、申立てをした側に入札の時期の見込みを尋ね、その日から逆算して契約と決済の日を置いてください。

日程の目安が分かったら、差押えた側の書面が出るまでの日数を数えます。そこに買う側が代金を用意するまでの日数、司法書士が登記の書類を整えるまでの日数を足し、入札の期間が始まる日に間に合うかを確かめます。住宅ローンを使う個人の買い手は融資の承認を待つ分だけ日数が延びます。残りの日数が少ないほど、現金で決済できる買い手かどうかが間に合うかどうかを分けます。滞納の初めから競売までの全体の時間の流れは、「住宅ローンが払えない」の記事で月ごとに追えます。

競売開始から決済期限までの日程

  1. 競売開始決定

    開始を知らせる書面が届く

    この段階で入札時期の見込みを尋ね、決済日を逆算する

  2. 現況調査の連絡

    執行官の調査日程が届く

    競売開始決定の次に届く。決済までの残り日数を数える

  3. 入札期間の知らせ

    入札と開札の日が届く

    決済は入札の期間が始まる前に終えるのが目安となる

  4. 入札期間の開始

    買受けの申出が出る

    申出の後の取下げには、最高価で申し出た人などの同意が要る

2. 仮差押えの登記が残った家を買う側が負うリスク

仮差押えの登記が残ったまま家を買うと、家を失うおそれがあると考えられています。債権者が後で裁判に勝って本来の差押えに移ったとき、買った人は自分の所有権を債権者に主張できず、競売にかけられてしまうからです。買う側にとっては代金を払ったうえで家を失う形です。仮差押えが外れる見通しが書面で示されない限り、ふつうの買い手は決済に応じません。

売主の側から見ると、このリスクは仮差押えが残る家の値付けにそのまま表れます。仮差押えはそのままで構わないと言って極端に安い額を示す相手は、そのリスクを価格に織り込んでいるか、リスクを説明していないかのどちらかです。仮差押えの債権者と話をつけるか、仮差押解放金を供託して執行を取り消してもらうかの道を弁護士と詰めてください。外れる見通しが立った状態で買い手を探すほうが、手元に残る額は守りやすくなります。

なお、この記事の税務・法務に関する記載は一般的な情報提供であり、個別の事案についての判断ではありません。適用の可否や具体的な税額については、税務署または税理士、登記については司法書士、境界や隣地との権利関係については弁護士や土地家屋調査士など、それぞれの専門家にご確認ください。当社は不動産の買主であり、税務や法律の代理はできません。

「競売や仮差押えが残る不動産の売却は、いつまでに決済する?」について、そのまま聞けます。

差押えのある不動産の売却を当社に頼むと、入金まで何日?

当社が買い取る条件・買い取れない条件と、実際の買取事例は「当社の買取基準」にまとめています。

「差押えのある不動産の売却を当社に頼むと、入金まで何日?」について、そのまま聞けます。

差押えの不動産を売却する前に、どの3つを確かめる?

  • 登記事項証明書の甲区で、差押えか仮差押えか、差押えたのが役所か銀行や保証会社か債権者かを読んでください。所有権は競売で買った人が代金を納めるまであなたにあり(民事執行法第79条)、その間なら自分で売る道は残っています。
  • 届いた書類で、督促・差押えの登記・競売の開始・入札のどの段階にいるかを確かめ、入札の期間が始まる前に決済の日を置けるかを数えてください。
  • 差押えた側から抹消に応じる額と有効な期限を書面でもらってください。売却の見込み額と抵当権の残りに照らして、届くのか、届かない分を抵当権を持つ側が認めるのかを確かめます。

当社は、差押えた側が抹消に応じる額を決済の日に買取代金から払える家を自己資金で買い取ります。代金のお支払いと所有権の移転の登記は同じ日に行います。

査定は無料・売却の義務なし
0120-996-748受付時間10:00〜19:00(水・日曜定休)

通話料無料・全国対応

この先は、当社の買取窓口「買取くん」のページです(運営は同じ株式会社リアテクスです)。

差押えの不動産の売却について、よくある質問

Q1. 差し押さえの前に、家を売却することはできますか

登記簿に差押えが入る前なら、売却は可能です。住宅ローンの残りを売却の代金で返し切れる家は、ふつうの売却と同じ手順で売れます。返し切れない家は、抵当権を持つ側の同意を得る任意売却になります。税の滞納があるなら、売る予定と時期を、滞納している税の窓口(税務署や市区町村)に早めに伝えてください。納める日を調整する相談がしやすくなります。

気を付けたいのは、借金の取り立てを逃れる目的で、親族などに相場よりかなり安く名義を移すことです。債権者を害する行為として、民法の詐害行為取消権によって取り消しを求められることがあります。売る相手と価格は、査定の書面で説明できる形にしておいてください。

Q2. 不動産が差し押さえられたら、生活はどうなりますか

住み続けることはでき、通勤や通学もこれまでどおりです。ただ、家を新しく担保に入れたり、差押えを外さないまま売ったりすることはできなくなります。住宅ローンの競売では、執行官が室内を確かめに来ることがあります。民事執行法は、留守や鍵の拒否があっても執行官が必要な処分をして中に入ることを認めています。

裁判所や差押えた役所からの郵便は、入札の期間など売却の期限に関わる知らせを含むので、届いたら開けて日付を書き出してください。郵便を受け取らずにいると、知らないうちに入札の期間に入っていた、という形で選べる道が減っていきます。

Q3. 差し押さえられた不動産の所有権はどうなりますか

競売で買った人が代金を納めるまでは、所有権はあなたにあります(民事執行法第79条)。代金が納められた時点で買った人に移り、裁判所が所有権の移転の登記を法務局に求めます。その後も住み続けていると、買った人の申立てで裁判所が明け渡しを命じることがあります。それにも従わなければ強制的に明け渡しを求められます。

競売の代金は、手続の費用と、抵当権を持つ側や差押えた側への配当に充てられます。配り終えて残りが出れば元の持ち主に返されます。残りが出るのはローンの残りが少ない家に限られ、多くの家では配当の後にも借金が残ります。

Q4. 不動産の差し押さえは解除できますか

解除や抹消はできます。その手続をとるのは持ち主ではなく差押えた側で、種類ごとの違いは「差押えを外すのは、差押えた側の取下げや解除の手続」の節のとおりです。持ち主の側からできるのは、差押えの元になった税や借金を払うことです。払う見通しを書面で示して、差押えた側に手続をとってもらう方法もあります。

払う原資を家の売却代金に頼る場合は、払う日と抹消の日を決済の日にそろえる必要があります。そのために差押えた側から額と期限の書面を先にもらいます。払う額そのものに納得できないときは、売却の話と切り分けて、額の妥当性を弁護士に見てもらってください。

Q5. 差し押さえられた不動産を売却することはできますか

売却は可能です。ただし、決済の日に差押えを外せることが条件です。外せる見通しが書面で示されないうちは、買い手は代金を払いません。売る相手は、仲介で探す個人の買い手か、買取の業者かに分かれます。個人の買い手が住宅ローンを使うなら、融資の承認を待つ日数が決済までに加わります。

入札の期間が迫っている家では、この日数の違いが間に合うかどうかを分けます。残りの日数を数えたうえで、どちらの相手が合うかを決めてください。開札で最高価の買受申出人が決まった後は、取下げにその人などの同意が要るため、売れる見込みは大きく下がります。開札の前日までは申立てをした側だけで取り下げられるとされます。ただ、日程に余裕が無いので、入札の期間が始まる前の決済を目安にしてください。

Q6. 家の売却を急ぐ間に給料も差し押さえられたら、最低生活費はいくらですか

税の滞納による給料の差押えでは、国税徴収法第76条第1項第4号により、本人分として月10万円と、生計を一にする親族1人につき月4万5千円を加えた額が、差し押さえてはならない額の計算に入ります。そこに給料から引かれる所得税、住民税、社会保険料の額も加わります(国税徴収法(e-Gov法令検索))。

カードの借金など、税ではない債権者が判決を取って給料を差し押さえる場合は、民事執行法の決まりによります。民事執行法第152条で、給料のうち原則として4分の3に当たる部分は差し押さえてはならないとされています。家そのものには、このような生活費の分を残す決まりはありません。家の差押えと給料の差押えは分けて考えてください。

Q7. 家を売却しても残った借金はどうなりますか

残った借金は消えず、担保の無い借金として債権者から引き続き請求されます。決済の日に、売却代金でいくら返し、いくら残ったのかを書いた書面を債権者からもらっておいてください。その書面が、残りの返し方を相談するときの出発点になります。後から額の食い違いが出たときの確かめ先にもなります。

残りの請求は、銀行から保証会社や債権回収会社に移って届くことがあります。差出人が変わっても無視せず、毎月払える額を示して分割の相談をします。払える見込みが立たないときは、自己破産や個人再生などの債務整理を弁護士か司法書士に相談してください。連帯保証人がいる場合は、その人への請求がどうなるかも一緒に確かめます。

当社の見方

差押えが入った不動産のご相談では、競売の期限が迫っていて、とにかく早く現金化できるかを気にされる方が多いです。差押えを外して売るには、売却代金で精算できるかどうかが大切なので、価格が早く分かることで、外せる見込みがあるかを判断しやすくなります。費用は一般には、売買契約書の印紙代、抵当権の抹消登記の費用、住所変更登記の費用などがかかり、ご負担いただく費用は個別のご案件によります。住み慣れた家を離れたくないという方には、売却後も賃借人として住み続けるリースバックも積極的にお受けしており、家賃・期間・買い戻しなどの条件は案件ごとに個別に決めます。全国(47都道府県)に対応していますが、買い取れない物件や、売らないほうがよい場合は正直にそうお伝えしていますので、期限が近いときほど早めにご相談ください。

当社が買い取る物件・お断りする物件と、買取価格の決まり方は、当社の買取事例76件の内訳とあわせて当社の買取基準にまとめています。

この記事について

執筆・編集
リアテクス編集部株式会社リアテクス当社(宅地建物取引業 東京都知事(1)第107888号)は物件を直接買い取る買主の立場から、売却を検討する方の判断材料となる記事を企画・編集しています。
監修
鶴野 博之鶴野 博之株式会社リアテクス 執行役員宅地建物取引士(東京)第257503号/賃貸不動産経営管理士/2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)この区分の監修を担当しています。記事の公開判断は当社が行っています(代表が定めた手順による)。確認・公開判断:鶴野 博之(株式会社リアテクス 執行役員)
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公開 更新 内容を見直したときは、この日付と改訂の内容を更新しています。情報の確認日 (出典の公的資料を開いて内容を確かめた日)
この記事の事実確認の方法
法令:民事執行法、国税徴収法、地方税法、不動産登記法出典:法務局
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この記事は、当社の担当者が事実確認を行ったうえで公開しています。

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