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空き家のゆくえ買取くん

空き家

空き家の相場はいくら?相続した実家の手取りを試算

公開 更新

執筆
株式会社リアテクス リアテクス編集部
監修
株式会社リアテクス 取締役COO 薩摩 賢幸
空き家の相場はいくら?相続した実家の手取りを試算

「相続した実家を売るとしたら、相場はいくらで、手元にいくら残るのかを知りたい」。相続した空き家の相場は近くの土地の取引価格が土台で、手取りは売値から登記と解体の費用を引き、3,000万円控除が使えるかを当てはめたところで決まります。

当社は相続した空き家を片付けや解体の前のまま買い取り、お出しする金額は近くの取引価格から解体・処分・売れるまでの費用を引いた額です。借入が売値を上回る家は、債権者の同意が出るまで金額を確定できません。この家が買い取れるかどうかだけ、先に聞く(無料)

目次(9章)

相場が分からない空き家も、片付け前のまま相談できます

約1分で簡単査定を申し込む

この先は当社の買取窓口「買取くん」です。

相続した実家が空き家のままになっているなら、その相場を決めているのは建物の築年数よりも、同じ地域の土地が実際にいくらで取引されたかです。古い家が建ったままなら解体や片付けの費用がそこから引かれ、名義が親のままなら売れる時期が後ろにずれます。手元に残る額は、売値から登記と解体の費用を引き、相続した空き家の3,000万円控除が使えるかを当てはめたところで、ようやく数字になります。

空き家の相場はいくら?相続した実家の手取りを試算の要点を、定義・この記事でわかること・よくある質問の順に短くまとめた動画です。

空き家の相場は、近くの土地の取引価格から考える

空き家の相場の土台は、同じ地域で実際に取引された土地や中古の戸建ての価格で、業者の査定額もそこから組み立てられています。

親を見送って数か月がたち、実家の固定資産税の納税通知書が自分宛てに届いたころに、この家はいくらになるのかを調べ始める方が多くいます。ポストに入るチラシには近所の成約の話が並びますが、そこにある金額は別の家のものです。自分の実家の数字に変えるには、比べる相手を選ぶところから始めます。

古い空き家は、建物より土地の値段で見られる

築年数のたった木造の家は、次に住む人が手を入れずに暮らせる状態であることが少なく、買主は改修か建て替えを前提に値段を考えます。取引の場で値段の中心に来るのは、土地の広さ、形、駅からの距離、前の道との関係です。建物は使えるかどうか分からないものとして扱われます。値段がほとんど付かないか、解体費の分だけ差し引かれる側に回ります。

土地の評価で大きく効くのが、建て替えができるかどうかです。建築基準法第43条第1項は、建物の敷地が道路に2m以上接していなければならないと定めています。これを満たさない土地には、新しく家を建てられません。同じ広さでも、建て替えられる土地とそうでない土地では、買主の数がまるで違います。実家の前の道が細い路地なら、まずこの接し方を確かめてください。

いまは古家付きの土地として見られている家も、空き家のまま年数がたてば見られ方が変わります。雨漏りや床の沈みが進むと、次の買主は改修をあきらめ、解体を前提に計算します。そうなると、土地の値段から解体費がまるごと引かれた額が相場になります。解体費が建物の大きさや前の道の幅でどう変わるかは、「空き家の解体費用はいくらかかるか」の記事で確かめられます。

土地の評価で中心になる条件

  • 土地の広さと形

    取引の場で値段の中心に来る条件の一つです。

  • 駅からの距離

    土地の広さや形とともに、値段の中心に来る項目です。

  • 前の道との関係

    実家の前の道が細い路地なら、接し方を確かめます。

  • 建て替えができるか

    道路に2m以上接していないと新しく家を建てられません。

不動産情報ライブラリで、近くの取引価格を調べる

自分で空き家の買取相場を調べる方法として手堅いのは、国土交通省の不動産情報ライブラリで、実家のある地域の取引価格を検索することです。市区町村と地区を選び、種類を土地だけの取引と、土地と建物の取引に分けて見ます。更地として売られた例と、家が建ったまま売られた例を並べられます。

結果が出たら、全部の行を平均するのではなく、実家に近い条件の行だけを拾います。見るのは、面積が近いか、取引の時期が近いか、最寄り駅からの距離が近いか、前の道の幅や種類が似ているか、の4点です。条件の離れた行を何件も混ぜた平均は、当てになりません。条件の近い少数の行のほうが、自分の家に近い数字になります。

ここに出ているのは、一般の個人や会社が買った価格です。土地と建物の取引では建物の築年数も表示されます。実家と同じくらい古い家がいくらで動いたかが分かります。新しい家の取引を混ぜると、相場を高く見積もることになります。

調べた数字は、地区名、面積、取引の時期と一緒にメモに残しておきます。業者から査定額を受け取ったとき、どの取引例と比べてどれだけ低いのかを、自分の言葉で聞けるようになります。

空き家の相場が組み立てられる順序

  1. 1

    近くの土地の取引価格

    相場の土台となる、同じ地域で実際に取引された土地の価格です。

  2. 2

    建て替えができるか

    道路に2m以上接しているかで、買主の数が大きく変わります。

  3. 3

    建物の傷みの見込み

    雨漏りなどが進むと、改修ではなく解体を前提に計算されます。

  4. 4

    解体費を差し引く

    土地の値段から解体費がまるごと引かれた額が相場になります。

買取の価格が、仲介の成約価格より低くなる理由

不動産情報ライブラリで見える市場価格と、業者が直接買うときの買取相場は、同じ家でも別の数字になります。市場価格は、住むために買う人が付けた値段です。買取の価格は、業者が買ったあと次に売るまでの費用と時間を差し引いた値段です。

業者が引き受けるものは、家財の片付けと処分、解体か改修の工事、売れるまでの固定資産税や保険料です。次の買主に売るための費用と、売れ残る危険も業者が持ちます。駅に近く形の整った土地なら、次の買主がすぐ見つかるので差は小さくなります。前の道が狭い土地や、山あいで取引そのものが少ない地域では、差が大きく開きます。どれだけ低くなるかは物件ごとに違い、一律の目安はありません。

この差をどう受け止めるかは、待てる期間と、片付けや解体に自分で動けるかで変わります。いますぐ決める必要はありません。先に近くの取引価格を知り、査定額との差に何が入っているのかを聞ける状態にしておきます。

空き家の相場を下げる、建物の傷み・名義・持ち続ける負担

同じ地域の取引価格が土台でも、建物の傷み、親のままの名義、持ち続けるあいだの負担が重なるほど、空き家の相場は下がります。

久しぶりに実家の鍵を開けると、閉め切った部屋にこもったにおいがします。押し入れの奥が湿っていることにも気づきます。外から見た家の形は変わっていません。それでも、人が暮らさなくなった日から、家の値段を下げる動きは静かに始まっています。

建物の傷みと、空き家のまま過ぎた年数

人が住まない家は、窓を開ける人も水を流す人もいません。住んでいた頃より傷みが早く進みます。最初は壁紙の浮きやカビといった、掃除で済みそうな変化です。屋根や外壁のすき間から水が入り始めると、天井裏の木や柱が濡れ、シロアリも寄りやすくなります。排水管の中の水が乾いて、下水のにおいが上がってくることもあります。

業者の査定で建物を見るとき、問われるのは直せば住めるかどうかです。直せる家なら建物にも値段が付く余地が残ります。直すより壊すほうが安いと判断された家は、解体費を引く計算に切り替わります。どちらの側に入るかは、空き家になってからの年数と、その間にどれだけ風を通したかで決まります。

遠方に住んでいて年に何度も通えないなら、通える回数を先に数えてください。通えない期間が長くなるほど、傷みの見込みが査定額から引かれていきます。

名義を親のままにするリスク

  • 引き渡しの日を置けない

    査定はできても、買主へ所有権を移す登記ができません。

  • 相続人全員の共有になる

    遺産を分けるまでは、民法第898条のとおり共有状態です。

  • 話し合う相手が増える

    年数がたつと相続人の誰かが亡くなり、相手が増えます。

名義が亡くなった親のままの空き家

登記簿の所有者が亡くなった親のままだと、買主へ所有権を移す登記ができません。査定を受けることはできても、契約を結んで引き渡しの日を置く段階で止まります。相続人が複数いれば、民法第898条のとおり、遺産を分けるまでは相続人全員の共有の状態です。誰がこの家を相続するかを話し合いで決め、その人の名義に変えてから売ります。

名義を変えないまま年数がたつと、相続人の誰かが亡くなり、話し合う相手が増えていきます。書類を集める範囲も広がり、売れる時期はそのたびに後ろへずれます。名義のままにしたときに起きることは、「土地の名義変更をしないとどうなるか」の記事に経過を追って書かれています。

相続登記の申請の期限と、期限を過ぎたときの扱いは、「相続した空き家を売る前に何から始める?相続登記の期限は3年」の節の、登記簿を取って期限を確かめる手順のところで確かめてください。

空き家の傷みと査定の切り替わり

  1. 初期

    壁紙の浮きやカビ

    掃除で済みそうな変化。直せる家として建物に値段が付く余地が残る。

  2. 進行

    雨漏りや柱の濡れ

    屋根や外壁から水が入り、天井裏の木や柱が濡れシロアリが寄りやすくなる。

  3. 査定の切り替わり

    解体を前提に計算

    直すより壊すほうが安いと判断され、解体費を引く計算に切り替わる。

持ち続けるあいだに増える固定資産税と管理の負担

空き家を所有し続けるときの注意点は、毎年の固定資産税と、管理が行き届かないと受ける自治体の指導です。住宅が建っている土地は、200平方メートル以下の部分について固定資産税の課税標準が価格の6分の1になる特例があります(地方税法第349条の3の2)。ただし、市町村から勧告を受けた管理不全空家等や特定空家等の敷地は、この特例から外れます。勧告までの流れは「空き家の固定資産税が6倍になる条件」の記事にあり、特例が外れる時点は特定空家等に指定された日ではなく勧告を受けたときです。

令和5年12月13日に施行された改正空家法では、放っておくと特定空家等になるおそれのある家を管理不全空家等として、市町村長が指導し、改善がなければ勧告できるようになりました(空家等対策の推進に関する特別措置法第13条、国土交通省の空き家対策のページ)。窓が割れたまま、庭木が道にはみ出したまま、といった状態が続くと、この指導の対象に近づきます。

持ち続けるあいだにかかるのは税だけではありません。通う交通費、草刈り、火災保険、近所からの連絡への対応があります。これらは毎年同じように出ていき、売るまでの期間が長いほど、売値から差し引いて考える額が増えていきます。

「空き家の相場を下げる、建物の傷み・名義・持ち続ける負担」について、そのまま聞けます。

空き家は仲介と買取のどちらで売る?手取りと日数の分かれ目

家族が実家の押し入れの前で手を動かして整理をしている

仲介は近くの取引価格に近い値段を狙える反面で売れる日が読めず、当社の買取は値段が下がる代わりに、早ければ2週間以内に引き渡しと入金まで進みます。

近くの取引価格をメモにまとめ、名義の状態も分かったところで、次に迷うのが売り方です。片付けは済んでいるか。何か月待てるか。実家まで通えるか。この3つに答えると、どちらが向くかがほぼ見えてきます。

1. 仲介が向く空き家

仲介が向くのは、建て替えができる土地で、家財の片付けがおおむね済んでいて、半年ほど待っても困らない空き家です。この条件がそろえば、住むために買う人が付ける市場価格に近い値段で売れる見込みが立ちます。

仲介では、不動産会社と媒介契約を結んで広告を出します。内覧を受け、購入の申し込みが入ってから契約に進みます。買主が住宅ローンを使うなら、契約のあとも融資の審査と実行を待ちます。審査が通らなければ契約が白紙に戻る特約が入るのが通例です。契約に署名した日でも、入金はまだ確定していません。

仲介で売れたときは、仲介手数料がかかります。上限は宅地建物取引業法第46条に基づいて国土交通大臣が定めています。当社が買い取る場合は仲介手数料はかかりませんが、仲介で売ったほうが手数料を引いても手元に多く残る家はあります。比べるときは、手数料と、売れるまでに払う固定資産税や管理費を引いた後の額どうしで並べてください。

2. 買取が向く空き家と、業者の査定基準

買取が向くのは、家財が残ったままで片付けに通えない家や、雨漏りや傷みで住める状態ではない家です。相続税の申告や控除の期限があって、売る日を先に決めたい場合も当てはまります。買主が業者なので、内覧や融資の審査を待たずに日程を組めます。

業者の査定基準で評価のポイントになるのは、主に4つです。土地として次の買主にいくらで売れるか。建て替えができるか。解体と家財の処分にいくらかかるか。次の買主がどれくらいの期間で見つかりそうか。買取相場はこの4つを足し引きした結果です。査定額を受け取ったら、どの項目でいくら引いたのかを聞いてください。答えが返ってこない査定額は、近くの取引価格と比べようがありません。

空き家買取のデメリットは、値段が市場価格より下がることです。どんな家なら仲介を選んだほうがよいかは、「空き家を買取で売るデメリット」の記事が手取りの比べ方とあわせて扱っています。業者を選ぶ段階では、「空き家買取業者の見分け方7つ」の記事にある、高い査定額を出して後から下げる手口を先に知っておくと、比べる軸がぶれません。

買取業者の査定基準となる項目

  • 土地としていくらで売れるか

    土地として次の買主にいくらで売れるかを評価します。

  • 建て替えができるか

    建て替えができるかどうかが評価のポイントになります。

  • 解体と家財の処分費用

    解体と家財の処分にいくらかかるかを見積もります。

  • 買主が見つかるまでの期間

    次の買主がどれくらいの期間で見つかりそうかを見ます。

3. 空き家整理は自分でするか、業者に依頼するか

片付けに手を付ける前に、空き家整理の目的を明確にしておきます。家族の思い出の品を残すための整理なのか、売るための片付けなのかで、やる範囲がまるで違うからです。売るための片付けなら、売り方が決まるまで大がかりな作業は待ってかまいません。

先に探しておくのは、権利証や登記識別情報、親が家を買ったときの売買契約書、固定資産税の納税通知書、通帳や保険の書類です。売買契約書は、売ったときの税を計算する取得費の根拠になります。見つからないと、税の計算で不利になることがあります。貴重品と書類だけは、どの売り方でも自分の手で探してください。

自分で整理すれば費用は抑えられます。一方で、遠方なら交通費と休みの日数がかかり、家財の量が多いと何度も通うことになります。業者に依頼する場合、空き家掃除業者のサービス内容・料金相場は、家財の量、部屋数、搬出の経路、処分の分け方で変わります。見積りは2社以上から取り、何を運び出し、何を残すかを書面にしてもらってください。

空き家を活用しないなら、整理を済ませるより片付け前のまま売るほうが、手間と費用の両方で軽くなることがあります。買主が家財の処分まで引き受ける場合、その費用は査定額の側で差し引かれます。片付けずに売れる条件は、「空き家をそのまま売る方法」の記事にまとめられています。

仲介と買取が向く空き家の条件

観点仲介当社の買取
向く空き家の条件建て替え可能で片付けがおおむね済んだ家家財が残り片付けに通えない・傷みがある家
売れるまでの期間半年ほど待っても困らない場合早ければ2週間以内に引き渡しと入金
仲介手数料かかるかからない
融資審査による白紙特約が入るのが通例内覧や融資の審査を待たずに日程を組める

売れない空き家は国に引き取ってもらえる?令和5年4月27日に始まった制度

相続土地国庫帰属制度は令和5年4月27日に始まりましたが、建物がある土地は対象外なので、空き家が建ったままでは申請できません。

不動産情報ライブラリで調べても近くの取引がほとんど見つからない。業者に聞いても値段が付かないと言われた。そうした実家を持つ方が次に調べるのが、国に引き取ってもらう道です。使えるかどうかは、建物を壊すかどうかと、壊した後の土地の条件で分かれます。

1. 建物が建ったままでは、国庫帰属を申請できない

相続土地国庫帰属制度は、相続などで取得した土地を、一定の要件のもとで国に引き取ってもらう仕組みです(法務省の相続土地国庫帰属制度のページ)。建物がある土地は対象外です。空き家が建っている限り、申請の入口に立てません。

建物のほかにも、対象にならない土地の条件が法律で決められています。審査を通ったあとには負担金を納めます。どの条件に当たるかと負担金の考え方は、申請の前に法務局で相談でき、法務省の案内で確かめられます。

いま実家が建っている状態から見ると、国庫帰属は解体を終えた後に初めて検討できる道です。解体の費用と期間、申請と審査の期間、負担金を足した長さを、売る場合の期間と並べることになります。

解体して申請する道とそのまま売る道

観点解体して国庫帰属を申請そのまま売る
費用の出方解体費が先に出て、審査後に負担金を納める売る場合の期間と費用を並べて比べる
固定資産税の特例更地になると対象から外れる建物が建っていれば特例の対象
うまくいかない危険解体した後に審査に通らないことがある更地にしても買主が見つからないことがある

2. 解体してから申請するか、そのまま売るか

空き家整理ではなく解体を先に進めることには、費用だけが出ていく危険があります。解体費は売主の手元から先に出ていきます。更地になると、住宅が建つ土地の固定資産税の特例の対象から外れます。この特例の中身は「空き家の相場を下げる、建物の傷み・名義・持ち続ける負担」の節の、固定資産税と管理の負担のところに書いた地方税法第349条の3の2のものです。

解体した後、国庫帰属の審査に通らないことがあります。更地にしても買主が見つからなければ、解体費と上がった税の両方を抱えることになります。解体してから申請するかどうかは、壊した後の土地が対象の条件に当たらないかを法務局で確かめてから決める順番です。

そのまま売る道が残っているなら、先に査定を受けて比べてください。解体前のまま値段が付くなら、解体費を自分で出す必要はありません。値段が付かなかったとき、そこで初めて解体と国庫帰属の費用を見積もる段階になります。

国庫帰属の申請へ進む順序と費用

  1. 1

    空き家の解体

    建物がある土地は対象外のため、まずは解体費を出して壊します。

  2. 2

    更地になる

    住宅が建つ土地の固定資産税の特例の対象から外れます。

  3. 3

    国庫帰属の申請と審査

    法律で決められた、対象にならない土地の条件に当たるか審査されます。

  4. 4

    負担金の納付

    審査を通ったあとに負担金を納め、国に引き取ってもらいます。

3. いまは売らない方がよい空き家

相場を調べた結果、いまは売らない方がよいことがある空き家もあります。家族の誰かが数年のうちに住む予定がはっきりしている家は、売って買い直すより持ち続けたほうが負担は軽くなります。思い出の品の扱いを家族で決めていないまま売ると、引き渡しの日までに片付けを迫られ、後で取り返せません。

賃貸に出せる立地と状態の家なら、貸すという道も残ります。ただし、貸すには修繕の費用が先にかかり、借り手が付くまでの期間は読めません。家賃で修繕費を回収できるかを計算してから決めます。

持ち続けると決めたときも、換気と通水、庭木の手入れを続けることが前提です。それができない距離に住んでいるなら、持ち続けることが自治体の指導に近づく道になります。持ち続ける年数と、その間に出ていく税と管理の費用を、売った場合の手取りと並べてから判断してください。

「売れない空き家は国に引き取ってもらえる?令和5年4月27日に始まった制度」について、そのまま聞けます。

相続した空き家を売る前に何から始める?相続登記の期限は3年

実家の居間で机に向かい、1枚の書類を確認している人

最初にするのは、登記簿で名義を確かめて相続登記の期限を知ることで、相続で取得したと知った日から3年以内の申請が義務になっています。

相場の見当がつき、売り方の候補も絞れてきた段階です。ここから先は、査定額を受け取る前にやっておくと、後の日程が崩れない作業になります。

1. 登記簿を取り、相続登記の期限を確かめる

法務局で土地と建物の両方の登記事項証明書を取り、所有者の欄に誰の名前があるかと、抵当権が残っていないかを見ます。所有者が亡くなった親のままなら、売る前に相続登記が要ります。

親の家を相続した方は、法律上、名義を自分に変える手続きを自分で進めなければなりません。2024年4月1日に義務化された相続登記です。申請の期限は、その家を相続したと知った日から3年です(不動産登記法第76条の2第1項)。守らなかった場合の罰則は、正当な理由がないときの10万円以下の過料です(不動産登記法第164条第1項、法務省の相続登記の申請義務化のページ)。

義務化より前に相続した実家も、申請しないままなら対象です。数え始める日は、2024年4月1日か、相続を知った日のどちらか遅い方になります。義務化の前から知っていた方の期限は、2027年3月31日です。義務化の後で知った方は、知った日の3年後が期限です。起点にするのは親の亡くなった日ではありません。ご自身が相続を知った日で数えてください。

遺産の分け方の話し合いが期限までにまとまりそうにないときは、自分が相続人であることを登記官に申し出る相続人申告登記という手続きがあります(不動産登記法第76条の3第1項)。ただし、これで名義が変わるわけではありません。売るときは、話し合いがまとまった後に相続登記をすることになります。司法書士には、戸籍をそろえるのに何週間かかるかと、費用の見積りを聞いてください。その答えが、売る日を置くための材料になります。

相続登記の申請期限の数え方

  1. 2024年4月1日

    相続登記の義務化

    義務化より前に相続を知っていた方が期限を数え始める日。

  2. 2027年3月31日

    義務化前からの期限

    義務化の前から相続を知っていた方の申請期限。

  3. 相続を知った日

    義務化後の起点

    義務化の後に相続を知った方が期限を数え始める日。

  4. 知った日の3年後

    義務化後の期限

    義務化の後に相続を知った方の申請期限。

2. 査定を2社以上に頼み、近くの取引価格と並べる

相続登記の日程が見えたら、査定を2社以上に頼みます。1社だけでは、その金額が高いのか低いのかを判断する材料がありません。不動産情報ライブラリで拾った取引例のメモを手元に置き、査定額と並べます。

査定書を受け取ったら、書面で確かめるのは4点です。根拠にした取引例、解体費を引いているかどうか、家財の処分をどちらが持つか、引き渡しの日をいつに置けるか、を見ます。金額だけが書かれた査定書は、近くの取引価格との差の理由が分かりません。差の理由を聞いて答えが返ってくるかどうかも、業者を比べる材料になります。

査定の場では、固定資産税の納税通知書についている課税明細も見せられるようにしておきます。土地と建物の面積や、住宅が建つ土地として課税されているかが分かります。親が家を買ったときの売買契約書が見つかっていれば、それも出してください。取得費の根拠になり、手取りの計算が具体的になります。

空き家を売ると手取りはいくら?売値から費用を引く試算と3,000万円控除

実家の食卓で向かい合い、これからのことについて相談している家族

手取りは、想定の売値から印紙代や登記・解体の費用を引き、相続した空き家の3,000万円控除が使えるかを当てはめて税を見込むと出ます。

査定額が手元にそろった段階で、それぞれの額から実際にいくら残るのかを計算します。査定額の大きい方が、手元に残る額でも大きいとは限りません。解体や片付けを誰が持つかで、引かれる費用が変わるからです。

1. 売値から登記と解体の費用を引いて、手取りを試算する

仮の数字を入れて試算すると、次の表のようになります。数字は計算の手順を示す例で、相場や費用の目安ではありません。①〜③と⑤には、ご自身の査定額と見積りの額を入れてください。

行計算のしかた仮の数字で入れた例
① 想定の売値査定額か、近くの取引価格から置く1,000万円
② 譲渡費用になるもの契約書の印紙代と、売るために壊す解体費の見積りの合計120万円
③ 手取りからだけ引く登記の費用相続登記・抵当権抹消・住所変更の登記(司法書士の見積り、登録免許税を含む)20万円
④ 手元に入る額(税の前)①−②−③860万円
⑤ 取得費親が買ったときの売買契約書の額など300万円
⑥ 譲渡所得①−⑤−②(③の登記の費用は引かない)580万円
⑦ 控除を使った後⑥から最高3,000万円を引く(0円より下にはならない)0円

④が、売った年に口座に残る額の見込みです。仲介で売るなら、②に仲介手数料を足します。当社が買い取る場合は仲介手数料はかかりません。買主が解体や家財の処分を引き受ける買取なら、②の解体費は売主の手元から出ず、その分は①の査定額の側で引かれています。費用の項目ごとの中身は「不動産売却の費用一覧」の記事で一つずつ確かめられます。

⑤の取得費は、相続した家なら親が買ったときの額を引き継ぎます(所得税法第60条第1項)。親が持っていた期間もそのまま引き継ぐので、所有期間が5年を超えるかどうかも、親が買った時点から数え、売った年の1月1日時点で判定します(租税特別措置法第31条)。売買契約書が見つからないときの取得費の扱いは、国税庁の案内か税務署で確かめてください。⑥の譲渡所得は、売った額から取得費と譲渡費用を引いて求めます(所得税法第33条)。国税庁の案内(No.1440 譲渡費用となるもの)では、印紙代や売るための取壊しの費用は譲渡費用に入りますが、抵当権を消す登記や住所を直す登記の費用は入りません。そのため③は④の手取りからは引き、⑥の計算には入れていません。⑥がそのまま残るか、⑦のように0円になるかで、翌年の税がまるで変わります。

2. 相続した空き家の3,000万円控除が使えるかを当てはめる

試算表の⑦で使ったのは、被相続人が一人で住んでいた家屋とその敷地を相続した相続人が、一定の要件を満たして売却した場合、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる制度です(租税特別措置法第35条第3項、国税庁 No.3306)。令和6年1月1日以後に売った場合、その家と土地を相続した人が3人以上いると、1人あたりの上限は2,000万円になります。

主な要件の1つが、売る時期です。相続が始まった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売る必要があります。2024年6月に親が亡くなったなら、3年を経過するのは2027年6月で、その年の12月31日である2027年12月31日が期限になります。売った代金が1億円以下であることや、家屋を耐震基準に合わせるか取り壊すことも要件に入ります。令和6年1月1日以後の売却なら、売った年の翌年2月15日までに買主が耐震改修か取壊しをする場合も対象になります。制度そのものの適用期限は令和9年12月31日までです。

ほかにも、親が亡くなる直前に一人で住んでいたこと、親が建てた時期、相続の後に貸したり住んだりしていないことなどの要件があります。全部を満たすかは国税庁の案内で確かめてください。相続税を納めた方は、納めた相続税の一部を取得費に加える特例(租税特別措置法第39条)とどちらか一方を選ぶことになります。どの要件で使えなくなりやすいかは、「空き家3000万円控除の条件」の記事で、自分の家に当てはめて判定できます。

控除を使うなら、期限から逆算して、相続登記と売却の日程を組みます。耐震の工事や取り壊しを誰が、いつまでに済ませるかによって、売り方の選び方も変わります。控除が使えないと分かったら、試算表の⑥がそのまま税の計算の土台になります。その場合は、所有期間と税額を税務署か税理士に確かめてから、売る年を決めてください。

売値から手取りと税の対象額を出す流れ

  • 基準となる売値1,000万円
  • 売却にかかる費用120万円
  • 名義変更の費用20万円
  • 税を引く前の手元資金860万円
  • 親が購入した時の額300万円
  • 税の対象となる額580万円
  • 3000万円控除の適用後0万円

なお、この記事の税務・法務に関する記載は一般的な情報提供であり、個別の事案についての判断ではありません。適用の可否や具体的な税額については、税務署または税理士、登記については司法書士、境界や隣地との権利関係については弁護士や土地家屋調査士など、それぞれの専門家にご確認ください。当社は不動産の買主であり、税務や法律の代理はできません。

「空き家を売ると手取りはいくら?売値から費用を引く試算と3,000万円控除」について、そのまま聞けます。

当社に空き家の買取を相談すると、入金までは何日かかる?

当社が買い取る条件・買い取れない条件と、実際の買取事例は「当社の買取基準」にまとめています。

「当社に空き家の買取を相談すると、入金までは何日かかる?」について、そのまま聞けます。

空き家の相場を確かめたあとに決めること

  • 相場の土台は、実家の近くで実際に取引された土地と中古の戸建ての価格です。不動産情報ライブラリで面積や時期の近い取引例を拾い、査定額との差に何が引かれているかを聞いてください。
  • 売る前に、登記簿で名義を確かめ、相続登記の期限を数えます。期限は施行日の2024年4月1日と、相続を知った日の遅い方から3年です。名義が親のままでは、引き渡しの日を置けません。
  • 手取りは、売値から印紙代や登記・解体の費用を引き、3,000万円控除が使えるかで決まります。控除には売る時期の期限があり、相続が始まった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までです。

当社は相続した空き家を片付け前のまま買い取り、近くの取引価格から解体と処分の費用を引いた額を、引いた項目ごとにお出しします。

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空き家の相場と相続した実家の売却についてよくある質問

Q1. 空き家を3年間放置すると、100万円以上の罰金がかかりますか

空き家にしておいた年数で罰金がかかる決まりはありません。お金の負担が出るのは、決まった手続きを怠ったときや、自治体の命令に従わなかったときです。相続登記を正当な理由なく期限までに申請しないと、10万円以下の過料の対象になります(法務省の相続登記の申請義務化の案内)。

空家法では、特定空家等の所有者が市町村長の勧告に続く命令に従わないと、代執行に進むことがあります(空家等対策の推進に関する特別措置法第22条)。命令に違反したときの50万円以下の過料は、同法第30条に定められています。そこまで行く前に、勧告の段階で固定資産税の住宅用地の特例が外れます。年数を数えるより、指導の文書が届いていないか、窓や庭木の状態が近所に迷惑をかけていないかを確かめてください。

Q2. 空き家の固定資産税はいくらですか

家ごとに違い、決まった額はありません。毎年届く納税通知書の課税明細に、土地と建物それぞれの課税標準額が書かれています。その額に市町村の税率を掛けたものが税額です。住宅が建っている土地なら、課税標準額は特例で下がった後の額になっています。

この特例が、市町村の勧告を受けると外れます。特例の中身と外れる流れは、「空き家の相場を下げる、建物の傷み・名義・持ち続ける負担」の節にある固定資産税と管理の負担のところにまとめてあります。課税明細の住宅用地の欄に面積が入っているかを見ると、いま特例が使われているかが分かります。

Q3. 空き家は一般的に何年で住めなくなりますか

何年で住めなくなるという決まった年数はありません。同じ築年数でも、月に一度でも換気と通水をしている家と、閉め切ったままの家では、傷みの進み方がまるで違います。屋根や外壁から水が入ったかどうかが、大きな分かれ目です。

住めるかどうかの目安になるのは、天井や壁の雨じみ、床の沈み、柱の根元の傷み、カビの広がりです。これらが出ているなら、業者の査定は直して使う前提から、解体を前提にした計算に移っていきます。通う回数を増やせないなら、傷みが軽いうちに査定を受けて、いまの状態での値段を知っておくと判断がしやすくなります。

Q4. なぜ空き家は売らないまま置かれるのですか

よくあるのは、名義が親のままで相続人の話し合いが進んでいない、家財の片付けに手が回らない、思い出があって手放す決心がつかない、といった理由です。相場が分からず、売っても手元にいくら残るのか見当がつかないことも、決める手を止めます。

ただ、置いているあいだにも、固定資産税、管理の手間、建物の傷みは毎年積み重なります。売るかどうかを決める前に、近くの取引価格を調べ、試算表で手取りを出してみてください。持ち続けた場合に出ていく額と並べると、決めるための材料がそろいます。

Q5. 3,000万円で買った家は、20年後にどのくらいの価値になりますか

一律の数字はありません。土地と建物で考え方が違います。建物は年数とともに値段が付きにくくなり、木造の古い家では取引の場でほとんど評価されないことがあります。土地は、その地域でいくらで取引されているかで決まり、買った時より上がることも下がることもあります。

自分の家で確かめるなら、不動産情報ライブラリで同じ地域の最近の取引価格を見るのが近道です。売ったときの税の計算では、買った額が取得費の土台になります。建物の部分は、年数に応じて取得費が減る計算になります。その計算の方法は国税庁の案内か税務署で確かめてください。

Q6. 2026年以降、空き家の扱いはどう変わりますか

いまの時点で決まっている期限を、日付で押さえておくことが先です。2024年4月1日より前から相続を知っていた方は、相続登記の申請の期限が2027年3月31日です。相続した空き家の3,000万円控除は、令和9年12月31日までに売ったものが対象とされています。

令和5年12月13日に施行された改正空家法では、管理不全空家等として勧告を受けると、固定資産税の住宅用地の特例が外れるようになりました。どの期限が自分に当てはまるかをカレンダーに書き出し、いちばん早く来るものから順に、相続登記、査定、売る日の置き方を決めてください。

当社の見方

相続したご実家の相場を調べる方は多いのですが、ご相談の中では、相場の金額と実際に手元に残る額の差に驚かれる方もいます。当社では、手取りを試算するときは、一般に売買契約書の印紙代、抵当権の抹消登記の費用、住所変更登記の費用、相続した物件では相続登記の費用を差し引いて考えるようお伝えしています。ご負担いただく費用やご用意いただく書類は個別のご案件によりますが、相続した物件では登記識別情報または権利証などに加えて戸籍などの書類が追加で必要になるため、早めに揃え始めると手続きも進めやすくなります。当社の買取では、ご相談から買取価格のご提示までが目安30分、ご契約までが目安1〜2週間、お引き渡しは早ければ2週間以内で、お引き渡しと同時にご入金しますので、手取りの時期も見通しやすいと考えています。全国(47都道府県)に対応しており、遠方のご実家でもご相談いただけます。また、買い取れない物件や、売らないほうがよい場合は、正直にそうお伝えしています。

当社が買い取る物件・お断りする物件と、買取価格の決まり方は、当社の買取事例76件の内訳とあわせて当社の買取基準にまとめています。

この記事について

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リアテクス編集部株式会社リアテクス当社(宅地建物取引業 東京都知事(1)第107888号)は物件を直接買い取る買主の立場から、売却を検討する方の判断材料となる記事を企画・編集しています。
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薩摩 賢幸薩摩 賢幸株式会社リアテクス 取締役COOこの区分の監修を担当しています。記事の公開判断は当社が行っています(代表が定めた手順による)。確認・公開判断:薩摩 賢幸(株式会社リアテクス 取締役COO)
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