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空き家

空き家が売れない理由は?相続した実家を手放す3つの道

公開 更新

執筆
株式会社リアテクス リアテクス編集部
監修
株式会社リアテクス 取締役COO 薩摩 賢幸
空き家が売れない理由は?相続した実家を手放す3つの道

「親の家を相続したが、空き家のまま売りに出しても問い合わせが来ない」。相続登記の状況、書類のそろい具合、3,000万円控除の期限の3つを確かめれば、仲介を続けるか、買取に切り替えるか、国庫帰属を考えるかが決まります。

当社は売れない空き家を現況のまま自己資金で買い取り、代金はお引き渡しと同じ日にお支払いします。建物を壊しても再販の見込みが立たない土地には、金額をお出しできないことがあります。この家が買い取れるかどうかだけ、先に聞く(無料)

目次(6章)

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空き家が売れない理由は?相続した実家を手放す3つの道の要点を、定義・この記事でわかること・よくある質問の順に短くまとめた動画です。

相続した空き家が売れないのはなぜ?放置で増える負担と2つの期限

木造住宅の居間で、テーブルを囲んで話し合いをしている家族

相続した空き家が売れないのは、立地・建物・土地の条件が、住宅ローンで家を探す一般の買主の希望から外れているためです。

外れたまま持ち続けると、税と管理の負担が毎年積み上がります。売る時期は、相続登記と3,000万円の特別控除の2つの期限に縛られます。

一般の需要が届かない、空き家が売れない4つの要因

売れない原因は、物件そのものの側と、売り出し方の側に分かれます。物件の側は自分では動かせません。売り出し方の側は動かせます。要因は次の4つです。

  • 立地の要因:駅や買い物の拠点から遠く、住む目的で家を探す人がそもそも少ない地域にある
  • 建物の要因:築年数が古く、水回りや屋根を直す前提でないと住めない状態になっている
  • 土地の要因:敷地が道路に2m以上接しておらず、今の建物を壊すと建て直せない
  • 売り出し方の要因:近くの取引より高い価格のまま、家財も残した状態で売り出している

田舎の空き家が売れない主な理由は、立地の要因です。家を買う一般の人の多くは、住宅ローンを組みます。働く場所や学校に通える範囲で探すので、通えない地域の家は候補に入りません。買う人の数が少ない地域では、価格を下げても問い合わせが増えにくくなります。

建物の要因は、住宅ローンの審査にも響きます。金融機関は建物を担保として見ます。直さないと住めない古い家は、担保として評価されにくくなります。買主は工事費を自己資金で用意することになります。手元に現金のある買主は限られます。

土地の要因は、もっとも動かしにくい要因です。建築基準法第43条は、建物の敷地が道路に2m以上接することを求めています。ここでいう道路の定義は同法第42条にあります。幅の足りない通路は、特定行政庁の指定が無い限り道路に当たりません。接道の条件を満たさない敷地では、古い家を壊しても新しい家が建てられません。建て替えたい一般の買主は、ここで離れていきます。

売り出し方の要因だけが当てはまるなら、話は早く進みます。価格を近くの取引に合わせ、家財を片付ければ、問い合わせが戻ることがあります。立地・建物・土地の要因が重なっている家は、売り出し方を直しても一般の需要が戻りません。その場合は、一般の買主以外の相手に売る道を考えることになります。

空き家が売れない4つの要因

  • 立地の要因(動かせない)

    駅や買い物から遠く、住む目的で探す人が少ない

  • 建物の要因(動かせない)

    古く、水回りや屋根を直さないと住めない

  • 土地の要因(動かせない)

    道路に2m以上接しておらず、建て直せない

  • 売り出し方の要因(動かせる)

    近くの取引より高く、家財も残したまま

売れない空き家を放置するリスクと、市町村の指導・勧告

売れないまま管理を止めると、市町村から指導を受けます。改善しなければ勧告に進むことがあります。根拠は空家等対策の推進に関する特別措置法第13条です。市町村長は、所有者に指導ができます。対象は、管理が行き届かず、このままでは特定空家等になるおそれのある家です。指導のあともなお状態が悪いときは、勧告ができます。特定空家等になるおそれが大きい場合が対象です(空家等対策の推進に関する特別措置法(e-Gov法令検索))。

勧告を受けると、固定資産税の扱いが変わります。家が建っている土地は、住宅用地として課税標準が下げられています。価格の3分の1、200平方メートル以下の部分は6分の1です(地方税法第349条の3の2)。勧告を受けた家の敷地は、この特例の対象から外れます。外れるのは勧告のすぐ後ではありません。勧告のあと最初に来る1月1日(賦課期日)にも勧告が続いていれば、外れます。その日を基準とする年度の分からです。2026年10月の勧告なら、2027年度分から外れます。どの段階で税額がどれだけ動くかは、「空き家の固定資産税が6倍になる条件」の記事に勧告までの流れと合わせて書いています。

さらに状態が悪い家は、同法第22条の特定空家等として扱われます。市町村長は助言・指導、勧告、命令と段階を進めます。命令に従わなければ代執行ができます。代執行の費用は、所有者に請求されます。

税の外側にもデメリットがあります。屋根材が飛ぶ、塀が倒れる、庭木が隣の敷地へ伸びる。こうした事故で他人に損害を出すと、所有者が責任を問われる場面があります。どこからが所有者の責任になるかは、「空き家の放置で責任と賠償を負う条件」の記事にまとめています。

持ち続ける間の費用も止まりません。固定資産税、火災保険料、草刈りや庭木の手入れ、通う交通費。売れない期間が長いほど、手元に残る額はその分だけ減ります。

空き家を売るなら確かめる、相続登記と3,000万円控除の2つの期限

相続した空き家には、相続登記の申請と、3,000万円の特別控除という2つの期限があり、たいていは控除の期限の方が先に来ます。

相続登記の申請は、2024年4月1日から義務になりました(不動産登記法第76条の2)。期限は、相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内です。義務化の前に相続していた場合も、申請は必要です。この場合の期限は、施行から3年後の2027年3月31日に置かれています。正当な理由なく申請しないと、10万円以下の過料の対象になることがあります(同法第164条)。名義が亡くなった親のままでは、売買の契約をしても買主へ名義を移せません。登記は売るための前提でもあります。

もう1つの期限は、相続した空き家を売ったときの3,000万円の特別控除です。売る期限は、相続が始まった日から3年を経過する日が属する年の12月31日までです。この特例そのものにも期間があります。対象は平成28年4月1日から令和9年12月31日までの売却です(租税特別措置法第35条第3項)。

日付で並べると、前後がはっきりします。親が2023年6月に亡くなった場合を考えます。相続を知った日も2023年6月とします。

  • 3,000万円控除で売る期限:3年を経過する日は2026年6月で、その年の12月31日なので2026年12月31日
  • 相続登記の期限:2024年4月1日より前に相続を知っているので2027年3月31日

この例では、控除の期限が登記の期限より3か月早く切れます。登記の期限だけを見て構えていると、控除の期限を先に逃します。相続が2024年以降なら、控除の期限は令和9年12月31日で頭打ちになることも覚えておいてください。自分の家の2つの日付は、書き出せば分かります。起点は、相続が始まった日と、相続を知った日です。

物件の要因と売り出し方の要因

観点物件の要因売り出し方の要因
自分で動かせるか自分では動かせない自分で動かせる
要因の種類立地・建物・土地価格・家財
具体的な状態需要が少ない、直さないと住めない、建て直せない近くの取引より高い、家財が残っている
価格との関係価格を下げても問い合わせが増えにくい価格の見直しで改善できる

「相続した空き家が売れないのはなぜ?放置で増える負担と2つの期限」について、そのまま聞けます。

自分の売れない空き家は仲介・買取・国庫帰属のどれ?場合別の分かれ目

周囲に畑が広がる木造住宅の外観と、庭先で草むしりをしている家族

売れない空き家の出口は仲介・買取・国庫帰属に分かれ、どれに進むかは登記と書類のそろい具合と3,000万円控除の期限で決まります。

仲介は、一般の買主を探し続ける道です。買取は、事業者に今の状態のまま買ってもらう道です。国庫帰属は、建物を壊したうえで、土地だけを国に引き取ってもらう道です。手元に残る額と、手放すまでの期間と、先に払う費用が、それぞれ違います。

1. 田舎の空き家を売却するコツと、仲介を続けてよい条件

仲介を続けてよいのは、次の2つがそろう家です。近くで同じような家や土地の取引があること。控除の期限まで売り出しを続ける時間があること。この2つがそろえば、価格と見せ方を直すことで買主が見つかる見込みがあります。

田舎の空き家を売却するコツは、需要のある相手に向けて売り出し方を変えることです。住む家を探す人だけでなく、畑付きの家を探す人、資材置き場を探す事業者、隣の土地の持ち主も買主になり得ます。隣地の所有者は、敷地を広げたい事情を持っていることがあります。売り出す前に声をかける相手として、最初に考えてください。

市町村が運営する空き家バンクに登録する方法もあります。移住を考える人が地域から家を探すときの窓口です。登録の条件や、仲介する事業者との関わり方は市町村ごとに違います。役場の担当課で確かめてください。

価格は、近くの取引価格に合わせて決め直します。思い入れや、昔の購入価格や、固定資産税の評価額は、買主の判断の物差しになりません。調べ方は「売れない空き家を手放す準備は?取引価格・登記・控除の3つの手順」の章の1つ目の手順に書いています。

家財は、売り出す前に片付けると内覧の印象が変わります。建物が古すぎて住む前提で見てもらえないなら、解体して土地として売る方法もあります。解体費と、解体した翌年度からの固定資産税の増え方を並べて決めることになります。この比べ方は「空き家の解体費用はいくらかかるか」の記事に整理しています。

解体や改修の費用に補助金を出している市区町村もあります。補助の対象になる建物の条件や申請の時期は、自治体ごとに決まっています。工事の契約より前に申請が要る制度もあるので、見積りを取る段階で窓口に順番を確かめてください。

仲介で売ると、成約したときに仲介手数料がかかります。上限は宅地建物取引業法第46条にもとづく国土交通大臣の定めで決まっています。媒介契約を結んだら、仲介する業者は契約の内容を書いた書面を渡す決まりです(同法第34条の2)。売り出し価格と契約の期間を、その書面で確かめておいてください。

当てはまらないのは、控除の期限がすぐそこまで来ている家と、近くに取引の記録がほとんど無い家です。待つほど期限が近づき、保有の費用が増えます。売れない実家を前に、売る・貸す・残すの費用を比べたい場合は、「田舎の実家を処分する方法」の記事で分かれ目を確かめられます。

仲介を続けてよい2つの条件

  • 近くの取引実績があるか

    近くで同じような家や土地の取引がある

  • 控除の期限まで時間があるか

    3,000万円控除の期限まで売り出しを続けられる

2. 空き家買取業者に切り替える場合と、選ぶポイント

買取に切り替えるのは、仲介で売り出しを続けても期限までに契約が見込めない家と、直さないと住めない家です。事業者は一般の買主と違い、直すか壊すかの費用を自分で負担する前提で買います。そのため、一般の需要が届かない家でも買主になれます。

その代わり、価格は仲介で売れた場合の想定より下がります。事業者の提示額は、次に売れる見込みの額が出発点です。そこから、解体や修繕の費用を引きます。売れるまでの保有の費用と、事業者の利益も引いて組み立てます。

価格と引き換えに得られるのは、日程の読みやすさです。買主を探す期間がありません。自己資金で買う事業者なら、住宅ローンの審査を待つこともありません。家財が残ったままでも、建物が傷んでいても、今の状態で引き渡せます。

空き家買取業者を選ぶポイントは、次の4つです。

  • 宅地建物取引業の免許番号が書かれていて、国土交通省や都道府県の名簿で確かめられるか
  • 提示額の内訳(解体費・家財の処分費など何を引いたか)を書面で出すか
  • 代金を払う日と、名義を移す登記の日が同じ日になっているか
  • 引き渡し後に見つかった不具合の責任を、契約書でどこまで免除するのか

内訳を書面で出さない業者は、契約の直前に金額を下げる余地を残しています。責任の免除の範囲は、契約書の特約の欄で読みます。売主が知っていながら伝えなかった不具合は、免除の特約があっても責任が残ります。不具合は先に全部伝えておく方が、後から揉めません。業者の比べ方は「訳あり物件の買取業者の選び方」の記事に書いています。

仲介手数料は、仲介で成約したときに払う報酬です。当社が買い取る場合は仲介手数料はかかりません。買取と仲介の手取りを比べるときは、仲介の想定価格から手数料と、売れるまでの保有の費用を引いた額どうしで比べてください。

近くで一般の買主がつく家では、買取の提示額との差が大きくなります。期限に余裕があるなら、仲介を先に試す方が手元に残る額は多くなります。

仲介・買取・国庫帰属の分かれ目

  1. 1

    近くの取引実績を確認

    同じような家や土地の取引があるか調べる

  2. 2

    控除の期限を確認

    3,000万円控除の期限まで時間があるか見る

  3. 3

    両方満たすなら仲介

    価格や見せ方を直して一般の買主を探し続ける

  4. 4

    満たさないなら買取等

    期限が近い場合などは買取や国庫帰属を検討する

3. 売れない空き家の土地を国に引き渡す、相続土地国庫帰属制度

国庫帰属は、建物を解体したうえで、相続した土地を国に引き取ってもらう制度で、売れない土地の最後の出口になります。相続土地国庫帰属制度は令和5年4月27日に始まりました。相続で取得した土地を、一定の要件のもとで国に引き渡せます。

建物が建っている土地は、申請ができません。相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律第2条第3項は、申請できない土地の1つ目に、建物のある土地を挙げています(相続土地国庫帰属制度について(法務省))。空き家が建ったままなら、解体が先です。解体費は所有者の負担になります。

申請のあとには審査があります。承認されると、負担金を納めて国に引き渡します。負担金は、宅地は原則20万円です。審査の手数料は、土地1筆あたり14,000円です。売るのではないので、代金は入りません。手元に残る額は、解体費と手数料と負担金の分だけマイナスになります。

それでもこの制度を考えるのは、建物を壊しても誰も買わない土地です。固定資産税と管理の費用を、相続人が何十年も払い続けることになるからです。売る・譲る・国に渡すなど、引き取り先ごとの費用を並べたいときは「空き家の引き取り先を比較」の記事が使えます。

解体費を用意できない家や、事業者なら買う見込みのある土地は、国庫帰属に向きません。解体費を払ってから国に渡すより、建物ごと今の状態で売る方が、手元のお金が減らずに済みます。

田舎の空き家を仲介で売るコツは?

住む目的以外の人にも目を向け、需要のある相手に合わせて売り出し方を変えることです。

  • 最初に隣地の所有者へ声をかける
  • 畑付きの家や資材置き場として売り出す
  • 移住者向けに空き家バンクへ登録する

4. 売れない空き家の出口を決める診断チェック表

上から順に答えてください。止まったところの「合う出口」が、いま考える出口です。

チェックすること当てはまる答え合う出口
1. 相続登記の準備は進んでいるか遺産の分け方が決まらず、登記の準備に入れない遺産分割と相続登記が先。出口はそのあとで選ぶ
2. 権利証・印鑑証明書・固定資産税の通知書はそろうか権利証が見つからない、通知書が手元に無い再発行や司法書士への相談を先に始め、3へ進む
3. 控除の期限まで、売り出しを続ける時間があるか時間があり、近くで同じような取引がある仲介を続ける
4. 価格を近くの取引に合わせても問い合わせが来ないか来ない、または期限が近い買取に切り替える
5. 建物を壊しても、事業者を含めて買い手がつかないかつかない。解体費と負担金を払っても手放したい国庫帰属を考える

3と4は、同じ家でも時期によって答えが変わります。期限が近づいたら、もう一度3から答え直してください。

「自分の売れない空き家は仲介・買取・国庫帰属のどれ?場合別の分かれ目」について、そのまま聞けます。

売れない空き家を手放す準備は?取引価格・登記・控除の3つの手順

書類を確認している家族の手元(木造テーブルの上で)

手放す準備は、近くの取引価格を調べ、登記と書類をそろえ、3,000万円控除の要件を確かめる、の3つの手順で進めます。

1. 空き家の近くの取引価格を、不動産情報ライブラリで調べる

最初に調べるのは、空き家のある地域で実際に取引された価格です。国土交通省の不動産情報ライブラリでは、地域と時期を指定して、取引の価格を地図や一覧で見られます。

見るときは、条件を自分の家に近づけます。土地だけの取引か、土地と建物の取引か。面積はどのくらいか。駅や幹線道路からどのくらいか。条件の違う取引を並べても、比べる物差しになりません。

数件しか出てこない地域もあります。それ自体が、需要の少なさを示す材料です。何年分かをさかのぼっても取引が見つからないなら、仲介で一般の買主を待つ見通しは立ちにくくなります。

ここに出るのは、一般の買主との間で成立した価格です。古い家が建ったままの状態での事業者の買取価格とは違います。仲介の売り出し価格を決める物差しとして使い、買取の提示額はそれより低くなると考えておいてください。

価格が分かったら、自分の売り出し価格と並べます。売り出し価格が近くの取引より高いなら、売れない原因は売り出し方の要因かもしれません。近くの取引と同じ水準でも問い合わせが無いなら、立地・建物・土地の要因が効いています。

売れない原因を見分ける流れ

  1. 1

    近くの取引価格を調べる

    不動産情報ライブラリで実際の取引価格を見る

  2. 2

    自分の価格と比べる

    調べた取引価格と自分の売り出し価格を並べる

  3. 3

    自分の価格が高い場合

    売り出し方に原因がある可能性が高い

  4. 4

    同じ水準で反応なし

    立地・建物・土地の条件に原因がある

2. 空き家を売れる状態にする登記と書類をそろえる

登記簿の名義と住所と担保の欄を見て、売る前に必要な手続きを洗い出します。登記事項証明書は法務局で取れます。見る欄と、先に要る手続きは次のとおりです。

登記簿の状態先に要る手続き相談する先
名義が亡くなった親のまま遺産分割協議と相続登記(戸籍などを集める)司法書士
登記簿の住所が、今の住所と違う住所変更の登記司法書士
完済したローンの抵当権が残っている抵当権の抹消登記(金融機関から書類を受け取る)金融機関と司法書士
遺産の分け方について話し合いがまとまらない家庭裁判所への調停などの申立て弁護士

相続登記は、売る相続人に名義を移す手続きです。遺産をどう分けるかの話し合いは、民法第907条で相続人どうしの協議によるとされます。協議が調わないときは家庭裁判所に申し立てます。話し合いの結果を遺産分割協議書にまとめ、戸籍などと合わせて申請します。

話し合いに時間がかかるなら、相続人申告登記という手続きもあります(不動産登記法第76条の3)。自分が相続人であることを登記官に申し出るものです。相続登記の義務を果たすための手続きとして使えます。ただし名義は移らないので、この手続きだけでは売れません。

売るときに必要になる書類も、ここで手元を確かめます。権利証または登記識別情報、印鑑証明書、固定資産税の納税通知書が、多くの売買で求められます。権利証が見つからない場合は、早めに司法書士へ相談してください。本人であることを別の方法で確かめる手続きに、時間がかかることがあるからです。

3. 3,000万円の特別控除が売れない空き家に使えるかを確かめる

控除が使えるかどうかで、同じ価格で売っても翌年の税が大きく変わるので、売る形を決める前に要件を確かめます。この特例は、被相続人が一人で住んでいた家屋とその敷地を相続した人が対象です。一定の要件を満たして売却すると、譲渡所得から最大3,000万円を控除できます(国税庁タックスアンサーNo.3306)。

使えるかを分ける主な要件は、次のとおりです。

  • 売る期限:相続が始まった日から3年を経過する日が属する年の12月31日まで
  • 特例の期間:平成28年4月1日から令和9年12月31日までの売却
  • 売る価格:対価が1億円以下
  • 建物の扱い:売る前に耐震基準に合わせるか取り壊す。令和6年1月1日以後の売却は、売った年の翌年2月15日までに買主が耐震改修か取壊しをした場合も対象
  • 他の特例との関係:相続税の取得費加算(租税特別措置法第39条)を受ける売却は対象外

これは要件の全部ではありません。建物が建てられた時期や、亡くなる直前に誰が住んでいたかなど、ほかにも要件があります。全部の要件と添付書類は国税庁のページで確かめてください。令和6年1月1日以後に売る場合、家屋と敷地等を取得した相続人が3人以上いるときは、1人あたりの控除が2,000万円までです。

古い家を今の状態のまま売るなら、買主が翌年2月15日までに耐震改修か取壊しをすることを契約で決めておかないと、控除が使えなくなることがあります。要件の細かい判定のしかたは、「空き家3000万円控除の条件」の記事で順に確かめられます。

なお、この記事の税務・法務に関する記載は一般的な情報提供であり、個別の事案についての判断ではありません。適用の可否や具体的な税額については、税務署または税理士、登記については司法書士、境界や隣地との権利関係については弁護士や土地家屋調査士など、それぞれの専門家にご確認ください。当社は不動産の買主であり、税務や法律の代理はできません。

「売れない空き家を手放す準備は?取引価格・登記・控除の3つの手順」について、そのまま聞けます。

売れない空き家を当社が買い取る場合、入金まで何日?

当社が買い取る条件・買い取れない条件と、実際の買取事例は「当社の買取基準」にまとめています。

「売れない空き家を当社が買い取る場合、入金まで何日?」について、そのまま聞けます。

空き家が売れないときに先に決める3つのこと

  • 売れない原因が、売り出し方にあるのか、立地・建物・土地にあるのかを分けます。近くの取引価格と並べて問い合わせが来ないなら、一般の需要が届いていません。その場合は、売り出し方を直すより相手を変える方が先です。
  • 2つの期限を日付で書き出します。3,000万円控除で売る期限は、相続が始まった日から3年を経過する日が属する年の12月31日です。相続登記の期限より先に切れることが多いので、控除の期限から逆に数えて出口を決めます。
  • 出口は、診断チェック表の上から順に答えて決めます。期限に余裕があり近くで取引があれば仲介、期限が近いか問い合わせが来なければ買取、建物を壊しても買い手がつかなければ国庫帰属です。

当社は売れない空き家を今の状態のまま買い取りますが、近くで一般の買主がつく家は仲介を先に試すようお伝えし、再販の見込みが立たない土地には金額をお出しできないことがあります。

査定は無料・売却の義務なし
0120-996-748受付時間10:00〜19:00(水・日曜定休)

通話料無料・全国対応

この先は、当社の買取窓口「買取くん」のページです(運営は同じ株式会社リアテクスです)。

売れない空き家の売却でよくある質問

Q1. 売れない実家はどうすればいいですか

まず、近くで実際に取引された価格を調べ、自分の売り出し価格と並べてください。売り出し価格が高いだけなら、価格を合わせ、家財を片付けることで問い合わせが戻ることがあります。近くの取引と同じ水準でも反応が無いなら、一般の買主の需要が届いていない家です。その場合は、控除の期限を確かめたうえで、買取に切り替えるか、建物を壊して国に引き渡す制度を考えます。どちらに進むかは、「4. 売れない空き家の出口を決める診断チェック表」で順に答えると決まります。

Q2. 空き家が売れない理由は何ですか

理由は、立地・建物・土地・売り出し方の4つの要因に分かれます。通勤や通学に向かない地域にある、直さないと住めない、建て直せない敷地である、価格が近くの取引より高い。このうち売主が自分で動かせるのは、売り出し方だけです。ほかの3つが重なる家は、住宅ローンを使う一般の買主の候補から外れます。

Q3. 売れない空き家は、5年待てば値上がりしますか

5年後の価格は、誰にも約束できません。判断の材料にできるのは、同じ地域の過去の取引価格の動きです。不動産情報ライブラリで、何年分かの取引をさかのぼって見てください。もう1つ考えておくのは、5年持つ間に出ていくお金です。固定資産税、保険料、管理の費用が5年分かかります。古い家なら、傷みも進みます。さらに相続した空き家は、5年待つと3,000万円の特別控除の期限を過ぎることがあります。価格が同じでも、控除が使えるかどうかで手取りが大きく変わります。

Q4. 不動産屋が一番嫌がることは何ですか

買主の立場で困るのは、金額を決めたあとに、売主が知っていた不具合を初めて知らされることです。雨漏りの跡、床下の傷み、敷地に埋めた物。契約の直前に出てくると、金額を組み直すことになります。先に伝えていただいた不具合は、その分を見込んだ金額として出せます。あとから出た不具合は、減額か契約の白紙かの話になりがちです。知っていることは、最初の相談で全部伝える方が、結果として話が早く進みます。

Q5. 空き家を解体してから売った方が売れますか

建て直しを考える一般の買主が多い地域では、更地の方が売れやすくなることがあります。ただし、解体費は売主の負担です。また固定資産税は1月1日の状態で決まるので(地方税法第359条)、その日に建物が無ければ、住宅用地の特例(地方税法第349条の3の2)が外れた税額になります。更地のまま売れない期間が続くと、その差額を毎年払うことになります。解体費と税の増え方を、「空き家の解体費用はいくらかかるか」の記事で並べてから決めてください。建て直せない敷地では、解体しても買主は増えません。

Q6. 相続登記が終わっていなくても、空き家の売却を相談できますか

相談はできます。金額のご提示と、契約やお引き渡しの日程の相談は、登記の前から進められます。名義を買主に移すには相続登記が要るので、お引き渡しの日から逆に数えて、司法書士と登記の日程を組みます。相続登記は不動産登記法第76条の2で義務になっていて、相続を知った日から3年以内、2024年4月1日より前に知っていた人は2027年3月31日が期限です(相続登記の申請義務化について(法務省))。遺産の分け方の話し合いがまとまっていない段階では、契約の日付を決めない方が安全です。

当社の見方

ご相談の中では、相続した実家を仲介で売りに出したものの買い手が見つからず、固定資産税だけを払い続けているという方が多くいらっしゃいます。古い建物や再建築が難しい土地、底地・借地権のように権利が入り組んだ物件は一般の買い手が付きにくい一方で、当社のように扱い慣れた買取会社なら値が付くこともあります。当社は全国(47都道府県)に対応しており、ご相談から買取価格のご提示までが目安30分、ご契約までが目安1〜2週間、お引き渡しは早ければ2週間以内で、お引き渡しと同時にご入金します。相続した物件では、登記識別情報または権利証などに加えて戸籍などの書類が必要になり、相続登記の費用もかかりますが、ご用意いただく書類やご負担いただく費用は個別のご案件によります。売却後もしばらく住み続けたい場合はリースバックも積極的にお受けしており、買い取れない物件や売らないほうがよい場合は、正直にそうお伝えしています。売る・貸す・持ち続けるのどれが合うかも含めて、まずはお気軽にご相談ください。

当社が買い取る物件・お断りする物件と、買取価格の決まり方は、当社の買取事例76件の内訳とあわせて当社の買取基準にまとめています。

この記事について

執筆・編集
リアテクス編集部株式会社リアテクス当社(宅地建物取引業 東京都知事(1)第107888号)は物件を直接買い取る買主の立場から、売却を検討する方の判断材料となる記事を企画・編集しています。
監修
薩摩 賢幸薩摩 賢幸株式会社リアテクス 取締役COOこの区分の監修を担当しています。記事の公開判断は当社が行っています(代表が定めた手順による)。確認・公開判断:薩摩 賢幸(株式会社リアテクス 取締役COO)
公開・更新
公開 更新 内容を見直したときは、この日付と改訂の内容を更新しています。情報の確認日 (出典の公的資料を開いて内容を確かめた日)
この記事の事実確認の方法
法令:空家等対策の推進に関する特別措置法出典:法務省、国税庁
記事の作り方
この記事は、当社の担当者が事実確認を行ったうえで公開しています。

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