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空き家

空き家の固定資産税はいくら?評価額から出す年額と上がる条件

公開 更新

執筆
株式会社リアテクス リアテクス編集部
監修
株式会社リアテクス 取締役COO 薩摩 賢幸
空き家の固定資産税はいくら?評価額から出す年額と上がる条件

「親が亡くなった実家の固定資産税は、これからどうなって、毎年いくら払うことになるのか」。毎年の税額は通知書の課税標準額に税率を掛けた額で、親が亡くなっても止まらずに1月1日時点で家を持つ相続人が払い、家が建っていて勧告を受けない限り土地の特例は続きます。

当社は空き家を買主として買い取り、その年度の固定資産税の日割りと滞納分は決済の日に精算しますが、滞納した税と借入の残りが代金を上回って差押えを外せないときは買い取れません。この家が買い取れるかどうかだけ、先に聞く(無料)

目次(6章)

空き家の固定資産税の通知書を手元に置いて相談できます

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空き家になった実家にも、人が住んでいた頃とほぼ同じ額の固定資産税が毎年かかります。住んでいないことを理由に安くなる仕組みはありません。税額が上がるのは、市区町村から勧告を受けたときと、建物を取り壊して更地にしたときです。いくら届くかは、毎年の納税通知書に載っている評価額から、自分で計算できます。

空き家の固定資産税はいくら?評価額に1.4%を掛け、土地は特例で下がる

家族が居間のテーブルに座り、届いた封筒の中身を確認している

空き家の固定資産税の基本は、課税標準額に標準税率1.4%を掛けた額です。家の建つ土地は、特例で評価額より低く抑えられています。税率は地方税法第350条が標準を1.4%と定めています。市区町村は条例でこれと違う税率を決めることもできます。空き家かどうかは、計算式のどこにも出てきません。人が住んでいても空いていても、計算は同じです。土地と建物がそこにあり、家が住宅として扱われている限り、同じ式で税額が決まります(地方税法(e-Gov法令検索))。

納税通知書の課税標準額に税率を掛けた額が、その年の固定資産税

毎年の税額をつかむいちばん早い方法は、市区町村から届く納税通知書の課税明細書を開くことです。明細書には、土地と建物ごとに「価格」と「課税標準額」が並んでいます。価格は市区町村が決めた評価額で、3年ごとの評価替えで見直されます。課税標準額は、その評価額に特例や調整をかけた後の、税を計算するもとになる額です。

税額は、この課税標準額に税率を掛けて出します。たとえば土地と建物の課税標準額を足して400万円なら、地方税法第350条の標準税率1.4%を掛けて年5.6万円です。通知書の税額とずれることもあります。そのときは、市区町村の税率が標準と違うか、都市計画税を足した額を見ているか、別の減額の措置が入っているかのどれかです。

相続した実家では、通知書が亡くなった親の宛名のまま届くことがあります。届いた通知書は捨てずに、年ごとに保管しておいてください。誰がいつ納めたかの記録は、相続人どうしで後から精算するときにも、売るときに日割りで分けるときにも使います。

通知書を失くしたときは、市区町村の資産税の担当課で、評価証明書や名寄帳を取れます。名寄帳には、同じ人がその市区町村に持っている土地と建物が一覧で載っています。相続人が請求するときは、亡くなった方との関係が分かる戸籍を求められます。

納め方は、一括で納めるか、条例で決まった納期ごとに分けて納めるかを選べます。相続人が実家から離れて暮らしているなら、口座振替を使えるかを通知書の案内で確かめてください。納期のたびに振り込む手間が減り、払い忘れによる督促も防げます。

固定資産税の確認に必要な書類

  • 納税通知書の課税明細書

    毎年の税額をつかむいちばん早い方法

  • 評価証明書や名寄帳

    通知書を失くしたときに市区町村の担当課で取る

  • 亡くなった方との関係が分かる戸籍

    相続人が名寄帳などを請求するときに必要

空き家でも、家が建つ土地は住宅用地の特例で6分の1か3分の1に下がる

家が建っている土地の課税標準額は、評価額の6分の1か3分の1に下げられています。地方税法第349条の3の2は、住宅の敷地のうち住宅1戸あたり200平方メートル以下の部分を小規模住宅用地として6分の1にすると定めています。それを超える部分は3分の1です。どちらの区分で計算されているかは、課税明細書の土地の行に、住宅用地の面積として載っています。

この特例は、そこに人が住んでいるかどうかでは決まりません。親が亡くなって誰も住んでいない家でも、住宅として建っていれば、敷地は住宅用地として扱われます。空き家にしたとたんに税額が跳ね上がる、ということは起きません。

当てはまらない場合もあります。総務省は、人が住むための手入れがされず、今後も住む見込みが無い家は住宅として扱わない場合がある、という考え方を市区町村に示しています。屋根が落ちている、長く放置されて住める状態に無い、と市区町村が判断した家が当たります。そうした家は、勧告が無くても敷地が特例から外されることがあります。

都市計画税がかかる地域では、これが上乗せされます。都市計画税は、原則として市街化区域の土地と建物に、市区町村が条例で課税します。住宅用地は地方税法第702条の3で課税標準が評価額の3分の2、小規模住宅用地は3分の1になります。税率は市区町村ごとに条例で決まっているので、通知書の都市計画税の欄で確かめてください。

空き家の固定資産税が決まる仕組み

  1. 1

    課税明細書を開く

    土地と建物ごとに並んでいる価格と課税標準額を見る。

  2. 2

    課税標準額に税率を掛ける

    課税標準額に標準税率1.4%などを掛けて税額を出す。

  3. 3

    納め方を選ぶ

    一括で納めるか、条例で決まった納期ごとに分けて納めるか選ぶ。

親が亡くなった後の固定資産税は、1月1日に家を持っている相続人に届く

親が亡くなった後に税を払うのは相続人です。固定資産税は、その年の1月1日に土地と建物を持っている人にかかります。地方税法第343条は、登記上の所有者が1月1日より前に亡くなっているときは、その日に現に所有している人を所有者として課税する、と定めています。名義が親のままでも、相続人が税を免れることはありません。

亡くなった日によって、扱いは2つに分かれます。年の途中で亡くなったときは、その年度の税はすでに親にかかっています。残りの納期の分は、親の支払いの義務を引き継いだ相続人が納めます(民法第896条)。次の年度からは、1月1日時点で実家を持っている相続人に直接かかります。

相続人が何人もいて遺産分割が済んでいないときは、実家は相続人みんなの共有です(民法第898条)。共有の不動産の税は、共有者が連帯して納める仕組みです。そのため市区町村は、誰か1人を代表者として通知を送ります。代表者を届けなければ、市区町村が選んだ相続人に届きます。現に所有している人の申告を求める書類が届いたら、期限までに返してください。

通知が届いた1人が、何年も自分の財布から払い続けている例は珍しくありません。払った人は、通知書と領収書を年ごとに残しておいてください。遺産分割で実家を誰が持つかを決めるとき、立て替えた税をどう分けるかも同じ席で話すことになります。

税の通知は名義と関係なく届きます。名義の書き換えを後回しにしても、税の面で得も損もありません。締め切りがあるのは登記の側です。不動産登記法第76条の2第1項により、相続人には名義を書き換える申請の義務があります。期限は、自分が実家を受け継いだと知った日から数えて3年です。この決まりが動き出したのは2024年4月1日です。それより前に親が亡くなっていても、対象から外れません。その時点ですでに知っていた人の締め切りは2027年3月31日です。施行の後に初めて知った人は、知った日から3年です(法務省の相続登記の申請義務化の案内)。通知書の宛名が親のままなら、名義がまだ動いていない合図です。自分がいつ相続を知ったかを書き出して、締め切りを確かめてください。亡くなった後の手続きを期限の順に並べたものは、「親が亡くなった後の家の手続き」の記事で確かめられます。

「空き家の固定資産税はいくら?評価額に1.4%を掛け、土地は特例で下がる」について、そのまま聞けます。

空き家の固定資産税はいくらまで上がる?勧告・更地・駐車場で特例が外れるとき

庭に生えた草を刈り込み、家の周りを手入れしている人の手元

上がるのは土地の分だけです。勧告を受けるか更地にして特例が外れると、土地の課税標準が評価額の6分の1や3分の1から引き上げられます。建物の分は、勧告なら変わらず、更地なら無くなります。駐車場にするために家を取り壊した場合も、更地と同じ扱いになります。

1. 勧告を受けた空き家は、次の1月1日から土地の特例が外れる

市区町村の勧告を受けた空き家は、勧告を受けた状態で1月1日を迎えた年度から、敷地が住宅用地の特例の対象外になります。地方税法第349条の3の2は、空家等対策の推進に関する特別措置法の勧告を受けた管理不全空家等と特定空家等の敷地を、特例から除いています。

勧告の前には段階があります。空家法第13条では、放っておくと特定空家等になるおそれのある管理不全空家等の所有者に、市町村長が指導します。それでも状態が改まらず、特定空家等になるおそれが大きいときは勧告できます。すでに周りへの影響が大きい特定空家等は、第22条で助言・指導から勧告、命令、代執行へと進みます(空家等対策の推進に関する特別措置法(e-Gov法令検索))。管理不全空家等への勧告は、2023年12月13日に施行された改正で加わりました。

特定空家等や管理不全空家等に当たると判断されただけでは、税は変わりません。変わるのは勧告を受けたときです(地方税法第349条の3の2)。指導の段階で、伸びた草木を刈る、割れた窓をふさぐ、屋根材が飛ばないよう押さえるといった手当てをすれば、勧告まで進まずに済む余地があります。勧告までの流れと住宅用地の特例の関係は、「空き家の固定資産税が6倍になる条件」の記事に詳しくあります。

勧告を受けた後でも、状態を直して市区町村が勧告を撤回すれば、特例の対象に戻る扱いがされます。撤回の手続きと、どの年度から戻るかは、市区町村の担当課で確かめてください。

市区町村が空き家の状態を知るきっかけは、近所からの連絡や、台風や大雪の後の見回りであることが多いです。遠くに住んでいて実家に行けない相続人ほど、傷みに気づくのが遅れます。年に数回でも、親族や管理を請け負う業者に外回りを見てもらうと、指導の手紙が届く前に手を打てます。

土地の特例が外れる主なケース

  • 市区町村の勧告を受けた空き家

    勧告を受けた状態で1月1日を迎えた年度から外れる

  • 家を取り壊して更地にする

    土地の課税標準が評価額の6分の1や3分の1から上がる

  • 駐車場にするために家を取り壊す

    更地と同じ扱いになり土地の特例が外れる

2. 「6倍」と言われるのは土地の課税標準の話で、固定資産税がそのまま6倍になるとは限らない

空き家の固定資産税が6倍になる、という言い方があります。これは小規模住宅用地の課税標準が、地方税法第349条の3の2の6分の1の特例から、特例の無い状態に戻ることを指しています。建物の税額は勧告では変わらず、更地なら無くなります。土地の分の上がり方も、分母を外すだけの計算では決まりません。

住宅用地でなくなった土地には、地方税法の附則にある負担調整の仕組みがかかります。課税標準が評価額そのものまで一気に上がるのではなく、上がり方が抑えられます。そのため実際の税額は、特例の分母を外しただけの計算より低くなることが多いです。200平方メートルを超える部分は、もともと3分の1の特例なので、外れたときの上がり方はもっと小さくなります。

特例があるときと外れたとき(負担調整を入れる前)の課税標準を、部分ごとに並べると次のとおりです。

部分特例があるとき特例が外れたとき(負担調整を入れる前)
土地のうち200平方メートル以下の部分評価額 × 6分の1評価額
土地のうち200平方メートルを超える部分評価額 × 3分の1評価額
建物評価額勧告なら評価額・更地なら無し

表の右の列は、上がり方の上限を見るための値です。試算で使うときは、実際の税額がこれを下回ることを前提に読んでください。どれくらい上がるかを正確に知りたいときは、通知書を持って市区町村の担当課に聞くのが確実です。

3. 空き家を解体して更地にすると、勧告が無くても特例が外れる

家を取り壊して更地にすると、勧告を受けていなくても、次の1月1日から土地は住宅用地ではなくなります。特例は住宅の敷地にかかるものなので、住宅が無くなれば対象から外れます。代わりに、建物の分の税は次の年度からかからなくなります。

差し引きでどうなるかは、土地と建物の評価額の大きさで決まります。年数のたった木造の家は建物の評価額が小さく、土地の評価額のほうがずっと大きいことがよくあります。その場合、建物の分が消えるより土地の分が上がる額のほうが大きく、更地にした翌年度から税額は増えます。

取り壊す時期によっても、その年の税は変わります。税は1月1日の状態で決まるので、1月2日以降に取り壊せば、その年度は家があった扱いで特例が続きます。年内に売る予定が立っているなら、取り壊しを1月1日の後に置きます。次の1月1日までに引き渡せば、特例が外れた年度の税を負わずに済みます。

解体にかかる金額と、解体して売るか現況で売るかの比べ方は、「空き家の解体費用はいくらかかるか」の記事にまとめてあります。売る相手が決まる前に取り壊すと、更地のまま1月1日を越えたときに上がった税を負うことになります。取り壊しは、売る日程が見えてから決めても遅くありません。

特定空家等に対する措置の段階

  1. 助言・指導

    手当てすれば特例継続

    草刈りや窓ふさぎ等で状態を直せば勧告を避けられる

  2. 勧告

    翌年1月1日から特例除外

    管理不全空家等や特定空家等として勧告を受けると外れる

  3. 命令・代執行

    さらに措置が進む

    特定空家等では勧告の後に命令や代執行へと進む

4. 空き家を駐車場にする方法は2種類あり、どちらも土地の特例は無くなる

家を取り壊して駐車場にすると、土地は住宅用地ではなくなり、税は更地と同じ扱いになります。駐車場にする方法には、自分で月極の駐車場を始める方法と、駐車場の会社に土地をまとめて貸す方法の2種類があります。

自分で始める方法では、区画を引いて借り手を探し、契約や料金の受け取り、苦情の受け付けまで自分で持ちます。収入は区画が埋まった分だけ入り、空いた区画の分は入りません。会社に貸す方法では、時間貸しの機械や看板の設置を会社が受け持ち、決まった賃料を受け取ります。手間は少ない代わりに、受け取る額は自分で運営するより低くなりやすいです。解約の条件は契約で決まります。

駐車場にするメリットは、賃料で固定資産税をまかなえる見込みが立つことと、建物の傷みや倒壊を気にしなくてよくなることです。借り手がつく立地なら、売るまでの間の持ち出しを減らせます。

デメリットは、先に出ていくお金と、外れる特例です。取り壊しと整地、砂利や舗装の費用が先にかかります。舗装や精算機は、償却資産として固定資産税の申告の対象になることがあります。賃料は不動産所得として申告が要る場合があります。さらに、相続した実家を後で売るときに使える譲渡所得の特別控除は、相続の後に貸付けに使った土地を対象から外しています。駐車場として貸した時点で、その要件の1つを満たせなくなります。控除の要件は、「空き家3000万円控除の条件」の記事で順に確かめられます。

駅から遠い住宅地では、駐車場の借り手そのものが少ないことがあります。区画が埋まらなければ、特例が外れて上がった税と整地の費用だけが残ります。始める前に、近くの駐車場の空き具合を自分の目で見てください。

「空き家の固定資産税はいくらまで上がる?勧告・更地・駐車場で特例が外れるとき」について、そのまま聞けます。

自分の空き家の固定資産税はいくら?通知書の評価額で年額と累計を試算する

テーブルに紙を置き、ペンを持って家族で話し合っている

通知書にある土地と建物の価格を下の試算表の式に入れれば、今の年額と、特例が外れた後の年額と、持ち続けた累計が出ます。土地の価格に6分の1を掛けるか掛けないかで、特例があるときと外れたときの差が出ます。都市計画税は地域で税率が違うため、ここでは固定資産税だけを数えます。

1. 固定資産税の通知書から、土地と建物の価格・面積・住宅用地の区分を書き写す

試算に使うのは、土地の価格、地積、住宅用地の区分ごとの面積、建物の価格です。どれも課税明細書の土地の行と家屋の行に載っています。

土地は、課税標準額ではなく価格の欄を写します。課税標準額は特例をかけた後の数字です。そのまま使うと、特例を二重にかけてしまいます。住宅用地の区分は、小規模住宅用地と一般住宅用地のように、面積ごとに分けて載っていることが多いです。表記は市区町村で違うので、分からなければ担当課に聞いてください。

建物は、家屋の行の価格を写します。母屋のほかに物置や離れが登記されていれば、行が分かれています。全部の行を足した額が建物の価格です。

敷地が複数の筆に分かれているときは、筆ごとに価格が載っています。同じ家の敷地なら、価格を足して1つの土地として扱って構いません。共有で相続していても、試算は家1軒ぶんの合計で行います。自分の負担は、最後に持分の割合を掛けて出します。

試算に用いる評価額と土地の税額

  • 土地の価格1,200万円
  • 建物の価格300万円
  • 特例適用時の土地の税額2.8万円

2. 試算表に入れて、今の固定資産税と特例が外れた後の年額を並べる

今の年額は、土地の価格に6分の1を掛け、建物の価格を足して、標準税率1.4%を掛ければ出ます(地方税法第350条)。敷地が200平方メートル以下で土地の価格が1,200万円なら、土地の分は1,200万円 × 6分の1 × 1.4% = 2.8万円です。

同じ家の建物の価格を300万円として、特例が外れたときの年額まで並べた試算表です。

項目式(標準税率1.4%・地方税法第350条)例の家の年額
今の土地の分土地の価格 × 6分の1 × 1.4%2.8万円
建物の分建物の価格 × 1.4%4.2万円
今の年額の合計今の土地の分 + 建物の分7.0万円
特例が外れた後の土地の分土地の価格 × 1.4%(負担調整を入れる前)16.8万円
勧告で外れた後の年額の合計外れた後の土地の分 + 建物の分21.0万円

敷地が200平方メートルを超えるときは、評価額が敷地全体で同じとみなして、土地の価格を面積の割合で分けます。たとえば敷地が300平方メートルで、価格が1,500万円の場合です。200平方メートル分の1,000万円に6分の1を、残り100平方メートル分の500万円に3分の1を掛けて足します。課税標準は約333万円で、税率を掛けた土地の分は約4.7万円です(地方税法第349条の3の2・第350条)。

表の4行目(特例が外れた後の土地の分)は、負担調整を入れる前の値です。実際にはこれより低くなることが多いです。今の年額との差が最大でどれくらい開くかの目安として読んでください。

通知書の税額と、表の今の年額の合計がずれることがあります。土地の課税標準額が負担調整の途中でまだ低い、税率が標準と違う、都市計画税を足して見ている、のどれかが主な理由です。ずれが大きいときは、通知書の課税標準額に税率を掛け直すと、どこで差が出たかが分かります。

3. 持ち続ける年数を掛けて空き家の固定資産税の累計を出し、売るか残すかを比べる

累計は、年額に持ち続ける年数を掛けて出します。試算表の例の家なら、特例が続いたまま10年持つと7.0万円 × 10年で70万円です。最初から勧告で特例が外れていれば、21.0万円 × 10年で210万円になります。

途中で勧告を受ける場合は、年を分けて足します。最初の2年は特例があり、3年目から外れたとすると、10年の累計は7.0万円 × 2年 + 21.0万円 × 8年 = 182万円です。勧告がいつ来るかは、家の傷み方と近所からの連絡の有無で決まります。前もっては分かりません。持ち続けるなら、傷みを止める手入れの費用も年額に足して見てください。

相続人が3人で等分に持っているなら、今の年額7.0万円を3人で分けて、1人あたり年約2.33万円です。ただし通知は代表者1人に届くので、残りの2人から実際に受け取れるかは別の話です。分担の約束は、口頭でなく書面に残しておくと後で揉めません。

この累計は、評価額が変わらない前提の数字です。評価額は3年ごとに見直されます。建物の価格は年数がたつと下がっていく一方、土地の価格は地域によって上がることも下がることもあります。都市計画税、火災保険料、草刈りや見回りの費用は入っていません。持ち続ける本当の負担は、ここに挙げた分を足した額です。

売るか残すかは、この累計と、今売った場合の手取りを並べて決めます。手取りは、売れる額から仲介手数料や解体費用、登記の費用を引いた額です。持ち続けて何年目に、払った税と管理費の合計が売却の手取りの差を上回るかの出し方は、「空き家の固定資産税を払い続ける損益分岐点」の記事に計算の例があります。

固定資産税の年額を試算するやり方

  1. 1

    土地の価格を写す

    特例を二重にかけないよう、課税標準額ではなく価格の欄を写す。

  2. 2

    住宅用地の区分ごとの面積を写す

    小規模住宅用地など、面積ごとに分けて載っている区分を写す。

  3. 3

    建物の価格を写す

    母屋や物置など行が分かれていれば、全部の行を足した額にする。

  4. 4

    敷地が複数の筆に分かれている時

    同じ家の敷地なら、筆ごとの価格を足して1つの土地として扱う。

なお、この記事の税務・法務に関する記載は一般的な情報提供であり、個別の事案についての判断ではありません。適用の可否や具体的な税額については、税務署または税理士、登記については司法書士、境界や隣地との権利関係については弁護士や土地家屋調査士など、それぞれの専門家にご確認ください。当社は不動産の買主であり、税務や法律の代理はできません。

「自分の空き家の固定資産税はいくら?通知書の評価額で年額と累計を試算する」について、そのまま聞けます。

空き家の固定資産税を払い続けず手放すとき、当社で確かめること

当社が買い取る条件・買い取れない条件と、実際の買取事例は「当社の買取基準」にまとめています。

「空き家の固定資産税を払い続けず手放すとき、当社で確かめること」について、そのまま聞けます。

空き家の固定資産税がいくらになるかの要点

  • 毎年の税額は、課税標準額に税率を掛けた額です。家が建っていれば、空き家でも土地は住宅用地の特例で評価額の6分の1か3分の1に下がったまま続きます。
  • 上がるのは土地の分で、きっかけは市区町村の勧告と、取り壊して更地や駐車場にすることです。建物の分は勧告なら変わらず、更地なら無くなります。
  • 通知書の土地と建物の価格を試算表の式に入れると、今の年額、特例が外れた後の年額、持ち続けた累計が並びます。売るか残すかを、数字で比べられます。

当社がお出しするのは、買取の価格と決済の日程です。その年度の税の日割りと滞納分は、決済の日に精算します。

査定は無料・売却の義務なし
0120-996-748受付時間10:00〜19:00(水・日曜定休)

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空き家の固定資産税について、よくある質問

Q1. 空き家の固定資産税は無料になりますか

空き家であることを理由に無料になる仕組みはありません。税がかからないのは、同じ市区町村の中で持っている土地の課税標準額の合計が30万円未満、家屋が20万円未満のときです。地方税法の免税点の定めによります(地方税法(e-Gov法令検索))。山あいの小さな土地と古い家だけなら、この線を下回って税がかからないこともあります。

もう1つは、天災や生活の困窮など特別な事情があるときに、市区町村が条例で税を減らしたり免除したりする減免です。固定資産税の減免申請は、通知書が届いたら担当課に当てはまるかを聞くところから始まります。申請書に事情を示す書類を添えて条例で決まった期限までに出し、決定の通知を待ちます。老朽化した空き家を取り壊した後の土地について、独自の減免を設けている市区町村もあります。取り壊す前に担当課に確かめてください。

Q2. 親が亡くなった場合、固定資産税はどうなりますか

止まらずに相続人が払います。亡くなった年度の残りの分は、親の支払いを引き継いだ相続人が納めます。次の年度からは、1月1日時点で実家を持っている相続人に通知が届きます。名義が親のままでも同じです。代表者の届けや名義の書き換えの期限は、本文の「親が亡くなった後の固定資産税は、1月1日に家を持っている相続人に届く」に書いたとおりです。

Q3. 築50年の一軒家の固定資産税はいくらぐらいですか

建物の分は小さくなっていることが多いものの、ゼロにはなりません。家屋の評価額は年数がたつほど下がりますが、一定のところで下げ止まります。そのため、築50年の木造でも価格は残ります。たとえば通知書の家屋の価格が80万円なら、建物の分は標準税率1.4%で年1.12万円です(地方税法第350条)。

税額の大半は、たいてい土地の分です。築年数より、土地の価格と広さ、住宅用地の特例が続いているかで年額が決まります。築50年の家は、昭和56年5月31日以前の建築に当たります。相続した家を売るときの譲渡所得の特別控除の、入口の条件も満たします。

Q4. 土地100坪の固定資産税はいくらですか

100坪は約330平方メートルです。家が建っていれば、200平方メートル分に6分の1、残り約130平方メートル分に3分の1の特例がかかります。仮に土地の価格が1平方メートルあたり3万円なら、200平方メートル分の600万円に6分の1を掛けて100万円、130平方メートル分の390万円に3分の1を掛けて130万円です。合わせた課税標準230万円に標準税率1.4%を掛けて、土地の分は年3.22万円になります(地方税法第349条の3の2・第350条)。

1平方メートルあたりの価格は地域で大きく違うので、この額は式の使い方の例です。更地なら特例はありません。同じ価格では、負担調整を入れる前で990万円に税率を掛けた額が上限の目安になります。

Q5. 52坪の家の固定資産税はいくらですか

敷地が52坪なら約172平方メートルで、全体が200平方メートル以下の小規模住宅用地に入ります。土地の分は、価格の6分の1に税率を掛けた額です。土地の価格が1,000万円なら、1,000万円 × 6分の1 × 1.4% = 約2.33万円です(地方税法第350条)。床面積が52坪の家なら、建物の分は構造と築年数で決まる家屋の価格しだいです。どちらの意味でも、通知書の価格を「自分の空き家の固定資産税はいくら?通知書の評価額で年額と累計を試算する」の試算表に入れれば年額が出ます。

Q6. 空き家を駐車場にすると、固定資産税は安くなりますか

安くはなりません。家を取り壊した時点で土地の特例が外れるため、土地の分は上がります。建物の分は無くなりますが、古い家では土地の上がる額のほうが大きいことが多いです。賃料で税をまかなえるかは、借り手がつく立地かどうかで決まります。2種類の始め方と、相続した家を売るときの控除への影響は、本文の「4. 空き家を駐車場にする方法は2種類あり、どちらも土地の特例は無くなる」にあります。

Q1. 空き家の固定資産税は無料になりますか

空き家であることを理由に無料になる仕組みはありません。ただし、免税点を下回る場合や特別な事情による減免の対象になる場合は税がかからないことがあります。

  • 免税点の基準:土地30万円未満、家屋20万円未満なら非課税
  • 条例による減免:天災や生活困窮時は申請で減免される場合がある
  • 独自の減免制度:老朽空き家を取り壊した後の土地が対象になることも

当社の見方

当社へのご相談では、相続した空き家の固定資産税の納税通知書が毎年届き、使っていない家にいくら払い続けるのかと悩んで連絡をくださる方が多いです。通知書に載っている評価額や税額の欄をどう読めばよいのか分からないまま、毎年払い続けているという方もいます。この通知書は年額を確かめる材料になるだけでなく、売却のときに登記識別情報または権利証・本人確認書類・印鑑証明書とあわせてご用意いただく書類のひとつなので、捨てずに保管しておいてください。相続した物件では戸籍などの書類が追加で必要になり、相続登記の費用もかかりますが、ご用意いただく書類やご負担いただく費用は個別のご案件によります。当社ではご相談から買取価格のご提示までが目安30分、お引き渡しは早ければ2週間以内で、お引き渡しと同時にご入金します。そのため、毎年の税額と手放したときの手取りを早めに並べて比べる方もいます。全国(47都道府県)に対応しており、買い取れない物件や売らないほうがよい場合も正直にそうお伝えしていますので、持ち続けるか手放すかを決める前の材料としてお気軽にご相談ください。

当社が買い取る物件・お断りする物件と、買取価格の決まり方は、当社の買取事例76件の内訳とあわせて当社の買取基準にまとめています。

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リアテクス編集部株式会社リアテクス当社(宅地建物取引業 東京都知事(1)第107888号)は物件を直接買い取る買主の立場から、売却を検討する方の判断材料となる記事を企画・編集しています。
監修
薩摩 賢幸薩摩 賢幸株式会社リアテクス 取締役COOこの区分の監修を担当しています。記事の公開判断は当社が行っています(代表が定めた手順による)。確認・公開判断:薩摩 賢幸(株式会社リアテクス 取締役COO)
公開・更新
公開 更新 内容を見直したときは、この日付と改訂の内容を更新しています。情報の確認日 (出典の公的資料を開いて内容を確かめた日)
この記事の事実確認の方法
法令:地方税法、空家等対策の推進に関する特別措置法
記事の作り方
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