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空き家

空き家の税金はいつ上がる?固定資産税と売却時の控除

公開 更新

執筆
株式会社リアテクス リアテクス編集部
監修
株式会社リアテクス 取締役COO 薩摩 賢幸
空き家の税金はいつ上がる?固定資産税と売却時の控除

「空き家になった実家の税金が6倍になるのは、いつからなのか」。固定資産税が上がるのは、勧告を受けた状態で1月1日を迎えたときと、家を取り壊して更地にしたときです。売るときの税は、相続開始の日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売れば、3,000万円控除で0円になることがあります。

当社は相続した空き家を残置物ごと現況で買い取り、決済の日を3,000万円控除の期限や1月1日より前に合わせて置けます。固定資産税の滞納で差押えが入り、代金で外せない物件は買い取れません。この家が買い取れるかどうかだけ、先に聞く(無料)

目次(6章)

空き家の税金と売る時期を、現況のまま相談できます

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空き家になった実家の税金は、空き家になったことだけで上がるわけではありません。上がるきっかけは、市区町村からの勧告と、建物の取り壊しです。売るときの税金は、相続の日から数えた期限の内側で売れば、大きく減らせることがあります。

空き家の税金はいつ上がる?固定資産税と売却時の控除の要点を、定義・この記事でわかること・よくある質問の順に短くまとめた動画です。

相続した空き家の税金は何がかかる?毎年の税と売った年の税

これからのことについて話し合っている(家族が実家の居間のテーブルを囲んで)

相続した空き家にかかる税金は、持っている間の固定資産税・都市計画税と、売ったときの譲渡所得税・住民税です。

持っている間の税は、誰も住んでいなくても毎年届きます。基準の日は毎年1月1日です。売るときの税は、利益が出た年に1回だけかかります。性格がまるで違うので、分けて考えると迷いません。

空き家だという理由で安くなる税も、高くなる税も、法律には置かれていません。変わるのは、土地の特例が外れるかどうかです。その特例が外れるかは、家の傷み方と、建物が残っているかで決まります。

持っている間に毎年かかる固定資産税と都市計画税

空き家所有者に毎年課税される税金は、固定資産税と都市計画税の2つです。どちらも市区町村が計算し、納税通知書を送ってきます。基準は毎年1月1日です。その日に土地と家屋を持っている人が、その年度の1年分を負います(固定資産税(総務省))。誰が持っている人かは、登記簿などに所有者として載っている人で決まります(地方税法第343条)。

土地には、住宅が建っていれば税を軽くする特例があります。総務省の「固定資産税」の案内によると、住宅用地のうち200平方メートル以下の部分は、課税標準を価格の6分の1にします。200平方メートルを超える部分は3分の1です。都市計画税にも、住宅用地を軽くする定めがあります(地方税法第702条の3)。

この特例は、人が住んでいるかどうかを問いません。家屋が住宅として建っていれば、空き家でも続きます。親が亡くなって誰も住まなくなっても、翌年から急に土地の税が上がることはありません。

ただし例外があります。屋根が落ちて住める状態にない家屋は、住宅として扱われないことがあります。判断するのは市区町村です。今の扱いは、納税通知書の土地の欄で分かります。住宅用地や小規模住宅用地の面積が書かれていれば、特例が効いています。

都市計画税は、かかる地域とかからない地域があります。納税通知書に都市計画税の欄があり、金額が入っていればかかっています。2つの税を足した額が、1年あたりの持つ費用の土台です。草刈りや見回りの費用は、その上に乗ります。

払い続けるか手放すかを、額で比べたい方もいるでしょう。その比べ方は、「空き家の固定資産税を払い続ける損益分岐点」の記事で例を見られます。

売ったときにかかる譲渡所得税と住民税

売ったときの税は、売った額そのものではなく、利益にかかります。利益とは、売った額から、親が買ったときの費用と、売るためにかかった費用を引いた残りです。これを譲渡所得と呼びます。

利益が出なければ、税はかかりません。古い家を安く売り、買ったときの額を下回れば、譲渡所得は0円です。ただ、相続した実家では、買ったときの書類が残っていないことがよくあります。書類が無いと、引ける額が小さくなります。そのぶん利益が大きく見えます。

譲渡所得には、所得税と住民税がかかります。給与などとは分けて計算する決まりです。納め方は、売った年の翌年の確定申告です。売主さま自身が申告します。買主や不動産会社が代わりに納めることはありません。

相続した空き家には、この利益から最高3,000万円を引ける特例があります。使えるかどうかは、家が建った時期、亡くなった親の住み方、売る期限で決まります。その条件と税率は、「空き家を売るときの税金はいくら?3,000万円控除と期限の数え方」の章で数字とともに確かめられます。

売るときの税で気をつけたいのは、払う時期が遅れて来ることです。代金を受け取るのは売った年です。税を納めるのは翌年の申告のときです。代金を使い切ってから申告を迎えると、税の分が手元に残りません。売ったら、見込みの税額を別に取り分けておくと安心です。

毎年かかる税と売った年の税の違い

観点持っている間の税売ったときの税
かかる回数毎年利益が出た年に1回だけ
基準となる日毎年1月1日売却した年
課税の条件土地と家屋を持っていること売却して利益が出ること
空き家の影響家の傷み方で土地の特例が外れる空き家という理由での増減はない

「相続した空き家の税金は何がかかる?毎年の税と売った年の税」について、そのまま聞けます。

空き家の税金はいつから上がる?通知の宛先と勧告後の1月1日

住宅街にある木造の空き家と、その周囲の道路や隣の家

空き家の税金が上がるのは、市区町村の勧告を受けたときと、家を取り壊したときで、どちらも1月1日の状態で決まります。

親が亡くなったことや、空き家になったことは、それだけでは上がる理由になりません。先に分かれ目になるのは、通知が誰に届くかです。名義が親のままだと、請求の宛先も、売るときの段取りも変わります。

1. 親が亡くなったあと、固定資産税の通知は誰に届くか

親が亡くなった年の分は、すでに親に課税されています。その年の1月1日の持ち主が親だったからです。残っている納期の分は、相続人が引き継いで払います。相続人は、亡くなった人の権利と義務を一切引き継ぐからです(民法第896条)。

翌年からは、1月1日に実際に持っている人に課税されます。名義が親のままでも同じです。登記簿の所有者が1月1日より前に亡くなっていれば、その日に現に持っている人が納める側になります(地方税法第343条)。遺産分割が済むまでは、相続人がみんなで持っている状態です(民法第898条)。

実際には、市区町村は相続人の1人に通知書を送ることが多くなります。実家の近くに住む人や、届けを出した人です。届いた1人が毎年まとめて払い、他の相続人は額を知らない。そんな状態がよく起きます。払った額は、売ったときや遺産を分けるときの精算で話に出ます。通知書と領収書は、年ごとに残してください。

相続人の代表を届け出る書類を送ってくる市区町村もあります。届けの名前や様式は、市区町村ごとに違います。届いた書類の問い合わせ先は、資産税の担当課です。遠方に住んでいても、郵送でやりとりできることがあります。

納税通知書が届いたときの主な注意点

  • 親が亡くなった年

    1月1日の持ち主である親に課税済み。残りの納期分は相続人が払う。

  • 翌年以降の1月1日

    名義が親のままでも、現に持っている相続人が納める側になる。

  • 通知書の宛先

    市区町村が相続人の1人に送ることが多い。代表を届け出る場合もある。

2. 相続登記の申請義務と、税の名義との関係

相続で不動産を取得した人は、取得を知った日から3年以内に名義の変更を法務局へ申請しなければなりません。2024年4月1日に始まった決まりです。期限内に申請せず、それに正当な理由もない場合、10万円以下の過料が科されることがあります(法務省「相続登記の申請義務化について」)。

2024年4月1日より前に始まった相続も対象です。期限は、施行日の2024年4月1日と、取得を知った日の遅い方から3年です。施行日より前から相続を知っていた人は、2027年3月31日が期限です。相続は施行日より前でも、知ったのが施行日より後なら、知った日から3年です。

税との関係では、登記を済ませると、その後の1月1日からは新しい名義人に通知が届きます。誰が払うかが、登記簿の上でもはっきりします。相続人の間で、払う人が毎年入れ替わることもなくなります。

売るときにも、登記は避けられません。名義が親のままでは、買主に所有権を移せないからです。3,000万円控除を使うなら、売る期限より前に登記を終えておく必要があります。戸籍を集める日数を見込むと、早めに着手するほど売る時期を選べます。

3. 土地の課税標準が最大6倍になる3つのパターン

土地の固定資産税が上がるのは、住宅用地の特例が外れる次の3つのパターンです。勧告を受けた空き家の敷地を特例から除くことは、地方税法第349条の3の2が定めています。

パターンどんな状態か特例が外れる時点
管理不全空家等として勧告を受ける窓や外壁の傷み、草木の茂りを放置し、指導のあとに勧告を受けた勧告を受けた状態で迎える1月1日
特定空家等として勧告を受ける倒れるおそれや衛生上の害が大きく、助言・指導のあとに勧告を受けた勧告を受けた状態で迎える1月1日
家屋を取り壊して更地にする土地に住宅が無くなり、住宅用地にあたらなくなった取り壊したあとに迎える1月1日

勧告の2つは、空家等対策の推進に関する特別措置法の手続きです。管理不全空家等は第13条、特定空家等は第22条で、市区町村長が勧告できると定めています。令和5年12月13日施行の改正で、管理不全空家等も勧告を受ければ特例から外れるようになりました(空き家対策(国土交通省))。特定空家等まで傷む前の段階でも、税は上がり得るということです。

「6倍」と言われるのは、200平方メートル以下の部分の課税標準を6分の1にしていたからです。総務省の「固定資産税」の案内にあるこの割り落としが無くなると、その部分の課税標準は最大で6倍になります。土地の価格が1,200万円で、面積が200平方メートル以下なら、課税標準は200万円です。特例が外れると、課税標準は1,200万円に戻ります。

ただ、納める税額がそのまま6倍になるとは限りません。土地の評価や面積、市区町村の計算で増え方は変わります。翌年度の通知書で、課税標準額の欄を前の年と並べてください。増えた額が、特例の外れた分の目安になります。

更地のパターンは見落とされがちです。解体すれば、倒れる心配や見回りの手間は減ります。けれども、土地の税は上がります。建物ごと売るか、解体して売るかを費用で比べるなら、「空き家の解体費用はいくらかかるか」の記事で現況で売る場合との差を確かめられます。

4. 勧告を受けたら、税が上がるのはどの年度からか

税が上がるのは、勧告を受けたあと最初に迎える1月1日を基準にした年度からです。たとえば2026年の秋に勧告を受け、年内に状態を改めなければ、2027年1月1日の状態で判定されます。上がった額は、2027年度の納税通知書で届きます。

勧告の前には、必ず段階があります。管理不全空家等なら指導、特定空家等なら助言・指導が先です。いきなり勧告が届くわけではありません。指導の文書が届いた時点で直せば、勧告に進まずに済むことがあります。

指導で求められるのは、たいてい具体的な手当てです。割れた窓をふさぐ。外れかけた雨どいを留める。敷地からはみ出した枝を切る。こうした手当ての範囲は、文書に書かれています。遠方に住んでいて手が回らなければ、管理を誰かに頼むか、手放すかを決める時期です。

勧告のあとに修繕して状態を改め、市区町村が勧告を取り消せば、その後の1月1日から特例に戻り得ます。取り消しの扱いと時期は、市区町村に確かめてください。特定空家等で命令にも従わなければ、市区町村が代わりに工事をする代執行に進むことがあります(同法第22条)。その費用は所有者に求められます。

もう一つ、税が重くなる道があります。固定資産税の滞納です。納期を過ぎると督促が届き、延滞金が加わります。それでも払わなければ、不動産が差し押さえられることがあります。差押えの登記が入ると、外さない限り売ることも難しくなります。

勧告に至るまでの段階と、税額が変わる時期は、「空き家の固定資産税が6倍になる条件」の記事で段階ごとに確かめられます。

相続登記の申請義務と期限

  1. 1

    親が亡くなった年

    1月1日の持ち主である親に課税済み。残りの納期分を相続人が払う。

  2. 2

    翌年以降

    名義が親のままでも、1月1日に現に持っている相続人が納める側になる。

親が亡くなった後の固定資産税の通知先

  1. 親が亡くなった年

    残りの納期分を引き継ぐ

    1月1日の持ち主である親に課税済み。残りの分は相続人が払う。

  2. 翌年の1月1日以降

    相続人へ通知が届く

    名義が親のままでも、現に持っている相続人の1人に通知が届く。

「空き家の税金はいつから上がる?通知の宛先と勧告後の1月1日」について、そのまま聞けます。

空き家を売るときの税金はいくら?3,000万円控除と期限の数え方

夫婦が和室の畳の上で、衣類を畳んで整理している

空き家を売るときの税金は、譲渡所得に所有期間で決まる税率を掛けた額で、期限内なら最高3,000万円を差し引けることがあります。

税額を左右するのは、所有期間と控除の有無です。どちらも、相続の日と、親が買った日から数えて決まります。日付を先にそろえると、いつまでに売ればよいかが見えてきます。

1. 空き家売却時にかかる税金を、譲渡所得から見積もる

空き家売却時にかかる税金は、譲渡所得税と住民税です。まず譲渡所得を出します。式は次のとおりです。

売却価格 − 取得費 − 譲渡費用 = 譲渡所得

取得費は、親が土地と家を買ったときの代金などです。建物は古くなった分を差し引いて計算します。計算のしかたは、国税庁の案内で確かめてください。譲渡費用は、売るために直接かかった費用です。仲介で売るなら仲介手数料、売買契約書の印紙代などが入ります。当社が買い取る場合は仲介手数料はかかりません。

税率は、売った年の1月1日に、所有期間が5年を超えているかで変わります。国税庁の「譲渡所得の計算のしかた(分離課税)」によると、5年を超える長期は所得税15%と住民税5%です。5年以下の短期は、所得税30%と住民税9%です。どちらにも、このほかに復興特別所得税がかかります。

相続した家の所有期間は、相続した日から数えません。親が買った日から引き続き持っていたものとして数えます(所得税法第60条第1項)。親が10年前に買った家なら、相続した翌月に売っても長期です。何十年も前に建てた実家なら、たいてい長期の税率で計算します。

試算の例を置きます。親が昔買った実家を1,200万円で売りました。取得費は300万円、譲渡費用は100万円だったとします。

1,200万円 − 300万円 − 100万円 = 800万円(譲渡所得)

800万円 × 20%(長期の所得税15%と住民税5%・国税庁「譲渡所得の計算のしかた(分離課税)」)= 160万円

同じ800万円でも、短期なら合わせて39%を掛け、312万円です(税率は国税庁の同じ案内)。ここに3,000万円控除が使えれば、譲渡所得は0円です。この160万円はかかりません。控除が使えるかどうかで、手取りがこれだけ動きます。

所有期間による税額の試算例

  • 5年超(長期)160万円
  • 5年以下(短期)312万円

取得費の書類が見つからないと、引ける額はごく小さくなります。売買契約書、建築の請負契約書、領収書のどれかが残っていないか、売る前に探してください。仏壇の引き出しや、古い通帳の袋に入っていることがあります。

相続税を納めた人には、その一部を取得費に足せる特例もあります。ただし、3,000万円控除とはどちらか一方しか選べません。どちらで計算すると税が少ないかは、「相続した家の売却の税金」の記事の計算例が参考になります。売った年の翌年に申告が要るかどうかは、「不動産売却で確定申告が必要な人」の記事で判定できます。

譲渡所得を計算する手順

  1. 1

    譲渡所得を出す

    売却価格から、親が買った代金などの取得費と譲渡費用を引く。

  2. 2

    所有期間を確かめる

    親が買った日から数え、売った年の1月1日に5年を超えるか確認する。

  3. 3

    税率を掛ける

    譲渡所得に、所有期間で決まる税率を掛けて税額を出す。

2. 3,000万円控除が使えるかを、家と売り方で確かめる

この控除は、被相続人が一人で住んでいた家屋とその敷地を相続した相続人が、一定の要件を満たして売却した場合、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる仕組みです。根拠は租税特別措置法第35条第3項です。要件は、国税庁の「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」に並んでいます(国税庁 No.3306)。

要件は多く、次に挙げるのは主なものです。

  • 家屋が昭和56年5月31日以前に建てられ、区分所有の登記がされていない
  • 相続が始まる直前に、亡くなった親が一人で住んでいた
  • 相続してから売るまで、貸したり、住んだり、事業に使ったりしていない
  • 売った代金が1億円以下である
  • 耐震基準に合わせてから売るか、家屋を取り壊して売る
  • 相続開始の日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売る

建築の時期は、登記事項証明書の新築年月日で分かります。古い耐震の基準で建てた家を対象にしているためです。親が老人ホームなどに入っていた場合も、一定の要件を満たせば対象になることがあります。細かな要件は、国税庁の同じページで確かめてください。

貸した期間があれば、短くても外れます。親族を無料で住まわせた場合も同じです。家を傷ませないために、と誰かに住んでもらう判断が、控除を失う原因になります。売るまで空けておくことが、使えるかどうかを分けます。

耐震か取り壊しかは、令和6年1月1日以後に売る場合、選べる幅が広がりました。売った年の翌年2月15日までに、買主の側で耐震改修や取り壊しをした場合も対象になります(国税庁 No.3306)。売主さまが工事を済ませなくても、使える道があるということです。ただし、工事が期限内に終わったことを示す書類が要ります。誰がいつ工事するかは、売買契約の前に決めてください。

控除の額にも上限の違いがあります。家屋と敷地を相続した相続人が3人以上いると、令和6年1月1日以後に売った分は、1人あたり2,000万円が上限です(国税庁 No.3306)。兄弟3人で共有して売るなら、1人あたりの利益のうち2,000万円を超えた分に税がかかります。代金1億円以下の判定は、持分ごとではなく全体の代金で行います。

特例そのものにも期限があります。対象は令和9年12月31日までの譲渡です(租税特別措置法第35条第3項)。相続の日から数えた期限がこれより後になっても、今の定めでは令和9年の年末が先に来ます。延長されるかどうかは、毎年の税制改正で決まります。

申告には、家屋がある市区町村が出す「被相続人居住用家屋等確認書」を付けます。発行まで日数がかかることがあります。売買契約を結んだら、市区町村の窓口で必要な書類を聞いてください。要件を1つずつ○×で判定したいときは、「空き家3000万円控除の条件」の記事のチェックの並べ方が使えます。

所有期間を数えるときの主なルール

  • 所有期間の起算日

    相続した日からではなく、親が買った日から引き続き持っていたものとして数える。

  • 5年以下(短期)

    売った年の1月1日時点で5年以下なら、所得税30%と住民税9%。

  • 5年超(長期)

    売った年の1月1日時点で5年超なら、所得税15%と住民税5%。

3. 相続の日から3つの期限を数える早見表

相続の日を決めると、税にかかわる期限は3つ並びます。相続人が1年分の固定資産税を負う最初の1月1日、相続登記の申請期限、3,000万円控除で売る期限です。相続の日が違う2つの例で数えると、次の早見表のとおりです。どちらも、亡くなった日に相続を知った前提です。

期限2022年3月1日に相続2024年6月10日に相続
相続人が1年分の固定資産税を負う最初の1月1日2023年1月1日(2023年度分)2025年1月1日(2025年度分)
相続登記の申請期限2027年3月31日2027年6月10日
3,000万円控除で売る期限2025年12月31日2027年12月31日

1月1日の行は、亡くなった日の次に来る1月1日です。亡くなった年の分は親に課税済みで、残りの納期の分を相続人が払います。

登記の行は、法務省の示す数え方です。2022年の例は施行日より前に相続を知っているので、施行日から3年で2027年3月31日です。2024年の例は知った日から3年で、2027年6月10日です。

控除の行は、相続開始の日から3年を経過する日を出し、その年の12月31日にします。2022年3月1日の相続なら、3年を経過する日は2025年に来ます。期限は2025年12月31日で、もう過ぎています。2024年6月10日の相続なら、3年を経過する日は2027年に来ます。期限は2027年12月31日です。

2つの例を並べると、前後が入れ替わっています。2022年の例では、控除の期限が先に切れます。2024年の例では、登記の期限が先です。どちらが先かは、相続の日で変わります。

控除を使うなら、実際の締め切りはもっと手前です。売る前に登記を終え、売買契約と引き渡しを済ませる必要があるからです。控除の期限から、登記と売買にかかる日数を引いた日が、動き始める期限です。相続人が多く戸籍の数が多い家ほど、その日数は長くなります。

2024年6月10日の例では、控除の期限が特例の終わりの令和9年(2027年)12月31日と重なります。2025年以降に相続した場合は、今の定めのままなら、相続の日から数えた期限より特例の終わりが先に来ます。この行は、相続の日ではなく令和9年の年末で読み替えてください。

売る日が年末か年明けかでも、税の負担者が変わります。12月中に引き渡して名義を移せば、翌年度の固定資産税は買主に課されます。1月に入ってから名義を移すと、その年度の通知は売主さまに届きます。その年度分を売主と買主でどう分けるかは、売買契約で取り決めます。

自分の家の日付を入れる前に、手元で確かめることは次のとおりです。

  • 固定資産税の納税通知書で、土地が住宅用地の扱いか、都市計画税がかかっているか
  • 登記事項証明書で、名義が誰になっているか
  • 戸籍や死亡届の控えで、相続の日がいつか
  • 市区町村から届いた郵便に、指導や勧告の文書が無いか

なお、この記事の税務・法務に関する記載は一般的な情報提供であり、個別の事案についての判断ではありません。適用の可否や具体的な税額については、税務署または税理士、登記については司法書士、境界や隣地との権利関係については弁護士や土地家屋調査士など、それぞれの専門家にご確認ください。当社は不動産の買主であり、税務や法律の代理はできません。

「空き家を売るときの税金はいくら?3,000万円控除と期限の数え方」について、そのまま聞けます。

当社が相続した空き家を買い取るときの流れと、税金の期限の合わせ方

当社が買い取る条件・買い取れない条件と、実際の買取事例は「当社の買取基準」にまとめています。

「当社が相続した空き家を買い取るときの流れと、税金の期限の合わせ方」について、そのまま聞けます。

空き家の税金で先に確かめる3つのこと

  • 持っている間の固定資産税・都市計画税は、1月1日の持ち主が負います。親の名義のままでも、翌年からは相続人に通知が届きます。
  • 税が上がるのは、管理不全空家等・特定空家等として勧告を受けたときと、更地にしたときです。勧告の前には必ず指導があり、そこで直せば勧告に進まずに済むことがあります。
  • 売るときの税は利益にかかり、親が買った日から数えて5年を超えれば長期の税率です。相続開始の日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売れば、3,000万円控除が使えることがあります。

当社は現況のまま買い取り、決済の日を控除の期限や1月1日より前に置けますが、差押えを代金で外せない物件は買い取れません。

査定は無料・売却の義務なし
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空き家の税金について、よく寄せられる質問

Q1. 空き家の固定資産税が無料になることはありますか

空き家であることを理由に、無料になる仕組みはありません。かからないのは、同じ市区町村の中で、土地・家屋それぞれの課税標準額の合計が免税点に届かない場合です(地方税法第351条)。山あいの古い家などで、免税点を下回ることはあります。災害などで市区町村が減免を定めている場合もあります。どちらも、空き家だから安くなる制度ではありません。

Q2. 親が亡くなった場合、空き家の固定資産税はどうなりますか

亡くなった年の分は、1月1日の持ち主だった親に課税済みです。残りの納期の分を、相続人が払います。翌年からは、名義が親のままでも、その家を持っている相続人が納める側です。宛先の決まり方は、本文の「1. 親が亡くなったあと、固定資産税の通知は誰に届くか」で確かめられます。誰がいくら払ったかを記録しておくと、売ったあとの精算で揉めにくくなります。

Q3. 空き家の税金が6倍になるのはいつからですか

勧告を受けた状態で1月1日を迎えた、その年度からです。2026年中に勧告を受けて直さなければ、2027年度の通知書から上がります。6倍というのは、200平方メートル以下の部分の課税標準の話です。税額がそのまま6倍になるとは限りません(総務省「固定資産税」)。勧告の前には指導があるので、指導の文書が来た段階で手を打てます。

Q4. 空き家を放置すると固定資産税は高くなりますか

放置しただけでは高くなりません。傷みが進み、市区町村から指導を受け、さらに勧告へ進むと上がります。もう一つの理由は滞納です。払わずにいると延滞金が加わり、不動産が差し押さえられることもあります。傷んだ家が人や隣家に損害を与えたときの責任は、税とは別に生じます。その条件は、「空き家の放置で責任と賠償を負う条件」の記事で確かめてください。

Q5. 空き家を売却したときの税金はいくらですか

利益にあたる譲渡所得に、税率を掛けた額です。所有期間が5年を超えれば所得税15%と住民税5%、5年以下なら所得税30%と住民税9%です。ほかに復興特別所得税がかかります(譲渡所得の計算のしかた(国税庁))。相続した家は親が買った日から数えるので、長期になることが多くあります。800万円の利益での試算は、本文の「1. 空き家売却時にかかる税金を、譲渡所得から見積もる」にあります。

Q6. 2026年のいま、空き家の税金で気をつける期限はありますか

2つあります。1つは、2024年4月1日より前から相続を知っていた人の相続登記の期限で、2027年3月31日です(法務省「相続登記の申請義務化について」)。もう1つは、3,000万円控除の対象が、今の定めでは令和9年(2027年)12月31日までの譲渡であることです。2026年の秋から動くと、登記の期限までは半年足らず、3,000万円控除の期限までは1年余りです。登記と売買の日数を引くと、実際の余裕はさらに短くなります。

当社の見方

当社にいただく空き家のご相談では、毎年届く固定資産税の納税通知書を見て、このまま持ち続けてよいのか迷い始めたという方が多くいらっしゃいます。売却時の控除や税額の見通しは物件ごとの事情で変わるため、当社では、まず手元に残るお金と出ていくお金を並べて考えることをおすすめしています。売るときには、一般に売買契約書の印紙代、抵当権の抹消登記の費用、住所変更登記の費用がかかり、相続した物件では相続登記の費用も加わります。書類は登記識別情報または権利証・本人確認書類・印鑑証明書・固定資産税の納税通知書が一般的で、相続した物件では戸籍などが追加で必要になります。ご相談から買取価格のご提示までが目安30分、ご契約までが目安1〜2週間のため、次の納税の時期より前に判断材料をそろえたいという方もいらっしゃいます。買い取れない物件や、売らないほうがよい場合は正直にそうお伝えしていますので、税金の負担が気になり始めた段階で、全国(47都道府県)どこからでもお気軽にご相談ください。

当社が買い取る物件・お断りする物件と、買取価格の決まり方は、当社の買取事例76件の内訳とあわせて当社の買取基準にまとめています。

この記事について

執筆・編集
リアテクス編集部株式会社リアテクス当社(宅地建物取引業 東京都知事(1)第107888号)は物件を直接買い取る買主の立場から、売却を検討する方の判断材料となる記事を企画・編集しています。
監修
薩摩 賢幸薩摩 賢幸株式会社リアテクス 取締役COOこの区分の監修を担当しています。記事の公開判断は当社が行っています(代表が定めた手順による)。確認・公開判断:薩摩 賢幸(株式会社リアテクス 取締役COO)
公開・更新
公開 更新 内容を見直したときは、この日付と改訂の内容を更新しています。情報の確認日 (出典の公的資料を開いて内容を確かめた日)
この記事の事実確認の方法
出典:総務省、国土交通省、国税庁
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この記事は、当社の担当者が事実確認を行ったうえで公開しています。

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