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空き家のゆくえ買取くん

事故物件

事故物件は一度住めば告知不要?売るときに伝える範囲

公開 更新

執筆
株式会社リアテクス リアテクス編集部
監修
株式会社リアテクス 執行役員 鶴野 博之(宅地建物取引士(東京)第257503号)
事故物件は一度住めば告知不要?売るときに伝える範囲

「人が亡くなったこの家を売るとき、事故物件の告知義務は何年で消えるのか、一度誰かが住めばもう言わなくていいのか」。売買では、一度住めば告知しなくてよくなる決まりも、何年で告知が要らなくなる目安もなく、伝えるかどうかは死因・亡くなった場所・特殊清掃の有無で決まります。

当社は室内で亡くなった経緯を伺って買い取り、転売のときは当社が売主として次の買主に告げるため、死因や清掃の状況がお出しする金額に響きます。経緯を次の買主に伏せたまま売りたいというご希望はお受けしていません。この物件が買い取れるかどうかだけ、先に聞く(無料)

目次(6章)

事故物件を一度住めば済むか迷う段階でも、経緯から相談できます

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この先は当社の買取窓口「買取くん」です。

一度人が住めば室内で亡くなった事実を伝えなくてよくなる、という決まりは、売る取引にはありません。伝える範囲を分けるのは、住んだ人の数ではありません。死因と亡くなった場所、それに特殊清掃をしたかどうかです。年数の区切りも、売る取引には置かれていません。

事故物件は一度住めば告知不要?売るときに伝える範囲の要点を、定義・この記事でわかること・よくある質問の順に短くまとめた動画です。

事故物件は一度住めば告知不要?売買には告知が消える期間がない

売買で告知の要否を分ける3つの物差し

  • 死因

    どう亡くなったか(病気か、自殺や事件か)

  • 亡くなった場所

    どこで亡くなったか(室内か、共用部分か)

  • 特殊清掃の有無

    発見が遅れて特殊清掃や張り替えをしたか

家族がリビングのソファに座り、家の売却について話し合っている

その後に人が住んでも年数がたっても、それだけで売る家の告知が要らなくなることはありません。

  • 賃貸:事案からおおむね3年で告げなくてよくなる目安あり(事件性が特に高い場合・聞かれた場合は除く)
  • 売買:期間の定めなし。住んだ人の数も物差しに入らない
  • 売買の物差し:死因 / 亡くなった場所 / 特殊清掃の有無

図:賃貸と売買で、告知を分ける物差しはこう違う

国土交通省は令和3年10月、人の死をどう告げるかのガイドラインを定めました。告げなくてよくなる期間の目安は、その中に1つしかありません。賃貸の取引で、事案からおおむね3年です。売買には、この区切りが置かれていません(「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」を策定しました(国土交通省))。

人が入れ替わっても、告知が消える決まりは無い

「一度だれかに貸せば、その次の人からは言わなくていい」。不動産の取引では、こうした話が長く語られてきました。けれども、ガイドラインにこの考え方は書かれていません。

ガイドラインが見ているのは、どう亡くなったかと、どこで亡くなったかです。賃貸に限っては、どれだけ時間がたったかも見ます。何人が住んだかは、物差しに入っていません。

ご自身がその後も住み続けてきた場合も同じです。何年暮らしても、その家で死があった事実は変わりません。売主が住み続けたことは、買主が安心する材料にはなります。しかし、告知を省く理由にはなりません。

告知が要るかどうかの芯にあるのは、買主の判断です。知っていれば買わなかった。あるいは、その値段では買わなかった。そう言える事実なら、伝える側に入ります。住んだ人の数は、この問いの答えを変えません。

近所の人は、たいてい覚えています。家族が入れ替わっても、町内の記憶までは入れ替わりません。引越しの挨拶の席で、買主が初めて聞かされることもあります。売主が黙っていても、事実が買主に届く道はいくつも残っています。

賃貸の「おおむね3年」は、売買には当てはまらない

3年の目安には、いくつもの条件が付いています。対象は賃貸借の取引です。死因は、自然死や日常の事故以外の死です。特殊清掃をした自然死も、ここに含まれます。数え始めは事案が起きた時で、特殊清掃をした場合は発覚した時です。

売る取引に、この目安は借りてこられません。ガイドラインが、売買について告げなくてよくなる年数を示していないからです。「賃貸で3年なら、売買でも3年たてば」と考えると、そこで読み違えます。

賃貸でも、3年で必ず終わるわけではありません。事件性や世間に知られた度合いが特に高い事案は、年数がたっても告げる側に入ります。借主から聞かれたときも同じです。

売買の買主は、その家を長く持つつもりで買うのがふつうです。住宅ローンを組み、何十年も住む前提で選びます。過去の出来事を重く受け止める人がいるのは、そのためです。売り値は賃料より桁が大きく、後で争いになったときの金額も大きくなります。

  1. 知っていた死を告げずに売る
  2. 買主が契約不適合として、減額・賠償・解除を求める(民法第562条〜564条)
  3. 「責任を負わない」特約を付けても、知りながら告げなかった事実には効かない(民法第572条)

図:伝えずに売ったときの責任の流れ

賃貸と売買における告知基準の違い

観点賃貸売買
時間経過による区切りおおむね3年の目安ありなし(期間の定めなし)
告知を判断する基準死因・場所・経過した時間死因・場所・特殊清掃の有無
住んだ人数の影響判断基準に含まれない判断基準に含まれない

伝えずに売ったとき、売主が負う責任

ガイドラインは、宅建業者がどう告げるかの基準です。売主個人を直接しばる法令ではありません。それでも、黙って売った売主が責任を免れるわけではありません。

民法第562条から第564条は、引き渡した物が契約の内容に合わないときの決まりです。買主は、直すよう求めたり、代金を減らすよう求めたりできます。損害の賠償や、契約の解除に進むこともあります。

人が亡くなった事実は、修理では消せません。ですから話は、代金の減額や賠償、解除に向かいやすくなります。解除になれば、受け取った代金を返し、名義を戻す手続きも要ります。買主が払った引越しや登記の費用まで、争いの的になることがあります。

期間の決まりにも注意が要ります。品質が合わないときは、買主が知ってから1年以内に売主へ知らせるのが原則です(民法第566条)。ただし、売主が引渡しの時に知っていたなら、この1年の制限は働きません。

もう1つが、責任を負わない特約です。売買契約に「売主は責任を負わない」と書いても、知りながら告げなかった事実には効きません(民法第572条)。「一度住んだから言わなくていい」と考えて黙った売主は、まさに知っていた側に立ちます。

仲介を頼む宅建業者に、伏せてもらうこともできません。宅建業者は、買主の判断に重要な影響を与える事実を、わざと告げずにおくことを法律で禁じられているからです。売主が業者に話した時点で、その事実は買主に伝わる前提で動き始めます。

「事故物件は一度住めば告知不要?売買には告知が消える期間がない」について、そのまま聞けます。

一度住んでも事故物件の告知は残る?死因・場所・清掃で分かれる

亡くなった場所による告知の線引き

  • 室内・同じ敷地・日常使う共用部分

    死因と特殊清掃の有無によって、告知が必要かどうかが決まる

  • 隣の住戸・ふだん使わない共用部分

    原則として告知不要。ただし報道されたり聞かれたりした場合は別

閑静な住宅街にある、戸建て住宅の外観と周囲の街並み

告知が残るかどうかは、住んだ人の有無ではなく、死因と亡くなった場所と特殊清掃の有無で決まります。

  1. 亡くなった場所は、売る建物の室内・同じ敷地・日常使う共用部分か。いいえ→原則として告知は要らない(報道されたとき・聞かれたときは答える)
  2. 死因は自殺・他殺・火災、または不明か。はい→年数にかかわらず告知が要る
  3. 特殊清掃や張り替えをしたか。はい→自然死でも告知が要る
  4. どれにも当たらない→原則として告知は要らない。ただし聞かれたら答える

図:告知が要るかを分ける順番

令和3年のガイドラインは、居住用の不動産を対象にしています。売る家が戸建てでも、マンションの一室でも、考え方の骨組みは同じです。違いが出るのは、共用部分や隣の住戸が絡むときです。

  • 室内・同じ敷地・日常使う共用部分:死因と特殊清掃の有無で決まる
  • 隣の住戸・ふだん使わない共用部分:原則として告げなくてよい(報道・聞かれたときは別)

図:亡くなった場所による告知の線引き

1. 自殺・他殺・火災などの死は、年数がたっても告知の対象

自殺や他殺、火災による死は、売買では告げる側に入ります。家の中での転倒や誤嚥のような、日常の事故には当たらないからです。死因が分からないままの死も、自然死と言い切れない以上、同じ側に置いて考えます。

売買には期間の区切りがありません。20年前の出来事でも、古いというだけでは外れません。その後に何家族が住んでいても同じです。

事件性や世間に知られた度合いが特に高い事案は、なおさらです。報道された事件や、近所で広く語られている出来事がこれに当たります。こうした事案は、ガイドラインが告げなくてよいとする場合に当たっても、告げる必要があるとされています。

仲介の宅建業者が告げる根拠は、宅地建物取引業法第47条第1号です。相手方の判断に重要な影響を及ぼす事実を、わざと告げない行為を禁じています(宅地建物取引業法(e-Gov法令検索))。売主から聞いた死の事実は、業者にとってこの重要な事実に入りえます。

2. 自然死や家の中の事故は、原則として告知しなくてよい

病気や老衰で亡くなった場合は、原則として告げなくてよいとされています。家の中で転んだ。食事中にのどを詰まらせた。こうした日常の事故による死も同じです。人が自宅で亡くなるのは、ごく自然なことだからです。

ただし「原則」には外れる場面があります。買主や仲介の担当者から聞かれたときです。ガイドラインは、経過した期間や死因にかかわらず、問われたら告げるべきとしています。

聞かれたのに「ありません」と答えるのは、黙っているのとは別の問題になります。事実と違うことを告げたことになるからです。自然死だから言わなくてよい、という理屈が通るのは、聞かれるまでです。

自分から伝えるのも、もちろん自由です。病気で静かに亡くなり、すぐに見つかった。こうした事情は、伝えても価格に響きにくいことがあります。後から近所の人に聞いて驚かれるより、先に伝えた方が話はこじれません。

家で看取ったご家族ほど、その死を特別な出来事とは感じていないかもしれません。それでも、買主から聞かれる場面は内見や契約の前に必ずやってきます。そのとき迷わず答えられるよう、時期と死因だけは整理しておくと安心です。

告知が要るかを分ける3つの確認手順

  1. 1

    1. 亡くなった場所

    室内や日常使う共用部分か。外れれば原則告知不要。

  2. 2

    2. 死因

    自殺・他殺・火災・不明なら、年数を問わず告知対象。

  3. 3

    3. 特殊清掃の有無

    清掃や張り替えがあれば、自然死でも告知対象。

3. 孤独死で特殊清掃をしたら、自然死でも告知の対象

病気で亡くなっても、発見が遅れれば話が変わります。長く気づかれず、特殊清掃や床の張り替えをした場合は、自然死でも告げる側に入ります。

「孤独死」という言葉そのものは、法令の用語ではありません。分かれ目は、一人暮らしだったかどうかではありません。遺体の傷みが進み、専門の清掃が要ったかどうかです。家族と同居していても、数日気づかれなければ同じことが起こりえます。

数え始めの日にも違いがあります。賃貸の3年の目安では、特殊清掃をした場合は発覚した時から数えます。売買には年数の区切りがありません。清掃から何年たっても、それだけで告知が外れることはありません。

臭いが壁や床下に残っていると、告知とは別に、建物の状態の問題にもなります。清掃や張り替えの記録は、告知の中身と状態の説明の両方に使えます。業者の作業報告書は、捨てずに残してください。

作業報告書には、清掃をした日付と範囲、消臭の方法が載るのがふつうです。買主が「どこまで直したのか」と尋ねたとき、この紙が1枚あれば、記憶ではなく記録で答えられます。依頼した業者が廃業していても、見積書や領収書の控えから作業の中身をたどれることがあります。封筒ごと保管してください。

4. 亡くなった場所で変わる告知の範囲

亡くなった場所が売る家の外なら、原則として告知の対象から外れます。マンションの共用部分は、日常使う場所かどうかで扱いが分かれます。

亡くなった場所売買での扱い(原則)告げる方向になる事情
売る建物の室内、同じ敷地の庭や車庫死因と特殊清掃の有無で決まる自殺・他殺・火災などの死、特殊清掃をした自然死
マンションで日常使う共用部分(ベランダ・玄関・廊下・階段・エレベーター)室内と同じく、死因と清掃の有無で決まる室内と同じ事情があるとき
隣の住戸、ふだん使わない共用部分原則として告げなくてよい事件性や世間に知られた度合いが特に高いとき、買主から聞かれたとき

表の3行目(隣の住戸、ふだん使わない共用部分)に当たる死は、原則として告知書に書かなくてよいとされています。ただ、同じ建物の事件が報道されていれば、買主はいずれ知ります。聞かれたときに答えられるよう、知っている範囲は手元に控えておきます。

マンションの部屋を売る場合、共用部分の出来事は売主より管理会社の方が詳しいことがあります。売主が知らなかった事実まで、告知書に書く必要はありません。知らない点は、知らないと書けば足ります。

5. 建て替え・更地にしても、土地で起きたことは残る

建物を壊せば、亡くなった部屋は物としては無くなります。けれども、その土地で起きた出来事まで消えるわけではありません。

ガイドラインが対象にするのは居住用の不動産です。建物を壊したあとの土地だけの売買に、どこまで当てはまるか。ここはガイドラインに直接の定めがありません。考え方は、売買一般の決まりに戻ります。買主の判断に影響するかどうかです。

土地の買主の多くは、そこに家を建てて住むつもりです。自殺や事件があった土地なら、気にする人は少なくないでしょう。建物が無くなっても、伝えておく方が後の争いを避けられます。

建て替えた場合も同じです。新しい家で暮らした年月は、買主が判断する材料の1つになります。ただ、それで過去の出来事が告知から外れるわけではありません。

更地にして売る場合、買主が知りたいのは、建物のどの部屋かよりも、その敷地で何があったかです。告知書には、解体した時期と、解体前の建物で亡くなった時期・死因を並べて書くと、買主が時系列で受け取れます。解体業者の見積書や、建物の滅失登記の完了通知は、時期を示す書類として使えます。

壊すかどうかは、告知とは別の物差しでも決まります。更地のまま1月1日を迎えると、土地の固定資産税を軽くする住宅用地の特例(地方税法第349条の3の2)が外れます。解体の費用もかかります。費用と手取りで比べたいときは、「古家は解体するかそのまま売るか」の記事に計算の例があります。

「一度住んでも事故物件の告知は残る?死因・場所・清掃で分かれる」について、そのまま聞けます。

一度住んだ事故物件を売る前に、告知の範囲を決める3つの手順

売買の告知が要るか診断する7つの項目

  • 死因(病気・事故)

    病気や老衰、家の中での転倒や誤嚥による死か

  • 死因(その他・不明)

    自殺・他殺・火災による死、または死因不明か

  • 場所

    室内・同じ敷地・日常使う共用部分での死か

  • 清掃

    発見までに日数がたち、特殊清掃等をしたか

  • 知られ方

    報道されたか、近所で広く知られているか

  • 問い合わせ

    買主や仲介の担当者から過去の死を聞かれたか

  • その後

    その後に誰かが住んだ、または建て替えたか

家族がテーブルに向かい、作業の合間にお茶を飲んで一息ついている手元

手順は、チェック表で告知が要るかを見て、記録をそろえ、告知書に書く範囲を業者と決める順です。

  1. チェック表で診断する(手元に置くもの:7つの欄)
  2. 記録をそろえる(診断書や検案書の写し・間取り図・清掃の作業報告書・賃貸借契約書)
  3. 告知書の範囲を業者と決める(告知書と契約書の控え)

図:売る前の3つの手順と、各段階で手元に置く書類

先に書類を集め始めると、何を探せばよいかが定まりません。告知が要るかの見当をつけてから動く方が、手戻りが少なくなります。

1. 売買の告知が要るか、7つの欄のチェック表で診断する

売る家について、次の7つの欄に当てはまるかを確かめてください。分からない欄は空けたままにせず、「分からない」と書き込みます。

  • □ 死因:病気や老衰、家の中での転倒や誤嚥で亡くなった
  • □ 死因(それ以外):自殺・他殺・火災による死、または死因が分からない
  • □ 場所:売る建物の室内か同じ敷地、またはマンションで日常使う共用部分で亡くなった
  • □ 清掃:発見までに日数がたち、特殊清掃や床・壁の張り替えをした
  • □ 知られ方:報道されたか、近所で広く知られている
  • □ 問い合わせ:買主や仲介の担当者から、過去の死について聞かれた
  • □ その後:その後に誰かが住んだ、または建物を建て替えた・壊した

読み方はこうです。場所の欄に印が付かなければ、原則として告知の対象から外れます。ただ、知られ方か問い合わせの欄に印があれば、場所にかかわらず告げる方向で考えます。

場所の欄に印が付いた場合は、死因と清掃の欄を見ます。死因の欄だけに印が付き、清掃の欄が空なら、原則として告げなくてよい家です。それでも問い合わせの欄に印が付けば、聞かれた時点で答えます。

死因(それ以外)か清掃の欄に印が付いたら、告知が要る家です。年数がたっていても、この結論は変わりません。

その後の欄は、告知が要るかどうかを変えません。印が付いたら、住んだ期間や建て替えの時期を、告知書に書き添える材料に回します。

  • 場所に印なし:原則として告知は要らない(知られ方・問い合わせに印があれば告げる)
  • 場所に印あり+死因(それ以外)または清掃に印:告知が要る
  • その後の欄:結論は変えず、告知書の書き添えに回す

図:7つの欄の読み方

例を2つ当てはめてみます。父が寝室で病気のため亡くなり、翌朝に見つかった家。その後、長男の家族が5年住んだとします。印が付くのは、死因・場所・その後の3つの欄です。清掃の欄は空なので、原則として告知は要りません。ただし買主に聞かれたら、亡くなった事実と、その後5年住んだことを答えます。

もう1つは、一人暮らしの母が居間で病気のため亡くなり、2週間後に見つかった家です。特殊清掃をして、床を張り替えました。印は死因・場所・清掃の3つです。清掃の欄に印があるので、自然死でも告知が要る家になります。仮にその後誰かが住んでも、この結論は動きません。

「分からない」が残った欄は、次の手順で記録を探します。それでも埋まらなければ、告知書に「不明」と書くのが筋です。

2. 時期・場所・死因・清掃の記録をそろえる

告知書に書く4つの事実を、手元の書類で裏づけます。記憶だけで書くと、日付や部屋がずれやすいからです。

時期は、死亡診断書か死体検案書の写しがあれば、それで確かめます。写しが無ければ、葬儀の書類や役所の手続きの控えから日付をたどります。特殊清掃をした場合は、亡くなった日と別に、発見された日も控えておきます。

場所は、亡くなった部屋を間取り図に印で書き込みます。浴室なのか、寝室なのか。廊下や階段なのか。買主が知りたいのは、どの部屋のことかです。

死因は、診断書や検案書の記載に合わせます。警察から説明を受けた場合は、その内容を日付とともにメモに残します。推測で「病死だと思う」と書くより、「不明」と書く方が後で争いになりにくくなります。

清掃は、特殊清掃の業者の見積書や作業報告書、領収書をそろえます。床や壁を張り替えたなら、その工事の契約書も添えます。臭いを消す作業がどこまで及んだかは、買主がいちばん気にする点の1つです。清掃を終えたあとの室内の写真があれば、それも一緒に残します。

その後に貸していたなら、賃貸借契約書で入居の期間を示せます。建て替えたなら、新しい建物の登記事項証明書で建築の時期が分かります。

売る前の3つの手順と手元に置く書類

  1. 手順1

    チェック表で診断する

    7つの欄に当てはまるか確かめ、告知の要否を見立てる

  2. 手順2

    記録をそろえる

    診断書や清掃の作業報告書など、事実の裏づけを集める

  3. 手順3

    告知書の範囲を決める

    業者と相談して範囲を定め、告知書や契約書の控を置く

3. 告知書に書くことと書かないことを、仲介か買取の業者と決める

  • 書く:時期 / 場所 / 死因 / 清掃・張り替え / その後の居住
  • 書かない:亡くなった方の氏名・年齢・住所・家族構成 / 亡くなり方の詳しい様子

図:告知書に書く事実と、書かない事実

告知書で考える項目は、下の表の6つです。そのうち亡くなった方の欄だけは空けておき、残る時期・場所・死因・清掃・その後の居住を埋めます。亡くなり方の詳しい様子も書きません。ガイドラインが宅建業者に求める告げ方も、この線に沿っています。亡くなった方や遺族の名誉と、暮らしの平穏に配慮するためです。

告知書の項目書く内容書かなくてよいこと
時期亡くなった時期。特殊清掃をした場合は発覚した時期正確な時刻
場所どの部屋か(浴室・寝室など)発見されたときの状況
死因自然死・自殺など。分からなければ「不明」亡くなり方の詳しい様子
清掃・張り替え特殊清掃や張り替えをした旨と時期業者に払った金額
亡くなった方書かない氏名・年齢・住所・家族構成
その後の居住住んだ期間や建て替えの時期(書き添えると判断の材料になる)住んだ人の氏名

告知書の重みは、業者の調べ方からも分かります。ガイドラインでは、宅建業者は売主に告知書への記入を求めれば、ふだんの調べを尽くしたことになるとされています。近所への聞き込みやインターネットでの調べまでは、原則として求められていません。買主に届く情報の出発点は、売主が書いた告知書です。

時期・場所・死因・清掃の4つで書くか迷う点は、書く側に倒します。口頭で業者に伝えただけでは、後で「聞いていない」と言われたときに示すものが残りません。紙に書いて、控えを手元に置いてください。

告知書に書いた事実は、売買契約書にも「買主はこれを承知した」と書き込みます。引き渡した物が契約の内容に合っていたかは、契約書と告知書に何が書かれたかを手がかりに判断されるからです(民法(e-Gov法令検索))。責任を負わない特約だけを頼りにできない理由は、「伝えずに売ったとき、売主が負う責任」の見出しのところにあります。

なお、この記事の税務・法務に関する記載は一般的な情報提供であり、個別の事案についての判断ではありません。適用の可否や具体的な税額については、税務署または税理士、登記については司法書士、境界や隣地との権利関係については弁護士や土地家屋調査士など、それぞれの専門家にご確認ください。当社は不動産の買主であり、税務や法律の代理はできません。

告知書や契約書の書き方で迷う点は、仲介を頼む宅建業者か弁護士に確かめてください。

「一度住んだ事故物件を売る前に、告知の範囲を決める3つの手順」について、そのまま聞けます。

事故物件を当社が買い取るとき、一度住んだ後の経緯はどう扱う?

当社が買い取る条件・買い取れない条件と、実際の買取事例は「当社の買取基準」にまとめています。

「事故物件を当社が買い取るとき、一度住んだ後の経緯はどう扱う?」について、そのまま聞けます。

事故物件は一度住めば告知不要か、への答え

  • 売買には、一度住めば告知が要らなくなる決まりも、告知が消える年数の目安もありません。国のガイドラインの「おおむね3年」は賃貸だけの目安です。
  • 告知が要るのは、自殺・他殺・火災などの死と、特殊清掃をした自然死です。病気や老衰、家の中の事故は原則として要りませんが、聞かれたら答えます。
  • 知っていて伝えなかった死は、責任を負わない特約があっても売主の責任として残ります。チェック表で範囲を見定め、時期・場所・死因・清掃の4つを告知書に書いてください。

当社は伺った経緯を、転売のときに次の買主へ告げる中身として引き継ぎ、そのうえで価格をお出しします。

査定は無料・売却の義務なし
0120-996-748受付時間10:00〜19:00(水・日曜定休)

通話料無料・全国対応

この先は、当社の買取窓口「買取くん」のページです(運営は同じ株式会社リアテクスです)。

事故物件の告知と一度住んだ家の売却で、よくある質問

Q1. 事故物件の範囲はどこまでですか

「事故物件」を定めた法令はありません。売買で告知の対象になるかは、令和3年のガイドラインの考え方で見るのが実務です。

告知の対象に入るのは、自殺・他殺・火災などの死です。死因が分からない死も、自然死と言い切れない以上、同じ側で考えます。病気や老衰、家の中での転倒や誤嚥の死は、原則として外れます。ただし、特殊清掃をした場合は、自然死でも対象に入ります。

場所で見ると、売る建物の室内と、マンションで日常使う共用部分が対象です。隣の住戸やふだん使わない共用部分での死は、原則として外れます。場所ごとの扱いは、「一度住んでも事故物件の告知は残る?死因・場所・清掃で分かれる」の章にある表で確かめられます。ガイドラインそのものの項目は、「事故物件の告知義務はどこまでか」の記事で順に読めます。

Q2. 孤独死があった物件の告知義務は、賃貸契約でも発生しますか

特殊清掃をした孤独死なら、賃貸でも告知の対象になります。清掃をしていない自然死なら、賃貸でも原則として告げなくてよいとされています。

賃貸で告知の対象になった場合は、発覚した時からおおむね3年がたてば、原則として告げなくてよくなります。ただし、借主から聞かれたら、年数にかかわらず答えます。

売れるまでの間だけ、家を人に貸すことを考える方もいます。その場合、貸すときと売るときで、告知の線は別々に引かれます。賃貸の3年が過ぎたからといって、売買の告知まで外れるわけではありません。

貸したあとに売る場合は、入居者との契約書に、過去の死について説明した旨が書かれているかも確かめておきます。説明の記録が残っていれば、買主に経緯を伝えるときの裏づけになります。

Q3. 孤独死の清掃費用は誰が払いますか

持ち家なら、その家の所有者が払うのがふつうです。亡くなった方が所有者だった場合は、家を引き継いだ相続人が手配することになります。

賃貸の部屋で亡くなった場合は、話が分かれます。部屋の持ち主が、亡くなった入居者の相続人や連帯保証人に、元に戻す費用を求める形です。どこまで負うかは、賃貸借契約の中身と、部屋の傷み方で変わります。

相続放棄を考えている場合は、費用の出し方で扱いが変わることがあります。清掃を頼む前に、弁護士か司法書士に確かめてください。

清掃をせずに売ることもできます。その場合は、清掃の費用と手間が買主側に移り、価格に織り込まれます。家財の片付けも残っているなら、「実家の残置物の処分はどこまで?売り方3つの分かれ目」の記事で、売り方ごとの分かれ目を比べられます。

Q4. 事故物件の告知義務は何年で時効になりますか

売買では、告知が要らなくなる年数はありません。時効で告知の義務が消える、という仕組みでもありません。

時効が問題になるのは、伝えなかったことで後から求められる責任の方です。品質が合わない場合、買主は知ってから1年以内に売主へ知らせる必要があります(民法第566条)。ただ、売主が引渡しの時に知っていたなら、この1年は効きません。

そのうえで、債権そのものにも時効があります。民法第166条は、権利を使えると知った時から5年、使える時から10年で時効になると定めています。いつから数えるかは事案で分かれるので、弁護士に確かめてください。

年月が過ぎるのを待って黙るのは、割に合いません。最初から告知書に書いておけば、後の年数を数える必要そのものがなくなります。

Q5. 一度人に貸して入居者が住んだあとなら、売るときに告知しなくてよいですか

いいえ。入居者が住んだあとでも、売買で告知が要るかどうかは変わりません。死因と場所、特殊清掃の有無で決まる点は同じです。

入居者が何事もなく住んだ期間は、告知書に書き添える事実になります。「その後3年間、賃貸で人が住み、苦情はなかった」。こうした一文は、買主が判断する材料になります。

入居者がいるまま売る場合は、賃貸借契約も買主に引き継がれます。告知と合わせて、契約の中身や賃料の入り方も、買主に渡す情報になります。

入居者本人が過去の死を知らされていたかどうかも、買主に伝わる事実です。入居時に説明した記録があれば、契約書の控えとあわせて渡せるようにしておきます。

Q6. 室内で亡くなったことを伝えると、価格はどれくらい下がりますか

一律の下がり幅はありません。下がり方は、死因と清掃の有無、世間への知られ方、立地で変わります。

病気で亡くなり、すぐに見つかった家は、原則として告知の対象外です。価格にも響きにくいことがあります。自殺や事件の家は、買う人が限られ、その分だけ下がりやすくなります。特殊清掃をした家は、臭いの残り方や張り替えの範囲で差が出ます。

時間がたつと価格がどう戻るかは、「事故物件の自宅を売る」の記事で期間との関係から確かめられます。当社にご相談いただく場合は、死因と清掃の記録をお手元にご用意いただくと、価格の根拠をお伝えしやすくなります。

お手元に記録が少ないときは、無理に集めてから相談する必要はありません。分かる範囲の時期と死因、清掃の有無だけをお知らせいただければ、足りない点を一緒に洗い出します。記録が無い部分は価格を厳しめに見込むことになるため、診断書の写しや清掃の領収書が見つかったら、あとからでもお知らせください。見込みを見直せる場合があります。

当社の見方

ご相談の中では、「一度でも誰かが住んだ後なら、もう伝えなくてよいのでは」と考えて、事故物件であることを言わずに売れないかと迷われる方が多くいらっしゃいます。当社では、事故物件であることは最初にお伝えいただくほうが話が早く進むとご案内しています。どこまで伝えればよいか迷う場合も、分かっていることをそのままお話しいただければ、買い取れない物件や売らないほうがよい場合は、正直にそうお伝えしています。流れとしては、ご相談から買取価格のご提示までが目安30分、ご契約までが目安1〜2週間で、お引き渡しは早ければ2週間以内、お引き渡しと同時にご入金します。相続した物件では戸籍などの書類が追加で必要になりますが、ご用意いただく書類は個別のご案件によりますので、まずはご相談ください。

当社が買い取る物件・お断りする物件と、買取価格の決まり方は、当社の買取事例76件の内訳とあわせて当社の買取基準にまとめています。

この記事について

執筆・編集
リアテクス編集部株式会社リアテクス当社(宅地建物取引業 東京都知事(1)第107888号)は物件を直接買い取る買主の立場から、売却を検討する方の判断材料となる記事を企画・編集しています。
監修
鶴野 博之鶴野 博之株式会社リアテクス 執行役員宅地建物取引士(東京)第257503号/賃貸不動産経営管理士/2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)この区分の監修を担当しています。記事の公開判断は当社が行っています(代表が定めた手順による)。確認・公開判断:鶴野 博之(株式会社リアテクス 執行役員)
公開・更新
公開 更新 内容を見直したときは、この日付と改訂の内容を更新しています。情報の確認日 (出典の公的資料を開いて内容を確かめた日)
この記事の事実確認の方法
法令:宅地建物取引業法、民法出典:国土交通省、法務省
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