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空き家

実家を解体すると固定資産税は上がる?1月1日で決まる仕組み

公開 更新

執筆
株式会社リアテクス リアテクス編集部
監修
株式会社リアテクス 取締役COO 薩摩 賢幸
実家を解体すると固定資産税は上がる?1月1日で決まる仕組み

「空き家になった実家を解体すると、固定資産税は6倍になるのか」。解体すると住宅用地の特例が外れて土地の固定資産税は上がりますが、上がるのは更地で迎えた1月1日を基準にした年度からで、家屋の税が無くなる分もあるため、一度に6倍になるとは限りません。

当社は解体も片付けもしていない実家を建物付きのまま買い取り、取り壊しと家財の撤去の費用はその分を価格から差し引いてお出しします。固定資産税の滞納で差押えの登記が入っていて、決済日までに外せない実家は買い取れません。この家が買い取れるかどうかだけ、先に聞く(無料)

目次(9章)

解体する前の実家も、建物が残ったまま相談できます

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相続した実家を取り壊して更地にすると、土地の固定資産税は上がります。家が建っている土地には住宅用地の軽減がかかっていて、建物が無くなるとその軽減が外れるからです。ただし上がるのは取り壊した日からではなく、取り壊した後に迎える1月1日の状態で決まり、家屋の分の税が無くなる分も差し引いて考える必要があります。

実家を解体すると固定資産税は上がる?1月1日で決まる仕組みの要点を、定義・この記事でわかること・よくある質問の順に短くまとめた動画です。

実家を解体すると固定資産税はなぜ上がる?住宅用地の6分の1が外れる

家が建っている土地は課税標準が価格の6分の1(200㎡を超える部分は3分の1)まで下げられていて、解体でこの軽減が外れるため上がります。

親が亡くなって半年ほどたち、空き家になった実家の郵便受けに、今年度の納税通知書が届いている。いまはそういう時点だと考えてください。その通知書の金額は、実家が建っていることを前提に計算されています。建物が残っている限り、土地は住宅用地として扱われます。税の計算の土台になる金額も、小さく抑えられているのです。片付けが一段落して、古い家を壊そうかと考え始めたとき、この前提が崩れます。

200㎡までは6分の1、超える部分は3分の1という住宅用地の特例

固定資産税の額は、土地の価格(評価額)をそのまま使いません。課税標準という金額に税率を掛けて決まります。住宅が建っている土地には、特例があります。地方税法(e-Gov法令検索)第349条の3の2が、課税標準を低くする扱いを定めています。住宅1戸あたり200㎡以下の部分は、小規模住宅用地として価格の6分の1です。200㎡を超える部分は、価格の3分の1が課税標準になります。

たとえば実家の敷地が240㎡なら、200㎡までの部分は6分の1、残りの40㎡は3分の1で計算されます。敷地が200㎡に収まる家なら、全体が6分の1の側に入ります。都市部の実家ほど敷地が小さくなります。6分の1が敷地のほとんどにかかるため、解体したときの変化も目立ちやすくなります。

この扱いは、土地の上に人の住む家屋があることが条件です。家を取り壊せば、その土地は住宅用地ではなくなり、6分の1や3分の1の割り落としは使えなくなります。片付けを終えて空き家のまま置いている段階では、通常はこの扱いが続きます。住む人がいなくても、家屋は残っているためです。ただし傷みが激しく、人が住める家屋とは見られなくなると、市区町村の判断で外れることがあります。空家法の勧告で外れる場合は、「解体しなくても実家の固定資産税が上がるのはいつ?管理不全空家の勧告」の章に書いています。

敷地240㎡における住宅用地の特例の分かれ目

区分割合
手厚く軽減される面積小規模住宅用地として価格の6分の1
軽減率が下がる面積200㎡を超えた部分は価格の3分の1

「解体したら6倍」はどこまで本当か

解体すると固定資産税が6倍になる、という言い方は、地方税法第349条の3の2が定める6分の1の割り落としが無くなることから来ています。課税標準の出発点が6分の1から元の価格に戻るので、計算の上では6倍という数字が出てきます。ただ、実際の納税通知書の金額が一度に6倍になるとは限りません。

理由は2つあります。ひとつは、負担調整の仕組みです。住宅用地でなくなった土地の課税標準は、同じ地方税法の附則に置かれたこの仕組みを通して決まります。前の年度からの上がり方をならす決まりや、課税標準を価格の一定の割合までに抑える決まりがあります。価格そのものが丸ごと課税標準になるわけではありません。もうひとつは、家屋の分の固定資産税がかからなくなることです。古い木造の家屋は評価が下がっていることが多くあります。それでも、土地の税が上がる分から家屋の税が無くなる分を差し引いて考えます。

都市計画税がかかる地域では、こちらにも住宅用地の軽減があり、解体すると同じように外れます。どこまで上がるかは土地ごとに違います。通知書の課税標準額を手元に置いて、市区町村の資産税の課(東京23区は都税事務所)に聞くのが確実です。更地になった場合の税額の見込みを尋ねてください。所在地と課税明細書の記載を伝えると、おおよその試算を教えてもらえることがあります。

税額は毎年1月1日の状態で決まる

固定資産税は、毎年1月1日に土地や家屋を持っている人に、その時点の状態で1年分が課されます。地方税法第359条が、この1月1日を賦課期日と定めています。年の途中で家を壊しても、売っても、その年度の税額は変わりません。

12月20日に解体を終えた場合、翌年の1月1日には土地の上に家屋がありません。その年度の土地は住宅用地として扱われず、その年度の通知書から税額が上がります。反対に、1月10日に解体を始めた場合、その年の1月1日にはまだ家屋が建っていたので、その年度は住宅用地のままで計算されます。上がるのは、更地で迎える次の1月1日を基準にした年度からです。わずか3週間の違いで、更地の税を払う年度が1つずれます。

家屋の側も同じ考え方で、1月1日に建物が無ければ、その年度の家屋の税はかかりません。ただ、取り壊したことが市区町村に伝わっていないと、翌年度も家屋の分が載った通知書が届くことがあります。登記されている建物なら、建物の滅失登記を申請します。登記されていない建物なら、資産税の窓口に届け出ます。そうすると課税の台帳に反映されます。解体の時期を決めるときに先に見る日付は、解体業者の空き具合ではなく、この1月1日です。

家屋の有無による住宅用地の特例の適用

観点200㎡以下の部分200㎡を超える部分
特例の割合価格の6分の1価格の3分の1
敷地が240㎡の例200㎡分を計算残りの40㎡分を計算
家屋を解体すると割り落としが使えなくなる割り落としが使えなくなる

相続した実家の固定資産税はいま誰が払う?1月1日の所有者と相続人

居間のテーブルでお茶を飲みながら話し合いをしている家族

固定資産税は1月1日時点の所有者に課され、名義が亡くなった親のままなら、相続人が親に代わって納める立場になります。

葬儀や役所の届け出が一通り済み、相続の話し合いはまだ手つかず、という時点で次の通知書が届くことはよくあります。宛名が亡くなった親のままだったり、相続人代表者という言葉が書かれていたりします。誰が払えばよいのか、分からなくなる場面です。固定資産税の制度の案内(総務省)にあるとおり、この税は1月1日現在の土地・家屋の所有者に市町村が課すもので、所有者が亡くなっていれば、その立場を引き継いだ相続人に向けて通知が届きます。

名義が親のままでも、通知は相続人の代表者に届く

親が亡くなった年の1月1日に親が存命だったなら、その年度の固定資産税は親に課されたもので、納め終えていない分は相続人が引き継いで納めます。翌年の1月1日には親はいないので、市区町村は相続人の側に通知を送ります。相続登記がまだで、登記簿の名義が親のままでも、税の通知が止まるわけではありません。

市区町村からは、相続人の中から代表者を決めて届け出るよう求める書類が届くことがあります。届け出をしないでいると、市区町村が戸籍などから相続人を調べ、そのうちの1人に通知を送ることもあります。実家の近くに住む人や、親と同居していた人のもとに通知が届き、そのまま毎年払い続けている、という形になりがちです。

代表者になったからといって、その人だけが税を負担すると決まったわけではありません。代表者は市区町村とのやり取りの窓口で、相続人の間で誰がどれだけ負担するかは、あくまで相続人どうしの話し合いで決まります。

遺産分割の前と後で、払う人が変わる

遺産分割がまだ決まっていない間、実家は相続人全員のものとして扱われます。固定資産税も全員で負担する関係です。代表者として払った人は、ほかの相続人に負担の分を求めることができます。ただ、話し合わないままだと、払った人だけが毎年持ち出している状態が続きます。通知書と領収書は、遺産分割の話し合いで精算するときの材料になるので、年度ごとにまとめて保管してください。

遺産分割で実家を誰が引き継ぐか決まれば、その人が次の1月1日からの所有者として通知を受けます。解体するかどうかも、本来は引き継ぐ人が決めることです。分割の前に誰か1人の判断で家を壊すと、税が上がった分の負担でこじれやすくなります。解体の話は、分割の話と同じ席で進めてください。

名義を親から相続人へ移す相続登記は、解体や売却の前に避けて通れない手続きです。実家を相続したと知った日から3年以内の申請が、2024年4月1日に義務になりました。施行日より前から相続を知っていた人は2027年3月31日が期限で、施行日以後に知った人は、知った日から3年が期限です(法務省「相続登記の申請義務化について」)。名義が親のままでは、更地にしても建物付きでも売買の登記ができません。

1月1日を基準とした固定資産税の納税義務

  1. 親が亡くなった年の1月1日

    親に課税される

    親が存命なら親に課され、未納分は相続人が引き継ぐ

  2. 親が亡くなった後

    代表者の届け出

    市区町村から代表者を決めるよう書類が届く

  3. 翌年の1月1日

    相続人側に通知

    名義が親のままでも相続人の代表者に通知が届く

実家の固定資産税で見落としやすい注意点

相続した実家の固定資産税には、見落としやすい注意点が3つあります。

  • 通知書の届け先が空き家のままになっている。 送付先が亡くなった親の住所のままだと、通知書は誰も住んでいない実家の郵便受けに届きます。納期限を過ぎれば延滞金がかかり、督促を経て差押えに進むこともあるので、資産税の窓口で送付先を自分の住所に変える届けを出してください。
  • 古い家でも家屋の税はかかっている。 課税明細書には、母屋のほかに物置や離れが家屋として載っていることがあります。建物ごとに課税されている状態を知らないまま一部だけを取り壊すと、税がどう変わるかを読み違えます。
  • 建物を残していても特例が外れることがある。 空き家の傷みが進み、市町村長から勧告を受けると、解体していなくても住宅用地の軽減が外れます。その流れは「解体しなくても実家の固定資産税が上がるのはいつ?管理不全空家の勧告」の章にあります。

「相続した実家の固定資産税はいま誰が払う?1月1日の所有者と相続人」について、そのまま聞けます。

実家を解体するか残すか建物付きで売るか、固定資産税で分かれる3つの道は?

どの道が合うかは、売り終える日が次の1月1日より前か後か、建物がまだ人の住める状態か、解体費用を先に出せるかで分かれます。

四十九日が過ぎ、家財の片付けの見積もりを取り始めた秋口は、ちょうどこの3つの道で迷い始める時期です。この時期に解体を決めると、工事が年内に終わります。更地のまま1月1日を迎える流れになりやすくなります。反対に年明けまで決めずにいると、建物を残したまま次の年度の通知書を受け取ります。もう1年分、空き家の管理を続けることになります。どの道を選ぶにしても、決める順番は「いつ手放すか」が先で、「壊すかどうか」はその後です。

1. 解体してから更地で売る場合

更地で売る道は、家を建てたい買主が多い地域で、古い建物が買う側の判断の妨げになっているときに向いています。土地の広さや形がそのまま見えるので、建て替えを考える人には検討しやすい状態です。一方で、解体の契約から完了まで、近隣への挨拶、着工、取り壊し、整地、滅失登記と進み、売り出しはその後になります。

売り出してから買主が決まるまでの期間は、場所によって大きく違います。その間に1月1日をまたげば、更地の税で1年分の通知が届きます。2回またげば2年分です。家を壊した時点で土地の税は上がる側に入るので、売れるまでの期間が読めない土地ほど、この道は負担が重くなります。解体費用の目安や見積もりの比べ方は「空き家の解体費用はいくらかかるか」の記事を参考にしてください。

もう一つの弱いところは、お金の出ていく順番です。解体費用は売却の代金が入る前に払うことになり、家財の片付けが残っていればその費用も先に出ます。いったん壊した家は元に戻せないので、あとで家族が使いたくなった、貸す道を考えたくなったという場合にも引き返せません。

更地で売る道を選ぶ際の主な注意点

  • 費用の支払いは先

    売却代金が入る前に解体や片付けの費用を払う必要があります。

  • 売り出しは解体の後

    解体から滅失登記まで終えてから売り出しが始まります。

  • 1月1日またぎで税負担

    売れるまでに1月1日をまたぐと更地の税がかかります。

  • 解体後は引き返せない

    壊した後に自分で使う・貸すといった別の道は選べません。

2. 建物を残したまま古家付きで売る場合

建物付きで売る道は、引き渡しの日まで土地が住宅用地のまま扱われるので、売る側が更地の税を払う期間がありません。買主が買った後に取り壊せば、次の1月1日に更地で税を払うのは買主です。解体費用を先に用意しなくてよく、壊すかどうかの判断も買主に移ります。

その代わり、買う側は取り壊しの費用や家財の撤去の費用を見込んで価格を考えます。更地で売れた場合と比べると、価格は下がりやすくなります。建物がまだ住める状態で、手を入れて住みたい人が見込める地域なら、建物そのものに値が付くこともあります。手取りの差を数字で比べる方法は「古家は解体するかそのまま売るか」の記事に計算の例があります。

建物付きで売るなら、売り出す前に家財をどこまで片付けるかも決めておきます。片付けずにそのまま引き取る買主もいれば、空の状態での引き渡しを求める買主もいて、その違いが価格と日程に出ます。

解体から更地での売却完了までの手順

  1. 1

    家財片付けと解体費用の支払い

    売却代金が入る前に、片付け費用と解体費用を先に出す必要があります。

  2. 2

    解体工事と滅失登記

    近隣挨拶から着工、整地、滅失登記まで進めます。この時点で家は元に戻せません。

  3. 3

    更地での売り出し

    土地の広さや形が見えやすくなりますが、売れるまでの期間は場所により異なります。

  4. 4

    1月1日をまたぐと税負担増

    買主が決まる前に1月1日を迎えると、特例が外れた更地の税がかかります。

3. 当面は残して持ち続ける場合

残す道は、数年のうちに家族の誰かが住む予定がある、あるいは売るかどうかを相続人の間でまだ決めきれない、という場合の選択です。建物がある限り、土地の税は住宅用地の扱いのままで、家屋の税も払い続けます。

税が上がらない代わりに、管理の手間と費用がかかり続けます。窓を開けての換気、水回りの点検、庭木の手入れ、郵便物の回収、火災保険の継続。遠方に住んでいれば、そのたびに交通費と時間も要ります。手を抜けば家は傷み、やがて次の章で書く勧告に近づいていきます。

残すと決めるなら、いつまで残すかの期限を家族で先に決めておいてください。期限を決めないまま毎年の通知書を払い続けると、売るにも壊すにも遅い時期になっていることがあります。払い続けた場合と手放した場合を年数で比べる考え方は「空き家の固定資産税を払い続ける損益分岐点」の記事にあります。

解体しなくても実家の固定資産税が上がるのはいつ?管理不全空家の勧告

建物を残していても、市町村長から管理不全空家等や特定空家等として勧告を受けると、その敷地は住宅用地の特例から外れて固定資産税が上がります。

台風のあとに屋根の一部が飛び、近所の人から市役所に連絡が入る。しばらくして、市の担当者から実家の状態について文書が届く。残す道を選んだ人が出会いやすいのは、こうした場面です。この段階ではまだ土地の課税標準は6分の1のままでも、対応しないまま手順が進むと、建物が建っているのに軽減が外れることになります。

1. 助言・指導の段階なら、まだ特例は外れない

空家等対策の推進に関する特別措置法(e-Gov法令検索)は、空き家の状態に応じて市町村長がとれる手順を定めています。第13条は、放置すれば特定空家等になるおそれのある管理不全空家等の所有者に、市町村長が指導をし、なお特定空家等になるおそれが大きいときは勧告できるとしています。第22条は、周りに悪い影響を及ぼしている特定空家等について、助言・指導、勧告、命令、そして命令に従わないときの代執行までの段階を定めています。

固定資産税にかかわるのは、このうち勧告です。助言や指導の文書が届いた段階では、住宅用地の扱いはまだ外れていません。文書に書かれた傷みの箇所を直すか、売却や解体の予定を担当の課に伝えて、勧告に進まないように動くのがこの段階でできることです。

文書が届いたのに返事をせず、何年も同じ状態が続くと、勧告に進みやすくなります。担当の課は、所有者に対応する意思があるかを見ています。修繕の見積もりを取った、売却の相談を始めた、という途中経過を伝えるだけでも、やり取りの記録が残ります。

助言・指導と勧告による特例への影響

観点助言・指導の段階勧告の段階
住宅用地の特例まだ外れない外れる
土地の課税標準6分の1のまま固定資産税が上がる
所有者の対応修繕や売却の予定を伝える何年も放置すると進みやすい

2. 勧告を受けたまま1月1日を迎えると外れる

地方税法第349条の3の2は、勧告を受けた管理不全空家等や特定空家等の敷地を、住宅用地の特例の対象から除いています。勧告を受けた状態で1月1日を迎えると、その年度から土地の税は更地と同じ考え方で計算されます。特定空家等に当たると判断された時点ではなく、勧告を受けた時点が分かれ目です。

勧告の後に必要な措置をとり、勧告が撤回されれば、その後の1月1日からは住宅用地の扱いに戻るのが通常の流れです。ただ、いつの年度から戻るかは、撤回の時期と市区町村の取扱いで変わるので、資産税の窓口に確かめてください。勧告を受けてから慌てて直すより、指導の段階で手を打つ方が、税の面でも工事の段取りの面でも負担は小さく済みます。勧告から税額が上がるまでの流れは「空き家の固定資産税が6倍になる条件」の記事でも順を追って書いています。

空家法による指導から代執行までの段階

  1. 1

    助言・指導

    この段階ではまだ住宅用地の特例は外れません。修繕や売却の相談を進めます。

  2. 2

    勧告

    この段階に進むと特例が外れ、固定資産税が上がります。

  3. 3

    命令

    勧告に従わない場合の次の段階です。

  4. 4

    代執行

    命令にも従わない場合、最終的に行政が代わりに行います。

3. 施設に入った親の家・親名義の家は、解体の前に確かめる

親がまだ存命で、介護施設や病院に移って実家が空いている場合、実家の所有者は親本人です。子が固定資産税を立て替えていても、解体するかどうかを決めるのは親で、子が代わりに決めることはできません。

親の判断能力に不安があるときは、さらに慎重な手順が要ります。認知症などで本人が意思を示せない状態だと、子が親の名前で解体業者と契約することはできず、成年後見人を選ぶ手続きが必要になります。後見人が本人の住まいだった家を売ったり取り壊したりするには、家庭裁判所の許可が要るとされています。施設に入った親の家を壊すかどうかの順番は、「施設に入った親の家を解体するか」の記事に名義・費用・税の順で書いています。

親が亡くなった後でも、名義が祖父母のまま何代も続いている実家では、誰が所有者かを確定するところから始まります。解体の見積もりを取る前に、登記簿の名義と、固定資産税の通知書の宛名が一致しているかを見てください。

「解体しなくても実家の固定資産税が上がるのはいつ?管理不全空家の勧告」について、そのまま聞けます。

納税通知書で実家の解体と固定資産税を見極める手順は?

テーブルの上に置かれた1枚の白い紙と、それを指差している手元

手元の固定資産税の納税通知書に付いている課税明細書を開き、土地の面積、土地の課税標準額、家屋の欄の3か所を確かめるところから始めます。

今年度の通知書が届き、とりあえず1期分を払ったところ、という時点で手を止めて、明細書をもう一度読むのが最初の作業です。200㎡を超える敷地か、建物が今も家屋として課税されているかで、解体したときの変わり方はまるで違います。通知書を開かないまま解体業者に見積もりを頼むと、工事が終わってから翌年度の通知書を見て驚くことになります。

1. 課税明細書の土地と家屋の欄を読み取る

課税明細書の書き方は市区町村ごとに少しずつ違いますが、見る場所は次の3か所です。

  • 土地の面積:地積の欄に、課税の対象になっている面積が書かれています。住宅1戸の敷地で200㎡以下なら、全体が6分の1の側に入っています。市区町村によっては、住宅用地の面積や小規模住宅用地の面積を別に書いていることもあります。
  • 土地の課税標準額:価格(評価額)と並べて見ます。課税標準額が、200㎡以下の部分は価格の6分の1、200㎡を超える部分は価格の3分の1になっていれば、住宅用地の軽減がかかっている状態です。解体したときに上がるのは、この差の部分です。
  • 家屋の欄:母屋のほか、物置や離れが載っていないかを見ます。建築年や構造、課税標準額も書かれていて、家屋の税がいくらなのかが分かります。

この3か所を読めば、解体で上がる土地の税と、解体で無くなる家屋の税の、おおよその向きがつかめます。数字の意味が分からない欄があれば、明細書を持って資産税の窓口で聞いてください。明細書にない情報として、市区町村から空き家について文書が届いていないかも、あわせて確かめておきます。

課税明細書で確かめる3つの項目

  • 土地の面積(地積)

    200㎡以下かどうかで軽減される割合の分かれ目になります。

  • 土地の課税標準額と価格

    2つの金額の差から、解体したときに上がる税の目安が分かります。

  • 家屋の欄の記載

    母屋以外の建物がないか、解体で無くなる税がいくらか分かります。

2. 解体する・残す・建物付きで売るを決める診断表

課税明細書と、実家の今の状態、手放す時期の見込みを、次の表に当てはめてください。

診断の項目(通知書と現地で見ること)当てはまるときの意味合う道の目安
土地の課税標準額が、200㎡以下の部分は価格の6分の1、200㎡を超える部分は価格の3分の1になっている住宅用地の軽減がかかっていて、解体すると上がる側にいる残す・建物付きで売る
住宅1戸の敷地で、土地の面積が200㎡以下敷地の全体に6分の1がかかり、更地との差が大きい建物付きで売る
家屋の欄に実家が載り、家屋の課税標準額がごく小さい解体で無くなる家屋の税も小さく、土地の税の増え方が目立つ建物付きで売る・残す
屋根材や外壁が落ちかけている、雨漏りで床が傷んでいる人が住める家と見られなくなる、勧告に進むおそれがある解体する・建物付きで売る
市区町村から助言や指導の文書が届いている勧告の手前にいて、残す道の時間が短い早めに建物付きで売る・解体する
次の1月1日より前に引き渡せる見込みがある更地で1月1日を迎えずに済む解体する(引き渡しの直前に)
解体費用を先に払うお金の用意がない解体業者への支払いが売却代金より先に来る建物付きで売る

表の1行目から3行目は課税明細書で分かることで、当てはまる行が多いほど、解体で税が上がる幅が大きい土地です。4行目と5行目は現地の状態と郵便物で分かることで、当てはまれば、残す道を長く続けるのは難しくなります。6行目と7行目は日程とお金の事情で、解体を選ぶかどうかを最後に決める行です。

たとえば1行目と2行目に当てはまり、6行目に当てはまらないなら、解体を先にすると更地の税を払う期間が生まれやすいので、建物付きで売る道から検討します。4行目と6行目に当てはまるなら、引き渡しの直前に解体する道が合います。どの行にも決め手がないときは、建物付きの価格と更地の価格の両方を出してもらい、次の章の比べ方に進んでください。

実家じまいの基本的な進め方は?解体の時期は1月1日から逆算する

押し入れの前で手を動かして片付けを進めている家族

両親が住んでいた実家を処分するときは、片付け、査定、売り方の決定、解体の要否、引き渡しの順に進め、解体の時期は引き渡し日と1月1日から逆算します。

診断表で道の見当がついたら、次はいつ何をするかを暦の上に置く段階です。いまが秋なら、年内に解体を終えるか、年明けまで待つかで、更地の税を払う年度が変わります。順番を逆にして解体を先に決めると、売り方を考える前に、更地で1月1日を迎える日程ができあがってしまいます。

1. 両親が住んでいた実家を処分する順番と、解体を置く時期

実家じまいの基本的な進め方は、家財の片付けから始まり、査定を取って売り方を決め、解体するかどうかを決め、最後に引き渡すという流れです。このうち解体だけは、ほかの工程と違って1月1日との位置関係で税が変わるため、引き渡しの日を先に決めてから置き場所を探します。

引き渡しを11月に置けるなら、10月に解体しても、更地で次の1月1日を迎えるのは買主です。売る側は更地の税を払いません。引き渡しを翌年の3月末に置くなら、解体は1月2日以降に始めれば、その年度は住宅用地のまま計算されます。困るのは、引き渡しの日が決まらないまま秋に解体し、更地で売り出して年を越す形です。

片付けにかかる時間も見込んでおきます。両親が長く暮らした家ほど家財は多く、形見分けや仏壇の扱いを親族で決めるのに時間がかかります。片付けが年をまたぎそうなら、建物付きで、家財の一部を残したまま引き取る相手を探す道もあります。片付けから売却までの工程の全体は「実家じまいの手順」の記事に段階ごとに書いています。

実家じまいを進める基本的な順番

  1. 1

    家財の片付け

    形見分けや仏壇の扱いなど、親族で決める時間を見込んで進めます。

  2. 2

    査定と売り方の決定

    査定を取り、どのように売るかを決めます。

  3. 3

    引き渡し日の決定

    解体より先に引き渡し日を決め、1月1日を誰が迎えるか確認します。

  4. 4

    解体の実施

    引き渡し日と1月1日から逆算し、更地の税を払わずに済む時期に解体を置きます。

2. 解体費用・補助金・補助金以外の制度を、税の負担と並べる

補助金を使わない場合に実家じまいでかかる費用は、家財の片付け、解体工事、建物の滅失登記の3つが中心で、それに更地になった後の固定資産税の増え方が加わります。滅失登記は自分で申請することもできますが、土地家屋調査士に頼めばその報酬がかかります。

市区町村によっては、老朽化した空き家の解体に補助金を出す制度があります。対象になる建物の条件、補助の上限、受付の時期は市区町村ごとに違い、工事を始める前の申請を求められることもあります。解体業者と契約する前に、実家のある市区町村の窓口で、制度があるか、着工前に何を出せばよいかを確かめてください。

補助金以外の制度で、解体と関係が深いものは2つあります。1つは、被相続人が一人で住んでいた家屋とその敷地を相続した相続人が、一定の要件を満たして売却した場合、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例です。ただし令和6年1月1日以後の譲渡では、家屋と敷地等を取得した相続人の数が3人以上になると、控除は1人あたり2,000万円までになります(被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例(国税庁))。主な要件の1つが、売り方の形です。家屋を耐震基準に適合させて売るか、取り壊して敷地を売るかのどちらかにします。取り壊した後の土地を駐車場などで人に貸すと、対象から外れます。国税庁の案内では、令和6年1月1日以後の譲渡なら、買主が譲渡の翌年2月15日までに取り壊す場合も対象になるとされています。売る期限は、相続の開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までです。ほかにも建築時期などの要件があります。「空き家3000万円控除の条件」の記事で、自分の家が当てはまるかを先に確かめてください。

もう1つは相続土地国庫帰属制度で、相続した土地を国に引き取ってもらう道です。建物がある土地は申請できないため、この制度を使うなら解体が前提になり、審査を経て承認された後に負担金を納める仕組みです。負担金は、宅地なら原則20万円です(法務省)。窓口は法務局で、解体して更地にしても承認されない土地もあるので、解体の前に相談してください。

ここまでの費用と税を、同じ紙に並べて比べます。解体して更地で売る場合は、解体費用と片付けの費用に、更地で迎える1月1日ごとの土地の税の増え方を足し、家屋の税が無くなる分を引きます。建物付きで売る場合は、解体の費用を見込んだ分だけ価格が下がる一方、売る側の持ち出しと更地の税はありません。この2つを手取りで比べ、差が小さいなら、売れるまでの期間が読みやすい方を選ぶのが堅い進め方です。

引き渡し日と1月1日から逆算する解体時期

  1. 1番目

    家財の片付け

    形見分けや仏壇の扱いなどを親族で決める

  2. 2番目

    査定と売り方の決定

    査定を取り、どのように売るかを決める

  3. 3番目

    引き渡し日の決定

    1月1日との位置関係で税が変わるため先に決める

  4. 4番目

    解体時期の決定

    引き渡し日と1月1日から逆算して解体を置く

なお、この記事の税務・法務に関する記載は一般的な情報提供であり、個別の事案についての判断ではありません。適用の可否や具体的な税額については、税務署または税理士、登記については司法書士、境界や隣地との権利関係については弁護士や土地家屋調査士など、それぞれの専門家にご確認ください。当社は不動産の買主であり、税務や法律の代理はできません。

「実家じまいの基本的な進め方は?解体の時期は1月1日から逆算する」について、そのまま聞けます。

解体前の実家を当社が建物付きで買い取る流れと、買い取れない条件

当社が買い取る条件・買い取れない条件と、実際の買取事例は「当社の買取基準」にまとめています。

「解体前の実家を当社が建物付きで買い取る流れと、買い取れない条件」について、そのまま聞けます。

実家の解体と固定資産税で、先に決める3つのこと

  • 上がる理由と時期を押さえる。 解体で住宅用地の特例(200㎡までは価格の6分の1、超える部分は3分の1)が外れ、更地で迎えた1月1日の年度から土地の税が上がります。家屋の税が無くなる分と負担調整があるので、一度に6倍になるとは限りません。
  • 解体の時期は引き渡し日から逆算する。 引き渡しの日を先に決め、更地で1月1日を迎えるのが自分か買主かを確かめてから工事を置きます。補助金は着工前の申請が要ることがあり、3,000万円の特例は解体後に土地を貸すと外れます。
  • 残すなら勧告に進ませない。 建物があっても、管理不全空家等や特定空家等として勧告を受ければ特例は外れます。課税明細書の土地の面積・課税標準額・家屋の欄と実家の状態を診断表に当てはめて、解体する・残す・建物付きで売るのどれかを選んでください。

当社は解体していない実家を建物付きのまま買い取り、取り壊しと家財の撤去にかかる費用は価格から差し引いてお出しします。

査定は無料・売却の義務なし
0120-996-748受付時間10:00〜19:00(水・日曜定休)

通話料無料・全国対応

この先は、当社の買取窓口「買取くん」のページです(運営は同じ株式会社リアテクスです)。

実家の解体と固定資産税について、よくある質問

Q1. 空き家の実家を解体すると、固定資産税は6倍になりますか

土地の課税標準の計算では、地方税法第349条の3の2の6分の1の割り落としが無くなるので、6倍という数字が出てきます。ただ、納税通知書の金額は、附則の負担調整の仕組みを通して決まり、家屋の分の税も無くなるので、合計の税額がそのまま6倍になるとは限りません。

見るべきは「土地の税の増え方から、家屋の税の減り方を引いた差」です。 この差は土地の価格や面積、家屋の評価で一軒ごとに違います。仕組みの詳しい説明は、「「解体したら6倍」はどこまで本当か」の見出しの節にあります。

Q2. 家を解体して更地にすると、固定資産税はいくらになりますか

金額は土地ごとに違うため、手元の課税明細書の価格と課税標準額を持って、市区町村の資産税の窓口(東京23区は都税事務所)で更地にした場合の見込みを聞くのが確実です。

聞くときは、解体する予定の時期もあわせて伝えてください。年内に壊すか年明けに壊すかで、更地の税が最初にかかる年度が変わります。 試算の金額が分かったら、売れるまでに更地で何回1月1日を迎えそうかを掛けて、解体費用と並べて比べます。

Q3. 小屋や物置だけを解体したら、固定資産税はどうなりますか

母屋が残っていれば、土地は住宅用地のまま扱われるので、土地の税は上がりません。物置や小屋が家屋として課税されていたなら、取り壊した後の1月1日からその分の家屋の税がかからなくなります。

反対に、母屋を壊して物置だけを残すと、土地の上に人の住む家屋が無くなるので、住宅用地の特例は外れます。 物置が残っていても、住宅の敷地としては扱われないためです。どの建物が課税されているかは、課税明細書の家屋の欄で確かめてください。

Q4. 築100年の実家の解体費用はいくらかかりますか

解体費用は、建物の構造と延べ床面積、前面の道路の幅、重機が入れるかどうか、家財がどれだけ残っているかで大きく変わるため、築年数だけでは決まりません。古い家では、土壁や瓦、古い基礎、井戸や浄化槽の撤去が加わることもあります。

工事の前には建材に石綿が含まれていないかを確かめる調査も求められるので、その費用も見積もりに入っているかを見てください。複数の解体業者から、同じ条件で見積もりを取って比べるのが確実です。 見積もりの項目の読み方は「空き家の解体費用はいくらかかるか」の記事にあります。

Q5. 相続登記をしていない実家でも解体できますか

工事そのものは、相続登記をしていなくても進められます。ただし、解体を決めるのは実家を引き継ぐ相続人で、遺産分割が決まる前なら相続人の間で合意しておく必要があります。取り壊した後の建物の滅失登記は、相続人から申請できます。

売却まで考えるなら、相続登記はいずれ避けて通れません。 相続登記の申請は2024年4月から義務になっていて(相続登記の申請義務化について(法務省))、自分の期限の数え方は「相続した実家の固定資産税はいま誰が払う?1月1日の所有者と相続人」の章の、遺産分割の前と後で払う人が変わる節に書いています。

Q6. 年の途中で実家を売ったら、その年の固定資産税は誰が払いますか

その年度の固定資産税は、1月1日に所有者だった人に1年分が課されるので、市区町村に納めるのは売った側です。年の途中で引き渡しても、市区町村が納める人を切り替えることはありません。

売る側と買う側の間でその年度の税をどう分けるかは、売買契約での取り決めの問題です。 分けるかどうか、どの日を境に分けるかは、契約書を交わす前に買主と確かめてください。次の1月1日より前に引き渡せば、翌年度からは買主に通知が届きます。

当社の見方

ご相談の中では、実家を解体してから売るか、建物があるまま売るかで迷われ、固定資産税がどう変わるかを気にされる方が多いです。当社では、解体を決める前にご相談いただければ、目安30分で買取価格をご提示し、建物が残ったままの状態で比べていただけるようにしています。全国(47都道府県)に対応していますので、遠方にある実家でも、固定資産税の納税通知書をお手元にご用意いただければ、お話を具体的に進めやすくなります。解体の時期と税の負担を気にして急がれる方もいますが、ご契約までは目安1〜2週間、お引き渡しは早ければ2週間以内で、お引き渡しと同時にご入金します。相続した実家では、相続登記の費用や戸籍などの書類が追加で必要になるため、ご負担いただく費用や書類は個別のご案件によることもあわせてお伝えしています。買い取れない物件や、売らないほうがよい場合は正直にそうお伝えしていますので、解体するかどうかを決める前の判断材料のひとつとしてもお使いください。

当社が買い取る物件・お断りする物件と、買取価格の決まり方は、当社の買取事例76件の内訳とあわせて当社の買取基準にまとめています。

この記事について

執筆・編集
リアテクス編集部株式会社リアテクス当社(宅地建物取引業 東京都知事(1)第107888号)は物件を直接買い取る買主の立場から、売却を検討する方の判断材料となる記事を企画・編集しています。
監修
薩摩 賢幸薩摩 賢幸株式会社リアテクス 取締役COOこの区分の監修を担当しています。記事の公開判断は当社が行っています(代表が定めた手順による)。確認・公開判断:薩摩 賢幸(株式会社リアテクス 取締役COO)
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公開 更新 内容を見直したときは、この日付と改訂の内容を更新しています。情報の確認日 (出典の公的資料を開いて内容を確かめた日)
この記事の事実確認の方法
法令:地方税法、空家等対策の推進に関する特別措置法出典:総務省、国税庁、法務省
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この記事は、当社の担当者が事実確認を行ったうえで公開しています。

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